JP2005179470A - 導電性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた導電性を有することに加えて、高耐熱性、高強度、高剛性、及び高い寸法安定性を有し、しかも、難燃性に優れる導電性熱可塑性樹脂組成物の提供。
【解決手段】 ポリフェニレンエーテル樹脂と、ブタジエン−スチレングラフト共重合体と、炭素繊維とを含有してなることを特徴とする導電性熱可塑性樹脂組成物である。該導電性熱可塑性樹脂組成物中におけるポリフェニレンエーテル樹脂の含有量が60〜90質量%であり、ブタジエン−スチレングラフト共重合体の含有量が5〜40質量%である態様、炭素繊維の含有量が、ポリフェニレンエーテル樹脂及びブタジエン−スチレングラフト共重合体からなる樹脂成分100質量部に対し5〜30質量部である態様、などが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高耐熱性、難燃性、高強度、及び高剛性であり、しかも寸法安定性に優れ、各種電気・電子部品用部材に好適に利用可能である導電性熱可塑性樹脂組成物に関する。
一般に、各種電気・電子部品用部材に好適な熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、等が知られている。また、これらの熱可塑性樹脂の機械的強度を向上させることを目的としてガラス繊維が添加されている。
また、前記熱可塑性樹脂に導電性を付与することを目的としてカーボンブラックを分散させた導電性熱可塑性樹脂組成物が知られている。前記導電性熱可塑性樹脂組成物を用いることによって、導電性や帯電防止性が付与された電気・電子部品用部材が成形される。該電気・電子部品用部材としては、例えば、静電気によるIC又はLED等の電子部品の破損を防止したマガジン、トレイ等が挙げられる。
近年、パソコンやプリンターなどの電気・電子機器等の構成部品には、導電性を有することに加えて、高耐熱性、高強度、高剛性、及び高い寸法安定性を有し、更に、難燃性に優れていることが求められている。
しかしながら、前記ポリプロピレン樹脂及び前記スチレン系樹脂は耐熱性に劣り、前記ポリアミド樹脂及び前記ポリエステル樹脂は吸湿による強度低下や成形収縮率が大きく、寸法安定性に劣るという問題がある。また、カーボンブラックを分散させた導電性熱可塑性樹脂組成物は、所定の導電性を得るため、多量のカーボンブラックを添加する必要がある。この場合、カーボンブラックが可燃性であるため該組成物の難燃性が著しく低下して、所望の難燃性能を確保することが困難であるという問題がある。更に、導電性と強度の両立を図ることを目的として、カーボンブラックとガラス繊維とを併用した場合には、前記カーボンブラック及びガラス繊維の樹脂成分に対する充填量が制限されるために、所望の導電性及び強度を両立して得ることが困難であり、しかも、ガラス繊維の熱導電率はプラスチックス並に低いため、該ガラス繊維が灯芯の働きをして、いっそう難燃性能を低下させてしまうという問題がある。
これらの問題を解決する目的で、例えば、(a)ポリフェニレンエーテル又は該ポリフェニレンエーテル70質量%以上とスチレン系樹脂30質量%以下との混合物からなるポリフェニレンエーテル系樹脂60〜95質量%、及び(b)スチレン系化合物と共役ジエンのブロック共重合体を水素添加して得られるスチレン系化合物の結合量が15〜60質量%の水添ブロック共重合体であって該共重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量が10万以上の水添ブロック共重合体5〜40質量%よりなる樹脂成分に、(c)導電材の1種以上を含有してなる導電性樹脂組成物が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、この場合、形状安定性、耐熱性及び耐衝撃性はある程度良好となるものの、高耐熱性、高強度、高剛性、高い寸法安定性、及び難燃性の全てを満足することは困難であった。
したがって、高耐熱性、難燃性、高強度、及び高剛性であり、しかも、寸法安定性に優れ、各種電気・電子部品用部材に好適に利用可能である導電性熱可塑性樹脂組成物は未だ提供されていないのが現状である。
特開平11−256025号公報
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れた導電性を有することに加えて、高耐熱性、高強度、高剛性、及び高い寸法安定性を有し、しかも、難燃性に優れ、電気・電子部品用部材、OA部品用部材として好適に利用可能である導電性熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、ポリフェニレンエーテル樹脂と、ブタジエン−スチレングラフト共重合体と、炭素繊維とを含有してなる導電性熱可塑性樹脂組成物が、導電性を有することに加えて、高耐熱性、高強度、高剛性、及び高い寸法安定性を有し、しかも、難燃性に優れ、電気・電子部品用部材やOA部品用部材として好適に利用可能であるという知見である。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ポリフェニレンエーテル樹脂と、ブタジエン−スチレングラフト共重合体と、炭素繊維とを含有してなることを特徴とする導電性熱可塑性樹脂組成物である。
