JP2005172145A - ハイブリッド変速機の変速比制御装置 - Google Patents

ハイブリッド変速機の変速比制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】瞬時駆動力制御と非干渉にしつつ、変速比制御側で容易に変速比を安定化させる変速制御トルクを与えると共に、外乱トルク入力時に変速比変動及び駆動力変動を小さく抑えるハイブリッド変速機の変速比制御装置を提供する。
【解決手段】2自由度で少なくとも4回転要素の差動装置に、エンジンE、出力軸OUT、第1モータジェネレータMG1、第2モータジェネレータMG2を別々の回転要素に連結したハイブリッド変速機において、変速比代表量の指令値と実測値との偏差を計算する偏差算出手段と、変速比代表量実測値の変化量から変速比制御操作量前回値を減じて外乱トルク推定値を計算する外乱トルク推定値算出手段と、前記偏差と外乱トルク推定値とに基づき変速比制御操作量を計算する変速比制御操作量算出手段と、前記変速比制御操作量と変速運動での各駆動入力要素の加速度比及び慣性とによって各駆動入力要素トルクの変速比用成分指令値を計算する。
【選択図】図6

Description

本発明は、2自由度で少なくとも4回転要素の差動装置に、エンジン、出力部材、第1モータジェネレータ、第2モータジェネレータを別々の回転要素に連結したハイブリッド変速機の変速比制御装置に関するものである。
従来、2つのモータジェネレータにより変速比を作り出す機構の変速機では、例えば、アクセル操作量を一定に保ったままでの走行時等においてはエンジン回転数を指令値に保つことで変速比の制御を行う。また、アクセル足離し操作等を行うと要求駆動力や車速といった走行状態に応じて変速比を制御しながら減速を行う(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−34154号公報
しかしながら、上記従来のハイブリッド変速機の制御は、変速比制御操作量に応じた入力回転数制御(変速比制御)と、例えば、運動方程式を直接解く方法により、第1モータージェネレータトルクT1と第2モータージェネレータトルクT2とエンジントルクTeの三つのトルクで変速比を安定化させつつ瞬時駆動力を制御するというトルク制御とを分けた上で、エンジンと両モータジェネレータの各動作点(回転数とトルク)を決める制御を採用しているため、トルク制御中に変速比安定化のためのトルク制御と瞬時駆動力を得るトルク制御とが共に含まれ、変速比制御に影響を与えることなく変速比安定化制御と瞬時駆動力制御を行うには、これらの制御間での調整が困難であり、演算処理が複雑になるという問題がある。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、瞬時駆動力制御と非干渉にしつつ、変速比制御側で容易に変速比を安定化させる変速制御トルクを与えることができると共に、外乱トルク入力時に変速比変動及び駆動力変動を小さく抑えることができるハイブリッド変速機の変速比制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、2自由度で少なくとも4回転要素の差動装置に、エンジン、出力部材、第1モータジェネレータ、第2モータジェネレータを別々の回転要素に連結したハイブリッド変速機において、
変速比代表量の指令値と実測値との偏差を計算する偏差算出手段と、変速比代表量実測値の変化量から変速比制御操作量前回値を減じて外乱トルク推定値を計算する外乱トルク推定値算出手段と、前記偏差と外乱トルク推定値とに基づき変速比制御操作量を計算する変速比制御操作量算出手段と、前記変速比制御操作量と変速運動での各駆動入力要素の加速度比及び慣性とによって各駆動入力要素トルクの変速比用成分指令値を計算する変速比用成分指令値算出手段と、前記変速比用成分指令値を各駆動入力要素のトルクアクチュエータに指令する変速比制御指令手段と、を備えた。
よって、本発明のハイブリッド変速機の変速比制御装置にあっては、駆動入力要素トルクの変速比用成分指令値を、変速比制御操作量算出手段により計算された変速比制御操作量と、変速運動での各駆動入力要素の加速度比と、変速運動での各駆動入力要素の慣性と、によって計算することで、共線図上のレバーが出力点を中心として回転することにより変速比が変えられ、しかも、レバー出力点において変速運動に対する車体慣性反力がゼロとなる変速制御トルクが与えられるため、瞬時駆動力制御と非干渉にしつつ、変速比制御側で容易に変速比を安定化させる変速制御トルクを与えることができる。加えて、外乱トルク推定値算出手段からの外乱トルク推定値に基づいて変速比制御操作量を計算し、入力点に作用する外乱として外乱トルクオブザーバを構成しフィードフォワード補償を行うようにしたため、外乱トルク入力時に変速比変動及び駆動力変動を小さく抑えることができる。
以下、本発明のハイブリッド変速機の変速比制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
[ハイブリッド変速機の駆動系]
図1は実施例1の変速比制御装置が適用されたハイブリッド変速機を示す全体システム図である。実施例1におけるハイブリッド変速機の駆動系は、図1に示すように、動力源として、エンジンEと、第1モータジェネレータMG1と、第2モータジェネレータMG2と、を有する。これらの動力源E,MG1,MG2と出力軸OUT(出力部材)とが連結される差動装置は、第1遊星歯車PG1と、第2遊星歯車PG2と、第3遊星歯車PG3と、エンジンクラッチECと、ローブレーキLBと、ハイクラッチHCと、ハイローブレーキHLBと、を有する。
