JP2005170743A - 有機廃棄物の堆肥化方法及びその堆肥化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 有機廃棄物aを密閉処理槽1に入れ、その処理槽の相対する一方2から空気を供給し、相対する他方3から空気を排出し、この供給側から排出側に向かう空気の流れを交互に切り替えて行い、更に密閉処理槽内の温度に応じて前記空気の供給量を制御し、有機廃棄物の温度を均一にする。
【選択図】 図1
Description
(1)有機材料の大気に晒されている表面部の温度が上がらず、大部分の堆肥化が進みにくい状態におかれる。
(2)内部は空気が流通しにくく、堆肥温度が上がりすぎ過乾燥してしまう。
(3)発生する臭気を大気中に揮散させてしまう。
この結果、水分の偏りや温度分布のバラツキから、有機材料の熟成に長期間を要することになる。また、臭気の揮発による問題を発生させる虞れもある。
これら廃棄物の特性は、枝葉などとは異なり、材料中に分解されやすい成分(これらを易分解性材料という)を多量に含むため、堆肥化過程で急激な分解による多量の熱で著しく高温になったりするが、同じ処理槽内でも空気に触れる量などの相違により、処理槽内に温度差が生じ、全ての生ゴミ等が堆肥化されにくい等の問題がある。又、堆肥化過程において臭気の発生が著しいのもこれら廃棄物の堆肥化を進める上での大きな問題となっている。
その具体的方法は、有機廃棄物を発酵により堆肥化する方法であって、有機廃棄物を密閉処理槽に入れ、その処理槽の相対する一方から空気を供給し、相対する他方から空気を排出し、この供給側から排出側に向かう空気の流れを交互に切り替えて行い、更に密閉処理槽内の温度に応じて前記空気の供給量を制御し、有機廃棄物の温度を均一にすることを特徴とする(請求項1)。
上記密閉処理槽の相対する空気供給側と空気排出側は処理槽の上下に設けるのが好適である。
上記空気の供給側と開放して減圧する側は、上記と同様、密閉処理槽の相対する上下とするのが好適である。
又、前記密閉処理槽における空気の供給部と減圧するための開放部はその場所を固定してもよいが、2ヶ所設け、一方の供給部から空気を供給する時、もう1ヶ所の供給部は閉鎖し、この供給と閉鎖を交互に交代させて行うようにしてもよい(請求項4)。
この場合、相対する2箇所に供給部と開放部とを設けることが好適である。相対する位置に設けることで槽内に一様な空気の流れを容易に生成することができる。
この方法においては、加圧しなくとも相対する開口の一方を閉じ、他方の開口から真空ポンプ等で槽内を減圧し、槽内を負圧にした後、減圧に供した開口を閉鎖し、先に閉鎖していた開口を開放することで、負圧から大気圧に戻ろうとして槽内に一様な空気の流れが生じ、有機廃棄物に一様に空気を供給することが出来る。
上記密閉処理槽に相対して設ける空気の供給/排出手段(通気口)は、該処理槽の上下位置に設けるのが好適である。又、空気の供給/排出手段を交互に切り替える作業は、相対する箇所にそれぞれ空気供給手段と空気排出手段の両手段を設け、相対する一方が空気供給手段を選択している時、他方は空気排出手段が選択されるようにする。空気の供給/排出手段は相対する箇所に1個ずつ設け、その1個を空気弁の切り替えなどで供給と排出の両方に使えるようにしてもよい。
更に、空気の供給/排出手段の切り替えは、時間により定期的に行っても、材料毎に定めた管理スケジュールに従って行うようにしてもよい。
上記密閉処理槽の相対する位置に設ける通気手段(通気口)は、該通気手段を通って導入された空気によどみがなく、それに流れが形成されるように、処理槽の相対する位置に設けるとよい。例えば、縦形の処理槽にあっては、通気手段は上下の位置に設けるのがよい。加圧手段としては、空気ポンプを使用する。
さらに、前記中子の内側に送風機を配置し、風圧で中子内の材料中に空気を送り込むようにしてもよい(請求項11、13)。