<2> 導電性熱可塑性樹脂組成物中におけるポリフェニレンエーテル樹脂の含有量が60〜90質量%であり、かつブタジエン−スチレングラフト共重合体の含有量が5〜40質量%である前記<1>に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物である。
<3> 炭素繊維の含有量が、ポリフェニレンエーテル樹脂及びブタジエン−スチレングラフト共重合体を含む樹脂成分100質量部に対し5〜30質量部である前記<1>から<2>のいずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物である。
<4> ブタジエン−スチレングラフト共重合体におけるスチレンの含有量が90質量%以上である前記<1>から<3>のいずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物である。
<5> 更にガラス繊維を含有してなる前記<1>から<4>のいずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物である。
<6> ガラス繊維の含有量が、ポリフェニレンエーテル樹脂及びブタジエン−スチレングラフト共重合体を含む樹脂成分100質量部に対し1〜20質量部である前記<5>に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物である。
<7> ポリフェニレンエーテル樹脂の固有粘度(IV)が、0.3〜0.5dL/100gである前記<1>から<6>のいずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物である。
<8> ブタジエン−スチレングラフト共重合体のメルトフローレート(MFR)が、200℃、49.03Nの測定条件で1〜30g/10minである前記<1>から<7>のいずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物である。
<9> 混練後の導電性熱可塑性樹脂組成物中での炭素繊維の繊維長が、100〜500μmである前記<1>から<8>のいずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物である。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、導電性を有することに加えて、高耐熱性、高強度、高剛性、及び高い寸法安定性を有し、しかも、難燃性に優れ、電気・電子部品用部材やOA部品用部材として好適に利用可能な導電性熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。
(導電性熱可塑性樹脂組成物)
本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル樹脂と、ブタジエン−スチレングラフト共重合体と、炭素繊維とを含有してなり、ガラス繊維、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなる。
−ポリフェニレンエーテル樹脂−
前記ポリフェニレンエーテル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2−6キシレノールの重合によって得られる非結晶性樹脂であるポリフェニレンオキサイド(PPE)などが好適である。
前記ポリフェニレンエーテル樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよい。後者の場合、その合成の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール等の酸化カップリングにより合成されるポリ(2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレン)エーテル、又はポリ(2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル)等の単独重合体、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール等の共重合体、又はこれらの重合体が無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸などにより変性された重合体、などが挙げられる。なお、通常のポリフェニレンエーテル樹脂は、単独では加工が困難であるために、共重合体にするか、あるいはポリスチレン系樹脂等とブレンドすることにより改質して使用される。