前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2とは、同軸上にステータSとインナーロータIRとアウターロータORを配置した多層モータが適用されている。この多層モータは、ステータSのステータコイルに複合電流(例えば、3相交流と6相交流とを組み合わせた電流)を印加することでインナーロータIRとアウターロータORとを独立に制御するもので、ステータSとアウターロータORにより第1モータジェネレータMG1が構成され、ステータSとインナーロータIRにより第2モータジェネレータMG2が構成される。
前記差動装置を構成する第1遊星歯車PG1と第2遊星歯車PG2と第3遊星歯車PG3は、何れもシングルピニオン型遊星歯車である。前記第1遊星歯車PG1は、第1サンギアS1と、第1ピニオンP1を支持する第1ピニオンキャリアPC1と、第1ピニオンP1に噛み合う第1リングギアR1と、によって構成されている。前記第2遊星歯車PG2は、第2サンギアS2と、第2ピニオンP2を支持する第2ピニオンキャリアPC2と、第2ピニオンP2に噛み合う第2リングギアR2と、によって構成されている。前記第3遊星歯車PG3は、第3サンギアS3と、第3ピニオンP3を支持する第3ピニオンキャリアPC3と、第3ピニオンP3に噛み合う第3リングギアR3と、によって構成されている。
前記第1サンギアS1と前記第2サンギアS2とは第1回転メンバM1により直結され、前記第1リングギアR1と第3サンギアS3とは第2回転メンバM2により直結され、前記第2ピニオンキャリアPC2と前記第3リングギアR3とは第3回転メンバM3により直結される。したがって、3組の遊星歯車PG1,PG2,PG3は、第1回転メンバM1と第2回転メンバM2と第3回転メンバM3と第1ピニオンキャリアPC1と第2リングギアR2と第3ピニオンキャリアPC3との6つの回転要素を有する。
前記差動装置の6つの回転要素に対する動力源E,MG1,MG2と出力軸OUTとエンジンクラッチECと各係合要素LB,HC,HLBの連結関係について説明する。なお、第2回転メンバM2については、これらの何れにも連結されないフリーの状態であり、残りの5つの回転要素が、下記のように連結される。
前記エンジンEのエンジン出力軸は、エンジンクラッチECを介して第3回転メンバM3に連結される。つまり、エンジンクラッチECの締結時には、第3回転メンバM3を介して第2ピニオンキャリアPC2と第3リングギアR3をエンジン回転数にする。
前記第1モータジェネレータMG1の第1モータジェネレータ出力軸は、第2リングギアR2に直結される。また、第1モータジェネレータ出力軸と変速機ケースTCとの間には、ハイローブレーキHLBが介装される。つまり、ハイローブレーキHLBの解放時には、第2リングギアR2を第1モータジェネレータMG1の回転数にする。また、ハイローブレーキHLBの締結時には、第2リングギアR2と第1モータジェネレータMG1の回転を停止する。
前記第2モータジェネレータMG2の第2モータジェネレータ出力軸は、第1回転メンバM1に直結される。また、第2モータジェネレータ出力軸と第1ピニオンキャリアPC1との間には、ハイクラッチHCが介装され、第1ピニオンキャリアPC1と変速機ケースTCとの間には、ローブレーキLBが介装される。つまり、ローブレーキLBのみの締結時には、第1ピニオンキャリアPC1を停止し、ハイクラッチHCのみの締結時には、第1サンギアS1と第2サンギアS2と第1ピニオンキャリアPC1とを第2モータジェネレータMG2の回転数にする。さらに、ローブレーキLBとハイクラッチHCの締結時には、第1サンギアS1と第2サンギアS2と第1ピニオンキャリアPC1とを停止する。
前記出力軸OUTは、第3ピニオンキャリアPC3に直結されている。なお、出力軸OUTからは、図外のプロペラシャフトやディファレンシャルやドライブシャフトを介して左右の駆動輪に駆動力が伝達される。
これにより、図4及び図5に示すように、共線図上において、第1モータジェネレータMG1(R2)、エンジンE(PC2,R3)、出力軸OUT(PC3)、第2モータジェネレータMG2(S1,S2)の順に配列され、遊星歯車列の動的な動作を簡易的に表せる剛体レバーモデルを導入することができる。
ここで、「共線図」とは、差動歯車のギア比を考える場合、式により求める方法に代え、より簡単で分かりやすい作図により求める方法で用いられる速度線図であり、縦軸に各回転要素の回転数(回転速度)をとり、横軸にリングギア、キャリア、サンギア等の各回転要素をとり、各回転要素の間隔をサンギアとリングギアの歯数比に基づいて、共線図レバー比(α、β、δ)になるように配置したものである。ちなみに、図4(a)及び図5(a)に示す(1)は第1遊星歯車PG1の共線図であり、(2)は第2遊星歯車PG2の共線図であり、(3)は第3遊星歯車PG3の共線図である。
前記エンジンクラッチECは、油圧により締結される多板摩擦クラッチであり、図4及び図5の共線図上において、エンジンEとの回転速度軸と一致する位置に配置され、締結によりエンジンEの回転とトルクを差動装置のエンジン入力回転要素である第3回転メンバM3に入力する。
前記ローブレーキLBは、油圧により締結される多板摩擦ブレーキであり、図4及び図5の共線図上において、第2モータジェネレータMG2の回転速度軸より外側位置に配置され、締結により図4の(a),(b)及び図5の(a),(b)に示すようにロー側変速比を分担するロー側変速比モードを実現すると共に、変速比をロー変速比に固定する。
