JP2005170547A - 画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、画像記録中において、記録媒体を十分に吸着保持し、画像の乱れを抑制し得る画像記録装置を提供することである。
【解決手段】 画像記録装置1は、記録媒体の幅方向に走査することなく、記録媒体の幅全体に渡って画像記録可能な画像記録手段と、記録媒体を吸着保持し、記録媒体搬送方向に、記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、記録媒体搬送手段の記録媒体搬送速度よりも早い記録媒体搬送速度で、記録媒体を搬送する排出手段と、画像記録手段並びに記録媒体搬送手段との駆動を制御する制御部とを具備している。記録媒体搬送手段は、表面に複数の吸引孔が形成され、当該吸引孔を介して記録媒体を当該表面に吸着した状態で搬送する無端搬送ベルト及び吸引手段を有し、記録媒体の一部が排出手段に到達しているとともに、当該記録媒体に対して画像記録が行われている際の吸着手段の吸引力は、排出手段の記録媒体搬送力より大きく設定されている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、画像記録時に、記録媒体を吸着保持するプラテン部を有している画像記録装置に関している。
画像記録装置は、画像を記録する画像記録部と、記録媒体を搬送する記録媒体搬送部と、画像記録時に前記記録媒体を吸着保持するプラテンとを有している。このような画像記録装置は、記録媒体搬送手段により搬送されている記録媒体を、プラテンが支持し、支持されている記録媒体に対して画像記録部が画像を記録する。このような従来の画像記録装置は、例えば、特許文献1中に開示されている。
特許文献1中の画像記録装置は、プラテンの背後に吸引手段を有している。この吸引手段は、用紙搬送方向に沿って、中央から2つに分割されて、2つのチャンバーを形成している。これらのチャンバーは、内部の負圧を変えることが出来、記録媒体の搬送方向において、上流側のチャンバーは、下流側のチャンバーに対して負圧が強く設定されている。従って、前記上流のチャンバーは、記録媒体の吸着力が下流のチャンバーより強い。記録媒体搬送時に、前記下流のチャンバーに、記録媒体の先端が到達した際に、記録媒体は、プラテンの吸引孔の大部分を覆う。従って、このプラテンは、下流側のチャンバーに記録媒体の先端が搬送された際に、弱い吸引力でも十分に記録媒体を吸着し得る。
特開2001−171188号公報(第2−9頁、 図5)
最近のニーズである高速記録を実現しようとすると、記録媒体の高速搬送を達成する必要がある。これには、記録媒体の搬送手段を構成する搬送ローラ並びに排紙ローラのニップ力並びに回転力を高めることが、必要となってくる。しかしながら、ニップ力並びに回転力を高めると、以下の課題が発生する虞がある。
搬送ローラから搬送された記録媒体は、排紙ローラまで搬送される。記録媒体の先端が排紙ローラに到達した時点では、記録媒体は、依然として画像記録部の記録領域内に存在する。排紙ローラに記録媒体の先端が到達してしまうと、記録媒体の後端付近が記録中にもかかわらず、記録媒体は、排紙ローラによって搬送されてしまう。このように搬送された場合、記録媒体の搬送速度にずれが全くなければ問題は無いが、ずれが発生した場合、記録中に画像のみだれが生じしまう。
上記課題を鑑みて、本発明の目的は、画像記録中において、記録媒体を十分に吸着保持し、画像の乱れを抑制し得る画像記録装置を提供することである。
上記課題を鑑みて、本発明の画像記録装置は、以下のように構成されている。
本発明の一態様の画像記録装置は、記録媒体の幅方向に走査することなく、前記記録媒体の幅全体に渡って画像記録可能な画像記録手段と、前記画像記録手段と対向して配置され、前記記録媒体を吸着保持し、前記記録媒体の幅方向と直交する記録媒体搬送方向に、記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、前記記録媒体搬送手段の前記記録媒体搬送方向下流において、記録媒体搬送手段と隣接し、記録媒体搬送手段からの記録媒体を、記録媒体搬送手段の記録媒体搬送速度よりも早い記録媒体搬送速度で、記録媒体を搬送する排出手段と、前記画像記録手段並びに記録媒体搬送手段との駆動を制御する制御部とを具備し、 前記記録媒体搬送手段は、表面に複数の吸引孔が形成され、当該吸引孔を介して前記記録媒体を当該表面に吸着した状態で搬送する無端搬送ベルト及び吸引手段を有し、記録媒体の一部が前記排出手段に到達しているとともに、当該記録媒体に対して画像記録が行われている際の前記吸着手段の吸引力は、排出手段の記録媒体搬送力より大きく設定されている。
なお、前記画像記録手段は、記録媒体搬送方向において、吐出するインクの色毎に、複数配置されており、記録媒体の一部が前記排出手段に到達した状態における吸引手段の吸着力は、記録媒体搬送方向において、複数の画像記録手段のうち最下流側に配置された画像記録手段の記録領域に、記録媒体が存在する間、前記排出手段の記録媒体搬送力より大きく、記録媒体が搬送され、前記最下流側に配置された画像記録手段の記録領域から記録媒体が外れた後については、前記排出手段の記録媒体搬送力より小さくなるように設定されている。
また、前記吸引手段は、複数の吸引孔を備えたプラテンを有しており、前記プラテンは、画像記録手段に対して、前記無端搬送ベルトを挟んで対向する位置に配置されており、前記吸引手段は、前記プラテン並びに無端搬送ベルトの吸引孔を通じて記録媒体を無端搬送ベルトの表面に吸着保持し、前記プラテンは、記録媒体搬送方向に沿って搬送され、前記最下流側の画像記録手段の記録領域から外れて位置する記録媒体に対する吸着力が、前記排出手段の記録媒体搬送力よりも小さくなるように、吸引孔が構成されている。
また、前記吸引手段は、複数の吸引孔を備えたプラテンを有しており、前記プラテンは、画像記録手段に対して、前記無端搬送ベルトを挟んで対向する位置に配置されており、前記吸引手段は、前記プラテン並びに無端搬送ベルトの吸引孔を通じて記録媒体を無端搬送ベルトの表面に吸着保持し、前記画像記録手段は、記録媒体に対して、記録媒体の画像が記録される記録面における所定記録範囲内に画像を記録し、前記プラテンは、記録媒体搬送方向に沿って搬送され、前記記録範囲が前記最下流側の画像記録手段の記録領域から外れた状態にある記録媒体に対する吸着力が、前記排出手段の記録媒体搬送力よりも小さくなるように、吸引孔が構成されている。
また、前記吸引手段は、前記画像記録手段に対して、前記無端搬送ベルトを挟んで対向する位置に配置されたプラテンと、記録媒体搬送方向に沿って複数に分割されたチャンバーと、各チャンバーに夫々設けられた負圧発生手段と、を有し、前記チャンバーの分割幅及び位置は、記録媒体搬送方向において、前記最下流側の画像記録手段を越えて記録媒体が下流に搬送された後に、その吸着力が前記記録媒体搬送力よりも小さくなるように、設定されている。
また、前記吸引手段は、前記画像記録手段に対して、前記無端搬送ベルトを挟んで対向する位置に配置されたプラテンと、記録媒体搬送方向に沿って複数に分割されたチャンバーと、各チャンバーに夫々設けられた負圧発生手段と、を有し、前記画像記録手段は、記録媒体に対して、記録媒体の画像が記録される記録面における所定記録範囲内に画像を記録し、前記チャンバーの分割幅及び位置は、記録媒体が搬送方向に沿って搬送され、前記記録範囲が前記最下流側の画像記録手段の記録領域を越えた後に、その吸着力が前記記録媒体搬送力よりも小さくなるように、設定されている。
また、前記吸引手段は、前記画像記録手段に対して、前記無端搬送ベルトを挟んで対向する位置に配置されたプラテンと、記録媒体搬送方向に沿って複数に分割されたチャンバーと、各チャンバーに夫々設けられた負圧発生手段と、を有し、前記負圧発生手段は、記録媒体搬送方向において、前記最下流側の画像記録手段を越えて記録媒体が下流に搬送された後に、その吸着力が前記記録媒体搬送力よりも小さくなるように、制御部により出力が制御される。
また、前記吸引手段は、前記画像記録手段に対して、前記無端搬送ベルトを挟んで対向する位置に配置されたプラテンと、記録媒体搬送方向に沿って複数に分割されたチャンバーと、各チャンバーに夫々設けられた負圧発生手段と、を有し、前記画像記録手段は、記録媒体に対して、記録媒体の画像が記録される記録面における所定記録範囲内に画像を記録し、前記負圧発生手段は、記録媒体搬送方向に沿って搬送され、前記記録範囲が前記最下流側の画像記録手段の記録領域から外れた状態にある記録媒体に対する吸着力が、前記記録媒体搬送力より小さくなるように、制御部により出力が制御される。
本発明は、画像記録中において、記録媒体を十分に吸着保持し、画像の乱れを抑制し得る画像記録装置を提供し得る。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
まず、本発明に従った1つの実施の形態について図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態の画像記録装置を示す概略的な側面図である。
本実施の形態の画像記録装置1は、装置フレーム2と、給紙部10と、画像記録機構20と、排出部50と、メンテナンス部60と、インク供給部70と、記録媒体反転部80と、制御部90とを具備している。
まず、装置フレーム2について、図2乃至図4を参照して説明する。
(装置フレーム2)
図2中の装置フレーム2は、給紙部10と、画像記録機構20と、排出部50と、メンテナンス部60と、インク供給部70と、記録媒体反転部80と、制御部90とを支持する。なお、本明細書中において、用語「支持」は、少なくとも1つの他の部材を介して支持対象を支持すること、及び、他の部材を介さず直接支持することを含んでいる。さらに、上記支持は、前記支持対象を、固定、及び、移動並びに回転可能に支えることも含んでいる。
装置フレーム2は、ベースプレート2Pと、給紙側側壁2Fa、2Fbと、排紙側L字側壁2Ba、2Bbと、幅方向連結部2Wa、2Wb、2Wc、2Wdと、長手方向連結部2La、2Lb、2Lc、2Ldと、2つの連結ピン2Aとを有している。なお、この装置フレーム2の説明において、ベースプレート2Pの長手方向における一方の端部側(図2中左下側)を前、他方の端部側(図2中右上側)を後として、説明する。
ベースプレート2Pは、前部側壁2Fa、2Fbと、後部L字側壁2Ba、2Bbとを固定する台である。また、このベースプレート2Pは、これらを固定する上面を有している。また、このベースプレート2Pは、水平な面上に配置された際に、上面が、水平になるように構成されている。
前部側壁2Fa、2Fbは、画像記録装置1を構成する各部を支持するための部材支持部2Fcを有している。また、前部側壁2Fa、2Fbは、部材支持部2Fcと直交する方向に延びるベースプレート接続部2Fdを有している。部材支持部2Fcは、図2中に示されるように、実質的に矩形形状を有している。この部材支持部2Fcは、図3中に示されるようにベースプレート接続部2Fdがベースプレート2Pに固定されることにより、ベースプレート2Pに対して、直交する方向に延びるように配置される。この配置において、部材支持部2Fcの長手方向(図4中上下方向)と直交する方向(幅方向(図4中左右方向))は、ベースプレート2Pの長手方向と平行にされている。なお、前部側壁2Fa、2Fbは、互いに、ベースプレート2Pの幅方向(図4中紙面と直交する方向)において、所定距離離間して、平行に配置されている。
これらの前部側壁2Fa、2Fbにおいて、部材支持部2Fcの幅方向においての片側の端部には、幅方向連結部2Wa、2Wb、及び対応する長手方向連結部2La、2Lb、2Lc、2Ldを取り付けるための複数の接続部を有している。なお、上述の片側の端部は、前部側壁2Fa、2Fbがベースプレート2Pに固定された際に、別の側の端部に対して、ベースプレート2Pにおける後側に位置する。
上述の幅方向連結部2Wa、2Wbは、前部側壁2Fa、2Fbを互いに連結するための支柱である。また、本実施の形態において、上述の接続部には、ねじにより接続を行い得るようにねじ孔が形成されている。また、前部側壁2Fa、2Fbの部材支持部2Fcの夫々には、前記幅方向においての前記接続部側の端部に、対応する後部L字側壁2Ba、2Bbと連結するための連結用孔2Feも設けられている(図2参照)。
さらに、各部材支持部2Fcの接続部は、対応する後部L字側壁2Ba、2Bbとも連結される。本実施の形態において、前部側壁2Faは、長手方向連結部2La、2Lb、及び後部L字側壁2Baの接続部を有しており、前部側壁2Fbは、長手方向連結部2Lc、2Ld、及び後部L字側壁2Bbの接続部を有している。なお、本実施の形態において、これらの接続部は、幅方向連結部2Wa、2Wbのための接続部と同様に、ねじ孔が形成されている。
後部L字側壁2Ba、2Bbは、L字形状に構成されており、L字側壁基部2Bcと、L字側壁延伸部2Bdと、ベースプレート接続部2Beとを有している。
L字側壁基部Bcは、図4中において、左右方向に延びており、L字側壁延伸部2Bdは、上下方向に延びている。また、L字側壁基部2BcとL字側壁延伸部2Bdとは、同一面上に配置されている。L字側壁基部2Bcは、L字側壁延伸部2Bd並びにベースプレート接続部2Beと一体的に構成されている。ベースプレート接続部2Beは、L字側壁基部2Bcの長手方向に沿って延びていると共に、L字側壁基部2Bcに対して直交している。
L字側壁基部Bc並びにL字側壁延伸部2Bdは、図3中に示されるようにベースプレート接続部2Beがベースプレート2Pに固定されることにより、ベースプレート2Pに対して、直交する方向に延びるように配置される。この配置において、L字側壁基部2Bcの長手方向は、ベースプレート2Pの長手方向と平行にされている。さらに、この配置において、後部L字側壁2Ba、2Bbは、ベースプレート2Pの幅方向において、前部側壁2Fa、2Fbと同様に、互いに所定距離離間して平行に配置されている。
L字側壁基部2Bcは、自身の長手方向において、L字側壁延伸部2Bdに対して反対側の端部に、幅方向連結部2Wbを連結するための接続部と、前部側壁2Fa、2Fbの連結用孔2Feと同様な構成の連結用孔2Bgを有している(図2参照)。この接続部は、前部側壁2Faの接続部と同様に、ねじ孔である。連結用孔2Bgは、上述のようにして後部L字側壁2Ba、2Bbがベースプレート2Pに固定された際に、連結用孔2Feと同軸になるように配置が設定されている。即ち、上述のように固定された際に、連結用孔2Fe、2Bgとは、1つの貫通孔を構成する。
2つの連結ピン2Aは、連結用孔2Fe、2Bgの内径と実質的に同一な外径の円柱部を有している。従って、この円柱部の外径は、前記ねじ孔の内径より大きい。連結ピン2Aの夫々は、前述の連結用孔2Fe、2Bgによる貫通孔中に、前記円柱部を挿入することにより、前部側壁2Faと後部L字側壁2Baとの連結、並びに前部側壁2Fbと後部L字側壁2Bbとの連結を行う。上述のように連結用孔2Fe、2Bgの内径と前記円柱部の外径とが実質的に同一であるため、連結ピン2Aによる連結後、後部L字側壁2Ba、2Bbは、対応する前部側壁2Fa、2Fbに対して、連結ピン2Aを介して固定される。
ここで再びL字側壁延伸部2Bdについて説明する。このL字側壁延伸部2Bdは、自身の幅方向おいて、L字側壁基部2Bc側の端部に、幅方向連結部2Wc、2Wdを取り付けるための接続部を有している。上述の幅方向連結部2Wc、2Wdは、後部L字側壁2Ba、2Bbを互いに連結するための支柱である。また、上記接続部は、本実施の形態においてねじ孔である。
また、各L字側壁延伸部2Bdには、L字側壁基部2Bc側の端部に、対応する長手方向連結部2La、2Lb、2Lc、2Ldを接続するための接続部を有している。本実施の形態において、後部L字側壁2Baは、長手方向連結部2La、2Lbとの接続部を有しており、後部L字側壁2Bbは、長手方向連結部2Lc、2Ldとの接続部を有している。この接続部もまた、ねじ孔である。なお、後部L字側壁2Ba、2Bbにおいて、長手方向連結部2La、2Lb、2Lc、2Ldの接続部は、後部L字側壁2Ba、2Bbがベースプレート2Pに固定された際に、ベースプレート2Pの上面と平行になるように、配置が設定されている。具体的には、長手方向連結部2La、2Lb、2Lc、2Ldに対する後部L字側壁2Ba、2Bの接続部は、前記固定時のベースプレート2Pの上面に対する高さが、前部側壁2Fa、2Fbの対応する長手方向連結部2La、2Lb、2Lc、2Ldの接続部と実質的に一致するように、配置が設定されている。この配置において、長手方向連結部2Lb、2Ldは、前記固定時に、ベースプレート2Pの上面と平行になる、キャリッジ支持面2Leを有している。この固定時において、長手方向連結部2Lb、2Ldのキャリッジ支持面2Leは、互いに平行である。
続いて、上記給紙部10について説明する。
(給紙部10)
この給紙部10は、記録媒体トレイ11と、ピックアップローラ12と、レジストレーションローラ対13と、を有している。
記録媒体トレイ11は、少なくとも1枚の記録媒体を収納する記録媒体収容部である。なお、本実施の形態において、記録媒体収容部には、記録媒体として、カットシート状の複数枚の紙が収容されている。なお、この記録媒体収容部には、ロール状の記録媒体を収容し得る構成に代えることも可能である。
ピックアップローラ12は、記録媒体トレイ11中の記録媒体を1枚づつ取り出す記録媒体取り出し機構である。ピックアップローラ12は、装置フレーム2により、回転可能に支持されている。
レジストレーションローラ対13は、ピックアップローラ12により取り出された記録媒体を、画像記録時の搬送方向(記録媒体搬送方向)に対して位置合わせを行う搬送方向調整手段である。このレジストレーションローラ対13は、装置フレーム2により回転可能に支持されている。なお、本明細書中において、記録媒体搬送方向に沿った軸心をY軸(図1中左右方向)とする。また、画像記録時の記録媒体の画像が形成される面(画像形成面)において、前記Y軸と直交する軸心をX軸(図1中紙面と直交する方向)とする。さらに、前記X並びにY軸と直交する軸心をZ軸(図1中上下方向)とする。従って、本実施の形態において、レジストレーションローラ対13は、記録媒体の幅方向をX軸と実質的に一致させるとともに、記録媒体の幅方向と直交する方向をY軸と一致させる。また、このレジストレーションローラ対13は、位置合わせ後の記録媒体を、画像記録機構20に搬送する記録媒体搬送部である。このレジストレーションローラ対13のうちの一方のローラは、後述する画像記録機構20により回転可能に支持されており、他方のローラは、ユーザーが操作可能なレバーにより回転可能に支持されている。なお、本実施の形態において、レジストレーションローラ対13において、図1中の上方に示されている一方のローラは、従動ローラであり、下方に示されている他方のローラは、駆動ローラである。
このレジストレーションローラ対13は、ピックアップローラ12からの記録媒体を確実に搬送し得るように、前記記録媒体搬送方向において、ピックアップローラ12に対して、記録媒体の寸法以内の位置に配置されている。この構成により、搬送中の記録媒体は、先端がレジストレーションローラ対13に到達した際においても、後端がピックアップローラ12にニップされた状態にされ得る。従って、レジストレーションローラ対13は、少なくとも記録媒体の先端をニップするまでの間、ピックアップローラ12により記録媒体の搬送が補助され得る。
なお、本明細書中において、ピックアップローラにより取り出された記録媒体が、画像記録機構20まで搬送される経路を、給紙搬送路と呼ぶ。上記構成により、この給紙搬送路は、前記記録媒体搬送方向に沿って、ピックアップローラ12から、給紙部10と画像記録機構20との境界まで延びている。
なお、上述のピックアップローラ12と、レジストレーションローラ対13とは、図示しない共通の駆動力伝達系に接続されており、この駆動力伝達系から駆動力が提供される。駆動力伝達系は、図示しないモータが接続されており、このモータの駆動に従って、駆動する。また、このモータには、エンコーダが接続されており、回転数を検出し得る。なお、前記モータ並びにエンコーダは、制御部90に接続されており、制御部90により駆動が制御され得る。この駆動力伝達系は、制御部90に接続されており、制御部90の命令に従って駆動する。また、これらのローラは、クラッチにより夫々が前記駆動力伝達系に対する接続を解除自在に構成されている。さらに、各クラッチは、制御部90に接続されており、制御部90によりon/offが制御される。また、本実施の形態において、これらのローラは、X軸回りに回転可能に構成されている。
また、給紙部10は、図26中に示されるように、前記給紙搬送路上において、ピックアップローラ対12とレジストレーションローラ対13との間に、ピックアップセンサ14aと、レジストセンサ14bとを有している。ピックアップセンサ14a並びにレジストセンサ14bとは、給紙搬送路上の所定位置に、記録媒体が存在するかどうか検出する検出手段である。レジストセンサ14bは、記録媒体搬送方向において、ピックアップセンサ14aより下流側に配置されている。ピックアップセンサ14a並びにレジストセンサ14bは、制御部90に接続されており、検出結果を制御部90に送る。
