JP2005172759A - 缶の内圧検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 内容物が充填,密封された缶の内圧検査を高精度に行う。
【解決手段】 内容物が充填,密封された缶25を、缶25の内部のうち底部27側に空間25aが形成されるように逆立ち姿勢とさせた状態で、缶底部27の径方向中央部28を電磁誘導作用によって強制励振させ、この際の缶25からの反響音に基づいて缶の内圧を検査する缶の内圧検査方法であって、缶底部27を強制励振させる際に、缶底部27の外周縁部を缶軸方向に押圧する。
【選択図】 図1
【解決手段】 内容物が充填,密封された缶25を、缶25の内部のうち底部27側に空間25aが形成されるように逆立ち姿勢とさせた状態で、缶底部27の径方向中央部28を電磁誘導作用によって強制励振させ、この際の缶25からの反響音に基づいて缶の内圧を検査する缶の内圧検査方法であって、缶底部27を強制励振させる際に、缶底部27の外周縁部を缶軸方向に押圧する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、内容物が充填,密封された缶を、該缶の底部側の内部に空間が形成されるように逆立ち姿勢とさせた状態で、該缶の底部の径方向中央部を電磁誘導作用によって強制励振させることにより、缶内圧を検査する缶の内圧検査方法に関するものである。
従来から、ミルク入りコーヒー等の低酸性飲料は、アルミニウム製の陽圧缶(液体窒素充填)あるいはスチール製の負圧缶に充填、密封され、レトルト殺菌をした後に、段ボール紙からなるカートンケースに梱包されてパレットに積み込まれる。そして、カートンケース詰めされた缶は、7日程度放置した後、カートンケース毎にいわゆる打検による缶内圧検査を行い、漏れがないか確認が行われている。これは、万一、缶に微細なピンホールがある場合、スローリークするため充填直後に缶内圧を測定しても、缶内圧が充填前とさほど変わらず、リークの有無が分らないという問題があるからである。なお、内容物が低酸性飲料の場合は、一般に、缶に内容物を充填した後、窒素ガスを充填し、内容物の酸化防止を図っている。
ところで、前記打検により缶内圧を検査する手段としては、内容物が充填,密封された缶を、この缶の底部側の内部に空間が形成されるように逆立ち姿勢とさせた状態で、この缶の底部のうち平滑面とされた径方向中央部を電磁誘導作用によって強制励振させ、この際の缶からの反響音を捉えて算出されたピーク周波数と、予め設定された缶内圧値とピーク周波数との相関とに基づいて缶の内圧を検査する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開昭49−34376号公報
しかしながら、前記従来では、缶底部の径方向中央部を強制励振させると、この部分に発生した振動エネルギが缶底部の外周縁部を介して缶胴部に伝播することにより、この缶胴部も振動することになる。したがって、得られる反響音は缶底部からのものだけでなく、缶胴部からのものも含むことになり、高精度な内圧検査を行うことが困難であるという問題があった。
なお、前記強制励振させたときの缶底部27における変形挙動としては図4(a)に示すような、缶軸方向上下に変形するものがあり、また、缶胴部26における変形挙動としては、例えば図4(b)に示すような、缶軸方向に交差する方向に揺動する挙動や、缶胴部26の断面を側面視して、静止状態における缶胴26(直線状)を基準に缶軸に交差する方向に波打つ挙動や、缶胴部26の断面を平面視して、静止状態における缶胴部26(円形状)を基準に楕円形状に変形する挙動等がある。
なお、前記強制励振させたときの缶底部27における変形挙動としては図4(a)に示すような、缶軸方向上下に変形するものがあり、また、缶胴部26における変形挙動としては、例えば図4(b)に示すような、缶軸方向に交差する方向に揺動する挙動や、缶胴部26の断面を側面視して、静止状態における缶胴26(直線状)を基準に缶軸に交差する方向に波打つ挙動や、缶胴部26の断面を平面視して、静止状態における缶胴部26(円形状)を基準に楕円形状に変形する挙動等がある。
以上の問題は、程度の差はあるにしても缶の構成にかかわらず全ての構成の缶で生じていた。この缶としては、例えば、金属板に絞り加工,しごき加工が施されて形成された有底筒状体の開口部に缶蓋を巻き締めた、いわゆる2ピース缶や、前記有底筒状体の開口部にネックイン加工,ねじ切加工などが施された1ピース構造のボトル缶の口金部にキャップを螺着したキャップ付ボトル缶や、筒状体の各開口部に缶蓋および底蓋が各々巻締められた、いわゆる3ピース缶や、筒状体の一方の開口部に底蓋が巻き締められ、他方の開口部にネックイン加工,ねじ切加工などが施された2ピース構造のボトル缶の口金部にキャップを螺着したキャップ付ボトル缶がある。