前記ポリフェニレンエーテル樹脂の市販品としては、例えば、YPX−100F、YPX−100D、PX−100F(いずれも三菱ガス化学株式会社製)、などが好適に挙げられる。
前記ポリフェニレンエーテル樹脂の固有粘度(IV)は、0.3〜0.5dL/100gが好ましく、0.3〜0.45dL/100gがより好ましく、0.35〜0.45dL/100gが更に好ましい。
前記固有粘度(IV)が0.5dL/100gを超えると、粘度が高すぎて成形加工性に劣ることがあり、0.3dL/100g未満であると、分子量が低すぎて所望の剛性が得られないことがある。
前記ポリフェニレンエーテル樹脂の前記導電性熱可塑性樹脂組成物に対する含有量としては、60〜90質量%が好ましく、65〜80質量%がより好ましい。
前記含有量が60質量%未満であると、所望の耐熱性及び高温寸法安定性を得ることができないことがあり、90質量%を超えると、成形加工性及び耐衝撃性に劣ることがある。
−ブタジエン−スチレングラフト共重合体−
前記ブタジエン−スチレングラフト共重合体は、スチレンを幹としてこれに枝としてブタジエンをグラフト重合させた共重合体である。
本発明においては、前記ブタジエン−スチレングラフト共重合体におけるスチレンの含有量が90〜95質量%が好ましい。前記スチレンの含有量が90質量%未満であると、ポリフェニレンエーテル樹脂との相溶性が低下することがある。
前記ブタジエン−スチレングラフト共重合体の市販品としては、例えば、ポリスチレンH8601(A&Mスチレン株式会社製)、などが好適に挙げられる。
前記ブタジエン−スチレングラフト共重合体のメルトフローレート(MFR)は、200℃、49.03Nの測定条件で1〜30g/10minが好ましく、3〜25g/10minがより好ましく、10〜25g/10minが更に好ましい。
前記メルトフローレートが、1g/10min未満であると、粘度が高くなりすぎて成形加工性が低下することがあり、30g/10minを超えると、衝撃強度の向上効果が低下することがある。なお、前記ブタジエン−スチレングラフト共重合体の分子量を低下させない範囲でMFRを向上させるため、鉱油などのオイルを内部滑剤として配合することも可能である。
前記ブタジエン−スチレングラフト共重合体の前記導電性熱可塑性樹脂組成物に対する含有量は、10〜40質量%が好ましく、15〜30質量%がより好ましい。
前記含有量が10質量%未満であると、成形加工性及び耐衝撃性に劣ることがあり、40質量%を超えると、高温寸法安定性を得ることができないことがある。
−炭素繊維−
前記炭素繊維としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ピッチ系炭素繊維又はPAN系炭素繊維の原糸を切断したチョップドストランドなどが挙げられる。また、前記炭素繊維は、ハンドリング性向上のために収束剤で炭素繊維密度が10k〜20kに収束された、繊維長3〜6mmのものが好適である。前記炭素繊維の繊維径は、5〜15μmの範囲が好ましく、5〜12μmがより好ましく、6〜10μmが更に好ましい。また、前記炭素繊維の混練後の前記導電性熱可塑性樹脂組成物中での繊維長は、100〜500μmが好ましく、300μm前後が補強効果と導電性能の面でより好ましい。
前記炭素繊維の体積抵抗率は、9.9×10−1Ω・cm以下がより好ましく、9.9×10−2Ω・cm以下が更に好ましい。前記炭素繊維の体積抵抗率が前記範囲を外れると所望する導電性能が得られないことがある。混練後の樹脂組成物中での繊維長は100〜500μmが好ましく、300μm前後が補強効果と導電性能の面でより好ましい。
前記炭素繊維の含有量は、前記ポリフェニレンエーテル樹脂及び前記ブタジエン−スチレングラフト共重合体を含む樹脂成分100質量部に対し5〜30質量部が好ましく、5〜20質量部がより好ましい。
前記含有量が前記範囲を外れると、所定の導電性能、高強度(特に引張強さ)、高剛性(特に曲げ弾性率)、及び寸法安定性が劣ることがある。
本発明においては、このようにカーボンブラックに比べてグラファイト化が進んでおり、耐燃焼性に優れた炭素繊維を含有することにより、前記導電性熱可塑性樹脂組成物における導電性及び難燃性の両立を図ることが可能となる。
−ガラス繊維−
前記ガラス繊維としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、原糸を切断したチョップドストランドが挙げられる。また、前記ガラス繊維は、ハンドリング性向上のために収束剤でガラス繊維密度が10k〜20kに収束された、繊維長3〜6mmのものが好適である。前記ガラス繊維の繊維径は、5〜15μmの範囲が好ましく、7〜12μmがより好ましく、7〜10μmが更に好ましい。また、前記ガラス繊維の混練後の前記導電性熱可塑性樹脂組成物中での繊維長は、100〜500μmが好ましく、300μm前後が補強効果と導電性能の面でより好ましい。
