JP2005172596A - ロータリーエンコーダ及び携帯電話機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 携帯電話機などに取付けられるロータリーエンコーダの接点信頼性を向上させる。
【解決手段】 所定の導電パターンが円形に形成された電極面122,123を有する部材120と、部材120に対して回転可能に取付けられ、電極面122,123と接触すると共にその接触位置の回転中心からの距離r11,r12,r13,r14をそれぞれ異ならせた複数の摺動接点113a,114a,115a,116aを有する回転盤110とを有するロータリーエンコーダ100とした。また、このロータリーエンコーダ100を携帯電話機の入力操作手段として取付けるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】 所定の導電パターンが円形に形成された電極面122,123を有する部材120と、部材120に対して回転可能に取付けられ、電極面122,123と接触すると共にその接触位置の回転中心からの距離r11,r12,r13,r14をそれぞれ異ならせた複数の摺動接点113a,114a,115a,116aを有する回転盤110とを有するロータリーエンコーダ100とした。また、このロータリーエンコーダ100を携帯電話機の入力操作手段として取付けるようにした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば携帯電話機などの電子機器に使用して好適なロータリーエンコーダ及びそのロータリーエンコーダを備えた携帯電話機に関する。
従来のロータリーエンコーダには、各種の構成が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
また、携帯電話端末には様々な形態で入力操作手段としてロータリーエンコーダが使用されている(例えば、特許文献3参照。)。携帯電話端末が入力操作手段としてロータリーエンコーダを備えることで、回転操作で各種入力操作が行え、操作性が向上する。例えば、電話帳として登録された名前や電話番号などを検索する際に、回転操作で検索作業を行うことで、迅速に必要な名前などにたどり着くことが可能になる。
特開平5−135840号公報
特開平9−236429号公報
特開平11−225196号公報
例えば携帯電話機には、様々な形態でロータリーエンコーダが使用されている。このようなロータリーエンコーダは、一般的に、所定の導電パターンが形成された第1の電極面と、全面が導電領域とされた第2の電極面との間に、摺動子を有する回転盤が設けられているものである。
図8及び図9は、従来の携帯電話端末などの電子機器に内蔵されるロータリーエンコーダの構成例を示した図である。図8は表面側を分解して示す図であり、図9は裏面側を分解して示す図である。ここでは、ロータリーエンコーダ100′として、回転自在な回転盤140と、その回転盤140の上下に配置された第1の部材120及び第2の部材130とで構成してある。回転盤140については、図示しない回転軸が挿通される透孔141を中心に有し、その回転盤140そのものの一部又は回転盤140に接続された他の円形の部材(図示せず)が、端末を構成する筐体から露出して、端末を持っているユーザが回転操作できるようにしてある(ここでは図中の矢印Aで示す方向への回転による操作)。
回転盤140の表面側(図8での上側)には、例えばある程度弾性力を有する金属板などで構成された摺動接点部材142が配置してある。この摺動接点部材142としては、回転盤140の円周方向に伸びた4本の延長部143,144,145,146が形成してある。ここでは、2本の延長部143,144が近接して配置してあり、この2本の延長部143,144と約180°対向した位置(実際には180°から若干ずれた位置)にも、2本の延長部145,146が近接して配置してある。それぞれの延長部143,144,145,146には、若干突出した形状の接点部143a,144a,145a,146aが形成してあり、組み立てられた状態で、ある程度の圧力を有した状態で第1の部材120側の導電パターンと接触するようにしてある。
