JP2005179549A - ハロゲン含有ポリカーボネート樹脂の製造方法 - Google Patents

ハロゲン含有ポリカーボネート樹脂の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 分子量の低下もなく、洗浄性、造粒性に優れたハロゲン含有ポリカーボネート樹脂を効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】 数平均分子量が500〜5000であり、ハロゲン不含もしくはハロゲン含有量が4重量%未満(ただし、末端クロロホーメート基の塩素を除く)であり、オリゴマー末端のフェノール性水酸基に対するクロロホーメート基の割合が1:3〜1:20であることを特徴とするカーボネートオリゴマー。数平均分子量が1000〜10000であり、ハロゲン含有量が6〜30重量%(ただし末端クロロホーメート基の塩素を除く)であり、オリゴマー末端のフェノール性水酸基に対するクロロホーメート基の割合が1:5〜1:50であることを特徴とするハロゲン含有カーボネートオリゴマー。および、上記2種のオリゴマーを共重合させるポリカーボネートの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明はホスゲン法によって工業的に有利に、ハロゲン含有難燃性ポリカーボネート樹脂を製造する方法に関し、詳しくは、分子量安定性、洗浄性、造粒性等に優れた品質の良いハロゲン含有難燃性ポリカーボネート樹脂を効率的に製造する方法に関する。
ホスゲン法によるビスフエノールAからのポリカーボネート樹脂の製造においては、重合反応によって得られる樹脂の有機溶媒溶液を、水、酸水溶液などの水性洗浄液を用いて洗浄することによって樹脂の精製を行い、精製後の樹脂の有機溶媒溶液を濃縮し、樹脂を粉化したり、温水中で造粒して取得することが行われている。
樹脂の難燃化の目的でハロゲン含有ポリカーボネート樹脂を製造する場合に、難燃化のために希望される量、例えば4重量%といった比較的含多量のハロゲンを含有するポリカ
ーボネート樹脂を製造しようとすると、重合反応によって得られる樹脂の有機溶媒溶液は、ビスフエノールAのみを原料とする場合に比し、洗浄および造粒が極めて困難であった。
また、このようにして製造したハロゲン含有量の多いポリカーボネート樹脂は、ビスフエノールAのみを原料とするポリカーボネート樹脂に比し、溶融流動性が劣る欠点がある。
例えば、ポリカーボネートオリゴ.マーに、テトラブロムビスフエノールAおよびビスフエノールAを反応させて得た、ブロム合有量4重量%以上のポリカーボネート樹脂の10 量%塩化メチレン溶液は(例えば、特許文献1参照)、工業的規模で洗浄しようとすると、エマルジョンが生成して樹脂の有機溶媒溶液と水性洗浄液が分離しないとか、分離しても多量のダートレーヤーが生成して洗浄の効率が悪く、不純物が十分に除去できないために、樹脂が得られたとしても色調が悪く、熱安定性が低いものであった。
また、濃縮粉化に際しても、粘調なゲル状物が生成して粉化されないなどの障害が発生し、工業的な製造は因難であった。
また、ハロゲンを含有するポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液の洗浄性がよく、濃縮を伴う粉化が容易であり、しかも溶融流動性がよい樹脂が得られる製造法として、特定の2種のカーボネートオリゴマーを共重合させる方法が幾つか提案されているが(例えば、特許文献2参照)、これらの製造法では樹脂の有機溶媒溶液の洗浄性には優れるものの、得られた樹脂の分子量安定性に問題があり、分子量低下に伴う造粒が困難となる場合があった。
特開平7−196907号公報 特開昭57−155233号公報
本発明の目的は、分子量安定性、洗浄性、粉化性等に優れた品質の良いハロゲン含有難燃性ポリカーボネート樹脂を効率的に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、2種のオリゴマー末端基濃度(クロロホーメート基、フェノール性水酸基)の割合をそれぞれある特定の範囲とし共重合させた場合に上記課題が解決できることを見出した。
即ち、本発明の要旨は、ビスフェノール類とアルカリ化合物を含む水溶液とホスゲンとを連鎖停止剤の存在下に反応させて得られるカーボネートオリゴマーであって、数平均分子量が500〜5000であり、ハロゲン不含もしくはハロゲン含有量が4重量%未満(ただし、末端クロロホーメート基の塩素を除く)であり、オリゴマー末端のフェノール性水酸基に対するクロロホーメート基の割合が1:3〜1:20であることを特徴とするカーボネートオリゴマーに存する。
本発明の別の要旨は、ハロゲン含有ビスフェノール及びアルカリ化合物を含む水溶液と、上記のハロゲン含有率の低いカーボネートオリゴマーとを反応させて得られるハロゲン含有カーボネートオリゴマーであって、数平均分子量が1000〜10000であり、ハロゲン含有量が6〜30重量%(ただし末端クロロホーメート基の塩素を除く)であり、オリゴマー末端のフェノール性水酸基に対するクロロホーメート基の割合が1:5〜1:50であることを特徴とするハロゲン含有カーボネートオリゴマーに存する。