続いて、画像記録機構20について説明する。
(画像記録機構20)
画像記録機構20は、プラテン部30と、画像記録部40とを有している。まず、プラテン部30について、図1並びに図5を参照して説明する。なお、図5は、プラテン部30を示す概略的な上面図である。
[画像記録機構20のプラテン部30]
プラテン部30は、給紙部10から送られてきた記録媒体を、画像記録時に搬送する搬送装置である。このプラテン部30は、図1中に示されるように、プラテンベルト31と、複数のプラテンベルトローラ32と、プラテンフレーム33と、プラテン吸引部34と、プラテン駆動部36と、を具備している。
プラテンベルト31と、複数のプラテンベルトローラ32とは、協働して、記録媒体をY軸に沿って運ぶためのベルトコンベヤーを構成している。本実施の形態において、プラテンベルト31は、無端ベルトである。なお、プラテンベルト31と、プラテンベルトローラ32とは、記録時の紙の搬送方向を設定する。つまり、プラテンベルト31と、プラテンベルトローラ32とは、全体に渡って、記録媒体をY軸に沿って搬送し得るように、組み立てられている。なお、図5中において、プラテンベルト31は、説明のためにY軸において略半分のみ示されている。
複数のプラテンベルトローラ32は、プラテンベルト31と画像記録部40との対向する領域において、プラテンベルト31がX並びにY軸と平行になるように、プラテンベルト31を支持している。なお、記録媒体は、前記領域において、プラテンベルト31により搬送される。このため、前記領域を、プラテン記録媒体搬送領域と呼び、図1中において、参照符号31cで指摘している。また、プラテンベルトローラ32の少なくとも1つには、プラテンベルトローラ32を回転させるためのベルトローラ駆動モータ32aが接続されている。また、Y軸においての両端に配置されたプラテンベルトローラ32と、Z軸において対向する位置に、従動ローラが配置されており、記録媒体の浮き上がりを防止している。
また、ヘッド制御パルスを生成するエンコーダは、モータ駆動されているプラテンベルトローラ32とは反対側のプラテンベルトローラ32(図1中左側に図示されているプラテンベルトローラ)に設けられている。また、ベルトローラ駆動モータ32aにはモータの駆動を制御するためのモータ制御エンコーダが設けられている
また、ベルトローラ駆動モータ32aには、このベルトローラ駆動モータ32aの回転数を計測するための、ローラ用エンコーダ32bが接続されている。なお、ベルトローラ駆動モータ32a並びにローラ用エンコーダ32bは、制御部90に接続されている。
なお、Y軸において、プラテン記録媒体搬送領域の上流で、画像記録機構20と対向しない位置に、画像幅検知手段37(図26参照)が配置されている。言い換えると、画像幅検知手段37が、プラテン記録媒体搬送領域において、画像を記録する画像記録領域より上流に配置されている。画像幅検知手段37は、本実施の形態において、CCDカメラであり画像記録前に、記録媒体搬送方向と直交する方向においての記録媒体の寸法(記録媒体の幅寸法)を検出する。この画像幅検知手段37は、制御部90と接続されており、検出結果を制御部90に送る。
また、本実施の形態において、画像幅検知手段37は、プラテン部30の幅全体に渡って延びており、図26中に示されるように、上流側の従動ローラと隣接して配置されている。この配置により、画像幅検知手段37は、従動ローラとプラテンベルトローラ32との間から排出された記録媒体が浮き上がった場合、記録媒体の先端と当接し、プラテンベルト31側に、記録媒体を案内し得る。従って、画像幅検知手段37は、記録媒体の浮き上がりを防止し得る。
また、プラテンベルト31の幅(X軸に沿った寸法)は、画像記録に用いられる記録媒体の最大の幅以上に設定されている。即ち、画像記録装置1がA3の記録媒体に対する記録に対応している場合、プラテンベルト31の幅は、A3の記録媒体の幅以上に設定される。プラテンベルト31には、全体に渡って均一に配置された複数の吸引孔31aが設けられている。また、プラテンベルト31の下方には、当該プラテンベルトを平面的に支持するプラテンフレーム33が設けられている。
プラテンフレーム33は、プラテンベルトローラ32を回転可能に支持するとともに、プラテン吸引部34を保持している。このプラテンフレーム33は、画像記録部40と対向するプラテンフレームヘッド対向面33aを有している。このプラテンフレームヘッド対向面33aは、X並びにY軸に沿った面と平行であり、プラテンベルト31と対向する領域全体に渡って、Y方向に延在する複数の溝33dが形成されている。各溝33dの略中央部には、後述する対応するプラテンチャンバー35a、35b、35cに貫通する対向面孔33eが設けられている。
また、プラテンフレームヘッド対向面33aには、プラテンベルト31と対向しない領域(非プラテン領域)に、画像記録部40との位置合わせのためのプラテンガイド孔33bを有している。本実施の形態において、プラテンガイド孔33bは、記録媒体の搬送方向において上流側と、下流側とに、夫々1つづつ設けられている。図5中において、上流側のプラテンガイド孔33bを参照符号33b_1で指摘し、下流側のプラテンガイド孔を参照符号33b_2で指摘している。
上流側のプラテンガイド孔33b_1のX並びにY軸に沿った断面形状は、略円形を有している。下流側のプラテンガイド孔33b_2は、X軸において、プラテンガイド孔33b_1に対して、反対側の非プラテン領域に配置されている。このプラテンガイド孔33b_2は、プラテンガイド孔33b_1の径と同一の幅であるが、この幅を超える長手方向の寸法を有している長孔である。このプラテンガイド孔33b_2の長手方向は、X軸に対して傾斜している。本実施の形態において、プラテンガイド孔33b_2の長手方向は、X軸に対して約45度の角度を有している。
プラテンフレーム33は、プラテン駆動部36を案内するための一対のプラテン駆動部ガイド33cを2組有している。これらのプラテン駆動部ガイド33cは、Z軸において、プラテンフレームヘッド対向面33aに対して反対側に設けられている。また、一対のプラテン駆動部ガイド33cは、図5中に示されるように、Y軸において、夫々プラテンフレーム33の両端部に設けられている。この一対のプラテン駆動部ガイド33cは、X軸において、互いにプラテンフレーム33の両端部に設けられている。各プラテン駆動部ガイド33cは、X並びにY軸に沿ったガイド面を有しており、プラテンフレーム33の端部から所定距離延びている。
プラテン吸引部34は、プラテンフレームヘッド対向面33aに負圧を発生させるための負圧発生装置である。このプラテン吸引部34は、プラテンフレームヘッド対向面33aに対して反対側において、プラテンフレーム33に固定されている。このプラテン吸引部34は、図6中に示されるように、複数のプラテンチャンバーを有している。なお、図6は、プラテン吸引部34を示す概略的な上面図である。
本実施の形態の図6中において、プラテン部30における記録媒体の搬送方向に沿って、第1乃至第3プラテンチャンバー35a、35b、35cが、設けられている。より具体的には、第1プラテンチャンバー35aは、記録媒体の搬送方向に沿った軸(Y軸)において、給紙部10と隣接する位置に設けられている。Y軸において、第1プラテンチャンバー35aの設けられている領域は、画像記録が行われない導入エリアである。
第3プラテンチャンバー35cは、Y軸において、排出部50と隣接する位置に設けられている。第3プラテンチャンバー35cの設けられている領域は、Y軸において、画像記録が行われない排出エリアである。第1並びに第3プラテンチャンバー35a、35cは、Y軸において、実質的に同一な寸法を有している。
第2プラテンチャンバー35bは、Y軸において、第1並びに第2プラテンチャンバー35a、35cの間に配置されており、第1並びに第3プラテンチャンバー35a、35cより大きい寸法を有している。第2プラテンチャンバー35bの設けられている領域はは、Y軸において画像記録部40が画像記録を行う記録エリアである。
なお、第1乃至第3プラテンチャンバー35a、35b、35cは、X軸において、同一の幅寸法を有している。これらのプラテンチャンバー35a、35b、35cの幅寸法は、プラテンベルトの幅と実質的に同一若しくはそれ以上の寸法を有している。
これらの、第1乃至第3プラテンチャンバー35a、35b、35cは、夫々、自身のチャンバー内を負圧にするためのプラテンチャンバー負圧発生源34aを有している。プラテンチャンバー負圧発生源34aは、例えばファンなどの公知の負圧発生手段であり、第1プラテンチャンバー35aに2つ、第2並びに第3プラテンチャンバー35b、35cに1つづつ配置されている。なお、各プラテンチャンバー35a、35b、35cは、プラテンフレーム33の対向面孔33eのみで開口している。このため、各プラテンチャンバー35a、35b、35cは、プラテンチャンバー負圧発生源34aの負圧により、対向面孔33eから空気を吸引し、プラテンベルト31を介して、搬送中の記録媒体を吸引し得るように構成されている。従って、この対向面孔33eは、記録媒体を吸引するための吸引孔である。各プラテンチャンバー負圧発生源34aは、制御部90に接続されており、制御部90により駆動が制御される。
なお、第1並びに第3プラテンチャンバー35a、35b、35cの吸引力は、容積と、負圧発生源の個数並びに吸引能力とにより決定される。第1プラテンチャンバー35aは、上記構成により、第2並びに第3プラテンチャンバー35b、35cより強い吸引力を発生し得るように構成されている。この第1プラテンチャンバー35aの吸引力は、給紙部10から送られてきた記録媒体を浮き上がらせることなく吸着し得るように設定されている。
第3プラテンチャンバー35cは、上記構成により第2プラテンチャンバー35bより強い吸引力を発生し得るように構成されている。この第3プラテンチャンバー35cの吸引力は、排出部50に記録媒体の一部が搬送された場合においても、排出部50による記録媒体の搬送力に抗して記録媒体を吸着保持し得る吸引力に設定されている。言い換えると、第3プラテンチャンバー35cは、排出部50の記録媒体の搬送力より、強い吸着力を発生させ、プラテンベルト31に記録媒体を吸着させる。この吸着保持により、プラテン部30は、吸着した記録媒体を、定速搬送する。言い換えると、この吸着保持中において、記録媒体は、排出部50の搬送力によりずらされることなく、プラテンベルト31の移動に伴って移動される。
第2プラテンチャンバー35bの吸引力は、上記構成により、画像記録時に、記録媒体が浮き上がらないように記録媒体を吸着保持し得るように、設定されている。
プラテン駆動部36は、プラテンフレーム33をZ軸(図1中上下方向)に駆動させるための駆動装置である。プラテン駆動部36は、プラテンフレーム33の下方に位置しており、プラテンフレーム33を下方から支持している。このプラテン駆動部36は、一対のプラテン駆動部回転軸36aと、4つのプラテン支持部36bとを有している。
このようにプラテン部30において、プラテンフレーム33、第1乃至第3プラテンチャンバー35a、35b、35c、及びプラテンチャンバー負圧発生源34aとは、搬送する記録媒体を吸着保持するための吸引手段を構成している。
一対のプラテン駆動部回転軸36aは、図1中に示されるように、Y軸において互いに対向するように、プラテン部30のY軸における両端部に配置されている。より具体的には、一方のプラテン駆動部回転軸36a(図1中左側)と他方のプラテン駆動部回転軸36a(図1中右側)とは、互いにY軸において対向しており、これらは、プラテン部30のY軸における両端の下方に位置している。
各プラテン駆動部回転軸36aは、X軸に沿って延びており、X軸回りに回転する。より具体的には、各プラテン駆動部回転軸36aは、X軸において、プラテンフレーム33の両端部に配置されたプラテン駆動部ガイド33cと対向するように、X軸に沿った寸法を有している。これら一対のプラテン駆動部回転軸36aは、プラテン駆動部ベルト36cにより互いに回転力を伝達し得るように接続されている。また、一対のプラテン駆動部回転軸36aの一方には、プラテン駆動部モータ36dが接続されている。このプラテン駆動部モータ36dの回転により、プラテン駆動部ベルト36cが回転し、一対のプラテン駆動部回転軸36aは、互いに同期して回転され得る。このプラテン駆動部モータ36dは、制御部90に接続されており、制御部90により駆動が制御される。
また、各プラテン駆動部回転軸36aには、X軸において、上記両端部のプラテン駆動部ガイド33cに夫々に対応した位置に、プラテン支持部36bが固定されている。従って、プラテン支持部36bは、各プラテン駆動部回転軸36a毎に、2つ設けられている。各プラテン支持部36bは、プラテン支持部36bの半径方向に延びている。各プラテン支持部36bは、一端が上述のように、プラテン駆動部回転軸36aに固定されており、他端がプラテン駆動部ガイド33cと当接している。従って、4つのプラテン支持部36bは、プラテン駆動部回転軸36aの回転に従って、プラテン駆動部ガイド33cに沿って摺動し得る。
上記構成により、プラテンフレーム33は、プラテン駆動部ガイド33cにおけるプラテン支持部36bの当接位置により、Z軸の位置が変化する。従って、プラテンフレーム33は、プラテン駆動部回転軸36aの駆動に従ってZ軸において上下する。なお、プラテンフレーム33は、プラテン支持部36bがZ軸と平行に配置された際に、Z軸においての最上部位置に配置される。なお、この最上位置において、プラテンベルト31のプラテン記録媒体搬送領域31cが、給紙部10からの記録媒体の搬送位置に設定されるように、プラテン支持部36bのZ軸における長さが設定されている。なお、プラテン駆動部ガイド33cのY軸においての長さは、Z軸においての所定に位置までプラテンフレーム33を下げられるように、設定されている。
続いて、画像記録部40について説明する
[画像記録機構20の画像記録部40]
画像記録部40は、記録媒体に対してインクを吐出するためのインク吐出装置である。
この画像記録部40は、複数のインクヘッド列41と、キャリッジ42と、ヘッド冷却部49とを具備している。
まず、インクヘッド列41について説明する。
{画像記録部40のインクヘッド列41}
インクヘッド列41は、画像を記録するための画像記録手段の集合である。このインクヘッド列41は、各色毎に設けられており、使用される記録媒体の最大の幅と同一、又はそれ以上の寸法に渡って延びている。なお、本実施の形態の画像記録部40は、図1中に示されるように、ブラック(K)、シアン(c)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の合計4つのインクヘッド列を有している。なお、図1中の画像記録部40において、説明のために、各インクヘッド列41を示す参照符号には、対応する色を示す添え字(上記K、C、M、並びにY)が加えられている。
これらのインクヘッド列41は、図7中に示されるように、キャリッジ42に支持されている。図7は、キャリッジ42に取り付けられたインクヘッド列41を示す概略的な上面図である。なお、図7中において、説明のために、4つのインクヘッド列41のうち1つのインクヘッド列41は、省略されている。各インクヘッド列41は、後で詳述する複数のインクヘッドユニット43を、これらの長手方向を互いに一致させて列状に配置することにより構成されている。このインクヘッド列41は、画像記録に用いられる記録媒体の幅全体に渡って画像を記録し得るように、前記記録媒体の幅寸法以上の長手方向の寸法を有している。即ち、画像記録装置1がA3の記録媒体に対する記録に対応して場合、インクヘッド列41の幅は、A3の記録媒体の幅以上に設定される。本実施の形態において、インクヘッド列41は、図7中に示されるように、6つのインクヘッドユニット43により、構成されている。なお、インクヘッド列41を構成するインクヘッドユニット43の個数は、使用される記録媒体の幅寸法に合わせて、変更し得る。なお、図7中において一点鎖線で囲まれた領域HAが、図8中に示されている。
つづいて、キャリッジ42について説明する。
{画像記録部40のキャリッジ42}
キャリッジ42は、インクヘッド列41が取り付けられるヘッド取付部42aと、インクヘッド列41を記録媒体に対して露出するためのキャリッジ孔42Bと、位置調整部42I、42Jと、プラテン部30を位置合わせするためのキャリッジ位置合わせピン42cと、一対の給紙ローラ連結部42dと、フレーム当接フランジ42hを具備している。
まず、ヘッド取付部42aについて説明する。
<キャリッジ42のヘッド取付部42a>
このヘッド取付部42aは、インクヘッド列41が取り付けられるヘッド取付面42fと、このヘッド取付面42fに対して反対側の面である記録媒体対向面42g(図10参照)とを有している。この記録媒体対向面42gは、画像記録時に記録媒体と対向する面である。このヘッド取付部42aは、長手方向と、幅方向とを有している。このヘッド取付部42aには、図7中に示されるように、インクヘッド列41の長手方向と、ヘッド取付部42aの幅方向とが実質的に一致するように、各インクヘッド列41が配置される。なお、これらのインクヘッド列41は、ヘッド取付部42aの長手方向に沿って、隣接するインクヘッド列41に対して距離D2(図7参照)離間するように、配列される。なお、本明細書中において、ヘッド取付部42aの長手方向並びに幅方向とは、キャリッジ42の長手方向並びに幅方向とも呼ぶ。なお、本実施の形態を説明する上で、キャリッジ42の長手方向は、Y軸に沿っており、幅方向は、X軸に沿っているものとする。
続いて、キャリッジ孔42Bについて説明する。
<キャリッジ42のキャリッジ孔42B>
キャリッジ孔42Bは、インクヘッド列41の個数だけ、ヘッド取付部42aに設けられている。本実施の形態において、キャリッジ孔42Bは、4つ設けられている。各キャリッジ孔42Bは、各インクヘッドユニット43を露出し得る大きさの露出用孔42Baを、複数連結して構成されている。各露出用孔42Baは、インクヘッド列41が位置合わせされた際に、各インクヘッドユニット43に対応した位置に配置される。本実施の形態においては、各キャリッジ孔42Bは、6つの露出用孔42Baを連結して構成されている。従って、各キャリッジ孔42Bは、X軸に沿ってに延びている。従って、各露出用孔42Baの長手方向もまた、X軸と実質的に一致している。また、これらのキャリッジ孔42Bは、上述のインクヘッド列41の配置を達成し得るように、Y軸に沿って、所定間隔で配列されている。また、各インクヘッド列41を構成するインクヘッドユニット43は、図10中に示されるように、このキャリッジ孔42BからZ軸に沿って距離D1突出するように、ヘッド取付部42aに吊り下げられる。なお、上述のように、互いに隣接するインクヘッド列41は、距離D2離間している。このため、互いに隣接するインクヘッド列41の間には、Y軸に距離D2、Z軸に距離D1で、X軸に沿って延びるスペースS(図1参照)が形成されている。なお、図1中には、図面簡略化のために、スペースSが一つのみ描かれている。このスペースSは、図1中において、2点鎖線で囲まれている領域である。
続いて、位置調整部42I、42Jについて説明する。
<キャリッジ42の位置調整部42I、42J>
位置調整部42I、42Jは、インクヘッドユニット43の位置調整を行うための位置調整手段であり、図8中に示されるように、ヘッド取付面42f上において、各露出用孔42Ba毎に配置されている。位置調整部42I、42Jは、位置調整ねじ42Ia、42Jaと、位置調整ガイド部42Ib、42Jbと、位置調整付勢部42kとを有している。
位置調整ねじ42Ia、42Jaは、図8中に示されるように、各露出用孔42Baの長手方向(X軸)において、所定距離離れた位置に配置されている。特に、位置調整ねじ42Iaは、各露出用孔42Baの幅方向(Y軸)において、実質的に中央に配置されている。また、位置調整ねじ42Jaは、各露出用孔42Baの幅方向において、中央から所定距離離間した位置に配置されている。各位置調整ねじ42Ia、42Jaは、上述の位置において、ヘッド取付部42aに設けられたねじ孔に螺合している。また、上記配置において、位置調整ねじ42Iaは、図8中に示されるように、インクヘッドユニット43と、X軸において対面する。また、位置調整ねじ42Jaは、インクヘッドユニット43と、Y軸において対面する。