本発明は前記状況に鑑みてなされたもので、内容物が充填,密封された缶の内圧検査を高精度に行うことができる缶の内圧検査方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、内容物が充填,密封された缶を、該缶の底部側の内部に空間が形成されるように逆立ち姿勢とさせた状態で、該缶の底部の径方向中央部を電磁誘導作用によって強制励振させ、この際の前記缶からの反響音に基づいて缶の内圧を検査する缶の内圧検査方法であって、前記缶の底部を強制励振させる際に、前記缶底部の外周縁部を缶軸方向に押圧しておくことを特徴とする。
請求項1に係る発明は、内容物が充填,密封された缶を、該缶の底部側の内部に空間が形成されるように逆立ち姿勢とさせた状態で、該缶の底部の径方向中央部を電磁誘導作用によって強制励振させ、この際の前記缶からの反響音に基づいて缶の内圧を検査する缶の内圧検査方法であって、前記缶の底部を強制励振させる際に、前記缶底部の外周縁部を缶軸方向に押圧しておくことを特徴とする。
この缶の内圧検査方法では、缶の底部における径方向中央部を強制励振させる際に、この缶底部の外周縁部を缶軸方向に押圧しておくので、缶胴部の剛性が高められ、これに伴い固有振動数も高められることになる。したがって、缶胴部の固有振動数を缶底部の固有振動数から乖離させることが可能になる。これにより、缶底部の径方向中央部に発生した振動が缶胴部に伝播し、得られる反響音が缶胴部からのものを含んでいる場合においても、缶底部からのものを容易に特定することが可能になる。
また、缶底部の外周縁部を缶軸方向に押圧しておくので、缶胴部の振動挙動自体、特に缶胴部が缶軸方向に交差する方向に揺動する挙動を拘束することが可能になる。したがって、主として缶底部の径方向中央部を加振させることが可能になり、缶内圧の変化により、缶底部の固有振動数が的確に変化することになる。
以上により、高精度な内圧検査を実現することができる。
また、缶底部の外周縁部を缶軸方向に押圧しておくので、缶胴部の振動挙動自体、特に缶胴部が缶軸方向に交差する方向に揺動する挙動を拘束することが可能になる。したがって、主として缶底部の径方向中央部を加振させることが可能になり、缶内圧の変化により、缶底部の固有振動数が的確に変化することになる。
以上により、高精度な内圧検査を実現することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の缶の内圧検査方法において、前記缶の底部を強制励振させる際に、前記缶底部の外周縁部を、当該缶底部と同等以上の弾性率を有する押圧体により、缶軸方向に5N以上500N以下で押圧しておくことを特徴とする。
この缶の内圧検査方法では、缶底部の外周縁部を押圧体により缶軸方向に押圧した状態で、この底部の径方向中央部を強制励振させた場合においても、押圧体がこの缶底部と同等以上の弾性率を有する材料により形成されているので、缶底部の径方向中央部の振動が減衰することを抑制することが可能になる。
また、押圧力を5N以上500N以下としているので、前記強制励振させた際に、押圧体と缶底部の外周縁部との間にびびり振動等が発生することを抑制することが可能になる。
以上により、缶底部の径方向中央部を自由振動に近い状態で振動させることが可能になるとともに、缶胴部の振動発生を抑制することができ、缶内圧の変化に対して、缶底部の固有振動数が的確に変化することになり、高精度な内圧検査を確実に実現することができる。
また、押圧力を5N以上500N以下としているので、前記強制励振させた際に、押圧体と缶底部の外周縁部との間にびびり振動等が発生することを抑制することが可能になる。
以上により、缶底部の径方向中央部を自由振動に近い状態で振動させることが可能になるとともに、缶胴部の振動発生を抑制することができ、缶内圧の変化に対して、缶底部の固有振動数が的確に変化することになり、高精度な内圧検査を確実に実現することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の缶の内圧検査方法において、前記缶は、金属板に絞り加工,しごき加工を施し有底筒状体を形成した後に、この有底筒状体の開口部にネックイン加工などを施し、その後、この内部に内容物を充填し、前記開口部を密封することにより形成されたことを特徴とする。
