従来から、ホテルやビル、コンビニエンスストアや金融機関あるいはダムや道路といった公共施設には、犯罪抑止や事故防止等の目的で映像監視システムが設置されている。これら映像監視システムは、監視対象をカメラ等の撮像装置で撮影し、その映像を管理事務所や警備室等の監視センタに伝送し、監視者がそれを監視し、目的や必要に応じて、注意や警告をしたり、あるいは映像を記録し、保存するものである。
近年、こうした映像監視システムの分野において、監視カメラ映像をディジタル化し、インターネットに代表されるIPネットワークを介して映像を伝送し監視を行うネットワーク型映像監視システムの普及が進みつつある。
現在、主流となっているネットワーク型映像監視システムは、監視カメラに接続された映像伝送装置から映像受信装置にネットワークを介してライブ映像を配信するものである。配信された映像は、例えば、監視センタに常駐する監視者(または操作者とも言う。)が常時この映像を視聴し、問題発生時には状況に応じた対応をすることのできる監視システムとなっている。
一方、映像監視には、上述のようなライブ映像監視を主体とする「ライブ型監視」の他に監視映像を記録・保存し、問題発生時に時間を遡って記録映像を見るといった監視形態もあり、金融機関や商店を中心にこうした「記録型監視」の顧客ニーズが存在する。従って、監視システムには、こうした「記録型監視」のニーズに対応可能な映像蓄積配信サーバが存在する。
この映像蓄積配信サーバを含む従来のネットワーク型映像監視システムの構成の一例を図2に示す。図2において、101は、情報を伝送するネットワーク媒体(以下ネットワークと略称する。)、102は、カメラ等の映像生成装置、103は、映像伝送装置、104は、ブラウザPC(Personal Computer)であり、モニタ等の映像表示装置105を含む映像受信装置である。106は、映像蓄積配信サーバ、107は、記録媒体、108は、長期保存記録装置、109は、リムーバブルメディア、110は映像表示装置である。
而して、ネットワーク101は、例えば、ネットワークケーブル、無線LAN(Local Area Network)あるいは公衆回線等であり、映像生成装置102から発信されたデータを伝送する役割を持つ。また、ネットワーク101にはルータやハブ等のネットワーク機器(図示せず。)も含む。映像伝送装置103、映像受信装置104、蓄積配信サーバ106は、ネットワーク101に接続され、互いが通信できるように構成されている。映像生成装置102は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)のような撮像素子を持った映像生成装置であり、撮像された画像を映像信号に変換する役割を持つ。
映像伝送装置103は、例えば、映像生成装置102からの映像信号を受け取るインターフェイス、映像信号を適宜圧縮し、符号化する画像コーデック、ネットワークインターフェイス等を内蔵したエンコーダ装置であり、映像生成装置102からの入力映像をネットワーク伝送に適した形に変換し、ネットワーク101に発信する役割を持つ。例えば、映像生成装置102からの入力映像がアナログ映像であった場合にはデジタル変換し、ネットワーク101の伝送帯域に適応した圧縮処理を施し、ネットワーク101に映像データを送信する。映像生成装置102と映像伝送装置103は、一体の装置として構成されても良い。
映像受信装置104は、例えば、ネットワークインターフェイス、画像コーデック、映像表示装置105に映像を出力するインターフェイスを内蔵したデコーダ装置であり、ネットワーク101を伝送されてきた映像データを受信し、映像表示装置105が表示可能な形に変換し出力する役割を持つ。例えば、映像表示装置105がテレビモニタであった場合には、アナログ変換を行う。また、受信した映像が圧縮映像であった場合には、画像コーデックを使って伸張処理を施したりもする。また、映像受信装置104は、ネットワーク101に接続されている機器を管理するブラウザPCの機能も有している。
映像表示装置105は、例えば、テレビモニタ、コンピュータのCRT、液晶モニタといった投影素子を持った映像表示装置で、映像信号を光に変えて映像を表示する役割を持つ。映像受信装置104と映像表示装置105は、1つの装置として結合された形態でもよい。例えば、テレビモニタに内蔵された形態、CRTを接続したコンピュータの形態、あるいは、表示装置を備えた携帯電話等の携帯端末の形態などが挙げられる。また、映像受信装置104は、蓄積配信サーバ106に対し、再生や早送り等の再生指示を行う操作インターフェイスも内蔵する。このインターフェイスは、例えば、コンピュータ画面のGUI、あるいは、映像受信装置104に接続された制御用端末でも良い。
蓄積配信サーバ106は、例えば、ネットワークインターフェイスや記録媒体107へのインターフェイスを内蔵したPCであり、映像伝送装置103からネットワーク101を伝送されてきた映像を受信し、接続された記録媒体107に映像を記録する役割と、映像受信装置104からの映像配信要求に応じ、記録媒体107より要求の映像を取出し、ネットワーク101を介して映像受信装置104に映像データを配信する役割を持つ。
記録媒体107は、例えば、ハードディスクやディスクアレイといった映像を記録する媒体であり、映像蓄積配信サーバ106と、例えば、SCSI(Small Computer System Interface)、ATA(AT Attachment)、Fiber Channelといった専用のインターフェイス、または、SAN(Storage Area Network)やNAS(Network Attached Storage)といったIPネットワークを用いたインターフェイス等によって結ばれている。
長期保存記録装置108は、例えば、ネットワークインターフェイス、画像コーデック、映像表示装置110に映像を出力するインターフェイス、リムーバブルメディア109への記録インターフェイスを内蔵した装置であり、蓄積配信サーバ106からネットワーク101を伝送されてきた映像データを受信し、必要に応じて、リムーバブルメディア109に保存を行い、また、必要に応じて映像表示装置110に表示可能な形態に変換し出力する役割を持つ。長期保存記録装置108と映像表示装置110は、1つの装置として結合された形態でもよい。例えば、テレビモニタに内蔵された形態、CRTを接続したコンピュータの形態等が挙げられる。
また、長期保存記録装置108は、映像蓄積配信サーバ106に対する再生や早送り等の再生指示を行う操作インターフェイスやリムーバブルメディア109に映像保存指示を行う操作インターフェイスも内蔵する。このインターフェイスは、例えば、コンピュータ画面のGUI、あるいは、長期保存記録装置108に接続された制御端末でも良い。