また、本発明の別の要旨は、上記のハロゲン不含カーボネートオリゴマー10〜85重量部とハロゲン含有カーボネートオリゴマー90〜15重量部とをアルカリ化合物の存在下に共重合させることを特徴とするハロゲン含有ポリカーボネート樹脂の製造方法に存する。
本発明のオリゴマーを共重合反応することによって、分子量の低下もなく、洗浄性、造粒性に優れたハロゲン含有ポリカーボネート樹脂を効率的に製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、「ハロゲン含有量」とは、末端クロロホーメート基を除いた、オリゴマーないしポリマーの主鎖部におけるハロゲン含有量を意味する。従って、「ハロゲン不含」とは主鎖部にハロゲンを有しないという意味であって、末端クロロホーメート基を有するオリゴマーを排除するものではない。末端クロロホーメート基は、重合反応に関与するだけであって、重合の完結によりほぼ完全にポリマー中に残存しなくなり、ポリマーの難燃性には主鎖中のハロゲンのみが関与する。
本発明の原料の一つである数平均分子量が500〜5000で、ハロゲン不含もしくはハロゲン含有量が4重量%未満であり、且つフェノール性水酸基濃度に対する末端クロロホーメート基濃度の割合(以下、CF/OHと記すことがある)が3〜20であるカーボネートオリゴマー(以下、オリゴマー(1)と略称することがある)は、ビスフェノールAもしくはビスフェノールAとハロゲン化ビスフェノールAとの混合物とホスゲンとを、周知の界面重合法もしくは溶液重合法によって反応させるか、または、ビスフェノールAとホスゲンから得た低分子量のカーボネートオリゴマーとハロゲン化ビスフェノールAとを反応させるなどの方法で製造することができる。
ポリマーの主鎖に導入されるハロゲンとしては、塩素原子または臭素原子が好ましく、その両方を含んでいても良い。
本発明に用いられるハロゲン化ビスフェノールAとしては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロムフェニル)プロパン(テトラブロムビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロムフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロムフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラクロルフェニル)
プロパンなどがあげられる。
また、上記ビスフェノールAの一部は、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類などのジヒドロキシアリール化合物で置き換えられていてもよい。
上記方法において、ビスフェノールAもしくはビスフェノールAとハロゲン化ビスフェノールAは水及びアルカリ化合物と共に水相を形成する。アルカリ化合物としては、通常水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が用いられる。水相中で芳香族ジオール類は、上記アルカリ金属水酸化物と反応して水溶性の金属塩を生じる。この場合、水相中の芳香族ジオール類とアルカリ金属水酸化物のモル比は、1:2.1〜1:3.0が好ましく、更に1:2.0〜1:2.5が好ましい。アルカリ金属水酸化物のモル比が少なくても多くても得られるオリゴマーの末端基に影響し、その結果共重合反応が異常となる。水相には、ハイドロサルファイト等の還元剤を少量添加してもよい。
使用する有機溶媒としては、反応温度及び反応圧力において、ホスゲン及びカーボネートオリゴマー、ポリカーボネート等の反応生成物は溶解するが、水を溶解しない(水と溶液をつくらないという意味で)任意の不活性有機溶媒を含む。
代表的な不活性有機溶媒には、ヘキサン及びn−ヘプタンのような脂肪族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン及び1,2−ジクロロエチレンのような塩素化脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン及びキシレンのような芳香族炭化水素、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン及びクロロトルエンのような塩素化芳香族炭化水素、その他ニトロベンゼン及びアセトフェノンのような置換芳香族炭化水素が含まれる。
中でも、塩素化された炭化水素、例えば塩化メチレンまたはクロロベンゼンが好適に使用される。これらの不活性有機溶媒は、単独であるいは他の溶媒との混合物として使用することができる。
ホスゲンは、液状またはガス状で使用される。温度管理の観点からはホスゲンは液状であることが好ましく、反応温度において液状を保ち得る反応圧力が選択される。ホスゲンの好ましい使用量は、反応条件、特に反応温度及び水相中のビスフェノールAの金属塩、またはビスフェノールAとハロゲン化ビスフェノールAとの金属塩の濃度によっても影響は受けるが、ビスフェノールA、またはビスフェノールAとハロゲン化ビスフェノールAの1モルに対するホスゲンのモル数で、通常1.2〜2.0、好ましくは1.2〜1.5である。この比が小さすぎるとCF/OHが3未満となり逆に大きすぎるとホスゲンの損失が多くなり、かつ、CF/OHが30を超え好ましくない。
