JP2005179548A - 二剤型アクリル系接着剤組成物とそれを用いた接合体 - Google Patents

二剤型アクリル系接着剤組成物とそれを用いた接合体 Download PDF

Info

Publication number
JP2005179548A
JP2005179548A JP2003424086A JP2003424086A JP2005179548A JP 2005179548 A JP2005179548 A JP 2005179548A JP 2003424086 A JP2003424086 A JP 2003424086A JP 2003424086 A JP2003424086 A JP 2003424086A JP 2005179548 A JP2005179548 A JP 2005179548A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
adhesive composition
acrylic acid
acid derivative
acrylic adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003424086A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4707320B2 (ja
Inventor
Tetsuya Sakurai
哲也 櫻井
Hiroshi Sudo
洋 須藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP2003424086A priority Critical patent/JP4707320B2/ja
Publication of JP2005179548A publication Critical patent/JP2005179548A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4707320B2 publication Critical patent/JP4707320B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

【課題】塗布性の良好なチキソトロピックな粘性を持つ二剤型アクリル系接着剤の提供。
【解決手段】(1)(メタ)アクリル酸誘導体モノマー、(2)重合開始剤、(3)還元剤、(4)(メタ)アクリル酸誘導体モノマーに膨潤可能であり、且つ25℃でのトルエン中での膨潤度が9.5以上であるジエン系コアシェル重合体を含有してなる二剤型アクリル系接着剤組成物。さらに、(5)(メタ)アクリル酸誘導体モノマーに可溶なエラストマーを含有してなる二剤型アクリル系接着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗布性が良好であるチキソトロピックな粘性を持つ二剤型アクリル系接着剤組成物に関する。
省力化、省資源及び省エネルギーの点で、常温下、短時間で接着する接着剤として、常温速硬化型接着剤組成物が使用されている。従来、常温速硬化型接着剤組成物としては、二剤型速硬化エポキシ系接着剤組成物、嫌気性接着剤組成物、瞬間接着剤組成物及び第二世代のアクリル系接着剤組成物(SGA)が知られている。
二剤型速硬化エポキシ系接着剤は、主剤と硬化剤を計量、混合して被着体に塗布し、主剤と硬化剤の反応により硬化するものである。しかしながら、二剤型速硬化エポキシ系接着剤はより高い剥離強度と衝撃強度が要求されている。
嫌気性接着剤は、被着体間において接着剤組成物を圧着して空気を遮断することにより硬化するものである。しかしながら、嫌気性接着剤組成物は、圧着する際に接着剤組成物の一部が被着体からハミ出した場合、ハミ出した部分が空気に接触しても硬化する性質が要求されている。又、被着体間のクリアランスが大きい場合にも硬化する性質が要求されている。
瞬間接着剤は通常シアノアクリレートを主成分とし、作業性に優れている。しかしながら、より高い剥離強度や衝撃強度が要求されている。
SGAは二剤型アクリル系接着剤であるが、二剤の正確な計量を必要とせず、計量や混合が不完全でも二剤の接触だけで、常温で数分〜数十分で硬化するために、作業性に優れ、しかも剥離強度や衝撃強度が高く、ハミ出し部分の硬化も良好であるために、電気・電子部品分野から土木・建築分野に至るまで幅広く用いられている。
一般に、SGAの塗布方法としては、先端にミキシングノズルを取り付けたディスペンサーで塗布する方法や、特定の容器に二液を混合後ハケ等で被接着面に塗り広げる方法が挙げられる。
塗布作業の作業性の指標として接着剤のチキソトロピック性が挙げられるが、SGAのチキソトロピック性が低いと、組立ライン等で接着剤を塗布機より吐出した際に接着剤の糸切れ性が悪く、ラインが移動する際に被接合箇所以外の部分を塗布機より垂れた接着剤で汚してしまう可能性がある。さらに、接着剤を垂直面に塗布した場合、塗布した接着剤が自重により垂れ下がり、接着剤の膜厚に偏りを生じる可能性がある。
SGAにチキソトロピック性を付与する方法として特許文献1に、ABS、MBS、さらにはMBAS等のグラフト(コアシェル)重合体を添加する方法が開示されているが、具体的にどのような特性のコアシェル重合体が好ましいかは開示されていない。
特開昭53−2543号公報。
本発明は、前記従来技術の状況に鑑みて、糸切れ性が良好で、且つ垂直面に塗布しても容易に垂れ下がらない、チキソトロピック性に優れる二剤型アクリル系接着剤を提供することを目的とする。
本発明は、前記従来技術の問題解決を図る目的でいろいろ検討した結果、(メタ)アクリル酸誘導体モノマー、重合開始剤、還元剤、ジエン系コアシェル重合体を含有してなるアクリル系接着剤組成物において、ジエン系コアシェル重合体に特定の性質を有するものを選択する時に、糸切れ性が良好で、且つ垂直面に塗布しても容易に垂れ下がらない、チキソトロピック性に優れる二剤型アクリル系接着剤が得られるという知見を得て、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、(1)(メタ)アクリル酸誘導体モノマー、(2)重合開始剤、(3)還元剤、(4)ジエン系コアシェル重合体を含有してなるアクリル系接着剤組成物であって、前記ジエン系コアシェル重合体が、前記(メタ)アクリル酸誘導体モノマーに膨潤可能であり、且つ25℃でのトルエン中での膨潤度が9.5以上であることを特徴とする二剤型アクリル系接着剤組成物であり、さらに(5)(メタ)アクリル酸誘導体モノマーに可溶なエラストマーを含有してなる二剤型アクリル系接着剤組成物であり、(4)ジエン系コアシェル重合体のコアの部分がポリブタジエンを主成分とし、シェルの部分がスチレンおよび(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体を主成分とする二剤型アクリル系接着剤組成物であり、さらに、(5)(メタ)アクリル酸誘導体モノマーに可溶なエラストマーがジエン系共重合体である二剤型アクリル系接着剤組成物であり、さらに、これらの接着剤により接合してなる接合体である。
本発明の接着剤組成物は、塗布性が良好なチキソトロピックな粘性を持つ二剤型アクリル系接着剤組成物であり、塗布時に糸切れ性が良好で、且つ垂直面に塗布しても容易に垂れ下がらない作業性に優れる特徴を有しているので、いろいろな産業分野に適用することができ有益である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で使用する(1)(メタ)アクリル酸誘導体モノマーは、ラジカル重合可能であればいかなるものでもよい。ここで(メタ)アクリル酸誘導体モノマーは、例えば、次のようなものが挙げられる。
(i)一般式
Z−O−R1
で示される単量体。
(式中、Zは(メタ)アクリロイル基、 CH2=CHCOOCH2−CH(OH)CH2 −基又はCH2 =C(CH3)COOCH2−CH(OH)CH2−基を示し、R1は水素、炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、ベンジル基、フェニル基、テトラヒドロフルフリル基、グリシジル基、ジシクロペンチル基、ジシクロペンテニル基、(メタ)アクリロイル基及びイソボルニル基を示す)
このような単量体としては例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、グリセロール(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
(ii)一般式
Z−O−(R2O)p −R1
で示される単量体。
(式中、Z及びR1は前述の通りである。R2は−C2H4−、−C3H6−、−CH2CH(CH3)−、−C4H8−又は−C6H12−を示し、pは1〜25の整数を表す)
このような単量体としては例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート及び1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(iii)一般式
Figure 2005179548

