JP2005178198A - サーマルヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【目的】 高精細印字及び高速印字に対応しうる高耐熱性を有し、基板の平面性及び平坦性を損なうことなく凸形状を容易に形成可能なサーマルヘッドの製造方法を得る。
【構成】 平坦な基板上に蓄熱層を全面的に成膜する工程と、蓄熱層上に該蓄熱層との間に段差を与える均一膜厚のレジスト層を形成する工程と、レジストベークによりレジスト層の断面形状を定める工程と、レジスト層が完全に除去されるまで該レジスト層と蓄熱層をドライエッチングにより除去し、レジストベークにより定められたレジスト層の断面形状に対応する断面形状の蓄熱層を基板上に形成する工程とを有するサーマルヘッドの製造方法。
【選択図】 図5

Description

本発明は、例えばサーマルプリンタに搭載されるサーマルヘッドの製造方法に関する。
サーマルヘッドは一般に、蓄熱層を備えた基板上に、複数の発熱抵抗体と、この発熱抵抗体に通電するための電極層と、これら発熱抵抗体及び電極層の一部を保護する保護層とを有しており、被印字物をプラテンローラに巻きつけた状態で、インクリボンを介して該被印字物に圧接することで印字している。このようなサーマルヘッドには、印字品質を向上させるため、段差を有する凸形状に基板自体を予め加工し、印刷時に被印字物に対して圧力を加えるようにした凸型基板タイプがある。凸型基板タイプのサーマルヘッドは、結晶異方性エッチングにより基板に段差を形成し、この段差の角部(ほぼ直角)を例えばフッ硝酸エッチングにより丸く整えた後に、蓄熱層や発熱抵抗体を順次積層してなる。また、平坦な基板上にグレーズ層を用いて凸形状を形成しているサーマルヘッドも知られている。
近年では、高精細化による高品質印字および高速印字が可能な高出力型プリンタが強く望まれており、発熱抵抗体の駆動周期が300μs以下と非常に短くなってきている。そして今後も更なる高精細化、高速化が進む傾向にある。
特開平2−48960号公報 特開平3−251466号公報 特許第2617246号公報 特許第3072359号公報
しかしながら、従来では、基板に段差を形成する際にウエットエッチングを用いるため、エッチング液により基板表面があれてしまうという問題があった。基板表面があれていると、発熱抵抗体や電極層などのパターン形成工程で露光中のフォーカスにズレが生じてしまい、パターン精度が上層になるほど低下してしまい、ヘッド性能が悪くなる。また、フッ硝酸エッチングを施した後の基板は、反り返ってしまったり周辺部が薄くなってしまったりすることが多い。このように基板の平面性が損なわれると、基板が割れやすく耐久性に欠けるほか、製造過程において真空チャックしづらくなり手間がかかる。
上記問題を解消するには、平坦な基板上にグレーズ層を用いて凸形状を形成することも考えられるが、プリンタの高精細化や高速化に応じて発熱抵抗体の駆動周期が非常に短くなると、発熱抵抗体のピーク温度を高くして所定の印字エネルギーを確保する必要があるため、蓄熱と合わさって発熱抵抗体のピーク温度がグレーズ層の耐熱温度700℃よりも高温に達することがある。この場合には、グレーズ層が変形又は溶融してしまい、正常な印字が行えなくなる。このため、高精細化による高品質印字および高速印字を実現する高出力型サーマルヘッドにはグレーズ層を備えることができない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高精細印字及び高速印字に対応しうる高耐熱性を有し、基板の平面性及び平坦性を損なうことなく凸形状を容易に形成可能なサーマルヘッドの製造方法を得ることを目的とする。
本発明は、ウエットエッチングではなくドライエッチングを用いればエッチング液により基板表面があれずに済むこと、及び被エッチング層と被エッチング層上に形成したレジスト層とをレジスト層が完全に除去されるまで同時にドライエッチングすれば被エッチング層がレジスト層に対応する断面形状になることに着目してなされたものである。