リムーバブルメディア109は、例えば、DVD−RAMやMO、CD−RWといった光メディアとドライブの組合せ、あるいは、着脱可能なケースに装着されたハードディスク、USBやIEEE1394といった着脱可能なインターフェイスを内蔵したハードディスクであり、映像を保存する役割を持つ媒体である。リムーバブルメディア109は、長期保存記録装置108と、例えば、SCSIやATA、Fiber Channelといった専用のインターフェイス、または、SANやNASといったIPネットワークを用いたインターフェイス、さらには、USBやIEEE1394といった通信中でも着脱可能なインターフェイス等によって結ばれている。映像表示装置110は、映像表示装置105と類似の装置である。
なお、図2においては、映像生成装置102〜映像表示装置110は、各1個ずつしか記載していないが、複数個接続されることも可能である。映像蓄積配信サーバ106は、複数の映像伝送装置103から伝送されたそれぞれ異なった複数の映像を同時に受信し、記録を行いながら、更に並行して、複数の映像受信装置104へのそれぞれ異なった複数の任意の映像を同時に配信することが可能となっている。1つの映像伝送装置103から発信される一連の映像を扱う単位を「チャンネル」と称することにする。
映像蓄積配信サーバ106に接続されている記録媒体107の物理的な容量には限りがある。通常であれば、記録を続けると記録映像のサイズや記録頻度によって日数差こそあれ、いずれは記録媒体107は一杯となる。そして、そのたびに、記録媒体107を交換するか、あるいは、記憶媒体107を一旦消去し、再利用するかのどちらかのために記録を停止しなくてはならなくなる。
監視システムが常時(24時間、365日)稼動する必要があり、監視映像を全て記録する必要がある場合には、上記のような停止は、致命的な問題となる。映像蓄積配信サーバ106は、この問題に対し、無停止運転を実現するために、記録媒体107上に仮想的な記録媒体をソフトウェアにて構築し、記録媒体が一杯になった場合には、自動的に古い映像に上書きする形で映像を書き続ける、いわゆる「循環記録方式」を採用して、記録媒体107の物理的な容量に関係なく、無停止運転をするような構成が実現されている。
また、映像生成装置102からのライブ映像は、時々刻々変化する映像であるため、映像蓄積配信サーバ106は、記録漏れのないように高性能・高信頼性であるように設計されている。そのため、記録媒体107も、高性能・高信頼性であるようにアレイ構成になっている場合がほとんどである。更に、記録映像を長期に渡って保存しておきたいというニーズのために、既に出願されている特願2002-318509では、蓄積配信サーバと長期保存用の記録媒体に記録する装置(以下、長期保存記録装置)とを別個に設け、それぞれをネットワークにて接続し、蓄積配信サーバに記録された映像のうち、長期保存したい映像を長期保存記録装置で再記録という形で保存する2段階構成のシステムが提案されている。
この2段階構成のシステムにおいては、映像蓄積配信サーバは、ライブ映像に対して記録漏れを許さない無停止運転を最重点とする1次記録装置として位置付け、即ち、従来の「循環記録方式」による記録とし、長期保存記録装置は、記録媒体の保存の容易性を最重点とした2次記録装置の位置付けとしたシステムである。
更に、長期保存記録装置は、2段階構成のシステムである特徴を活かして、映像蓄積配信サーバ上の任意の映像を選択的に保存できる方式を提供している。また、長期保存記録装置は、記録媒体の保存の容易性の実現のため、長期保存記録装置の記録媒体が着脱可能な媒体(以下、リムーバブルメディアと称する。)を使用する方式を提供している。
また、リムーバブルメディアへ記録を行う以上、常に専用の再生装置が記録媒体のそばにあるとは限らないため、記録された映像データが必ずしも再生できるとは限らない。従って、再生ソフトを再生対象である映像データと組み合わせてリムーバブルメディア上に一緒に格納することで、リムーバブルメディアに格納された映像(以下、長期保存映像と称する。)の再生は、専用の再生装置ではなくても、そのリムーバブルメディアを再生できる類似の装置であれば再生できる方式を提供している。更に、再生ソフトを再生対象である映像と組み合わせて、リムーバブルメディア上に格納することで、再生ソフトのバージョンアップ等に影響されずに、長期に渡って長期保存映像を再生可能であるような方式を提供している。
また、画像監視システムおよび画像配信方法(例えば、特許文献1参照)が提案されているが、この技術は、監視に要するユーザーの負担を軽減し、監視場所と画像端末器の使用とを自在とする画像監視システムである。
本発明の一実施例について、以下に説明する。図1は、本発明の映像保存を行うシステム構成の一実施例を示すブロック図である。図1において、図2と同じものには、同じ符号が付されている。111は、イベント管理装置、112は、画像認識装置、113は、外部センサである。映像生成装置102〜映像蓄積配信サーバ106、長期保存記録装置108、イベント管理装置111、画像認識装置112および外部センサ113は、ネットワーク101に接続され、相互に通信できるようになっている。
イベント管理装置111は、ネットワーク101を通して画像認識装置112、外部センサ113あるいは映像受信装置104から伝送されてきた事象(以下イベントと称する。)情報を管理し、必要に応じて、ネットワーク101を通して長期保存記録装置108にイベント情報を渡す役割を有している。画像認識装置112は、映像伝送装置103あるいは映像蓄積配信サーバ106からの映像に対して画像認識処理を行い、結果をイベント情報としてイベント管理装置111に送る役割を有している。なお、画像認識装置112で行われる画像認識処理は、例えば、侵入者検知処理、人物検索処理(著名人、犯罪者など)等の画像認識処理を行う。画像認識処理としては、例えば、映像データの1フレーム前と後の輝度信号を比較して輝度信号の変化から検出する方法や周波数スペクトラムから認識する方法等が使用可能である。外部センサ113は、例えば、赤外線センサや音センサ(音声を含む。)であり、センサの検知情報をイベント管理装置111に送る役割を有する。
図3は、長期保存記録装置108の内部機器構成を示すブロック図である。図3において、301は、CPU、302は、メモリ等の記憶装置、303は、ネットワークインターフェイス、304は、映像出力インターフェイス、305は、画像コーデック、306は、記録インターフェイス、307は、バスである。CPU301〜記録インターフェイス306は、バス307に接続され、メモリ302〜記録インターフェイス306は、CPU301からの信号により制御されている。
図4は、イベント管理装置111の内部機器構成を示すブロック図である。図4において、401は、CPU、402は、メモリ等の記録装置、403は、ネットワークインターフェイス、404は、バスである。CPU401〜ネットワークインターフェイス403は、バス404に接続され、メモリ402〜ネットワークインターフェイス403は、CPU401からの信号により制御されている。
