JP2005177579A - 流動層式粉砕装置および粉砕方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】略円筒状の筐体からなり、粉砕室1、圧縮空気を噴射する複数の粉砕ノズル3、及び該粉砕室上部に設けられた分級ロータ4を少なくとも具備し、粉体材料が供給された粉砕室内で、複数の粉砕ノズルから噴射される圧縮空気6によって該粉体材料を粉砕し、粉砕された該粉体材料を該粉砕室から回転する該分級ロータ内部に流入させて微粉と粗粉とに遠心分級して、微粉を得るために用いられる流動層式粉砕装置であって、噴射される前の圧縮空気を加熱するための加熱手段7を具備する。
【選択図】図2
Description
該流動層式粉砕装置を用いて微粉体を製造するには、粉砕の対象とする粉体材料、前記トナーの場合にはトナーを構成する樹脂及び着色剤等の材料からなる混練物を粗粉砕することによって作製されるトナー粉体材料(トナー原料と言う)を予め準備しておく。
次に、粉砕室内に該粉体材料を供給した後、複数の粉砕ノズルから圧縮空気を噴射して形成されるジェット気流によって、該粉体材料を加速して粉体材料同士を衝突させて粉砕し、その後粉砕された粉体材料は発生する上昇気流によって回転する分級ロータに導かれて該分級ロータによって分級され、所望の粒径以下の粉体材料は分級ロータの内側を通って排出し製品として回収され、所望の粒径になっていない粉体材料(粗粉)は遠心力によって分級ロータの外側に押出されて側壁伝いに再び粉砕室に戻されて繰り返し粉砕が行なわれ、こうして流動層式粉砕装置を用いた粉砕分級作業が行なわれる。
図1において、粉砕装置本体全体が略円筒状の筐体からなり、符号(1)は粉砕室を、(2)は粉体材料が供給される供給管を、(3)は粉砕室(1)に送り込まれる圧縮空気を搬送する複数の粉砕ノズルを、(4)は粉砕された粉体材料を分級するロータ(分級ロータ)を、(5)は粉砕し所望粒径に分級されて完成された粉体をエアーと共に排出する排気管をそれぞれ示す。
図1の従来の流動層式粉砕装置においては、先ず、粉砕室(1)内部には一定量の粉体材料が充填され、次に相互に対向して設置される複数の粉砕ノズル(3)から排出される圧縮空気が、対向する各々の粉砕ノズル(3)の出口延長線が交わる付近、即ち粉砕室(1)の中心軸付近で衝突し、その際空気に導かれ加速された粉体材料も、粉砕室(4)の中心軸付近で衝突し、粉砕作用を受ける。
一方、排気管(5)と連通する吸引ファン等の吸引器(図示せず)によって吸引して、粉砕された粉体材料を排気管(5)に送流させる。この際、粉砕室(1)上部に設置されているロータ(4)が回転しているので、所望の粒径に粉砕された粉体材料は排気管(5)を通して排出され製品として回収されるが、所望の粒径よりも大きな粉体材料(粗粉)は分級ロータ(4)の遠心力によって分級ロータ(4)の外側に導かれ粉砕室(1)の壁面を沿って下方に導かれ、再び粉砕作用を受けることとなる。
しかしながら、従来の流動層式粉砕装置においては、所望の粒径を得るためにはこのような粉砕室内部での繰り返し粉砕が必要となるが、粉砕室内部に充填された一定量の粉体材料は、周囲に設置された複数の粉砕ノズルから噴出するジェット噴流に導かれ加速し対向衝突するため、体積粉砕される際、表面粉砕の割合も多くなって超微粉を発生させる過粉砕を起こし、これが粉砕効率あるいは生産能力を低下させる原因の一つになっている。
例えば、所望粒径の粉砕物を効率よく得る目的に、流動層式粉砕装置内の粉砕室に設けた底板上に堆積させた粉体材料の上面が常に粉砕ノズルからの気流噴出位置に保持されるように、底板を上下動させる底板位置調整装置を設置する機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に開示されている流動層式粉砕装置によると、底板上に堆積した粉体材料の上面をノズルの気流噴出位置に保持はできるものの、従来の流動層式粉砕装置と比較して所望粒径の粉砕物を効率よく得ることは困難であると考えられる。
