JP2005170613A - フィルムロールの製造方法 - Google Patents

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好二 黒氏
Shuji Shimizu
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Abstract

【課題】フィルムロール体の製造に際し、適度の空気をかみ込ませながら、巻姿の良好なフィルムロール体を得る。
【解決手段】表面にらせん状溝を有し、溝深さd(mm)と表面エラストマーの硬度H(度)との関係を次式の関係にある接圧ロールを用いることを特徴とするフィルムロールの製造方法。0.25H−10≦d≦0.25H+10,1≦d≦20,20≦H≦70。
【選択図】図1

Description

本発明は、製膜工程で形成された広幅の中間製品の中間ロールから所定幅にスリットされた最終製品の製品ロールを製造するフィルムロールの製造方法に関し、特に接圧ロールにより面圧を付与しながら巻き取るフィルムロールの製造方法に関する。
ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂から成るフィルムは、用途に応じた所定幅で所定長さのロールの形で最終製品として出荷される。そして、このフィルムロールの製造においては良好な巻き姿を得るために、適当な巻取り張力をもって巻き取るとともに、コンタクトロールやメンプルロールなどの接圧ロールによって適当な面圧を付与する方法が、一般に良く知られている。しかし、面圧や張力の条件が不適切でフィルム層間の空気のかみ込み量が多くなりすぎた場合、巻きズレやフィルムロール表層部にくぼみ等の巻き姿欠点が生じる問題がある。
また、面圧や張力の条件が不適切でフィルム層間の空気のかみ込み量が少なくなりすぎた場合は、製品内層に混入した異物やフィルムのすべり不良によって生じた空気だまりによって小さな突起状の欠点(ツブ欠点)が生じたり、フィルムのすべりムラやすべり悪化部に集中的に積層した部位がピラミッド状の成長してピラミッド欠点となってしまう問題がある。これらの欠点は、特に平滑なフィルムからフィルムロールを製造する場合に発生しやすい。
そこで、良好な巻き姿を得るために塗布層に特異的な構造を構築する方法によって、上記した問題を解決することが開示されている(特許文献1)。しかし、用途によっては塗布層を付与できないものもあり、塗布層に特異的な構造を構築する方法が常に適用できるわけではなく、根本的な解決策となっていない。
また、製膜工程でのフィルムの厚み制御におけるフィードバック量を最適化することで良好な巻き姿のフィルムロールを製造する方法が公知である(特許文献2)。しかし、厚みムラ以外にフィルム層間に紛れ込んだ異物などの要因によってツブ欠点やピラミッド欠点が生じる場合もあり、良好な巻き姿を得るために十分な対策にはなっていない。
また、コンタクトロールに溝を設けて空気かみ込み量を適正に制御し、シワやブロッキング現象を解決する方法が公知である(特許文献3、4)。しかし、ツブ欠点やピラミッド欠点の削減に有効な手段としては考えが及んでおらず、また適正なロール形状となっていないためにツブ欠点やピラミッド欠点の削減に十分な対策にはなっていない。
また、ツブ欠点やピラミッド欠点が発生しやすい特性のフィルムからフィルムロールを製造する場合は、面圧を低く設定するなどして軟巻きにすることで、フィルム層間に存在する異物や不均一な空気溜り部分が成長しないようにする対策がよく行われる。しかし、軟巻きにすることで空気のかみ込み量が増加しやすくなり、巻きズレやフィルムロール表層部にくぼみ等の欠点が生じやすくなるという問題があった。すなわち、ツブ欠点が発生しやすい特性のフィルムでは、適正な巻き姿を得るためのプロセスウィンドウが非常に狭いという問題があった。
特開2001−212919号公報([0005]段落) 特開2002−28972号公報([0010]〜[0012]段落) 特開平8−175726号公報([0006]〜[0007]段落) 特開2000−177890号公報([0007]〜[0012]段落)
本発明の目的は、上述のような問題点に鑑み、フィルムロールの製造にあたって、らせん状溝を有した接圧ロールの溝深さと表面硬度を適切にし、フィルム層間の空気かみ込み量をコントロールすることで巻き姿の良好なフィルムロール体を得ることにある。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成からなる。すなわち、
