JP2005172860A - 現像装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ハイブリッド現像方式における回収ロールを使用した構成で、濃度むらやゴーストのない現像特性が安定した現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 静電潜像を担持する像担持体1に対向し表面にトナーを担持するトナー担持体2と、トナー担持体2へトナーを供給する供給用現像剤担持体3と、トナー担持体2からトナーを回収する回収用現像剤担持体4と、二つの現像剤担持体3,4との間で二成分現像剤(現像剤)Gを受け渡す搬送部材5とを備えた現像装置であって、トナー担持体2の軸方向に沿って現像剤Gを撹拌搬送可能に回転し且つ一方の現像剤担持体から回収された現像剤Gを摩擦帯電しつつ他方の現像剤担持体へ供給する撹拌搬送部材6(具体的には6a,6b)を備え、少なくとも一つの撹拌搬送部材6は、搬送部材5から離間した側に現像剤Gを偏倚させた状態で撹拌搬送する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置で用いられる現像装置に係り、特に、トナーと磁性キャリアとを具備した二成分現像剤を用い、像担持体上の静電潜像をトナー現像するように構成した現像装置及びこれを用いた画像形成装置の改良に関する。
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置で使用される現像装置としては、所謂ハイブリッド現像方式を採用したものが知られている。
これは、感光体等の像担持体に対向し且つトナーを担持するドナーロールと、このドナーロールに対向し且つトナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を担持するトナー搬送ロールとを備え、磁気ブラシによりトナー搬送ロールから大量の現像剤を供給し、ドナーロール上にトナー層を形成するようにしたものである(例えば特許文献1参照)。
このハイブリッド現像方式では、通常、二成分現像剤の撹拌によってトナーの帯電が行われるため十分な帯電量を確保しやすく、また、トナー搬送ロールからドナーロールへのトナーの供給が静電気力によって行われるため、ドナーロールに逆極性に帯電したトナーが供給されることもない。したがって、像担持体の非画像領域へのトナー付着がなく、かぶりの発生が防止される。更に、ドナーロールにはトナーのみしか供給されないため、磁性キャリアの像担持体への付着も防止される等の利点がある。
特開平9−211970号公報(発明の実施の形態の欄、図1) 特開平9−251237号公報(発明の実施の形態の欄、図1) 特開平10−319708号公報(発明の実施の形態の欄、図1) 特開平10−340003号公報(発明の実施の形態の欄、図1)
しかしながら、この種のハイブリッド現像方式では、ドナーロール上でトナーが消費された部分に対してトナー供給領域でトナーを補充する方式が採られているが、トナーが消費された部分だけでなく、トナーが残存する非消費部分にもトナーが供給され、そのため、前回のトナー消費パターンが現像された画像上に現れるという現像履歴の問題がある。
また、ドナーロール上にてトナーの供給、掻き取りを繰り返すと、大きい粒径のトナーと小さい粒径のトナーとの物理的付着力の差(大きい粒径のトナーはドナーロールへの物理的付着力が小さいため、ニップ領域で受ける掻き取り力に対し容易に掻き取られるが、小さい粒径のトナーは逆に掻き取られにくい)により、ドナーロール上のトナーの粒径が徐々に小粒径化してくる。このドナーロール上での粒径の変化は、現像特性や転写特性に変化をもたらし、現像されないでドナーロール上にトナーが残留した上に新しいトナーが供給された領域と、現像されて新しいトナーが供給された領域との間で、トナーの濃度差が生じ、これが画像欠陥(現像履歴)をもたらす可能性がある。
そのため、現像領域を通過したドナーロールから一旦全てのトナーを除去し、その後ドナーロールとトナー供給用ロールとの対向部(トナー供給領域)でドナーロールにトナーを再び担持させる方式が知られている。例えば、トナー除去手段としてスクレーパを使用する方式があるが、この場合、スクレーパとドナーロールとの接触部でトナーが互いに融着するという問題がある。
そこで、トナー供給用ロールとは別に、新たにトナー回収用ロールを加え、ドナーロール上のトナーをトナー回収用ロールで掻き取る方式も開示されている(例えば特許文献2参照)。