すなわち、特許文献1に開示されている流動層式粉砕装置では、装置底板上に堆積した粉体材料の上面を保持する方法として、例えば、装置底板上に堆積した粉体材料の重量を計測し、一定重量に保つことによって堆積する粉体材料の上面を保持し、これによって多少粉体効率の向上が期待できるものの、粉体材料が受ける粉砕作用自体は、従来の流動層式粉砕装置と変わらず、所望の粒径を得るために必要な粉砕室内部でのくり返し粉砕が不十分となって、粉砕効率を低下させる原因の一つになっているものと考えられる。
しかしながら、特許文献2に開示されている流動層式粉砕装置においては、ノズルから噴射される高速ガスと粉砕室内部の粉体材料を衝突部材に衝突させる際に、粉砕ノズル圧力を上げなければならないという問題がある。
その理由は、図1によって先に示した従来の流動層式粉砕装置においては、対向し設置される複数のノズルから高速ガスが噴射されるので、粉体材料同士が高速ガスと共に加速された相対速度を持って衝突し粉砕作用を受けるのに対し、特許文献2の装置によれば、高速ガスと共に粉体材料同士の相対速度が加速されることがなく、より高い粉砕効果を得るには、粉砕ノズルの圧力を上げて、より高速で粉体材料を衝突部材に衝突させなければならなくなり、また、ノズルから噴射された高速ガスによって被粉砕物は衝突部材に衝突するものの、所望の粒径を得るための粉砕室内部でのくり返し粉砕ができないために、粉砕効率を低下させる原因の一つになるものと考えられる。
さらに、近年の電子写真方式による画像の高画質化に伴い、電子写真用トナーについても小粒径化あるいは少量多品種の要求が高く、トナー生産の迅速化と効率化が望まれ、そのために流動層式粉砕装置についても従来の装置に比べて、品種の異なる粉体に粉砕分級作業を切り替える際にその切り替えが容易に時間が短かくできるものが望まれている。
また、本発明の第二の課題は、流動層式粉砕装置の粉砕室内における衝突粉砕効率向上を達成し、高効率で粉砕して所望の粒径の粒子を得ることを可能とすることができる流動層式粉砕装置およびそれを用いた粉砕・分級方法を提供することである。
さらに、本発明の第三の課題は、品種切り替え時間を短縮することが可能な流動層式粉砕装置およびそれを用いた粉砕・分級方法を提供することである。
本発明の流動層式粉砕装置は、粉砕装置本体全体が略円筒状の筐体からなり、複数の粉砕ノズルと、外部から供給された粉体材料が充填されかつ粉砕ノズルからの圧縮空気によって該粉体原料が粉砕される粉砕室と、分級ロータとを少なくとも具備し、粉砕室内で粉砕材料を微粉と粗粉に粉砕し、さらに粉砕された微粉と粗粉を回転する分級ロータで遠心分級するものである点においては、従来からの図1に示されるような流動層式粉砕装置と変わりがないものである。
図2は、本発明の流動層式粉砕装置の一例を示す概略断面図である。
図2に示される流動層式粉砕装置は、該粉砕装置本体全体が略円筒状の筐体からなり、粉砕室(1)、粉体原料を供給する供給管(2)、粉砕室(1)に送り込まれる圧縮空気を送流する複数の粉砕ノズル(3)、粉砕された粉体原料(粉砕物とも言う)を分級する分級ロータ(4)、及び粉砕し所望粒径に分級された粉砕物を空気と共に排出する排気管(5)を少なくとも具備するものであるが、圧縮空気の加熱手段(7)が設けられたものであることが本発明の流動層式粉砕装置の特徴とするところである。
従来からある流動層式粉砕装置に、圧縮空気の加熱手段(7)を設けることにすれば、本発明の流動層式粉砕装置として適用可能である。従来からある流動層式粉砕装置には、商品として、ホソカワミクロン(株)製のものとしては、商品名がカウンタージェットミルAFGがあり、電子写真等トナーの作製には型式100〜630AFGのものを用いることができ、三井鉱山(株)製のものとしては、商品名がコンダックスミルCGSがあり、電子写真等トナーの作製に型式CGS32〜100を用いることができ、また、栗本鐵工(株)製のものとしては、商品名がクロスジェットミルKJがあり、電子写真等トナーの作製に用いることができる。