図8に示すように、中心の透孔141を介して対向する位置関係にある、延長部143と延長部145の半径位置r1は等しくしてあり、同様に延長部144と延長部146の半径位置r2は等しくしてある。なお、各接点部143a,144a,145a,146aが2個ずつペアで配置してあるのは、導電パターンとの接触の安定性を確保するためである。
このような摺動接点部材142が配置された回転盤140の表面側と対向する第1の部材120には、図9に示すように、2つの導電部122,123が配置してあり、それぞれの導電部122,123による所定の導電パターンが形成してある。ここでの導電パターンとしては、回転盤140の回転軸が挿通される透孔121を中心として、約30°の間隔で導電部ありと導電部なしとが交互に配置される導電パターンとしてあり、約60°毎に6個の導電部122a,122b,122c,123a,123b,123cが配置してあり、第1の導電部122と第2の導電部123に分かれている。第1の導電部122については、このロータリーエンコーダの回転を検出する回路(図示せず)のA相の信号の出力端に接続する。第2の導電部123については、このロータリーエンコーダ100′の回転を検出する回路のB相の信号の出力端に接続する。なお、以下の説明では、第1の導電部122をA相の導電部と称し、第2の導電部123をB相の導電部と称する。
回転盤140の裏面側(図9での下側)には、例えばある程度弾性力を有する金属板などで構成された摺動接点部材147が配置してある。この摺動接点部材147は、表面側の摺動接点部材142と電気的に導通状態にある。この摺動接点部材147は、回転盤140の円周方向に伸びた2本の延長部148,149が、約180°対向した位置に配置してある。それぞれの延長部148,149には、若干突出した形状の接点部148a,149aが形成してあり、組み立てられた状態で、ある程度の圧力を有した状態で第2の部材130側の導電パターンと接触するようにしてある。
図9に示すように、中心の透孔141を介して対向する位置関係にある、延長部148と延長部149の半径位置r3は等しくしてある。
このような摺動接点部材147が配置された回転盤140の裏面側と対向する第2の部材130には、回転盤140の回転軸が挿通される透孔131が中心に設けてあり、図8に示すように、円形に全周に導電パターンが形成された導電部132が配置してある。この導電部132は、このロータリーエンコーダの回転を検出する回路のG相の信号の入力端に接続する。以下の説明では、導電部132をG相の導電部と称する。
このように構成されたロータリーエンコーダ100′が組み立てられた状態では、そのときの回転盤140の回転位置によって、回転盤140の表面側の接点部143a,144aと接点部145a,146aの何れか一方の組の接点部が、導電部122又は123に接触する状態のとき、他方の接点部は、いずれも導電部にも接触しないような位置関係に設定してある。そして、回転盤140を回転させると、A相の導電部と接触した状態と、B相の導電部と接触した状態とが交互に表れるようになる。また、回転盤140の裏面側の接点部148a,149aについては、回転位置に関係なく、常時導電部132と接触する。
従って、回転盤140の回転角度位置によって、第1の部材120側のA相の導電部123と第2の部材130側のG相の導電部132とが導通した状態になる場合と、第1の部材120側のB相の導電部124と第2の部材130側のG相の導電部132とが導通した状態になる場合とが交互に表れるようになる。ロータリーエンコーダに接続された回路側で、A相とG相との導通状態、B相とG相との導通状態が交互に検出されることで、回転盤140の一定角度毎の回転を検出できる。また、2つの導通状態が表れる順序などで、回転方向を検出することも可能である。
ところで、このようなロータリーエンコーダにおいては、回路の開放/短絡状態をつくり出すスイッチ部は機械的であり、その接点部は上述したように摺動するものである。従って、接点部と接触する導電部は、回転盤の回転による摺動で徐々に磨耗していく。
接点部と導電部との接触の信頼性は(1)適正な接触圧(2)適正な接触金属(3)適正な接触面積により決定されるといえる。そのため、図8,図9に示した従来のロータリーエンコーダでは、摺動による磨耗の結果悪化する信頼性を補完する目的で、接点の数を1接点から2接点にしている。この対策は、接点の信頼性を確保するために一般的な手段であり、接触部が静的か動的であるかに関わらず、接点の信頼性向上に有効な手段である。
