JP2005173440A - 偏光素子用接着剤並びに偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温、高湿度雰囲気下でも偏光素子−保護フィルム間の接着力に優れ、偏光板の耐久性を向上させる接着剤を提供すること。
【解決手段】
ポリビニルアルコール樹脂100に対して変性ポリビニルアルコール樹脂1〜1000(重量比)を混合して得られた混合物と該混合物100に対してグリオキザールを0.1〜50(重量比)の割合で含有する水性の偏光素子用接着剤

Description

本発明は偏光板および接着剤に関する。更に詳しくは、本発明は偏光素子と保護フィルムとの接着性に優れ、高温、高湿度雰囲気下での耐久性の向上した偏光板が得られる接着剤およびこれを用いて得られた偏光板に関するものである。
現在、一般に偏光板は延伸配向したポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する)又はその誘導体のフィルムに、ヨウ素や二色性染料を含有せしめて偏光素子とし、少なくともその片面に酢酸セルロース系フィルム等の保護フィルムをPVA樹脂を含む水溶液を接着剤として用い、積層して製造される。
このような構成の偏光板は高湿度下に長時間暴露されると偏光素子と保護フィルム間で剥離が生じやすいという欠点があった。近年、卓上電子計算機、電子時計、パーソナルコンピューター、携帯電話および自動車や機械類等の計器類に液晶表示装置が使用されるようになり、より広い範囲の環境条件で使用もしくは保管されるようになったため、特に高湿度雰囲気下で偏光素子と保護フィルムが剥離を起こし、液晶表示装置の表示品位を低下させるという問題が生じている。接着剤の強度を上げる方法としては接着剤成分の反応を早める方法があるが、この場合は溶液状態での可使時間いわゆるポットライフが短くなるために2液型にする等の工夫が必要となる。しかしながら、生産性向上のためには1液型の接着剤が望まれていた。
PVA系樹脂の耐水性を向上させる一般的な方法については非特許文献1に記載されている。
特許文献1には偏光素子と保護フィルム間のPVA系接着剤にグリオキザールを添加する事について記載されている。また、特許文献2にはアセトアセチル基を有するPVA樹脂(変性PVA樹脂)を使用することについて記載されている。
特開平07−134212号公報 特開平07−198945号公報 長野・山根・豊島 共著 「ポバール」 高分子刊行会 昭和56年4月1日 P.256−261
本発明は、偏光素子、特にホウ素を含む偏光素子と保護フィルムから構成される偏光板において、従来高温、高湿度雰囲気下において容易に偏光素子と保護フィルムが剥離していたのを改善した、耐久性に優れた偏光板を提供するための偏光素子用接着剤を提供することを目的とする。
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意研究の結果、偏光素子中のホウ素化合物の含有量を従来一般に使用されている偏光素子(ホウ酸に換算して13〜25重量%)のみならず、更に含有量を増加させた偏光素子(ホウ酸に換算して25〜40重量%)からなる偏光板の接着剤としてPVA樹脂、変性PVA樹脂およびグリオキザールを含む水溶液を使用する事により、かかる課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は
(1)ポリビニルアルコール樹脂100に対して変性ポリビニルアルコール樹脂1〜1000(重量比)を混合して得られた混合物と該混合物100に対してグリオキザールを0.1〜50(重量比)の割合で含有する水性の偏光素子用接着剤、
(2)変性ポリビニルアルコール樹脂がアセトアセチル基を有するポリビニルアルコール樹脂である(1)に記載の偏光素子用接着剤、
(3)偏光素子に接着剤を介して保護フィルムを接着した偏光板において、該接着剤が(1)又は(2)に記載の偏光素子用接着剤であることを特徴とする偏光板、
(4)保護フィルムが酢酸セルロース系フィルムである(3)に記載の偏光板、
(5)ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを染色・延伸して製造される偏光素子がホウ酸に換算して10〜40%(重量比)のホウ素を含有するポリビニルアルコール系樹脂フィルムである(3)又は(4)記載の偏光板、