空気は、通常、圧縮されると発熱する特性を持っているため、従来から、トナーの粉砕等に用いる圧縮空気の温度制御は、冷却機を通して行なうのが一般的であり、従って、本発明においても、加熱手段を稼働させないで、粉砕状況によっては圧縮空気をそのまま使用することができる。
圧縮空気の温度制御は、過粉砕を低減させ超微粉の発生を抑制させるのに重要であり、温度が低過ぎると、粉体原料の過粉砕が起こりやすく、一方、温度が高いと粉体原料の表面が暖められ軟化して粉砕しにくくなり、すなわち、粉砕原料の軟化点に近づく程割れなくなる性質を応用して、粉砕原料の熱特性に応じた温度制御をすることによって表面過粉砕を抑制するのが好ましい。
また、該加熱手段としては特に限定されるものではないが、例えば、ラジエターの様に幾重にも配管をくぐらせて表面から電気ヒーターで加熱する方法や冷却機を通さずコンプレッサーを使用する方法等が用いられる。
すなわち、圧縮空気の加熱手段としては、具体的には、例えば、コンプレッサーと粉砕機を結ぶ配管途上に螺旋配管内が設けられ、内部を通過する圧縮空気を螺旋配管の表面から、電気ヒーターバンド、蒸気、オイル等の熱媒体を用いて加熱置換する。温度調整手段が電気ヒーターの場合、電流調整が行なわれ、また、蒸気の場合には、圧力調整、オイルは水冷ジャケットにて内部に冷却水またはチラー水を通過させ循環する水または冷却水量とか温度で調整が行なわれる。
粉砕とは、衝撃、圧縮、せん断、摩擦などの力学的作用によって固体粒子を破壊し、その物質構造を変えることなく細分化することであるが、本発明においては加熱された圧縮空気によって、加温された粉体原料表面は内部に比べ弾性が高くなって、その結果、粉体原料同士が衝突しても、表面が粉砕されるいわゆる過粉砕が低減される状態となり、微粉の発生量が抑制され、微粉と粗粉とに遠心分級することができるものと考えられる。
ジェット噴流温度が0℃未満の場合は粉体原料の表面が冷やされ塑性し易く表面粉砕が発生し易くなる。またジェット噴流温度が50℃を超える場合は粉体原料の表面が軟化あるいは融解し易くなり、粉砕性の低下さらには粉体原料中の混練材料が劣化し、品質低下となる場合があるので、好ましくない。
仮に、温度制御しないで圧縮空気を放出するような場合には、断熱膨張によって温度が
0℃未満となって好ましくない。
図3に示される流動層式粉砕装置は、前記のように加熱手段によって得られた粉体原料表面の弾性状態を維持するために、粉砕室(1)の側壁(8)の温度を0〜40℃の範囲に調節できるような機構を設けたことを特徴とするものであり、このような機構によって表面粉砕による超微粉の発生量を一層抑制することができ、より高効率の粉砕・分級が可能となり、粉体の生産性を向上することができるので望ましい。
粉砕室の側壁冷却手段(10)としては、例えば、その周囲をジャケット化しチラー水やクーリングタワー水を循環させる方法等が用いられる。
粉砕室の側壁の温度が0℃未満の場合には、ジェット噴流による加熱効果が低下して粉体材料の表面が冷やされ塑性し易く表面粉砕が発生し易くなる。また粉砕室の側壁の温度が40℃を超える場合には、衝突粉砕された粉体原料の冷却速度が低下し表面が軟化あるいは融解し易くなり、粉砕室の表面に固着あるいは融着し、粉砕性の低下さらには粉体原料中の混練材料が劣化して品質が低下することがある。
粉砕室の底部(9)の冷却手段(11)としてはその周囲をジャケット化しチラー水やクーリングタワー水を循環させる方法等があるが上記に限定されるものではない。
粉砕室の底部(9)の温度が−5℃未満の場合はジェット噴流の過熱効果が低下し粉体材料の表面が冷やされ塑性し易く表面粉砕が発生し易くなる。
また粉砕室の底部(9)の温度が30℃を超える場合は、衝突粉砕された粉体原料の冷却速度が低下する傾向があり、その結果、表面が軟化あるいは融解し易くなって粉砕室底部の表面に固着あるいは融着し、粉砕性の低下さらには粉体材料中の混練材料が劣化し、品質の低下となり望ましくない。