しかしながら、従来のロータリーエンコーダでは、複数の接点部の導電パターン上の摺動軌跡が同一であるため、導電部の同じ箇所を2つの接点が引っ掻いていることになる。具体的には、第1の部材120上の導電パターン上では、図9に示すように、2つの半径(図8のr1)が等しい接点部143a及び145aが接触する円形の接触面120xが形成され、2つの半径(図8のr2)が等しい接点部144a及び146aが接触する円形の接触面120yが形成される。つまり、本来1接点において引き起こされる接触面の磨耗が、2接点において引き起こされていることになる。その結果として、導電パターン上の磨耗が1つの接点の時よりも2倍早く進行していた。
この出願はこのような点に鑑みて成されたものであって、ロータリーエンコーダの接点部と接触する導電パターンの磨耗を防ぐことを目的とする。
本発明のロータリーエンコーダは、所定の導電パターンが円形に形成された電極面を有する部材と、部材に対して回転可能に取付けられ、電極面と接触すると共にその接触位置の回転中心からの距離をそれぞれ異ならせた複数の摺動接点を有する回転盤とを有するロータリーエンコーダとしたものである。
また本発明の携帯電話機は、所定の導電パターンが円形に形成された電極面を有する部材と、部材に対して回転可能に取付けられ、電極面と接触すると共にその接触位置の回転中心からの距離をそれぞれ異ならせた複数の摺動接点を有する回転盤とを有するロータリーエンコーダを、回転操作手段として備えたものである。
本発明によれば、導電パターン上の接点の接触で形成されるそれぞれの摺動軌跡は、各軌跡が1つの接点だけから引き起こされるようになる。
本発明のロータリーエンコーダによれば、導電パターン上の磨耗の進行が、各摺動軌跡毎に1つの接点部の摺動だけから引き起こされるようになり、複数の接点部で1つの摺動軌跡を生じさせることがなく、それだけ接点信頼性を向上させることができる。
この場合、ロータリーエンコーダ備える部材として、回転盤を挟んで対向配置された第1の部材と第2の部材とで構成し、第1及び第2の部材の双方に、所定の導電パターンが円形に形成された電極面を設け、回転盤のそれぞれの部材と対向した双方の面に、それぞれの面と対向した電極面と接触すると共にその接触位置の回転中心からの距離をそれぞれ異ならせた複数の摺動接点を有する構成としたことで、第1の部材側の電極と第2の部材側の電極とを、回転盤の回転で接触させたり非接触とさせるような処理が可能となり、それぞれの面の導電パターンを適切に選定することで、回転盤の回転やその回転方向を、信頼性を高めて良好に検出できるようになる。
また、第1の部材の電極面に形成された導電パターンは、所定角度毎に導電部と非導電部とを交互に配置したパターンとし、第2の部材の電極面に形成された導電パターンは、全周で複数の摺動接点と接触するパターンとしたことで、第1の部材に形成させた導電パターン上の導電部と非導電部とを配置した角度毎の回転盤の回転が検出できるようになる。
本発明の携帯電話機によれば、携帯電話機が入力手段として備えるロータリーエンコーダの、導電パターン上の磨耗の進行が、各摺動軌跡毎に1つの接点部の摺動だけから引き起こされるようになり、複数の接点部で1つの摺動軌跡を生じさせることがなく、それだけ接点信頼性を向上させることができ、入力手段での入力操作が高い信頼性で行える携帯電話機が得られる。
この場合、携帯電話機に内蔵されたロータリーエンコーダが備える部材として、回転盤を挟んで対向配置された第1の部材と第2の部材とで構成し、第1及び第2の部材の双方に、所定の導電パターンが円形に形成された電極面を設け、回転盤のそれぞれの部材と対向した双方の面に、それぞれの面と対向した電極面と接触すると共にその接触位置の回転中心からの距離をそれぞれ異ならせた複数の摺動接点を有する構成としたことで、第1の部材側の電極と第2の部材側の電極とを、回転盤の回転で接触させたり非接触とさせるような処理が可能となり、それぞれの面の導電パターンを適切に選定することで、携帯電話機の操作手段として操作される回転盤の回転やその回転方向を、信頼性を高めて良好に検出できるようになる。