次に、本発明の映像保存の方法について、図1、図3ならびに図5を用いて説明する。本発明の映像保存を行う際の前提条件として、まず、図1に示される映像蓄積配信サーバ106は、映像伝送装置103から伝送された映像を随時受信し、記録媒体107に記録を行っているものとする。また、必要に応じて、監視者は、映像受信装置104の操作器(図示せず。)を操作して、映像蓄積配信サーバ106より任意の時刻の映像を取出し、映像表示装置105上に表示させて、監視を行っているものとする。
而して、図1において映像伝送装置103からは、映像生成装置102で撮像された映像が適宜符号化され、映像データとして映像蓄積配信サーバ106に送られ、記録媒体107に記録される。また、映像受信装置104では、記録媒体107に記録された映像データが映像蓄積配信サーバ106から読み出され、表示装置105に表示され、これにより映像生成装置102で撮像された監視対象物が監視される。ここで、まず長期保存記録装置108において初期設定インターフェイスに対し、あらかじめイベント発生時の初期設定を行っておく。なお、このイベント発生時の初期設定については、後述する。
一方、記録媒体107に記録された映像データは、映像蓄積配信サーバ106から画像認識装置112に送られ、ここで前述した方法で例えば、侵入者検知処理、人物検索処理(著名人、犯罪者など)等の画像認識処理を行ない、その処理結果がイベント管理装置111に記録される。また、外部センサ113からは、外部センサ113で検知された異常情報、例えば、侵入物体等の情報もイベント管理装置111にセンサ情報として送られる。
そして、イベント管理装置111には、上述したイベント発生時の初期設定に従い映像保存の所定の設定条件(詳細は後述する。)が設定されており、上述した画像認識処理結果あるいはセンサ情報に応答し、イベント管理装置111は、映像蓄積配信サーバ106を制御し、長期保存記録装置108の長期保存実行ソフトを駆動し、保存すべき映像データを映像蓄積配信サーバ106から読出し、長期保存記録装置108に映像データを伝送し、長期保存記録装置108のリムーバブルメディア109に必要な期間の映像データが保存される。なお、上記説明では、イベント管理装置111に所定の設定条件が設定されている場合について説明したが、映像受信装置104あるいは長期保存記録装置108に設定することもできることは言うまでもない。従って、このようにすれば、必要な期間の重要な映像データが長期保存記録装置108のリムーバブルメディア109に自動的に記録されるので、映像蓄積配信サーバ106に記録された映像データが記録容量の関係から消されても重要な映像データは、保存される。
次に、上述した映像保存の所定の設定条件を例えば、長期保存記録装置108上のメモリ302に設定する場合について説明する。なお、イベント管理装置111や映像受信装置104に設定する場合も同様であるので、説明は省略する。まず、長期保存記録装置108の操作部(図示せず。)を操作して予め格納された映像保存初期設定ソフトを起動するか、あるいは、その映像保存ソフトに対応付けられたファイルを開くことにより所定の設定条件を示す初期画面を表示装置110に表示する。図5は、長期保存記録装置108の映像表示装置110上に表示された本発明の一実施例の映像長期保存の初期設定画面を示す図である。図5において、501は、チャンネル番号選択ボタンであり、例えば、複数の映像生成装置102のカメラNo.が対応する。502は、フレームレートを選択するボタンであり、例えば、リムーバブルメディア109に保存する記録時間間隔を指定する選択ボタンである。選択項目としては、例えば、30枚/秒(frame per second)や10枚/秒といった記録枚数の他に「自動」の項目が設定できるようになっている。「自動」項目は、映像蓄積配信サーバ106に記録された映像の記録時間間隔に自動追従して記録できるように構成されている。
503は、プリアラーム時間選択ボタンである。プリアラーム時間選択ボタン503は、長期映像保存の保存区間の先頭、すなわちリムーバブルメディア109に画像データを記録するイン点を自動的に設定する時、イベント発生時刻(異常発生時刻等)よりも一定時間前をイン点とするために、所定の一定時間を指定する選択ボタンである。これはイベント発生時点で画像を記録したのでは、その前の状態を見ることができず、発生した事象について理解が得られない場合が多い。従って、映像蓄積配信サーバ106に記録されている映像データからイベント発生時刻の前、例えば、5分あるいは10分前をイン点として設定しておけば、イベント発生時刻の前の設定された期間の映像も同時に記録できる特徴がある。なお、この所定の一定時間は、カメラの設置場所やイベントの種類により適宜設定できることは言うまでもない。
504は、ポストアラーム時間選択ボタンである。ポストアラーム時間選択ボタン504は、長期映像保存の保存区間の終り、すなわちアウト点を自動的に設定する時、イベント終了時刻よりも一定時間後をアウト点とするために、所定の一定時間を指定する選択ボタンである。これは、イン点と同様にイベント終了時刻で記録を終了したのでは、その後の状態が不明な場合が発生するので、これを回避する目的がある。
505は、イベント種類選択ボタンである。イベント種類選択ボタン505は、後述するイベントのうち、どのイベントが発生したときに長期保存を行うかの選択ボタンである。なお、イベント選択ボタン505は、本実施例では、1つ示されているが、必要に応じて複数個も受けることもできる。506は、保存先表示欄であり、507は、保存先参照ボタンである。保存先表示欄506は、保存先参照ボタン507によって指定された、映像蓄積配信サーバ106から取出された映像の保存先、例えば、リムーバブルメディア109内のフォルダ名が表示される欄である。保存先参照ボタン507は、上述のリムーバブルメディア内のフォルダ名の指定を与えるボタンであり、このボタンを押下すると、フォルダの一覧が表示され、その中から選択することにより指示を与えることができる。508は、上述したそれぞれの設定を確定するためのボタンである。
而して、これらのボタン群501〜505が選択操作された場合、CPU301は、選択された内容をメモリ302に書き込む。メモリ302に書き込まれた選択内容は、映像出力インターフェイス304を介して映像表示装置110に出力され、表示される。設定ボタン508が押下された場合、CPUは、チャンネル番号選択ボタン501で選択されている内容、フレームレート選択ボタン502で選択されている内容、プリアラーム時間選択ボタン503で選択されている内容、ポストアラーム時間選択ボタン504で選択されている内容、イベント種類選択ボタン505で選択されている内容、保存先表示欄506で表示されている内容をメモリ302から取出し、それらを初期設定情報として、メモリ302に別途書き込まれる。