圧縮空気の温度が上昇すると、粉砕物の固着が発生しやすくなるため、以上説明した粉砕室の側壁あるいは粉砕室の底部の温度調節は、例えば、壁部または底部を螺旋配管で覆い内部に冷却水またはチラー水を通過させ、循環する水または冷却水量の制御による冷却によって行なわれ、水冷クーリングユニット、チラーユニット等が用いられる。該冷却温度は、圧縮空気の温度によって適宜選択される。
すなわち、本発明の流動層式粉砕装置においては、圧縮空気は過粉砕を防止するために加熱されるが、さらに粉砕物の固着を防止するために、必要に応じて圧縮空気を冷却することができる。
ニッケルテフロン(登録商標)複合メッキとしては、例えば、日本カニゼン(株)製の無電解ニッケルテフロン(登録商標)複合メッキ、日本カニゼン(株)製の(株)コダマ製のコダスケートテフロン(登録商標)メッキ、ハ幡鍍金工業(株)製の無電解テフロン(登録商標)メッキあるいは三和メッキ工業(株)製のテフロン(登録商標)無電解ニッケルなどを用いることができる。
本発明においては、加熱した圧縮空気のジェット気流によって粒子材料の粉砕が行なわれるが、その結果、粉砕室内の温度は従来の粉砕装置の場合に比べて上昇して粉砕された粉体粒子が該分級ロータに付着し易くなり、その解決策として、該分級ロータを構成する複数の羽根の表面を離型剤処理することによって、0.15〜0.25程度の動摩擦係数を0.05〜0.13程度に変化させておくと、分級された粉砕粒子の該分級ロータ上への付着を防止し粉体材料を効率的に粉砕分級するのに有効である。
本発明においては、加熱した圧縮空気のジェット気流によって粒子原料の粉砕が行なわれるが、その結果、粉砕室内の温度は従来の粉砕装置の場合に比べて上昇して粉砕された粉体粒子が該粉砕室の側壁に付着し易くなり、その解決策として、該粉砕室の側壁の表面を離型剤処理することによって、0.15〜0.25程度であった動摩擦係数を0.05〜0.13程度に変化させておくと、分級された粉砕粒子の側壁上への付着を防止し粉体原料を効率的に粉砕分級するのに有効である。
該元圧力が0.2MPa未満の場合は、圧縮空気の圧力が低すぎて、粉体原料を伴って粉砕できない虞があり、一方、1.0MPaを超える場合は、粉体原料が所望の粒子径よりも小さくなる割合が多くなるという過粉砕状態になることや、粉砕ノズル内部の流れに衝撃波が発生し、速度ロスを生じる場合があり、好ましくない。
粉砕ノズルの数に制限はないが、2〜8個の粉砕ノズルを用いることが好ましく、2〜6個の粉砕ノズルを用いることがより好ましく、3〜4個の粉砕ノズルを用いることがさらに好ましい。
一つの粉砕ノズルを設けるだけでは、当然のことながら、圧縮空気どうしを粉体原料を伴って一次衝突させることができない。一方、粉砕ノズルの数が多すぎると、装置の製作が煩雑となり、破砕効率がかえって低下する虞がある。
この分級ロータの数としては、少量の粉体を生産する場合には1個で十分機能するが、多量の粉体を生産する目的の場合には、粉砕能力を高める必要から、2〜5個が好ましく、特に、3又は4個を用いることが好ましい。
本発明のような加温された圧縮空気を用いて粉砕する方式の場合においては、このように単数あるいは複数の分級ロータを設けて、生産量や目的粒度に応じて品質生産性をより一層高め、長期にわたり粉体原料を効率的に粉砕分級することができる。
一つの分級ロータを設けるだけでは粉砕処理能力が低くなるので、望ましくない。すなわち、圧縮空気の供給量が15m3/hr未満の条件で粉砕・分級する場合には、径の小さい分級ロータを用いても、粉砕・分級精度を維持することが可能であるが、圧縮空気の供給量が15m3/hrより多くなると、必然的に分級ロータの径も大きなものを用いるざるを得ないことになって粉砕・分級精度を維持することが難しくなるため、分級ロータとして特に小径ロータを複数設けることが好ましい。
分級ロータの回転周速度が20m/s未満の場合には分級効率が低下する虞があり、一方、70m/sを越える場合は、分級ロータによる遠心力が大きくなりすぎ、吸引ファン等の吸引器により排出されるべき粉体原料が再び粉砕室に戻り、粉砕作用を受けることとなり、粉体原料が所望の粒子径よりも小さくる割合が多くなるという過粉砕状態になる虞がある。