そして、上記の加圧/減圧を繰り返し行う請求項3記載の方法により、処理槽内の隅々まで均一な空気の供給と、空気の流れを作ることができ、好気性発酵を効率良く行うことができる。
更に、上記の空気の供給方向を交互に切り替えて行う請求項4記載の方法により、処理槽内の温度差が少なくなるので、全体の発酵(堆肥化速度)を均一にでき、効率良く堆肥化できる。
また、請求項5記載の方法により、単に処理槽内を減圧し、開放して大気圧に復帰させるだけで、有機廃棄物に一様に空気を供給でき、有機廃棄物を効率良く堆肥化させることが出来る。
そして、攪拌装置を備えないため、攪拌装置を備えた従来装置に比べ安価に構成することができる。
又、収容した材料の温度を適正に管理することで、短時間で堆肥化を完了することができる。
更に、処理槽内の温度管理を行って供給する空気の量を決定するので、必要最小限の空気の量で処理することができる。
しかも、処理槽は密閉装置であるため、処理によって発生する臭気が装置外に漏れることはない。
更に、処理槽内の温度に応じて空気の供給量を制御することで、処理槽内の温度を任意にコントロールすることができる。この制御によれば、有機廃棄物の熟成発熱が緩やかな初期においては、微小量の空気を供給することで処理槽内の温度を急激に高めることができ、発熱の著しい時期においては空気の供給量をそれに見合って増やすことにより、異常な温度上昇を防ぐことができる。従って、空気の供給/排出方向の交互切り替えと供給量のコントロールによって、有機廃棄物の堆肥化を短期間で均一に行うことができる。
この操作を繰り返すことで、処理槽内の隅々まで均一な空気の供給と、通気手段(通気口)に向かっての空気の流れを作ることができる。これにより、堆肥化要件である好気性分解を促進、助長できる。更に、空気を供給する通気手段(通気口)を一対の通気手段で交互に切り替えることで、温度差が少なくなるので、堆肥化を均一にできる。特に、この加圧方式は、前記した通常の空気の流れでは有機廃棄物中の通気が悪い、密に収容された有機廃棄物に好適である。
有機廃棄物(堆肥材料)を好気性分解により堆肥化する装置は、密閉構造とした縦形の処理槽の底面と上面に、空気の供給/排出を行う通気手段(通気口)を設け、その上下の通気手段(通気口)に、空気を供給する管路と空気を排出する管路を接続すると共に、前記管路には夫々空気の供給/排出方向を上下切り替える空気弁を取り付ける。更に、空気の供給管路には空気ポンプを取り付け、該空気供給管路の空気弁の切り替えにより、空気の供給を上・下切り替える。又、前記密閉処理槽には該処理槽内の温度を検出する温度センサを取り付け、この温度センサの検出値に基づき空気ポンプの送気量(供給量)をコントロールする。そして、前記空気弁の開閉及び空気ポンプの送気量コントロールは、装置の運転を制御する電子制御で行うようにする。
そして、底面1aと上面1bに1個ずつ開設した通気口2,3で空気の供給と排出を交互に切り替えて行う為、管路4aと管路5a、管路4bと管路5bは合流させて前記通気口2,3に接続されている。尚、密閉処理槽1内において有機廃棄物aの収容部を区画する上下の通気性仕切り部材16,16’は、有機廃棄物aは通り抜けず、空気のみが透過し得るもので、網状物、或いは無数の孔を開設した多孔板等、何れでもよい。従って、通気口2,3から流入した空気は通気性仕切り部材16,16’を介して槽内に一様に広がり、隅々まで空気が流れる。
(1)先ず、密閉処理槽1に有機廃棄物(材料)aを収容し、供給管路4の空気弁8と排出管路5の空気弁11を開き、供給管路4の空気弁9と排出管路5の空気弁10を閉じる。