前記ハイクラッチHCは、油圧により締結される多板摩擦クラッチであり、図4及び図5の共線図上において、第2モータジェネレータMG2の回転速度軸と一致する位置に配置され、締結により図4の(d),(e)及び図5の(d),(e)に示すようにハイ側変速比を分担するハイ側変速比モードを実現する。
前記ハイローブレーキHLBは、油圧により締結される多板摩擦ブレーキであり、図3及び図4の共線図上において、第1モータジェネレータMG1の回転速度軸と一致する位置に配置され、ローブレーキLBと共に締結することにより変速比をアンダードライブ側のロー変速比に固定し、ハイクラッチHCと共に締結することにより変速比をオーバードライブ側のハイ変速比に固定する。
[ハイブリッド変速機の制御系]
実施例1のハイブリッド変速機における制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、油圧制御装置5と、統合コントローラ6と、アクセル開度センサ7と、車速センサ8と、エンジン回転数センサ9と、第1モータジェネレータ回転数センサ10と、第2モータジェネレータ回転数センサ11と、第3リングギア回転数センサ12と、を有して構成されている。
前記エンジンコントローラ1は、アクセル開度センサ7からのアクセル開度APとエンジン回転数センサ9からのエンジン回転数Neを入力する統合コントローラ6からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータ(トルクアクチュエータ)へ出力する。
前記モータコントローラ2は、レゾルバによる両モータジェネレータ回転数センサ10、11からのモータジェネレータ回転数N1,N2を入力する統合コントローラ6からの目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、第1モータジェネレータMG1のモータ動作点(N1,T1)と、第2モータジェネレータMG2のモータ動作点(N2,T2)と、をそれぞれ独立に制御する指令をインバータ3(トルクアクチュエータ)へ出力する。なお、このモータコントローラ2からは、バッテリ4の充電状態をあらわすバッテリS.O.Cの情報が統合コントローラ6に対して出力される。
前記インバータ3は、前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2とで共通のステータSのステータコイルに接続され、モータコントローラ2からの指令により複合電流を作り出す。このインバータ3には、力行時に放電し回生時に充電するバッテリ4が接続されている。
前記油圧制御装置5は、統合コントローラ6からの油圧指令を受け、エンジンクラッチECと、ローブレーキLBと、ハイクラッチHCと、ハイローブレーキHLBと、の締結油圧制御及び解放油圧制御を行う。この締結油圧制御及び解放油圧制御には、滑り締結制御や滑り解放制御による半クラッチ制御も含む。
前記統合コントローラ6は、アクセル開度センサ7からのアクセル開度APと、車速センサ8からの車速VSPと、エンジン回転数センサ9からのエンジン回転数Neと、第1モータジェネレータ回転数センサ10からの第1モータジェネレータ回転数N1と、第2モータジェネレータ回転数センサ11からの第2モータジェネレータ回転数N2と、第3リングギア回転数センサ12からのエンジン入力回転速度ωin等の情報を入力し、所定の演算処理を行う。そして、エンジンコントローラ1、モータコントローラ2、油圧制御装置5に対し演算処理結果にしたがって制御指令を出力する。
なお、統合コントローラ6とエンジンコントローラ1、および、統合コントローラ6とモータコントローラ2とは、情報交換のためにそれぞれ双方向通信線14、15により接続されている。
[走行モード]
実施例1のハイブリッド変速機は、変速機の出力軸OUTをエンジン出力軸と同軸上に一致させることができることから、FF車(フロントエンジン・フロントドライブ車)に限らず、FR車(フロントエンジン・リヤドライブ車)に搭載でき、また、無段変速比モードとして1つの走行モードで常用変速比域をカバーするのではなく、ロー側無段変速比モードとハイ側無段変速比モードとに分担して常用変速比域をカバーするようにしているため、2つのモータジェネレータMG1,MG2による出力分担率は、エンジンEが発生する出力の約20%以下に抑えることができるという特徴を持つ。
走行モードとしては、図2に示すように、ロー固定変速比モード(以下、「Lowモード」という。)と、ロー側無段変速比モード(以下、「Low-iVTモード」という。)と、2速固定モード(以下、「2ndモード」という。)と、ハイ側無段変速比モード(以下、「High-iVTモード」という。)と、ハイ固定変速比モード(以下、「Highモード」という。)と、の5つの走行モードを有する。
そして、図2に示すように、前記Lowモードは、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを解放し、ハイローブレーキHLBを締結することで得られる。前記Low-iVTモードは、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを解放し、ハイローブレーキHLBを解放することで得られる。前記2ndモードは、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを解放することで得られる。前記High-iVTモードは、ローブレーキLBを解放し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを解放することで得られる。前記Highモードは、ローブレーキLBを解放し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを締結することで得られる。