すなわち、本発明は、平坦な基板上に蓄熱層を全面的に成膜する工程と、蓄熱層上に、該蓄熱層との間に段差を与える均一膜厚のレジスト層を形成する工程と、レジストベークによりレジスト層の断面形状を定める工程と、レジスト層が完全に除去されるまで該レジスト層と蓄熱層をドライエッチングにより同時に除去し、レジストベークにより定められたレジスト層の断面形状に対応する断面形状の蓄熱層を基板上に形成する工程とを有することを特徴としている。
レジスト層の断面形状は、蓄熱層との間に段差を与える均一膜厚部と、蓄熱層表面から均一膜厚部にかけて徐々に膜厚が増大するテーパーエッジ部とを有する形状とする。この場合に蓄熱層は、ドライエッチング工程により、レジスト層の均一膜厚部に対応して基板表面との間に段差を与える均一膜厚部と、レジスト層のテーパーエッジ部に対応して基板表面から均一膜厚部にかけて徐々に膜厚が増大するテーパーエッジ部とを有する形状に形成される。
蓄熱層は、シリコンと、遷移金属の中から選択される少なくとも1つと、酸素とを含む酸化物蓄熱層により形成することが好ましい。酸化物蓄熱層は、耐熱温度が1000℃程度の高耐熱性を有するものであり、この酸化物蓄熱層を備えることで耐熱性が向上し、高出力サーマルヘッドを実現可能である。具体的に酸化物蓄熱層に含まれる遷移金属は、Ta、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Nb、Mo、La、Ce、Hf、Wの少なくとも1つであることが好ましい。特にTa、Ti、Mo、Wを含んでいることが好ましい。
また本発明は、別の態様によれば、平坦な基板上に、該基板表面との間に段差を与える均一膜厚のレジスト層を形成する工程と、レジストベークによりレジスト層の断面形状を定める工程と、レジスト層が完全に除去されるまで該レジスト層と基板をドライエッチングにより除去し、レジスト層に対応する断面形状の凸部を基板に形成する工程とを有することを特徴としている。
レジスト層の断面形状は、基板表面との間に段差を与える均一膜厚部と、この均一膜厚部の両端に位置し、基板表面から均一膜厚部にかけて徐々に膜厚が増大する両テーパーエッジ部とを有する略断面台形状とする。この場合には、ドライエッチング工程により、レジスト層の均一膜厚部に対応する均一膜厚部とレジスト層の両テーパーエッジ部に対応する両テーパーエッジ部とを有する略断面台形状が基板に形成される。
レジスト層の断面形状は、レジストベーク温度、レジストベーク時間及びレジスト層の膜厚の少なくとも1つを制御することにより、設定することができる。あるいは、レジスト露光時にグレースケールマスクを用いることによっても定めることが可能である。
蓄熱層又は基板とレジスト層とのエッチングレート比は、0.8以上1.2以下であることが好ましい。この範囲内であれば、ドライエッチング工程後に、レジスト層の断面形状に対応した断面形状の蓄熱層又は基板が得られる。レジスト層と蓄熱層又は基板には、複数の異なる方向からドライエッチングを行なうことが好ましい。
蓄熱層を形成する工程の前に、平坦な基板上に絶縁層を形成する工程を有することができる。
本発明によれば、基板又は基板上に形成した膜を被エッチング層とし、この被エッチング層の上に形成されたレジスト層が完全に除去されるまで該レジスト層と被エッチング層をドライエッチングすることにより、被エッチング層がレジスト層の断面形状に対応した断面形状になるので、基板表面がエッチング液により腐食されることがなく、またレジスト層を凸型の断面形状とすれば基板上に凸部を容易に形成することができる。よって、凸部を形成した際に、基板表面があれて凹凸が生じることもない。このように基板表面が滑らかな平面且つ平坦であれば、基板上に形成される薄膜のパターン精度が向上してヘッド性能が上がるほか、ヘッドの耐久性も改善される。