(2)供給管路4の空気ポンプ6を作動して空気を管路4aから密閉処理槽1の底面1aに開設された通気口2より槽内に供給する。供給された空気は処理槽内の有機廃棄物a内を通り抜け、上面の通気口3側に向かって移動し、通気口3に接続された排出管路5に排出される。供給された空気が有機廃棄物中を通過する過程で、水分の気化熱により熟成熱を奪い、炭酸ガス等の揮発生成物を伴い、供給側と反対側の通気口から排出される空気の流れが形成される(以下、この方式を連続空気流通方式という)。
尚、熟成に伴ってそれ自体が熱を発生する堆肥化工程においては、一方の通気口からだけ空気を供給すると、空気の供給側に近い有機廃棄物aは供給された空気によって冷却されているが、処理槽内を移動する過程で次第に加温されるので、排出側近くで温度が一番高くなるという、槽内に温度勾配が生じる。一旦、温度勾配が生じはじめると、温度の高い部分の熟成は更に加速され、発熱は一層盛んになり、温度勾配は一層大きくなると言う問題がある。
(3)上記の処理槽内の温度の不均一性をなくす為、本装置では空気の供給側と排出側を上下交互に切り替える。切り替えは、時間で定期的に行っても、切り替えスケジュールに基づいて行ってもよい。
空気の供給側を上下交互に切り替えることで、処理槽内の温度を均一化することは可能であるが、任意の温度にコントロールすることはできない。温度を任意にコントロールする為には、本装置では空気の供給速度を、槽内温度に応じて制御することで可能である。
即ち、空気を多く供給すれば、材料に含まれていた水分の蒸発熱で温度は下がり、逆に空気の供給量を減らせば温度は高くなる。
(4)この温度コントロールは、処理槽内の温度を温度センサで測定し、その測定温度に応じて制御手段12で空気ポンプ6の送気量をコントロールすることで制御できる。
この制御によれば、有機廃棄物aの熟成発熱が緩やかな初期においては、微小量の空気を供給することで、処理槽内の温度を急激に高めることができ、発熱の著しい時期においては、空気の供給量をそれに見合って増やすことで、異常な温度上昇を防止できる。
上記操作により、有機廃棄物aを短期間で均一に熟成することができる。
このように有機廃棄物の充填状態に不均一な部分が存在した場合でも、温度を均一に保持できる堆肥化方法を以下に説明する。この方法の実施に使用する堆肥化装置は実施例1で示した装置と同じであるため、図1に基づき説明する。
加圧する設定値は、特別制約はないが、圧力は空気流量にも関係するので、装置に合った強さ(実用的には0.1〜1.0気圧)に設定すればよい。
(2)次に、排出管路5の管路5bの空気弁11を開き空気を排出し、密閉処理槽1内の圧力を除圧する。この操作を所定回数繰り返す。又は、空気弁11を開いて空気を排出し除圧した後、該空気弁11を閉じ、供給管路4の空気弁9を開いて通気口3から空気を送り込み、設定した加圧状態に達した時点で空気弁9を閉じ、排出管路5の空気弁10を開いて除圧する。即ち、空気の供給側を時間で上下切り替えて繰り返し行う(以下、この方式を加圧/減圧方式という)。
即ち、図1に示す密閉処理槽1の通気口2,3の何れか一方(例えば通気口3)を閉じ、他方の通気口2に真空ポンプ(低圧のもので十分)を接続して該処理槽内を減圧し、槽内を負圧にする。その後、真空ポンプを接続した通気口2を閉じ、減圧時に閉じていた通気口3を開放する。それにより、処理槽内は負圧から大気圧に戻ろうとして槽内に一様な空気の流れが生じる。この空気の流れによって槽内の有機廃棄物に一様に空気を供給することができ、結果、有機廃棄物を効率良く堆肥化することができる。
本装置は、密閉処理槽1内に、空気が透過し得る断面略逆U字状に構成した中子13を配置し、その中子13の外側に、有機廃棄物aを空気透過性の袋(例えば、網袋等)14に収容して被せ配置する。
そして、密閉処理槽1の底面と上部に設けた通気口2,3に接続した供給管路4と排出管路5により、前記した連続空気流通方式、または加圧/減圧方式により堆肥化処理することができる。
4…供給管路 5…排出管路