(1)製膜工程で製造されたフィルムを巻き上げて形成された中間ロールからフィルムを巻き戻しつつ、複数の製品幅にスリットして製品ロールを製造するフィルムロールの製造方法において、らせん状の溝を有しており、溝深さd(mm)とロールの表面硬度H(度)が、0.25H−10≦d≦0.25H+10、1≦d≦20、かつ20≦H≦70の関係にある接圧ロールを用いることを特徴とするフィルムロールの製造方法。
(2)ロール軸方向中央部から両端にかけて対称に設けられたらせん状溝を有している接圧ロールを用い、かつ、接圧ロールの回転方向が中央部から端部にエア抜けするように設置されていることを特徴とする(1)に記載のフィルムロールの製造方法。
(3)前記フィルムの少なくとも片面の三次元表面粗さSRa(nm)が50nm以下にあることを特徴とする(1)または(2)に記載のフィルムロールの製造方法。
(4)フィルムロールの表層の巻硬度Hfが100〜1000の範囲にあることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のフィルムロールの製造方法。
(5)接圧ロールのらせん状溝の端部側の傾斜角α(°)と中央部側の傾斜角β(°)が、30≦α≦135、90≦β≦135、かつ160−β ≦αの関係であることを特徴とする(2)〜(4)のいずれかに記載のフィルムロールの製造方法。
(6)接圧ロールの表面積のうち溝部分が占める面積の割合(開孔率P)が0.1〜0.6、かつ、溝幅b(mm)が0.5〜10mmの範囲であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のフィルムロールの製造方法。
(7)らせん状溝のリード角θ(°)の絶対値が5〜45であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のフィルムロールの製造方法。
(8)らせん状溝の端面が曲面加工および/または面取加工されている接圧ロールを用いることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のフィルムロールの製造方法。
により構成される。
本発明によれば、コンタクトロールの表面にらせん状を有し、さらに溝深さd(mm)が1〜20の範囲にあり、かつ、上記ロール表面の硬度H(度)が20〜70の範囲にあり、かつ0.25H−10≦d≦0.25H+10の範囲にあるので、突条が安定して一定量だけ変形し、かみ込んだ空気を適量端部の方向へ移動させ、フィルム層間に紛れ込んだ異物や不均一な空気たまりがツブ欠点の核となることを防ぎ、さらにフィルムロール体へ付与される面圧の幅方向における均一性を保持することができ、巻姿の良好なフィルムロール体を得ることができる。
本発明のフィルムロールの製造方法は、製膜工程で製造されたフィルムを巻き上げて形成された中間ロールからフィルムを巻き戻しつつ、複数の製品幅にスリットする際に、らせん状の溝を有しており、溝深さd(mm)と、ロール表面の硬度H(度)との関係が次式の範囲にある接圧ロールを用いることが必要である。
0.25H−10≦d≦0.25H+10
1≦d≦20
20≦H≦70。
なお、本発明においてらせん状とは、ロール表面に沿ってロールの端から端まで、もしくは、ロール中央から端部まで連続している形状を意味するが、フィルム層間の空気かみ込み量をコントロールし、巻き姿の良好なフィルムロール体が得られる限りにおいては、該形状の一部に不連続の箇所があっても、差し支えはない。
図1に示された、本発明の一実施態様に係る接圧ロール1は、図2に示すように、らせん状溝が中央部から端部に向かって連続して設けられ、らせん状溝にはさまれた部分が突条を形成していることが好ましい。
図1,図4に示すように、フィルムは接圧ロールと接触しながら、矢印A方向に走行する。溝深さd(mm)が1〜20の範囲にあり、かつ、ロール表面の硬度H(度)が20〜70の範囲にあり、かつ0.25H−10≦d≦0.25H+10の範囲にあるので、突条が安定して一定量だけ変形し、フィルムロール体にかみ込んだ空気を適量端部の方向へ移動させ、フィルム層間に紛れ込んだ異物や不均一な空気たまりがツブ欠点の核となることを防ぎ、さらにフィルムロール体へ付与される面圧の幅方向における均一性を保持することができ、巻姿の良好なフィルムロール体を得ることができる。なお、d<1および0.25H−10>dの場合は、突条が変形しにくく、十分なエア排除能が得られくなり、d>20および0.25H+10<dの場合は、突条が変形しすぎ、ロール寿命が短くなってしまう。H<20の場合は、ロールが摩耗しやすく、ロール寿命が短くなってしまい、H>70の場合は、コンタクトロールが振動などを吸収できずにバウンドしやすくなり、良好な巻き姿の製品ロールを得ることが困難となる。さらに好ましい範囲は、溝深さd(mm)が2〜15mmの範囲にあり、かつ、ロールの表面硬度H(度)が30〜60の範囲にあり、かつ0.25H−9≦d≦0.25H+4である。ここで、硬度Hとは、JIS K6301(1980)に規定されているスプリング式硬さ試験(A形)により測定したゴム硬さをいう。