これら5つの走行モードについては、エンジンEを用いないで両モータージェネレータMG1,MG2のみで走行する電動車モード(以下、「EVモード」という。)と、エンジンEと両モータージェネレータMG1,MG2を用いて走行するハイブリッド車モード(以下、「HEVモード」という。)とに分けられる。よって、図3に示すように、EVモードとHEVモードとを合わせると「10の走行モード」が実現されることになる。図4にEVモード関連のEV-Lowモードの共線図、EV-Low-iVTモードの共線図、EV-2ndモードの共線図、EV-High-iVTモード(電気自動車無段変速比モード)の共線図、EV-Highモードの共線図をそれぞれ示す。図5にHEVモード関連のHEV-Lowモードの共線図、HEV-Low-iVTモードの共線図、HEV-2ndモードの共線図、HEV-High-iVTモード(ハイブリッド車無段変速比モード)の共線図、HEV-Highモードの共線図をそれぞれ示す。
ここで、統合コントローラ6には、アクセル開度APと車速VSPとバッテリS.O.Cによる三次元空間に、前記「10の走行モード」を割り振った走行モードマップが予め設定されていて、車両の停止時や走行時には、アクセル開度APと車速VSPとバッテリS.O.Cの検出値により走行モードマップが検索され、アクセル開度APと車速VSPにより決まる車両動作点やバッテリ充電量に応じた最適な走行モードが選択される。
前記走行モードマップの選択により、「EVモード」と「HEVモード」との間においてモード遷移を行う場合には、エンジン始動やエンジン停止を要することに伴い、エンジンクラッチECの締結制御やエンジンクラッチECの解放制御、あるいは、これに加え、クラッチ・ブレーキ等の係合要素の締結・解放制御が実行される。また、「EVモード」の5つのモード間でのモード遷移や「HEVモード」の5つのモード間でのモード遷移を行う場合には、クラッチ・ブレーキ等の係合要素の締結・解放制御が実行される。これらのモード遷移制御は、エンジン動作点やモータ動作点の受け渡しが円滑に行われるように、決められた手順にしたがったシーケンス制御により行われる。
次に、作用を説明する。
[変速比制御処理]
図6は実施例1の統合コントローラ6において実行される変速比制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、このフローチャートは、走行中に「EV-High-iVTモード(図4(d))」が選択された場合に開始し、「EV-High-iVTモード」から「HEV-High-iVTモード(図5(d))」にモード遷移し、その後、固定変速比モードに遷移した場合に終了する。
ステップS1では、第3リングギア回転数センサ12からのエンジン入力回転速度ωin等の変速比代表量実測値ωi act[i]を計算し(ただし、i回目の制御計算)、ステップS2へ移行する。
ステップS2では、エンジン入力回転速度指令値等の変速比代表量指令値ωi ref[i]を計算し、変速比代表量指令値ωi ref[i]と変速比代表量実測値ωi act[i]との偏差Error[i]を、下記の式(1)により計算し、ステップS3へ移行する(偏差算出手段)。
Error[i]=ωi ref[i]−ωi act[i] …(1)
ステップS3では、変速比代表量実測値の今回値ωi act[i]と前回値ωi act[i-1]との差に基づいて変速作用トルクを計算し、この変速作用トルクから変速比制御操作量の前回値Ti ref[i-1]を減じた下記の(2)式により、外乱トルク推定値Ti dis[i]を計算し、ステップS4へ移行する(外乱トルク推定値算出手段)。
Ti dis[i]=f(ωi act[i]−ωi act[i-1])−Ti ref[i-1] …(2)
ステップS4では、ステップS2にて計算された偏差Error[i]と、ステップS3にて計算された外乱トルク推定値Ti dis[i]とに基づいて、下記の(3)式により変速比制御操作量Ti ref[i]を計算し、ステップS5へ移行する(変速比制御操作量算出手段)。
Ti ref[i]=Kp(1+1/(τs))Error[i]−Ti dis[i] …(3)
ステップS5では、ステップS4で計算された変速比制御操作量Ti ref[i]と、変速運動でのエンジンEの加速度比1と、変速運動でのエンジン慣性Jeと、によって、下記の式(4)によりエンジントルクTeの変速比用成分指令値dTeを計算し、ステップS6へ移行する(変速比用成分指令値算出手段)。
dTe=1・Je・Ti ref=Je・Ti ref[i] …(4)
なお、エンジンEを用いないEV-High-iVTモードにおいて、エンジントルクTeの変速比用成分指令値dTeは、dTe=0とされる。
ステップS6では、ステップS4で計算された変速比制御操作量Ti ref[i]と、変速運動での第1モータジェネレータMG1の加速度比(α+1)と、変速運動での第1モータジェネレータ慣性J1と、によって、下記の式(5)により第1モータジェネレータトルクT1の変速比用成分指令値dT1を計算し、ステップS7へ移行する(変速比用成分指令値算出手段)。
dT1=(α+1)・J1・Ti ref[i] …(5)