位置調整ガイド部42Ib、42Jbは、図8中に示されるように、位置調整ねじ42Ia、42Jaの回転を側方から案内する手段である。位置調整ガイド部42Ib、42Jbは、夫々対応する位置調整ねじ42Ia、42Jaがインクヘッドユニット43と対面する方向において、インクヘッドユニット43に対して反対側から、前記対応する位置調整ねじ42Ia、42Jaと当接する。より具体的には、位置調整ガイド部42Ibは、X軸において、インクヘッドユニット43に対して反対側から位置調整ねじ42Iaと当接する。位置調整ガイド部42Jbは、Y軸において、インクヘッドユニット43に対して反対側から位置調整ねじ42Jaと当接する。なお、位置調整ガイド部42Ib、42Jbは、位置調整ねじ42Ia、42Jaの回転を案内し得るように、対応する位置調整ねじ42Ia、42Jaと当接する部分を、図8中に示されるように、V字形状に構成している。各V字形状の部分は、ヘッド取付面42fに対して、直交する方向(Z軸)に延びている。
位置調整付勢部42kは、インクヘッドユニット43を付勢する付勢手段である。この位置調整付勢部42kは、配置されたインクヘッドユニット43の中央を挟んで、位置調整部42I並びに42Jの反対側に設けられている。具体的には、位置調整付勢部42kは、X軸において位置調整部42Iに対して反対側でかつ、Y軸において位置調整部42Jに対して反対側の位置に配置されている。この位置調整付勢部42kは、上述のようにしてヘッド取付部42aに取り付けられたインクヘッドユニット43を、位置調整部42I、42Jに向けて付勢する。具体的には、この位置調整付勢部42kは、インクヘッドユニット43を、X並びにY軸の両方に沿って、位置調整部42I、42Jに向けて付勢する。
続いて、キャリッジ位置合わせピン42cについて説明する。
<キャリッジ42のキャリッジ位置合わせピン42c>
キャリッジ位置合わせピン42cは、図9中に示されるように、記録媒体対向面42gから突出している。キャリッジ位置合わせピン42cは、画像記録機構20とプラテン部30とが画像記録時の位置(画像記録配置)に配置された際、プラテン部30のプラテンガイド孔33b中に挿入可能に構成されている。より具体的には、キャリッジ位置合わせピン42cは、プラテンガイド孔33bと同数設けられており、プラテンガイド孔33bと対向する位置に配置されている。本実施の形態において、キャリッジ位置合わせピン42cは、上流側のプラテンガイド孔33b_1と、下流側のプラテンガイド孔33b_2と、対向する位置に設けられている。特に、下流側のプラテンガイド孔33b_2と対向するキャリッジ位置合わせピン42cは、キャリッジ42の長手方向と、プラテン部30の長手方向とが一致している際に、下流側のプラテンガイド孔33bのX軸並びにY軸における中央に位置するように、配置されている。また、各キャリッジ位置合わせピン42cは、プラテンガイド孔33bに挿入し得る長さを有している。さらに、また、各キャリッジ位置合わせピン42cは、プラテンガイド孔33bと実質的に同一の外径を有している。なお、各キャリッジ位置合わせピン42cの先端は、テーパー状(先細り形状)に形成されている。
続いて、給紙ローラ連結部42dについて説明する。
<キャリッジ42の給紙ローラ連結部42d>
一対の給紙ローラ連結部42dは、図7並びに図9中に示されるように、X軸においてのヘッド取付部42aの両側部に、互いに対向するように固定されている。なお、給紙ローラ連結部42dは、ヘッド取付部42aと一体的に構成されることも可能である。一対の給紙ローラ連結部42dは、レジストレーションローラ対13の一方のローラ(図9中において下方のローラ)の軸受である一対の給紙ローラ軸受42eを有している。言い換えると、一対の給紙ローラ連結部42dは、夫々給紙ローラ軸受42eを有しており、これら給紙ローラ軸受42eにより、前記一方のローラの軸受を構成している。なお、図1中においては、給紙ローラ連結部42dは、図面簡略化のために省略されている。
一対の給紙ローラ軸受42eは、図7中に示されるように、ヘッド取付部42aの幅方向において、互いに対面するように、設けられている。この一対の給紙ローラ軸受42eは、上述のように、レジストレーションローラ対13の一方のローラの回転中心を、ヘッド取付部42aの幅方向に設定している。このため、レジストレーションローラ対13による記録媒体の搬送方向は、ヘッド取付部42aの長手方向に設定される。従って、ヘッド取付部42aの長手方向は、前記記録媒体の搬送方向であるY軸と平行に設定され得る。また、ヘッド取付部42aの幅方向は、X軸と一致される。
また、給紙ローラ軸受42eは、装置フレーム2により回転可能に支持されている。このため、キャリッジ42は、給紙ローラ軸受42eの軸心回りに回動可能である。言い換えるとキャリッジ42は、X軸を中心に回動可能である。
続いて、フレーム当接フランジ42hについて説明する。
<キャリッジ42のフレーム当接フランジ42h>
フレーム当接フランジ42hは、キャリッジ42が装置フレーム2により支持されるための被支持部である。このフレーム当接フランジ42hは、図7中に示されるように、X軸においてのヘッド取付部42aの両側部から突出している。各フレーム当接フランジ42hは、X並びにY軸に平行に構成されている。フレーム当接フランジ42hは、キャリッジ42が装置フレーム2に取り付けられた際に、装置フレーム2のキャリッジ支持面2Le上に載る。従って、装置フレーム2のキャリッジ支持面2Leが水平である場合、キャリッジ42は、フレーム当接フランジ42hをキャリッジ支持面2Leに当接させることにより、自身の長手方向並びに幅方向を水平にし得る。即ち、この場合、X軸並びにY軸が、水平面上を通るように、設定される。
続いて、各インクヘッド列41の各インクヘッドユニット43について詳しく説明する。
<インクヘッド列41のインクヘッドユニット43>
インクヘッドユニット43は、少なくとも1つのインクジェットヘッド44により構成されている。本実施の形態において、インクヘッドユニット43は、図8並びに図10中に示されるように、2つのインクジェットヘッド44により構成されている。なお、図8は、インクヘッドユニット43を示す概略的な上面図である。図10は、図8中のインクヘッドユニット43の切断線A−Aに沿った断面図である。
また、インクヘッドユニット43は、図8中に示されるように、キャリッジ42に取り付けるためのヘッドユニットフレーム45A、45Bをさらに有している。
まず、各インクジェットヘッド44の構成について説明する。
《インクヘッドユニット43のインクジェットヘッド44》
各インクジェットヘッド44は、図8並びに図10中に示されるように、圧電体46と、ヘッドベースプレート44bと、ノズルプレート47と、ヘッドインク分配部48とを有している。
まず、圧電体46について説明する。
『インクジェットヘッド44の圧電体46』
圧電体46は、インクに対して吐出するための力(吐出力)を印加する吐出力印加手段である。この圧電体46は、図11中に示すように、複数の圧電体溝46aが形成されている溝形成面46bと、ノズルプレート47が取り付けられるノズルプレート取付面46cとを有している。ノズルプレート取付面46cは、溝形成面46bに対して直交する方向に延びている。図10中において、溝形成面46bは、上下方向に延びており、ノズルプレート取付面46cは、左右方向に延びている。
各圧電体溝46aは、溝形成面46b上に配置されており、この溝形成面46b上に開口した溝形成面側開口を有している。また、各圧電体溝46aは、溝形成面46bに沿った面内において圧電体46の長手方向と直交する方向(幅方向)(図11中上下方向)に沿って、延びている。また、これらの圧電体溝46aは、圧電体46の長手方向(図11中左右方向)に沿って、所定のピッチP(図12参照)で配置されている。この圧電体溝46aの一端は、ノズルプレート取付面46cで開口している。なお、圧電体溝46aの他端は、前記幅方向において、ノズルプレート取付面46cと反対側の面まで達していない。なお、図の簡略化のために図示しないが、各圧電体溝46aは、自身の他端から、前記幅方向に沿って、ノズルプレート取付面46c上を延びるノズル電極を有している。各ノズル電極は、図10中に示されるようなフレキシブル基板43dを介して、制御部90に接続されている。なお、これらの圧電体溝46aには、制御部90からフレキシブル基板43d並びにノズル電極を介して選択的に駆動電圧が印加され得る。本実施の形態において、駆動電圧が印加された圧電体溝46aは、内壁を駆動させ、自身の体積を変化させる。圧電体46は、この体積変化により、圧電体溝46a中のインクに対して、吐出力を印加し得る。
続いて、ヘッドベースプレート44bについて説明する。
『インクジェットヘッド44のヘッドベースプレート44b』
ヘッドベースプレート44bは、圧電体46を保持する保持具である。本実施の形態において、このヘッドベースプレート44bは、アルミにより構成されており、圧電体46の冷却を補助するヒートシンクの役目を果たし得る。このヘッドベースプレート44bは、平板状に構成されている。このヘッドベースプレート44bは、圧電体46を保持する圧電体保持面(図10中左側の面)と、前記圧電体保持面と実質的に直交するノズル側ベースプレート面44d(図10中下側の面)とを有している。このヘッドベースプレート44bは、自身の長手方向(図10中上下方向)において、ノズル側ベースプレート面44dよりもノズルプレート取付面46cが飛び出るように、圧電体46を保持する。なお、ノズルプレート取付面46cと、ノズル側ベースプレート面44dは、前記長手方向においては位置が異なるが、実質的に平行になるように配置が設定される。
続いて、ノズルプレート47について説明する。
『インクジェットヘッド44のノズルプレート47』
ノズルプレート47は、図11中に示されるように、圧電体46のノズルプレート取付面46cに取り付けられ、このノズルプレート取付面46c全体を覆っている。ノズルプレート47の長手方向は、圧電体46に取り付けられた際、圧電体46の長手方向と実質的に一致している。このノズルプレート47には、インクの吐出口である複数のノズル47aが形成されている。各ノズル47aは、圧電体46の圧電体溝46aと対応する位置に配置されており、圧電体溝46aと連通している。これらのノズル47aは、図12中に示されるように、ノズルプレート47の長手方向に沿って、所定のピッチPで配置され、ノズル列を構成している。このピッチPは、画像の記録密度に合わせて設定される。例えば、本実施の形態においては、1つのインクジェットヘッド44が、180dpiの画像を記録し得るように、ピッチPが設定されている。この場合、ピッチPは、約0.14mmに設定される。また、各ノズル47aは、本実施の形態においては、各圧電体溝46a毎に、1つづつ形成されているが、数量において限定されない。なお、本実施の形態において、インクジェットヘッド44は、実質的にZ軸に沿ってインクを吐出するように設定されている。従って、本実施の形態の各ノズル47aは、記録時に記録媒体と対向するように配置され、実質的にZ軸に沿ってインクを吐出し得るように構成されている。
また、このノズルプレート47は、画像記録時に記録媒体と対向するノズル形成面47d(図10中下側の面)を有しており、このノズル形成面47dには、撥水処理が施されている。さらに、このノズルプレート47には、図10並びに図11中に示されるように、ノズルプレートカバー47bで覆われている。このノズルプレートカバー47bは、ノズル列と対向する位置に、カバー孔47cを有している。このカバー孔47cは、実質的にノズルプレートの長手方向全体に渡って延びており、ノズル47aの径より大きい幅を有している。従って、ノズルプレートカバー47bは、ノズル列並びにその近傍を外部に露出するように、ノズルプレート47を覆っている。なお、本実施の形態において、このノズルプレートカバー47bは、ノズルプレート47より撥水性の低い材質により構成されている。
続いて、ヘッドインク分配部48について説明する。
『インクジェットヘッド44のヘッドインク分配部48』
ヘッドインク分配部48は、インク供給部70と接続されており、インク供給部70からのインクを各圧電体溝46aに分配する分配手段である。このヘッドインク分配部48は、ヘッド分配部チューブ48aと、インク小容器48bと、インク分配板48cと、を有している。
ヘッド分配部チューブ48aは、インク供給部70からのインクをヘッドインク分配部48に供給するためのインク流路である。このヘッド分配部チューブ48aの一端は、インク供給部70と接続されており、他端が、インク小容器48bに接続されている。
インク小容器48bは、ヘッド分配部チューブ48aの他端が接続される接続プラグを有している。インク小容器48bは、前記接続プラグを介して流入されるインクを収容する。インク小容器48bは、インク分配板48cに固定されている。
インク分配板48cは、全ての圧電体溝46aの溝形成面側開口を覆うように、圧電体46の溝形成面46bに固定されている。従って、インク分配板48cは、溝形成面46bと直交する方向(図10中において左右方向)において、インク小容器48bと、圧電体46との間に配置される。このインク分配板48cは、図10並びに図11中に示すように、圧電体46の長手方向に沿って延びるインク室48dを有している。このインク室48dは、各圧電体溝46aの他端部と対面している。また、このインク室48dは、インク小容器48b並びに全ての圧電体溝46aと連通している。このインク室48dは、インク小容器48bからのインクを貯留し、各圧電体溝46aに分配する。なおこのインク室48dは、圧電体溝46aとともに、画像記録時に用いられるインクを貯留するインク室である。
上述のように構成されたインクジェットヘッド44は、図10中に示されるように、他のインクジェットヘッド44と、張り合わされて、インクヘッドユニット43を構成している。この張り合わせにおいて、2つのインクジェットヘッド44は、互いのヘッドベースプレート44bを張り合わせている。このようして組み立てられたインクジェットヘッド44において、互いのノズルプレート47のノズル形成面47dは、図10中に示されるように、実質的に同一面上に位置するように、設定される。これとともに、ヘッドベースプレート44bのノズル側ベースプレート面44dは、図10中に示されるように、互いに実質的に面一になるように配置されている。このヘッドベースプレート44bの配置により、図10中に示されるように、ノズル側ベースプレート面44dと2つの圧電体46とにより、ガイド溝44eが形成されている。このガイド溝44eは、実質的にインクジェットヘッド44の長手方向全体に渡って延びており、後述するメンテナンス部60のメンテナンス吸引部61Aの移動を案内する。
また、インクヘッドユニット43が組立られた際、これを構成する各インクジェットヘッド44のノズル列は、図12中に示されるように、互いに平行に設定される。また、一方のインクジェットヘッド44のノズル列は、他方のインクジェットヘッド44のノズル47aに対して、ノズル47aのピッチPの半分だけ、ノズル47aの配列方向に沿ってずらされている。このため、インクヘッドユニット43は、各インクジェットヘッド44が180dpiで構成されている場合、インクジェットヘッド44に対して倍の360dpiで、画像を記録し得る。
上述のように構成されたインクヘッドユニット43は、図8中に示されるように、イこのヘッドユニットフレーム45A、45Bにより、キャリッジ42に支持されている。
以下で、ヘッドユニットフレーム45A、45Bについて説明する。
《インクヘッドユニット43のヘッドユニットフレーム45A,45B》
2つのヘッドユニットフレーム45A、45Bは、インクヘッドユニット43の長手方向において、インクヘッドユニット43の両端部に夫々固定されている。より具体的には、ヘッドユニットフレーム45A、45Bは、インクヘッドユニット43のヘッドベースプレート44bにねじ止めされている。なお、ヘッドユニットフレーム45A、45Bは、他の公知の固定方法において固定されることも可能である。本実施の形態において、図8中に示されるように、ヘッドユニットフレーム45Aは、インクヘッドユニット43の図中左側の端部に固定されており、ヘッドユニットフレーム45Bは、インクヘッドユニット43の図中右側の端部に固定されている。上述のようにしてヘッドユニットフレーム45Bが固定されたインクヘッドユニット43の長手方向の寸法は、キャリッジ孔42Bの露出用孔42Baの長手方向の寸法を超えるように設定されている。
また、ヘッドユニットフレーム45A、45Bは、図10中に示されるように、ヘッドベースプレート44bの長手方向において、ノズル側ベースプレート面44dが設けられている端部に対して反対側の端部(図10中上側の端部)に固定されている。このヘッドユニットフレーム45A、45Bは、インクヘッドユニット43の取付時に、ヘッド取付面42fと当接するヘッドユニットフレーム下面45Aa、45Baを有している。ヘッドユニットフレーム下面45Baは、ヘッドユニットフレーム45Bがインクヘッドユニット43に取り付けられた際に、ノズルプレート47と平行になるように形成されている。
また、ヘッドユニットフレーム下面45Aa、45Baとノズルプレート47との離間距離は、Z軸において、上述の距離D1(図10参照)と、ヘッド取付部42aの厚さとを加えた値以上有するように設定されている。言い換えると、インクヘッドユニット43がキャリッジ42に取り付けられた際に、インクヘッドユニット43がZ軸において、記録媒体対向面42gから少なくとも距離D1突出し得るように、ヘッドユニットフレーム下面45Aa、45Baの位置は、設定されている。
ヘッドユニットフレーム45A、45Bは、図13並びに図14中に示されるように、X並びにY軸に沿った面に対して傾斜したテーパー部45Ab、45Bbと、調整孔45Ac、45Bcを有している。
テーパー部45Ab、45Bbは夫々、図8中に示されるように、インクヘッドユニット43がキャリッジ42に配置された際に、キャリッジ42の対応する位置調整部42I、42Jと対向するように配置されている。具体的には、テーパー部45Abは、図8、図13中に示すように、X軸において、位置調整部42Iと対向し、テーパー部45Bbは、図8並びに図14中に示すように、Y軸において、位置調整部42Jと対向する。なお、上記キャリッジ42の説明で示したように、インクヘッドユニット43は位置調整付勢部42kにより、位置調整部42I,42Jに向けて付勢されている。このため、インクヘッドユニット43がキャリッジ42に配置された際に、テーパー部45Ab、45Bbは夫々、対応する位置調整ねじ42Ia、42Jaと当接する。なお、位置調整ねじ42Ia、42Jaは、ヘッド取付部42aに螺合されているため、ヘッド取付面42fに対して上下可能である。位置調整ねじ42Ia、42Jaと当接したテーパー部45Ab、45Bbは、位置調整ねじ42Ia、42Jaが上下した際に、対応する位置調整ねじ42Ia、42Jaにより押圧される。テーパー部45Ab、45Bbは、上述のように押圧された際に、所定の方向に押圧力が掛かるように、傾斜の向きが設定されている。言い換えると、テーパー部45Ab、45Bbは、位置調整ねじ42Ia、42Jaの押圧により、インクヘッドユニット43が所定方向に移動され得るように、傾斜の向きが設定されている。具体的には、テーパー部45Abは、X軸に沿って押圧力を受けるように設定されており、テーパー部45Bbは、Y軸に沿って押圧力を受けるように設定されている。
また、テーパー部45Abは、図8中にしめされるようにV字形状に形成されている。このV字形状のテーパー部45Abは、前述のV字形状の位置調整ガイド部42Ibとともに、位置調整ねじ42Iaを挟んでいる。このため、インクヘッドユニット43は、幅方向の力(Y軸に沿った力)を受けた際に、位置調整ねじ42Iaを軸として、位置調整ねじ42Ia回りに回動可能である。
このヘッドユニットフレーム45A、45Bは、図8中に示されるように、ねじ45Cによりヘッド取付部42aに固定される。ねじ45Cは、調整孔45Ac、45Bcに挿入され、ヘッド取付面42fに設けられた図示しないねじ孔に螺合される。
調整孔45Ac、45Bcは、図10中に示されるように、ねじ45Cの軸部の径より大きく設定されているが、ねじ45Cの頭より小さい径に設定されている。
上述のように、各インクヘッドユニット43は、露出用孔42Baの夫々に配置された際に、各キャリッジ孔42B毎に、他のインクヘッドユニット43とともに、上述のインクヘッド列41を構成する。ここで再び、インクヘッド列41について説明する。
各インクヘッド列41は、上述のように、列状に配置された複数のインクヘッドユニット43により構成されている。このようなインクヘッド列41において図12中に示されるように、各インクヘッドユニット43は、インクヘッドユニット43の配列方向(長手方向)において、隣接するインクヘッドユニット43と、一部分が重複するように配置されている。このため、インクヘッドユニット43の配列方向において互いに隣接するインクヘッドユニット43のノズル列同士も、前記ノズル列の長手方向において、一部分が重複する。この隣接するノズル列の互いに重複する領域が、図12中において参照符号A1で指摘されている。このように、各ノズル列が配置されているため、各インクヘッド列41のノズル列は、インクヘッド列41の長手方向全体に渡って、切れ目無く配置されている。なお、インクヘッド列41は、上述のように記録媒体の幅全体に渡って、画像を記録するように構成される。このため、インクヘッド列41は、X軸において、ノズル47aが実質的に均一なピッチで配列されるように、構成されている。