また、第1の部材の電極面に形成された導電パターンは、所定角度毎に導電部と非導電部とを交互に配置したパターンとし、第2の部材の電極面に形成された導電パターンは、全周で複数の摺動接点と接触するパターンとしたことで、第1の部材に形成させた導電パターン上の導電部と非導電部とを配置した角度毎の回転盤の回転が検出できるようになり、携帯電話機の操作手段としての回転盤の所定角度ごとの回転操作を、信頼性を高めて良好に検出できるようになる。
以下、図1〜図6を参照して本発明の一実施の形態を説明する。本例においては、例えば図5に示した如き携帯電話機に内蔵された操作手段としてのロータリーエンコーダに適用したものである。まず、図5を参照して本例の携帯電話機200の外形形状の構成について説明する。
携帯電話機200は、筐体の表面の中央に、電話番号などを入力するための数字キー11、電話帳機能,留守電機能などの各種機能を選択するための機能キー12等が配置してある。また、携帯電話機200の上部には液晶ディスプレイなどで構成される表示部13が配置してあり、この表示部13に電話番号,通信状態,メールなどが表示される。また、携帯電話装置200には送話口であるマイクロホン14と、受話口であるスピーカ15が配置してある。
また本例の携帯電話機200には、ほぼ中央にロータリーエンコーダ100を配置してあり、ロータリーエンコーダ100の回転盤3の周縁の一部が、筐体の側面の所定箇所201に露出していて、その露出した周縁をユーザが指などで触れることで、回転させる操作が可能である。なお、このようなロータリーエンコーダ100の使い方の代表例としては、例えば表示部13に電話帳機能を表示し、回転盤110を正逆いずれかに回転操作(矢印A方向への回転操作)することで所定の電話番号を検索することができ、例えば電話番号の検索後に回転盤3を矢印Bの方向にプッシュ操作することによって発信操作が可能となる。
図6は、本例の携帯電話機200の内部構成例を示したブロック図である。携帯電話機200は、アンテナ21が内蔵されて、そのアンテナ21が無線処理部22に接続してあり、無線処理部22で無線信号の受信処理及び送信処理が行われる。無線処理部22で受信した信号は、データ処理部23に送られて、受信信号に含まれる信号から必要なデータを抽出する等のデータ処理が行われる。受信した音声データについては、音声処理部24に供給されて、アナログ変換、増幅などの音声処理が行われて、スピーカ15から出力される。マイクロホン14が拾った音声信号については、音声処理部24に供給されて、デジタル変換などの音声処理が行われて、得られた音声データを、データ処理部23に送り、送信用のデータ構成とし、得られた送信データを無線処理部22に送って、無線送信させる。
また、受信してデータ処理部23に得られるデータが、制御データ、電子メール用のデータ、その他の各種データである場合には、中央制御ユニット(CPU)25に送られ、電子メール用のデータなどの表示を行うデータである場合には、その受信データに基づいてCPU25で表示用のデータを生成させて、その表示用のデータを表示部13に送り、表示部13に表示させる。また、携帯電話機200に配置されたキー11,12の操作情報と、ロータリーエンコーダ100の操作情報は、インターフェース部26を介してCPU25に送られ、操作に基づいた各種動作指令を行う。ロータリーエンコーダ100の具体的な操作状態、即ち回転量,回転方向,押下げ操作については、インターフェース部26で判断される。
次に、図1〜図4を参照して、本例の携帯電話機200に操作手段として内蔵されたロータリーエンコーダ100の構成について説明する。図1はロータリーエンコーダ100の表面側を分解して示す斜視図であり、図2は裏面側を分解して示す斜視図であり、図3は第1の部材120を示す平面図であり、図4は第2の部材130を示す平面図である。本例のロータリーエンコーダ100は、従来例として図8,図9に示したロータリーエンコーダ100′と基本的な動作原理や構成は同じであり、本例のロータリーエンコーダ100の回転盤110の構成を、従来例のロータリーエンコーダ100′とは異なる構成としたものである。回転盤110以外の部材については、従来例で説明したロータリーエンコーダ100′と同一構成であるので、基本的に同一符号を付与してある。