ステップS7では、ステップS4で計算された変速比制御操作量Ti ref[i]と、変速運動での第2モータジェネレータMG2の加速度比(−β)と、変速運動での第2モータジェネレータ慣性J2と、によって、下記の式(6)により第2モータジェネレータトルクT2の変速比用成分指令値dT2を計算し、ステップS8へ移行する(変速比用成分指令値算出手段)。
dT2=(−β)・J2・Ti ref[i] …(6)
ステップS8では、上記処理によって得られた各変速比用成分指令値dTe,dT1,dT2をトルクアクチュエータに出力し、ステップS9へ移行する。
ステップS9では、制御周期終了か否かが判断され、制御周期が終了するまでこの判断が繰り返され、制御周期が終了すると、ステップS10へ移行する。
ステップS10では、HEV-High-iVTモードから固定変速比モードへのモード遷移により変速比制御が終了か否かが判断され、YESの場合は変速比制御を終了し、NOの場合はステップS1へ戻る。
[変速運動モードの制御と変速比制御との関係]
まず、変速運動モードは、図7(a)に示すように、例えば、第1モータジェネレータトルクT1とエンジントルクTeと第2モータジェネレータトルクT2によるレバー回転方向のバランスをとるように、イナーシャの最も大きな出力軸OUTを中心として共線図上のレバーが回転するモードである。
一方、加速運動モードとしては、図7(b)に示すように、例えば、出力軸OUTへの瞬時駆動力を第1モータジェネレータトルクT1と第2モータジェネレータトルクT2とに振り分け、出力軸OUTの回転数を上昇させるように、エンジンEを中心として共線図上のレバーを回転させるモードと、図7(c)に示すように、例えば、出力軸OUTへの瞬時駆動力を第1モータジェネレータトルクT1とエンジントルクTeと第2モータジェネレータトルクT2とに振り分け、出力軸OUTの回転数を上昇させるように、共線図上のレバーを上向きに並進させるモードと、がある。
ここで、図7(a),(b)を対比した場合、共線図上のレバーの回転中心は異なるものの、共線図上のレバーが回転する点では同じであり、変速運動モードと、共線図上のレバーを回転させる加速運動モードとは、互いに非干渉な関係にある。この関係に着目し、トルク制御のうち、瞬時駆動力制御と変速比安定化制御を切り離し、変速比安定化のためのトルク制御を変速比制御に組み入れたのが本発明である。
[外乱トルク補償]
上記変速比安定化トルク制御による変速比制御を採用した場合、例えば、EV-High-iVTモードのままで走行モードが変化しない走行中においては問題ない。しかしながら、EV-High-iVTモードから、エンジンクラッチECの締結によるエンジンEの始動を経過し、HEV-High-iVTモードへモード遷移する場合には、モード遷移過渡期においてエンジン始動時のエンジンクランキングトルクが外乱となり、この外乱トルクで差動装置への入力回転数が落ち込み、変速比がアップシフト側へ変動してしまうという問題がある。
そこで、実施例1では、エンジン使用モードへのモード遷移に伴うエンジン始動時の変速比制御として、図8の制御ブロック図に示すように、第1減算器21において、エンジンクラッチ速度指令値と、電気変速機(=ハイブリッド変速機)を経過した出力をフィードバックしたエンジンクラッチ速度実績値(=第3リングギア回転数センサ12による計測値)と、の偏差を計算する。一方、第2減算器22において、出力フィードバックによるエンジンクラッチ速度実績値の変化量から計算された変速作用トルク(エンジンクラッチ点作用トルク推定値)から、前回の変速比制御操作量を減じて外乱トルク推定値(エンジンクランキングトルク推定値)を計算する。さらに、第3減算器23において、第1減算器21で計算された偏差に基づいて変速比制御器にて計算した定常変速比制御操作量から、前記第2減算器22で計算された外乱トルク推定値を減じて変速比制御操作量を計算する。そして、計算された変速比制御操作量に、各モータジェネレータMG1,MG2における変速運動での加速度比(α+1,−β)を掛け合わせることで、変速運動でのモータ1加速度と、変速運動でのモータ2加速度とを計算し、さらに、各モータジェネレータMG1,MG2における変速運動での慣性(J1,J2)を掛け合わせることで、モータ1トルクの変速比用成分指令と、モータ2トルクの変速比用成分指令と、を計算し、これを電気変速機に入力するようにした。
すなわち、電気自動車走行モードでの変速比制御ループ(入力点回転数フィードバック制御)に外乱オブザーバを追加し、変速比制御操作量(入力点回転数フィードバック制御の操作量)にフィードフォワード補償を加えることにより、エンジン始動する場合の負荷トルクを推定し、変速比・駆動力の変動を小さく抑えるようにした。
ここで、前記外乱オブザーバは、入力点(エンジンクラッチ回転要素)の回転速度を、変速慣性モーメントの逆システム(擬似微分)を通し、入力点への等価変速トルク実績値(変速比制御操作量)を差し引き、残ったものを入力点への外乱変速トルクとして推定する。この外乱変速トルクは、電気自動車走行モードで、エンジンEを始動する(エンジンクラッチECを締結または滑り締結する)ときに、このエンジン始動時のクランキングトルクがこれに該当する。
このように、外乱オブザーバを、全体の力学システムモデルから構成するのではなく、上記のようにエンジン始動時というシーンに特定した外乱トルクオブザーバを構成数rことにより、オブザーバの設計・構成・調整を簡易にすることができる。
[変速比制御作用]