また、画像記録部40は、上述のように図7中に示されるヘッド冷却部49を有している。ここでヘッド冷却部49について説明する。
{画像記録部40のヘッド冷却部49}
ヘッド冷却部49は、図15中に示されるように、冷却ファン49aと、空気搬送路49bと、複数の排気路49Cとを有している。
冷却ファン49aは、キャリッジ42に取り付けられているとともに空気搬送路49bと接続されており、空気搬送路49b中に送風する。なお、この冷却ファン49aは、制御部90と接続されており、制御部90の命令に従って駆動する。
空気搬送路49bは、キャリッジ42の長手方向(Y軸)の全体に渡って延びており、複数の排気路49Cと接続されている。なお、図7中において、図面簡略化のために、空気搬送路49bは、一部分のみが示されている。
複数の排気路49Cは、キャリッジ42の幅方向全体に渡って延びている。これらの排気路49Cは、図15中に示されるように、各インクヘッド列41の延伸方向(X軸)に延びる両側部と対向するように配置されている。即ち、排気路49Cは、Y軸において、インクヘッド列41を両側から挟むように、配置されている。
各排気路49Cは、X軸において、空気搬送路49bと近い側のインクヘッドユニット43を冷却するための空気の搬送路である近傍用搬送路49Caと、遠い側のインクヘッドユニット43を冷却するための空気の搬送路である遠方用搬送路49Cbと、を有している。近傍用搬送路49Caと、遠方用搬送路49Cbとには、インクヘッド列41と対向する側に、複数の冷却用排気口49Ccが設けられている。本実施の形態のインクヘッド列41は、図15中に示されるように、X軸において配列されたインクヘッドユニット43のY軸における位置が、前記配列方向において交互に異なる。さらに言い換えると、インクヘッド列41は、図15中に示されるように、X軸に沿って2列配列されたインクヘッドユニット43を、各列の配列におけるピッチの半分ずらして組み合わすことにより、構成されている。排気路49Cは、このようなインクヘッド列41に対して、Y軸において対向している。このため、排気路49Cは、Y軸において近いインクヘッドユニット43と対向する領域と、遠いインクヘッドユニット43と対向する領域とが存在する。本実施の形態の近傍用搬送路49Ca並びに遠方用搬送路49Cbにおいて、近いインクヘッドユニット43と対向する領域には、X軸において、対向するインクヘッドユニット43の両端部と対向する位置に、冷却用排気口49Ccが設けられている。また、前記遠いインクヘッドユニット43と対向する領域には、X軸において、対向するインクヘッドユニット43の中央部と対向する位置に、冷却用排気口49Ccが設けられている。なお、インクヘッド列41はY軸において排気路49Cに挟まれているため、各インクヘッドユニット43のY軸においての一方の側面が、両端部において、冷却用排気口49Ccと対向し、他方の側面が中央部において、冷却用排気口49Ccと対向する。なお、冷却用排気口49Ccからは、冷却ファン49aから空気が、排気される。従って、各インクヘッドユニット43は、前記排気された空気により、X軸における両端部並びに中央部が冷却されるため、全体に渡って均等に冷却され得る。
また、本実施の形態において、近傍用搬送路49Caは、X軸において、空気搬送路49bから、排気路49Cの略中央まで延びている。それに対して、遠方用搬送路49Cbは、X軸において、空気搬送路49bから、インクヘッド列41の全体に渡って延びている。即ち、遠方用搬送路49Cbは、近傍用搬送路49Caに対して、冷却ファン49aから空気を長い距離通過させる。なお、インクヘッド列41は、長手方向全体に渡って均一なインク吐出特性を保つためには、長手方向全体に渡って均一に冷却される必要がある。このため、各冷却用排気口49Ccから排出される空気の流量は、均一にされることが好ましい。本実施の形態において、遠方用搬送路49Cbは、近傍用搬送路49Caより、幅が広く設定されている。このため、遠方用搬送路49Cbには、空気搬送路49bから、近傍用搬送路49Caより大きい流量の空気が流入される。この結果、各冷却用排気口49Ccから排出される空気の流量は、近傍用搬送路49Caと遠方用搬送路49Cbとにおいて、実質的に均一になる。従って、本実施の形態のヘッド冷却部49は、各インクヘッド列41を、長手方向全体に渡って均一に冷却し得る。
続いて、排出部50について説明する
(排出部50)
排出部50は、画像記録機構20により画像が記録された記録媒体を、排出する機構である。この排出部50は、図1中に示されるように、排出部搬送ローラ対51と、排出部排出ローラ対52と、経路切替部53と、排出補助部54と、排出トレイ55と、を具備している。
排出部搬送ローラ対51は、プラテン部30より搬送された記録媒体を、この排出部50中に搬送するための記録媒体搬送部である。
排出部排出ローラ対52は、排出部搬送ローラ対51から搬送されてきた記録媒体を、排出トレイ55に搬送するための搬送ローラである。このように、排出部排出ローラ対52は、排出部搬送ローラ対51から記録媒体が搬送されるとともに、排出トレイ55に排出する。従って、排出部搬送ローラ対51から排出トレイ55との間には、排出時の記録媒体の搬送経路である排出経路が形成されている。本実施の形態において、前記排出経路は、Y軸に沿って延びている。
経路切替部53は、排出部搬送ローラ対51と、排出部排出ローラ対52との間に配置されている。この経路切替部53は、X軸まわりに、回動可能に構成されている。この経路切替部53の先端は、前記回動により、前記排出経路に対して接離する。また、経路切替部53は、前記先端と反対側の端部が、記録媒体反転部80と接続されている。経路切替部53は、先端を前記排出経路に当接された際に、記録媒体反転部80に記録媒体を案内し、先端を離間させた際に、排出補助部54に記録媒体を案内する。
排出補助部54は、前記排出経路において、排出部排出ローラ対52より下流に設けられている。なお、排出部50は、記録媒体が排出経路の途中で止まることなく、確実に排出トレイ55中に収容されるように、Y軸に沿って所定の速さで排出する。この排出時に、記録媒体が、空気抵抗に負けて、先端が極度に曲がってしまった場合、記録媒体に対する空気抵抗は、増してしまう。このため、本実施の形態の排出部50は、この排出補助部54により、記録媒体を排出方向と交差する方向に曲げ、記録媒体に排出時の空気抵抗に対する強度を増加させる。
この排出補助部54は、歯車54aと、曲げウィング54bとを有している。歯車54aは、装置フレーム2により、X軸回りに回動可能に支持されている。この歯車54aは、X軸において排出経路の略中央に配置されており、排出経路上において、記録媒体の浮き上がりを防止する。
曲げウィング54bは、Y軸において、歯車54aと実質的に同位置であるとともに、X軸において、歯車54aを挟んで対称に一対設けられている。曲げウィング54bは、図16中に示されるように、Z軸に沿った断面においてX軸並びにY軸の夫々に対して傾斜するように、XY軸を通る面に対して、傾斜している。この一対の曲げウィング54bは、X軸において互いの間隔を調節し得るように、X軸に沿って連動して移動可能に構成されている。
なお、上述の排出部搬送ローラ対51と、排出部排出ローラ対52とは、図示しないクラッチにより、給紙部10が接続されている駆動力伝達系に対して、接続されている。これらのクラッチは、制御部90に接続されており、制御部90の命令に従って、前記駆動力伝達系に対する接続のon/offが制御される。また、経路切替部53と、曲げウィング54bとは、制御部90と接続されており、制御部90により駆動を制御をされる。
続いて、メンテナンス部60について説明する
(メンテナンス部60)
メンテナンス部60は、図17中に示されるように、複数のメンテナンスユニット61と、複数のメンテナンスインクパン62と、メンテナンスユニット駆動部63と、搬送方向ガイドフレーム64と、4つの昇降ガイドフレーム65と、位置検出手段68を具備している。
まず、メンテナンスユニット61について説明する。
[メンテナンス部60のメンテナンスユニット61]
各メンテナンスユニット61は、4つのインクヘッド列41の位置に対応するように、設けられている。具体的には、メンテナンスユニット61は、インクヘッド列41の配列と同様に、Y軸において、所定距離離間して配列されている。各メンテナンスユニット61は、複数のメンテナンス吸引部61Aと、キャップ部61Cとを有している。具体的には、各メンテナンスユニット61は、X軸に沿って配列された複数のメンテナンス吸引部61A並びにキャップ部61Cとを有している。本実施の形態において、各メンテナンスユニット61は、メンテナンス吸引部61A並びにキャップ部61Cを、各インクヘッド列41を構成するインクヘッドユニット43の個数と同一の個数である6つづつ有している。
各メンテナンスユニット61は、6つのメンテナンス吸引部61Aを保持する基板61Bを有している。各基板61Bは、メンテナンスユニット駆動部63に固定され、X軸に沿って延びている。基板61B上において、各6つのメンテナンス吸引部61A並びにキャップ部61Cは、前述の、各インクヘッド列41を構成するインクヘッドユニット43と同様に配列されている。即ち、後述するメンテナンス時に、インクヘッド列41に対してメンテナンスユニット61が位置合わせされた際に、各メンテナンス吸引部61Aは、対応するインクヘッドユニット43と対向する位置に配置され得る。同様に、後述するキャッピング時に、各キャップ部61Cは、対応するインクヘッドユニット43と対向する位置に配置され得る。なお、基板61B上において、6つのメンテナンス吸引部61Aは、図17中に示されるように、基板61B上において、6つのキャップ部61Cに対して、Y軸において同一に配置されているが、X軸においてずれている。
また、各基板61Bは、メンテナンス時に各メンテナンス吸引部61Aに対して吸引力を提供するための吸引ポンプ66(図20参照)に、吸引チューブ61Baを介して接続されている。また、各基板61Bは、吸引チューブ61Baと、各メンテナンス吸引部61Aとを接続する図示しない流路を有している。従って、各メンテナンス吸引部61Aは、吸引ポンプ66が負圧にされた際に、吸引を行い得る。
続いて、メンテナンスインクパン62について説明する。
[メンテナンス部60のメンテナンスインクパン62]
メンテナンスインクパン62は、メンテナンス時のインクの飛散を防止するためのインク受けである。各メンテナンスインクパン62は、メンテナンスユニット61と同数設けられており、各メンテナンスユニット61に対応する位置に配置されている。具体的には、各メンテナンスインクパン62は、Z軸において、インクヘッド列41に対して、メンテナンスユニット61を挟んで反対側に設けられている。本実施の形態においては、メンテナンスインクパン62は、各メンテナンスユニット61の下方に設けられている。
メンテナンスインクパン62は、X並びにY軸においての寸法が、メンテナンスユニット61と同一又はそれ以上に設定されている。各メンテナンスインクパン62は、X軸並びにY軸において、メンテナンスユニット61を収容し得るように、メンテナンスユニット61に対する位置が設定されている。また、メンテナンスインクパン62は、後述するが、画像記録時に、上述したインクヘッド列41の間のスペースS中に退避し得るように、Y軸の寸法が設定されている。具体的には、メンテナンスインクパン62のY軸の寸法は、距離D2より小さく設定されている。
また、メンテナンスインクパン62は、メンテナンスユニット駆動部63に固定されている。メンテナンスインクパン62は、画像記録時に、上述したインクヘッド列41の間のスペースS中に退避し得るように、上記固定時のZ軸においての配置が設定されている。具体的には、Z軸において、メンテナンスインクパン62は、自身の下端(インクヘッド列41に対して反対側の端部)の位置が、搬送方向ガイドフレーム64の上端から距離D2より上方にくるように、配置されている。従って、メンテナンスインクパン62は、搬送方向ガイドフレーム64の上端が記録媒体対向面42gに近接された際に、画像記録時に、インクヘッド列41の先端より下方に位置することはない。
また、メンテナンスインクパン62は、廃液チューブ61Bbを介して廃液タンク67に接続されている(図20参照)。これにより、メンテナンスインクパン62は、受け取ったインクを、廃液タンク67に排出し得る。なお、メンテナンスインクパン62は、廃液チューブ61Bbに向かって傾斜した底面を有しており、受け止めたインクを、廃液チューブ61Bbに効率的に流し得る。
続いて、メンテナンスユニット駆動部63について説明する
[メンテナンス部60のメンテナンスユニット駆動部63]
メンテナンスユニット駆動部63は、上述のように、全てのメンテナンスユニット61を保持している。具体的には、このメンテナンスユニット駆動部63は、Y軸に沿って延びる一対のユニット保持フレーム63bを有しており、この一対のユニット保持フレーム63bが各メンテナンスユニット61をX軸に沿った両端から支持している。また、メンテナンスユニット駆動部63は、ユニット保持フレーム63bをX軸に沿って駆動させる一対の吸引部駆動機構63aを有している。この一対の吸引部駆動機構63aは、駆動方向においての前側のユニット保持フレーム63bを固定支持している。また、駆動方向において後側のユニット保持フレーム63bは、吸引部駆動機構63aに摺動可能に支持されている。従って、吸引部駆動機構63aは、駆動した際に、前側のユニット保持フレーム63bをX軸に沿って押圧し、その結果として、全てのメンテナンスユニット61をX軸に沿って駆動させる。
なお、X軸は、各インクジェットヘッド44におけるノズル47aの配列方向である。従って、一対の吸引部駆動機構63aは、メンテナンス吸引部61Aを、対応するインクジェットヘッド44のノズル列に沿って移動させるための、メンテナンス吸引部駆動機構である。一対の吸引部駆動機構63aは、少なくともメンテナンスユニット駆動部63を、前記ノズル列に沿った方向において、インクジェットヘッド44の全体に渡って移動させ得るように、構成されている。
なお、吸引部駆動機構63aは、メンテナンスユニット61を、X軸に沿った駆動範囲の一端に位置させた際に、各キャップ部61Cが対応するインクヘッドユニット43と対向する位置に配置される。本明細書中において、このメンテナンスユニット61の位置が、X軸においてのメンテナンスユニット61のホームポジションとする。
この吸引部駆動機構63aは、制御部90と接続されており、制御部90により駆動が制御され得る。
なお、メンテナンスユニット駆動部63自体は搬送方向ガイドフレーム64に対してY方向に移動可能に支持されており、メンテナンスユニット駆動部63がY方向に移動することにより、全てのメンテナンスユニット61をY方向に移動させることが可能となっている。
続いて、搬送方向ガイドフレーム64並びに昇降ガイドフレーム65について説明する
[メンテナンス部60の搬送方向ガイドフレーム64並びに昇降ガイドフレーム65]
また、搬送方向ガイドフレーム64は、Y軸に沿った一対の側壁64Aを有している。各側壁64Aの両端には、Y軸に沿った搬送方向ガイド溝64Aaが設けられている。また、搬送方向ガイドフレーム64は、Y軸に沿って駆動力を提供するスライド機構64Bを有している。このスライド機構64Bは、制御部90に接続されており、制御部90により駆動が制御され得る。
4つの昇降ガイドフレーム65は、搬送方向ガイドフレーム64を移動可能に支持するための支持部材である。これらの昇降ガイドフレーム65は、画像記録装置1の図示しないフレームに固定されている。各昇降ガイドフレーム65は、搬送方向ガイド溝64Aaと対応する位置に配置されている。また、各昇降ガイドフレーム65は、Z軸に沿った昇降ガイド溝65aを有している。各昇降ガイド溝65aは、対応する搬送方向ガイド溝64Aaと、位置合わせされており、これらの溝を貫通するように挿入れたピン65b等の連結部材により、搬送方向ガイド溝64Aaと連結されている。これにより、昇降ガイドフレーム65は、図17中に示されるように、搬送方向ガイドフレーム64を、Y軸並びにZ軸に沿って移動可能に支持している。なお、搬送方向ガイドフレーム64は、スライド機構64Bにより駆動力が提供され、Y軸に沿って移動し得る。
また、搬送方向ガイドフレーム64は、上述のプラテン部30の説明にあるように、プラテンフレーム33が上方に移動した際に、プラテンフレームヘッド対向面33aにより押圧され得る。この構成により、搬送方向ガイドフレーム64は、プラテンフレーム33の上下動に従って、Z軸に沿って移動され得る。このように、搬送方向ガイドフレーム64は、プラテンフレーム33とともに移動するため、プラテンフレーム33の移動を阻害しないように、Z軸においての寸法が設定されている。言い換えると、搬送方向ガイドフレーム64は、プラテンフレーム33が所望のZ軸においての位置に移動する前に、キャリッジ42と接触しないように、Z軸においての寸法が設定されている。搬送方向ガイドフレーム64のZ軸における寸法は、上端が記録媒体対向面42gと接触又は近接した際に、プラテン部30が画像記録時の記録媒体の搬送位置(画像記録配置)に配置され得るように設定されている。
この構成により、搬送方向ガイドフレーム64は、Y軸に沿って搬送方向ガイド溝64Aaの一端まで案内された際にY軸吸引設定位置に配置され、他端まで案内された際にY軸退避位置に配置される。このY軸吸引設定位置は、Y軸においてメンテナンスユニット61がインクヘッドユニット43と同位置になる位置である。このY軸吸引設定位置において、各メンテナンス吸引部61Aが、各インクジェットヘッド44と対向する位置である。なお、図17中の搬送方向ガイドフレーム64は、Y軸において、Y軸吸引設定位置に位置している。
前記Y軸退避位置は、Y軸においてメンテナンスユニット61がスペースSと同位置になる位置である。即ち、Y軸退避位置は、メンテナンスユニット61がZ軸において、移動した場合においても、インクヘッドユニット43と干渉しないY軸における位置である。
また、搬送方向ガイドフレーム64は、Z軸において、昇降ガイド溝65aの一端(図17中の下端)まで案内された際に、Z軸移動可能位置に位置され、他端(図17中の上端)まで案内された際に、Z軸退避位置に配置される。このZ軸移動可能位置は、Z軸において、搬送方向ガイドフレーム64が、インクヘッドユニット43と干渉しない位置である。従って、このZ軸移動可能位置において、搬送方向ガイドフレーム64は、搬送方向ガイド溝64Aaに沿って移動可能である。
前記Z軸退避位置は、Z軸において、搬送方向ガイドフレーム64がスペースSと同位置になる位置である。搬送方向ガイドフレーム64がY軸においてY軸退避位置並びにZ軸においてZ軸退避位置に配置された際に、各メンテナンスユニット61は、図9中に示されるように、スペースS中に配置され得る。
なお、本実施の形態において、搬送方向ガイドフレーム64は、Z軸において、プラテンフレーム33により駆動力が提供されているが、他の独立した駆動手段により駆動力が提供されることも可能である。
以下に、上述のメンテナンス吸引部61Aについて図18並びに図19を参照して詳細に説明する。
{メンテナンスユニット61のメンテナンス吸引部61A}
メンテナンス吸引部61Aは、各インクヘッドユニット43に付着したインクやゴミなどを吸引することにより清掃する吸引手段である。メンテナンス吸引部61Aは、図18中に示されるように、複数の吸引開口部61Aaと、ガイド突起部61Abと、ワイパーブレード61Acとを具備している。また、メンテナンス吸引部61Aは、メンテナンス時にインクヘッドユニット43と対向する吸引部ヘッド対向面61Adを有している。
吸引開口部61Aaは、メンテナンス吸引部61Aによる吸引する際の吸引入口の開口である。従って、吸引開口部61Aaは、メンテナンス吸引部61Aの吸引範囲を画定する。吸引開口部61Aaは、吸引部ヘッド対向面61Ad上において、列状に配置され、吸引開口列61Aeを構成している。本実施の形態において、吸引開口列61Aeは、X軸に沿って2列配列されており、各吸引開口列61Aeは、3つの吸引開口部61Aaにより構成されている。なお、各吸引開口列61Aeは、メンテナンス時に、対応するインクジェットヘッド44と対向する。このとき、インクジェットヘッド44の長手方向と、吸引開口列61Aeの吸引開口部61Aaの配列方向とが、実質的に一致する。言い換えると、吸引開口部61Aaの配列方向は、ノズル列の配列方向と実質的に一致している。
上記配置において、各吸引開口部61Aaは、前記配列方向と直交する方向(Y軸)において、前記ノズル47aの口径より大きい寸法を有している。従って、各吸引開口部61Aaの画定する吸引領域は、ノズル47aより大きい。本実施の形態において、各吸引開口部61Aaは、Y軸において、インクジェットヘッド44の幅と実質的に同一の寸法を有している。より詳細には、各吸引開口部61Aaは、Y軸において、インクジェットヘッド44のノズルプレートカバー47bと実質的に同一の寸法を有している。
