JP2005179263A - 薬効物質含有組成物並びにその製造方法および褐変防止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フェノール性水酸基を有する薬効物質および遷移金属が共存している系において、薬効物質の遷移金属による褐変を効率的に防止でき、外観悪化を抑制できる薬効物質含有組成物提供すること。
【解決手段】 フェノール性水酸基を有する薬効物質および遷移金属が共存する薬効物質含有組成物中に、1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる無機電解質を配合してなる組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、薬効物質含有組成物並びにその製造方法および褐変防止方法に関し、さらに詳述すると、フェノール性水酸基を有する薬効成分を配合した組成物に、陽イオンおよび陰イオンが共に1価である無機電解質を配合することで、組成物中に存在するフェノール性水酸基を持つ薬効成分の遷移金属による褐変(褐色から暗褐色の着色を意味する)を防止し得る薬効物質含有組成物並びにその製造方法および褐変防止方法に関する。
従来、フェノール性水酸基を有する物質は、肌の美白効果、収れん作用、抗酸化作用、殺菌作用等があることが知られており、これを薬効物質として含む皮膚外用剤が市販されている。この場合、この物質を含む皮膚外用剤は、一般的に水などの溶媒に溶解させてなるローション、または乳化剤などにより分散,乳化させてなるクリームやゲルとして調製されている(特許文献1:特開2000−247866号公報)。
ところで、この皮膚外用剤を調製する際に、SUSなどの遷移金属を含む材質からなる配合機を用いると褐変する場合がある。また、フェノール性水酸基を有する物質を、遷移金属を含むその他の薬効物質と併用する場合にも、同様の褐変が生じる場合がある。
このような褐変が生じると、製剤の外観が非常に悪くなるだけでなく、美白剤としての商品特性上好ましくない。
特開2000−247866号公報
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、フェノール性水酸基を有する薬効物質および遷移金属が共存している系において、薬効物質の遷移金属による褐変を効率的に防止でき、外観悪化を抑制できる薬効物質含有組成物並びにその製造方法および褐変防止方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、フェノール性水酸基を有する薬効物質および遷移金属が共存する薬効物質含有組成物に、1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる無機電解質を添加することで、当該組成物の褐変を効率的に防止できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1.フェノール性水酸基を有する薬効物質および遷移金属が共存する薬効物質含有組成物において、1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる無機電解質を含むことを特徴とする薬効物質含有組成物、
2.前記薬効物質が、エラグ酸系化合物および/またはそのアルカリ金属塩であることを特徴とする1の薬効物質含有組成物、
3.前記無機電解質が、0.1質量%以上含まれることを特徴とする1または2の薬効物質含有組成物、
4.前記無機電解質が、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび塩化アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする1〜3のいずれかの薬効物質含有組成物、
5.フェノール性水酸基を有する薬効物質および遷移金属が共存する薬効物質含有組成物に、1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる無機電解質を配合して褐変が防止された薬効物質含有組成物を得ることを特徴とする薬効物質含有組成物の製造方法、
6.フェノール性水酸基を有する薬効物質および遷移金属が共存する薬効物質含有組成物に、1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる無機電解質を配合することを特徴とする薬効物質含有組成物の褐変防止方法
を提供する。
本発明のフェノール性水酸基を有する薬効物質および遷移金属が共存する薬効物質含有組成物によれば、1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる無機電解質を含むものであるから、遷移金属による薬効物質の褐変を効率的に防止することができる。すなわち、フェノール性水酸基を有する薬効物質は、遷移金属イオンが系内に存在する場合、この遷移金属イオンと錯体を形成し、褐色から暗褐色の着色を生じ、美白剤であるにも関わらず、著しく不快感を生じさせる外観を呈し、商品上を大きな欠点となっていたが、本発明の薬効物質含有組成物によれば、このような外観悪化を抑制することができる。