で示される単量体。
(式中、Z及びR2は前述の通りである。R3は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、qは0〜8の整数を表す)
このような単量体としては例えば、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
(iv)前記(i)、(ii)又は(iii)記載の単量体に含まれない多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル。
このような単量体としては例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(v)(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンプレポリマー。このような単量体は、例えば水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、有機ポリイソシアネート及び多価アルコールを反応することにより得られる。
ここで水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等が挙げられる。
又、有機ポリイソシアネートとしては例えば、トルエンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
多価アルコールとしては例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール及びポリエステルポリオール等が挙げられる。
(vi)一般式(I)で示される酸性リン酸化合物。
Figure 2005179548

(式中、Rは CH2=CR4CO(OR5)m−基(但し、R4は水素又はメチル基、R5は−C2H4−、−C3H6−、−CH2CH(CH3)−、−C4H8−、−C6H12−又は

Figure 2005179548

を示し、mは1〜10の整数を表す。)を示し、nは1又は2の整数を表す)
この一般式(I)で示される酸性リン酸化合物としては例えば、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート及びビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フォスフェート等が挙げられる。
以上、(i)〜(vi)の単量体は、1種又は2種以上を使用することができる。これらの中では、接着性が大きく、接着後の被着体の接着歪みが小さい点で、(i)、(ii)及び(vi)からなる群の1種又は2種以上が好ましく、(i)、(ii)及び(vi)を併用することがより好ましい。(i)と(ii)を併用した場合、その組成比は質量比で(i):(ii)=50〜95:5〜50が好ましく、60〜80:20〜40がより好ましい。(vi)の使用量は、(i)と(ii)の合計100質量部に対して0.05〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。
本発明で使用する(2)重合開始剤としては、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物としては例えば、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド及びターシャリーブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。これらの中では、安定性の点で、クメンハイドロパーオキサイドが好ましい。
重合開始剤の使用量は、(メタ)アクリル酸誘導体モノマー100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。0.1質量部未満だと硬化速度が遅延化するおそれがあり、20質量部を越えると貯蔵安定性が低下するおそれがある。
本発明で使用する(3)還元剤は、前記重合開始剤と反応し、ラジカルを発生する公知の還元剤であれば使用できる。代表的な還元剤としては例えば、第3級アミン、チオ尿素誘導体及び遷移金属塩等が挙げられる。
第3級アミンとしては例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。チオ尿素誘導体としては例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、メチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素及びエチレンチオ尿素等が挙げられる。遷移金属塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅及びバナジルアセチルアセトネート等が挙げられる。これらの中では、反応性の点で、チオ尿素誘導体が好ましく、エチレンチオ尿素がより好ましい。
還元剤の使用量は(メタ)アクリル酸誘導体モノマー100質量部に対して0.05〜15質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。0.05質量部未満だと硬化速度が遅いおそれがあり、15質量部を越えると貯蔵安定性が低下するおそれがある。
本発明において配合される(4)(メタ)アクリル酸モノマー誘導体に膨潤可能なジエン系コアシェル重合体のコアの組成としては、ポリイソプレン、1,4−ポリブタジエン、1,2−ビニルポリブタジエン等のジエン系モノマーの単独および共重合体が挙げられる。シェルの組成としては(メタ)アクリル酸誘導体とスチレンの共重合体、または(メタ)アクリル酸誘導体とスチレンとアクリロニトリルの共重合体が挙げられる。これらのコアシェル重合体の具体例としては、MBS樹脂やMBAS樹脂が挙げられる。
これらジエン系コアシェル重合体の、25℃のトルエン中での膨潤度は、9.5倍以上が好ましく、10.0倍以上がより好ましい。9.5倍未満であると、得られる接着剤のチキソトロキック性が不十分であり、好ましい塗布性が得られない可能性がある。
これらジエン系コアシェル重合体の使用量は、(メタ)アクリル酸誘導体モノマー100質量部に対して5〜40質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。5質量部未満だとチキソトロピック性が不十分であるおそれがあり、40質量部を越えると粘度が高すぎて作業上不都合が生じるおそれがある。