また、各吸引開口部61Aaは、吸引チューブ61Baと接続される流体流路61Afを有している。従って、各吸引開口部61Aaは、流体流路61Af並びに吸引チューブ61Baを介して、吸引ポンプ66と接続されている。従って、吸引ポンプ66が負圧にされた際に、吸引開口部61Aaにより吸引された流体は、流体流路61Afを介して、吸引ポンプ66に吸引される。即ち、流体流路61Afは、吸引した流体の流路である。この吸引ポンプ66は、制御部90と接続されており、制御部90により駆動が制御される。
より具体的には、流体流路61Afは、図19中に示されるように、各吸引開口部61Aaにおいて、開口している入口孔61Ahを有している。
入口孔61Ahは、ノズル47aと対向しない位置に、吸引開口部61Aa中の位置が設定されている。本実施の形態においては、入口孔61Ahは、Y軸において、吸引開口部61Aaの端部に配置されている。より具体的には、入口孔61Ahは、Y軸において、メンテナンス吸引部61Aの中央部に対して外側の端部に配置されており、ノズルプレートカバー47bと対向する位置に配置されている。
ガイド突起部61Abは、吸引開口列61Aeの配列方向と実質的に同一方向に延びている。ガイド突起部61Abは、インクヘッドユニット43のガイド溝44eに挿入可能に構成されている。このガイド突起部61Abがガイド溝44eに挿入された際に、吸引開口列61Aeの配列方向と各インクジェットヘッド44のノズル列とは、実質的に平行になる。これとともに、ガイド突起部61Abがガイド溝44eに挿入した際に、各吸引開口部61Aaは、上述のように、対応したインクジェットヘッド44のノズルプレートカバー47bと位置合わせされる。
ワイパーブレード61Acは、インクジェットヘッド44の画像記録時に記録媒体と対向する面を拭き取るためのワイピング手段である。このワイパーブレード61Acは、インクヘッドユニット43のインクジェットヘッド44の個数と同一の個数設けられている。本実施の形態においては、各メンテナンス吸引部61Aには、2つのワイパーブレード61Acが設けられている。各ワイパーブレード61Acは、Y軸において、カバー孔47c以下の寸法を有している。また、各ワイパーブレード61Acは、メンテナンス時に、Y軸においてカバー孔47cと実質的に同位置に配置される。このワイパーブレード61Acは、例えばゴムなどの公知の弾性部材により形成されている。また、ワイパーブレード61Acは、図18中に示されるように、吸引部ヘッド対向面61Adと直交する方向に突出しており、X軸においての吸引開口列61Aeとの間には、Z軸において凹んだ凹部により境界が設けられている。
続いてキャップ部61Cについて説明する。
{メンテナンスユニット61のキャップ部61C}
キャップ部61Cは、画像記録を行なっていない時のインクヘッド列41が乾くことを防止する蓋である。各キャップ部61Cは、対応する各インクヘッドユニット43毎に設けられている。各キャップ部61Cは、対応するインクヘッドユニット43の全てインクヘッド列を覆い得るように、インクヘッド列41毎に、キャップを有している。本実施の形態において、各キャップ部61Cは、各インクヘッドユニット43毎に、2つのキャップを有している。前記キャップは、キャップ部61Cのインクヘッド列と対向する面からZ軸に沿って突出するキャップリブにより画定されている。キャップリブは、対応するインクヘッド列を囲み得るように、筒形状に構成された弾性体である。各キャップは、キャッピング時に、キャップリブを対応するインクジェットヘッド44のノズルプレートカバー47bに押し当てることにより、キャップリブの内側を密閉する。なお、キャップリブは、Z軸において、基板61Bに対して、メンテナンス吸引部61Aの吸引開口部61Aaより低い位置に設定されている。従って、キャップリブは、前記メンテナンス時に、インクジェットヘッド44と接触することが防止されている。
続いて位置検出手段68について説明する。
[メンテナンス部60の位置検出手段68]
位置検出手段68は、メンテナンス部60の位置を検出するための手段である。この位置検出手段68は、Y軸吸引位置センサ68aと、Y軸退避位置センサ68bと、Z軸吸引位置センサ68cと、Z軸退避位置センサ68dと、X軸ホームポジションセンサ68fとを有している。これらは、制御部90に接続されており、検出結果を制御部90に送る。
Y軸吸引位置センサ68a並びにY軸退避位置センサ68bは、Y軸においての搬送方向ガイドフレーム64の位置を検出するセンサである。これらは、装置フレーム2に固定されている。Y軸吸引位置センサ68a並びにY軸退避位置センサ68bは、図17中に示されるように、搬送方向ガイドフレーム64がZ軸において前記Z軸移動可能位置に配置されている際に、搬送方向ガイドフレーム64の存在の有無を検出し得るように配置されている。Y軸吸引位置センサ68aは、搬送方向ガイドフレーム64がY軸吸引設定位置に配置されたかを検出するセンサである。Y軸退避位置センサ68bは、搬送方向ガイドフレーム64がY軸退避位置に配置されたかを検出する。
Z軸吸引位置センサ68c並びにZ軸退避位置センサ68dは、図9中に示されるように、Z軸においての搬送方向ガイドフレーム64の位置を検出するセンサである。これらは、装置フレーム2に固定されている。Z軸吸引位置センサ68cは、搬送方向ガイドフレーム64をZ軸吸引設定位置に配置される直前(Z軸補正位置)で、検知する。具体的には、Z軸吸引位置センサ68cは、Z軸において、Z軸吸引設定位置より、Z軸退避位置側に所定距離離間した位置において、搬送方向ガイドフレーム64の存在の有無を検出する。なお、Z軸退避位置センサ68dは、搬送方向ガイドフレーム64がZ軸退避位置に配置されたかを検出する。
X軸ホームポジションセンサ68fは、図17中に示されるように、メンテナンスユニット61のX軸における位置を検出するセンサである。このX軸ホームポジションセンサ68fは、搬送方向ガイドフレーム64に固定されている。このX軸ホームポジションセンサ68fは、メンテナンスユニット61がX軸においてホームポジションに配置されたかを検出する。
続いて、インク供給部70について説明する。
(インク供給部70)
インク供給部70は、図20中に示されるように、インク分配器71と、メインインクタンク72と、ボトルホルダ73と、インクボトル74と、大気開放ボックス77と、エアタンク75と、加圧ポンプ76と、を有している。
まず、インク分配器71について説明する。
[インク供給部70のインク分配器71]
インク分配器71は、インクヘッド列41の各インクヘッドユニット43に対して、インクを分配する。このインク分配器71は、インクヘッド列41の鉛直方向上方に配置されている。インク分配器71中には、インクが一時貯留される。このインク分配器71は、各インクヘッドユニット43のインクジェットヘッド44と接続されたヘッド分配部チューブ48aを有している。このインク分配器71中のインクは、ヘッド分配部チューブ48aを介して、各インクジェットヘッド44のインク小容器48b(図10参照)に供給され得る。
また、インク分配器71は、大気開放ボックス77と接続された分配器ボックスチューブ71aが接続されている。より具体的には、分配器ボックスチューブ71aは、インク分配器71の上部において、インク分配器71と接続されている。分配器ボックスチューブ71aは、インク分配器71と大気開放ボックス77とを接続する流体の流路であり、この流路の開閉を行う分配器弁71bを有している。なお、後で詳述するが、大気開放ボックス77は、大気開放されている。従って、インク分配器71は、分配器ボックスチューブ71a並びに大気開放ボックス77を介して外部と連通しており、分配器弁71bが開放された際に大気開放され得る。
また、分配器ボックスチューブ71aは、インク分配器71との接続部から分配器弁71bとの間の少なくとも一部分が上方に向かって延びており、この上方に向かっている部分に、気泡検知部71cが設けられている。この気泡検知部71cは、インク分配器71から上がってきた気泡並びにインクの液面を検知する。即ち、気泡検知部71cは、インク分配器71中の気泡の有無を検知する検知手段である。この気泡検知部71cは、制御部90と接続されており、検知結果を制御部90に送る。
続いて、メインインクタンク72について説明する。
[インク供給部70のメインインクタンク72]
メインインクタンク72は、例えばプラスチック容器等のインクを充填することが可能な剛体の容器である。メインインクタンク72は、タンクインクチューブ72aによりインク分配器71と接続されている。また、メインインクタンク72は、ボトル接続チューブ72bにより、インクを流通可能にボトルホルダ73と接続されている。ボトル接続チューブ72bは、インクの流路である、この流路の開閉を行うための接続チューブ弁72hを有している。
また、メインインクタンク72は、タンクボックスチューブ72Fにより、大気開放ボックス77と接続されている。このため、このタンクボックスチューブ72Fは、大気開放ボックス77を介して、外部と連通しており、メインインクタンク72を大気開放することが可能である。このタンクボックスチューブ72Fには、メインインクタンク72に対して上記大気開放と気密とを選択的に行うために、タンクボックスチューブ72Fの開閉を行うための大気開放弁72gを有している。従って、大気開放弁72gが開放された場合、メインインクタンク72は、大気圧にさらされ得る。
タンクボックスチューブ72Fには、メインインクタンク72と大気開放弁72gとの間に、エアチューブ72cが接続されている。エアチューブ72cは、一端と他端とを有しており、一端が上述のようにタンクボックスチューブ72Fと接続されており、他端がエアタンク75に接続されている。このエアチューブ72cは、エアタンク75からの空気の流路であり、この流路の開閉を行う加圧弁72eを有している。
このメインインクタンク72は、インクヘッド列41より下方に配置されている。上記所定の水頭圧にインク分配器71中の圧力が設定された際に、各インクジェットヘッド44の各圧電体溝46a中が負圧になり、ノズル47a中に所望のメニスカスが形成され得る。
このメインインクタンク72を、図25を参照してより詳しく説明する。図25は、メインインクタンク72を示す概略図である。メインインクタンク72には、内部が仕切り板72Jaにより仕切られることにより、第1インク貯留室72Jbと第2インク貯留室72Jcとが設けられている。仕切り板72Jaは、鉛直方向において、メインインクタンク72底面から上方に向かって延びており、メインインクタンク72の上面との間に、隙間を有している。第1インク貯留室72Jbと、第2インク貯留室72Jcとは、前記隙間により連通している。第2インク貯留室72Jcは、第1インク貯留室より大きい容積に設定されている。
第1インク貯留室72Jbには、ボトル接続チューブ72bの端部が配置されている。このボトル接続チューブ72bは、この端部から、インクボトル74からのインクを第1インク貯留室72Jbに流出させる。第1インク貯留室72Jbが流入したインクにより満杯になった際、第1インク貯留室72Jb中のインクは、仕切り板72Jaを越えてインク室に流れ得る。
第2インク貯留室72Jcには、タンクインクチューブ72aの端部が配置されている。これにより、この端部から、第2インク貯留室72Jc中のインクは、インク分配器71に供給され得る。なお、第2インク貯留室72Jcには、第1インク貯留室72Jbを溢れたインクが提供される。このため、第2インク貯留室72Jcは、ボトル接続チューブ72bからのインクの供給時に、供給されたインクの対流により貯留したインクを泡立てることが防止されている。
このメインインクタンク72の上部には、タンクボックスチューブ72Fの端部72Faが配置されている。この端部72Faは、鉛直方向において、仕切り板72Jaより上方に配置されている。タンクボックスチューブ72Fは、この端部72Faから、メインインクタンク72をオーバーフローしたインクを流入させ、大気開放ボックス77に送り得る。
また、このメインインクタンク72には、インクの液面の高さを検出する液面検出センサ72Ka、72Kbとを有している。液面検出センサ72Kaは、第2インク貯留室72Jc中に配置されており、第2インク貯留室72Jcのインク不足を検出する検出手段である。この液面検出センサ72Kaは、鉛直方向において、仕切り板の上端より下方でかつタンクインクチューブ72aの端部より上方に配置されている。この配置において、液面検出センサ72Kaは、第2インク貯留室72Jc中のインクの液面を、タンクインクチューブ72aより下がる前、検出する。これにより、液面検出センサ72Kaは、メインインクタンク72のインク不足を検出し得る。
液面検出センサ72Kbは、鉛直方向において、仕切り板72Jaの上端より上方に配置されており、端部72Faより下方に配置されている。この配置において、液面検出センサ72Kbは、メインインクタンク72中のインクの液面を、端部72Faと接触する前に、検出する。なお、この高さまで液面が来た場合、メインインクタンク72に、インクが満杯にされたとする。これにより、液面検出センサ72Kbは、メインインクタンク72のインクの充填完了を検出し得る。
続いてエアタンク75及び加圧ポンプ76について説明する
[インク供給部70のエアタンク75及び加圧ポンプ76]
エアタンク75は、例えばプラスチック容器などの気密な剛体の容器である。エアタンク75は、加圧ポンプチューブ75aを介して加圧ポンプ76に接続されている。加圧弁72eが閉じられている際に、加圧ポンプ76は、エアタンク75中を正圧にし得る。なお、エアタンク75中には、圧力センサ75bが設けられており、エアタンク75中の圧力を測定可能である。
続いて大気開放ボックス77について説明する。
[インク供給部70の大気開放ボックス77]
大気開放ボックス77は、分配器ボックスチューブ71aと、タンクボックスチューブ72Fからの廃インクを受ける気密な剛体の容器である。この大気開放ボックス77は、大気開放チューブ77bにより大気開放されている。なお、大気開放チューブ77bには、外部からのゴミの侵入を防止するフィルタが設けられている。また、大気開放ボックス77は、廃インクチューブ77cにより、廃液タンク67と接続されている。この廃インクチューブ77cには、廃液タンク67からの空気の侵入を防ぐように、侵入防止弁77dが設けられている。侵入防止弁77dは、大気開放ボックス77からのインクのみを通す逆止弁でもいいし、大気開放ボックス77からのインクの自重により開閉する蓋であってもかまわない。なお、廃液タンク67は、大気開放ボックス77より下方に配置されている。さらに廃液タンク67は、吸引ポンプ66並びにメンテナンスインクパン62より下方に設けられ、ポンプなどを使用することなくインクの自重で流れ得るように配置されている。
続いて、ボトルホルダ73並びにインクボトル74について説明する。
本実施の形態の画像記録装置1は、図20中に示されるように、インクが貯留されたインクボトル74をボトルホルダ73に取り付けることにより、インクが充填される。まず、インクボトル74について説明する。
[インク供給部70のインクボトル74]
インクボトル74は、各色毎に、対応するボトルホルダ73に取り付けられる。なお、本実施の形態において、4色分、即ち4つのインクボトル74が、対応するボトルホルダ73に取り付けられる。なお、インクボトル74は、後述するボトルホルダ73の説明において詳述するが、ボトルホルダ73の取付初期位置に配置した後、接続位置まで移動させて、ボトルホルダ73に接続する。この接続時の移動は、ボトルホルダ73の案内により、後述するボトル案内軸心GA(図21参照)に沿って行われる。接続位置において、インクボトル74は、後述のボトルホルダ73のボトル接続部73C(図21参照)と接続される。
各インクボトル74は、図21中に示されるように、インクが貯留されるボトル本体74Cと、ボトル本体74C中を大気開放するためのボトル通気口74Aと、ボトル本体74C中のインクを流出させるためのインク出口74Bとを有している。
まず、ボトル通気口74Aについて説明する。
{インクボトル74のボトル通気口74A}
ボトル通気口74A並びにインク出口74Bは、前記接続時において、ボトル接続部73Cと対向するボトル本体74Cの側壁に設けられており、ボトル案内軸心GAに沿って延びている。言い換えると、ボトル通気口74A並びにインク出口74Bは、接続時の移動方向において、ボトル本体74Cの前側に配置されている。
まず、ボトル通気口74Aについて説明する。
ボトル通気口74Aは、インクボトル74の前記接続時に、インクボトル74の上部に位置するように配置されている。このボトル通気口74Aは、図22中に示されるように、大気開放時の空気のボトル連通流路74AAと、ボトル連通流路74AAを外部と連通させる流路開口部74ABと、流路開口部74ABの開閉を行う流路弁74ACと、流路開口部74ABの周囲を覆う開口部外カバー74ADとを有している。
ボトル連通流路74AAは、一端がボトル本体74Cと接続されており、他端が流路開口部74ABにより、画像記録装置1の外部と連通している。ボトル連通流路74AA中には、所定の方向に沿って摺動可能に流路弁74ACを支持する流路弁支持部74AAaが設けられている。本実施の形態において、流路弁支持部74AAaは、前記ボトルの接続時において、流路弁74ACの摺動を、ボトル案内軸心GAに沿って案内する。
流路開口部74ABは、ボトル連通流路74AAと画像記録装置1の外部とを連通させる流路開口74ABaを有している。また、流路開口部74ABは、流路開口74ABaの外周沿って設けられた流路開口カバー74ABbを有している。言い換えると、実質的に円筒形状の流路開口カバー74ABbは、流路開口74ABaの外周部から延びている。この流路開口カバー74ABbは、接続時において、長手方向中央軸心がボトル案内軸心GAに沿うように、構成されている。また、流路開口カバー74ABbの側面には、流路開口部74ABが、ボトルホルダ73に完全に接続された際に、嵌合するカバー突起部74ABcが設けられている。
流路弁74ACは、流路弁支持部74AAaに支持される摺動部74ACaと、流路開口部74ABの開閉を行う弁部材74ACbと、弁部材74ACbを付勢する弁付勢部材74ACcとを有している。
摺動部74ACaは、長手方向中央軸心を有しており、長手方向に沿って一端部と他端部とを有している。この摺動部74ACaの一端部は、流路弁支持部74AAaにより、上述のように支持されている。この支持により、摺動部74ACaは、長手中央軸心を、流路弁支持部74AAaの前記所定の案内方向と一致される。本実施の形態において、摺動部74ACaの長手方向中央軸心は、接続時に、ボトル案内軸心GAと平行になる。また、摺動部74ACaの他端には、弁部材74ACbが固定されている。なお、上記支持により、弁部材74ACbは、流路開口74ABaと対向する位置に配置されている。
弁部材74ACbは、弁付勢部材74ACcにより、流路弁支持部74AAaの前記案内方向に沿って、流路開口74ABaに向けて付勢されている。この付勢により、弁部材74ACbは、流路開口74ABaと密着し、流路開口74ABaを閉鎖する。なお、弁部材74ACbは、前記案内方向に沿って、弁付勢部材74ACcの付勢力に抗して、押された場合、ボトル本体74C側に移動し、流路開口74ABaを開放する。
開口部外カバー74ADは、流路開口カバー74ABbと同心の円筒状に形成されており、流路開口カバー74ABbと同様に、接続時において、長手方向中央軸心がボトル案内軸心GAに沿うように、構成されている。なお、前記接続時において、開口部外カバー74ADは、ボトル接続部73Cと対向する外カバー端部74ADaが、ボトル案内軸心GAにおいて、流路開口カバー74ABbより突出している。
続いて、インク出口74Bについて説明する。
{インクボトル74のインク出口74B}
続いて、インク出口74Bについて説明する。インク出口74Bは、ボトル通気口74Aと実質的に同一の構成を有している。従って、図23中に示されるように、インク出口74Bにおいて、ボトル連通流路74BAは、ボトル連通流路74AAと同様に構成されている。従って、流路弁支持部74BAaは、流路弁支持部74AAaと同様に構成されている。さらに、流路開口部74BBは、流路開口部74ABと同様に構成されている。従って、流路開口74BBa、流路開口カバー74BBb、並びにカバー突起部74BBcは、流路開口Aba、流路開口カバー74ABb、並びにカバー突起部74ABcと同様に構成されている。流路弁74BCは、流路弁74ACと同様に構成されている。従って、摺動部74BCa、弁部材74BCb、並びに弁付勢部材74BCcは、摺動部74ACa、弁部材74ACb、並びに弁付勢部材74ACcと同様に構成されている。また、開口部外カバー74BDは、開口部外カバーADと同様に構成されている。従って、外カバー端部74BDaは、外カバー端部74ADaと同様に構成されている。