本発明に係る薬効物質含有組成物は、フェノール性水酸基を有する薬効物質および遷移金属が共存する薬効物質含有組成物であって、さらに1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる無機電解質を含むことを特徴とする。
本発明において、フェノール性水酸基を有する薬効物質としては、フェノール性水酸基をその構造内に含有している化合物であれば特に限定されるものではない。このような化合物としては、例えば、フェノールおよびその誘導体、チロシンおよびその誘導体、サリチル酸およびその誘導体、ゲニステインなどの大豆イソフラボン類、ヘスペリジン、タンニン、タンニン酸、カテキン、ローズマリー酸、チロシン、ドーパミン、メチルドーパ、ノルエピネフリン、エピネフリン、トリメトキノール、フロプロピオン、イソプレナリン、モルヒネ、ヘテロコデイン、ナロルフィン、BF−389、CI−1004、BHT、エラグ酸系化合物およびそのアルカリ金属塩等が挙げられる。
エラグ酸系化合物について詳述すると、この化合物は下記一般式(1)で示されるものである。
Figure 2005179263
〔式中、R1、R2、R3およびR4は互いに独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアシル基または−(Cm2m−O)nH(式中、mは2または3、nは1以上の整数である)で示されるポリアルキレン基を示す。R5は、水素原子、水酸基または炭素数1〜8のアルコキシ基を示す。〕
式(1)において、炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖、分岐または環状のいずれであってもよく、好適なものとして、炭素数1〜10のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、特にメチル基、エチル基が好ましい。
炭素数1〜20のアシル基としては、炭素数1〜10のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロピオニル基等が挙げられる。なお、アシル基中のアルキル基も、直鎖、分岐または環状のいずれであってもよい。
ポリオキシアルキレン基としては、m=2または3のポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基であるが、この場合、付加モル数nとしては、5〜40、特に10〜30が好ましい。
炭素数1〜8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられ、特にメトキシ基が好適である。
本発明におけるエラグ酸系化合物としては、上記一般式(1)で示されるエラグ酸系化合物の中でも、特に、R1〜R5が全て水素原子であるものや、R1〜R4が水素原子、メチル基またはエチル基であり、かつ、R5が水素原子、水酸基またはメトキシ基であるものが好ましい。具体的には、エラグ酸、3,4−ジ−o−メチルエラグ酸、3,3′−ジ−o−メチルエラグ酸、3,3′,4−トリ−o−メチルエラグ酸、3,3′,4,4′−テトラ−o−メチル−5−メトキシエラグ酸、3−エチル−4−メチル−5−ヒドロキシエラグ酸およびそれらのアルカリ塩等を挙げることができ、これらの化合物は、1種単独で、または2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
なお、上記フェノール性水酸基を持つ薬効物質は、その親油性または親水性を調整する目的で、上記一般式(1)のR1〜R4のいくつかを炭素数20まで、特に5〜20の長鎖アルキル基、または炭素数20まで、特に5〜20の長鎖アシル基としたり、−(Cm2m−O)nH(mは2または3、nは1以上の整数である)で示されるポリアルキレン基により置換したりすることもでき、また、同様にR5を炭素数8まで、特に5〜8の長鎖アルコキシ基に置換することもできる。
これらのエラグ酸系化合物は、イチゴ、タラ(Caesalupinia Spinosa)、ユーカリ材(Eucalyptus)、リンゴ、毒ウツギ(コリアリア ヤポニカ)、ラジアタ松、クマコケモモ、ザクロ、アンマロク、ウキュヨウ、エンフヨウ、ガイジチャ、カコウジュヨウ、カシ、キジュ、ケンジン、コウナカ、サンウキュウコン、サンウキュウヨウ、シュウフボク、センクツサイ、スゲンロウカンソウ、ダイヒヨウソウ、ドウモウアンヨウ、ハオウベン、バンセキリュウカン、バンセキユウヒ、ボウカ、モッショクシ、ヤトウセイカ、ヤトウセイヒ、ユカンコン、ユカンボクヒ、ユカンヨウ、リュウガソウコン、バンセキリョウヨウ、ウキュウボクコンピ、シドコン、チンシュソウ、ゲンノショウコなどの天然物から容易に得ることができる(特公昭53−14605号公報参照)。エラグ酸系化合物は、このように天然物中に広く存在するものであり安全性に優れているものであると推察され、実際、安全性試験においても、急性毒性、皮膚刺激性、皮膚感作性、変異原性などの点で、実用上特に問題とならない高い安全性を有していることが確認されている。