本発明に係る缶の内圧検査方法によれば、内容物が充填,密封された缶の内圧検査を高精度に行うことができる。
以下、本発明に係る缶の内圧検査方法の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
まず、本実施形態における内圧検査対象としての缶25を図1を参照して説明する。
この缶25は、アルミニウム,またはアルミニウム合金により形成された板状体に、絞り加工,しごき加工を施して有底筒状体を形成した後に、この筒状体の開口部にネックイン加工などの各種加工が施されて形成されたものである。例えば、前記有底筒状体の開口部にネックイン加工,フランジ加工を施した後に、内容物を充填し、その後、前記開口部に缶蓋を巻締めて形成された、いわゆる2ピース缶や、前記有底筒状体の開口部にネックイン加工,ねじ切加工などを施した後に、内容物を充填し、その後、前記開口部にキャップを螺着して形成されたキャップ付ボトル缶がある。
まず、本実施形態における内圧検査対象としての缶25を図1を参照して説明する。
この缶25は、アルミニウム,またはアルミニウム合金により形成された板状体に、絞り加工,しごき加工を施して有底筒状体を形成した後に、この筒状体の開口部にネックイン加工などの各種加工が施されて形成されたものである。例えば、前記有底筒状体の開口部にネックイン加工,フランジ加工を施した後に、内容物を充填し、その後、前記開口部に缶蓋を巻締めて形成された、いわゆる2ピース缶や、前記有底筒状体の開口部にネックイン加工,ねじ切加工などを施した後に、内容物を充填し、その後、前記開口部にキャップを螺着して形成されたキャップ付ボトル缶がある。
このように形成された缶25の底部27は、図1に示すように、径方向中央部に位置するフラット部28と、このフラット部28の外周縁と連設する凹曲面部29と、この凹曲面部29の外周縁と連設し、僅かに径方向外方へ傾斜するとともに、缶胴26の外部側へ延在した内周壁30と、この内周壁30の外周縁と連設し、缶胴26の外部側へ凸とされた凸曲面状のノーズ部(缶底部の外周縁部)31と、このノーズ部31の外周縁と連設し、径方向外方かつ缶胴26の内部側へ延在した外周壁32と、この外周壁32の外周縁と連設し、径方向外方へ凸とされた凸曲面部33とを備え、この凸曲面部33の外周縁が缶胴26と連続した構成となっている。
ここで、フラット部28は缶軸と交差する方向に伸びる平坦面とされている。また、缶底部27は、この底部27の外周縁部としてのノーズ部31が、前記逆立ち姿勢におけるフラット部28の缶軸方向位置より上方に位置する構成とされている。
次に、本発明に係る缶の内圧検査方法の一実施形態について説明する。
まず、この内圧検査方法に供する内圧検査装置の概略構成について説明する。
この内圧検査装置は、図1に示すように、缶底部27のフラット部28を強制励振させるとともに、この際の反響音を捉える打検器13と、得られた反響音に基づいて缶内圧値を算出する図示しない演算部と、検査対象としての缶25が、この底部27側の内部に空間25aが形成されるように逆立ち姿勢となるように反転させた状態で配置される図示しない支持体と、打検器13により缶底部27のフラット部28を強制励振させる際に、この缶底部27のノーズ部31を缶軸方向に押圧する押圧体14とを備える概略構成とされている。
まず、この内圧検査方法に供する内圧検査装置の概略構成について説明する。
この内圧検査装置は、図1に示すように、缶底部27のフラット部28を強制励振させるとともに、この際の反響音を捉える打検器13と、得られた反響音に基づいて缶内圧値を算出する図示しない演算部と、検査対象としての缶25が、この底部27側の内部に空間25aが形成されるように逆立ち姿勢となるように反転させた状態で配置される図示しない支持体と、打検器13により缶底部27のフラット部28を強制励振させる際に、この缶底部27のノーズ部31を缶軸方向に押圧する押圧体14とを備える概略構成とされている。
打検器13は、缶底部27のフラット部28を強制励振させる加振部11と、この加振部11による缶25からの反響音を捉えるマイクロフォン12とを備えている。
加振部11には、図1に示すように、貫通孔11aが穿設されており、この貫通孔11aの略直上方にマイクロフォン12が配設された構成となっている。これにより、加振部11によって缶底部27のフラット部28を電磁誘導作用によって強制励振した際に、この缶25からの反響音が加振部11の貫通孔11aを通過して、マイクロフォン12に至るようになっている。