しかし、この新たにトナー回収用ロールを追加する方式にあっては、トナー供給用ロールとトナー回収用ロールへの現像剤供給量が不安定であると、ドナーロール上のトナー量が不安定となり、画像への濃度むらが発生する。
特に、トナー供給用ロールとトナー回収用ロールとの間で、現像剤がストレスを受け易く、現像剤の流動性が低下してくると一層顕著となる。
そのため、トナー供給用ロールとトナー回収用ロールを同一方向に回転させ、更に、互いに近接配置させることで、現像剤搬送量を安定させる方式の提案がなされている(例えば特許文献3,4参照)。
しかしながら、この場合、二本のロール間のバイアスリークの問題が発生しやすく、特にトナー濃度が低下し且つ動作環境が高湿状況にあるときに顕著となる。更に、二本のロール間に入り込んだ現像剤がストレスを受け、現像剤の劣化が生じ易く、画像かぶりが発生する問題もあり、長期間に亘って安定した現像特性が得られない課題がある。
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、現像剤の供給が安定し、濃度むらを長期に亘って抑止できると共に、長期に亘って現像特性の安定した現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供するものである。
すなわち、本発明の基本的構成は、図1(a)に示すように、静電潜像を担持する像担持体1に対向し表面にトナーを担持するトナー担持体2と、このトナー担持体2に対向する位置に配設されてトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤(現像剤)Gを担持搬送し且つトナー担持体2へトナーを供給する供給用現像剤担持体3と、トナー担持体2に対向する位置に配設されて現像剤Gを担持搬送し且つトナー担持体2からトナーを回収する回収用現像剤担持体4と、内部に磁界発生手段を有し二つの現像剤担持体3,4とトナー担持体2とに対向して配設され二つの現像剤担持体3,4との間で現像剤Gを受け渡す搬送部材5とを備えたものである。
特に、本発明は、図1(a)(b)に示すように、トナー担持体2の軸方向に沿って現像剤Gを撹拌搬送可能に回転し且つ二つの現像剤担持体3,4のうち一方の現像剤担持体から回収された現像剤Gを摩擦帯電しつつ他方の現像剤担持体へ供給する撹拌搬送部材6(具体的には6a,6b)を備え、少なくとも一つの撹拌搬送部材6は、搬送部材5から離間した側に現像剤Gを偏倚させた状態で撹拌搬送するようにしたことに特徴点を有する。
このような技術的手段において、本願に係る現像装置は、現像剤Gを用いるタイプのものであるため、トナーとしては種々の色成分を有するものが使用可能であり、単色の現像装置を備えた画像形成装置に適用可能であることは勿論のこと、複数の現像装置を備えた例えばフルカラーの画像形成装置に対しても適用可能である。
また、トナー担持体2は、少なくとも表面が弾性部材であることが好ましいが、金属であっても差し支えなく、弾性部材の場合、像担持体1とは接触しても差し支えない。
そして、二つの現像剤担持体3,4は、内部に磁界発生手段を具備し、現像剤Gを担持搬送するものであれば適宜選定して差し支えなく、例えば、回転可能な非磁性スリーブと、この非磁性スリーブ内に固定的に配設され且つ磁界発生手段が設けられた磁石部材とを具備した態様がある。
更に、磁界発生手段は、複数の磁極を有しているものであればよく、例えば、磁極の構成例としては、現像に寄与するための現像磁極や、現像剤Gを捕獲できる機能を備えたピックアップ磁極や、現像剤Gを搬送する搬送磁極等を備えたものが挙げられるが、これに限られるものではなく、適宜選定してよい。
更にまた、トナーを二つの現像剤担持体3,4とトナー担持体2との間で有効に受け渡す観点からは、供給用現像剤担持体3とトナー担持体2との間、及び、回収用現像剤担持体4とトナー担持体2との間には、トナー担持体2に対しトナーを供給若しくは回収するための所定の電界が形成されていることが好ましく、このとき、現像剤担持体3,4へ印加するバイアスは、直流電圧でもよいし、交流重畳直流電圧であっても差し支えない。
一方、搬送部材5は、二つの現像剤担持体3,4と同様、内部に磁界発生手段を備え、また、搬送部材5の位置は、供給用現像剤担持体3及び回収用現像剤担持体4から所定の間隔をおいて離れている態様であれば、トナー担持体2と接触した態様も可能である。
ここで、「二つの現像剤担持体3,4との間で二成分現像剤Gを受け渡す」とは、現像剤Gを二つの現像剤担持体3,4間で上流側の現像剤担持体から下流側の現像剤担持体へ直接渡す態様ではなく、搬送部材5を介して渡す態様を示すものである。