に関する。
本発明の偏光素子用接着剤を用いて偏光素子と保護フィルムを接着することにより、偏光素子−保護フィルム間の剥離の発生を抑制し、従来の偏光板では不可能であった高温、高湿度雰囲気下での使用および保管を可能とする。
また、偏光素子中のホウ素化合物の含有量を増やすことにより耐熱性、耐高温高湿性、耐熱耐光性等を向上させた結果、接着性が低下した偏光素子と保護フィルムとの接着に特に優れた結果を与える。
本発明の偏光素子用接着剤はPVA樹脂、変性PVA樹脂およびグリオキザールを必須成分として含有する。本発明の偏光素子用接着剤におけるPVA樹脂と変性PVA樹脂の割合はPVA樹脂の100に対して変性PVA樹脂の1〜1000(重量比)である。好ましくは5〜500(重量比)、より好ましくは10〜300(重量比)である。
本発明の偏光素子用接着剤に使用されるPVA樹脂の平均ケン化度は85モル%以上、好ましくは98モル%以上である。又、該PVA樹脂の平均重合度は任意であるが、好ましくは500以上、さらに好ましくは1000〜5000である。
本発明の接着剤に使用される変性PVA樹脂としては不飽和カルボン酸もしくはその誘導体、オレフィン類、ビニルエーテル類あるいは不飽和スルホン酸塩等の酢酸ビニルとの共重合物をケン化処理したもの、あるいはPVA樹脂にアルデヒド類、メチロール化合物、エポキシ化合物、イソシアネート類等を反応させたものが使用される。好ましくはカルボキシル基を有するもの、より好ましくはアセトアセチル基を有するものが使用される。
グリオキザールの含有量については少なすぎると耐久性の向上が認められず、多すぎるとポットライフが短くなるため、PVA樹脂と変性PVA樹脂の混合物の重量を100とした場合に0.1〜50である。好ましくは1〜30(重量比)、より好ましくは5〜20(重量比)である。
本発明の偏光素子用接着剤は上記のPVA樹脂、変性PVA樹脂およびグリオキザールを上記の割合で水に溶解することにより容易に調製することができる。
更に、本発明の接着剤には硬化反応を促進させるために塩化亜鉛等の助剤を加えても良い。該助剤の使用量は接着剤成分PVA樹脂の100に対して0〜15(重量比)である。
本発明の偏光板は偏光素子と保護フィルムを前記本発明の偏光素子用接着剤で接着したものである。本発明の偏光板に用いられる偏光素子はPVA系フィルムの一軸延伸フィルムである。フィルムに用いるPVA樹脂は通常ポリ酢酸ビニルをケン化して製造されるが、本発明では必ずしもこれに限定されるものではなく、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体、オレフィン類、ビニルエーテル類あるいは不飽和スルホン酸塩等の酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有していてもよい。PVA樹脂の平均ケン化度は85%以上、好ましくは98%以上が適している。又、本発明のPVA樹脂の平均重合度は任意のものが使用可能であるが、1500以上、好ましくは2300〜5000である。
本発明の偏光板に用いられる偏光素子の製造方法としては、PVA系樹脂フィルムにヨウ素もしくは二色性染料の水溶液中で染色した後に湿式法あるいは乾式法で一軸延伸する方法が用いられるが、染色と延伸を同時に行う方法、延伸後に染色を行う方法もしくは製膜時に二色性を有する物質を混合して作製したPVA系樹脂フィルムを延伸する方法によっても製造可能である。
二色性染料としては公知の染料が使用可能であり、例えばシー.アイ.ダイレクト.イエロー12、シー.アイ.ダイレクト.イエロー28、シー.アイ.ダイレクト.イエロー44、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ26、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ39、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ107、シー.アイ.ダイレクト.レッド 2、シー.アイ.ダイレクト.レッド 31、シー.アイ.ダイレクト.レッド 79、シー.アイ.ダイレクト.レッド 81、シー.アイ.ダイレクト.レッド 247 、シー.アイ.ダイレクト.グリーン80、シー.アイ.ダイレクト.グリーン59および特開昭59−145255号、特開昭60−156759号、特開平3−12606号、特開平11ー218610号、特開2001−33627号の各公報に記載された染料等が挙げられ、これらの色素は遊離酸、あるいはアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン類の塩として用いられる。本発明の偏光板は、単独の色素で作成される他、必要に応じて二種以上併用してもよく、併用する色素に特に制限はないが、各色素が異なる波長領域に吸収特性を有し、且つ二色性の高いものが好ましい