エラグ酸系化合物のアルカリ塩としては、ナトリウム塩,カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩,カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などを挙げることができる。これらの中でも、エラグ酸(系化合物)のフェノール性水酸基の一部がナトリウム塩,カリウム塩等のアルカリ金属塩となったものが溶解性および分散性等の点から特に好ましい。
このようなアルカリ金属塩で部分的に中和したエラグ酸(系化合物)を調製する場合、エラグ酸(系化合物)分散液に、アルカリ金属水溶液を加えてpH12〜14に調整してエラグ酸(系化合物)を溶解させた後、硫酸等の無機酸または有機酸で任意のpHに調整することによって沈殿した一部中和塩を捕集して得ることができる。
より具体的には、エラグ酸系化合物を含有する上記各天然物の乾燥粉砕品を、一般的な酸性亜硫酸塩法によって蒸解した後、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム等のアルカリ水溶液(pH10〜13)に浸漬する。浸漬液を分取した後、浸漬液に硫酸や酢酸等の酸を加えてpHを2〜8に調整し、エラグ酸系化合物を主成分とする沈殿物を得る。この沈殿物を遠心分離等によって捕集し、さらに水洗することにより不純物を除き、純度の高いエラグ酸系化合物を得ることができる。
この方法で処理すると、純度の低いエラグ酸を用いた場合でも、混入しているタンニン等の不純物を効率よく除去でき、かつ、外観も良好で、黒みのない色調の部分中和塩を得ることができる。
薬効物質含有組成物中におけるフェノール性水酸基を持つ薬効物質の含有量は、適度な薬効性能を発揮させるという点から、組成物全体の0.001〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜5質量%である。
本発明の薬効物質含有組成物は、上述のフェノール性水酸基を有する薬効物質と、コバルト,ニッケル,鉄などの遷移金属(イオン)とが共存するものである。
この遷移金属は、組成物中に、化粧品有効成分としてコエンザイムなどの遷移金属を含む化合物を配合した場合や、一般的に使用されるステンレス製等の混合機を用いて組成物を調製する場合に好むと好まないとに関わらず、必然的に系内に微量混入してくるものである。
組成物中における遷移金属の含有量は、特に限定されるものではなく、一般的に、ステンレス製の混合機を用いて当該組成物を調製した際に混入する程度の極微量以上含まれている状態であればよく、通常は0.1〜50ppm程度以上である。
このようなフェノール性水酸基を有する薬効物質および微量の遷移金属が共存する組成物は、そのままの状態で放置しておけば、瞬時に、または経時的に褐色から暗褐色に着色する、いわゆる褐変が生じるものであるが、この組成物中に、1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる無機電解質を添加することで、褐変が防止された、または褐変を防止し得る薬効物質含有組成物を得ることができる。
無機電解質としては、陽イオン、陰イオンが共に1価のものであれば特に限定されるものではないが、コスト面や安全面を考慮すると、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム等を用いることが好ましい。これらの電解質は、1種単独で、または2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
その含有量としては、組成物全体の0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。無機電解質の含有量が、0.1質量%未満であると、遷移金属によるフェノール性水酸基を有する化合物の褐変防止効果が不充分となる虞があり、一方、10質量%を超えると、組成物としての安定性が低下する虞がある。
この無機電解質は、フェノール性水酸基を有する薬効物質および遷移金属が共存する組成系に後から配合してもよく、フェノール性水酸基を有する薬効物質に無機電解質を配合した後に、当該組成系に遷移金属を共存させてもよいが、より効率的に褐変防止効果を発揮させるためには、後者の方法を採用することが好ましい。
本発明の薬効物質含有組成物には、フェノール性水酸基を持つ薬効物質の他に、通常の外用剤に用いられている成分、例えば、界面活性剤、油分、アルコール類、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、香料、色素、紫外線吸収・散乱剤、ビタミン類、アミノ酸類、水等を適宜必要に応じて配合することができる。