本発明において配合される(5)(メタ)アクリル酸誘導体モノマーに可溶なエラストマー成分としては、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メチルメタクリレート共重合体、並びに、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、スチレン−ポリブタジエン−スチレン系合成ゴムといったスチレン系熱可塑性エラストマー、並びに末端を(メタ)クリル変性したポリブタジエンや、ウレタン系エラストマーが挙げられる。
これらの中では、溶解性及び接着性の点で、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、およびアクリロニトリル−ブタジエン共重合体が好ましい。
(メタ)アクリル酸誘導体モノマーに可溶なエラストマー成分の使用量は、(メタ)アクリル酸誘導体モノマー100質量部に対して、ジエン系コアシェル重合体との総和で5〜40質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。
又、本発明の樹脂組成物は空気に接している部分の硬化を迅速にするために各種パラフィン類を使用することができる。パラフィン類としては例えば、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバろう、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう、セレシン及びカンデリラろう等が挙げられる。これらの中では、パラフィンが好ましい。パラフィン類の融点は40〜100℃が好ましい。
パラフィン類の使用量は、(メタ)アクリル酸誘導体モノマー100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましい。0.1質量部未満だと空気に接している部分の硬化が悪くなるおそれがあり、5質量部を越えると接着強度が低下するおそれがある。
更に、貯蔵安定性を改良する目的で重合禁止剤を含む各種の酸化防止剤等を使用することができる。酸化防止剤としては例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、トリフェニルホスファイト、フェノチアジン及びN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。これらの中では、p−メトキシフェノールが好ましい。
酸化防止剤の使用量は、(メタ)アクリル酸誘導体モノマー100質量部に対して0.001〜3質量部が好ましい。0.001質量部未満だと効果がないおそれがあり、3質量部を越えると接着剤の硬化性が低下するおそれがある。
本発明の実施態様として、好ましくは、二剤型の接着剤組成物として使用することが挙げられる。二剤型については、本発明の接着剤組成物の必須成分全てを貯蔵中は混合せず、接着剤組成物を第一剤及び第二剤に分け、第一剤に重合開始剤を、第二剤に還元剤を別々に貯蔵する。二剤型は貯蔵安定性に優れる点で好ましい。この場合、両剤を同時に又は別々に塗布して接触、硬化することによって、二剤型の接着剤組成物として使用できる。
本発明の接着剤組成物により被着体を接合して接合体を作製する。被着体の各種材料については、紙、木材、セラミック、ガラス、陶磁器、ゴム、プラスチック、モルタル、コンクリート及び金属等制限はないが、被着体が金属等の場合、優れた接着性を示す。
以下実験例により本発明を更に詳細に説明する。各物質の使用量の単位は質量部で示す。ジエン系コアシェル重合体としては以下の化合物を選択した。
M−1:MBS樹脂(市販品) 膨潤度:10.8(倍)
M−2:MBS樹脂(市販品) 膨潤度:11.5(倍)
M−3:MBS樹脂(市販品) 膨潤度:14.1(倍)
M−4:MBS樹脂(市販品) 膨潤度: 7.9(倍)
M−5:MBS樹脂(市販品) 膨潤度: 7.2(倍)
尚、膨潤度は、次のように測定した。
[膨潤度]25℃にて、試料1gをトルエン100ml中で24時間静置し、その後トルエン中に膨潤したゲルを100メッシュの金網(質量A)にて濾過する。1分後、膨潤したゲルと金網の質量Bを測定し、室温にて一昼夜風乾後、真空乾燥を行い、乾燥したゲルと金網の質量Cを測定した。
膨潤度は以下の式により求めた。
膨潤度(倍)=(B−A)/(C−A)
表中に記載した各物質については、次のような略号を使用した。
〔略号〕
NBR:アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(市販品)
リン酸エステル:アシッドホスホキシエチルメタクリレート
又各種物性については、次のようにして測定した。
[粘度およびチキソトロピック指数]JIS K 6838に従い、接着剤の粘度を25℃に調整し、B型粘度計を用いて、ローター回転数が2回転および20回転の粘度を測定した。チキソトロピック指数は以下の式により求めた。
チキソトロピック指数=2回転の粘度/20回転の粘度
[糸切れ性]二液をディスペンサーより吐出させ、糸切れ性を目視にて判定した。
○:糸切れ性良好
×:糸切れ性不良
〔引張剪断接着強さ〕JIS K 6856に従い、試験片(100mm×25mm×1.6mm、SECC−Dサンドブラスト処理)の片方に第一剤と第二剤を等量混合した接着剤組成物を塗布した。その後、直ちにもう片方の試験片を重ね合わせて張り合わせた後、室温で24時間養生したものを試料とした。尚、試料の引張剪断接着強さ(単位:MPa)は、温度23℃、相対湿度50%の環境下において、引張速度10mm/分で測定した。
(実験例1)各ジエン系コアシェル重合体を用い、表1に示す二剤型接着剤組成物を調整し、物性を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2005179548
Figure 2005179548
(実験例2)表3に示す組成の二剤型接着剤組成物を調製したこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表4に示す。
Figure 2005179548
Figure 2005179548
本発明の接着剤組成物により、塗布性が良好なチキソトロピックな粘性を持つ二剤型アクリル系接着剤組成物が得られる。そのため、塗布時に糸切れ性が良好で、且つ垂直面に塗布しても容易に垂れ下がらない作業性に優れる接着剤が得られ産業上の有益性は大きい。