加振部11には、図1に示すように、貫通孔11aが穿設されており、この貫通孔11aの略直上方にマイクロフォン12が配設された構成となっている。これにより、加振部11によって缶底部27のフラット部28を電磁誘導作用によって強制励振した際に、この缶25からの反響音が加振部11の貫通孔11aを通過して、マイクロフォン12に至るようになっている。
押圧体14は、前記支持体上に配置された缶25と打検器13との間に、図示しない弾性ばねにより、前記支持体に配置された缶の底部27に対して進退自在に支持されており、打検器13および前記配置された缶25と同軸的に位置するように配設されている。また、押圧体14が単にこの弾性ばねにより支持され、押圧体14と缶底部27とが対向していない状態では、押圧体14の外表面のうち、前記支持体に配置された缶底部27と対向する表面と、前記支持体との距離は、缶25の缶軸方向における高さより小さくなっている。ここで、押圧体14はリング状体とされており、この外径は缶胴部26の外径と略同一とされ、内径は缶底部27のフラット部28の直径より若干小さくなっている。
以上により、缶25が、前記支持体上に、押圧体14と対向して配置されると、この缶底部27のノーズ部31は、前記弾性ばねの弾性力により押圧体14を介して缶軸方向に5N以上500N以下、好ましくは10N以上100N以下で押圧されるようになっている。なお、本実施形態では、押圧体14による缶底部27のノーズ部31への押圧力は、約11.8Nに設定した。
以上により、缶25が、前記支持体上に、押圧体14と対向して配置されると、この缶底部27のノーズ部31は、前記弾性ばねの弾性力により押圧体14を介して缶軸方向に5N以上500N以下、好ましくは10N以上100N以下で押圧されるようになっている。なお、本実施形態では、押圧体14による缶底部27のノーズ部31への押圧力は、約11.8Nに設定した。
また、押圧体14は、缶底部27と同等以上の弾性率を有する材料により形成され、例えば、缶底部27が弾性率4.5kN/mm以下の材料により形成されている場合、押圧体14は、約10kN/mmのアルミニウムやアルミニウム合金、または約30kN/mmのスチールにより形成される。なお、この押圧体14の厚さは、より好ましくは形成される材料や、缶底部27の材料等により適宜決定されるが、約5mmとされている。
以上のように構成された内圧検査装置により、缶内圧を検査するに際しては、前述したように、缶25を前記逆立ち姿勢とさせた状態で、前記支持体上に配置し、これにより、缶25と、打検器13と、押圧体14とを同軸的に位置させる。この際に、缶底部27のノーズ部31は、前記弾性ばねにより押圧体14を介して缶軸方向に押圧される。
この状態で、加振部11により缶底部27のフラット部28を電磁誘導作用によって強制励振させ、この際の反響音を加振部11の貫通孔11aを介してマイクロフォン12により捉える。その後、この反響音を前記演算部に送信し、この演算部により、ピーク周波数を算出する。そして、このピーク周波数と、予め設定されていた缶内圧値とピーク周波数との相関とに基づいて缶25の内圧値を算出し、この内圧値と予め設定された適正内圧値とを比較し、缶内圧値が適正内圧値の範囲内にあるか否かを判定する。
以上説明したように、本実施形態による缶の内圧検査方法によれば、缶底部27におけるフラット部28を強制励振させる際に、この底部27のノーズ部31を押圧体14により缶軸方向に押圧しておくので、缶胴部26の剛性が高められ、これに伴い固有振動数も高められることになる。したがって、缶胴部26の固有振動数を缶底部27の固有振動数から乖離させることが可能になる。これにより、缶底部27のフラット部28に発生した振動が缶胴部26に伝播し、得られる反響音が缶胴部26からのものを含んでいる場合においても、缶底部27からものを容易に特定することが可能になる。
また、缶底部27のノーズ部31を缶軸方向に押圧しておくので、缶胴部26の振動挙動自体、特に缶胴部26が缶軸方向に交差する方向に揺動する挙動を拘束することが可能になる。したがって、主として缶底部27のフラット部28を加振させることが可能になり、缶内圧の変化により、このフラット部28の固有振動数が的確に変化することになる。
以上により、高精度な内圧検査を実現することができる。
また、缶底部27のノーズ部31を缶軸方向に押圧しておくので、缶胴部26の振動挙動自体、特に缶胴部26が缶軸方向に交差する方向に揺動する挙動を拘束することが可能になる。したがって、主として缶底部27のフラット部28を加振させることが可能になり、缶内圧の変化により、このフラット部28の固有振動数が的確に変化することになる。
