JP2005178440A - チルト式ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大角度跳ね上げ後ロック直前の異音発生を防止し、かつ跳ね上げとロック解除動作をスムーズに行う車両用チルト式ステアリング装置を提供する。
【解決手段】 前部コラム部材4に対し、後部コラム部材3が運転時用チルト調整範囲を越えて揺動自在に連結され、後部コラム部材3のチルト位置への固定又は解除は、可動ギヤ2と固定ギヤ1の噛み合いの接離で行われ、後部コラム部材3を大角度跳ね上げた時は、可動ギヤ2が固定ギヤ1によりロックされる。固定ギヤ1の非歯部領域1bは、ギヤ部1aの歯先円Mを径方向外側に越えた域に形成され、その途中から固定ギヤ1の端部に向かって歯先円Mに徐々に近づく。
【選択図】 図7

Description

本発明は、ステアリングホイール(ハンドル)を運転時用のチルト調整範囲内でチルト調整可能であると共に、この運転時用のチルト調整範囲を越えて大角度跳ね上げ、運転席にスペースを確保することが可能な車両用チルト式ステアリング装置に関するものである。
従来より、車両用チルト式ステアリング装置は、運転者の体格や運転姿勢に応じてステアリングホイールの傾斜角度を調整することができるようになっている。例えば、特許文献1においては、車体に固定した前部コラム部材の後端に、後部コラム部材が揺動自在に連結された構成(首振りチルトの構成)のものが開示されている。
このチルト式ステアリング装置においては、後部コラム部材のチルト位置への締め付け時は、前部コラム部材側に固定された円弧状の歯先円を有する固定ギヤに、後部コラム部材側に固定され、固定ギヤ側に付勢された可動ギヤ(固定ギヤの円弧状に沿った円弧状の歯先円を有する)を噛み合わせる。逆に、前記後部コラム部材のチルト位置からの解除時には、可動ギヤを付勢力に抗して揺動させ、両ギヤの噛み合わせを解除させるようになっている。
また、後部コラム部材のチルト調整を行う時の同コラム部材の揺動範囲は、車両の運転に適合する運転時用チルト調整範囲内であって、一般的には、約±10度である。
ところで、最近、RV車の需要が増加しており、車両の使い方も多様化している。例えば、車室内で家族で食事をしたり、キャンプで車両をテントの代わりにすることがある。この際、ステアリングホイールを大きな角度で持ち上げて待避させ、運転席シートを回転させて後方に向けて、運転席シート上に、比較的大きな有効利用空間を創り出すことができれば便利である。
このような最近の要求を満たす構造として、例えば、特許文献2においては、前部コラム部材は、円弧状ギヤの歯先円の延長上に非歯部領域を持つ固定ギヤを有していて、後部コラム部材を大角度跳ね上げた後、可動ギヤの先端部を前記非歯部領域の一部でロックすることにより、後部コラム部材を運転時用のチルト調整範囲を越えて上方の所定位置までチルト可能な構成であり、この所定位置にチルトした後部コラム部材をその位置に保持するバネ等を設けたチルト式ステアリング装置が開示されている。
特開平11−198821号公報 WO 03/055730 A1
しかしながら、従来の上記車両用チルト式ステアリング装置においては、固定ギヤの非歯部領域の周端縁が単に噛み合い部(ギヤ部)の歯先円の径よりも大きい円弧形状であると、後部コラム部材を大角度跳ね上げる時に可動ギヤの歯が非歯部領域に摺接して移動する際、跳ね上げ後のロック直前に異音が発生するという問題点があった。
逆に、後部コラム部材の大角度跳ね上げのロックを解除して元に戻す際にも、同様に、可動ギヤの歯が非歯部領域に接触して摺動摩擦抵抗が増す傾向がある。これは、可動ギヤがチルト解除時に回動してその位置が変化したために、大角度跳ね上げ時に可動ギヤの個々の歯先の描く軌跡に差が生じることが原因している。
本発明は、上述した従来例の有する不都合を改善し、ステアリングホイールの大角度跳ね上げ後のロック直前に異音が発生するのを防止することができ、この跳ね上げ、及びそのロック解除動作を簡単でスムーズに行うことができる車両用チルト式ステアリング装置を提供することを課題としている。