また本発明においては、任意の分岐剤もポリカーボネートの原料とすることができる。使用される分岐剤は、3個またはそれ以上の官能基を有する種々の化合物から選ぶことができる。適当な分岐剤としては、3個またはそれ以上のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物が挙げられ、例えば、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノール、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン及び1,4−ビス(4,4′−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼンが挙げられる。また、3個の官能基を有する化合物である、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、トリメ
シン酸、塩化シアヌルも使用しうる。中でも、3個またはそれ以上のフェノール性ヒドロキシ基を持つものが好適である。分岐剤の使用量は、目的とする分岐度によっても異なるが、通常、芳香族ジオール類に対し、0.05〜2モル%の量で使用される。
本発明において、連鎖停止剤として使用されるモノフェノール類には種々のフェノール類、例えば、通常のフェノールのほか、p−t−ブチルフェノール及びp−クレゾールのような炭素数1〜20のアルキルフェノール、並びにp−クロロフェノール及び2,4,6−トリブロモフェノールのようなハロゲン化フェノールが含まれる。モノフェノール類の使用量は、目的とする縮合体の分子量によっても異なるが、通常、ビスフェノール類に対して、0.5〜10モル%(0.005〜0.1倍)の量で使用される。
ポリカーボネート共重合体の分子量は、モノフェノール等の連鎖停止剤の添加量で決定されるが、分子量制御性の点からその添加時期はカーボネート形成性化合物の消費が終了した直後から、分子量伸長が始まる前での間が好ましい。カーボネート形成性化合物の共存下でモノフェノール類を添加するとモノフェノール類同士の縮合物(炭酸ジフェニル類)が多く生成し、目標とする分子量のポリカーボネート樹脂が得られにくく好ましくない。一方、モノフェノール類の添加を極端に遅らせた場合、分子量制御が困難となるばかりか分子量分布の低分子側に特異な肩を持った樹脂となり、成型時にはな垂れを生じたりするような弊害が多くあまり好ましくない。
本発明においては二相界面縮合法を採用した場合、ホスゲンとの接触に先立って有機相と水相とを接触させ、乳濁液を形成させるのが特に好ましい。乳濁液を形成させるためには、通常の撹拌翼を有する撹拌機の外、ホモジナイザ、ホモミキサ、コロイドミル、フロージェットミキサ、超音波乳化機等の動的ミキサや、静的ミキサ等の混合機を使用するのが好ましい。乳濁液は通常、0.01から10μmの液滴径を有し、乳化安定性を有する。
乳化の状態は通常ウェーバー数或いはP/q(単位容積当たりの付加動力値)で表現できる。ウェーバー数としては、好ましくは10,000以上、さらに好ましくは20,000以上、最も好ましくは35,000以上である。また、上限としては1,000,000以下程度で十分である。また、P/qとしては、好ましくは200kg・m/リットル以上、さらに好ましくは500kg・m/リットル以上、最も好ましくは1,000kg・m/リットル以上である。
乳濁液とホスゲンとの接触は、前記乳化条件よりも弱い混合条件下で行うのがホスゲンの有機相への溶解を抑制する意味で好ましく、ウェーバー数として10,000未満、好ましくは5,000未満、さらに好ましくは2,000未満である。また、P/qとしては、200kg・m/リットル未満、好ましくは100kg・m/リットル未満、さらに好ましくは50kg・m/リットル未満である。ホスゲンとの接触は、管型反応器や槽型反応器にホスゲンを導入することによって達成することができる。
オリゴマー化反応においては縮合触媒の存在下で行うことができる。添加は、ホスゲンを消費した後に行う方がよく、縮合触媒としては、二相界面縮合法に使用されている多くの縮重合触媒の中から、任意に選択することができる。中でも、トリアルキルアミン、N−エチルピロリドン、N−エチルピペリジン、N−エチルモルホリン、N−イソプロピルピペリジン及びN−イソプロピルモルホリンが適しており、特にトリエチルアミン及びN−エチルピペリジンが特に適している。
オリゴマーを得る時の反応温度は、80℃以下、好ましくは60℃以下、さらに好ましくは10℃〜50℃の範囲である。また反応時間は反応温度によっても左右されるが通常0.5分〜10時間、好ましくは1分〜2時間である。反応温度が高すぎると、副反応の
制御ができず、ホスゲン原単位が悪化する。一方、低すぎると、反応制御上は好ましい状況ではあるが、冷凍負荷が増大して、その分コストアップとなり好ましくない。
有機相中のオリゴマー濃度は、得られるオリゴマーが可溶な範囲であればよく、具体的には、10〜40重量%程度である。有機相の割合は芳香族ジオールのアルカリ金属水酸化物水溶液、即ち水相に対して0.2〜1.0の容積比であることが好ましい。