界面活性剤としては、具体的には、モノステアリン酸グリセリン等の親油型グリセリンモノステアレート、自己乳化型グリセリンモノステアレート,ポリグリセリンモノステアレート,ソルビタンモノオレート,ポリオキシエチレンモノラウリン酸エステル,ポリオキシエチレンモノステアリン酸エステル,ポリオキシエチレンモノオレイン酸エステル等のポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル,ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル,ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル,ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレイン酸エステル等のポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルポリオキシエチレンセチルエーテル,ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン化ステロール、ポリオキシエチレン化ラノリン、ポリオキシエチレン化ミツロウ、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタンセスキオレイン酸エステルなどのノニオン界面活性剤;ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、セチル硫酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、パルミチン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルリン酸ナトリウム、N−アシルグルタミン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤;塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のカチオン界面活性剤;塩酸アルキルアミノエチルグリシン液、レシチン等の両性界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。またその使用量は、組成物全体に対し、通常0.1〜10質量%程度である。
油分としては、ヒマシ油,オリーブ油,カカオ油,硬化パーム油,椿油,ヤシ油,木ロウ,ホホバ油,グレープシード油,アボガド油等の植物油脂類、ミンク油,卵黄油等の動物油脂類、ミツロウ,鯨ロウ,ラノリン,水添ラノリン,カルナウバロウ,キャンデリラロウ等のロウ類、流動パラフィン,スクワラン,マイクロクリスタリンワックス,セレシンワックス,パラフィンワックス,ワセリン等の炭化水素類、ラウリン酸,ミリスチン酸,ステアリン酸,オレイン酸,イソステアリン酸,ベヘニン酸等の天然および合成脂肪酸類、セチルアルコール,オレイルアルコール,ステアリルアルコール,ヘキシルデカノール,オクチルドデカノール,ラウリルアルコール等の天然および合成高級アルコール類、グリセロールトリ−2−エチルヘキサン酸エステル,2−エチルヘキシルステアレート,ステアリン酸ブチル,ミリスチン酸イソプロピル,パルミチン酸イソプロピル,ミリスチン酸オクチルドデシル,オレイン酸オクチルドデシル,コレステロールオレート等のエステル類、ジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。これらの油分は、1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。またその使用量は、組成物全体に対し、通常0〜90質量%程度である。
保湿剤としては、1,3−ブタンジオール、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコール(200、300、400、600、1000、1500)、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール、硬化ヒマシ油(30E.O.)、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール等が挙げられる。これらの保湿剤は、1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。またその使用量は、組成物全体に対し、通常0.5〜99質量%程度である。
増粘剤としては、アルギン酸ナトリウム,キサンタンガム,硅酸アルミニウム,マルメロ種子抽出物,トラガントガム,デンプン等の天然高分子、メチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,カルボキシメチルセルロース,可溶性デンプン,カチオン化セルロース等の半合成高分子、カルボキシビニルポリマー,ポリビニルアルコール,ポリビニルピロリドン,ポリアクリル酸等の合成高分子が挙げられる。これらの増粘剤は、1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。またその使用量は、組成物全体に対し、通常0〜50質量%程度である。
防腐剤としては、安息香酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、2,4,4′−トリクロロ−2′−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4′−トリクロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン、エタノール等が挙げられる。これらの防腐剤は、1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。またその使用量は、組成物全体に対し、通常0〜1質量%程度である。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。またその使用量は、組成物全体に対し、通常0〜1質量%である。