前記ガラス繊維の含有量は、前記ポリフェニレンエーテル樹脂及び前記ブタジエン−スチレングラフト共重合体を含む樹脂成分100質量部に対し1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
前記含有量が、前記範囲を外れると、高強度(特に引張強さ)、高剛性(特に曲げ弾性率)、及び寸法安定性が劣ることがある。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、他の合成樹脂、無機充填剤、可塑剤、熱安定剤、加工助剤、各種難燃剤、滑剤、着色剤などが挙げられる。
(導電性熱可塑性樹脂組成物の製造方法)
前記導電性熱可塑性樹脂組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂と、ブタジエン−スチレングラフト共重合体と、炭素繊維とを、好ましくはガラス線維を公知の方法により混合、混練することにより調製することができ、例えば、溶融混練してペレット状コンパウンドとすることができる。
前記ペレット状コンパウンドとする方法としては、特に制限はなく、通常の熱可塑性樹脂の混合、混練に用いられる装置、設備を用いて容易に製造することができる。例えば、各成分をタンブラー、ヘンシェルミキサーなどの予備混合機に同時に仕込んで均一に混合した後、混練することができる。あるいは混練機へ特定成分を別々に定量フィーダーや容量フィーダーなどを用いて供給することもできる。次いで、各成分の混合物を溶融混練機に供給して溶融混練し、ダイから押し出し、ペレタイザーなどを用いてペレット化することができる。
前記混練機としては、例えば、ベント付き単軸押出機、異方向二軸押出機、同方向二軸押出機などを好適に用いることができる。また押出機に代えてスーパーミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー、タンブラー、コニーダーなどの公知の混練機も用いることができる。具体的には、単軸押出機、二軸押出機における連続押出式の方法で製造されるが、二軸押出機を用いて炭素繊維及びガラス繊維を押出機のバレル途中にてフィート゛するサイドフィード方式が好ましく、繊維を強制的に押出機バレル内に供給する強制サイドフィード方式で製造されるのがより好ましい。
前記導電性熱可塑性樹脂組成物は、射出成形や押出成形等の既存の成形機を用いて成形することにより、電気・電子部品用部材、OA部品用部材などに好適に用いられる。前記電気・電子部品用部材としては、例えば、静電気によるIC又はLED等の電子部品の破損を防止したマガジン、トレイ等の電気・電子部品包装用成形品、プリンター、スキャナー、Faxの部材やカートリッジ等のOA部品用成形品、などがある。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜3及び比較例1〜3)
下記表1に示す組成での実施例1〜3及び比較例1〜3の導電性熱可塑性樹脂組成物を常法に従って調製した。具体的には、表1に示す各配合成分を高速混合機により均一に混合した後、ナカタニ機械株式会社社製NR−II(スクリュー口径=57mm)同方向二軸押出機を用い、炭素繊維、カーボンブラック、ガラス繊維は強制サイドフィードにて供給し、ポリフェニレンエーテル樹脂とブタジエン−スチレン共重合物を予めブレンダーにて均一混合した後、押出機に供給した。混練温度は250℃〜360℃の範囲にて行い、混練物は水冷しストランドカットして、実施例1〜3及び比較例1〜3の導電性熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを調製した。
<性能評価>
得られた各ペレットを120℃にて3時間熱風乾燥した後、日精樹脂工業株式会社製射出成形機にて射出温度320℃で試験片を作製し、以下のようにして、表面抵抗率、熱変形温度(HDT)、引っ張り強さ、メルトフローレート(MFR)、線膨張率、ジャルピー衝撃強さ、成形収縮率、及び難燃性について評価した。また、総合判定は、下記評価基準に基づき、全項目満足するもの○、未達成の項目があるものを×とした。結果を表1に示す。
−試験方法−
・表面抵抗率:ASTM D257に準拠して測定した。
・熱変形温度(HDT):ISO75−2Afに準拠して測定した。
・引っ張り強さ:ISO527−2/1A/5に準拠して測定した。
・メルトフローレート(MFR):ISO1133(300℃、21.18N)に準拠して測定した。
・線膨張率:ASTM E831(30〜150℃、窒素雰囲気下、29.4mN)に準拠して測定した。
・ジャルピー衝撃強さ:ISO179/1eAに準拠して測定した。