以下、本例のロータリーエンコーダ100の構成について説明すると、本例のロータリーエンコーダ100は、回転自在な回転盤110と、その回転盤110の上下に配置された第1の部材120及び第2の部材130とを主要な構成部材としてある。回転盤110については、図示しない回転軸が挿通される透孔111を中心に有し、図5に示したように、回転盤110の周縁の一部が、携帯電話機200の側面の所定箇所201から露出して、携帯電話機を持っているユーザが回転操作できるようにしてある(ここでは図中の矢印Aで示す方向への回転による操作)。図1,図2で上側に示した部材201aは、携帯電話機200の表面側の筐体のロータリーエンコーダ配置箇所の近傍の一部を示す。図1,図2で下側に示した部材201bは、携帯電話機200の裏面側の筐体のロータリーエンコーダ配置箇所の近傍の一部を示す。
回転盤110の表面側(図1での上側)には、例えばある程度弾性力を有する金属板などで構成された摺動接点部材112が配置してある。この摺動接点部材112としては、回転盤110の円周方向に伸びた4本の延長部113,114,115,116が形成してある。ここでは、2本の延長部113,114が近接して配置してあり、この2本の延長部113,114と約180°対向した位置(実際には180°から若干ずれた位置)にも、2本の延長部115,116が近接して配置してある。それぞれの延長部113,114,115,116には、若干突出した形状の接点部113a,114a,115a,116aが形成してあり、組み立てられた状態で、ある程度の圧力を有した状態で第1の部材120側の導電パターンと接触するようにしてある。なお、第1の部材120には、接点部の摺動性向上と界面部保護のためにグリスが塗布してある。
ここで本例の場合には、図1に示すように、4本の延長部113,114,115,116の半径r11,r12,r13,r14は全て変えてある。例えば、半径r11>r13>r12>r14の関係となるようにして、それぞれ数ミリずつ半径を変化させて、後述する導電パターン上の接触面(摺動軌跡)120a,120b,120c,120dが重ならないようにしてある。この場合、導電パターン上のそれぞれの接触面(摺動軌跡)が完全に分離するように、それぞれの半径を異ならせて設定するのが好ましい。
このような摺動接点部材112が配置された回転盤110の表面側と対向する第1の部材120は、ここでは従来例として図8,図9に示した構成の第1の部材120と同じとしてある。即ち本例の第1の部材120は、例えば図2に示すように、2つの導電部122,123が配置してあり、それぞれの導電部122,123による所定の導電パターンが形成してある。ここでの導電パターンとしては、回転盤110の回転軸が挿通される透孔121を中心として、約30°の間隔で導電部ありと導電部なしとが交互に配置される導電パターンとしてあり、約60°毎に6個の導電部122a,122b,122c,123a,123b,123cが配置してあり、第1の導電部122(A相の導電部)と第2の導電部123(B相の導電部)に分かれている。
回転盤110の裏面側(図2での下側)には、例えばある程度弾性力を有する金属板などで構成された摺動接点部材117が配置してある。この摺動接点部材117は、表面側の摺動接点部材112と電気的に導通状態にある。この摺動接点部材117は、回転盤110の円周方向に伸びた2本の延長部118,119が、約180°対向した位置に配置してある。それぞれの延長部118,119には、若干突出した形状の接点部118a,119aが形成してあり、組み立てられた状態で、ある程度の圧力を有した状態で第2の部材130側の導電パターンと接触するようにしてある。なお、第2の部材130には、接点部の摺動性向上と界面部保護のためにグリスが塗布してある。
図2に示すように、中心の透孔111を介して対向する位置関係にある、延長部118と延長部119の半径位置r15及びr16は異なるサイズとしてあり、例えば数ミリ程度変えてあり、後述する導電パターン上の接触面130a,130bが重ならないようにしてある。この場合にも、導電パターン上の2つの接触面(摺動軌跡)が完全に分離するように、それぞれの半径を異ならせて設定するのが好ましい。
このような摺動接点部材117が配置された回転盤110の裏面側と対向する第2の部材130は、ここでは従来例として図8,図9に示した構成の第2の部材130と同じとしてある。即ち本例の第2の部材130は、例えば図1に示すように、円形に全周に導電パターンが形成された導電部132(G相の導電部)が配置してある。