本発明の流動層式粉砕装置において、粉体原料の処理量、平均粒径等の条件変更に対して容易に対応できて、切り替え時間の短縮化を可能とするために、粉砕室高さを目的粒度にあわせて規定するまたは規定を調節可能とすることが効果的であり、特に、対向設置される2つの粉砕ノズル間の距離Lに対する粉砕室の高さHの関係が、加温粉砕による粉砕された粉砕原料の冷却と粉砕原料特性および粉砕目標粒径を考慮し、2L≦H≦5Lであることが望ましい。
粉砕室高さHが2L未満の場合、粉砕された粉体原料中の粗大粒子が分級ロータ中に飛込みことが多くなる傾向があって、分級精度の低下が発生しやすくなり、また粉砕された粉体材料が分級ロータ表面に付着する傾向になって、収率の低下や分級精度の低下が発生する。
また、粉砕室高さHが5Lより大きい場合には、分級ロータまでの到達距離が長いために、結果的に分級ロータ内の粉体濃度が上昇する傾向になって、分級精度の低下が発生する。
該スペーサーによって、粉砕の対象となる粉体原料の冷却および粉体原料の特性と粉砕目標粒径に応じて任意に粉砕高さの調節が可能となり、分級ロータによる粗大粒子の過剰吸引を防止することが可能になり、分級ロータによる分級精度を向上させることができる。
また、ノズル間の距離Lについては、従来からあるジェットミル(サークルダイヤ)によるノズルスペーサーを用いて調整することができる。
なお、粒径測定は、全てコールターカウンター社のマルチサイザーを用いた。
流動層式粉砕装置として、ホソカワミクロン(株)製のカウンタージェットミル200AFGに、図2に示されるように圧縮空気加熱装置(7)を設けたものを用いた。
先ず、ポリエステル樹脂75重量%とスチレンアクリル共重合樹脂10重量%とカーボンブラック15重量%の混合物をロールミルにて溶融混練し、冷却固化した後ハンマーミルで粗粉砕して、電子写真用トナー作製に用いられる粉体原料(トナー原料という)を作製した。
次に、上記の流動層式粉砕装置の粉砕室(1)内に供給管(2)を通して前記トナー原料5kgを供給した後、粉砕用圧縮空気の圧力0.6Mpa、粉砕ノズル(3)の圧縮空気出口温度40℃、分級ロータ(4)の周速45m/sの条件で粉砕・分級作業を行なった。
こうして、重量平均粒径が6.5μm、4μm以下の微粉含有率が個数平均で45POP.%、16μm以上の粗粉含有率が重量平均で1.0Vol.%のトナー粉体が、13kg/hr得ることができた。
流動層式粉砕装置として、ホソカワミクロン(株)製のカウンタージェットミル200AFGを図3に示されるように改造したものを用いて、実施例1に記載のトナー原料5kgを、粉砕室(1)内に供給管(2)を通して供給した後、粉砕用圧縮空気の圧力0.6Mpa、粉砕ノズル(3)の圧縮空気の出口温度40℃、分級ロータ(4)の周速45m/sの条件で、かつ粉砕室側壁を20℃に調節して、粉砕・分級作業を行なった。
こうして、重量平均粒径が6.5μm、4μm以下の微粉含有率が個数平均で44POP.%、16μm以上の粗粉含有率が重量平均で0.8Vol.%のトナー粉体を、14kg/hr得ることができた。
流動層式粉砕装置として、ホソカワミクロン(株)製のカウンタージェットミル200AFGを図3に示されるように改造したものを用いて、実施例1に記載のトナー原料5kgを、粉砕室(1)内に供給管(2)を通して供給した後、粉砕用圧縮空気の圧力0.6Mpa、粉砕ノズル(3)の圧縮空気の出口温度40℃、分級ロータ(4)の周速45m/sの条件で、かつ粉砕室側壁を20℃に及び粉砕室底部を10℃にそれぞれ調節して、粉砕・分級作業を行なった。
こうして、重量平均粒径が6.4μm、4μm以下の微粉含有率が個数平均で42POP.%、16μm以上の粗粉含有率が重量平均で0.2Vol.%のトナー粉体を、14kg/hr得ることができた。