通常、前記したオリゴマーの製造法によって得られたオリゴマー(1)の数平均分子量は、500〜10000、好ましくは700〜5000程度である。数平均分子量があまりに小さくても、また逆にあまりに大きくても、得られるポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液の洗浄性および造粒性が悪化するようになる。
更にオリゴマー(1)の末端基CF/OHは3〜20程度、好ましくは4〜15程度である事が必要である。仮に数平均分子量が上記500〜5000の範囲であったとしても、このCF/OHが3未満のオリゴマーを使用すると次工程での共重合反応が不完全なまま進行し得られるポリカーボネート樹脂の分子量が低下し洗浄性が悪化し濃縮粉化も困難となる。また逆にCF/OHが30を超えるオリゴマーを使用すると共重合反応で多量のアルカリを必要とし、その結果ポリマーの加水分解が進行し分子量が低下し洗浄性、造粒性が悪化するようになるので好ましくない。
通常、前記したオリゴマーを製造するためには、また、オリゴマー(1)のハロゲン含有量は4重量%未満である必要がある。オリゴマー(1)は少量であればハロゲンを含有していても差し支えないが、ハロゲン含有量があまり多いと、得られるポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液の洗浄性および造粒性の改善の効果が期待できなくなる。
次に、本発明のもう一つの原料である数平均分子量が1000〜10000でハロゲン含有量が6〜30重量%であって、且つCF/OHの割合が5〜50であるハロゲン含有カーボネートオリゴマー(オリゴマー(2)と略称することがある)は、ビスフェノールAとホスゲンから得た上記オリゴマー(1)と上記ハロゲン化ビスフェノールAのアルカリ水溶液とを反応させるなどの方法で製造する事ができる。
この場合、ハロゲン化ビスフェノールAとアルカリ金属水酸化物のモル比は、1:3.0〜1:4.0が好ましい。このモル比が少なすぎても多すぎても得られるオリゴマー末端基(CF/OH)に影響しその結果共重合反応が異常となる。
また、このオリゴマー(2)の製造においても、上記オリゴマー(1)の製造におけると同様、ビスフェノールAの一部を上記したビスフェノールA以外のジヒドロキシジアリール化合物で置き換えることもできる。
オリゴマー(2)の数平均分子量は1000〜10000程度である。数平均分子量があまりに小さくても、また逆にあまりに大きくても、得られるポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液の洗浄性および造粒が悪化するようになる。
更にオリゴマー(2)の末端CF/OHは5〜50程度である事が必要である。仮に数平均分子量が上記1000〜10000の範囲であったとしても、CF/OHが5未満のハロゲン化オリゴマーを使用するとオリゴマー(1)と同様、次工程での共重合反応が不完全なまま進行し得られるポリカーボネート樹脂の分子量が低下し造粒が困難となる。また逆にCF/OHが50を超えるハロゲン化オリゴマーを使用すると重合反応で多量のアルカリを必要とし、その結果ポリマーの加水分解が進行し分子量が低下し洗浄性、造粒性が悪化するようになるので好ましくない。
また、オリゴマー(2)のハロゲン含有量は6〜30重量%、好ましくは8〜20重量%である。ハロゲン含有量があまりに少ないと、得られるポリカーボネート樹脂のハロゲ
ン含有量を高くすることができず、難燃性の十分なポリカーボネート樹脂を得ることができなくなる。逆に、ハロゲン含有量があまりに多いと、得られるポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液の洗浄および造粒が困難となるので好ましくない。
このようにして得られたカーボネートオリゴマーは、常法に従い、重縮合条件下で高分子のポリカーボネート共重合体とする。好ましい実施態様においては、このオリゴマーの溶存する有機相を水相から分離し、必要に応じ前述の不活性有機溶媒を追加し、該オリゴマーの濃度を調整する。すなわち、重縮合によって得られる有機相中のポリカーボネートの濃度が5〜30重量%となるように溶媒の量が調整される。しかる後、新たに水及びアルカリ金属水酸化物を含む水相を加え、さらに重縮合条件を整えるために好ましくは縮合触媒を添加して界面重縮合法に従い、所期の重縮合を完結させる。重縮合時の有機相と水相の割合は容積比で有機相:水相=1:0.2〜1程度が好ましい。
本発明の共重合反応は、前記オリゴマー(1)と、オリゴマー(2)とを、アルカリ化合物の水溶液、有機溶媒、触媒を用いて共重合させる。
また本発明の共重合反応において、ビスフェノールAを存在させても良い。
上記オリゴマー(1)およびオリゴマー(2)はそれぞれ製造後単離したものを用いてもよいが、工業的には上記オリゴマーの製造に引き続き、これらの混合物をそのまま、またはこれらの混合物から必要に応じて水相などを分離した後、本発明の共重合反応に供するのが得策である。
また、その使用比率は、上記オリゴマー(1)およびオリゴマー(2)のハロゲン含有量、および目的とするハロゲン含有ポリカーボネート樹脂のハロゲン含有量によって決められるが、オリゴマー(1)10〜85重量部、好ましくは20〜75重量部に対し、オリゴマー2)90〜15重量部、好ましくは80〜25重量部程度である。