また、搬送部材5は、二つの現像剤担持体3,4との対向部位において、同一方向に回転することが好ましく、このことにより、搬送部材5と二つの現像剤担持体3,4との対向部位において、現像剤Gのストレスが軽減されることとなる。尚、搬送部材5と現像剤担持体3,4とが異なる方向に回転する態様であっても、現像剤Gの流れにストレスを与えないような態様であれば差し支えない。
本発明で使用されるトナーは、磁性キャリアに付着するものであれば、磁性でも非磁性でもよい。
更に、本発明における撹拌搬送部材6としては、内部の現像剤Gの帯電を行い、現像剤担持体への現像剤供給を可能にするものであればよく、代表的態様としてはオーガが挙げられる。
また、撹拌搬送部材6の数量は一個でもよいし、複数個備えていてもよい。但し、装置の小型化、現像剤Gの供給性の観点からは二個備えた態様が好ましい。
そして、本発明における複数の撹拌搬送部材6を備える態様にあっては、現像剤Gを回収用現像剤担持体4から搬送部材5を介して供給用現像剤担持体3側に流す態様(With方式)の場合、撹拌搬送部材6は、現像剤Gを供給する回収用現像剤担持体4の近傍で且つ供給用現像剤担持体3から戻される現像剤Gを受け止める位置にあればよく、通常、水平方向に配置される。一方、現像剤Gを供給用現像剤担持体3から搬送部材5を介して回収用現像剤担持体4側に流す態様(Against方式)の場合、撹拌搬送部材6は、現像剤Gを供給する供給用現像剤担持体3の近傍で且つ回収用現像剤担持体4から戻される現像剤Gを受け止める位置にあればよく、通常、垂直方向に配置される。
更に、撹拌搬送部材6側から現像剤担持体側に現像剤Gを供給するために、例えば、補助パドル等の搬送補助部材を使用することも可能であり、また、現像剤担持体側から撹拌搬送部材6側に現像剤Gを搬送し易くするために、搬送補助部材等を使用することも差し支えない。
このような態様において、本件発明者らは、撹拌搬送部材6と搬送部材5とのレイアウトや撹拌搬送部材6での現像剤G搬送方法等によっては、現像剤担持体側へ供給する現像剤Gの供給不具合や現像剤G中のトナー濃度の不均一がもたらされ、更に、現像剤Gのトナー濃度が低下すると一層このような現象がもたらされる懸念があるという技術的課題を見出した。そして、この技術的課題を解決するために、撹拌搬送部材6による現像剤Gの搬送面軌跡に着目した。
撹拌搬送部材6中で撹拌搬送される現像剤Gは、その搬送面軌跡が通常回転方向によって偏りを持つ。そのため、撹拌搬送部材6と搬送部材5との距離が近くなると、撹拌搬送部材6の回転方向によっては偏った搬送軌跡面を有する現像剤Gが搬送部材5の磁力の影響を受けることがある。
その場合には、撹拌搬送部材6での現像剤Gの本来の流れを損ない、現像剤担持体側へ供給する現像剤Gの供給不具合や現像剤G中のトナー濃度の不均一をもたらす懸念がある。
また、上述の問題は、特に、現像剤Gのトナー濃度が低下すると一層起こり易い。これは、トナー濃度の低下により相対的にキャリア濃度が上がるため、キャリア同士の付着力が増加し搬送部材5の磁力の影響を一層受け易くなることによる。
そこで、この問題に対する対応策として、撹拌搬送部材6を搬送部材5の磁力の影響が及ばない位置まで距離を離して配設したり、磁力の影響を低減させるために、例えば搬送部材5と撹拌搬送部材6との間にあるガイド部材等の厚さを厚くしたりすることも可能かも知れないが、却って現像装置が大型化したりコストがアップする等の問題をもたらすようになる。
そのため、撹拌搬送部材6の回転方向を制御することで、現像剤Gの搬送軌跡面が搬送部材5から遠く離れた方向に偏るように構成することができ、撹拌搬送部材6内の軸方向での現像剤Gの移動がスムーズに行え、撹拌性能も低下せず、所定の現像剤量やトナー濃度で均一に現像剤担持体側に供給可能になる。
また、本発明では、全ての撹拌搬送部材6を搬送部材5の磁力の影響が軽減する方向に回転させる態様が好ましいが、一部の撹拌搬送部材6を搬送部材5の磁力の影響が軽減する方向に回転させる態様であってもよく、更に、例えば、搬送部材5に最近接した撹拌搬送部材6を上述のように回転させる態様であっても、搬送部材5の磁力の影響を軽減する観点から差し支えない。更にまた、例えば、搬送部材5の有する磁界発生手段に最近接した撹拌搬送部材6を上述のように回転させる態様であっても、搬送部材5の磁力の影響を軽減する観点から差し支えない。
更に、本発明は、上述された現像装置を用いた画像形成装置をも対象とするものである。