無電解ニッケルテフロン(登録商標)複合メッキ処理を施された羽根を複数設けられた分級ロータ(4)を具備する、ホソカワミクロン(株)製のカウンタージェットミル200AFGを図3に示されるように改造した流動層式粉砕装置を用いて、粉砕・分級作業を行なった。
実施例1に記載のトナー原料5kgを、粉砕室(1)内に供給管(2)を通して供給した後、粉砕用圧縮空気の圧力0.6Mpa、粉砕ノズル(3)の圧縮空気の出口温度40℃、分級ロータ(4)の周速45m/sの条件で、かつ粉砕室側壁を20℃に及び粉砕室底部を10℃にそれぞれ調節して、粉砕・分級作業を行なった。
こうして、重量平均粒径が6.5μm、4μm以下の微粉含有率が個数平均で44POP.%、16μm以上の粗粉含有率が重量平均で0.8Vol.%のトナー粉体を、14kg/hr得ることができた。
上記の粉砕・分級作業を連続100時間行なっても処理能力に変化はなく、安定した粒径のトナー粉体を得ることができた。
なお、無電解ニッケルテフロン(登録商標)複合メッキ処理には、日本カニゼン(株)製の静摩擦係数0.11、動摩擦係数0.09、硬度Hv500のものを用いた。下記実施例5及び6の場合も同様である。
無電解ニッケルテフロン(登録商標)複合メッキ処理を施された羽根を複数設けられた分級ロータ(4)を具備し、かつ粉砕室の側壁も同様にメッキ処理が施された、ホソカワミクロン(株)製のカウンタージェットミル200AFGを図3に示されるように改造した流動層式粉砕装置を用いて、粉砕・分級作業を行なった。
実施例1に記載のトナー原料5kgを粉砕室(1)内に供給管(2)を通して供給した後、粉砕用圧縮空気の圧力0.6Mpa、粉砕ノズル(3)の圧縮空気の出口温度40℃、分級ロータ(4)の周速45m/sの条件で、かつ粉砕室側壁を20℃に及び粉砕室底部を10℃にそれぞれ調節して、粉砕・分級作業を行なった。
こうして、重量平均粒径が6.5μm、4μm以下の微粉含有率が個数平均で43POP.%、16μm以上の粗粉含有率が重量平均で0.3Vol.%のトナー粉体を、15kg/hr得ることができた。
上記の粉砕・分級作業を連続100時間行なっても処理能力に変化はなく、安定した粒径のトナー粉体を得ることができた。
無電解ニッケルテフロン(登録商標)複合メッキ処理を施された羽根を複数設けられた分級ロータ(4)を具備し、かつ粉砕室の側壁も同様にメッキ処理が施されたホソカワミクロン(株)製のカウンタージェットミル200AFGを図3に示されるように改造した流動層式粉砕装置を用いて、さらに、粉砕・分級作業を行なった。
実施例1に記載のトナー原料5kgを、流動層式粉砕装置の粉砕室(1)内に供給管(2)を通して供給した後、粉砕用圧縮空気の圧力0.6Mpa、粉砕ノズル(3)の圧縮空気の出口温度40℃、分級ロータ(4)の周速45m/sの条件で、かつ粉砕室側壁を20℃に及び粉砕室底部を10℃にそれぞれ調節し、さらに、粉砕高さHを粉砕ノズル間距離Lに対して4Lに設定して、粉砕・分級作業を行なった。
こうして、重量平均粒径が6.5μm、4μm以下の微粉含有率が個数平均で43POP.%、16μm以上の粗粉含有率が重量平均で0.0Vol.%のトナー粉体を、15.5kg/hr得ることができた。
上記の粉砕・分級作業を連続100時間行なっても処理能力に変化はなく、安定した粒径のトナー粉体を得ることができた。
実施例1に記載のトナー原料5kgを、ホソカワミクロン(株)製の流動層式粉砕装置(カウンタージェットミル200AFG)の粉砕室(1)内に供給管(2)を通して供給した後、粉砕用圧縮空気の圧力0.6Mpa、分級ロータ(4)の周速45m/sの条件で、粉砕・分級作業を行なった。
こうして、重量平均粒径が6.5μm、4μm以下微粉含有率が個数平均で48POP.%、16μm以下粗粉含有率が重量平均で1.0Vol.%のトナー粉体が、13kg/hr得られた。
2 供給管
3 粉砕ノズル
4 分級ロータ
5 排気管
6 圧縮空気
7 圧縮空気加熱装置
8 側壁
9 粉砕室底部
10 粉砕室側面の冷却装置
11 粉砕室底部の冷却装置
12 スペーサー
Claims (18)