また本発明によれば、レジストベーク温度、レジストベーク時間及びレジスト層自体の膜厚の少なくとも1つを制御することあるいはグレースケールマスクを用いることでレジスト層の断面形状を容易に設定可能であり、上記被エッチング層を容易に所定の凸形状とすることができる。
さらに本発明によれば、耐熱温度が1000℃程度の高耐熱性を有する酸化物蓄熱層により凸部を形成するので、発熱抵抗体のピーク温度が800℃程度まで上昇したとしても、酸化物蓄熱層は変形することがなく、高精細印字及び高速印字に対応することができる。
図1〜図5を参照し、本発明によるサーマルヘッドの製造方法の第1実施形態について説明する。
先ず、図1に示すように、基板1の平坦かつ平面的な表面上に、例えばSiO2からなる第1絶縁層2を全面的に成膜する。ここで、「平坦」とは基板表面に巨視的な凹凸のない平坦な状態を意味し、「平面的」とは基板表面にソリ及び欠け等の形状変化がない状態を意味する。基板1としては、例えばSi(シリコン)、AlN(窒化アルミニウム)、セラミック材料、又は金属等からなる基板を使用することができ、その材質は特に問わない。
次に、同図1に示すように、第1絶縁層2の上に、Siと、遷移金属の中から選択される少なくとも1つと、O2とを含む酸化物蓄熱層3を15〜35μm程度の膜厚で成膜する。この酸化物蓄熱層3は、例えばSiを65〜85mol%、Taを35〜15mol%とした組成のSiとTaの合金ターゲット、あるいはSiを65〜85mol%、Taを30〜15mol%、W等のほかの遷移金属を20〜0mol%とした合金ターゲットを用いて、ArとO2の混合ガス雰囲気でスパッタリングを行なうことにより形成される。このスパッタリング時に、スパッタリングガスの圧力を0.8〜1.6Pa(パスカル)の範囲とし、かつ、O2ガス流量をスパッタリングレート(成膜速度)が最大となるような値にして成膜すれば、得られる酸化物蓄熱層3は柱状質を有する黒色の酸化物となり、熱拡散率が小さく且つ断熱性に優れたものとなる。本実施形態で得られる酸化物蓄熱層3の耐熱温度は約1000℃程度である。
酸化物蓄熱層3を構成する遷移金属としては、Ta、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Nb、Mo、La、Ce、Hf、Wの中から選択される1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いればよいが、これらの中でも特にTa、Mo、Wを単体あるいは他の遷移金属と組み合わせて用いることが特に好ましい。また、例えばSi−Ta−W−Mo−Fe−NiやSi−Ta−W−Mo−Ti−Zr等の多元素系の組成として用いても特性の良い酸化物蓄熱層3を形成することが可能である。
酸化物蓄熱層3の形成後は、約800℃〜1000℃で真空アニール処理を行ない、基板1のソリを矯正する。酸化物蓄熱層3は15〜35μm程度と厚く形成されているため、通常であれば膜の圧縮応力によって基板1に大きなソリが発生するおそれがある。これに対し、本実施形態では、酸化物蓄熱層3が柱状質に形成され、さらに上記真空アニールによって酸化物蓄熱層3自体が緻密化されて膜内部の圧縮応力が低減されることから、基板1に発生するソリを大幅に低減することができる。具体的には、例えば3インチ角の基板の場合には、ソリを0.1mm以内とすることができる。また、上記真空アニール処理により酸化物蓄熱層3には予め熱履歴が与えられるので、酸化物蓄熱層3自体の耐熱性に対する信頼度をより高めることができる。
続いて、同図1に示すように、酸化物蓄熱層3の上に、基板1の一端側近傍に位置させて、該酸化物蓄熱層3との間に段差を与える均一膜厚のレジスト層Rを形成する。レジスト層Rは、酸化物蓄熱層3の断面形状を規定するためのものであり、形成段階ではその断面形状が基板表面に対してほぼ垂直なエッジ部を有する長方形状である。