キレート剤としては、エデト酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、グルコン酸等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。またその使用量は、組成物全体に対し、通常0〜1質量%である。
pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アンモニア水等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。またその使用量は、組成物全体に対し、通常0〜1質量%である。
紫外線吸収・散乱剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメート、酸化チタン、カオリン、タルク等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。またその使用量は、組成物全体に対し、通常0〜1質量%である。
ビタミン類としては、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、α−リポ酸、オロット酸およびその誘導体等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。またその使用量は、組成物全体に対し、通常0〜5質量%である。
アミノ酸類としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジンおよびその誘導体等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。またその使用量は、組成物全体に対し、通常0〜5質量%である。
以上で説明した薬効物質含有組成物は、一般の美白化粧料、医薬部外品などとして用いることができるものであるが、特に、皮膚用化粧料として好適に用いることができる。
また、その剤型も目的に応じて任意に選択することができ、例えば、クリーム状、軟膏状、乳液状、ローション状、溶液状、ゲル状、パック状、スティック状等とすることができるが、皮膚用化粧料として用いる場合、クリーム、乳液、化粧水、美容液、ジェル剤、ゲルシート等として使用することができる。
皮膚化粧料として用いる場合の具体的な処方例を示すと以下のとおりである。なお、以下において「%」は「質量%」を意味する。
(1)皮膚用クリーム:フェノール性水酸基を持つ薬効成分0.1〜10%、陽イオンおよび陰イオンが共に1価の無機電解質0.1〜10%、油分20〜70%、界面活性剤2〜7%、保湿剤1〜10%、pH調整剤0〜3%、精製水バランス、防腐剤微量、香料微量を含有する組成物。
(2)乳液:フェノール性水酸基を持つ薬効成分0.1〜10%、陽イオンおよび陰イオンが共に1価の無機電解質0.1〜10%、油分10〜40%、アルコール類0〜15%、界面活性剤1〜5%、保湿剤1〜10%、増粘剤0〜2%、pH調整剤0〜3%、精製水バランス、防腐剤微量、香料微量を含有する組成物。
(3)化粧水、美容液:フェノール性水酸基を持つ薬効成分0.1〜10%、陽イオンおよび陰イオンが共に1価の無機電解質0.1〜10%、油分0〜15%、アルコール類0〜20%、界面活性剤0〜2%、保湿剤2〜15%、増粘剤0〜2%、酸化防止剤0〜0.5%、pH調整剤0〜3%、精製水バランス、防腐剤微量、色素0〜微量、香料微量を含有する組成物。
(4)ジェル剤:フェノール性水酸基を持つ薬効成分0.1〜10%、陽イオンおよび陰イオンが共に1価の無機電解質0.1〜10%、アルコール類0〜10%、保湿剤2〜70%、増粘剤1〜10%、pH調整剤0〜3%、精製水バランス、防腐剤微量、色素0〜微量、香料微量を含有する組成物。
(5)ゲルシート剤:フェノール性水酸基を持つ薬効成分0.1〜10%、陽イオンおよび陰イオンが共に1価の無機電解質0.1〜10%、エラグ酸を溶解させる多価アルコール20〜97%、およびこの多価アルコールに溶解または膨潤する高分子1〜50%、精製水バランス、防腐剤微量、色素0〜微量、香料微量を含有する組成物。
本発明の薬効物質含有組成物の製造法としては特に限定されるものではなく、上記各種剤型の常法に従って製造することができる。例えば、一般的に用いられるステンレス製の混合機を用いる場合、フェノール性水酸基を有する薬効物質、無機電解質および上記各任意成分を、所定割合かつ任意の順序で混合機中に投入し混合すればよい。この場合、混合攪拌時にステンレスから微量の遷移金属が組成物中に混入し、フェノール性水酸基を有する薬効物質と遷移金属とが共存することになる。なお、無機電解質以外の成分を当該混合機で混合してなる組成物中に、後から無機電解質を配合してももちろん構わない。