本発明によれば、トナー担持体と、このトナー担持体にトナーを供給及び回収する二つの現像剤担持体とを備え、更に、これらと対向する位置に二つの現像剤担持体との間で現像剤を受け渡す搬送部材を配設したので、現像剤の流れが円滑になり、また、現像剤の受けるストレスも低減するため、現像履歴、濃度むらやかぶりのない現像装置を提供できる。
そして、特に、撹拌搬送部材での現像剤の流れを搬送部材の磁力の影響が軽減される方向で行うようにしたので、現像剤担持体へ供給される現像剤の量やトナー濃度が安定し、濃度むらやゴースト等のない画像が可能になる。
また、この現像装置を用いることで、長期に亘って現像特性が安定した小型の画像形成装置を提供できる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す。
同図において、符号21は、矢印方向に回転する有機感光体からなる静電潜像を担持する感光体であり、この感光体21はスコロトロン等の帯電装置22によって帯電され、レーザ書き込み装置やLEDアレイを有する露光装置23によって静電潜像が書き込まれる。
この静電潜像は、光の当たった部分の感光体21表面電位が低下し、光の当たっていない高電位部分とのコントラストによる電位画像として形成される。
また、現像装置30は、現像ハウジング31内にトナー及び磁性キャリアからなる二成分現像剤を収容し、トナーを担持するドナーロール32と、トナー供給用のトナー供給ロール33と、トナー回収用のトナー回収ロール34と、現像剤を搬送する搬送ロール35とを備えている。
本実施の形態では、感光体21上のトナー画像は、現像装置30によって可視像化された後、転写ロール26によって、記録材28上に転写され、この転写された記録材28は、定着装置50に搬送され、この定着装置50により記録材28上のトナー画像が定着されるように構成されている。尚、定着装置50は、例えばヒートロール方式で、加熱ロール51と加圧ロール52とを有し、この加熱ロール51と加圧ロール52との間に記録材28を通過させることで、トナー画像を記録材28に定着するように構成されている。
また、感光体21上に残留したトナーは、例えばドクターブレード式のクリーニング装置29によって除去される。
ここで、本件発明の特徴点である現像装置30について、図3に基づいて詳細に説明する。尚、本実施の形態では、二成分現像剤(現像剤)Gはトナー回収ロール34から搬送ロール35を経由してトナー供給ロール33へ流れるように構成されている(With方式)。
同図において、現像装置30は、感光体21に向かって開口する現像ハウジング31(図2参照)を有し、この現像ハウジング31の開口に面し且つ感光体21と対向して接触する位置に、ドナーロール32を回動自在に収容している。このドナーロール32にはバイアス電源37が接続され、所定の現像バイアスVBが印加されるようになっている。
本実施の形態では、このドナーロール32の外周部は弾性部材で被覆した構成を採っているが、例えば、アルミニウムやステンレス等からなる金属ロールであっても差し支えない。また、ドナーロール32と感光体21とは接触した構成を採っているが、非接触であっても差し支えない。
そして、ドナーロール32の後部(感光体21と反対側)には、トナー供給ロール33とトナー回収ロール34とがドナーロール32と夫々所定のギャップを置いて配設されている。
また、これらのトナー供給ロール33及びトナー回収ロール34には、夫々バイアス電源38,39が接続され、トナー供給ロール33からドナーロール32へトナーを供給するための供給バイアスVS、ドナーロール32からトナー回収ロール34へトナーを回収するための回収バイアスVRが印加されるようになっている。
更に、これらトナー供給ロール33及びトナー回収ロール34の後部には、トナー供給ロール33の外周部の現像剤Gをトナー回収ロール34へ受け渡すように現像剤Gを担持搬送する搬送ロール35が配設されている。
本実施の形態では、トナー供給ロール33の磁石体33bは、その外周部に磁極(N2,S1,N1,S2,S3)を備えており、ドナーロール32と対向する位置に磁極S1を設け、磁極N2の近傍で搬送ロール35と対向するように配置されている。
また、トナー回収ロール34の磁石体34bは、その外周部に複数の磁極(S5,N3,S4,N4)を備えており、ドナーロール32と対向する位置に磁極S4を設け、磁極N4と磁極N5のほぼ中間が搬送ロール35と対向する位置になるように配置されている。