上記課題を達成するために、本発明では、車体に固定した前部コラム部材に、後部コラム部材を運転時用チルト調整範囲で揺動自在に連結し、後部コラム部材のチルト位置への固定時には、前部コラム部材と後部コラム部材とのうちの一方に設けた固定ギヤに、前部コラム部材と後部コラム部材との他方に設けた可動ギヤを噛合させる一方、後部コラム部材のチルト位置からの解除時には、可動ギヤを揺動して両ギヤの噛合を解除させ、前記固定ギヤにはギヤ部及びこれに隣接する非歯部領域を有しており、前記後部コラム部材を運転時用チルト調整範囲を越えて大角度チルト位置への移動時は、前記可動ギヤは、前記固定ギヤの非歯部領域を摺動した後、その一部が固定ギヤの一部でロックされる構成の車両用チルト式ステアリング装置において、前記固定ギヤの前記非歯部領域は、前記ギヤ部の歯先円をその径方向外側に越えた域に形成され、かつこの非歯部領域の所与の部分から固定ギヤの前記一部に向かう部分は、前記ギヤ部の歯先円に徐々に近づくように成形されていることを特徴としている。
本発明によれば、後部コラム部材の大角度チルト位置への移動時に、可動ギヤの摺動が滑らかになって、従来、可動ギヤのロック直前に発生していた異音の発生を防止することができる。
また、ステアリングホイールの大角度チルト位置への移動の際、可動ギヤの先頭部分が固定ギヤの非歯部領域に容易に乗り上げるので、チルトレバーを操作せずに、そのままで大角度まで移動でき、従来の跳ね上げ操作よりも簡単に、ワンクリックで移動することができる。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係わる実施形態を示す車両用チルト式ステアリング装置の車体取付け状態の側面図、図2は、図1のチルト式ステアリング装置を下面から見た図、図3は、図2のチルト式ステアリング装置のA−A部分断面図である。
本発明の車両用チルト式ステアリング装置は、図1に示すように、アッパーブラケット100a、ロアーブラケット100bを介して、車体側強度部材(斜線部)101a,101bに取り付けられている。これを下面から見た図2の車両用チルト式ステアリング装置のA−A断面の後方部分を図3に示している。図1及び図3において、アッパーハウジング5に固定された軸受7と、アッパーハウジング5に固定された後部コラム部材3に内嵌された軸受8とにより、アッパーステアリングシャフト15が軸支されている。アッパーステアリングシャフト15の前端部は、前部コラム部材4に、図示なき軸受により回転自在に内嵌されたロアーステアリングシャフト16にユニバーサルジョイント11を介して連結され、アッパーステアリングシャフト15はロアーステアリングシャフト16に対してユニバーサルジョイント11のピン12を中心に屈曲自在とされている。一方、車体側強度部材101bに、ロアーブラケット100bを介して固定した前部コラム部材4の後部に、後部コラム部材3と一体のアッパーハウジング5が枢軸Cを中心に揺動自在に連結してある。後部コラム部材3は、枢軸Cをチルト中心として、運転時用チルト調整範囲(約±10度)内で揺動するようになっている。なお、後部コラム部材3のチルト中心Cは、ユニバーサルジョイント11のチルト中心に一致している。このように、後部コラム部材3はユニバーサルジョイント11のピン12をチルト中心Cとして回動可能に設置されている。ロアーステアリングシャフト16は、車両のステアリングギヤ機構(図示なし)に、自在継手103及び中間軸104を介して接続されている。
前部コラム部材4はその前端部で、ロアーブラケット100bに支持されており、かつ中間から後方にかけてアッパーブラケット100aに一体のジャケット部100cに抱持されている。前部コラム部材4の後端部は、ロアーハウジング14に一体的に取り付けられると共に、その後端部に固定ギヤ1を有している。この固定ギヤ1のギヤ部1aに、アッパーハウジング5にピン9により回動自在に支持された可動ギヤ2のギヤ部2aが噛み合っている。可動ギヤ2は、ピン9を中心に回動可能である。可動ギヤ2の下方には、後部コラム部材5と一体の反力部材10が車幅方向に掛け渡して設けてあり、可動ギヤ2と反力部材10との間には、可動ギヤ2の背面テーパ面に接触して押圧する押圧テーパ面を有する楔状部材111が前後方向に移動自在に配置してある。
