JP2005172184A - スチームトラップ - Google Patents

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Toshiyuki Seki
利行 関
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Abstract

【課題】 出口通路の浸蝕を防止できるスチームトラップを提供する。
【解決手段】 弁孔8と出口6とが同軸に形成されていなくて、弁孔8からの復水流が衝突する鋳造の出口通路4を有するものにおいて、復水流が外側から内側に流入する多数の流入孔17を周壁に有するほぼ円筒形状の耐浸蝕性材料製の弁孔側容器15を弁孔8内に配置し、弁孔側容器15の内側と内側が連通し復水流が内側から外側に流出する多数の流出孔18を周壁に有するほぼ円筒形状の耐浸蝕性材料製の出口通路側容器16を出口通路4内に配置する。弁孔8内の復水流は多数の流入孔17から弁孔側容器15内に流入し、互いに衝突して減速した後、出口通路側容器16内に流入し、多数の流出孔18から分散して出口通路4に流出する。そのため、出口通路4は流速の低下した復水が分散して衝突し、浸蝕されることがない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、蒸気輸送管や蒸気使用機器等の蒸気配管系に発生する復水を自動的に排出するスチームトラップに関する。蒸気配管系においては復水の発生は不可避であり、適宜発生した復水を系外に排出する必要がある。この復水を自動的に排出する装置がスチームトラップと呼ばれる特殊なバルブである。
スチームトラップは、弁部材の駆動原理によって、蒸気と復水の比重差を利用したメカニカルタイプ、蒸気と復水の熱力学的特性差を利用したサーモダイナミックタイプ、蒸気と復水の温度差を利用したサーモスタチックタイプ等に分類されるが、その多くのものは、入口と出口を同一軸上に形成して配管の便を図っている。従来のスチームトラップを実公昭55−33108号公報を参照して説明する。これは、球形の中空フロートを用いたフリーフロート式スチームトラップである。ケーシングで入口と入口室と出口通路と出口が形成されている。ケーシングは材料が低廉であり、複雑な形状を作り易い理由から鋳造される。入口と出口はケーシングの上部に同一軸上に形成されている。入口室と出口通路を連通する弁孔を開けた弁座部材がケーシングの下部に取り付けられている。弁孔と出口とは同一軸上に形成されておらず、出口通路を介して連通している。弁座部材に離着座して弁孔を開閉するフロートが入口室内に自由状態で配置されている。
上記従来のスチームトラップは、弁孔から出口通路に排出される復水が高速流に出口通路の内壁の一部に局所的に衝突するために、比較的短期間に出口通路が浸食される問題点があった。
実公昭55−33108号公報
解決しようとする課題は、出口通路の浸蝕を防止できるスチームトラップを提供することである。
本発明は、弁孔と出口とが同軸に形成されていなくて、弁孔からの復水流が衝突する鋳造の出口通路を有するものにおいて、復水流が外側から内側に流入する多数の流入孔を周壁に有するほぼ円筒形状の耐浸蝕性材料製の弁孔側容器を弁孔内に配置し、弁孔側容器の内側と内側が連通し復水流が内側から外側に流出する多数の流出孔を周壁に有するほぼ円筒形状の耐浸蝕性材料製の出口通路側容器を出口通路内に配置したことを特徴とする。
本発明は、弁孔側容器内で復水流を互いに衝突させて減速させることにより、また出口通路側容器から復水流を分散させて出口通路に流出させることにより、復水流が高速流に出口通路の内壁の一部に局所的に衝突しないので、出口通路の浸蝕を防止することができるという優れた効果を生じる。
本発明のスチームトラップは、復水流が外側から内側に流入する多数の流入孔を周壁に有するほぼ円筒形状の耐浸蝕性材料製の弁孔側容器を弁孔内に配置し、弁孔側容器の内側と内側が連通し復水流が内側から外側に流出する多数の流出孔を周壁に有するほぼ円筒形状の耐浸蝕性材料製の出口通路側容器を出口通路内に配置したものである。そのため、弁孔内の復水流は多数の流入孔から弁孔側容器内に流入し、互いに衝突して減速した後、出口通路側容器内に流入し、多数の流出孔から分散して出口通路に流出する。そのため、出口通路は流速の低下した復水が分散して衝突するので、浸蝕されることがない。