Claims (5)

  1. (1)(メタ)アクリル酸誘導体モノマー、(2)重合開始剤、(3)還元剤、(4)ジエン系コアシェル重合体を含有してなるアクリル系接着剤組成物であって、前記ジエン系コアシェル重合体が、前記(メタ)アクリル酸誘導体モノマーに膨潤可能であり、且つ25℃でのトルエン中での膨潤度が9.5以上であることを特徴とする二剤型アクリル系接着剤組成物。
  2. 請求項1記載の二剤型アクリル系接着剤組成物に、(5)(メタ)アクリル酸誘導体モノマーに可溶なエラストマーを含有してなることを特徴とする二剤型アクリル系接着剤組成物。
  3. 前記(4)ジエン系コアシェル重合体のコアの部分が、ポリブタジエンを主成分とし、シェルの部分がスチレンおよび(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体を主成分とすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の二剤型アクリル系接着剤組成物。
  4. (5)(メタ)アクリル酸誘導体モノマーに可溶なエラストマーが、ジエン系共重合体であることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の二剤型アクリル系接着剤組成物。
  5. 請求項1〜4項記載のうちのいずれか1項に記載の二剤型アクリル系接着剤組成物により接合してなることを特徴とする接合体。
JP2003424086A 2003-12-22 2003-12-22 二剤型アクリル系接着剤組成物とそれを用いた接合体 Expired - Lifetime JP4707320B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003424086A JP4707320B2 (ja) 2003-12-22 2003-12-22 二剤型アクリル系接着剤組成物とそれを用いた接合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003424086A JP4707320B2 (ja) 2003-12-22 2003-12-22 二剤型アクリル系接着剤組成物とそれを用いた接合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005179548A true JP2005179548A (ja) 2005-07-07
JP4707320B2 JP4707320B2 (ja) 2011-06-22