楔状部材111の後端と、可動ギヤ2から延在した後方延在片2bとの間に、圧縮コイルバネ112が介装してある。圧縮コイルバネ112は、楔状部材111を介して、可動ギヤ2の歯部2aを固定ギヤ1の歯部1aに互いに噛合する方向(図3の時計回り)に常時付勢している。圧縮コイルバネ112は、後部コラム部材3のチルト位置への固定を解除する時(即ち、図3において楔状部材111を右方に動かす時)にも、延在片2bを介して可動ギヤ2を解除方向(図3の反時計回り)に付勢する働きもする。
楔状部材111の後部に、チルト調整レバー113が楔状部材111に一体的に形成して延在してある。チルト調整レバー113は、アッパーハウジング5に設けたレバー回転中心ピン13aの周りに揺動自在になっている。
図2にも示すように、前部コラム部材4と、後部コラム部材3との間に、第1支持バネである、圧縮コイルバネ115が介装してある。これにより、両ギヤ1,2の噛合を解除した際に、後部コラム部材3やステアリングホイール等の降下を防止している。
以上のように構成したチルト調整式ステアリング装置において、チルト調整する際、チルト調整レバー113を圧縮コイルバネ112の付勢力に抗して手で車両の後方に揺動して、楔状部材111を後方(図2参照)に退動させる。
その結果、可動ギヤ2は、圧縮コイルバネ112の付勢力の助勢により、図3のピン9を中心として反時計回りに回動して固定ギヤ1との噛合を解除する。これにより、後部コラム部材3のチルト位置への固定を解除することができる。
チルト調整は、車両の運転に適合した運転時用チルト調整範囲(約±10度)内で後部コラム部材3を傾動して行う。
後部コラム部材3のチルト調整後には、チルト調整レバー113を離すと、チルト調整レバー113は、圧縮コイルバネ112の付勢力により、車両の前方(図2参照)に揺動して、楔状部材111を前方(図3参照)に移動させる。
その結果、可動ギヤ2は、圧縮コイルバネ112により付勢した楔状部材111によって、その歯部2aが固定ギヤ1の歯部1aに押圧して強固に噛合する。これにより、後部コラム部材3をチルト位置に締付することができる。
次に、後部コラム部材を運転時用チルト調整範囲を超えて大角度跳ね上げる(チルトアップ)場合について説明する。
本実施の形態は、図4に示すように、前部ステアリングシャフト16と後部ステアリングシャフト15を揺動自在に連結したユニバーサルジョイント11は、例えばヨークの脚を従来のものより長くするか、および/または後部コラム部材3の前方端部を短くするなどして、後部コラム部材3を例えば約60度まで折曲げすることができるようになっている。
これにより、車両の駐車時には、後部コラム部材3を、運転時用チルト調整範囲(約±10度)を超えて大角度(例えば、50度)傾けることができる。
チルト調整レバー113を車両後方に手で引っ張り、後部コラム部材3のチルト位置への固定を解除すると、後部コラム部材3は第1支持バネ115により跳ね上げを開始する。次いで、後部コラム部材3は、図示のない跳ね上げ用のバネ、又は手操作により大角度チルト位置へ移動する。
図4に示すように、後部コラム部材3を大角度跳ね上げ又は移動した際、ロアーハウジング14に形成した後端支持座部121(跳ね上げストッパー)に、アッパーハウジング5に形成した前端支持座部122(跳ね上げストッパー)が当接するようになっている。
次に、本実施形態における固定ギヤと可動ギヤについて詳細に説明する。
図5は、固定ギヤ1と可動ギヤ2のチルト調整噛み合い状態を示す説明図、図6は固定ギヤ1と可動ギヤ2の噛み合い解除状態を示す説明図、図7は、跳ね上げ時の可動ギヤ2の移動の前半を示す説明図、図8は図7の固定ギヤ1と可動ギヤ2の状態を示す拡大図、図9は、跳ね上げ時の可動ギヤ2の移動の後半を示す説明図、図10は図9の固定ギヤ1と可動ギヤ2の状態を示す拡大図である。