本発明の偏光板に用いられるホウ素を含む偏光素子を作製する場合はPVA系樹脂フィルムを染色前又は染色後にホウ酸を含む水溶液中に浸漬する方法、ホウ酸を含有せしめた染色液に浸漬して染色と同時に行う方法などがあるが、本発明では染色後にホウ酸を含む水溶液中に浸漬する方法が好ましい。該PVA系樹脂フィルムを延伸する場合は、染色後に浸漬するホウ酸を含む水溶液中において一軸延伸することが好ましい。一軸延伸した後、更にホウ酸を含む水溶液に浸漬すると、一軸延伸によって得られた光学特性を変えることなくホウ酸濃度を制御する事ができる。この際水溶液中のホウ酸の濃度は1〜20重量%、液温は20〜80℃が好ましい。市販の偏光板のホウ素含有量はホウ酸濃度に換算して13%〜25重量%程度であるが、25重量%以上とした場合、耐熱、耐光性が向上する。しかし偏光素子中に含まれるホウ素の含有量が過度に多くなると接着性は低下するため、ホウ酸濃度に換算して10〜40重量%であることが好ましい。又、耐熱性・耐光性を考慮する場合は25〜40重量%とすることが好ましい。ホウ素化合物としてはホウ砂等の使用も可能である。尚、上記のフィルム製造工程には必要に応じて水洗工程を加えることも可能である。
本発明の偏光板は上記の偏光素子の片面又は両面に光学的透明度と機械的強度に優れた保護フィルムを本発明の偏光素子用接着剤を用いて貼り合わせることで得られる。保護フィルムとしては二酢酸セルロースあるいは三酢酸セルロース等の酢酸セルロース系フィルム等の他、アクリル系フィルム、四フッ化エチレン/六フッ化プロピレン系共重合体のようなフッ素系フィルム、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、またはポリアミド系樹脂からなるフィルム等が用いられる。また、前記の樹脂からなるフィルムの表面を(変性)PVA樹脂等接着性を向上させる物質で前処理したフィルムを保護フィルムとして用いてもよい。さらに、該保護フィルムはそれ自身が位相差を持つフィルムや、液晶化合物等を塗布したフィルムなど位相差フィルム、視野角拡大フィルム等の働きを有するもので有ってもよい。前記の保護フィルムは表面をアルカリでケン化処理したり、コロナ放電、プラズマ放電、グロー放電、電子線処理あるいは高周波処理を行うと更に効果的である。又、前記の保護フィルム表面を本発明の接着剤と偏光素子との接着性を向上させる物質で前処理することも可能である。
本発明の偏光板はその表面に、さらに透明な保護層を設けても良い。保護層としては、例えばアクリル系やポリシロキサン系のハードコート層やウレタン系の保護層等があげられる。また、液晶表示装置の視認性をより向上させるために、この保護層の上にAR(反射防止)層、LR(反射低減)層あるいはAG(ギラツキ防止)層を単独もしくは複合して設けることも可能である。AR層、LR層として、例えば珪素酸化物、酸化チタンあるいはフッ化マグネシウム等の物質を蒸着またはスパッタリング処理によって形成することができ、またフッ素系物質を薄く塗布することにより形成することができる。AG層としてはハードコート層中にフィラーを分散させて形成することが出来る。なお、偏光板に位相差板を貼付した楕円偏光板も本発明で言う偏光板に含まれる。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明する。実施例において特に指定なき場合、部は重量部を、%は重量%をそれぞれ意味する。偏光素子中のホウ素化合物の含有量は、偏光素子を加熱下蒸留水に溶解し、水酸化ナトリウムによる中和滴定にて求めたホウ酸量に換算した。
実施例1