レジスト層Rを形成したら、レジストベークを行なう。このレジストベークにより、レジスト層Rの断面形状、特にレジスト層Rのエッジ部の断面形状を設定する。具体的にレジスト層Rの断面形状は、図2に示すように、該酸化物蓄熱層3との間に段差を与える均一膜厚部R1と、酸化物蓄熱層3の表面から均一膜厚部R1にかけて徐々に膜厚が増大するテーパーエッジ部R2とを有する凸形状とする。レジストベーク後のレジスト層Rの断面形状は、テーパーエッジ部R2の頂上が微量ながら突起し、均一膜厚部R1よりも基板表面からの高さが高くなる。また、レジストベーク後のレジスト層Rの断面形状は、図10及び図11に示されるように、レジストベーク温度及びレジストベーク時間に応じて異なる。図10は、レジストベーク時間を一定とし、レジストベーク温度を130℃と140℃で変化させた場合のレジスト層Rの断面形状を比較して示す断面図である。図11は、レジストベーク温度を一定(140℃)とし、レジストベーク時間を60秒、90秒、120秒で変化させた場合のレジスト層Rの断面形状を比較して示す断面図である。図10及び図11を見ると、レジストベーク温度が高温であるほど、また、レジストベーク時間が長いほど、テーパーエッジ部3bの最大高さ位置が低くなり、テーパーエッジ部3aの傾斜が緩やかになることがわかる。このレジストベーク時間及びレジストベーク温度、さらにレジスト層Rの形成時の膜厚のうち少なくとも1つを制御することにより、レジストベーク後のレジスト層Rの断面形状を所望形状に設定することができる。
レジスト層Rの断面形状を決定したら、図3に示すように、ドライエッチング処理を行なう。ドライエッチング処理では、イオンミリング又はエッチング等により異なる複数の方向からレジスト層Rと酸化物蓄熱層3(及び第1絶縁層2)を削っていき、レジスト層Rを完全に除去する。この際、レジスト層Rと酸化物蓄熱層3の選択比(エッチングレート比)は0.8以上1.2以下になるように制御する。この範囲内であれば、レジスト層Rを完全に除去したときに酸化物蓄熱層3が、前工程で決定したレジスト層Rの断面形状に対応した断面形状となる。すなわち、酸化物蓄熱層3の断面形状は、レジスト層Rと酸化物蓄熱層3の選択比が1を除く0.8以上1.2以下であるときにレジスト層Rと相似形状になり、選択比が1であるときにレジスト層Rとほぼ同一形状になる。これにより、図4に示すように、酸化物蓄熱層3は、第1絶縁層2を介して基板1に段差を与える均一膜厚部3aと、基板表面側から均一膜厚部3aに向けて徐々に膜厚が増大するテーパーエッジ部3bとを有する凸形状となる。テーパーエッジ部3bは、その頂上位置が微量ながら突起し、均一膜厚部3aよりも基板表面からの高さが高くなる。
上記ドライエッチング処理によれば、エッチング液が使用されないので、基板1の表面がエッチング液により腐食されずに済む。すなわち、基板1の表面は平坦で滑らかなまま保持され、また、基板1が反り返ったり基板1の周辺部が薄くなったりすることがなく基板1の機械的な強度を維持することができる。さらに、基板1上に残る酸化物蓄熱層3の表面はレジスト層Rで覆われていたため、該酸化物蓄熱層3の表面も滑らかに保持されており、その表面粗さRaは成膜時とほぼ同等の0.1nm以下程度である。
続いて、酸化物蓄熱層3の上に第2絶縁層4と抵抗層5を連続成膜し、抵抗層5の熱的な抵抗値を安定化させるために、約800〜1000℃で再度、真空アニール処理を行なう。成膜にはスパッタや蒸着法を用いることができる。第2絶縁層4はSiO2により形成し、抵抗層5はTa2N又はTa−SiO2等のサーメット材料により形成する。上述したように基板表面及び酸化物蓄熱層3の表面には巨視的な凹凸が存在していない(基板表面及び酸化物蓄熱層3の表面があれていない)から、酸化物蓄熱層3の上に積層される各層を形成する際に行なう露光工程でフォーカスずれが生じず、上記各層を高精度でパターン形成することができる。これにより、抵抗層5の抵抗値のばらつきを防止可能である。真空アニール処理後は、抵抗層5の上にSiO2からなるバリア層6を成膜する。そして、酸化物蓄熱層3のテーパーエッジ部3b上に位置するバリア層6を所定形状にパターニングして、不要なバリア層6を除去する。これにより、抵抗層5上のバリア層6は、酸化物蓄熱層3のテーパーエッジ部3bの一部上に残る。このバリア層6で覆われた領域の抵抗層5が発熱抵抗体5aとなる。