6…空気ポンプ 7…温度センサ
a…有機廃棄物(堆肥化材料) 12…制御手段
13…中子
Claims (13)
- 有機廃棄物を発酵により堆肥化する方法であって、有機廃棄物を密閉処理槽に入れ、その処理槽の相対する一方から空気を供給し、相対する他方から空気を排出し、この供給側から排出側に向かう空気の流れを交互に切り替えて行い、更に密閉処理槽内の温度に応じて前記空気の供給量を制御し、有機廃棄物の温度を均一にすることを特徴とする有機廃棄物の堆肥化方法。
- 有機廃棄物を発酵により堆肥化する方法であって、有機廃棄物を密閉処理槽に入れ、その処理槽の一部から空気を供給して処理槽内を加圧し、該処理槽の一部を開放し、密閉処理槽内を減圧し、有機廃棄物に一様に空気を供給することを特徴とする有機廃棄物の堆肥化方法。
- 前記空気を供給しての加圧と、密閉処理槽の一部を開放しての減圧とを繰り返し行うことを特徴とする請求項2記載の有機廃棄物の堆肥化方法。
- 前記密閉処理槽に空気の供給部を2ヶ所設け、一方の供給部から空気を供給する時、もう1ヶ所の供給部は閉鎖し、この供給と閉鎖を交互に交代させて行うことを特徴とする請求項2又は3記載の有機廃棄物の堆肥化方法。
- 有機廃棄物を発酵により堆肥化する方法であって、有機廃棄物を密閉処理槽に入れ、該処理槽の相対する一方を閉じ、他方から処理槽内の空気を減圧した後、その減圧に供した部分を閉じ、更に前記閉鎖した部分を開き、前記処理槽内圧力を回復させ、前記処理槽内の有機廃棄物に一様に空気を供給することを特徴とする有機廃棄物の堆肥化方法。
- 有機廃棄物を収容する密閉処理槽と、
その密閉処理槽の相対する箇所に設けた空気の供給/排出手段と、
密閉処理槽内の温度を計測する温度センサと、
前記の相対する空気の供給/排出手段を交互に切り替え、更に、空気の供給量を前記温度センサの検出信号に基づき制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする有機廃棄物の堆肥化装置。 - 有機廃棄物を収容する密閉処理槽と、
その密閉処理槽の相対する位置に設けた通気手段と、
前記一方の通気手段を閉鎖し、他方の通気手段から空気の供給を行って密閉処理槽内を加圧する加圧手段とを有し、
前記密閉処理槽内を加圧し、前記閉鎖した通気手段を開放することを特徴とする有機廃棄物の堆肥化装置。 - 前記加圧と開放を繰り返し行うことを特徴とする請求項7記載の有機廃棄物の堆肥化装置。
- 前記加圧空気を供給する通気手段と閉鎖する通気手段を交互に切り替えることを特徴とする請求項7又は8記載の有機廃棄物の堆肥化装置。
- 前記密閉処理槽内に中空で空気透過性部材からなる中子を配置し、その中子に有機廃棄物を収容し、その中子に前記供給手段により空気を供給し、該供給された空気を空気透過性部材を通して通気させることを特徴とする請求項6記載の有機廃棄物の堆肥化装置。
- 前記中子の内側に送風機を配置し、風圧で通気することを特徴とする請求項10記載の有機廃棄物の堆肥化装置。
- 前記密閉処理槽内に中空で空気透過性部材からなる中子を配置し、その中子に有機廃棄物を収容し、その中子に前記加圧手段により加圧空気を供給し、又は閉鎖した通気手段を開放して減圧し、加圧空気又は減圧空気を空気透過性部材を通して通気させることを特徴とする請求項7記載の有機廃棄物の堆肥化装置。
- 前記中子の内側に送風機を配置し、風圧で通気することを特徴とする請求項12記載の有機廃棄物の堆肥化装置。
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- 2003-12-11 JP JP2003413388A patent/JP2005170743A/ja active Pending
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