PVA樹脂(平均重合度2600、ケン化度99.4モル%以上)2%、並びにアセトアセチル基を有する変性PVA樹脂(商品名:日本合成化学工業株式会社製Z−200H)2%をそれぞれ含む水溶液にグリオキザールをPVA樹脂並びに変性PVA樹脂の混合物(以下、樹脂成分)の固形分に対して10%添加して本発明の偏光素子用接着剤を得た。ついで、平均重合度4000、ケン化度99.9モル%、厚さ75μmのPVA系フィルムを遊離酸として式(1)に示される特開2001−33627号に記載の二色性染料、
Figure 2005173440
及びボウ硝を含む水溶液中に45℃にて染色した後、乾燥工程を経ずに、ホウ酸3重量%、温度58℃の水溶液中に導入し、該水溶液中で5倍に一軸延伸した。該フィルムをさらに室温の水槽に浸漬して洗浄を行い、70℃で10分間乾燥して偏光素子を得た。この偏光素子とアルカリでケン化処理した三酢酸セルロースフィルムを得られた接着剤を用いて接着し、70℃で10分間更に100℃で10分間乾燥して本発明の偏光板を得た。この時偏光素子中のホウ素量はホウ酸濃度に換算して16%であった。
得られた偏光板を60℃の温水中に60時間浸漬して接着性の評価を行った。
実施例2
実施例1において樹脂成分の濃度をPVA樹脂2.5%、アセトアセチル基を有する変性PVA樹脂2.5%とした以外は実施例1と同様に行い、本発明の偏光素子用接着剤を得た。ついで得られた接着剤を用いた偏光板を実施例1と同様に得た。得られた偏光板を実施例1と同様に接着性の評価を行った。
実施例3
実施例1において樹脂成分の濃度をPVA樹脂4.5%、アセトアセチル基を有する変性PVA樹脂0.5%とした以外は実施例1と同様に行い本発明の偏光素子用接着剤を得た。ついで得られた接着剤を用いた偏光板を実施例1と同様に得た。得られた偏光板を実施例1と同様に接着性の評価を行った。
実施例4
実施例1において樹脂成分の濃度をPVA樹脂4.5%、アセトアセチル基を有する変性PVA樹脂0.5%、グリオキザール添加量を樹脂成分の固形分に対して5%とした以外は実施例1と同様に行い本発明の偏光素子用接着剤を得た。ついで得られた接着剤を用いた偏光板を実施例1と同様に得た。得られた偏光板を実施例1と同様に接着性の評価を行った。
実施例5
実施例1において樹脂成分の濃度をPVA樹脂3.7%、アセトアセチル基を有する変性PVA樹脂1.3%とした以外は実施例1と同様に行い本発明の偏光素子用接着剤を得た。ついで得られた接着剤を用いた偏光板を実施例1と同様に得た。得られた偏光板を実施例1と同様に接着性の評価を行った。
実施例6
実施例1において樹脂成分の濃度をPVA樹脂1.3%、アセトアセチル基を有する変性PVA樹脂3.7%とした以外は実施例1と同様に行い本発明の偏光素子用接着剤を得た。ついで得られた接着剤を用いた偏光板を実施例1と同様に得た。得られた偏光板を実施例1と同様に接着性の評価を行った。
実施例7
実施例1において樹脂成分の濃度をPVA樹脂2.7%、アセトアセチル基を有する変性PVA樹脂0.3%とした以外は実施例1と同様に行い本発明の偏光素子用接着剤を得た。ついで得られた接着剤を用いた偏光板を実施例1と同様に得た。得られた偏光板を実施例1と同様に接着性の評価を行った。
実施例8
実施例1においてグリオキザールの添加量を樹脂成分の固形分に対して20%とした以外は実施例1と同様に行い本発明の偏光素子用接着剤を得た。ついで得られた接着剤を用いた偏光板を実施例1と同様に得た。得られた偏光板を実施例1と同様に接着性の評価を行った。
実施例9
PVA樹脂(平均重合度2600、ケン化度99.4モル%以上)2.5%、並びにアセトアセチル基を有する変性PVA樹脂(商品名:日本合成化学工業株式会社製Z−200H)2.5%をそれぞれ含む水溶液にグリオキザールを樹脂成分の固形分に対して10%添加して本発明の偏光素子用接着剤を得た。ついで、平均重合度4000、ケン化度99.9モル%、厚さ75μmのPVA系フィルムを上記式(1)に示された二色性染料およびボウ硝を含む水溶液中に45℃にて染色した後、乾燥工程を経ずに、ホウ酸3重量%、温度58℃の水溶液中に導入し、該水溶液中で5倍に一軸延伸した。該フィルムを更にホウ酸5重量%、温度55℃の水溶液に5分間浸漬し、水洗後70℃で10分間乾燥して偏光素子を得た。この偏光素子とアルカリでケン化処理した三酢酸セルロースフィルムを得られた接着剤を用いて接着し、70℃で10分間更に100℃で10分間乾燥して本発明の偏光板を得た。この時偏光素子中のホウ素濃度はホウ酸濃度に換算して26%であった。得られた偏光板を60℃の温水中に60時間浸漬した接着性の評価を行った。