固定ギヤ1は、図5に示すように、チルト調整のための噛み合い部である円弧状のギヤ部1aと、可動ギヤ2と固定ギヤ1とが噛み合いのない領域である円弧状の非歯部領域1bと、ギヤ部1aとピッチ円を同じくする大角度跳ね上げ時のロック用噛み合い部1cとを有している。固定ギヤ1の非歯部領域1bの円弧形状は、ギヤ部1aの歯先円(二点鎖線Mで示す)の径よりも大きい径を有している。図5は図3の状態に対応し、ギヤ部1aに対し、可動ギヤ2に形成された円弧状のギヤ部2aが噛み合うという、チルト調整における締め付け状態(ロック状態)を示している。
この状態から、チルト調整レバー113を操作して、図6に示すように、可動ギヤ2を矢印A方向に回動させると、ギヤ部2aが固定ギヤ1のギヤ部1aから離れることにより、後部コラム部材3はチルト調整位置のロック状態から解除される。この状態で、図1に示すように、ステアリングホイール13を適宜上下に動かして(二点鎖線で示す)チルト調整を行うことができる。また、本実施形態において、チルト調整レバー113の操作に連動して、アッパーブラケット100aのジャケット部100cによる前部コラム部材4に対する抱持を緩めてステアリングホイール13の軸方向位置も可能であるが、この点は本発明に直接関係がないので、説明を省略する。
さらに、図7に示すように、運転席にスペースを確保するために、チルト調整のロック解除の状態からステアリングホイール13を大角度跳ね上げる際に、後部コラム部材3に軸支されている可動ギヤ2も、ピン12をチルト中心として矢印B方向(反時計回り)へ回動する。この時、可動ギヤ2のギヤ部2aの先頭歯t1のみが、固定ギヤ1の非歯部領域1bの曲線部L1に乗り上げ、摺接しながら後部コラム部材3は跳ね上がる。
この非歯部領域1bの周縁部形状は、ギヤ部1aの歯先円(二点鎖線Mで示す)と同心で、図8に示すように、歯先円の径よりやや大きい径を有する円弧形状(二点鎖線Nで示す)である曲線部L1と、この曲線部L1に滑らかに連続し、この曲線部L1からロック用噛み合い部1cへ延び、徐々にギヤ部1aの歯先円Mに近づく直線、または曲線を描く形状の連続部L2とから成っている。曲線部L1と連続部L2との境界は、非歯部領域1bのどこにあっても良い。
その後、図9及び図10に示すように、非歯部領域1bの曲線部L1と連続部L2の境目付近において、可動ギヤ2のギヤ部2aの歯t1〜t8が滑らかに摺動して行き、連続部L2の部分には後端歯t8のみが接触しながら後部コラム部材3は跳ね上がって行く。
このような動作になるのは、図6に示したように、チルト解除のために可動ギヤ2がわずかに矢印A方向に回動しているので、大角度跳ね上げ時(チルト解除状態)における、可動ギヤ2のギヤ部2aの先頭歯t1の軌跡Eと、後端歯t8の軌跡Fとは、若干のずれが有ることが関係している。
図4は、大角度跳ね上げ時の車両用チルト式ステアリング装置を示す断面図、図11は、大角度跳ね上げ時のロック状態を示す説明図であり、図4に対応する。
そして、図1に示すように、ステアリングホイール13を跳ね上げて13′の位置にすると、アッパーハウジング5及び後部コラム部材3は、図4に示すように、前部コラム部材4に対してかなり屈折した状態になる。この時、図4及び図11に示すように、可動ギヤ2のギヤ部2aが、固定ギヤ1のロック用噛み合い部1cと噛み合うことにより、可動ギヤ2はこの位置でロックされ、ステアリングホイール13は跳ね上げた位置で一時固定される。この状態は、図4に示されている。
上記のように、固定ギヤ1の非歯部領域1bの周縁部は、ギヤ部1aの歯先円と同心で歯先円の径よりやや大きい径を有する曲線部L1と、この曲線部L1に連続し、この曲線部L1から噛み合い部1cまでにわたって徐々にギヤ部1aの歯先円Mに接近する曲線、または直線の連続部L2とから成っているので、可動ギヤ2が固定ギヤとの噛み合いを解除されて、ステアリングホイール13を大角度跳ね上げた時に、ギヤ部2aが非歯部領域1bを摺動する際、曲線部L1の部分では、ギヤ部2aの先頭の歯t1のみが摺動してこの部分に乗り上げ、連続部L2の部分では、ギヤ部2aの後端の歯t8のみが滑らかに摺動した後、ギヤ部2aが固定ギヤ1のロック用噛み合い部1cにロックされる。