続いて、ボトル本体74Cについて説明する。
{インクボトル74のボトル本体74C}
ボトル本体74Cは、インクボトルを識別するためのインクラベル74Caを有している。インクラベル74Caは、インクボトル74中のインクの色などの情報が記録された記録媒体である。このインクラベル74Caは、後述する無線読み取り装置73Iにより、非接触で前記情報が読み取られ得るように構成されている。このインクラベル74Caは、ボトル本体74Cにおいて、前記接続時においてボトル接続部73Cと対向する部分に、張り付けられている。
続いて、ボトルホルダ73について説明する。
[インク供給部70のボトルホルダ73]
ボトルホルダ73は、インクが貯留されたインクボトル74を着脱可能に保持するボトル保持手段である。このボトルホルダ73は、保持したインクボトル74を、ボトル接続チューブ72bと接続するための接続手段を有している。なお、ボトルホルダ73は、画像記録装置1に取り付けられるインクボトル74の本数と同数配置されており、各ボトルホルダ73は、インクボトル1本を保持し得るように構成されている。本実施の形態のボトルホルダは、4つのインクボトル74を保持し得るように、4つ設けられている。
ここで、上述のボトルホルダ73を、図21を参照して、より詳しく説明する。ボトルホルダ73は、インクボトル74の装着時に、インクボトル74を案内するインクボトルガイド部材73Bと、インクボトル74のボトル通気口74A並びにインク出口74Bとの接続部であるボトル接続部73Cと、装着時にインクボトル74を覆うホルダカバー73Dとを有している。
まず、インクボトルガイド部材73Bについて説明する。
{ボトルホルダ73のインクボトルガイド部材73B}
インクボトルガイド部材73Bは、ボトルホルダ73の底部73A上に配置されいる。このインクボトルガイド部材73Bは、インクボトル74を所定の軸心に沿って案内するボトルガイド面73Baを有している。本実施の形態のボトルガイド面73Baは、インクボトル74を、ボトルホルダ73の長手方向(図21中左右方向)に沿って移動し得るように案内する。また、本実施の形態のボトルガイド面73Baは、インクが充填されたインクボトル74をボトル接続部73Cに向かって容易に移動し得るように、水平面に対して、ボトル接続部73Cに向かって傾斜している。これらの構成により、本実施の形態のボトルガイド面73Baは、ボトルホルダ73の長手方向を含む垂直面内において、水平面に対して傾斜したボトル案内軸心GAに沿って、インクボトル74を案内する。
このボトルガイド面73Baは、ボトル案内軸心GAに沿って、一端部と他端部とを有している。一端部は、ボトル接続部73Cと対向する。他端部には、ボトルガイド面73Baから突出したストッパ部73Bbが設けられている。このストッパ部73Bbは、インクボトル74をボトルホルダ73から取り外す際に、ボトル本体74Cが当接するようように構成されている。より具体的には、ストッパ部73Bbは、インクボトル74が、ボトル通気口74A並びにインク出口74Bがボトル接続部73Cから完全に抜き取られ、前記取付初期位置まで移動した際に、ボトル本体74Cと当接するように配置されている。
続いて、ボトル接続部73Cについて説明する。
{ボトルホルダ73のボトル接続部73C}
ボトル接続部73Cは、インクボトル74のボトル通気口74A並びにインク出口74Bと接続するための接続手段である。このボトル接続部73Cは、後述するが、接続後のインク出口74Bの開閉を選択的に行うことが可能に構成されている。なお、上述のように、ボトルホルダ73は、インク分配器71より、鉛直方向において上方に配置されている。従って、インクボトル74中のインクは、インク出口74Bを開放した際に、ボトル接続チューブ72bを介して、インク分配器71より下方にあるメインインクタンク72にインクが補充され得る。
このボトル接続部73Cは、ボトルホルダ73の底部73Aに固定されており、ボトルガイド面73Baの一端部に移動されたインクボトル74と接続し得るように、配置が設定されている。さらに、このボトル接続部73Cは、前記接続時に、ボトル本体74Cの前側と対向するように、配置されている。
また、このボトル接続部73Cは、インクボトル74のボトル通気口74Aと接続される通気口接続部73Eと、インク出口74Bが接続されるインク出口接続部73Fと、インク出口接続部73Fの開閉を行う開閉駆動部73Gと、ボトル接続の衝撃を吸収する緩衝機構73Hと、無線読み取り装置73Iと、を有している。
まず、通気口接続部73Eについて説明する。
<ボトル接続部73Cの通気口接続部73E>
通気口接続部73Eは、図22中に示されるように、ボトル案内軸心GAと平行な中央軸心を有しており、インクボトル74との接続時にボトル本体74Cの前側と対向する通気口ボトル対向部73Eaを有している。
また、通気口接続部73Eは、通気口カバー73EBと、通気口流路73Ecと、通気口インク受け部73Edと、通気口廃インク流路73Eeと、通気口案内部73Efとを有している。
通気口カバー73EBは、インクボトル74との接続時に、流路開口部74ABと嵌合する接続部である。より具体的には、通気口カバー73EBは、前記接続時に、流路開口カバー74ABbと嵌合する。通気口カバー73EBは、実質的に円筒形状を有しており、ボトル案内軸心GAに沿って、通気口ボトル対向部73Eaから接続時のインクボトル74側に向かって延びている。この円筒形状の通気口カバー73EBは、接続時において、ボトル通気口74Aの流路開口部74ABと実質的に同軸にされ、流路開口部74ABの外径と実質的に同一の内径を有している。
通気口カバーEBは、ボトル通気口74Aが通気口接続部73Eに完全に接続された際に、カバー突起部74ABcと嵌合するカバー凹部73EBaを有している。カバー凹部73EBaは、通気口カバーEBの内周面に設けられている。なお、このようにインクボトル74とボトル接続部73Cとが接続された位置を、図24中に示されるように、接続位置とする。
カバー突起部74ABcとカバー凹部73EBaとは、嵌合した際に、ボトル案内軸GAにおいて、ボトル接続部73Cからのインクボトル74の引き抜き方向に対して、所定の抵抗力FRaを提供する。言い換えると、通気口カバー73EBは、インクボトル74の引き抜き時に、抵抗力FRaを越える力でインクボトル74を引き抜かないと、インクボトル74がボトル接続部73Cからはずれないように、インクボトル74を保持する。
また、通気口カバー73EBは、流路開口74ABaと対向する位置に、弁押圧突起部73EBbを有している。弁押圧突起部73EBbは、ボトル案内軸心GAに沿って延びている。弁押圧突起部73EBbは、インクボトル74とボトルホルダ73とが完全に接続される前に、ボトル案内軸心GAにおいて、弁部材74ACbと当接する長さを有している。言い換えると、弁押圧突起部73EBbは、インクボトル74とボトルホルダ73とが完全に接続された際に、弁部材74ACbを、ボトル案内軸心GAに沿って、ボトル本体74C側に押圧し得る長さを有している。なお、弁押圧突起部73EBbは、流路開口74ABaの口径より小さい外径を有している。
通気口流路73Ecは、通気口カバー73EBの内側と、画像記録装置1の外部とを連通させるための通気用の流路である。通気口流路73Ecは、一端と他端とを有しており、一端が通気口カバー73EBの内側において開口しており、他端が、画像記録装置1の外部に開放されている。
通気口インク受け部73Edは、廃インクを受け止める画像記録装置1の汚染防止手段である。この通気口インク受け部73Edは、前記取付初期位置に配置されたインクボトル74のボトル通気口74Aに対して、鉛直方向において下方に設けられている。この通気口インク受け部73Edは、通気口ボトル対向部73Eaからボトル案内軸心GAに沿って延びている。より具体的には、通気口インク受け部73Edは、インクボトル74が取付初期位置に配置された際に、水平方向において、外カバー端部74ADaよりボトル本体74C側まで延びている。さらに具体的には、外カバー端部74ADaは、図22中に示されるように、前記取付初期位置に配置されたインクボトル74が水平面に対して傾斜している場合、水平方向(図22中において左右方向)において、通気口ボトル対向部73Eaに対して近い部位と、遠い部位とを有している。図22中において、外カバー端部74ADaの下側の部分が、上側の部分より、通気口ボトル対向部73Eaから遠方に離れている。通気口インク受け部73Edは、水平方向において、前記遠い部位(外カバー端部74ADaの下側の部分)と同位置、若しくは越えるまで延びている。
通気口廃インク流路73Eeは、通気口インク受け部73Edと、廃液タンク67と接続されており、通気口インク受け部73Edが受け止めた廃インクを、廃液タンク67へ排出するための流路である。
通気口案内部73Efは、通気口ボトル対向部73Eaからボトル案内軸心GAに沿って延びている。通気口案内部73Efは、インクボトル74の接続時に、開口部外カバー74ADを摺動させ、ボトル通気口74Aをボトル案内軸心GAに沿って案内する。
続いて、インク出口接続部73Fについて説明する。
<ボトル接続部73Cのインク出口接続部73F>
インク出口接続部73Fは、図23中に示されるように、ボトル案内軸心GAと平行な中央軸心を有しており、インクボトル74との接続時にボトル本体74Cの前側と対向するインク出口ボトル対向部73Faを有している。
また、インク出口接続部73Fは、インク出口開口部73FBと、インク出口弁73FCと、インク出口流路73FDと、出口インク受け部73Feと、出口廃インク流路73Ffと、出口案内部73Fgとを有している。
インク出口開口部73FBは、インクボトル74との接続時に、流路開口部74BBと嵌合する接続部である。より具体的には、インク出口開口部73FBは、前記接続時に、流路開口カバー74BBbと嵌合する。また、このインク出口開口部73FBは、インク出口流路73FDと連通しており、接続した流路開口部74BBを、インク出口流路73FDと連通させる。より具体的には、インク出口開口部73FBは、図23中に示されるように、出口流路開口74FBaを有しており、この出口流路開口74FBaにより、インク出口流路73FDと連通している。
インク出口開口部73FBは、実質的に円筒形状を有しており、ボトル案内軸心GAに沿って、インク出口ボトル対向部73Faから接続時のインクボトル74側に向かって延びている。この円筒形状のインク出口開口部73FBは、接続時において、インク出口74Bの流路開口部74BBと実質的に同軸にされ、流路開口部74BBの外径と実質的に同一の内径を有している。
インク出口開口部73FBは、前記接続位置において、カバー突起部74BBcと嵌合するカバー凹部73FBcを有している。カバー凹部73FBcは、インク出口開口部73FBの内周面に設けられている。また、カバー突起部74BBcとカバー凹部73FBcとは、嵌合した際に、ボトル案内軸GAにおいて、ボトル接続部73Cからのインクボトル74の引き抜き方向に対して、所定の抵抗力FRbを提供する。言い換えると、インク出口開口部73FBは、インクボトル74の引き抜き時に、抵抗力FRbを越える力でインクボトル74を引き抜かないと、インクボトル74がボトル接続部73Cからはずれないように、インクボトル74を保持する。
なお、上述のように、インクボトル74の引き抜き時には、通気口カバー73EBも、前記引き抜き方向に対して、抵抗力FRaを提供する。従って、本実施の形態において、インクボトル74をボトル接続部73Cから引き抜くためには、ボトル案内軸GAに沿って、抵抗力FRaと抵抗力FRbと加えたボトル接続部抵抗力FRsを越える力を、インクボトル74に掛ける必要がある。
インク出口弁73FCは、インク出口開口部73FBの開閉を行うための弁である。このインク出口弁73FCは、ボトル案内軸心GAに沿って、インク出口開口部73FB並びにインク出口流路73FDに渡って配置されている。このインク出口弁73FCは、インク出口開口部73FBを閉鎖するための弁部材73FCaと、前記開閉駆動部73Gにより押圧される被押圧部材73FCbと、被押圧部材73FCbを付勢する付勢部材73FCcとを有している。
被押圧部材73FCbは、インク出口流路73FD中に配置されており、インク出口流路73FDにより、ボトル案内軸心GAに沿って摺動可能に支持されている。従って、インク出口弁73FCは、インク出口流路73FDの案内により、ボトル案内軸心GAに沿って移動可能である。なお、被押圧部材73FCbは、インク出口流路73FDの内径と実質的に同一な外径を有しているため、インク出口流路73FD中のインクを、インク出口流路73FDとの間かも漏れ出すことは無い。
付勢部材73FCcは、例えば、コイルばね等により構成されており、インク出口流路73FD中に設けられている。この付勢部材73FCcは、被押圧部材73FCbを、ボトル案内軸心GAに沿って、インク出口開口部73FBから離間する方向に付勢している。
弁部材73FCaは、インク出口開口部73FB中に配置されており、出口流路開口73FBaより大きい外径を有している。なお、弁部材73FCaは、付勢部材73FCcの付勢力により、出口流路開口73FBaに押し当てられ、出口流路開口73FBaを閉鎖する。
この弁部材73FCaは、流路開口74BBaと対向する位置に、ボトル案内軸心GAに沿って、接続時のインクボトル74側に向かって突出した弁押圧突起部73FBbを有している。弁押圧突起部73FBbは、インクボトル74とボトルホルダ73とが完全に接続されるとともにインク出口弁73FCがインクボトル74に向かって押圧された際に、弁部材74BCbを押圧し得る長さに、ボトル案内軸心GAに沿った長さが設定されている。言い換えると、弁押圧突起部73FBbは、インクボトル74とボトルホルダ73とが完全に接続された場合でも、インク出口弁73FCが押圧されるまで、弁部材74BCbを押圧出来ないように構成されている。なお、弁押圧突起部73FBbは、流路開口74BBaの口径より小さい外径を有している。
インク出口流路73FDは、ボトル接続チューブ72bと接続されており、インク出口開口部74FBからのインクをボトル接続チューブ72bに流すインク流路である。
出口インク受け部73Feは、廃インクを受け止める画像記録装置1の汚染防止手段であり、通気口インク受け部73Edと同様に構成されている。具体的には、出口インク受け部73Feは、前記取付初期位置に配置されたインクボトル74のインク出口74Bに対して、鉛直方向において下方に設けられている。これとともに、出口インク受け部73Feは、図23中に示されるように、インク出口ボトル対向部73Faから、上記配置のインク出口74Bの外カバー端部74BDaより、ボトル本体74C側(図中左側)まで延びている。さらに、具体的には、出口インク受け部73Feは、外カバー端部74BDaの鉛直方向の下側の部分に対して、水平方向において、同位置若しくは越えるまで延びている。
出口廃インク流路73Ffは、出口インク受け部73Feと、廃液タンク67と接続されており、出口インク受け部73Feが受け止めた廃インクを、廃液タンク67へ排出するための流路である。
出口案内部73Fgは、インク出口ボトル対向部73Faからボトル案内軸心GAに沿って延びている。出口案内部73Fgは、インクボトル74の接続時に、開口部外カバー74BDを摺動させ、インク出口74Bをボトル案内軸心GAに沿って案内する。
続いて、開閉駆動部73Gについて説明する。
<ボトル接続部73Cの開閉駆動部73G>
開閉駆動部73Gは、インク出口弁73FCを移動させることにより、インク出口接続部73Fの開閉を行う駆動機構である。この開閉駆動部73Gは、図21中に示されるように、回転板73GAと、回転板ロック部73GBとを有している。
回転板73GAは、ボトルホルダ73の底部73Aに固定されているホルダフレーム(図示せず)により回転可能に支持されており、回動に従ってインク出口弁73FCを押圧する押圧手段である。この回転板73GAは、ボトル案内軸心GAにおいて、インク出口接続部73Fと対向している。具体的には、回転板73GAは、インク出口接続部73Fのインクボトル74と接続される側に対して反対側と、対向している。
この回転板73GAは、長手方向において一端と他端とを有しており、一端と他端との間で、回転板軸73GAaにより、回転可能に支持されている。回転板軸73GAaは、ボトルホルダ73の長手方向と直交する方向(幅方向)と平行な軸である。回転板73GAの一端は、インク出口弁73FCを押圧する出口弁押圧部73GAbを有している。また、回転板73GAの他端は、付勢部材73GAcを有している。
出口弁押圧部73GAbは、図21中において時計回りに回転板73GAの回動により、回転板73GAの一端がインク出口弁73FCに向かって移動した際、インク出口弁73FCの被押圧部材73FCbを押圧し得るように構成されている。
付勢部材73GAcは、例えば、コイルばねなどの回転板73GAの他端を付勢する付勢手段である。付勢部材73GAcは、後で詳述するホルダカバー73Dの閉鎖時に、ホルダカバー73Dにより押圧されるように構成されている。この付勢部材73GAcは、回転板73GAが前記時計回りに回動するように、回転板73GAを付勢する。
回転板ロック部73GBは、回転板73GAをロックするためのロック手段である。回転板ロック部73GBは、回転板73GAをロックするロック板73GCと、ロック板73GCを駆動させるロック板駆動手段73Gdとを有している。
ロック板73GCは、長手方向において、一端と他端とを有している。ロック板73GCは、ボトル案内軸心GAにおいて、回転板73GAを挟んでインク出口接続部73Fの反対側に配置されている。このロック板73GCは、ロック板回転軸73GCaにより、回転可能に支持されている。ロック板回転軸73GCaは、回転板軸73GAaと平行な軸である。ロック板73GCは、ロック板回転軸73GCa回りの回動により、一端を回転板73GAをロックするロック位置と、前記ロックを解除した解除位置とに移動させ得る。
ロック板73GCの一端(図21中下側の端部)には、爪部73GCbが設けられている。また、ロック板73GCの他端には、ロック板駆動手段73Gdとの接続部である接続孔73GCcが設けられている。
爪部73GCbは、前記ロック位置において、回転板73GAの一端に引っ掛けられ得るように構成されている。この爪部73GCbは、回転板73GAのロック時に、インク出口弁73FC側から、回転板73GAの一端に引っ掛けられる。なお、回転板73GAへの爪部73GCbの引っ掛け位置は、ロック板73GCにロック板回転軸73GCa回りのモーメントが掛からないように、ロック板回転軸73GCaに対して設定されてる。具体的には、回転板73GAの一端は、回転板軸73GAaを中心とした円軌道に沿って移動する。この回転板73GAの移動方向(円軌道上における一端の位置においての接線方向)が、爪部73GCbの引っ掛け位置とロック板回転軸73GCaとを結んだ軸線上に実質的に配置されるように、爪部73GCbの引っ掛け位置と、ロック板回転軸73GCaとの位置関係は、設定されている。
ロック板駆動手段73Gdは、例えばソレノイド等の駆動力提供手段である。ロック板駆動手段73Gdは、ロック板回転軸73GCaの半径方向と交差する方向に駆動する駆動部を有しており、この駆動部に凸部が設けられている。この凸部が、接続孔73GCcに挿入されている。ロック板駆動手段73Gdは、ロック板73GCの他端を移動させることにより、ロック板73GCを、ロック板回転軸73GCa回りに回動させ得る。即ち、ロック板駆動手段73Gdは、前記回動により、ロック板73GCの一端を前記ロック位置と、解除位置とに移動させ得る。
続いて、緩衝機構73Hについて説明する。
<ボトル接続部73Cの緩衝機構73H>
緩衝機構73Hは、ボトルホルダ73に対するインクボトル74の接続時に、過度の衝撃がボトル接続部73Cに掛かることを防止する機構である。緩衝機構73Hは、ボトルホルダ73の底部73Aから延びているホルダフレームに、例えばコイルばねなどの付勢部材73Haを介して固定されている。また、緩衝機構73Hは、前記ホルダフレームにより、ボトル案内軸心GAに沿って移動するように、案内されている。この緩衝機構73Hは、ボトル案内軸心GAに沿って、通気口接続部73E並びにインク出口接続部73Fより、接続時のインクボトル74側に突出している。また、この緩衝機構73Hは、付勢部材73Haにより、ボトル案内軸心GAに沿って、接続時のインクボトル側に付勢されている。この付勢部材73Haの対ボトル付勢力FUaは、インクが満タンに充填されたインクボトル74を、押し返し得る値に設定されている。従って、インクボトル74は、ボトルホルダ73に配置された際に、緩衝機構73Hにより押圧され、前記取付初期位置に配置される。また、この対ボトル付勢力FUaは、ボトル接続部抵抗力FRsより小さく設定されている。即ち、緩衝機構73Hは、ボトル接続部73Cに完全に接続されたインクボトル74を、対ボトル付勢力FUaにより抜くことはない。
続いて、無線読み取り装置73Iについて説明する。
<ボトル接続部73Cの無線読み取り装置73I>