カーボネートオリゴマーの共重合反応においては、オリゴマー化反応と同一の縮合触媒の存在下で行うことができる。本発明によれば縮合触媒の使用量は芳香族ジオールに対して0.05〜0.5mol%、好ましくは0.05〜0.2mol%である。0.05mol%未満では重縮合反応が著しく遅くなり、アルカリとの接触時間が増え、未反応モノマーが増加する。0.5mol%を超えると重縮合反応は速くなるものの洗浄工程での縮合触媒の抽出除去に多大の労力を要し好ましくない。
アルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物があげられるが、工業的には水酸化ナトリウムを用いるのがよい。アルカリ化合物の使用量は共重合反応中常にアルカリ性が保たれる量以上であればよく、共重合反応の開始に当たって一時に加えても、また、共重合反応中に追加添加してもよいが、アルカリ化合物の量が多過ぎても、経済的な理由以外に特に不都合は旭いので、共重合反応の開始時に過剰量のアルカリ化合物を加え、共重合反応終了後における水相のアルカリ化合物濃度が0.05N以上、好ましくは0.1N〜1N程度となるようにするのがよい。
共重合反応の温度は、ポリカーボネート幟脂の製造におけると同様、常温付近で十分であり、反応時間は0.5〜5時間、通常1〜3時間程度で十分である。
重縮合完結後は、残存するクロロフォーメート基(CF基)が0.1μeq/g以下になるまで、水酸化ナトリウムのようなアルカリで洗浄処理する。
その後、常法によって酸洗浄及び水洗浄を行い不純物を除去した後有機溶媒を除去することによって粒状体のポリカーボネートを分離する。
ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液から固体のポリカーボネート樹脂を得る方法としては、該溶液から有機溶媒をニーダー等で蒸発させる方法(ニーダー法)、あるいは該溶媒と非溶媒とを混合してポリカーボネート樹脂を沈殿させる方法、ポリカーボネート樹脂
の有機溶媒溶液を攪拌翼を有する造粒槽に供給し水中懸濁状態を保ちながら加熱して有機溶媒を蒸発させポリカーボネート樹脂粒状体を得る方法(造粒法)があるが乾燥性、溶融押出によるペレット化等の加工性の点から造粒法がより好ましい。
造粒槽としては、2段以上の攪拌翼を有することが必要である。1段のみの攪拌翼を有する造粒槽では翼の位置によっても異なるが、造粒槽の下部壁面にブロック状固形物が発生したり、水スラリーの表面の流動状態が悪くなりブロック状の凝集物が発生し、安定運転が不可能となる。攪拌翼の形状は特に限定はなく通常の攪拌翼が使用できる。
また、槽内の邪魔板の有無はとくに影響ないが槽内に滞留部がないように考慮することが必要であり、邪魔板無にするか、または、邪魔板の断面を円型又は楕円型にすることが好ましい。
さらにポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液の供給位置は、上段に位置する攪拌翼の下端または下端を含む水平面と、下段に位置する攪拌翼の上端または上端を含む水平面の間の水中である。好ましくは、上記二つの水平面の間隔をhとした場合、上記二つの水平面からそれぞれ0.1h以上離れた位置を選ぶのがよく、好ましくは0.2h、更に好ましくは二つの水平面の中間部付近に供給するのがよい。
攪拌翼が3段以上有る場合には各攪拌翼の間の水中にポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液を分割して供給してもよい。
半径方向には槽半径をdとした場合槽の中心より0.3d〜0.9dの位置、好ましくは0.4d〜0.8dの位置である。0.9d〜1dの部分では岩板状固化物が生成し易くなりまた0〜0.3dの部分では、ポリマー溶液から発生する有機溶媒の蒸気が槽内に均一に分散されにくくなり攪拌軸部分で突沸状態となり好ましくない。
またポリマー溶液を槽内の気相部に供給する場合には液面上でフイルム状になったり粗大凝集物の発生の原因となり好ましくない。
造粒槽には、導出管から抜き出したポリマー粒状体含有水スラリーの少なくとも一部を、湿式粉砕機を用いて粉砕処理して循環水スラリー導入管を通して循環するとともに、補給水導入管から補給水を、また、ポリマー溶液導入管からポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液を連続的に供給する。
ポリマー溶液導入管の位置は造粒槽の翼の先端部以外、2段翼の中間部分に供給する。
造粒槽で有機溶媒を蒸発させる際の温度は、有機溶媒と水との共沸点以上、水の沸点以下の範囲から選ぶことができるが、造粒槽の温度が、あまりに低いと有機溶媒の蒸発が遅くなり造粒能力が低下するとか、槽内にポリカーボネート樹脂のブロックを生成するようになるなどの不都合があり、逆にあまりに高いと得られるポリカーボネート樹脂粒状体の嵩密度が小さくなる傾向がある。
かくして塩化メチレンを蒸発させるときは、造粒槽中では、循環させたポリカーボネート樹脂粒状体の湿式粉砕処理物と、供給したポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液から生成した固体のポリカーボネート樹脂が合体したポリカーボネート樹脂粒状体が形成されるので、該粒状体はこれを含有する水スラリーとして導出管から連続的に抜き出す。