したがって、ステアリングホイール13の大角度跳ね上げの際、可動ギヤ2の先頭の歯t1が固定ギヤの非歯部領域1bに接触しないので、ギヤ同士の衝突による金属音が発生しにくくなる。
次に、第1実施形態の固定ギヤ1と可動ギヤ2の変形例について、図12〜図16を参照して説明する。
図12は、本変形例における跳ね上げ時の可動ギヤ移動の前半を示す説明図、図14は、図12の固定ギヤと可動ギヤの状態を示す拡大図、図14は、本変形例における跳ね上げ時の可動ギヤ移動の後半を示す説明図、図15は、図14の固定ギヤと可動ギヤの状態を示す拡大図、図16は、本変形例における大角度跳ね上げ時のロック状態を示す説明図である。
この変形例は上記第1実施形態と略同様であって、同一部材及び部分には同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
異なっているのは、図13に示すように、固定ギヤ1の非歯部領域1bの周縁部は、その中央部付近の、ギヤ部1aの歯先円Mを越えて外側に大きい頂部から、非歯部領域1bの両端部の歯先円Mの近傍位置とを結ぶ直線である直線部D1と、直線部D2とから成っていて、これら直線部D1,D2はそれぞれ当該頂部からギヤ部1aおよびロック用噛み合い部1cへと近づくに従って、ピン12の軸心からの距離が小さくなっている。第1実施形態と比較して見ると、変形例における直線部D1は曲線部L1、直線部D2は曲線部L2にそれぞれ対応している。なお、頂部の位置は、非歯部領域内のどこでも良い。
図12及び図13に示すように、運転席にスペースを確保するために、ステアリングホイール13(図1参照)を大角度跳ね上げると、可動ギヤ2も、軸ピン12をチルト中心として矢印B方向(反時計回り)へ回動し、可動ギヤ2のギヤ部2aの先頭歯t1のみが、固定ギヤ1の非歯部領域1bの直線部D1の部分に乗り上げ、摺接しながらステアリングホイール13は跳ね上がる。
その後、図14及び図15に示すように、非歯部領域1bの頂部付近において、可動ギヤ2のギヤ部2aの歯先t1〜t8が滑らかに摺動して行き、直線部D2の部分は後端歯t8のみが接触しながら跳ね上がって行く。このような動作になるのは、図6に示したように、チルト解除のために可動ギヤ2がわずかに矢印A方向に回動しているので、大角度跳ね上げ時(チルト解除状態)における、可動ギヤ2のギヤ部2aの先頭歯t1の軌跡Eと、後端歯t8の軌跡Fとは、若干のずれが有ることが原因している。
そして、図1に示すように、ステアリングホイール13を跳ね上げて13′の位置にすると、図16に示すように、可動ギヤ2のギヤ部2aが、固定ギヤ1のロック用噛み合い部1cと噛み合うことにより、可動ギヤ2aはこの位置でロックされ、したがってアッパーコラム3及びステアリングホイール13は跳ね上げた位置で一時固定される。
本変形例においても、第1実施形態と同様に、ステアリングホイール13の大角度跳ね上げの際、可動ギヤ2の先頭の歯t1が固定ギヤの非歯部領域1bに接触しないので、ギヤ同士の衝突による金属音が発生しにくくなる。
尚、この変形例では、固定ギヤ1の非歯部領域1bの周縁部は、その前端部から頂部までの領域は直線部D1としたが、これに限らず、頂部からギヤ部1aの歯先円に徐々に近づく曲線形状であっても良い。
固定ギヤ1の非歯部領域1bの構成は、上記実施形態に限らず、他の構成であっても良い。要するに、固定ギヤ1の非歯部領域1bは、ギヤ部1aの歯先円Mをその径方向外側に越えた域に形成されていて、その中央付近に頂点を有し、この頂点を境に非歯部領域1bの両端部の歯先円付近へ連続的に繋がる曲線又は直線の周縁を有していれば良く、この頂点の高さは、大角度跳ね上げ時に、可動ギヤ2の先頭歯が摺動して容易に乗り上げることができる程度のものであれば良い。