・曲げ弾性率:ISO178/A/2に準拠して測定した。
・成形収縮率:成形後48時間室温にて調製した引張試験片の全長と、試験片を調製した温度での金型(キャビティー)サイズをノギスで計測し、次式、(金型サイズ−引張試験片全長)÷金型サイズにより算出した。
・難燃性: UL94−HBに準拠して測定した。
〔評価基準〕
・表面抵抗率(Ω):1×10以下
・引っ張り強さ(MPa):100以上
・曲げ弾性率(MPa):8000以上
・メルトフローレート(MFR)(g/10min):2以上
・ジャルピー衝撃強さ(kJ/m):3以上
・熱変形温度(HDT):160以上
・成形収縮率:5/1000以下
・線膨張率:5×10−5以下
・難燃性:燃焼速度の計測を開始する標線に至らず、直ぐに鎮火すること
Figure 2005179470
注1)150℃に到達する前に軟化したため測定不可であった。
表1の略号は、下記の通りである。
−ポリフェニレンエーテル樹脂−
三菱ガス化学株式会社製、YPX−100F、固有粘度(IV)=0.41dL/100g
三菱ガス化学株式会社製、YPX−100D、固有粘度(IV)=0.35dL/100g
三菱ガス化学株式会社製、PX−100F、固有粘度(IV)=0.38dL/100g
−ブタジエン−スチレングラフト共重合体−
A&Mスチレン株式会社製、ポリスチレンH8601 MFR=18g/10min(200℃、49.03N)、スチレン含有量=90質量%超
−ブタジエン−スチレンブロック共重合体−
クレイトンポリマー株式会社製、D1155JP スチレン−ブタジエン−スチレン直鎖タイプ、スチレン含有量=40質量%
−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合物−
クレイトンポリマー株式会社製、G1657 エチレン−ブチレン−スチレン直鎖タイプ、スチレン含有量=17質量%
−カーボンブラック−
旭カーボン株式会社製、旭F−200、DBP吸油量=175mL/100g
−カーボンファイバー(炭素繊維)−
日本ポリマー株式会社製、CF EPU−LCL、PAN系、体積抵抗率=2.3×10−2Ω・cm、5mm長チョップド、繊維径=7μm
−ガラス繊維−
日本板硝子株式会社製、RES03−TP78、アルミナほう珪酸ガラス(Eガラス、無アルカリガラス)、3mm長チョップド、繊維径=10μm
表1の結果から、実施例1〜3の導電性熱可塑性樹脂組成物は、優れた導電性を有することに加えて、高耐熱性、高強度、高剛性、及び高い寸法安定性を有し、更に、難燃性に優れる成形品を得ることができた。これに対して、比較例1〜3の導電性熱可塑性樹脂組成物を用いた成形品では、所定の性能を得られないことが判った。
本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物は、優れた導電性を有することに加えて、高耐熱性、高強度、高剛性、及び高い寸法安定性を有し、しかも、難燃性に優れているので、パソコンやプリンターなどの電気・電子機器の構成部品であるギヤ、インクカートリッジ、紙送りガイド等の電気・電子部品用部材、プリンター、スキャナー、Faxの部材やカートリッジ等のOA部品用部材に好適に利用可能である。

Claims (6)

  1. ポリフェニレンエーテル樹脂と、ブタジエン−スチレングラフト共重合体と、炭素繊維とを含有してなることを特徴とする導電性熱可塑性樹脂組成物。
  2. 導電性熱可塑性樹脂組成物中におけるポリフェニレンエーテル樹脂の含有量が60〜90質量%であり、かつブタジエン−スチレングラフト共重合体の含有量が5〜40質量%である請求項1に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  3. 炭素繊維の含有量が、ポリフェニレンエーテル樹脂及びブタジエン−スチレングラフト共重合体を含む樹脂成分100質量部に対し5〜30質量部である請求項1から2のいずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  4. ブタジエン−スチレングラフト共重合体におけるスチレンの含有量が90質量%以上である請求項1から3のいずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  5. 更にガラス繊維を含有してなる請求項1から4のいずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  6. ガラス繊維の含有量が、ポリフェニレンエーテル樹脂及びブタジエン−スチレングラフト共重合体を含む樹脂成分100質量部に対し1〜20質量部である請求項5に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
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