更に、搬送ロール35の磁石体35bは、複数の磁極(S7,N6,S6)の内、磁極S7がトナー回収ロール34と対向する位置になるように配置されている。
また、搬送ロール35の後部には、搬送ロール35と略同心円状の半円形状で、現像剤搬送のガイドを行う第一のガイド片43を設け、現像剤Gが搬送ロール35の外周上を効率よく搬送されるようにしている。そして、トナー供給ロール33と対向する位置には、現像剤Gの流れを抑止するための第二のガイド片44が設けられ、また、トナー回収ロール34と所定の間隔をもって対向する位置には、トナー回収ロール34上の現像剤Gの層厚を規制するためのトリマ42が設けられている。
更に、第一のガイド片43の下部には、仕切板45を介して撹拌ユニット41が配設され、この撹拌ユニット41には二つの撹拌部材41a,41bがケース411a,411b内に収納されている。これらの撹拌部材41a,41bは、例えばスパイラル状のオーガから構成され、現像剤Gを撹拌帯電した後、トナー回収ロール34に現像剤Gを供給するように構成されている。尚、本実施の形態においては、撹拌部材41a,41bを二個備えた態様としているが、この数は特に限定されず、一個でもよいし、三個以上であっても差し支えない。また、符号412は、撹拌部材41a,41bの夫々のケース411a,411bの一部であり、本実施の形態では、二つの撹拌部材41a,41bの仕切壁を構成している。
そして、特に、本実施の形態では、二つの撹拌部材41a,41bは図の矢印方向(撹拌部材41aは図の時計回り、撹拌部材41bは図の反時計回り)に夫々回転しており、そのため、現像剤Gは撹拌部材41aでは図の左側に、撹拌部材41bでは図の右側に夫々偏るようになっている。
また、図4は撹拌ユニット41を示しており、図3における撹拌ユニット41を矢印D方向からみたときの斜視図である。同図において、撹拌部材41aは、回転軸413aの周囲にスパイラル状の羽根414aを設け、現像剤Gは矢印E方向に流れるようになっている。一方、撹拌部材41bは、回転軸413bの周囲にスパイラル状の羽根414bを設け、現像剤Gは矢印F方向に流れるようになっている。
尚、符号414は、余剰現像剤を排出するトリクル、符号415は、新規現像剤を供給する供給部、符号416は、撹拌部材41aからトナー回収ロール34に現像剤Gを供給し易くするための補助パドル(図示せず)である。
ここで、撹拌部材41a,41bの構成を決めるには、次のような順序で行っている。
先ず、撹拌部材41a,41bでの現像剤Gの搬送方向を決める。例えば、本実施の形態のごとく撹拌部材41aでは矢印E方向、撹拌部材41bでは矢印F方向というように決める。
次に、搬送ロール35から遠い方向に現像剤Gを偏らせるため、撹拌部材41a,41bの夫々の回転方向を決める。例えば、本実施の形態では撹拌部材41aは時計回り、撹拌部材41bは反時計回りとなる。このとき、撹拌部材41a,41b内の現像剤Gは、回転軸413a,413bの回転方向によって一義的に決められる。
次に、この回転方向で回転したときに内部の現像剤Gが搬送されるように、スパイラル状の羽根414a,414bの方向(右ねじ又は左ねじの巻き方)を決定する。
このように、撹拌部材41a,41bを構成することで、所望の現像剤Gの搬送特性が得られる。
次に、本実施の形態に係る現像装置の作動について説明する。
図3において、現像剤Gは、撹拌部材41a,41bにより撹拌されて、トナーがマイナス極性に、磁性キャリアがプラス極性に帯電された後、トナー回収ロール34の磁石体34bにある磁極S5の上流側の現像剤供給領域で、撹拌部材41aからトナー回収ロール34に供給される。そして、現像剤Gは、トリマ42の近傍に達すると、磁極N3により穂立ちを形成する。更に、この現像剤Gの穂立ちは、トリマ42で制御されることにより、現像剤層としてトナー回収ロール34の外周上に保持され、回転スリーブ34aの回転と共に搬送される。このとき、現像剤Gは磁石体34bにより形成されている磁力線に沿って磁気ブラシを構成している。
次に、現像剤Gは、トナー回収ロール34とドナーロール32とが対向する領域のトナー回収領域に進入すると、磁極S4の磁気吸引力により磁気ブラシを形成し、ドナーロール32上のトナーを掻き取る。またこのとき、ドナーロール32とトナー回収ロール34間の電界によってドナーロール32からトナー回収ロール34側へトナーを吸引する静電気力が働き、ドナーロール32からトナー回収ロール34側へのトナー回収を確実にしている。