図6は、イベント管理装置111が管理しているイベント情報の一実施例を説明するための図である。なお、本実施例では、長期保存記録装置108のメモリ302に設定されている長期保存のための初期設定(図5に示す。)に基づいてイベント管理装置111に図6に示すテーブルが生成される場合について説明するが、これに限定されるものではなく、映像受信装置104あるいは長期保存記録装置108に設けることもできる。図6において、601は、イベントの種類、即ち、画像認識装置112で侵入物体が検知された場合、あるいは、音センサ113で検知された場合あるいは、例えば、映像生成装置No.1を外部から操作したことにより検知された場合等を表示している。602は、イベント検知日時、603は、イベント終了日時を表しており、604は、どの映像生成装置102でイベントが検知されたかを示すチャンネル番号(カメラ番号)を示している。例えば、図6のカメラ番号8では、画像認識により侵入物体が検出され、検出日時は、2002年7月12日、9時59分54秒00であり、終了日時は、2002年7月12日、10時00分3秒29であることを示している。
このように画像認識装置112によって画像認識により侵入物体が検出され、これがイベントとして設定してあると、イベント管理装置111のメモリ402のイベントの種類601に、例えば「侵入物体検知」が登録され、対応するイベント検知日時602に検知された日時が登録される。検知されなくなるとイベント終了日時603に日時が登録される。また、検知されたチャンネル番号(カメラ番号)がチャンネル番号604に登録される。このような登録が、イベント情報を受け取る度に繰り返し行われる。なお、本説明では、イベント管理装置111と画像認識装置112は、別個にあるかのように説明しているが、コンピュータシステム等では、その構成の仕方により一体に構成したり、また、個別に設ける場合等種々の形態が実現可能である。
具体的に説明すると、例えば外部センサ113が音センサであり、一定レベルの音が検知された状態をイベントとする場合、イベント管理装置111のメモリ402のイベントの種類601に例えば「音センサ検知」が登録され、対応するイベント検知日時602に検知された日時、2002年7月26日、13時00分00秒00であり、検知されなくなるとイベント終了日時603に2002年7月26日、13時00分33秒09が登録される。また、チャンネル番号604には、音センサに対応するカメラ番号5がチャンネル番号として登録される。
また、監視者が映像生成装置No.1に対して、パン、チルト、ズームなどをさせる操作を行った状態をイベントとする場合、イベント管理装置111のメモリ402のイベントの種類601に例えば「映像生成装置No.1操作」が登録され、対応するイベント検知日時602に操作された日時が登録される。一定時間操作されなくなるとイベント終了日時603に日時が登録される。また、チャンネル番号604には、操作された映像生成装置に対応するチャンネル番号1が登録される。
図19は、本発明のイベント管理方法の他の一実施例を説明するための図である。このイベント管理方法は、全ての映像生成装置についてのイベント管理をテーブル化し、メモリ402に記録されている状態を示している。このようにするとどの映像生成装置でイベントが検出され、どの映像生成装置でイベントが検出されないかを知ることができ、システム全体の監視状況が把握できる特徴がある。図19は、その一部分を示すもので、
本システムに接続されている全ての映像生成装置の設定条件、記録状況をスクロールすることで閲覧できるように構成されている。1901は、映像生成装置No.を示し、1902は、イベント検知日時を記録している。1903は、イベントを記録した検知手段を示し、記録された画像がどんな検知手段で検出されたかを記録する。1904は、代表画像のNo.を記録している。これは記録されている動画像がどのような画像かを容易に見ることができるようにイベントの動画像の最初の画面あるいは適宜選定された画像の番号(例えば、映像蓄積配信サーバ106の記録媒体107の番地)を記録しており、監視者がこの番号を指定することで表示装置110に表示することができる。1905は、前述したようにイベントの検出される前の所定期間、例えば、5分あるいは2分の映像をイベントの映像と共に記録することを示している。また、1906は、同様にイベントの終了日時後の所定期間、例えば、10分あるいは2分の映像をイベントの映像と共に記録することを示している。なお、図19では、イベント終了日時が示されていないが省略したもので、必要により表示することもできる。同様に他のイベントの管理情報も必要により追加して表示できることは言うまでもない。
次に、図5で示す初期設定された条件で記録されたイベント情報(図6および図19に示す。)を長期保存記録装置108のリムーバブルメディア109に記録する処理について説明する。長期保存記録装置108上のメモリ302に予め格納された映像保存実行ソフトを起動する、あるいは、その映像保存実行ソフトに対応付けられたファイルを開くことにより映像保存実行ソフトが実行される。更に、映像保存実行ソフトを定期的に動作させるソフトウェアを用いて、定期的な保存を行うことで定期的な映像の確認と長期保存が必要な画像データに対して自動的に長期保存を行うことができる。また、新たなイベントが確認されるたびに動作させるようにすることもできる。
さて、上述したように例えば、定期的な保存を行うために映像保存実行ソフトを起動すると映像保存実行ソフトは、図6あるいは図19で示されるテーブルを参照し、例えば、イベント検知日時とイベント終了日時に更にイン点、アウト点の期間を加えた画像データが映像蓄積配信サーバ106の記録媒体107から読み出され、長期保存記録装置108のリムーバブルメディア109に記録される。
以下これについて詳細に説明する。映像保存実行ソフトは、イベント管理装置111のメモリ402からネットワーク101を介してイベント情報を取出す。長期保存記録装置の初期設定画面のイベント選択ボタン505で選択し、メモリ302内に書き込まれている初期設定情報のイベントの種類と、イベント管理装置のメモリ402から取出したイベントの種類601が合致するものを検索する。更に、長期保存記録装置の初期設定画面のチャンネル選択ボタン501を選択し、メモリ302内に書き込まれている初期設定情報のチャンネル番号と、イベント管理装置のメモリ402から取出したチャンネル番号604が合致するものを検索する。
その結果、イベントの種類とチャンネル番号の両方が合致するものを検索し、合致した場合は、そのイベント開始日時602とイベント終了日時603の期間およびイン点とアウト点の期間を加えた期間が設定され、指定が終わると指定された全ての保存区間に該当する映像が自動的に映像蓄積配信サーバ106から取出されリムーバブルメディア109に保存される。