EV-High-iVTモードを選択しての走行時には、図6のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8へと進む流れとなり、外乱トルクがほとんど入力されないことから、ステップS3では、外乱トルク推定値Ti dis[i]がほぼ0とされ、ステップS4では、偏差Errorのみに応じて変速比制御操作量Ti ref[i]が計算される。そして、ステップS5において、エンジントルクTeの変速比用成分指令値dTe=0とされ、ステップS6とステップS7において、ステップS4で計算された変速比制御操作量Ti ref[i]と、変速運動での加速度比(α+1,−β)と、変速運動での慣性(J1,J2)と、に基づいて、第1モータジェネレータトルクT1の変速比用成分指令値dT1と、第2モータジェネレータトルクT2の変速比用成分指令値dT2とが計算され、ステップS8において、各変速比用成分指令値dT1,dT2がトルクアクチュエータに出力される。
次に、EV-High-iVTモードからHEV-High-iVTモードへのモード遷移時であつて、エンジンクラッチECの締結(または、滑り締結)によりエンジンEを始動する時には、図6のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8へと進む流れとなり、エンジンクランキングトルクが外乱トルクとなり、ステップS3では、入力点への外乱トルク推定値Ti dis[i]が計算され、ステップS4では、偏差Errorと外乱トルク推定値Ti dis[i]に基づいて変速比制御操作量Ti ref[i]が計算される。そして、ステップS5において、エンジントルクTeの変速比用成分指令値dTe=0とされ、ステップS6とステップS7において、ステップS4で計算された変速比制御操作量Ti ref[i]と、変速運動での加速度比(α+1,−β)と、変速運動での慣性(J1,J2)と、に基づいて、第1モータジェネレータトルクT1の変速比用成分指令値dT1と、第2モータジェネレータトルクT2の変速比用成分指令値dT2とが計算され、ステップS8において、各変速比用成分指令値dT1,dT2がトルクアクチュエータに出力される。
さらに、エンジン始動後のHEV-High-iVTモードでの走行時には、図6のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8へと進む流れとなり、外乱トルクがほとんど入力されないことから、ステップS3では、外乱トルク推定値Ti dis[i]がほぼ0とされ、ステップS4では、偏差Errorのみに応じて変速比制御操作量Ti ref[i]が計算される。そして、ステップS5とステップS6とステップS7において、ステップS4で計算された変速比制御操作量Ti ref[i]と、変速運動での加速度比(1,α+1,−β)と、変速運動での慣性(je,J1,J2)と、に基づいて、エンジントルクTeの変速比用成分指令値dTeと、第1モータジェネレータトルクT1の変速比用成分指令値dT1と、第2モータジェネレータトルクT2の変速比用成分指令値dT2とが計算され、ステップS8において、各変速比用成分指令値dTe,dT1,dT2がトルクアクチュエータに出力される。
したがって、例えば、エンジン始動後のHEV-High-iVTモードでの走行時には、図9に示すように、共線図上のレバーは、出力軸OUTを回転中心として変速比制御操作量Ti ref[i]に対応して点線位置から実線位置まで回転する変速運動をし、かつ、変速後のレバー位置において、変速比用成分指令値dT1と変速運動に対する第1モータジェネレータ慣性反力とが釣り合い、変速比用成分指令値dTeと変速運動に対するエンジン慣性反力とが釣り合い、変速比用成分指令値dT2と変速運動に対する第2モータジェネレータ慣性反力とが釣り合う。この結果、出力軸OUTの位置では、変速運動に対する車体慣性反力はゼロとなり、変速後のレバー位置で回転方向のトルクバランスがとれて安定した状態、つまり、変速比の安定化フィードバック制御が達成されることになる。
次に、EV-High-iVTモードからHEV-High-iVTモードへのモード遷移時であつて、エンジンクラッチECの締結(または、滑り締結)によりエンジンEを始動する時、外乱トルク補償ゼロとした場合(図10)と、実施例1の外乱補償有りの場合(図11)とを対比する。
外乱トルク補償ゼロとした場合には、図10の外乱トルク特性図に示すように、エンジン始動開始時点で急激な引き込みトルクによるエンジンクランキングトルクが入力されるのに対し、大きな応答遅れを持つフィードバック制御による変速比制御操作量にて対応することになる。したがって、図10の入力回転数特性図に示すように、例えば、エンジンクランキング時の入力回転数落ち込みは、例えば、20[rsd/s](200rpm)と大きく、しかも、入力回転数落ち込み状態が2[sec]の間、継続される。
これに対し、実施例1の外乱補償有りの場合には、図11の外乱トルク特性図に示すように、エンジン始動開始時点で急激な引き込みトルクによるエンジンクランキングトルクが入力されるのに対し、1回の制御周期だけ遅れによる高応答のフィードフォワード補償により外乱トルクが補償され、素早く変速比制御操作量が立ち上がる。したがって、図11の入力回転数特性図に示すように、例えば、エンジンクランキング時の入力回転数落ち込みは、例えば、7[rsd/s](70rpm)と小さく抑えられ、しかも、入力回転数落ち込み状態は0.5[sec]という短い時間にて終了する。