トナー回収領域でトナー回収を終えた現像剤Gは、トナー回収ロール34の磁石体34bと搬送ロール35の磁石体35bの吸引磁界によって、トナー回収ロール34と搬送ロール35とが対向する領域近傍で、搬送ロール35側に受け渡される。
搬送ロール35に受け渡された現像剤Gは、磁石体35bの吸引磁界により搬送ロール35に保持されて、回転スリーブ35aの回転と共に搬送ロール35の外周上を搬送され、搬送ロール35とトナー供給ロール33とが対向する領域で、搬送ロール35の磁石体35bとトナー供給ロール33の磁石体33bとの吸引磁界によって、搬送ロール35からトナー供給ロール33側に受け渡される。
そして、トナー供給ロール33の外周上を搬送された現像剤Gは、磁極S1近傍のトナー供給領域で磁極S1の磁気吸引力により磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを形成した現像剤Gにおけるトナーのみが、トナー供給ロール33とドナーロール32との間に形成された電界の影響で、トナー供給ロール33からドナーロール32側に静電吸引され、ドナーロール32上に付着する。
その後、トナー供給を終えた現像剤Gは、磁極S2と磁極S3との反発磁界により、トナー供給ロール33から離れ、第二のガイド片44に沿って、撹拌部材41b側に戻される。撹拌部材41bに戻された現像剤Gは、撹拌帯電を行いながら撹拌部材41aを介して、再度、トナー回収ロール34側に供給されるようになる。
したがって、トナー回収領域でのトナー回収性能や現像剤供給量が安定し、更に、現像剤Gのストレスがなく、また、バイアスリークのない現像装置が可能となり、現像履歴、濃度むらやかぶりのない現像装置が可能となる。
特に、本実施の形態では、夫々の撹拌部材41a,41bの回転方向により、その内部の現像剤Gは搬送ロール35から遠い方向に偏って搬送されているため、搬送ロール35の磁石体35bの磁力による影響が軽減されている。よって、撹拌部材41a,41b内での現像剤Gの流れは、トナー濃度が低下しても良好な流れを維持し、濃度むらやゴースト等の画像ディフェクトの発生を抑制することが可能となる。
今、仮に、撹拌部材41a,41bの回転方向が本実施の形態と異なる場合は、図5に示すように、撹拌部材41a,41b内の現像剤Gは、図3と異なる方向に偏っている。そのため、撹拌部材41a,41b内の現像剤Gは搬送ロール35に一層近くなり、共に破線矢印H方向に搬送ロール35の磁力によって吸引される。
このように、現像剤Gが搬送ロール35側に吸引されると、撹拌部材41a,41b内部での現像剤Gの流れが損なわれ、撹拌部材41a,41b内部での現像剤搬送性やトナー回収ロール34側への現像剤供給性に影響が及び、出力画像での濃度むらやゴースト等の画像ディフェクトの可能性が増加するようになる。
◎実施の形態2
図6は、本発明が適用された画像形成装置に使用される現像装置の実施の形態2を示す。
同図において、本実施の形態は実施の形態1における現像装置と略同様に構成されるが、現像剤Gの流れが実施の形態1と異なり、トナー供給ロール33から搬送ロール35、トナー回収ロール34へと流れるように構成されている(Against方式)。
尚、実施の形態1と同様な構成要素には同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、トナー供給ロール33の磁石体33bは、その外周部に磁極(N3,S2,N1,S1,N2)を備えており、ドナーロール32と対向する位置に磁極S1を設け、磁極N2の近傍で搬送ロール35と対向するように配置されている。
また、トナー回収ロール34の磁石体34bは、その外周部に複数の磁極(S4,N4,S3,N5,N6)を備えており、ドナーロール32と対向する位置に磁極S3を設け、磁極S4と磁極N4のほぼ中間が搬送ロール35と対向する位置になるように配置されている。更に、搬送ロール35の磁石体35bは、複数の磁極(S5,N7,S6)の内、磁極S6の近傍がトナー回収ロール34と対向する位置になるように配置されている。
また、搬送ロール35の後部には、搬送ロール35と略同心円状の半円形状で、現像剤搬送のガイドを行う第一のガイド片43を設け、現像剤Gが搬送ロール35の外周上を効率よく搬送されるようにしている。そして、トナー回収ロール34と対向する位置には、現像剤Gの流れを抑止するための第二のガイド片44が設けられ、また、トナー供給ロール33と所定の間隔をもって対向する位置には、トナー供給ロール33上の現像剤Gの層厚を規制するためのトリマ42が設けられている。