保存の方法は、本出願人が先に出願している特願2002−318509と同様の方法であり、取出した保存区間情報の中から、イン点/アウト点の時刻情報、チャンネル番号、記録時間間隔を用いて映像蓄積配信サーバ106に対する映像要求をネットワークインターフェイス303、ネットワーク101を介して、映像蓄積配信サーバ106に送信する。映像蓄積配信サーバ106は、映像要求を受信し、その要求に適合した映像データをネットワーク101を介して長期保存記録装置108に送信する。長期保存記録装置108は、その映像データをネットワークインターフェイス303を介して受信し、メモリ302上に記憶する。メモリ302に記憶された映像は、記録インターフェイス306を介してリムーバブルメディア109に保存される。この一連の処理シーケンスは、保存区間同士では保存区間番号の小さい順に、また、保存区間内部ではイン点からアウト点に向かって1フレームずつ繰り返すことで、登録された全ての保存区間の映像に対する保存が行われる。
次に、本発明を用いて長期保存記録装置108に記録された保存映像データに対する再生方法において、映像を選択し、削除する方法を説明する。削除する理由は、本発明による長期保存方法は、操作者なしに自動的に保存区間が設定されるため、省力化が図れる利点がある。しかし、一方で自動的であるために、操作者が意図しない映像を含む場合がある。そのような保存映像はメディアの容量節約のため及び保存映像の分かりやすさのために削除する必要がある。例えば、画像認識装置112による画像認識処理で「侵入物体検知」をイベントとして保存を行った場合、人間と車両の移動を検知したときのみの保存映像を作成する意図を操作者が持っていたが、実際には風によって飛んできたゴミの映像や、動物の侵入映像も保存映像データに含まれていた場合などである。
図7は、本発明の保存映像削除機能を持った保存映像再生を行うシステム構成の一実施例を示すブロック図である。図7において、701は、ネットワーク、702は、Webサーバ、703は、リムーバブルメディア、704は、ネットワーク型保存映像再生装置、705は、映像表示装置、706は、スタンドアロン型保存映像再生装置、707は映像表示装置、708はリムーバブルメディアである。ネットワーク701は、例えば、ネットワークケーブルや無線LAN、公衆回線等であり、発信されたデータを伝送する役割を持つ。また、ここにはルータやハブ等のネットワーク機器も含む。ネットワーク701は、図1に示されるネットワーク101と共有のものであってもよいし、互いに接続されていてもよいし、切り離された別個のものであってもよい。
Webサーバ702、ネットワーク型保存映像再生装置704は、ネットワーク701に接続され、互いが通信できるようになっている。Webサーバ702は、例えば、ネットワークインターフェイスや、記録媒体へのインターフェイスを内蔵したPCであり、WebサーバにWebコンテンツとして格納されたデータを、Webサーバ外部からの要求に応じてネットワーク701を介して配信する役割を持つ。リムーバブルメディア703、708は、図1のリムーバブルメディア109と同一のもので、映像保存システムによって映像が格納されるものである。Webサーバ702とリムーバブルメディア703間の接続は、図1の場合と同様である。
ネットワーク型保存映像再生装置704は、例えば、ネットワークインターフェイスと画像コーデック、映像表示装置705に映像を出力するインターフェイスを内蔵したデコーダ装置であり、ネットワーク媒体701を伝送されてきた映像を受信し、映像表示装置705が表示可能な形に変換し出力する役割を持つ。例えば、映像表示装置705がテレビモニタであった場合には、アナログ変換を行う。また、受信した映像が圧縮映像であった場合には、画像コーデックを使って伸張処理を行う機能を有する。映像表示装置705、707は、図1の映像表示装置105と同一のものである。
スタンドアロン型保存映像再生装置706は、例えば、画像コーデック、映像表示装置707に映像を出力するインターフェイス、リムーバブルメディア708への記録インターフェイスを内蔵したデコーダ装置であり、記録インターフェイスを介してリムーバブルメディア708から映像を読み出し、映像表示装置707が表示可能な形に変換し出力する役割を持つ。例えば、映像表示装置707がテレビモニタであった場合には、アナログ変換を行う。また、受信した映像が圧縮映像であった場合には、画像コーデックを使って伸張処理を施したりもする。スタンドアロン型保存映像再生装置706は、映像再生の際にネットワーク701を使わないため「スタンドアロン型」となってはいるが、ネットワークインターフェイスを内蔵し、ネットワーク701に接続して使用することもできる。
ネットワーク型保存映像再生装置704およびスタンドアロン型保存映像再生装置706は、映像表示装置705と1つの装置として結合された形態でもよい。例えば、テレビモニタに内蔵された形態、CRTを接続したコンピュータの形態、あるいは、表示装置を備えた携帯電話等の携帯端末の形態などが挙げられる。また、ネットワーク型保存映像再生装置704およびスタンドアロン型保存映像再生装置706は、再生や早送り等の再生指示を行う操作インターフェイスも内蔵する。このインターフェイスは、例えば、コンピュータ画面のGUI、あるいは、装置に接続された制御盤端末でも良い。スタンドアロン型保存映像再生装置706とリムーバブルメディア708間の接続も図1の場合と同様である。
図8は、ネットワーク型保存映像再生装置704の内部機器構成を示すブロック図である。図8において、801は、CPU、802は、メモリ、803は、ネットワークインターフェイス、804は、映像出力インターフェイス、805は、画像コーデック、806は、バスである。CPU801〜画像コーデック805は、バス806に接続され、メモリ802〜画像コーデック805は、CPU801からの信号により制御されている。
図9は、スタンドアロン型保存映像再生装置706の内部機器構成を示すブロック図である。図9において、901は、CPU、902は、メモリ、903は、映像出力インターフェイス、904は、画像コーデック、905は、記録インターフェイス、906は、バスである。CPU901〜記録インターフェイス905は、バス906に接続され、メモリ902〜記録インターフェイス905は、CPU901からの信号により制御されている。
本発明の保存映像削除の方式について、図7ならびに図10〜14の画面例を用いて説明する。図10は、ネットワーク型保存映像再生装置704の表示装置705あるいはスタンドアロン型保存映像再生装置706の表示装置707(長期保存記録装置108の表示装置110に対応する。)に表示された保存映像再生画面の一例である。画面は、例えば、3つのエリアで構成され、1001は、再生映像表示エリア、1002は、再生操作エリア、1003は、イベント毎の映像一覧表示エリアである。再生映像表示エリア1001は、リムーバブルメディア703、708に保存された映像を表示するエリアである。再生操作エリア1002は、再生指示を出すためのボタン群が配置されたエリアである。映像一覧表示エリア1003は、リムーバブルメディア上に保存されたイベント毎の映像を一覧表示したエリアである。