このように構成されたロータリーエンコーダ100が組み立てられた状態では、そのときの回転盤110の回転位置によって、回転盤110の表面側の接点部113a,114aと接点部115a,116aの何れか一方の組の接点部が、導電部122又は123に接触する状態のとき、他方の接点部は、いずれも導電部にも接触しないような位置関係に設定してある。そして、回転盤110を回転させると、A相の導電部と接触した状態と、B相の導電部と接触した状態とが交互に表れるようになる。
また、回転盤110の裏面側の接点部118a,119aについては、回転位置に関係なく、常時導電部132と接触する。
ここで本例のロータリーエンコーダ100の各接点部と導電部との接触状態の例について説明すると、図3は、第1の部材120にA相の導電部122a,122b,122c及びB相の導電部123a,123b,123cが配置された導電パターンと、そのパターン上に接点部113a,114a,115a,116aが接触して形成される円形の接触面120a,120b,120c,120dの様子を破線で示した図である。この図3から判るように、各接点部113a,114a,115a,116aの半径位置r11,r12,r13,r14を数ミリずつ変化させてあるので、それぞれの接点部で形成される接触面120a,120b,120c,120dは全て異なる。換言すると、それぞれの接触面120a,120b,120c,120dは、1つの接点部の接触だけによって形成される状態となっている。
図4は、第2の部材130に形成されたG相の導電部132による導電パターンと、そのパターン上に接点部118a,119aが接触して形成される円形の接触面130a,130bの様子を破線で示した図である。この図4から判るように、各接点部118a,119bの半径位置r15,r16を数ミリずつ変化させてあるので、それぞれの接点部で形成される接触面130a,130bは全て異なる。換言すると、それぞれの接触面130a,130bは、1つの接点部の接触だけによって形成される状態となっている。
このようにして構成される本例のロータリーエンコーダ100は、回転盤110の回転角度位置によって、第1の部材120側のA相の導電部123と第2の部材130側のG相の導電部132とが導通した状態になる場合と、第1の部材120側のB相の導電部124と第2の部材130側のG相の導電部132とが導通した状態になる場合とが交互に表れるようになる。ロータリーエンコーダに接続された回路側で、A相とG相との導通状態、B相とG相との導通状態が交互に検出されることで、回転盤110の一定角度毎の回転を検出できる。また、2つの導通状態が表れる順序などで、回転方向を検出することも可能である。
そして本例においては、回転盤110に取付けた接点部として、本来必要な接点の数の2倍の接点を配置して、接触の安定性を確保する構造としてあるが、図3,図4に示すように、回転盤110に取付けられた接点部との接触で第1,第2の部材120,130の導電パターン上に形成される接触面は、上述したように、それぞれ1つの接点部との接触で形成されるようにしたので、導電パターン上の接触面の磨耗の進行を、従来の同様の構成のロータリーエンコーダ(例えば図8,図9に示した構成のロータリーエンコーダ100′)に比べて、約1/2にすることができ、それだけ接点信頼性や耐久性を向上させることができる。
なお、複数の接点部の回転盤の回転中心からの距離をそれぞれ異ならせる処理は、例えば回転盤の第1の部材に対向する面に設けられる接点部についてのみ講じるのでもよい。これはすなわち、全面が導電領域とされた第2の部材の電極面に対向する面に設けられる接点部は、常に導通状態されるので、例えば接点を球面にして磨耗を軽減することができるが、回転盤の第1の電極面に対向する面に設けられる摺動子については導通・遮断の切り換えのタイミングを精確に得るために接点を鋭角にする必要があり、磨耗が多くなると考えられるためである。