Family

ID=34784369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003424086A Expired - Lifetime JP4707320B2 (ja) 2003-12-22 2003-12-22 二剤型アクリル系接着剤組成物とそれを用いた接合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4707320B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009519368A (ja) * 2005-12-15 2009-05-14 ハンツマン アドバンスト マテリアルズ (スイッツァランド) ゲーエムベーハー 多相アクリル系接着剤
CN102073213A (zh) * 2009-11-18 2011-05-25 旭化成电子材料株式会社 表膜
JP2020026507A (ja) * 2018-08-16 2020-02-20 三菱ケミカル株式会社 二剤型アクリル系接着剤組成物、それにより接合された接合体
WO2023017777A1 (ja) 2021-08-12 2023-02-16 横浜ゴム株式会社 (メタ)アクリル系接着剤組成物、積層体及びタイヤ

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20230150341A (ko) 2021-03-31 2023-10-30 덴카 주식회사 접착제 조성물, 접합체 및 접착제 조성물의 제조 방법

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009519368A (ja) * 2005-12-15 2009-05-14 ハンツマン アドバンスト マテリアルズ (スイッツァランド) ゲーエムベーハー 多相アクリル系接着剤
JP2013032531A (ja) * 2005-12-15 2013-02-14 Huntsman Advanced Materials (Switzerland) Gmbh 多相アクリル系接着剤
CN102073213A (zh) * 2009-11-18 2011-05-25 旭化成电子材料株式会社 表膜
KR101371949B1 (ko) * 2009-11-18 2014-03-07 아사히 가세이 이-매터리얼즈 가부시키가이샤 펠리클
JP2020026507A (ja) * 2018-08-16 2020-02-20 三菱ケミカル株式会社 二剤型アクリル系接着剤組成物、それにより接合された接合体
JP7196460B2 (ja) 2018-08-16 2022-12-27 三菱ケミカル株式会社 二剤型アクリル系接着剤組成物、それにより接合された接合体
WO2023017777A1 (ja) 2021-08-12 2023-02-16 横浜ゴム株式会社 (メタ)アクリル系接着剤組成物、積層体及びタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4707320B2 (ja) 2011-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4212761B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、接着剤組成物、接合体及び接着方法
KR0133554B1 (ko) 접착제 조성물
JP4707320B2 (ja) 二剤型アクリル系接着剤組成物とそれを用いた接合体
JP4306918B2 (ja) 難燃性樹脂組成物、難燃性接着剤組成物及び金属接合体
JP4311852B2 (ja) 難燃性樹脂組成物、難燃性接着剤組成物及び金属接合体
JP3305613B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP4578625B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、接着剤組成物、接合体及び接着方法
JP6681898B2 (ja) 組成物及び接着剤組成物
JP6684800B2 (ja) 組成物
JP4459372B2 (ja) 難燃性接着剤組成物及び金属接合体
JP4578626B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、接着剤組成物、接合体及び接着方法
JP4545356B2 (ja) 亜鉛メッキ鋼板用接着剤組成物
JP6579613B2 (ja) 組成物
JP4578627B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、接着剤組成物、接合体及び接着方法
JP4672103B2 (ja) 難燃性樹脂組成物、難燃性接着剤組成物及び金属接合体
JPH0987590A (ja) 接着剤組成物
JP2003105009A (ja) 難燃性樹脂組成物、接着剤組成物及び金属複合体
JP2017031266A (ja) 組成物
JP2017031265A (ja) 組成物
JP6579611B2 (ja) 組成物
JP2000355647A (ja) 硬化性樹脂組成物及び接着剤組成物
JP6579610B2 (ja) 組成物
JP2002308944A (ja) 硬化性樹脂組成物、接着剤組成物及び接着方法
JP6579612B2 (ja) 組成物
JP2001192529A (ja) 硬化性樹脂組成物、接着剤組成物、硬化体及び複合体

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080417

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080520

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080827

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080905

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20080926

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110315

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4707320

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term