- 略円筒状の筐体からなり、粉砕室、圧縮空気を噴射する複数の粉砕ノズル、及び該粉砕室上部に設けられた分級ロータを少なくとも具備し、粉体材料が供給された粉砕室内で、複数の粉砕ノズルから噴射される圧縮空気によって該粉体材料を粉砕し、粉砕された該粉体材料を該粉砕室から回転する該分級ロータ内部に流入させて微粉と粗粉とに遠心分級して、微粉を得るために用いられる流動層式粉砕装置であって、噴射される前の圧縮空気を加熱するための加熱手段を具備することを特徴とする流動層式粉砕装置。
- 該加熱手段が、粉砕ノズルから噴出される圧縮空気の温度を0〜50℃の範囲で調節できる手段が設けられたものであることを特徴とする請求項1に記載の流動層式粉砕装置。
- 該粉砕室の側壁の温度を0〜40℃の範囲で調節できる手段が設けられたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の流動層式粉砕装置。
- 該粉砕室の底部の温度を−5〜30℃の範囲で調節できる手段が設けられたものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の流動層式粉砕装置。
- 該分級ロータは、表面が導電性離型剤で処理された複数の羽根を有するものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の流動層式粉砕装置。
- 該粉砕室の側壁内面が導電性離型剤で処理されたものであることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の流動層式粉砕装置。
- 該粉砕ノズルが2〜8個設けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の流動層式粉砕装置。
- 該分級ロータが1〜5個設けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の流動層式粉砕装置。
- 対応設置される2つの粉砕ノズル間の距離Lと粉砕室の高さHとが、2L≦H≦5Lの関係を満たすように設置されるたものであることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の流動層式粉砕装置。
- 該粉砕室の高さHを調整する手段としてスペーサが設けられたことを特徴とする請求項9に記載の粉砕装置。
- 請求項1乃至10の何れかに記載の流動層式粉砕装置を用いて、粉体材料が供給された粉砕室内で、複数の粉砕ノズルから噴射される圧縮空気によって該粉体材料を粉砕し、粉砕された該粉体材料を該粉砕室から回転する該分級ロータ内部に流入させて微粉と粗粉とに遠心分級して、微粉を得るための粉砕分級方法であって、加熱された圧縮空気を噴射することを特徴とする粉体材料の粉砕分級方法。
- 加熱された圧縮空気の温度が0〜50℃であることを特徴とする請求項11に記載の粉砕分級方法。
- 該粉砕室の側壁温度を0〜40℃の範囲で調節することを特徴とする請求項11または12に記載の粉砕分級方法。
- 該粉砕室の底部温度を−5〜30℃の範囲で調節することを特徴とする請求項11乃至13の何れかに記載の粉砕分級方法。
- 該粉砕ノズルから噴出する圧縮空気の圧力を0.2〜1.0MPaに調節することを特徴とする請求項11乃至14の何れかに記載の粉砕分級方法。
- 該分級ロータの周速を20〜50m/sに調節することを特徴とする請求項11乃至15の何れかに記載の粉砕分級方法。
- 該粉体材料が、電子写真用トナーを構成する少なくとも樹脂と着色剤とからなる混練物を粗粉砕して得られるトナー原料であることを特徴とする請求項11乃至16の何れかに記載の粉砕分級方法。
- 請求項17に記載の粉砕分級方法を1つの工程とすることを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
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