上記実施形態において、大角度跳ね上げ時の後部コラム部材のロックは、固定ギヤと可動ギヤの噛み合いによるものについて例示したが、このロックはこれらギヤの端面同士を衝きあてて行っても良い。また、上記実施形態において、後部コラム部材側に可動ギヤを取り付け、前部コラム部材に固定ギヤを取り付けたものについて例示したが、この逆にしても良い。また、ロック用噛み合い部1cの歯先円径を、ギヤ部1aの歯先円径よりも小さくしても良い。
本発明に係わる実施形態を示す車両用チルト式ステアリング装置の車体取付け状態の側面図。 図1のチルト式ステアリング装置を下面から見た図。 図2のチルト式ステアリング装置のA−A断面図。 大角度跳ね上げ時の車両用チルト式ステアリング装置を示す断面図。 固定ギヤと可動ギヤのチルト調整噛み合い状態を示す説明図。 固定ギヤと可動ギヤのチルト解除状態を示す説明図。 大角度跳ね上げ時の可動ギヤ移動の前半を示す説明図。 図7の固定ギヤと可動ギヤの状態を示す拡大図。 大角度跳ね上げ時の可動ギヤ移動の後半を示す説明図。 図9の固定ギヤと可動ギヤの状態を示す拡大図。 大角度跳ね上げ時のロック状態を示す説明図。 第1実施形態の変形例における大角度跳ね上げ時の可動ギヤ移動の前半を示す説明図。 図12の固定ギヤと可動ギヤの状態を示す拡大図。 該変形例における大角度跳ね上げ時の可動ギヤ移動の後半を示す説明図。 図14の固定ギヤと可動ギヤの状態を示す拡大図。 該変形例における大角度跳ね上げ時のロック状態を示す説明図。
符号の説明
C: 枢軸
1: 固定ギヤ
1a:ギヤ部
1b:非歯部領域
1c:ロック用噛み合い部
2: 可動ギヤ
2a:ギヤ部
3:後部コラム部材(アッパーコラム)
4:前部コラム部材(テレスコパイプ)
5:アッパーハウジング
7,8:軸受
9,12:ピン
13:ステアリングホイール
14:ロアーハウジング
111:楔状部材
112:圧縮コイルバネ
113:チルト調整レバー
115:第1支持バネ

Claims (4)

  1. 車体に固定した前部コラム部材に、後部コラム部材を運転時用チルト調整範囲で揺動自在に連結し、後部コラム部材のチルト位置への固定時には、前部コラム部材と後部コラム部材とのうちの一方に設けた固定ギヤに、前部コラム部材と後部コラム部材との他方に設けた可動ギヤを噛合させる一方、後部コラム部材のチルト位置からの解除時には、可動ギヤを揺動して両ギヤの噛合を解除させ、前記固定ギヤにはギヤ部及びこれに隣接する非歯部領域を有しており、前記後部コラム部材を運転時用チルト調整範囲を越えた大角度チルト位置への移動時は、前記可動ギヤは、前記固定ギヤの非歯部領域を摺動した後、その一部が固定ギヤの一部でロックされる構成の車両用チルト式ステアリング装置において、
    前記固定ギヤの前記非歯部領域は、前記ギヤ部の歯先円をその径方向外側に越えた域に形成され、かつこの非歯部領域の所与の部分から固定ギヤの前記一部に向かう部分は、前記ギヤ部の歯先円に徐々に近づくように成形されていることを特徴とする車両用チルト式ステアリング装置。
  2. 前記固定ギヤの前記ギヤ部は円弧形状であり、前記非歯部領域のギヤ部側端部から前記所与の部分に向かう部分は、前記ギヤ部の歯先円と同心の円弧形状であることを特徴とする請求項1記載の車両用チルト式ステアリング装置。
  3. 前記固定ギヤの非歯部領域のギヤ部側端部から前記所与の部分に至る部分は、この所与の部分から前記ギヤ部の歯先円に徐々に近づくように傾斜して成形されていることを特徴とする請求項1記載の車両用チルト式ステアリング装置。
  4. 前記可動ギヤは前記固定ギヤの端部でロックされることを特徴とする請求項1記載の車両用チルト式ステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100738407B1 (ko) * 2005-12-13 2007-07-11 주식회사 만도 고정 기어와 가동 기어를 구비한 조향장치

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