続いて、抵抗層5及びバリア層6の上に、例えばCrにより耐熱電極層を全面的に成膜する。成膜後は、フォトリソグラフィ技術を用いて、バリア層6上に位置する耐熱電極層をエッチング等により除去すると共に、耐熱電極層のパターン形状を規定する。これにより、酸化物蓄熱層3のテーパーエッジ部3bには、バリア層6で覆われた複数の発熱抵抗体5aが図示Y方向に微小な間隔をおいて配置され、耐熱電極層は、発熱抵抗体5aのすべてに接続する共通電極7と、各発熱抵抗体5aに個別に接続する個別電極8とに分離される。共通電極7及び個別電極8はバリア層6にオーバーレイしている。個別電極8には配線用のAl電極9が形成される。
そして最後に、バリア層6、共通電極7及び個別電極8の上に耐磨耗保護層(不図示)を形成すると、図5に示すサーマルヘッドが得られる。
以上のように本第1実施形態では、酸化物蓄熱層3の上に形成されたレジスト層Rが完全に除去されるまで該レジスト層Rと酸化物蓄熱層3をドライエッチングすることにより、基板1上の酸化物蓄熱層3の断面形状がレジスト層Rに対応した形状(同一形状又は相似形状)になる。すなわち、レジスト層Rの断面形状が酸化物蓄熱層3に転写される。レジスト層Rの断面形状はレジストベーク温度、時間及びその膜厚を制御することにより容易に設定可能であるから、酸化物蓄熱層3を用いて基板1上に凸部を容易に形成することができる。この際、ドライエッチングを用いているので、基板1の表面がエッチング液により腐食されることがなく、基板1の平坦性及び平面性を良好に保持することができる。また、耐熱温度が1000℃程度の高耐熱性を有する酸化物蓄熱層3により基板1上に凸部が形成されているので、発熱抵抗体5aのピーク温度が800℃程度まで上昇したとしても、酸化物蓄熱層3が変形することがなく、高精細印字及び高速印字に対応することができる。
以上の第1実施形態では、酸化物蓄熱層3により基板1の上に凸部を形成しているが、酸化物蓄熱層3及び第1絶縁層2により凸部を形成することも勿論できる。また、第1絶縁層2のみにより凸部を形成してもよい。つまり、基板1上に形成された膜を用いて、基板1上に凸部を形成することができる。第1実施形態のように15〜35μm程度の厚い膜厚を有する酸化物蓄熱層3を用いれば、他の層をわざわざ厚く形成する必要がなく、ヘッド全体の膜厚も増大させることがない。
図6〜図9は、本発明によるサーマルヘッドの製造方法の第2実施形態を示す断面図である。第2実施形態では、基板1の一端側近傍に断面台形形状の凸部αが形成されており、この凸部αを含む基板1の上に第1絶縁層2、酸化物蓄熱層3、第2絶縁層4、抵抗層5が順次積層されている。基板1の凸部αは、中央部の厚さが均一であり、この中央部に向けて凸部α外の基板表面から徐々に厚さが増大していくテーパーエッジ部1aを両端に有している。基板1自体に凸部αを形成する工程以外は第1実施形態と実質的に同じであり、図6〜図9において第1実施形態と同一の構成要素には図1〜図5と同一符号を付してある。以下では、基板1に凸部αを形成する方法について説明する。
先ず、図6に示すように、基板1の平坦且つ平面的な表面上の一部に、基板表面との間に段差を与える均一膜厚のレジスト層Rを形成する。この形成段階でレジスト層Rの断面形状は、基板表面に対してほぼ垂直なエッジ部を有する長方形状である。次に、レジストベークを行ない、レジスト層Rの断面形状、特にレジスト層Rのエッジ部の断面形状を設定する。レジスト層Rの断面形状は、第1実施形態と同様、レジストベーク温度、レジストベーク時間及びレジスト層Rの膜厚の少なくとも1つを制御することにより設定される。具体的にレジスト層Rのエッジ部は、図7に示すように、基板表面から、均一厚を有するレジスト層Rの中央部に向けて徐々に膜厚が増大する両テーパーエッジ部にする。レジストベーク後のレジスト層Rは、テーパーエッジ部の頂上が微量ながら突起している。