造粒槽における上記ポリカーボネート樹脂粒状体の存在量は、攪拌および水スラリーの取り扱いの面から、造粒槽中の水スラリーに対して5〜50重量%、好ましくは10〜4
5重量%、更に好ましくは15〜40重量%程度の範囲とするのがよく、造粒槽に導入するポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液の量、補給水の量、および造粒槽から抜き出すポリカーボネート樹脂粒状体含有水スラリーの量を調節して、ポリカーボネート樹脂粒状体の存在量を上記範囲内の一定値に保つのがよい。
本発明においては、導出管から抜き出した水スラリーから、その少なくとも一部を湿式粉砕機を用いて湿式粉砕処理し、造粒槽に循環するとともに、製品ポリカーボネート樹脂粒状体含有水スラリーを抜き出す。
湿式粉砕処理に使用する湿式粉砕機としては、液体中の固体を粉砕することができる形式のものであれば何れも使用することができるが、粉枠とともに水スラリーの移送作用を併せ有するものが好ましく、例えば、攪拌翼が高速回転する形式のものが好適である。前者の形式の市販品としては、特殊機化工業株式会社製、商標、パイプラインホモミキサーまたはホモミックラインミルなどが、また後者の形式の市販品としては、小松ゼノア株式会社製、商標、ディスインテグレーターなどがあげられる。
湿式粉砕処理による粉砕は、上記水スラリー中のポリカーボネ、ト樹脂粒状体が、粒径0.1〜4
mm、好ましくは0.2〜2mm程度になるように粉砕するのがよい。
この湿式粉砕処理した水スラリーを造粒槽に循環させる量は、造粒槽から抜き出す水スラリーの50〜99.5重量%、好ましくは70〜98重量%程度である。この量があまりに少ないと造粒槽で形成されるポリカーボネート樹脂粒状体の粒径が段々大きくなるとともに不揃いとなり、満足できる製品が得られなくなるとか、連続運転が不能となるなどの不都合を招く。逆にあまりに多いと運転上の不都合は特にないが、製品の取得量が少なくなる。
製品のポリカーボネート樹脂粒状体を取得するための水スラリーは湿式粉砕処理後の水スラリーから抜出し管を通して抜き出すが造粒槽または導出管から抜き出すこともできる。
ポリカーボネート樹脂粒状体含有水スラリーからポリカーボネート樹脂粒状体を取得するには、傾斜、濾過、遠心分離などの手段によって粒状体を分離し、乾燥すればよい。
このようにして得られた樹脂は、従来法に比し分子量安定性、洗浄性、造粒性等に優れ品質の良いハロゲン含有難燃性ポリカーボネート樹脂を効率的に製造することができ、しかも得られる樹脂の溶融流動性がよいので、特にハロゲン含有量が4〜25重量%で粘度平均分子量が10,000〜100,000のハロゲン含有ポリカーボネート樹脂を製造する場合、従来法に比し極めて有利である。
本発明の共重合反応において、オリゴマー(1)およびオリゴマー(2)の末端基をある特定の範囲で管理する意味は、オリゴマー(1)とオリゴマー(2)の単位がある規則性を常に保ったまま配列したブロック共重合体を形成しているためと推察され、その結果、ポリマーの分子量が安定し、洗浄性、造粒性に優れた樹脂が得られるものと考えられる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。
また、実施例中の各測定値は以下の方法により求めたものである。
数平均分子量:
10/{(末端クロロホーメート基+末端OH基 μeq/g)×1/2}より算出した。
オリゴマー末端クロロホーメート基(CF):
オリゴマー溶液を塩化メチレンで希釈した後、アニリンと純水を添加し、フェノールフタレインを指示薬として規定度のNaOHにて滴定して求めた。
オリゴマー末端フェノール性水酸基(OH):
オリゴマー溶液を塩化メチレンで希釈した後、四塩化チタン、酢酸溶液を加え発色させ分光光度計(日立株式会社製UV−160型)を用い546nmの波長での吸光度を測定した。別に該オリゴマー製造時に使用したビスフェノールAの塩化メチレン溶液を用い、吸光係数を求め、オリゴマーの末端フェノール性水酸基を測定した。
粘度平均分子量:
樹脂の0.6g/dl塩化メチレン溶液を20℃でウベローデ型粘度計を用いて測定したηSPから、以下の式を用いて算出した。
ηSP/C=[η](1+0.28ηSP
ηSP=1.23×10−4Mv0.83
ポリカーボネートの分子末端クロロフォーメート基濃度(微量CF):
樹脂の約1gを精秤し、塩化メチレン20mlを加えて溶解し、これに4−(pニトロベンジル)ピリジンの1wt%塩化メチレン溶液2mlを加え発色させ、分光光度計(日立株式会社製、330型)を用い440nmの波長での吸光度を測定した。別に、フェニルクロロホーメートの塩化メチレン溶液を用い、吸光係数を求め、サンプル中のクロロホーメート基量を定量した。
ハロゲン含有量(臭素原子含有量):
樹脂約1gを精秤し、テトラヒドロフラン25mlに溶解後、蛍光X線(SEA2010L型)により測定した。
水分:
共重合反応終了後のハロゲン含有ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を三菱化学製デジタル微量水分測定装置(CA−05型)により測定した。
未反応ビスフェノールA、未反応テトラブロムビスフェノールA量:
樹脂1gを精秤し、塩化メチレン50mlに溶解後0.02規定水酸化ナトリウム水溶液10mlで抽出し、液体クロマトグラフィー(LC)により測定し(溶離液:アセトニトリル/水=4/6(v/v)、カラム:MCI GEL ODS−1HU、検出器:UV245nm、装置:島津LC−9A)予め求めた面積補正係数よりサンプル中の未反応ビスフェノールA量、未反応テトラブロムビスフェノールA量を算出した。
[実施例1〜3]
表1記載の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下「BPA」と記す)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロムフェニル)プロパン(以下「TBBPA」と記す)、水酸化ナトリウム(以下NaOHと記す)、及び水101.1kg/時をハイドロサルファイト0.018kg/時の存在下に35℃で溶解した後、25℃まで冷却した塩化メチレン60.5kg/時の有機相を各々内径6mm、外径8mmのステンレス製配管に供給し、同配管内で混合し、さらにホモミキサー(特殊機化株式会社製
製品名T.KホモミックラインフローLF−500型)を用いて、乳化し乳濁液を調製した。
このようにして得られた、BPAのアルカリ水溶液(水相)と塩化メチレン(有機相)の乳濁液を、ホモミキサーから分岐する内径6mm、外径8mmの配管で取出し、これに接続する内径6mm、長さ34mのポリテトラフルオロエチレン製パイプリアクターにおいて、ここに別途導入される0℃に冷却したパイプより供給された表1記載量の液化ホスゲンと接触させた。
上記乳濁液はホスゲンとパイプリアクター内を1.7m/秒の線速にて20秒間流通する間に、ホスゲン化、オリゴマー化反応を行った。この時、反応温度は、それぞれ60℃になるように調整しいずれも次のオリゴマー化槽に入る前に35℃まで外部冷却を行った。このようにしてパイプリアクターより得られるオリゴマー化された乳濁液を、さらに内容積50リットルの撹拌機付き反応槽に導き、窒素ガス雰囲気下30℃で撹拌し、オリゴマー化することで、水相中に存在する未反応のBPAのNa塩またはTBBPAのNa塩を完全に消費させた後、水相と有機相を静置分離し、オリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。オリゴマー化に際し、トリエチルアミンの2%水溶液(以下「2%TEA」と記す)、及びp−t−ブチルフェノールの24%の塩化メチレン溶液(以下「24%PTBP」と記す)
又は2,4,6−トリブロモフェノールの24%塩化メチレン溶液(以下「24%TBP」と記す)を表1記載の流量で各々、オリゴマー化槽に添加した。この時のオリゴマー1)の数平均分子量(Mn)、ハロゲン含有量、CF基濃度、OH基濃度、CF/OHを表1に記載した。
表1記載のTBBPA、NaOH及び水をハイドロサルファイト0.005kg/時の存在下に35℃で溶解したTBBPAのアルカリ水溶液及びオリゴマー(1)の塩化メチレン溶液を内容積100リットルのファウドラー翼付き反応槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下
30℃で攪拌し、30分間反応させた。この時のオリゴマー(2)の数平均分子量(Mn)、ハロゲン含有量、CF基濃度、OH基濃度、CF/OHを表1に記載した。
上記のオリゴマー(1)およびオリゴマー(2)の塩化メチレン溶液及び希釈用塩化メチレンを内容積200リットルのファウドラー翼付き反応槽に仕込み攪拌しながらこれに水、25重量%苛性ソーダ水溶液、2重量%トリエチルアミンを加え窒素ガス雰囲気下30℃で攪拌し、120分間共重合反応を行った。この時のそれぞれの仕込量および反応終了後の水相の苛性ソーダ濃度を表2に記載した。
共重合反応終了後、以下に示す洗浄操作を行い有機相中の水分量をそれぞれ測定し、その結果を表2に示した。塩化メチレン30.0kg及び水7.5kgを加え、20分間攪拌した後、攪拌を停止し、水相と有機相(I)を静置分離した。分離した有機相(I)に0.1規定塩酸20kgを加え15分間攪拌し、トリエチルアミン及び少量残存するアルカリ成分を抽出した後、攪拌を停止し水相と有機相(II)を分離した。さらに分離した有機相(II)に純水20kgを加え15分間攪拌した後、攪拌を停止し水相と有機相(III)を分離した。再度有機相(III)に純水20kgを加え15分間攪拌した後、攪拌を停止し水相と有機相(IV)を分離した。
4枚タービン翼2段の攪拌機を備えた内容積50リットルのジャケット付造粒槽に上記で得られたハロゲン含有ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液20リットル/時を連続的に供給するとともに、補給水として45℃の水30リットル/時を導入し、水中で懸濁状態を保ちながら内温50℃、攪拌回転数400rpmで塩化メチレンの蒸発を行いポリカーボネート樹脂粒状体を形成させた。
次いで、造粒槽から抜き出したポリカーボネート樹脂粒状体を含有する水スラリーの一部を湿式粉砕処理して該造粒槽に循環しながら35リットル/時の水スラリーを抜き取り造粒槽の内容物を50リットルに保った。
この方法によって得られた粒状ポリカーボネート樹脂は嵩密度も大きく、また粒子の付着凝集、造粒槽内でのブロック状固形物の発生もなく安定して満足できるポリカーボネート樹脂粒状体が得られた。