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド変速機の変速比制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 2自由度で少なくとも4回転要素の差動装置に、エンジンE、出力軸OUT、第1モータジェネレータMG1、第2モータジェネレータMG2を別々の回転要素に連結したハイブリッド変速機において、変速比代表量指令値と変速比代表量実測値との偏差を計算する偏差算出手段と、変速比代表量実測値の今回値と前回値との差に基づいて変速作用トルクを計算し、この変速作用トルクから変速比制御操作量の前回値を減じて外乱トルク推定値を計算する外乱トルク推定値算出手段と、前記偏差算出手段からの偏差と、前記外乱トルク推定値算出手段からの外乱トルク推定値とに基づいて、変速比制御操作量を計算する変速比制御操作量算出手段と、前記変速比制御操作量算出手段により計算された変速比制御操作量と、変速運動での各駆動入力要素の加速度比と、変速運動での各駆動入力要素の慣性と、によって、前記差動装置に駆動入力している各駆動入力要素トルクの変速比用成分指令値を計算する変速比用成分指令値算出手段と、前記変速比用成分指令値算出手段により計算された各駆動入力要素トルクの変速比用成分指令値を、前記差動装置に駆動入力している各駆動入力要素のトルクアクチュエータに指令する変速比制御指令手段と、を備えたため、瞬時駆動力制御と非干渉にしつつ、変速比制御側で容易に変速比を安定化させる変速制御トルクを与えることができると共に、外乱トルク入力時に変速比変動及び駆動力変動を小さく抑えることができる。
(2) 前記エンジンEと前記差動装置とを連結するエンジン入力系にエンジンクラッチECを設け、前記外乱トルク推定値算出手段は、前記エンジンクラッチECを解放状態としているEV-high-iVTモードからエンジンクラッチECの締結、もしくは、滑り締結を経過してHEV-high-iVTモードへモード遷移するとき、エンジン始動により発生するエンジンクランキングトルク推定値を外乱トルク推定値として算出するため、外乱トルクオブザーバの設計・構成・調整を簡易とすることができる。
(3) 前記変速比用成分指令値算出手段は、EV-high-iVTモードからHEV-high-iVTモードへモード遷移するとき、前記エンジンクラッチECを解放状態としているエンジン始動前のEV-high-iVTモードにおいて、
dT1:dT2=(α+1)J1:(−β)J2
但し、(α+1);第1モータジェネレータMG1の変速運動での加速度比、J1;第1モータジェネレータMG1の変速運動での慣性、(−β);第2モータジェネレータMG2の変速運動での加速度比、J2;第2モータジェネレータMG2の変速運動での慣性
で与えられる比率関係が成立するように第1モータージェネレータトルクT1の変速比用成分指令値dT1と第2モータージェネレータトルクT2の変速比用成分指令値dT2とを計算するため、EV-high-iVTモードを選択しての走行中、瞬時駆動力と非干渉に変速比安定化フィードバック制御を行うことができる。
(4) 前記変速比用成分指令値算出手段は、EV-high-iVTモードからHEV-high-iVTモードへモード遷移するとき、前記エンジンクラッチECを締結状態としたエンジン始動後のHEV-high-iVTモードにおいて、
dT1:dTe:dT2=(α+1)J1:(1)Je:(−β)J2
但し、(α+1);第1モータジェネレータの変速運動での加速度比、J1;第1モータジェネレータの変速運動での慣性、(1);エンジンの変速運動での加速度比、Je;エンジンの変速運動での慣性、(−β);第2モータジェネレータの変速運動での加速度比、J2;第2モータジェネレータの変速運動での慣性
で与えられる比率関係が成立するように第1モータージェネレータトルクT1の変速比用成分指令値dT1とエンジントルクTeの変速比用成分指令値dTeと第2モータージェネレータトルクT2の変速比用成分指令値dT2とを計算するため、HEV-high-iVTモードを選択しての走行中、瞬時駆動力と非干渉に変速比安定化フィードバック制御を行うことができる。加えて、エンジントルクTeも変速比安定化操作量としているので、大振幅動作時の限界性能(変速速度上下限)が大きくなる。
以上、本発明のハイブリッド変速機の変速比制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施例1では、HEV-High-iVTモードとEV-High-iVTモードによる例を示したが、HEV-Low-iVTモードやEV-Low-iVTモードにも適用することができる。この場合、第1モータジェネレータMG1の変速運動での加速度比(Ka)と第2モータジェネレータMG2の変速運動での加速度比(−Kb)が、実施例1とは異なる値に変更されるだけである。
本発明の変速比制御装置を3つのシングルピニオン型遊星歯車により構成された差動装置によるハイブリッド変速機へ適用する例を示したが、2自由度で少なくとも4回転要素の差動装置に、エンジン、出力部材、第1モータジェネレータ、第2モータジェネレータを別々の回転要素に連結したハイブリッド変速機であれば、例えば、ラビニョー型遊星歯車列により構成された差動装置を持つハイブリッド変速機等にも適用することができる。