実施例10
実施例9で得られた本発明の接着剤を用い、実施例9における一軸延伸後のホウ酸処理を、ホウ酸8重量%、温度40℃の水溶液に5分間浸漬で行った以外は実施例8と同様に行い本発明の偏光板を得た。この時偏光素子中のホウ素濃度はホウ酸濃度に換算して29%であった。得られた偏光板を実施例9と同様に接着性の評価を行った。
実施例11
実施例9で得られた本発明の接着剤を用い、実施例9における一軸延伸後のホウ酸処理を、ホウ酸8重量%、温度55℃の水溶液に5分間浸漬で行った以外は実施例9と同様に行い本発明の偏光板を得た。この時偏光素子中のホウ素濃度はホウ酸濃度に換算して32%であった。得られた偏光板を実施例9と同様に接着性の評価を行った。
比較例1
PVA樹脂(平均重合度2600、ケン化度99.4モル%以上)4%を含む水溶液にグリオキザールをPVA樹脂の固形分に対して10%添加して偏光素子用接着剤を得た。ついで、平均重合度4000、ケン化度99.9モル%、厚さ75μmのPVA系フィルムを上記式(1)に示される二色性染料及びボウ硝を含む水溶液中に45℃にて染色した後、乾燥工程を経ずに、ホウ酸3重量%、温度58℃の水溶液中に導入し、該水溶液中で5倍に一軸延伸した。該フィルムをさらに室温の水槽に浸漬して洗浄を行い、70℃で10分間乾燥して偏光素子を得た。この偏光素子とアルカリでケン化処理した三酢酸セルロースフィルムを得られた接着剤を用いて接着し、70℃で10分間更に100℃で10分間乾燥して偏光板を得た。得られた偏光板を60℃の温水中に60時間浸漬した接着性の評価を行った。
比較例2
PVA樹脂(平均重合度2600、ケン化度99.4モル%以上)2%、並びにアセトアセチル基を有する変性PVA樹脂(商品名:日本合成化学工業株式会社製Z−200H)2%をそれぞれ含む水溶液にメチロールメラミン系樹脂を樹脂成分の固形分に対して10%、塩化アンモニウムを樹脂成分の固形分に対して1%、それぞれ添加して偏光素子用接着剤を得た。得られた接着剤を用いて比較例1と同様に行い、偏光板を得た。得られた偏光板を比較例1と同様に接着性の評価を行った。
比較例3
アセトアセチル基を有する変性PVA樹脂(商品名:日本合成化学工業株式会社製Z−200H)5%を含む水溶液にグリオキザールを変性PVA樹脂の固形分に対して10%添加して偏光素子用接着剤を得た。得られた接着剤を用いて比較例1と同様に行い、偏光板を得た。得られた偏光板を比較例1と同様に接着性の評価を行った。
Figure 2005173440
○ :変化なし
× :周辺部が部分的に剥離
××:完全剥離
表1に示されるように、本発明の偏光素子用接着剤を使用した偏光板は偏光素子中のホウ素化合物のホウ酸に換算した含有量に関わらず、60℃温水に60時間浸漬下での耐久性に優れたものであった。
本発明の偏光素子用接着剤を使用した偏光板は耐久性、殊に高湿度雰囲気下での耐久性に優れる。これにより屋外で使用する表示器や結露し易い条件で使用する表示器への使用が可能となる。
また、熱帯、亜熱帯地域等の高温高湿度下での輸送あるいは保管時においても偏光板の劣化が無くなる。

Claims (5)

  1. ポリビニルアルコール樹脂100に対して変性ポリビニルアルコール樹脂1〜1000(重量比)を混合して得られた混合物と該混合物100に対してグリオキザールを0.1〜50(重量比)の割合で含有する水性の偏光素子用接着剤
  2. 変性ポリビニルアルコール樹脂がアセトアセチル基を有するポリビニルアルコール樹脂である請求項1に記載の偏光素子用接着剤
  3. 偏光素子に接着剤を介して保護フィルムを接着した偏光板において、該接着剤が請求項1又は請求項2に記載の偏光素子用接着剤であることを特徴とする偏光板
  4. 保護フィルムが酢酸セルロース系フィルムである請求項3に記載の偏光板
  5. ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを染色・延伸して製造される偏光素子がホウ酸に換算して10〜40%(重量比)のホウ素を含有するポリビニルアルコール系樹脂フィルムである請求項3又は請求項4に記載の偏光板
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