抜き取った水スラリーは濾過によりポリカーボネート樹脂粒状体を分離し、140℃で6時間真空乾燥した。こようにして得られたハロゲン含有ポリカーボネート樹脂の嵩密度、、粘度平均分子量、ブロム含有量、未反応BPA量および未反応TBBPA量を測定しその結果を表2に示した。
このように末端基(CF/OH)の管理された特定のオリゴマーを共重合反応することによって、分子量の低下もなく、洗浄性、造粒性に優れたハロゲン含有ポリカーボネート樹脂を効率的に製造することができる。
[比較例1]
実施例1でオリゴマー(1)製造時のNaOH量、PHG量を変えPTBPを添加しなかった事、オリゴマー(2)製造時のNaOH量を変えた以外は同様の操作を行い共重合反応を行い実施例1と同様の洗浄操作を行い有機相中の水分量をそれぞれ測定した。各々の結果を表1および表2に示した。
次いで、実施例1と同様の造粒槽を用い同条件下で上記で得られたハロゲン含有ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を連続的に供給するとともに、補給水として45℃の水を導入し、水中で懸濁状態を保ちながら内温50℃、攪拌回転数400rpmで塩化メチレンの蒸発を行いポリカーボネート樹脂粒状体を形成させたが粒子の付着凝集、造粒槽内でブロック状の固形物が発生し安定運転を続行する事は不可能であった。
このように末端基(CF/OH)が管理されていない特定のオリゴマーを共重合反応して得られるハロゲン含有ポリカーボネート樹脂は分子量の低下、洗浄性の悪化を招き造粒性にも問題があった。
[比較例2]
実施例3でオリゴマー(1)製造時のTBBPA量、NaOH量、PHG量を変えPTBPを添加しなかった事、オリゴマー2)製造時のTBBPA量、NaOH量を変えた以外は同様の操作を行い共重合反応を行い実施例と同様の洗浄操作を行い有機相中の水分量をそれぞれ測定した。各々の結果を表1、表2に示した。
実施例と同様の造粒槽を用い同条件下で上記で得られたハロゲン含有ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を連続的に供給するとともに、補給水として45℃の水を導入し、水中で懸濁状態を保ちながら内温50℃、攪拌回転数400rpmで塩化メチレンの蒸発を行いポリカーボネート樹脂粒状体を形成させたが粒子の付着凝集、造粒槽内でブロック状の固形物が発生し安定運転を続行する事は不可能であった。
このように末端基(CF/OH)が管理されていない特定のオリゴマーを共重合反応して得られるハロゲン含有ポリカーボネート樹脂は分子量の低下、洗浄性の悪化を招き造粒性にも問題があった。
Figure 2005179549
Figure 2005179549

Claims (8)

  1. ビスフェノール類とアルカリ化合物を含む水溶液とホスゲンとを連鎖停止剤の存在下に反応させて得られるカーボネートオリゴマーであって、
    数平均分子量が500〜5000であり、
    ハロゲン不含もしくはハロゲン含有量が4重量%未満(ただし、末端クロロホーメート基の塩素を除く)であり、
    オリゴマー末端のフェノール性水酸基に対するクロロホーメート基の割合が1:3〜1:20である
    ことを特徴とするカーボネートオリゴマー。
  2. アルカリ化合物の使用量をビスフェノール類に対して2.1〜3倍モル、ホスゲンの使用量をビスフェノール類に対して1.2〜2倍モル、連鎖停止剤の使用量をビスフェノール類に対して0.005〜0.1倍モルとすることを特徴とする請求項1に記載のカーボネートオリゴマーの製造方法。
  3. 連鎖停止剤がモノフェノール類であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーボネートオリゴマー。
  4. ハロゲン含有ビスフェノール及びアルカリ化合物を含む水溶液と、請求項1〜3に記載のカーボネートオリゴマーとを反応させて得られるハロゲン含有カーボネートオリゴマーであって、
    数平均分子量が1000〜10000であり、
    ハロゲン含有量が6〜30重量%(ただし末端クロロホーメート基の塩素を除く)であり、
    オリゴマー末端のフェノール性水酸基に対するクロロホーメート基の割合が1:5〜1:50である
    ことを特徴とするハロゲン含有カーボネートオリゴマー。
  5. アルカリ化合物の使用量をハロゲン含有ビスフェノールに対して3.0〜4倍モルとすることを特徴とする請求項4記載のカーボネートオリゴマーの製造方法。
  6. 請求項1〜3に記載のカーボネートオリゴマー10〜85重量部と請求項3又は4に記載のハロゲン含有カーボネートオリゴマー90〜15重量部とをアルカリ化合物の存在下に共重合させることを特徴とするハロゲン含有ポリカーボネート樹脂の製造方法。
  7. ハロゲン含有ポリカーボネート樹脂のハロゲン含有量が4〜25重量%である請求項6記載のハロゲン含有ポリカーボネート樹脂の製造方法。
  8. ハロゲン含有ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が10,000〜100,000である請求項6又は7に記載のハロゲン含有ポリカーボネート樹脂の製造方法。
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