無線読み取り装置73Iは、インクラベル74Ca中の情報を非接触で読みとる情報読み取り手段である。この無線読み取り装置73Iは、インクラベル74Caの情報を読みとるためのアンテナ73Iaを有している。アンテナ73Iaは、ボトル接続部73Cにおいて、インクボトル74が接続された際に、インクラベル74Caと対向する位置に配置されている。この無線読み取り装置73Iは、制御部90と接続されており、インクラベル74Caから読みとった情報を、制御部90に送る。なお、無線読み取り装置73Iは、インクラベル74Caに対して、情報を書き込むことが可能な無線読み書き装置に代えることも可能である。
続いて、ホルダカバー73Dについて説明する。
{ボトルホルダ73のホルダカバー73D}
ホルダカバー73Dは、ボトルホルダ73全体を覆う開閉可能な蓋である。ホルダカバー73Dは、ボトルホルダ73全体を覆うカバー本体73DAと、カバー本体の内側に配置されたカバーリブ73DBとを有している。なお、図21は、開放位置のホルダカバー73Dを示している。
カバー本体73DAは、一端と他端とを有しており、一端と他端との間に配置されたカバー回転軸73DAa回りに回転可能である。カバー回転軸73DAaは、回転板軸73GAaと平行な軸である。ホルダカバー73Dは、カバー回転軸73DAa回りの回動により、開放時の開放位置と閉鎖時の閉鎖位置とに移動され得る。また、カバー本体73DAは、閉鎖位置において、ボトルホルダ73に配置されたインクボトル74と対向するカバーボトル対向面73DAeを有している。
カバー本体73DAの一端には、回転板73GAの付勢部材73GAcを押圧するための付勢部材押圧部73DAbを有している。この付勢部材押圧部73DAbは、図21中に示されるように、開放時において、付勢部材73GAcと当接している。この付勢部材押圧部73DAbは、ホルダカバー73Dを前記開放位置から閉鎖位置移動させた際、カバー回転軸73DAa回りに回動する。具体的には、付勢部材押圧部73DAbは、半時計回りに、付勢部材73GAcに向かって移動する。
カバー本体73DAの他端DBcは、前記閉鎖位置おいて、ボトルホルダ73の底部73Aに当接するように構成されている。なお、前記開放位置においては、カバー本体73DAの他端は、底部73Aに対して所定距離離間する位置にくる。この離間距離は、他端DBcと底部73Aとの間からインクボトル74をボトルホルダ73に対して容易にアクセスし得る値に設定されている。
ボトルホルダ73の底部73Aには、前記閉鎖位置において、他端73DAcと接続されるカバー接続部73Aaを有している。カバー接続部73Aaは、前記閉鎖位置において、他端73DAcを把持し、ボトルホルダ73の意図しない開放を防止する。このカバー接続部73Aaには、開閉検知センサ73Abが設けられている。開閉検知センサ73Abは、他端73DAcをカバー接続部73Aaに接続されているかを検出する。また、開閉検知センサ73Abは、制御部90に接続されており、検出結果を制御部90に送る。
カバーリブ73DBは、前記閉鎖位置において、ボトルホルダ73に配置されたインクボトル74と対向する位置に配置されている。カバーリブ73DBは、カバー本体73DAの内側(カバーボトル対向面73DAe)から、突出している。カバーリブ73DBは、閉鎖位置において、インクボトル74と対向するリブボトル対向面73DBaを有している。
リブボトル対向面73DBaは、前記閉鎖時において、前記接続位置にあるインクボトル74の上面に対して、底部73Aの法線方向(図21並びに図24中上下方向)において同位置になるように、配置されている。なお、上述のように、インクボトル74は、前記取付初期位置(図21参照)と、前記接続位置(図24参照)とで、上面の位置が、前記法線方向において異なる。具体的には、インクボトル74の上面は、インクボトル74が前記接続位置以外に位置する場合、前記接続位置の配置に比べて、高い位置に位置する。従って、インクボトル74が前記接続位置以外に位置する場合、カバーリブ73DBが、インクボトル74の上面に引っかかり、ホルダカバー73Dを閉鎖位置に移動することが出来ない。このように、カバーリブ73DBは、インクボトル74がボトル接続部73Cと完全に接続される前に、ホルダカバー73Dが閉じられることを防止する。
ここで再び、インク供給部70の全体の構成について説明する。このインク供給部70において、メインインクタンク72からインク分配器71までの構成は、各インクヘッド列41毎に構成されている。各メインインクタンク72は、夫々共通のエアタンク75並びに大気開放ボックス77に接続されている。言い換えると、エアタンク75には、全てのインクヘッド列41に対応したエアチューブ72cが接続されている。このため、加圧ポンプ76並びにエアタンク75は、単一でありながら、全てのインクヘッド列41に対して、正圧を提供することが可能な正圧印加部である。また、大気開放ボックス77も、全てのインクヘッド列41に対応したタンクボックスチューブ72Fが接続されている。
なお、上述の分配器弁71b、接続チューブ弁72h、加圧弁72e、並びに大気開放弁72gは、制御部90に接続されており、制御部90により開閉が制御され得る。
ここで、再び図1を参照して記録媒体反転部80について説明する。
(記録媒体反転部80)
記録媒体反転部80は、両面印刷時に、記録媒体を裏返し、再び画像記録機構20に搬送する搬送手段である。記録媒体反転部80は、第1搬送路81と、第2搬送路82と、反転経路部83と、再給紙搬送路84とを有している。なお、図26中において、記録媒体反転部80を概略的に示す。
第1搬送路81は、排出部50と第2搬送路82とを繋ぐ、記録媒体の搬送路である。この第1搬送路81は、一端と他端とを有しており、一端が排出部50と接続されており、他端が第2搬送路と接続されている。より具体的には、第1搬送路81の一端は、経路切替部53と接続されている。この第1搬送路81は、排出部50からの記録媒体を、第2搬送路82まで案内する。本実施の形態において、この第1搬送路81のZ並びにY軸に沿った断面は、半円形状に形成されている。これにより、第1搬送路81は、搬送した記録媒体を、第1搬送路挿入時の状態に対して、裏返す。より具体的には、記録時に、画像記録機構20と対向するように、図26中上方を向いた記録媒体の面を、下方に向かせる。
この第1搬送路81は、上流、下流、及び、中間地点の夫々に配置された第1搬送路センサ81cを有している。これらの第1搬送路センサ81cは、各配置において、記録媒体の存在の有無を検出する。第1搬送路センサ81cは、制御部90と接続されており、検出結果を制御部90に送る。
第2搬送路82は、第1搬送路81と反転経路部83とを繋ぐ、記録媒体の搬送路である。この第2搬送路82は、反転ベルトユニット82aと、スロープ部82cとにより構成されている。
反転ベルトユニット82aは、Y軸に沿って直線的に延びる搬送手段である。反転ベルトユニット82aは、Z軸において、記録媒体を両面から挟みこむように構成された一対のベルトコンベヤである。反転ベルトユニット82aは、開閉可能に構成されており、間にはさまった記録媒体を、容易に取り出せるように構成されている。反転ベルトユニット82aは、一端と他端とを有しており、一端が第1搬送路81と接続されており、他端がスロープ部82cに接続されている。また、反転ベルトユニット82aは、Y軸において、他端が、画像記録機構20を越えて、給紙部10近傍まで延びている。反転ベルトユニット82aは、クラッチにより、前述の駆動力伝達系と接続されており、この駆動力伝達系から動力が提供され得る。反転ベルトユニット82aは、駆動した際に、第1搬送路81からの記録媒体を、スロープ部82cまで搬送し得る。
スロープ部82cは、反転経路部83に記録媒体を搬送する搬送路である。スロープ部82cは、一端と他端とを有しており、一端が反転ベルトユニット82aに接続されており、他端が反転経路部83と接続されている。湾曲して形成されており、直線的に搬送された記録媒体を、反転経路部83に円滑に搬送され得るように、湾曲させる。このスロープ部cには、第2搬送路センサ82bが設けられている。第2搬送路センサ82bは、スロープ部82c上の記録媒体の存在の有無を検出する。第2搬送路センサ82bは、制御部90と接続されており、検出結果を制御部90に送る
また、スロープ部82cの他端には、ゲート82dが設けられている。ゲート82dは、X軸回りに回動可能に構成されている。このゲート82dは、X軸回りの回動により、反転経路部83と接離する。なお、このゲート82dは、反転経路部83から離間する方向に付勢されている。この付勢力は、スロープ部82cの一端から記録媒体が搬送された際に、記録媒体の自重によりゲート82dが反転経路部83側に回動するように、設定されている。言い換えると、前記付勢力は、ゲート82dが、記録媒体の自重を負荷された際に回動し、反転経路部83と当接するように、設定されている。
反転経路部83は、第2搬送路82からの記録媒体を、再給紙搬送路84に搬送する搬送路である。反転経路部83は、一端と他端とを有しており、一端が第2搬送路82並びに再給紙搬送路84に接続されている。反転経路部83は、図26中において、ゲート82dより上方の搬送路である。反転経路部83の他端は、再給紙搬送路84から離間する方向に配置されている。
反転経路部83は、一端と他端との間に、反転補助路83cを有している。この反転補助路83cは、使用される記録媒体の最大長さ以上の長さを有している。また、反転経路部83は、一端部に、反転ローラ対83bを有している。反転ローラ対83bは、X軸回りに回動可能である。この反転ローラ対83bは、図示しない逆回転機構を有するクラッチを介して、前記駆動力伝達系に接続されており、この駆動力伝達系にから回転動力が提供される。従って、反転ローラ対83bは、前記逆回転機構の制御により、反転動作可能に構成されている。具体的には、反転ローラ対83bは、前記逆回転機構の制御により、X軸回りに、正回転、並びに正回転に対して逆回りの逆回転することが可能である。反転ローラ対83bは、正回転時には、第2搬送路82からの記録媒体に対して、反転補助路83cに向けて搬送する。反転ローラ対83bは、逆回転時には、反転補助路83cの記録媒体を、再給紙搬送路84に向けて搬送する。この逆回転機構は、制御部90に接続されており、制御部90により駆動が制御される。
また、反転経路部83は、一端に、端部検知センサ83dを有している。端部検知センサ83dは、一端における記録媒体の存在の有無を検出する。端部検知センサ83dは、制御部90と接続されており、検出結果を制御部90に送る
再給紙搬送路84は、反転経路部83からの記録媒体をレジストレーションローラ対13に搬送する搬送路である。再給紙搬送路84は、再給紙ローラ対84aを有している。再給紙ローラ対84aは、反転経路部83からの記録媒体をレジストレーションローラ対13に向けて搬送する搬送手段である。再給紙ローラ対84aは、記録媒体を確実に搬送し得るように、反転経路部83の記録媒体の搬送方向に沿って、レジストレーションローラ対から、記録媒体の寸法以内の位置に配置されている。この構成により、搬送中の記録媒体は、先端がレジストレーションローラ対13に到達した際においても、後端が再給紙ローラ対84aにニップされた状態にされ得る。従って、再給紙ローラ対84aは、給紙部10において説明したピックアップローラ対と同様に、レジストレーションローラ対13により少なくとも記録媒体の先端がニップされるまでの間、記録媒体の搬送を補助し得る。
また、再給紙搬送路84は、レジストレーションローラ対13と再給紙ローラ対84aとの間に、再給紙センサ84bが設けられている。再給紙センサ84bは、再給紙搬送路84上の記録媒体の存在の有無を検出する。再給紙センサ84bは、制御部90と接続されており、検出結果を制御部90に送る。
また、再給紙搬送路84は、レジストレーションローラ対13と対向する位置に、記録媒体の浮き上がりを防止する浮き上がり防止部84c(図1参照)を有している。浮き上がり防止部84cは、一端と他端とを有しており、一端がX軸回りに回動可能に支持されている。浮き上がり防止部84cは、上記回動により、再給紙搬送路84に対して接離する。なお、浮き上がり防止部84cの他端は、自重により、再給紙搬送路84に当接している。なお、浮き上がり防止部84cは、記録媒体がレジストレーションローラ対13に対して搬送された際に、再給紙搬送路84から容易に離間されるように自重が設定されている。このように、レジストレーションローラ対13に送られる記録媒体は、浮き上がり防止部84cの他端により押さえられるため、浮き上がりが防止され、確実にレジストレーションローラ対13に搬送され得る。
続いて、制御部90について説明する。
(制御部90)
制御部90は、図27中に示されるように、CPU、タイマ、ROM、並びにRAMなどを含むコンピュータによって構成されている。制御部90は、給紙部10、画像記録機構20、排出部50、メンテナンス部60、インク供給部70、及び記録媒体反転部80の夫々に接続されており、これらの駆動を制御する。
より具体的には、制御部90は、給紙部10において、ピックアップセンサ14a並びにレジストセンサ14bと接続されている。さらに、制御部90は、給紙部10において、駆動力伝達系を介して、ピックアップローラ対12並びにレジストレーションローラ対13の駆動を制御する。
また、制御部90は、プラテン部30において、ベルトローラ駆動モータ32a、ローラ用エンコーダ32b、プラテンチャンバー負圧発生源34a、プラテン駆動部モータ36d、並びに画像幅検知手段37に接続されており、これらの駆動を制御する。
また、制御部90は、画像記録部40において、インクジェットヘッド44、並びに冷却ファン49aに接続されており、これらの駆動を制御する。
さらに、制御部90は、排出部50において、経路切替部53並びに曲げウィング54bに接続されており、これらの駆動を制御する。これとともに、制御部90は、排出部50において、前記駆動力伝達系を介して、排出部搬送ローラ対51、並びに排出部排出ローラ対52の駆動を制御する。
また、制御部90は、メンテナンス部60において、位置検出手段68の各センサに接続されており、これらのセンサから情報が送られ得る。また、制御部90は、吸引部駆動機構63a、吸引ポンプ66、及び、スライド機構65Bに接続されており、これらの駆動を制御する。
さらに、制御部90は、インク供給部70において、分配器弁71b、気泡検知部71c、加圧弁72e、大気開放弁72g、接続チューブ弁72h、液面検出センサ72Ka、72Kb、開閉検知センサ73Ab、ロック板駆動手段73Gd、無線読み取り装置73I、圧力センサ75b、並びに加圧ポンプ76に接続されており、これらの駆動を制御する。
また、制御部90は、記録媒体反転部80において、第1搬送路センサ81c、第2搬送路センサ82b、端部検知センサ83d、に接続されており、これらの駆動を制御する。さらに、制御部90は、記録媒体反転部80において、前記駆動伝達系を介して、反転ベルトユニット82a、反転ローラ対83b、並びに再給紙ローラ対84aの駆動を制御する。特に、制御部90は、反転ローラ対83bの逆回転機構の駆動も制御する。
また、制御部90は、使用者が種々の設定を行うための入力部91と、上記設定並びに画像記録装置の状態等を出力する出力部92とを有している。出力部92は、音出力、並びに表示が行えるように構成されている。
この入力部91は、画像記録に用いる記録媒体のサイズ並びに種類、記録濃度、及び、印字形式を入力することが可能である。具体的には、この入力部91は、厚紙、普通紙等の記録に使用する記録媒体の種類を入力することができる。さらに、この入力部91は、印刷形式を片面印刷及び両面印刷の一方から選択し得るとともに、記録時の倍率も設定し得る。この入力された値は、RAM中に格納される。なお、制御部90は、前記種類により、記録媒体の厚さ、並びに、ローラに対する滑り易さを示す係数(摩擦係数)を取得し得る。なお、制御部90は、入力部により、厚さ並びに滑り度を別々に入力し得るように設定することも可能である。
以下に、上記構成の画像記録装置1の組立について説明する。
(組立)
画像記録装置1は、まず、装置フレーム2を組み立てた後、給紙部10、画像記録機構20、排出部50、メンテナンス部60、インク供給部70、記録媒体反転部80、及び制御部90などの構成要素を、装置フレーム2に取り付けることにより、組み立てられる。この装置フレーム2の組立について説明する。
装置フレーム2を組み立てる際に、前部側壁2Fa、2Fbは、対応する後部L字側壁2Ba、2Bbと、連結ピン2Aにより連結される。これにより、前部側壁2Faと後部L字側壁2Baとが連結された組と、前部側壁2Fbと後部L字側壁2Bbとが連結された組とが、組み立てられる。なお、これらの組の夫々は、同軸にされた連結用孔2Fe,2Bg中に連結ピン2Aを圧入することにより、連結されている。これにより、連結後の前部側壁2Fa、2Fb、並びに後部L字側壁2Ba、2Bbは、連結用孔2Fe,2Bgの中央軸心と直交する方向に沿って配置される。即ち、前部側壁2Fa、2Fb、並びに後部L字側壁2Ba、2Bbは、上記連結により、容易に平行にされ得る。
続いて、これらの組が、ベースプレート2P上に固定される。具体的には、各組において、ベースプレート接続部2Fdとベースプレート接続部2beとが、ベースプレート2Pの上面にねじ固定される。この際に、これらの組は、ベースプレート2Pの長手方向と平行に、所定距離離間して配置される。これとともに、前部側壁2Fa、2Fbが、図2中に示されるように、対応する幅方向連結部2Wa乃至2Wdにより連結される。さらに、前部側壁2Fa、2Fbは、図2中に示されるように、同一の組の後部L字側壁2Ba、2Bbと、対応する長手方向連結部2La乃至2Ldにより、連結される。
上述のようにして、装置フレーム2は、組み立てられる。なお、連結ピン2Aは、ねじ孔より大きい外径を有している。従って、装置フレーム2は、連結ピン2Aの中央軸心と直交する方向(ベースプレート2Pの長手方向)の外力に対して、ねじ固定で連結された場合に比べて、強い強度を有し得る。
このように構成された装置フレーム2には、給紙部10、画像記録機構20、排出部50、メンテナンス部60、インク供給部70、記録媒体反転部80、及び制御部90の少なくもと1つが、前部側壁2Faと前部側壁2Fb、又は後部L字側壁2Baと後部L字側壁2Bbを連結するように、取り付けられる。これにより、装置フレーム2は、上述のように各構成要素を取り付けない場合に比べて、ベースプレート2Pの幅方向に沿った外力に対する強度が強くなり得る。
(動作)
上記構成の画像記録装置1の動作について説明する
まず、画像記録装置1の初期化動作について説明する。
[初期化動作]
画像記録装置1は、電源投入時や、使用者に命令等により、初期化動作を行う。この初期化動作では、図27中に示されるように以下の各工程が行われる。
まず、Y軸吸引位置初期化工程が行われる。
このY軸吸引位置初期化工程では、まず、制御部90が、プラテン駆動部モータ36dに駆動命令を出し、プラテンフレーム33を下方に移動させる。この移動により、Z軸において、搬送方向ガイドフレーム64が、Z軸移動可能位置に移動される。
続いて、制御部90は、スライド機構65Bに駆動命令を出し、搬送方向ガイドフレーム64を、Y軸に沿って移動させる。そして、制御部90は、Y軸吸引位置センサ68aにより、搬送方向ガイドフレーム64が検出された際に、搬送方向ガイドフレーム64の駆動を停止させる。これにより、搬送方向ガイドフレーム64は、Y軸吸引設定位置に配置される。また、制御部90は、Y軸吸引位置センサ68aが検出した際に、搬送方向ガイドフレーム64のY軸における位置が、Y軸吸引設定位置であることをRAM中に記録する。これにより、搬送方向ガイドフレーム64のY軸における位置が、制御部90に認識される。
続いて、Z軸吸引位置初期化工程が行われる。
このZ軸吸引位置初期化工程では、制御部90が、プラテン駆動部モータ36dに駆動命令を出し、プラテンフレーム33を介して、搬送方向ガイドフレーム64をZ軸において上方に移動させる。なお、制御部90には、ROM中に、Z軸移動可能位置からZ軸吸引設定位置までの距離である吸引位置距離が記憶されている。従って、制御部90は、搬送方向ガイドフレーム64を、上記距離分移動するように、プラテン駆動部モータ36dを駆動させる。上記移動中に、搬送方向ガイドフレーム64は、前記Z軸補正位置において、Z軸吸引位置センサ68cにより、検知される。なお、制御部90は、ROM中に、Z軸において、前記Z軸補正位置からZ軸吸引設定位置までの距離を補正距離データとして格納している。制御部90は、Z軸吸引位置センサ68cが検知した際に、前記補正距離データの距離だけ搬送方向ガイドフレーム64が移動するように、プラテン駆動部モータ36dに対する駆動命令を変更する。これにより、搬送方向ガイドフレーム64は、Z軸補正位置からZ軸吸引設定位置まで移動される。このように、制御部90は、移動中において、搬送方向ガイドフレーム64の移動距離を補正するため、より正確に搬送方向ガイドフレーム64を移動させ得る。特に、制御部90は、移動開始時に、プラテン駆動部モータ36dに滑りが生じ、この滑りにより移動距離に誤差が生じた場合においても、前記補正により、正確に搬送方向ガイドフレーム64を移動させ得る。