接圧ロールは、振動などを吸収したり、フィルムの幅方向で均一に押圧したりすることができるように、表面がエラストマーで設けられることが好ましい。ここで、エラストマーとはJIS K6900に記載の高分子材料のことをいい、たとえば、NR(天然ゴム)やIR(イソプレンゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、IIR(イソブチレンイソプレンゴム)、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンジエン樹脂)といったゴム材料を使用することができる。
また、らせん状溝がロール軸方向中央部から両端にかけて対称に設けられており、かつ、接圧ロールの回転方向が中央部から端部にエア抜けするように設置されていることも、エア排除能が高まる点で好ましい。ロール中央部においては、フィルムロール体の巻姿不良を生じない程度にらせん状溝を設けないでおくと、接圧ロールの回転振れを測定しやすくなり好ましい。
なお、本発明においてロール軸方向中央部から両端にかけて対称であるとは、図1に示すように、ロール中央(点線部分)を含みロール軸に垂直な平面に対して対称であることを意味するが、前記目的を達成できる限りにおいては、ロール中央からロールのいずれか一方の端部までに属する任意の2つの溝間が略平行であれば差し支えはなく、かつロール中央からロールのいずれか一方の端部までに属する任意の溝のリード角の絶対値(θ1)と、ロール中央からロールの他の一方の端部までに属する任意の溝のリード角の絶対値(θ2)がほぼ同じ(例えば、|θ1−θ2|が、θ1もしくはθ2の10%以下)であれば差し支えは無い。また、中央部にらせん状溝を設けない場合においては、該らせん状溝を設けない箇所が、厳密にロールのセンターに無ければならない訳でもない。
前記フィルムの少なくとも片面の表面粗さSRa(nm)が50nm以下のフィルムを巻き取る場合に、巻き姿の良化する効果が著しい。フィルムの少なくとも一方の表面粗さSRaが20nm以下のフィルムを巻き取る場合は、いっそう巻き姿の良化する効果が著しい。SRaが50nmを超える場合にも、本発明により得られる効果は見られるが、従来技術でもかみ込み量が幅方向に均一になりやすく、本発明の技術を用いる必要性が低くなる。ここでいう三次元表面粗さ(中心面平均粗さ)は、小坂研究所の三次元微細形状測定器(型式ET−30HK)および三次元表面粗さ解析システム(型式MARMEC−3D)を用いを測定した。条件は下記の通りであり、20回の測定の平均値をもって値とした。
・触針の先端半径:0.5μm
・触針の荷重:4mg
・縦倍率:5万倍
・横倍率 :200倍
・カットオフ :0.25mm
・送りピッチ:5μm
・測定長:500μm
・測定面積:0.197mm2
・測定速度:100μm/秒。
製品ロール表層の巻硬度Hfが100以上1000以下であるフィルムロールを製造する場合、上記方法を用いることで、軟巻きにすることなくツブ欠点やピラミッド欠点の発生を抑制でき、歩留まりが良くなる。なお、上述した通り、本発明においてツブ欠点とは、製品内層に混入した異物やフィルムのすべり不良によって生じた空気だまりによって生じる小さな突起状の欠点を意味し、製品内層および表層で確認される。ピラミッド欠点とは、ツブ欠点の大きな欠点に類し、フィルムのすべりムラやすべり悪化部に集中的に積層した部位がピラミッド状の突起になる欠点を意味する。製品ロール表層の巻硬度Hfが300以上700以下であるフィルムロールを製造する場合、いっそう歩留まりが良くなる。ここでいうフィルムロールの巻硬度は、PROCEQ社のPAROtester D形を用いて測定した。フィルムロールの幅方向10点を測定してその平均値を巻硬度Hfとした。
また、らせん状溝の端部側の傾斜角α(°)と中央部側の傾斜角β(°)が
30≦α≦135
90≦β≦135
160−β ≦α
を満たす場合、かみこんだ空気を均一に分布させることができるので、さらに巻き姿の良好なフィルムロールを得ることができる。これは、160−β >αの場合は突条の根元が細くなり、ロールの寿命が短くなってしまい、α>135の場合は、突条が変形しにくくなり、かみ込み空気の排除能力が低くなってしまうためである。α<30の場合は、変形後の溝部の断面積が小さくなりすぎ、β<90の場合は、突条が端部側に動きにくくなり、かみ込み空気の排除能力が低くなってしまうためである。さらに好ましい範囲は、