また、遷移金属を含む化合物を組成物の成分の1つとして配合する場合には、遷移金属含有化合物、フェノール性水酸基を有する薬効物質、無機電解質およびその他の任意成分を適宜な材質の混合機で任意の順序で混合攪拌して調製すればよい。この場合、上述したように、褐変を効率的に抑制するため、フェノール性水酸基を有する薬効物質と無機電解質とを混合した後に、遷移金属含有化合物を配合することが好ましい。
混合機の具体例としては、クリームおよび乳液を調製する際には、アジホモミキサー、コンビミックス、クレアミックス等を用いることができ、化粧水および美容液を調製する際には、攪拌機等を用いることができ、ゲル剤を調製する際には、ヘンシェルミキサー、ニーダー等を用いることができる。これら各混合機において、内壁の材質としては、例えば、SUS30、SUS316などが一般的である。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、「%」は「質量%」を意味する。
[実施例1,2および比較例1]
フェノール性水酸基を持つ薬効成分としてエラグ酸、1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる無機電解質として塩化ナトリウムを用い、ガラス製容器にて下記表1に示されるの各組成のモデルローションを作成した。
このモデルローションに対して10分の1量の塩化第二鉄水溶液を、0.1ppm、1ppm、10ppm、100ppmになるように添加し、40℃、1ヶ月後の外観を観察し、下記基準に従い褐変の有無を評価した。結果を表2に示す。
◎:全く褐変していない
○:ほとんど褐変していない
△:褐変している
×:非常に褐変している
Figure 2005179263
PEG300:ライオン(株)製
エラグ酸:ライオン(株)製
塩化ナトリウム:関東化学(株)製
Figure 2005179263
表2に示されるように、塩化ナトリウムを含む実施例1,2のモデルローションでは、鉄イオンが存在しても、エラグ酸がほとんど褐変しないのに対し、塩化ナトリウムを含まない比較例1のモデルローションでは褐変が生じていることがわかる。
[実施例3〜17]
下記表3〜7に示される各成分を各表に示される配合割合(%)で混合し、薬効物質含有組成物を調製した。得られた組成物について、40℃で、1ヶ月間放置後の褐変の有無を実施例1と同様の基準により評価した。
なお、製造機器としては、クリームおよび乳液に関してはアジホモミキー(特殊機化工業(株)製)を、化粧水および美容液に関しては攪拌機(浅田鉄工(株)製)を用い、ジェル剤およびゲル剤に関してはヘンシェルミキサー(三井三池化工(株)製)を用いた。内壁の材質としては、いずれもSUS30を使用した。
Figure 2005179263
Figure 2005179263
Figure 2005179263
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[比較例2〜6]
下記表8に示される各成分を表8に示される配合割合(%)で混合し、実施例3〜176に準拠した方法により、薬効物質含有組成物を調製した。得られた組成物について、40℃で、1ヶ月間放置後の褐変の有無を実施例1と同様の基準により評価した。なお、比較例2は皮膚用クリーム、比較例3は乳液、比較例4は化粧水、比較例5はジェル剤、比較例6はゲル剤に対応する組成物である。
Figure 2005179263
表1〜8に示されるように、無機電解質を含有している実施例3〜17の組成物は、40℃で1ヶ月間放置しても褐変が生じていないのに対し、無機電解質塩を含まない比較例2〜6の組成物は、同様の条件下で著しい褐変が生じていることがわかる。

Claims (6)

  1. フェノール性水酸基を有する薬効物質および遷移金属が共存する薬効物質含有組成物において、
    1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる無機電解質を含むことを特徴とする薬効物質含有組成物。
  2. 前記薬効物質が、エラグ酸系化合物および/またはそのアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1記載の薬効物質含有組成物。
  3. 前記無機電解質が、0.1質量%以上含まれることを特徴とする請求項1または2記載の薬効物質含有組成物。
  4. 前記無機電解質が、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび塩化アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬効物質含有組成物。
  5. フェノール性水酸基を有する薬効物質および遷移金属が共存する薬効物質含有組成物に、1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる無機電解質を配合して褐変が防止された薬効物質含有組成物を得ることを特徴とする薬効物質含有組成物の製造方法。
  6. フェノール性水酸基を有する薬効物質および遷移金属が共存する薬効物質含有組成物に、1価の陽イオンと1価の陰イオンとからなる無機電解質を配合することを特徴とする薬効物質含有組成物の褐変防止方法。
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