実施例1の変速比制御装置が適用されたハイブリッド変速機を示す全体システム図である。 ハイブリッド変速機において各走行モードでの3つの係合要素の締結・解放状態を示す図である。 ハイブリッド変速機において電気自動車モードでの5つの走行モードとハイブリッド車モードでの5つの走行モードでのエンジン・エンジンクラッチ・モータジェネレータ・ローブレーキ・ハイクラッチ・ハイローブレーキの各作動表を示す図である。 ハイブリッド変速機において電気自動車モードでの5つの走行モードを示す共線図である。 ハイブリッド変速機においてハイブリッド車モードでの5つの走行モードを示す共線図である。 実施例1の統合コントローラにおいて実行される変速比制御処理の流れを示すフローチャートである。 変速運動モード・変速運動モードと非干渉な加速運動モード・通常の加速運動モードの各共線図レバー動作を示す動作説明図である。 実施例1の変速比制御装置で定速走行中に変速比制御を実行する場合の制御系ブロック図である。 実施例1の変速比制御装置で変速比制御を行った場合の変速比安定化作用説明図である。 実施例1の変速比制御で外乱トルク補償無しの場合のエンジン始動時における入力トルク特性・外乱トルク特性・入力回転数特性を示す図である。 実施例1の変速比制御で外乱トルク補償有りの場合のエンジン始動時における入力トルク特性・外乱トルク特性・入力回転数特性を示す図である。
符号の説明
E エンジン
MG1 第1モータジェネレータ
MG2 第2モータジェネレータ
OUT 出力軸(出力部材)
PG1 第1遊星歯車
PG2 第2遊星歯車
PG3 第3遊星歯車
EC エンジンクラッチ
LB ローブレーキ
HC ハイクラッチ
HLB ハイローブレーキ
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 油圧制御装置
6 統合コントローラ
7 アクセル開度センサ
8 車速センサ
9 エンジン回転数センサ
10 第1モータジェネレータ回転数センサ
11 第2モータジェネレータ回転数センサ
12 第3リングギア回転数センサ

Claims (4)

  1. 2自由度で少なくとも4回転要素の差動装置に、エンジン、出力部材、第1モータジェネレータ、第2モータジェネレータを別々の回転要素に連結したハイブリッド変速機において、
    変速比代表量指令値と変速比代表量実測値との偏差を計算する偏差算出手段と、
    変速比代表量実測値の今回値と前回値との差に基づいて変速作用トルクを計算し、この変速作用トルクから変速比制御操作量の前回値を減じて外乱トルク推定値を計算する外乱トルク推定値算出手段と、
    前記偏差算出手段からの偏差と、前記外乱トルク推定値算出手段からの外乱トルク推定値とに基づいて、変速比制御操作量を計算する変速比制御操作量算出手段と、
    前記変速比制御操作量算出手段により計算された変速比制御操作量と、変速運動での各駆動入力要素の加速度比と、変速運動での各駆動入力要素の慣性と、によって、前記差動装置に駆動入力している各駆動入力要素トルクの変速比用成分指令値を計算する変速比用成分指令値算出手段と、
    前記変速比用成分指令値算出手段により計算された各駆動入力要素トルクの変速比用成分指令値を、前記差動装置に駆動入力している各駆動入力要素のトルクアクチュエータに指令する変速比制御指令手段と、
    を備えたことを特徴とするハイブリッド変速機の変速比制御装置。
  2. 請求項1に記載されたハイブリッド変速機の変速比制御装置において、
    前記エンジンと前記差動装置とを連結するエンジン入力系にエンジンクラッチを設け、
    前記外乱トルク推定値算出手段は、前記エンジンクラッチを解放状態としている電気自動車無段変速比モードからエンジンクラッチの締結、もしくは、滑り締結を経過してハイブリッド車無段変速比モードへモード遷移するとき、エンジン始動により発生するエンジンクランキングトルク推定値を外乱トルク推定値として算出することを特徴とするハイブリッド変速機の変速比制御装置。
  3. 請求項2に記載されたハイブリッド変速機の変速比制御装置において、
    前記変速比用成分指令値算出手段は、電気自動車無段変速比モードからハイブリッド車無段変速比モードへモード遷移するとき、前記エンジンクラッチを解放状態としているエンジン始動前の電気自動車無段変速比モードにおいて、
    dT1:dT2=(Ka)J1:(−Kb)J2
    但し、(Ka);第1モータジェネレータの変速運動での加速度比、J1;第1モータジェネレータの変速運動での慣性、(−Kb);第2モータジェネレータの変速運動での加速度比、J2;第2モータジェネレータの変速運動での慣性
    で与えられる比率関係が成立するように第1モータージェネレータトルクT1の変速比用成分指令値dT1と第2モータージェネレータトルクT2の変速比用成分指令値dT2とを計算することを特徴とするハイブリッド変速機の変速比制御装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載されたハイブリッド変速機の変速比制御装置において、
    前記変速比用成分指令値算出手段は、電気自動車無段変速比モードからハイブリッド車無段変速比モードへモード遷移するとき、前記エンジンクラッチを締結状態としたエンジン始動後のハイブリッド車無段変速比モードにおいて、
    dT1:dTe:dT2=(Ka)J1:(1)Je:(−Kb)J2
    但し、(Ka);第1モータジェネレータの変速運動での加速度比、J1;第1モータジェネレータの変速運動での慣性、(1);エンジンの変速運動での加速度比、Je;エンジンの変速運動での慣性、(−Kb);第2モータジェネレータの変速運動での加速度比、J2;第2モータジェネレータの変速運動での慣性
    で与えられる比率関係が成立するように第1モータージェネレータトルクT1の変速比用成分指令値dT1とエンジントルクTeの変速比用成分指令値dTeと第2モータージェネレータトルクT2の変速比用成分指令値dT2とを計算することを特徴とするハイブリッド変速機の変速比制御装置。
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