60≦α≦120
90≦β≦120
180−β ≦α
である。
さらに、接圧ロール表面の開孔率Pが0.1〜0.6、かつ、溝幅b(mm)が0.5〜10mmの範囲にあることが好ましい。これは、開孔率Pが小さすぎる場合はかみこみ空気の排除効果が小さくなり、ツブ欠点やピラミッド欠点が生じやすくなるためであり、開孔率Pが大きすぎる場合は空気のかみこみ量が多くなり、巻きズレ等が生じやすくなるためである。また、溝幅b(mm)が10mmを超える場合は、均一な面圧の付与が不利になり、溝幅b(mm)が0.5mm未満の場合は掃除等のメンテナンスが行いにくくなるためである。さらに好ましくは、Pは0.1〜0.4、bは1〜5mmの範囲にあることである。なお、曲面加工、ないし面取り加工を施している場合、溝幅bは図2,3に示すとおり加工前のロール表層での溝幅を表し、これに基づき開孔率Pの算出がされる。
また、らせん状溝のリード角θ(°)の絶対値が5〜45の範囲にあることが好ましい。ここでリード角θ(°)とは、図2に示すように、接圧ロールの周方向とらせん状溝とのなす角をいい、接圧ロールの周方向を基準として計測する。らせん状溝によって形成された突条は、かみ込んだ空気の一部をフィルムロール体の端部方向へ排除したり、不均一な空気溜り等の成長を抑えたりする効果があり、リード角θ(°)を上記した範囲内とすることにより、その性能が適正化され、空気かみ込み量を適度に調節することができる。リード角θ(°)が5°を下回ると、ロール周方向に計測した溝幅が大きくなる傾向があり、フィルム端部の傾斜溝への落ち込みが発生しやすくなり、フィルムが折れた状態で巻き取りが行われるため、巻き姿が悪化しやすくなるためである。また、45°を超えると、かみ込み空気の排除能が小さくなり、巻きズレ等の巻姿欠点を生じやすくなるためである。リード角θは、その絶対値が幅方向で一定であることが好ましい。リード角θ(°)が、端部にかけて大きくなっていると、フィルムロール体の中心部付近でかみ込んだ空気を端部へ移動させて、フィルムロール体の外部に逃しにくくなる。さらに好ましくは、θ(°)の絶対値は20〜40の範囲にあることである。
また、らせん状溝のエッジが曲面加工(例えば図2)や面取加工(例えば図3)されている場合には、フィルムにらせん状溝の鋭角な部分が接触しにくくなるので、フィルムに擦り傷が発生しにくい良好な品質のフィルムロール体を得ることができる。
実施例、比較例ともに、フィルムの巻取装置(スリッタ)を用いて接圧ロールの性能を評価した。フィルムには、厚み50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用い、巻取速度を200m/分、巻長を5,000m、製品ロール幅を1,000mmとして、ガラス繊維強化樹脂製のコアにフィルムロール体として巻き取った。また、接圧ロールの共通仕様として、外径を150mm、面長を1,300mmとしたものを使用した。
評価は、ツブ欠点、ピラミッド欠点、および巻きズレの発生率をもって行った。巻きズレとは、製品端面が層状にずれたり、表層部の一部がずれる欠点をいう。発生率は、それぞれ10回巻き取りを行ったうちの、各欠点の発生本数をもって算出した。なお、ツブ欠点もしくはピラミッド欠点は、1mm以上の大きさのものが1つでも発生すれば、ツブ欠点・ピラミッド欠点の発生本数にカウントし、巻きズレは、2mm以上のズレが生じれば、巻きズレの発生本数にカウントした。
(実施例1〜15)
それぞれ表1に示す溝深さd、表面硬度H、端部側の溝傾斜角α、中央部側の溝傾斜角β、溝幅d、開孔率P、リード角θの接圧ロールを使用し、巻取り条件は表1に記載の面圧、張力にて、表1に示す三次元表面粗さのフィルムを巻き取った。得られたフィルムロールの巻き硬度および結果を表1にあわせて示す。いずれも、かみ込み空気量均一性が損なわれ、かみ込み空気量が少なすぎる場合に生じるツブ欠点・ピラミッド欠点、かみ込み空気量が多すぎる場合に生じる巻きズレの発生率の和は30%以下に抑えられた。また、実施例4および8では、広いプロセスウィンドウで適正な巻き姿のフィルムロールが得られることが確認できた。
(比較例1〜12)
実施例1と同様に、使用した接圧ロールの仕様と巻取り条件、フィルムの表面粗さを表2に示す。得られたフィルムロールの巻き硬度と結果を表2にあわせて示す。
比較例1では、空気の排除効率のバラツキにより、巻きズレが発生したり、ツブ欠点・ピラミッド欠点が発生したりした。
比較例2では、硬巻きにすることで、巻きズレを抑制できたものの、空気の排除効率が悪いためにツブ欠点・ピラミッド欠点が多発した。