更に、第一のガイド片43の後部には、現像剤Gが搬送ロール35側に侵入するのを防ぐための仕切板45を介して撹拌ユニット41が配設されている。この撹拌ユニット41には、二つの撹拌部材41a,41bがケース411a,411b内に収容されている。
この撹拌部材41a,41bは、例えばスパイラル状のオーガから構成され、現像剤Gを撹拌帯電した後、トナー供給ロール33に現像剤Gを供給するように構成されている。尚、本実施の形態においては、撹拌部材41を二個備えた態様としているが、この数は特に限定されず、一個でもよいし、三個以上であっても差し支えない。
そして、特に、本実施の形態では、二つの撹拌部材41a,41bは図の矢印方向(共に反時計回り)に回転しており、そのため、現像剤Gは共に撹拌部材41a,41bの片側(具体的には図の右側)に偏るようになっている。また、撹拌部材41a,41b内の現像剤Gの搬送方向によって、スパイラル状の羽根414a,414b(図4参照)が決定されている。
尚、撹拌部材41aからトナー供給ロール33との間には、図示外の補助パドルが設けられ、トナー供給ロール33への現像剤Gの供給をスムーズにしている。
次に、本実施の形態に係る現像装置の作動について説明する。
図6において、現像剤Gは、撹拌部材41a,41bにより撹拌されて、トナーがマイナス極性に、キャリアがプラス極性に帯電された後、トナー供給ロール33の磁石体33bにある磁極S2の上流側の現像剤供給領域で、トナー供給ロール33に供給される。
そして、現像剤Gは、トリマ42の近傍に達すると、磁極S2により穂立ちを形成する。
更に、この現像剤Gの穂立ちはトリマ42で制御されることにより、現像剤層としてトナー供給ロール33の外周上に保持され、回転スリーブ33aの回転と共に搬送される。
このとき、現像剤Gは磁石体33bにより形成されている磁力線に沿って磁気ブラシを構成している。
次に、現像剤Gは、トナー供給ロール33とドナーロール32とが対向する領域のトナー回収領域に進入すると、磁極S1の磁気吸引力により磁気ブラシを形成し、ドナーロール32にトナーを供給する。このとき、ドナーロール32とトナー供給ロール33間の電界によってトナー供給ロール33からドナーロール32へトナーを吸引する静電気力が働き、トナー供給ロール33からドナーロール32へのトナー供給を確実にしている。
トナーを供給した現像剤Gは、トナー供給ロール33の磁石体33bと搬送ロール35の磁石体35bの吸引磁界によって、トナー供給ロール33と搬送ロール35とが対向する領域近傍で、搬送ロール35に受け渡される。
搬送ロール35に受け渡された現像剤Gは、磁石体35bの吸引磁界により搬送ロール35に保持され、その外周上を搬送され、搬送ロール35の磁石体35bとトナー回収ロール34の磁石体34bとの吸引磁界によって、搬送ロール35とトナー回収ロール34とが対向する領域で、トナー回収ロール34に受け渡される。
トナー回収ロール34の外周上を搬送された現像剤Gは、磁極S3近傍のトナー回収領域で磁極S3の磁気吸引力により磁気ブラシを形成し、トナー回収ロール34とドナーロール32との間に形成された電界の影響で、ドナーロール32上のトナーがドナーロール32からトナー回収ロール34上の現像剤Gに回収される。
その後、トナー回収ロール34の外周上を搬送された現像剤Gは、磁極N5と磁極N6との反発磁界により、トナー回収ロール34から離れ、第二のガイド片44に沿って、撹拌部材41bに戻される。
尚、本実施の形態においても、トナー回収領域でのトナー回収性能や現像剤供給量が安定し、更に、現像剤Gのストレスがなく、また、バイアスリークのない現像装置が可能となる。したがって、本実施の形態においても、現像履歴、濃度むらやかぶりのない現像装置が可能となる。
特に、本実施の形態においても、夫々の撹拌部材41a,41bの回転方向により、その内部の現像剤Gは搬送ロール35から遠い方向に偏って搬送されているため、搬送ロール35の磁石体35bの磁力による影響が軽減されている。したがって、撹拌部材41a,41b内での現像剤Gの流れはスムーズになり、濃度むらやゴースト等の画像ディフェクトの発生を抑制することが可能となる。
また、仮に、撹拌部材41a,41bの回転方向が本実施の形態と異なる場合は、図7に示すように、撹拌部材41a,41b内の現像剤Gは、図6と異なる方向に偏っている。
そのため、撹拌部材41内の現像剤Gは搬送ロール35に一層近くなり、共に破線矢印J方向に搬送ロール35の磁力によって吸引される。