また、上述した実施の形態では、携帯電話機の側面に設けたロータリーエンコーダとして構成したが、携帯電話機の表面などに回転型の操作手段が配置されたロータリーエンコーダとして構成しても良い。即ち、例えば図7に分解して示すように、携帯電話機の表面の筐体の所定箇所201cに、円形の操作摘まみ150を配置可能な凹部201dを形成させ、その凹部201dの中心の透孔201eに、操作摘まみ150の中心軸152を挿通させ、その中心軸152を、ロータリーエンコーダ100の回転盤110と連結させる。円形の操作摘まみ150には、指などで操作し易いような突起151を形成させておく。このような構成とした上で、回転盤110の上下に、第1,第2の部材120,130を配置する。その他の部分については、図1,図2に示したロータリーエンコーダ100と同様に構成して、ロータリーエンコーダ100として組み立てる。
このように構成したことで、筐体の表面に配置された円形の操作摘まみ150を矢印Aで示すように指などで回すことで、図1,図2に示した例と同様にロータリーエンコーダ100の回転盤110を回転させることができ、信頼性の高いロータリーエンコーダが得られる。
また、ここまでの説明では、携帯電話機に内蔵させたロータリーエンコーダの例について説明したが、その他の各種電子機器に内蔵させるロータリーエンコーダを同様の構成としても良い。
100…ロータリーエンコーダ、110…回転盤、111…透孔、112…摺動接点部材、113,114,115,116…延長部、113a,114a,115a,116a…接点部、117…摺動接点部材、118,119…延長部、118a,119a…接点部、120…第1の部材、120a,120b,120c,120d…接触面、121…透孔、122,123…導電部、130…第1の部材、130a,130b…接触面、131…透孔、132…導電部、150…操作摘まみ、200…携帯電話装置
Claims (6)
- 所定の導電パターンが円形に形成された電極面を有する部材と、
前記部材に対して回転可能に取付けられ、前記電極面と接触すると共にその接触位置の回転中心からの距離をそれぞれ異ならせた複数の摺動接点を有する回転盤とを有する
ロータリーエンコーダ。 - 請求項1記載のロータリーエンコーダにおいて、
前記部材として、前記回転盤を挟んで対向配置された第1の部材と第2の部材とで構成し、
前記第1及び第2の部材の双方に、所定の導電パターンが円形に形成された電極面を設け、
前記回転盤のそれぞれの部材と対向した双方の面に、それぞれの面と対向した電極面と接触すると共にその接触位置の回転中心からの距離をそれぞれ異ならせた複数の摺動接点を有する
ロータリーエンコーダ。 - 請求項2記載のロータリーエンコーダにおいて、
前記第1の部材の電極面に形成された導電パターンは、所定角度毎に導電部と非導電部とを交互に配置したパターンとし、
前記第2の部材の電極面に形成された導電パターンは、全周で複数の摺動接点と接触するパターンとした
ロータリーエンコーダ。 - 回転操作が可能なロータリーエンコーダを備えた携帯電話機において、
前記ロータリーエンコーダとして、
所定の導電パターンが円形に形成された電極面を有する部材と、
前記部材に対して回転可能に取付けられ、前記電極面と接触すると共にその接触位置の回転中心からの距離をそれぞれ異ならせた複数の摺動接点を有する回転盤とを有する
携帯電話機。 - 請求項4記載の携帯電話機において、
前記部材として、前記回転盤を挟んで対向配置された第1の部材と第2の部材とで構成し、
前記第1及び第2の部材の双方に、所定の導電パターンが円形に形成された電極面を設け、
前記回転盤のそれぞれの部材と対向した双方の面に、それぞれの面と対向した電極面と接触すると共にその接触位置の回転中心からの距離をそれぞれ異ならせた複数の摺動接点を有する
携帯電話機。 - 請求項5記載の携帯電話機において、
前記第1の部材の電極面に形成された導電パターンは、所定角度毎に導電部と非導電部とを交互に配置したパターンとし、
前記第2の部材の電極面に形成された導電パターンは、全周で複数の摺動接点と接触するパターンとし、
前記回転盤が前記所定角度回転する毎に、そのことを検出して、入力操作が行われる
携帯電話機。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2003-12-10 JP JP2003412282A patent/JP2005172596A/ja active Pending
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