図12は、映像一覧表示エリア1003を拡大表示した図である。図12において、1201〜1204は、イベントの映像選択ボタン、1205〜1208は、イベント毎に記録された動画像の例えば圧縮された代表画像を表示している。この代表画像は、イベントの最初の画像でも良いし、適宜選択された画像でも良い。1209〜1212は、各種情報表示欄で、例えば、チャンネル番号、イベント検知日時、イベント終了日時、検知手段、イン点、アウト点時刻あるいは撮像場所、通行人等、図6あるいは図19に示される各種項目の他、撮影目的に合った種々の情報を記録することが可能であり、再生時の画像分析等に役立てることが可能である。
映像選択ボタン1201〜1204は、再生及び削除したい映像の選択の指示を与えるボタンである。このボタンの押下により、再生及び削除の対象となる映像が決定され、再生操作エリア1002内に配置されたボタン群を操作することにより、再生が可能となり、削除ボタン1101(図11に示す。)を押下することによって削除が可能になる。なお、本実施例では、このボタンの押下による選択は、1イベントのみの選択となっているが、再生映像表示エリアを複数設けることで、複数選択も可能である。
図11は、本発明の保存映像削除機能を持たせるために、図10に削除ボタン1101を追加したものであり、保存映像削除機能を持つ保存映像再生画面の初期画面の一実施例を示す図である。削除ボタン1101は、保存区間を長期保存映像から削除する指示を与えるボタンである。この削除の操作を図13に示す表示画面で説明する。まず、映像一覧表示エリア1003の映像一覧から削除したいイベントを選択ボタンで選択する。例えば、図13では、選択ボタン1301が選択されたとする。これを選択するとこのイベントに関する動画像が再生映像表示エリア1001に表示される。従って、操作者は、この動画像を確認し、削除する内容であれば、削除ボタン1101を押下することにより映像一覧表示エリア1003の番号2に相当する画像データがリムーバブルメディア703あるいは708から削除される。その結果、図14に示すように削除処理が行われた映像一覧表示エリア1003から番号2のイベントが削除された映像一覧表示エリア1401が表示される。
次に、映像削除操作に関して、一連の処理のシーケンスを図15および図16を用いて説明する。図15は、起動の際にWebブラウザによりURL参照、もしくはローカルファイル参照により開かれる起動ファイル内のデータ記述構造の一実施例を示したものである。図15において、1501は、起動ファイル、1502は、再生ソフトの情報記述ファイルを示す。1503〜1505は、保存区間映像情報記述であり、ここでは図10に示すイベントの番号0〜2に対応する内容である。1506〜1507は、保存実行映像情報のための記述、1508は、ストリームファイル名記述、1509は、順番記述である。上述のように再生処理は、起動ファイル1501をWebブラウザによりURL参照、もしくは、ローカルファイル参照することによって始まる。このファイルは、映像保存実行の際、映像データの保存とともにリムーバブルメディア内に同時に保存されるものである。
再生ソフト情報記述1502は、このリムーバブルメディアに保存された映像データを再生する場合に必要なソフトに関する情報を記述している。従って、リムーバブルメディアに保存された映像を再生する場合、例えば、再生ソフトがないと再生しないと言うような問題を解消でき、リムーバブルメディアだけを保存したり、別の場所で再生する場合等の要求に対して再生ソフトを内蔵しているため、専用の再生装置を必要としない特徴がある。また、この再生ソフトは、例えば、機種非依存で動作するJava(登録商標)言語で書かれたプログラムであってもよいし、あるいは、機種依存であっても、大抵のWebブラウザ環境で動作する言語で書かれた他のプラグイン形式のプログラムであってもよい。
保存区間映像情報記述1503〜1505は、このリムーバブルメディアに保存された映像を、保存区間映像単位でまとめた情報を記述する。図12は、この情報に基づいて表示されたものである。本実施例では、必要最小限の情報しか例示しないが、保存区間映像情報に関係する他の様々な情報もここに記述される。
図15における「〜ファイル」によって記載されるファイル名には、すべて「.¥」の接頭語が付いている。これは、ファイル名を全て、起動ファイルに対して相対位置にて記述している。これは、ひとつのリムーバブルメディアに保存された映像をネットワーク型でもスタンドアロン型のどちらでも再生可能にするための工夫であり、同じスタンドアロン型でも、メディアを読む装置の接続されている環境の違いに関わらず再生可能にするための工夫がなされている。
ストリームファイル名記述1508は、ストリームファイルへの参照情報を記述したものである。ストリームファイルとは、保存区間映像に含まれる全てのフレームに対してその再生順番やフレームデータの格納位置を記述したファイルであり、ファイル内のデータ記述構造の一実施例を図16に示す。図16において、1601は、ストリームファイルであり、本例では、ストリームファイル名記述1508にて記述された「.¥Stream2.xml」であるとする。1602〜1608は、フレーム情報記述である。
フレーム情報記述1602〜1608は、各フレームの情報を記しており、番号により順番を、映像ファイル名により各フレームのフレームデータの格納位置が記述されている。本実施例では、ファイル名参照記述形式となっているが、複数フレームが1つのファイルになっているような場合には、ファイル名+オフセット値といった記述形式も可能である。
起動ファイル1501、ストリームファイル1601は、本実施例では、別個のファイルとして示したが、結合された形で提供されてもよい。また、本実施例では、テキストファイル形式として示したが、バイナリファイル形式での格納も可能である。
図13において、例えば、映像選択ボタン1301が押下されると、その押下ならびに押下された対象は、CPU801(またはCPU901、以下同様とする。)にて検知される。CPU801は、押下されたのがイベント選択ボタン1301であることを検知し、メモリ802(またはメモリ902)からイベント選択ボタン1301の保存区間映像データに関する情報をリムーバブルメディア703(またはリムーバブルメディア708)から取出す。この情報は、起動ファイル1501の保存区間映像情報記述1505に記述された内容である。この起動ファイル1501の記述内容の読出しは、最初に起動ファイルがURL参照、もしくはローカルファイル参照された際にWebブラウザにより行われ、URL参照の場合には、ネットワークインターフェイス803を介してWebサーバ702に接続されたリムーバブルメディア703から行われる。ローカルファイル参照の場合には、記録インターフェイス905を介してリムーバブルメディア708から所望のファイルを取出し、内容が全てメモリ803(またはメモリ903)の予め用意した領域に分別格納される。