以上により、高精度な内圧検査を実現することができる。
また、ノーズ部31は、前記逆立ち姿勢におけるフラット部28の缶軸方向位置より上方に位置する構成となっているので、押圧体14によりノーズ部31を押圧する際に、この押圧体14がフラット部28に接触することを回避することができ、このフラット部28を確実に自由振動させることができるため、高精度な内圧検査を確実に実現することができる。
さらに、押圧体14は、缶25を形成する材料より弾性率が同等以上の材料によって形成されているので、缶底部27のノーズ部31を押圧体14により缶軸方向に押圧した状態で、この底部27のフラット部28を強制励振させた場合においても、このフラット部28の振動が減衰することを抑制することが可能になる。また、押圧力を5N以上500N以下としているので、前記強制励振させた際に、押圧体14と缶底部27のノーズ部31との間にびびり振動等が発生することを抑制することが可能になるとともに、缶胴部26の剛性を高めることが可能になる。
以上により、缶底部27のフラット部28を自由振動に近い状態で振動させることが可能になるとともに、缶胴部26の振動発生を抑制することができ、缶内圧の変化に対して、このフラット部28の固有振動数が的確に変化することになり、高精度な内圧検査を確実に実現することができる。
以上により、缶底部27のフラット部28を自由振動に近い状態で振動させることが可能になるとともに、缶胴部26の振動発生を抑制することができ、缶内圧の変化に対して、このフラット部28の固有振動数が的確に変化することになり、高精度な内圧検査を確実に実現することができる。
ここで、以上説明した本発明に係る内圧検査方法の効果について、評価試験を行った。すなわち、加振部11により缶底部27のフラット部28を強制励振させ、この際にマイクロフォン12により得られた反響音から、周波数に対するデジット値を測定した。このデジット値が最も高い周波数が前述したピーク周波数に相当することになるので、デジット値が高い程高精度にピーク周波数が特定できることになる。結果を図2(b)に示す。
また、比較例として、打検器13による前記強制励振を実施する際に、押圧体14により缶底部27のノーズ部31を缶軸方向に押圧しない方法で、前述と同様にして、周波数に対するデジット値を測定した。結果を図2(a)に示す。
なお、缶内圧は、実施例および比較例の双方ともに0.09MPaとした。
これらの結果から、本発明に係る内圧検査方法の方が、比較例と比べて、非常に高いデジット値が得られていることが確認でき、前記実施形態の前述した作用効果を立証できた。
また、比較例として、打検器13による前記強制励振を実施する際に、押圧体14により缶底部27のノーズ部31を缶軸方向に押圧しない方法で、前述と同様にして、周波数に対するデジット値を測定した。結果を図2(a)に示す。
なお、缶内圧は、実施例および比較例の双方ともに0.09MPaとした。
これらの結果から、本発明に係る内圧検査方法の方が、比較例と比べて、非常に高いデジット値が得られていることが確認でき、前記実施形態の前述した作用効果を立証できた。
次に、検査装置および検査対象を前述と同様の実施例および比較例として、加振部11により缶底部27のフラット部28を強制励振させ、この際にマイクロフォン12により得られた反響音から固有振動数を算出した。この測定は、缶内圧を0MPaから0.15MPaまで0.03MPaづつ上昇させ、その都度、固有振動数を算出することにより実施した。結果を図3に示す。
この結果から、缶底部27のノーズ部31を缶軸方向に押圧した実施例の方が、内圧値の上昇に伴う固有振動数の変化量が大きいことが確認できる。すなわち、缶内圧の変化に対して固有振動数が的確に変化することが確認でき、缶内圧を高精度に検査できることが確認できた。
この結果から、缶底部27のノーズ部31を缶軸方向に押圧した実施例の方が、内圧値の上昇に伴う固有振動数の変化量が大きいことが確認できる。すなわち、缶内圧の変化に対して固有振動数が的確に変化することが確認でき、缶内圧を高精度に検査できることが確認できた。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、電磁誘導作用によって缶25を強制励振させ、この際の缶25からの反響音を捉えて算出されたピーク周波数と、予め設定された缶内圧値とピーク周波数との相関とに基づいて缶の内圧を検査する方法を示したが、これに限らず、缶25を強制励振させることによって得られた反響音に基づいて缶内圧を検査する方法であれば本発明を適用することは可能である。