上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する(図1参照)。本実施例はフリーフロート式スチームトラップに適用したものである。鋳造成形された本体1に蓋部材2をボルトで締結して、内部に入口室3と出口通路4を有するケーシングが形成される。本体1の上部に入口5と出口6が同一軸上に形成される。入口室3と出口通路4を隔てる本体1の仕切壁7の下部に入口室3と出口通路4を連通する弁孔8を開けた弁座部材9が取り付けられる。弁座部材9は弁座取付口10から挿入され、弁座取付口10にねじ結合されるプラグ11により保持される。入口5は入口室3の上部に連通され、出口6は入口室3の下部の弁孔8から立ち上がった出口通路4を介して連通される。
弁座部材9を貫通してほぼ円筒形状の容器12が取り付けられる。容器12は容器取付口13から挿入され、上端が出口通路4の頂壁に当接し、容器取付口13にねじ結合されるプラグ14により保持される。弁座部材9とプラグ11と容器12とプラグ14は耐浸蝕性を有するステンレス鋼で作られる。容器12の下部の弁孔8内に位置する部分が弁孔側容器15を形成し、その上方の出口通路4内に位置する部分が出口通路側容器16を形成する。弁孔側容器15と出口通路側容器16は一体に形成せず別体に形成してもよい。弁孔側容器15は周壁に復水流が外側から内側に流入する多数の流入孔17が形成され、出口通路側容器16は周壁に復水流が内側から外側に流出する多数の流出孔18が形成されている。入口室3にステンレス鋼薄板で中空に作った弁手段としての球形フロート19が自由状態で収容される。球形フロート19は外表面が弁座部材9に直接離着座して弁孔8を開閉する。入口室3の下端に球形フロート19が弁孔8を塞いだ位置で球形フロート19を保持するフロート座20が形成される。
上記フリーフロート式スチームトラップの作動は次の通りである。入口5は蒸気使用機器等の復水発生個所に接続する。復水と蒸気が入口室3に流入し、復水が下部に蒸気が上部に分離して溜まる。球形フロート19は入口室3内の液位に従って浮上降下し、弁孔8を開閉する。弁孔8が開口されると、入口室3の復水が弁孔8から多数の流入孔17、弁孔側容器15の内側、出口通路側容器16の内側、多数の流出孔18、出口通路4を通して出口6に排出される。弁孔8内の復水流は多数の流入孔17から弁孔側容器15内に流入し、互いに衝突して減速した後、出口通路側容器16内に流入し、多数の流出孔18から分散して出口通路4に流出する。そのため、出口通路4は流速の低下した復水が分散して衝突し、浸蝕されることがない。
上記実施例ではフリーフロート式スチームトラップを例示したが、本発明はレバーフロート式やフリーバケット式やレバーバケット式あるいはディスク式その他の型式のスチームトラップにも適用できるものである。
本発明のフリーフロート式スチームトラップの断面図。
符号の説明
1 本体
2 蓋部材
3 入口室
4 出口通路
5 入口
6 出口
8 弁孔
9 弁座部材
15 弁孔側容器
16 出口通路側容器
17 流入孔
18 流出孔
19 球形フロート

Claims (1)

  1. 弁孔と出口とが同軸に形成されていなくて、弁孔からの復水流が衝突する鋳造の出口通路を有するものにおいて、復水流が外側から内側に流入する多数の流入孔を周壁に有するほぼ円筒形状の耐浸蝕性材料製の弁孔側容器を弁孔内に配置し、弁孔側容器の内側と内側が連通し復水流が内側から外側に流出する多数の流出孔を周壁に有するほぼ円筒形状の耐浸蝕性材料製の出口通路側容器を出口通路内に配置したことを特徴とするスチームトラップ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007333094A (ja) * 2006-06-15 2007-12-27 Tlv Co Ltd フロート式スチームトラップ
JP2014219105A (ja) * 2014-08-28 2014-11-20 株式会社テイエルブイ フロート式スチームトラップ
WO2016199628A1 (ja) * 2015-06-09 2016-12-15 株式会社テイエルブイ 弁座およびドレントラップ

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