そしてCPU801は、取出した情報の中の番号情報を、現在選択された保存区間映像として、メモリ803に書き込む。メモリに書き込まれた選択番号情報は、選択されたことを表す黒丸表示として、映像出力インターフェイス804(または記録インターフェイス905)を介して、映像表示装置705または707に出力され、表示される。
CPU801は、取出した情報の中のストリームファイル名情報を読み、記載されたストリームファイルを取出す。取出し方は、最初に起動ファイルがURL参照であった場合には、ネットワークインターフェイス803を介して、Webサーバ702に接続されたリムーバブルメディア703から、ローカルファイル参照された場合には、記録インターフェイス905を介して、リムーバブルメディア708から、起動された再生ソフトによって実施される。CPU801は、ファイル内容の中から、フレーム番号0番を持つ記述、すなわち先頭のフレームに関する記述を読み、この記述に記載された映像ファイルを、ネットワークインターフェイス803を介してWebサーバ702に接続されたリムーバブルメディア703から、もしくは、記録インターフェイス905を介してリムーバブルメディア708から読み取り、メモリ802上に記憶する。メモリ802に記憶された映像は、画像コーデック805(または画像コーデック904)に送られ、画像コーデック805で、映像表示装置705、707にて表示可能な形に復号変換され、再度メモリ802に記憶される。メモリ802に記憶された映像は、映像出力インターフェイス804を介して映像表示装置705、707に出力され、図13に示す再生映像表示エリア1001に表示されることになる。
図17は、長期保存映像の中から選択した保存区間を削除した後の起動ファイル内のデータ記述構造の一例を示したものである。順番記述1709は、図15の順番記述1509から番号2が削除されている。また、保存区間映像情報記述1505が削除されていることを示している。
次に本発明の他の一実施例について図18を用いて説明する。なお、各部の符号は、図1の符号に対応する。図18に示す実施例は、イベント管理装置111を用いずに長期保存映像データを作成するシステムを示している。図18において、画像認識装置112は、映像蓄積配信サーバ106に記録されている映像を取得し、取得映像に対して画像認識処理を行い、認識結果をイベントとして長期保存記録装置108のメモリ302に格納する。画像認識装置112で行われる画像認識処理は、例えば、侵入者検知処理、人物検索処理など一般的な画像認識処理を用いる。映像蓄積配信サーバ106は、映像伝送装置103から伝送された映像を随時受信し、記録媒体107に記録を行っている。また、必要に応じて、監視者は、映像受信装置104の再生指示インターフェイスを操作して、映像蓄積配信サーバ106より任意の時刻の映像を取出し、映像表示装置105上に表示させて、監視を行っている、すなわち従来通りの監視を行っているものとする。
図18において、映像伝送装置103は、映像蓄積配信サーバ106に映像データを送り、映像蓄積配信サーバ106は、この映像データを記録媒体107に記録する。一方、映像伝送装置103は、ネットワーク101を介して映像受信装置104に映像データを送り、表示装置105で監視を行っている。
而して、まず長期保存記録装置108において図5で説明したように予めイベント発生時の初期設定を行っておく。長期保存記録装置108において長期保存実行ソフトが動作すると映像蓄積配信サーバ106から蓄積された映像データが画像認識装置112に送られる。画像認識装置112からは、イベントの認識結果が長期保存記録装置108のメモリ302送られ、蓄積される。結果としてメモリ302には、図6および図19で示すイベントに関する情報が記録される。
長期保存記録装置108のリムーバブルメディア109に映像を記録する処理は、長期保存記録装置108上のメモリ302に予め格納された映像保存実行ソフトを起動する、あるいは、その映像保存実行ソフトに対応付けられたファイルを開くことにより、映像保存実行ソフトが実行される。更に、映像保存実行ソフトを定期的に動作させるソフトウェアを用いて、定期的な保存を行うことで、定期的な映像の確認と長期保存が人手を要せずして行うことができる。なお、重要なイベントの長期保存、保存データの再生あるいは余分な映像データの削除方法等については、前述した実施例と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本発明の更に他の一実施例を図20を用いて説明する。図20は、複数の長期保存記録装置2001−1、2001−2、・・・2001−m(なお、長期保存記録装置を総称する場合は、長期保存記録装置2001と称する。また、長期保存記録装置2001は、リムーバブルメデイア109および表示装置110を備えている。)がネットワーク101に接続されている場合を示している。なお、各部の符号は、図1の符号に対応する。また、長期保存記録装置2001の構成は、ほぼ同じであるので、長期保存記録装置2001−1のみ具体的に記載し、他は記載を省略してある。本実施例では、複数のユーザがイベント管理装置111から長期保存したいイベントをそれぞれ独自に長期保存記録装置2001に設定できるように構成されている。従って、各ユーザは、自分の希望するイベントを前もって設定し、独自にイベントの画像を入手し、長期保存記録装置2001に保存することができる。
次に、図20の本発明の実施例について、図21を用いてその動作を説明する。図21において、2101は、長期保存記録装置2001の表示装置110に表示される映像長期保存のための初期設定画面である。この初期設定画面は、長期保存記録装置2001の操作器(図示せず。)を操作し、映像長期保存のための初期設定画面を選択することにより表示できる。この初期設定画面2101において、2102は、映像保存期間指定ボタンを示す。この映像保存期間指定ボタン2102を選択すると、保存開始日時2103および保存終了日時2104が選択され、指定した期間の、例えば、イベントがイベント管理装置111から選択され、その選択されたイベントに対応する画像が画像蓄積配信サーバ106から読み出され、長期保存記録装置2001に保存される。例えば、図21では、2002年1月1日から2002年3月31日の期間が選択され、その期間のイベントに対応する画像が画像蓄積配信サーバ106から読み出され、長期保存記録装置2001に保存されることを示している。なお、ここでは過去の期間を指定し、選択する場合について説明したが、設定期間を適宜選択すれば、将来のイベントに対応する画像を長期保存することも容易に実施できるものである。
2105は、定期的保存指定ボタンを示し、この定期的保存指定ボタン2105が選択されると、間隔指定項目2106が有効となり、例えば、1日毎、1週間毎のようにイベント管理装置111から指定された期間毎にイベントが読み出され、それに対応する画像が画像蓄積配信サーバ106から読み出され、長期保存記録装置2001に保存される。