例えば、前記実施形態では、電磁誘導作用によって缶25を強制励振させ、この際の缶25からの反響音を捉えて算出されたピーク周波数と、予め設定された缶内圧値とピーク周波数との相関とに基づいて缶の内圧を検査する方法を示したが、これに限らず、缶25を強制励振させることによって得られた反響音に基づいて缶内圧を検査する方法であれば本発明を適用することは可能である。
また、前記実施形態では、押圧体14によりノーズ部31の全周を缶軸方向に押圧した方法を示したが、これに限らず、ノーズ部31の一部であってもよい。
さらに、測定対象の缶25として、金属板に絞り加工,しごき加工を施して有底筒状体を形成した後に、この有底筒状体の開口部にネックイン加工などを施して缶蓋を巻締めた2ピース缶、あるいはキャップを含めて2ピース構造のキャップ付ボトル缶の例(以下、「2ピース構造の缶」という)を示したが、これに限らず、筒状体の一方の開口部に缶蓋を巻締め、他方の開口部に底蓋を巻締めた構成のいわゆる3ピース缶や、この前記筒状体の一方の端部にネックイン加工などを施して口金部を形成し、この口金部にキャップを螺着するとともに、他方の端部に底蓋を巻締めた、キャップを含む3ピース構造のキャップ付ボトル缶(以下、これらの缶を「3ピース構造の缶」という)にも適用可能である。この3ピース構造の缶の場合、缶底部27のうち押圧体14により押圧する部分は、底蓋の巻締め部頂部であることが好ましい。また、2ピース構造の缶であっても、缶底部27の径方向中央部を前記実施形態のような、フラット部28に代えて、缶胴26の内部へ凹むドーム部としても適用可能であり、缶の詳細な構成は問わない。
ただし、前記構成の缶のうち、2ピース構造の缶において特に本発明は有効に作用することになる。すなわち、これらの2ピース構造の缶は、有底筒状体に基づいて形成されるので、底部27と胴部26とは一体に形成された構成となっており、したがって、フラット部28に発生した振動は、3ピース構造の缶と比べて、胴部26に伝播し易いため、胴部26が振動し易い構成となっている。しかしながら、前記実施形態で示したように、この胴部26の振動を押圧体14により、確実に抑制することができるので、高精度な内圧検査を実現することができる。すなわち、前記2ピース構造の缶において特に著しい作用効果を有することになる。
内容物が充填,密封された缶を、該缶の底部側の内部に空間が形成されるように逆立ち姿勢とさせた状態で、該缶の底部の径方向中央部を電磁誘導作用によって強制励振させることにより、缶内圧を検査するに際し、この検査を高精度に行うことができる。
14 押圧体
25 缶
25a 空間
27 底部
28 フラット部径方向中央部)
31 ノーズ部(外周縁部)
25 缶
25a 空間
27 底部
28 フラット部径方向中央部)
31 ノーズ部(外周縁部)
Claims (3)
- 内容物が充填,密封された缶を、該缶の底部側の内部に空間が形成されるように逆立ち姿勢とさせた状態で、該缶の底部の径方向中央部を電磁誘導作用によって強制励振させ、この際の前記缶からの反響音に基づいて缶の内圧を検査する缶の内圧検査方法であって、
前記缶の底部を強制励振させる際に、前記缶底部の外周縁部を缶軸方向に押圧しておくことを特徴とする缶の内圧検査方法。 - 請求項1記載の缶の内圧検査方法において、
前記缶の底部を強制励振させる際に、前記缶底部の外周縁部を、当該缶底部と同等以上の弾性率を有する押圧体により、缶軸方向に5N以上500N以下で押圧しておくことを特徴とする缶の内圧検査方法。 - 請求項1または2に記載の缶の内圧検査方法において、
前記缶は、金属板に絞り加工,しごき加工を施し有底筒状体を形成した後に、この有底筒状体の開口部にネックイン加工などを施し、その後、この内部に内容物を充填し、前記開口部を密封することにより形成されたことを特徴とする缶の内圧検査方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2003-12-15 JP JP2003416629A patent/JP2005172759A/ja not_active Withdrawn
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JP2016090365A (ja) * | 2014-11-04 | 2016-05-23 | 東洋製罐株式会社 | 打検装置及び打検方法 |
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