このように、現像剤Gが搬送ロール35側に吸引されると、撹拌部材41a,41b内部での現像剤Gの流れが損なわれ、撹拌部材41a,41b内部での現像剤搬送性やトナー供給ロール33側への現像剤供給性に影響が及び、出力画像での濃度むらやゴースト等の画像ディフェクトの可能性が増加するようになる。
本実施例は、実施の形態1と同様の構成によって実験を行い、トナー回収ロール上の現像剤量の均一性について確認したものである。
本実施例での実験条件は、次のようにした。
現像剤トナー濃度:5%,8%(通常のトナー濃度に相当)
感光体周速:220mm/s
ドナーロール周速:280mm/s
トナー供給ロール、搬送ロール、トナー回収ロール周速:450mm/s
トナー供給ロールとトリマとのギャップ:0.7mm
ドナーロールとトナー回収ロールとのギャップ:0.5mm
ドナーロールとトナー供給ロールとのギャップ:0.5mm
感光体表面電位:−650V
現像バイアス(VB):−450V
供給バイアス(VS):−575V
回収バイアス(VR):−250V
評価は、上記条件にて1分間稼動させた後、トナー回収ロールの軸方向の現像剤量の均一性を目視評価して行った。尚、比較例として、本実施例とは撹拌部材の回転方向が異なる方向(具体的には図5参照)での同様の評価を行った。
結果は、図8に示すように、本実施例では、現像剤のトナー濃度が低下してもトナー回収ロール上の現像剤量は均一であった。したがって、撹拌部材からの現像剤供給性は良好であり、現像装置内の現像剤の流れがスムーズに行われていることが確認された。
一方、撹拌部材の回転方向が本実施例と異なる場合は、トナー回収ロール上の現像剤量が不均一となることが確認された。
(a)(b)は本発明に係る現像装置の概要を示す説明図である。 本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す説明図である。 実施の形態1の現像装置を示す説明図である。 図3中矢印D方向から見た撹拌ユニットを示す斜視図である。 実施の形態1と異なる回転方向の撹拌部材を備えた現像装置を示す説明図である。 実施の形態2に係る現像装置を示す説明図である。 実施の形態2と異なる回転方向の撹拌部材を備えた現像装置を示す説明図である。 実施例の評価結果を示す説明図である。
符号の説明
1…像担持体,2…トナー担持体,3…供給用現像剤担持体,4…回収用現像剤担持体,5…搬送部材,6(6a,6b)…撹拌搬送部材,G…二成分現像剤

Claims (5)

  1. 静電潜像を担持する像担持体に対向し表面にトナーを担持するトナー担持体と、
    このトナー担持体に対向する位置に配設されてトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を担持搬送し且つトナー担持体へトナーを供給する供給用現像剤担持体と、
    トナー担持体に対向する位置に配設されて二成分現像剤を担持搬送し且つトナー担持体からトナーを回収する回収用現像剤担持体と、
    内部に磁界発生手段を有し且つ前記二つの現像剤担持体とトナー担持体とに対向して配設され二つの現像剤担持体との間で二成分現像剤を受け渡す搬送部材と、
    前記トナー担持体の軸方向に沿って現像剤を撹拌搬送可能に回転し且つ一方の現像剤担持体から回収された現像剤を摩擦帯電しつつ他方の現像剤担持体へ供給する一若しくは複数の撹拌搬送部材とを備え、
    少なくとも一つの撹拌搬送部材は、搬送部材から離間した側に現像剤を偏倚させた状態で撹拌搬送するものであることを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1記載の現像装置のうち、複数の撹拌搬送部材を有する態様において、
    少なくとも搬送部材に最近接した撹拌搬送部材は、搬送部材から離間した側に現像剤を偏倚させた状態で撹拌搬送するものであることを特徴とする現像装置。
  3. 請求項1記載の現像装置のうち、複数の撹拌搬送部材を有する態様において、
    少なくとも搬送部材の磁界発生手段に最近接した撹拌搬送部材は、搬送部材から離間した側に現像剤を偏倚させた状態で撹拌搬送するものであることを特徴とする現像装置。
  4. 請求項1記載の現像装置のうち、複数の撹拌搬送部材を有する態様において、
    複数の撹拌搬送部材が、搬送部材から離間した側に現像剤を偏倚させた状態で撹拌搬送するものであることを特徴とする現像装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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