レジスト層Rの断面形状が決定したら、図8に示すようにドライエッチング処理を行なう。ドライエッチング処理では、イオンミリング又はエッチング等により異なる複数の方向からレジスト層Rと基板1を削り、レジスト層Rを完全に除去する。この際、レジスト層Rと基板1の選択比(エッチングレート比)は0.8以上1.2以下になるように制御する。この範囲内であれば、図8の点線で示すように、レジスト層Rを完全に除去したときに基板1の一部が、前工程で決定したレジスト層Rの断面形状に対応した形状となる。特にレジスト層Rと基板1の選択比(エッチングレート比)が1である場合は、レジスト層Rの断面形状と同一断面形状の凸部αが形成される。形成された凸部αは、テーパーエッジ部1aの頂上が微量ながら突起して中央部よりも基板表面からの高さが高くなる(図8、図9参照)。
上記凸部αを形成した以降の工程は、第1実施形態と同様であるから省略するが、凸部αの上方に位置してバリア層6で覆われる抵抗層5の複数の領域がそれぞれ複数の発熱抵抗体5aとなる。この第2実施形態により得られるサーマルヘッドを図9に示す。
以上の第2実施形態によっても、基板1の上に形成されたレジスト層Rが完全に除去されるまで該レジスト層Rと基板1をドライエッチングすることにより、基板1にレジスト層Rの断面形状に対応する断面形状の凸部αが形成されるので、基板1の表面がエッチング液により腐食されることがない。形成された基板1の凸部α上には酸化物蓄熱層3及び抵抗層5(発熱抵抗体5a)が設けられ、この凸部αにより印刷時は非印字物に対して接触圧力が加えられることから印字品質を高めることができる。また、酸化物蓄熱層3が耐熱温度1000℃程度の高耐熱性を有していることから、高精細印字及び高速印字にも対応可能である。
以上の各実施形態では、ポストベーク温度、ポストベーク時間、レジスト層Rの膜厚の少なくとも1つを制御してレジスト層Rの断面形状を設定しているが、別の態様として、レジスト露光時にグレースケールマスクを用いてレジスト層Rに照射される光量を制御することにより、レジスト層Rの断面形状を定めることも可能である。
以上の各実施形態では、酸化物蓄熱層3の上下に第1絶縁層2と第2絶縁層4がそれぞれ形成されているが、基板1として絶縁性基板を用いる場合には第1絶縁層2を省略可能である。
本発明によるサーマルヘッドの製造方法の第1実施形態の一工程を示す断面図である。 図1に示す工程の次工程を示す断面図である。 図2に示す工程の次工程を示す断面図である。 図3に示す工程の次工程を示す断面図である。 図4に示す工程の次工程(完成状態)を示す断面図である。 本発明によるサーマルヘッドの製造方法の第2実施形態を示す断面図である。 同サーマルヘッドの製造方法の一実施形態の一工程を示す断面図である。 図7に示す工程の次工程を示す断面図である。 図8に示す工程の次工程(完成状態)を示す断面図である。 レジストベーク時間が一定で、レジストベーク温度が異なるレジスト層の形状を比較して示す断面図である。 レジストベーク温度が一定で、レジストベーク時間が異なるレジスト層の形状を比較して示す断面図である。
符号の説明
1 基板
1a テーパーエッジ部
2 第1絶縁層
3 酸化物蓄熱層
3a 均一膜厚部
3b テーパーエッジ部
4 第2絶縁層
5 抵抗層
5a 発熱抵抗体
6 バリア層
7 共通電極
8 個別電極
9 Al電極
R レジスト層
α 凸部

Claims (11)

  1. 平坦な基板上に蓄熱層を全面的に成膜する工程と、
    前記蓄熱層上に、該蓄熱層との間に段差を与える均一膜厚のレジスト層を形成する工程と、
    レジストベークにより前記レジスト層の断面形状を定める工程と、