また、2107は、チャネル番号指定ボタンで、例えば、カメラ番号に対応し、このチャネル番号指定ボタンで、例えば、カメラ番号No.1を指定すると、カメラ番号No.1で撮像されたイベントが選択され、これに対応する画像が長期保存記録装置2001に保存される。2108は、フレームレートを指定するボタンで、例えば、取り込みたい画像のフレームレート、例えば、30枚/秒あるいは10枚/秒等が選択できる。2109および2110は、プリアラームボタンおよびポストアラームボタンで、図5で説明したと同様の機能を有する。2111〜2113は、イベントの種類選択を設定するボタンで、ユーザが指定するイベントをここで選択できるようになっている。なお、図5では、1つのイベントを選択する図が示されているが、図21では、3個のイベントを選択するようになっている。しかし、図5においても、また、図21においてもユーザが希望するイベントの数だけ設定するようにすることは容易に実施可能である。2114、2115および2116は、それぞれ保存先フォルダ名、参照および設定のボタンであり、その動作は、図5に示す保存先フォルダ名506、参照507および設定508のボタンと同様の機能を有する。
以上説明したように長期保存記録装置2001−1、2001−2、・・・2001−nは、それぞれ映像長期保存のための初期設定画面2101を有しており、各ユーザは希望する設定条件を上述の初期設定画面2101で設定することにより、各ユーザが希望するイベントと、そのイベントに対応する画像を画像蓄積配信サーバ106から読み出し、それぞれの長期保存記録装置に保存することができる。
なお、映像保存期間指定ボタン2102を選択すると、既に記憶されているイベント管理装置111のメモリテーブルからチャンネル番号2107で設定したカメラ番号に対応するイベントがイベント種類選択ボタン2111〜2113に表示されるように構成することもできる。また、定期的保存指定ボタン2105で間隔指定項目2106を指定すると、「イベントの種類全部」をイベント管理装置111のメモリテーブルに問い合わせた上で、イベント種類選択ボタン2111〜2113に表示されるように構成することもできる。
また、定期的保存指定を選択すると、間隔指定項目2106で定期的に起動するように設定がなされ、例えば、図21で「1時間」を期間として設定した場合、設定後1時間経過したら最初の起動が行われ、設定直後から1時間の期間において、イベント管理装置111に記録されたイベントが検索され、イベント種類選択ボタン2111〜2113で指定したイベントに合致するイベントがイベント管理装置111から読み出され、このイベントに対応する画像が画像蓄積配信サーバ106から読み出され、長期保存記録装置2001に保存され、同様に次の1時間が経過すると再度ソフトが起動し、上述の保存処理が実行されるるように構成することもできる。勿論、取り出された画像は、リムーバブルメディア109に保存されるように構成されている。
而して、上述した各実施例において、リムーバブルメディアの記録速度の遅さのために、映像蓄積配信サーバ106に蓄積されている映像よりも情報量を少なくした映像データを長期保存する必要がある場合にも適用できる。このような場合、通常映像蓄積配信サーバ106に蓄積されている映像の情報量に対して、通常は情報量を少なく、例えば、圧縮した映像を長期保存記録装置108において長期保存するが、例えば、前記イベント開始日時よりプリアラーム時間分前の時刻からイベント終了日時よりポストアラーム時間分後の時刻までは、映像蓄積配信サーバ106に記録されている情報量と同じ情報量で長期保存するようにする。このようにすることで、重要な部分の情報量は少なくせず、重要でない部分の情報量を少なくできるので、画像データの効率的な長期保存を行うことができる。
また、例えば、映像蓄積配信サーバ106に横640画素、縦480画素の画像サイズで蓄積されている映像に対して、長期保存記録装置108において横640画素、縦480画素の画像サイズの映像のデコードを行い、横320画素、縦240画素の画像サイズにエンコードする処理を追加し、重要でない画像ダータは、長期保存記録装置108に横320画素、縦240画素の画像サイズで保存し、イベント開始日時よりプリアラーム時間分前の時刻からイベント終了日時よりポストアラーム時間分後の時刻までは、映像蓄積配信サーバに記録されている横640画素、縦480画素の画像サイズで長期保存装置108に保存するようにすると、重要な部分のみ画像サイズを縮小せずに長期保存することができる。
また、例えば、映像蓄積配信サーバ106に低い圧縮率で蓄積されている映像に対して、長期保存記録装置108において低い圧縮率の映像のデコードを行い、高い圧縮率にエンコードする処理を追加し、重要でない部分は、長期保存装置108に高い圧縮率で保存し、イベント開始日時よりプリアラーム時間分前の時刻からイベント終了日時よりポストアラーム時間分後の時刻までは、映像蓄積配信サーバに記録されている低い圧縮率で長期保存記録装置108に保存するようにすると、重要な部分のみ圧縮率を高くせずに、即ち、画質を劣化させずに長期保存することができる。なお、この情報量の変更を行う長期保存は、それぞれ単独で行ってもよいし、組み合わせて行っても良いことは言うまでもない。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は、ここに記載された映像保存システムおよび映像保存方法の実施例に限定されるものではなく、上記以外の映像保存システムおよび映像保存方法に広く適応することが出来ることは、言うまでも無い。
101:ネットワーク、102:映像生成装置、103:映像伝送装置、104:映像受信装置、105、110:映像表示装置、106:映像蓄積配信サーバ、107:記録媒体、108:長期保存記録装置、109:リムーバブルメディア、111:イベント管理装置、112:画像認識装置、113:外部センサ、301、401:CPU、302、402:メモリ、303、403:ネットワークインターフェイス、304:映像出力インターフェイス、305:画像コーデック、306:記録インターフェイス、307、404:バス、501:チャンネル番号選択ボタン、502:フレームレート選択ボタン、503:プリアラーム選択ボタン、504:ポストアラーム選択ボタン、505:イベント種類選択ボタン、506:保存先フォルダ名、507:保存先参照ボタン、508:設定ボタン、601:イベントの種類、602:イベント検知日時、603:イベント終了日時、604:チャンネル番号、1001:再生映像表示エリア、1002:再生操作エリア、1003:映像一覧表示エリア、1101:削除ボタン、1201〜1204:映像選択ボタン、1205〜1208:代表画像表示欄、1209〜1212:各種情報表示欄。