比較例3では、軟巻きにすることで、ツブ欠点・ピラミッド欠点の発生を抑制できたものの、空気のかみこみ量が多いために巻きズレが多発した。
比較例4、5では、コンタクトロールの表面硬度が柔らかいために、エラストマーから発塵し、ツブ欠点・ピラミッド欠点が発生した。また、ロールの寿命が非常に短くなってしまうことも容易に想像される。
比較例6〜8では、d<1または0.25H−10>dの場合であり、突条が変形しにくく、十分なエア排除能が得られくなり、ツブ欠点・ピラミッド欠点が発生した。
比較例9〜11では、d>20または0.25H+10<dの場合であり、突条が変形しすぎ、巻きズレが発生した。また、突状の付け根でわずかな割れも見られた。この点からロールの寿命が短くなってしまうことも想像される。
比較例12では、コンタクトロールが振動を吸収しきれずフィルムロール上でバウンドした際に巻きズレやツブ欠点・ピラミッド欠点が発生した。
Figure 2005170613
Figure 2005170613
本発明は、フィルムロールの製造方法に限らず、紙ロールの製造方法などにも応用することができるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
本発明の一実施態様に係る接圧ロールの概略正面図である。 図1に示す接圧ロールのらせん状溝の一部を示す概略縦断面図である。 本発明の別の実施態様に係る接圧ロールのらせん状溝の一部を示す概略縦断面図である。 図1に示す接圧ロールをフィルムロールの製造に用いたときの一実施態様を示す概略側面図である。
符号の説明
1:接圧ロール
2:突条
3:らせん状溝
4:フィルム
5:フィルムロール体
6:コア
θ:リード角
A:フィルムの走行方向
b:らせん状溝のロール軸方向に計測した溝幅
L:ロール幅
d:らせん状溝の溝高さ
α:らせん状溝の端部側の傾斜角
β:らせん状溝の中央部側の傾斜角
R:曲面加工されたらせん状溝のエッジ
C:面取加工されたらせん状溝のエッジ

Claims (8)

  1. 製膜工程で製造されたフィルムを巻き上げて形成された中間ロールからフィルムを巻き戻しつつ、複数の製品幅にスリットして製品ロールを製造するフィルムロールの製造方法において、らせん状の溝を有しており、溝深さd(mm)とロールの表面硬度H(度)との関係が次式の関係にある接圧ロールを用いることを特徴とするフィルムロールの製造方法。
    0.25H−10≦d≦0.25H+10
    1≦d≦20
    20≦H≦70
  2. ロール軸方向中央部から両端にかけて対称に設けられたらせん状溝を有している接圧ロールを用い、かつ、接圧ロールの回転方向が中央部から端部にエア抜けするように設置されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルムロールの製造方法。
  3. 前記フィルムの少なくとも片面の三次元表面粗さSRa(nm)が50nm以下にあることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルムロールの製造方法。
  4. フィルムロールの表層の巻硬度Hfが100〜1000の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフィルムロールの製造方法。
  5. 接圧ロールのらせん状溝の端部側の傾斜角α(°)と中央部側の傾斜角β(°)が次式の関係であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のフィルムロールの製造方法。
    30≦α≦135
    90≦β≦135
    160−β ≦α
  6. 接圧ロールの表面積のうち溝部分が占める面積の割合(開孔率P)が0.1〜0.6、かつ、溝幅b(mm)が0.5〜10mmの範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフィルムロールの製造方法。
  7. らせん状溝のリード角θ(°)の絶対値が5〜45であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のフィルムロールの製造方法。
  8. らせん状溝の端面が曲面加工および/または面取加工されている接圧ロールを用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のフィルムロールの製造方法。
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