    前記レジスト層が完全に除去されるまで該レジスト層と前記蓄熱層をドライエッチングにより除去し、前記レジストベークにより定められた前記レジスト層の断面形状に対応する断面形状の蓄熱層を前記基板上に形成する工程と、
    を有することを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
  2. 請求項1記載のサーマルヘッドの製造方法において、前記レジスト層の断面形状は、前記蓄熱層との間に段差を与える均一膜厚部と、前記蓄熱層表面から前記均一膜厚部にかけて徐々に膜厚が増大するテーパーエッジ部とを有する形状とし、前記蓄熱層は、前記レジスト層の均一膜厚部に対応して基板表面との間に段差を与える均一膜厚部と、前記レジスト層のテーパーエッジ部に対応して基板表面から前記均一膜厚部にかけて徐々に膜厚が増大するテーパーエッジ部とを有する形状に形成するサーマルヘッドの製造方法。
  3. 請求項1又は2記載のサーマルヘッドの製造方法において、前記蓄熱層は、シリコンと、遷移金属の中から選択される少なくとも1つと、酸素とを含む酸化物蓄熱層により形成するサーマルヘッドの製造方法。
  4. 請求項3記載のサーマルヘッドの製造方法において、前記蓄熱層に含まれる遷移金属は、Ta、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Nb、Mo、La、Ce、Hf、Wの少なくとも1つであるサーマルヘッドの製造方法。
  5. 平坦な基板上に、該基板表面との間に段差を与える均一膜厚のレジスト層を形成する工程と、
    レジストベークにより前記レジスト層の断面形状を定める工程と、
    前記レジスト層が完全に除去されるまで該レジスト層と前記基板をドライエッチングにより除去し、前記レジスト層の断面形状に対応する断面形状を前記基板に形成する工程と、
    を有することを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
  6. 請求項5記載のサーマルヘッドの製造方法において、前記レジスト層の断面形状は、厚さが均一な中央部と、この中央部に向けて該中央部外の基板表面から徐々に厚さが増大する両テーパーエッジ部とを有する略断面台形状とし、このレジスト層の中央部と両テーパーエッジ部に対応する略断面台形状を基板に形成するサーマルヘッドの製造方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一項に記載のサーマルヘッドの製造方法において、レジストベーク温度、レジストベーク時間及び前記レジスト層の膜厚の少なくとも1つを制御することにより、前記レジスト層の断面形状を定めるサーマルヘッドの製造方法。
  8. 請求項1ないし6のいずれか一項に記載のサーマルヘッドの製造方法において、レジスト露光時にグレースケールマスクを用いて前記レジスト層の断面形状を定めるサーマルヘッドの製造方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれか一項に記載のサーマルヘッドの製造方法において、前記蓄熱層又は前記基板と前記レジスト層とのエッチングレート比が0.8以上1.2以下であるサーマルヘッドの製造方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれか一項に記載のサーマルヘッドの製造方法において、前記レジスト層と前記蓄熱層又は基板に対して、複数の異なる方向からドライエッチングを行なうサーマルヘッドの製造方法。
  11. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載のサーマルヘッドの製造方法において、前記蓄熱層を形成する前に、前記平坦な基板上に、絶縁層を形成する工程を有するサーマルヘッドの製造方法。
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