また、制御部90は、前記補正前に、前記Z軸移動可能位置のプラテン駆動部モータ36dに対して前記吸引位置距離移動するように、駆動命令を出す。このため、故障などにより、制御部90が前記補正を行えなかった場合においても、搬送方向ガイドフレーム64が、Z軸吸引設定位置を大きく越えて移動することが防止されている。従って、搬送方向ガイドフレーム64がZ軸吸引設定位置を越えて、メンテナンス部60とインクジェットヘッド列41とが接触することを防止し得る。
なお、Z軸吸引位置センサ68cは、搬送方向ガイドフレーム64を検知した際に、
制御部90は、Z軸吸引位置センサ68cが搬送方向ガイドフレーム64を検知した際に、搬送方向ガイドフレーム64のZ軸における位置が、Z軸吸引設定位置であることをRAM中に記録する。これにより、搬送方向ガイドフレーム64のZ軸における位置が、制御部90に認識される。
続いて、X軸ホームポジション初期化工程が行われる。
このX軸ホームポジション初期化工程では、制御部90が、吸引部駆動機構63aに対して駆動命令を出し、メンテナンスユニット61をX軸に沿って移動させる。X軸ホームポジションセンサ68fが、メンテナンスユニット61を検知した際に、上記移動は終了する。これにより、メンテナンスユニット61は、X軸ホームポジションに配置される。また、制御部90は、メンテナンスユニット61を検知した際に、X軸における位置が、X軸ホームポジションであることをRAM中に記録する。これにより、メンテナンスユニット61のX軸における位置が、制御部90に認識される。
続いて、記録時配置設定工程が行われる。
記録時配置設定工程では、制御部90が、プラテン駆動モータ36dを駆動させ、搬送方向ガイドフレーム64をZ軸移動可能位置まで下げる。なお、Y軸において、搬送方向ガイドフレーム64は、Y軸吸引設定位置に配置されている。続いて、制御部90は、スライド機構65Bに駆動命令を出し、搬送方向ガイドフレーム64をY軸吸引設定位置からY軸退避位置に向かって移動させる。なお、Y軸退避位置センサ68bにより検知された際に、スライド機構65Bの駆動が停止し、搬送方向ガイドフレーム64が、Y軸退避位置に配置される。
続いて、制御部90は、プラテン駆動モータ36dを駆動させ、搬送方向ガイドフレーム64をZ軸に沿って情報に移動させる。なお、Z軸退避位置センサ68dにより、搬送方向ガイドフレーム64が検知された際に、プラテン駆動モータ36dの駆動が停止し、メンテナンスユニット61並びにメンテナンスインクパン62が、スペースS中に配置される。この配置において、メンテナンスユニット61並びにメンテナンスインクパン62は、Z軸において、インクジェットヘッド44の先端を越えて記録媒体側に突出することがない。従って、メンテナンス部60は、上記退避により、画像記録時に、不用意に記録媒体に接触するが防止される。即ち、メンテナンス部60は、画像記録用の配置(画像記録配置)に退避される。
上述の初期化動作により、制御部90は、Z軸吸引設定位置においてのメンテナンスユニット61のX、Y、並びにZ軸における位置を取得し得る。即ち、制御部90は、メンテナンスユニット61の位置を認識し、認識した位置を、以後の制御の基準位置に設定し得る。従って、制御部90は、より正確に各部材の移動の制御を行い得る。
続いて、インクボトル取付時の動作について説明する
[インクボトル取付時の動作]
インクボトル74は、対応するボトルホルダ73に取り付けられる。このとき、インクボトル74は、ボトルガイド面73Ba上の取付初期位置に配置される。インクボトル74は、取付初期位置から、使用者により、ボトルガイド面73Baの案内に従って、ボトル接続部73Cに押圧されることにより、ボトル接続部73Cと接続される。なお、インクボトル74は、緩衝機構73Hの対ボトル付勢力FUaを越える力で押圧されることにより、ボトル接続部73C側に移動され得る。インクボトル74は、カバー突起部74ABc並びにカバー突起部74BBcが、対応するカバー凹部73EBa並びにカバー凹部73FBcに嵌合すると、インクボトル74とボトルホルダ73とを接続が完了する。なお、使用者は、インクボトル74とボトルホルダ73とを接続した際に、カバー突起部74ABc並びにカバー突起部74BBcとカバー凹部73EBa並びにカバー凹部73FBcとの嵌合時のクリック感により、これらの接続完了を知ることが出来る。接続が完了した際に、無線読み取り装置73Iが、インクボトル74のインクラベル74Caの情報であるラベル情報を読みとる。ラベル情報は、RAM中に格納される。制御部90は、ROM中に、各ボトルホルダ73毎に、接続されるべきインクボトル74の対応情報を有している。本実施の形態においては、各ボトルホルダ73毎の対応情報には、インクボトル74の色が設定されている。制御部90は、ラベル情報と、対応するボトルホルダ73の対応情報とを比較し、所定のインクボトル74が対応するボトルホルダ73と接続されているか確認する。制御部90は、対象のボトルホルダ73に対して、正しいインクボトル74が接続されていない場合、出力部92に、警告音の出力、並びにエラーメッセジを表示させる。また、インクボトル74は、接続が完了した際に、ボトル通気口74Aの流路弁74ACが開放され、大気開放される。なお、接続が完了した時点では、インク出口74Bは、開放されていない。
また、前記接続が完了していない場合、インクボトル74は、緩衝機構73Hにより取付初期位置に戻される。さらに、インクボトル74がボトルガイド面73Ba上において、前記接続位置以外に配置されている場合、図29中に示されるように、カバーリブ73DBがインクボトル74と干渉して、ホルダカバー73Dを閉じることが出来ない。使用者は、ホルダカバー73Dが閉鎖しないことによって、接続の未完了を知ることが出来る。
また、ホルダカバー73Dが閉鎖位置に移動した際に、付勢部材73GAcは、付勢部材押圧部73DAbにより押圧される。なお、回転板73GAは、ロック板73GCにより時計回りの回動を規制されている。このため、押圧された付勢部材73GAcは、圧縮される。
上述のようにして全てのインクボトル74がボトルホルダ73に接続された後、ホルダカバー73Dが使用者により閉じられ、図24中に示されるように閉鎖位置に移動する。ホルダカバー73Dが閉鎖位置に移動した際に、開閉検知センサ73Abが、ホルダカバー73Dを検出する。
このようにして、全てのボトルホルダ73のボトル接続部73Cに所定のインクボトル74の接続が完了するとともに、ホルダカバー73Dが閉鎖位置に配置された際に、インクボトル74のボトルホルダー73に対する取付が完了する。
続いて制御部90は、前記取付が完了した後、タイマーにより取付完了後の経過時間の計測を開始する。なお、制御部90には、ROM中に、接続完了後からインク出口弁73FCを開放するまでの待機時間t1が格納されている。搬送時等において、インクボトル74が動かされた際に、インクボトル74中のインクは、攪拌され、気泡が混ざり込んでしまう。待機時間t1は、任意に設定され得るが、好ましくは、画像記録に用いれる程度に、前記気泡をインクと分離させるために必要な時間に設定される。そして、制御部90は、取付完了から待機時間t1経過した後、インク出口弁73FCを押圧するために、開閉駆動部73Gに対して押圧駆動命令を出す。
開閉駆動部73Gは、上記押圧駆動命令を受けると、ロック板駆動手段73Gdを駆動させ、ロック板73GCを半時計回りに回動させる。ロック板73GCが回動した際に、爪部73GCbは、図30中に示されるように、回転板73GAの一端から外れる。なお、回転板73GAは、前記回動前において、図24中に示されるように、爪部73GCbにより回動が規制され、回転板板初期配置に配置されている。回転板初期配置において、回転板73GAは、インク出口弁73FCに対して離間されている。
上述のように、爪部が外されると、回転板73GAは、時計回りの回動の規制が解除され、付勢部材73GAcの付勢力により、回転板初期位置から時計回りに回動する。この回動により、出口弁押圧部73GAbが、インク出口弁73FCの被押圧部材73FCbを押圧する。この押圧により、インク出口弁73FCが開放され、インク出口接続部73Fは、インクが流通可能になる。また、インク出口弁73FCは、出口弁押圧部73GAbの押圧により、インク出口74Bの流路弁74BCを押圧する。この押圧により、インクボトル74は、インク出口74Bからインクを流出可能になる。これにより、インクボトル74は、インク出口74B並びにインク出口接続部73Fを介して、ボトル接続チューブ72bと連通される。
続いて、初期インク充填動作について説明する。
[初期インク充填動作]
画像記録装置1を初めて起動する際等において、画像記録部40にインクが充填されていない場合がある。このとき、初期インク充填動作が行われる。初期インク充填動作は、ボトルホルダ73にインクボトル74が取り付けられている際に行われる。また、この初期インク充填動作では、制御部90により、インク供給部70の各弁が駆動される。初期インク充填動作は、以下の工程を有しており、表1を参照して説明する。
Figure 2005170547
まず、メインインクタンク充填工程が行われる。
このメインインクタンク充填工程では、分配器弁71b並びに加圧弁72eを閉鎖し、大気開放弁72g並びに接続チューブ弁72hを開放する。これにより、インクボトル74と、メインインクタンク72とが連通するとともに、メインインクタンク72が、大気開放される。その結果、インクボトル74中のインクが、メインインクタンク72中に供給される。液面検出センサ72Kaが液面を検出した際に、次の工程であるメインインクタンク充填停止工程が行われる。
メインインクタンク充填停止工程では、接続チューブ弁72hを閉鎖する。これにより、メインインクタンク72に対するインクの供給が終了する。続いて、分配器充填工程が行われる。
分配器充填工程では、メインインクタンク72の大気開放弁72gを閉鎖し、分配器弁71bを開放する。これにより、インク分配器71は、メインインクタンク72並びにボトル接続チューブ72bを介してインクボトル74と連通するとともに、インク分配器71が大気開放される。その結果、メインインクタンク72中のインクが、インク分配器71中に供給され、これに伴って、インクボトル74中のインクが、メインインクタンク72中に補給される。なお、気泡検知部が、インクの液面を検出した際に、続いて、画像記録準備工程が行われる。
画像記録準備工程では、分配器弁71bを閉鎖し、大気開放弁72gを開放する。これにより、インク分配器71中へのインクの供給は停止するとともに、インク分配器71中は、所定の水頭圧にされる。この結果、各ノズル47aには、メニスカスが形成され、画像記録の準備が整う。
[画像記録動作]
画像記録装置1により画像を記録する際、制御部90には、図示しないインターフェイスを介して、画像データが入力される。これとともに、制御部90は、使用者に、記録条件の入力を要求する。この要求は、出力部92により、入力を求めるメッセージの表示並びに音声出力を行う。この記録条件は、使用する記録媒体の寸法並びに種類、両面印刷か片面印刷の選択、及び記録密度等の、記録に必要な設定である。この記録条件は、入力部91を介して入力され、RAM中に格納される。なお、本実施の形態において、ROM中にディフォルトの記録条件が、格納されている。このため、使用者により入力が行われない場合、ROM中からディフォルトの記録条件を読み込み、自動的に記録条件を設定することも可能である。また、制御部90は、入力要求を出さず、使用者が入力部91を介して、記録条件の設定を求めた際にのみ、記録条件を設定するようにすることも可能である。
このようにして、記録条件が設定された後、制御部90は、画像記録処理を実行する。このとき、まず、制御部90は、スライド機構65B並びにプラテン駆動部モータ36dに対して駆動命令を出し、前記画像記録配置にメンテナンス部60を退避させる。制御部90は、Z軸退避位置センサ68d並びにY軸退避位置センサ68bにより、メンテナンス部60の退避を確認する。メンテナンス部60が退避すると、プラテン部20は、記録媒体が搬送可能な位置への配置が完了する。
メンテナンス部60の退避が完了した後、続いて、記録媒体の取り出しが開始される。
<記録媒体の取り出し>
制御部90は、駆動力伝達系に駆動命令を出し、クラッチをonし、ピックアップローラ対12を回転駆動させる。ピックアップローラ対12は、記録媒体トレイ11から記録媒体をピックアップし、記録媒体搬送方向に沿って、レジストレーションローラ対13に搬送する。なお、制御部90は、ROM中の記録媒体の種類情報を取得し、ピックアップローラ対12の駆動時間を設定する。これは、記録媒体の表面の摩擦係数に応じて、ピックアップローラ対12の記録媒体の取り出し時間に差が出るためである。なお、図31中において、普通紙を取り出す際のピックアップローラ対12の駆動タイミングが、実線L1で示されている。なお、制御部90は、図31中の実線L2に示されるように、普通紙を取り出す際のピックアップローラ対12の駆動開始から、所定時間後に、ピックアップセンサ14aにより、記録媒体の検出を行う。制御部90は、ピックアップローラ対12の駆動後に、所定時間以内にピックアップセンサ14aが記録媒体を検出しなかった場合、給紙搬送路上に紙詰まり(JAM)が生じたと判断する。紙詰まりと判断(JAM検出)した場合、制御部90は、画像記録を停止させるとともに、出力部92により、紙詰まりエラー出力を行う。
上記制御において、記録媒体の摩擦係数が普通紙に対して低い場合、ピックアップローラ対12は、記録媒体表面と引っ掛かりづらく、取り出しに時間が掛かってしまう。このため、制御部90は、取り出す記録媒体の表面の滑り易さに応じて、駆動時間を設定する。より具体的には、ピックアップローラ対12の駆動時間は、表面が滑りやすい記録媒体に対しては、取り出しミスを防ぐために、長時間に設定される。逆に、ピックアップローラ対12の駆動時間は、滑りにくい記録媒体に対しては、短く設定される。具体的には、図31中において破線BL1で示されるように、ピックアップローラ対12は、摩擦係数の低い記録媒体を取り出す場合、普通紙の取り出しタイミングより、先に駆動を開始する。言い換えると、摩擦係数の低い記録媒体を取り出す場合、ピックアップローラ対12の駆動開始と、JAM検出タイミングとの間は、普通紙の場合に比べて、長く設定される。これにより、制御部90は、JAMの誤検出が防止されている。
また、複数枚の記録媒体に対して連続的に画像を記録する場合、制御部90は、ピックアップローラ対12の記録媒体の取り出しタイミングを、前記種類情報に応じて、設定する。この記録媒体の取り出しタイミングを変えることにより、記録媒体搬送方向において、搬送路中を搬送される記録媒体同士の間隔(ページギャップ)を変更し得る。制御部90は、普通紙に対して滑りやすい記録媒体を取り出す場合、ページギャップを広くし、滑りにくい記録媒体の場合、ページギャップを狭くするように、ピックアップローラ対12の駆動タイミングを設定する。前記各駆動時間は、クラッチの接続されている間の駆動力伝達系のエンコーダの回転数により、算出され得る。
記録媒体が取り出された後、続いて、取り出した記録媒体の整列を行う。
<記録媒体の整列>
制御部90は、レジストレーションローラ対13により、記録媒体の搬送時の配置を整える。具体的には、記録媒体の長手方向と、記録媒体搬送方向とを一致させて搬送する場合、記録媒体の先端の幅方向に延びる端部が、レジストレーションローラ対13に押し当てられる。この押し当てられた際には、図32中に示されるように、レジストレーションローラ対13は、駆動をしていない。また、押し当てられる直前に、レジストセンサ14bは、記録媒体を検出する。また、この押し当てられた際には、記録媒体の向きは、正確に調整されていない。従って、図34中の破線で示される記録媒体RMのように、レジストレーションローラ対34に対して、先端が傾斜した状態で接触する場合がある。
前記記録媒体の押し当て後、所定時間ピックアップローラ対12は、駆動される。この駆動により、記録媒体は、レジストレーションローラ対13に向かって押圧される。これにより、図34中に示されるように、記録媒体RMの先端は、レジストレーションローラ対13の長手方向全体に渡って接触する。これにより、記録媒体の幅方向は、レジストレーションローラ対の長手方向と一致され、記録媒体の長手方向中央軸心RMaが、Y軸と平行にされる。
制御部90は、上述のようにして、記録媒体の位置調整後、言い換えるとレジストセンサ14bの記録媒体の検知から所定時間たった後、レジストレーションローラ対13の駆動を開始する。これにより、記録媒体は、画像記録機構20の領域に搬送される。なお、制御部90は、レジストレーションローラ対13の駆動開始時に、記録媒体の種類情報を参照する。参照した際に、記録媒体が普通紙より摩擦係数が低い場合、ピックアップローラ対12も同時に駆動させる。これにより、レジストレーションローラ対13には、記録媒体が確実にニップされ、摩擦係数が低い記録媒体でも、確実に搬送し得る。即ち、ピックアップローラ対13は、レジストレーションローラ対13の記録媒体の搬送の補助を行う。なお、制御部90は、レジストセンサ14bが検出してから所定時間以上記録媒体がレジストセンサ14bの検知範囲内に留まっていた場合、JAMが生じていると判断し、画像記録の停止並びにエラー出力を行う。
続いて、画像記録機構20による画像記録工程が行われる。
<画像記録工程>
この画像記録工程において、まず、制御部90は、給紙部10から記録媒体が搬送される前に、プラテン部30の各プラテンチャンバー負圧発生源34aに駆動命令を出す。これにより、第1乃至第3プラテンチャンバー35a、35b、35cは、負圧にされる。これと共に、制御部90は、ベルトローラ駆動モータ32aに駆動命令を出し、プラテンベルト31を駆動させる。
給紙部10から記録媒体が、画像記録部20に搬送された際(搬送初期時)、記録媒体の先端は、第1プラテンチャンバー35aの吸引力により、プラテンベルト31に吸着保持される。このため、記録媒体は、プラテンベルト31から浮き上がることを防止される。吸着保持された記録媒体は、プラテンベルト31により、記録媒体搬送方向に沿って、所定速度で移動される。記録媒体は、インクジェットヘッド列41と対向する位置に搬送される前に、画像幅検知手段36dにより、幅寸法が読み取られる。制御部90は、読み取った幅寸法により、幅方向において、記録媒体に対する画像の記録範囲を設定する。これにより、制御部90は、記録媒体の幅を超えて、画像が記録されることを防止する。言い換えると、幅方向において、記録媒体から画像がはみ出ることを防止する。
続いて、記録媒体の先端が、インクヘッド列41と対向する位置まで搬送されると、制御部90は、画像記録機構40に画像記録命令を出す。これにより、各インクジェットヘッド44は、記録媒体に対してインクの吐出を開始する。このインクの吐出は、インクヘッド列41毎に行われる。インクジェットヘッド列41は、記録媒体の幅全体に渡って延びているため、一度の吐出で、幅全体に渡って画像を記録し得る。この画像記録に伴って、プラテン部30は、記録媒体をY軸に沿って搬送する。このため、画像は、記録媒体の長手方向に、順次記録されていく。また、記録媒体の先端は、Y軸において、上記搬送に伴って、第2プラテンチャンバー35bの位置まで搬送される。第2プラテンチャンバー35bは、第1プラテンチャンバー35aより単位面積当たりの吸引力が小さいが、記録媒体のプラテンベルト31への設置面積が搬送初期時に比べて大きいため、容易に記録媒体を吸着保持し得る。
この画像記録において、制御部90は、大気開放弁72gを開放し、加圧弁72eを閉鎖する。これにより、メインインクタンク72とインクヘッド列41との水頭差により、各インクジェットヘッド44中のインク室48d(図3参照)中のインクには、負圧が印加される。この負圧により、圧電体溝46aを介して前記インク室48dと連通する各ノズル47a内のインクは、メニスカスを形成する。なお、上記水頭差は、ノズル47a中の所望の位置でメニスカスが形成されるように設定されている。その結果、前記所望の位置に形成されたメニスカスの表面張力と、前記負圧とが、平衡状態になる。これにより、各ノズル47aからは、圧電体46により吐出力が印加されないかぎりは、インクが漏れ出ることはない。従って、上記構成の画像記録装置1は、インクを所望の時にのみ、噴射して画像を形成することが出来ると共に、望まないときにインクが漏れ出て記録媒体及び/又は画像記録装置1内を汚染することが、良好に防止されている。
なお、メインインクタンク72中には、インクの残量検知センサを設けることが可能である。このインクの残量検知センサは、制御部90と接続することが好ましい。この構成において、制御部90は、インク残量が規定値より減少したことを、前記残量検知センサから受信した場合、ボトル接続部73Cがインクボトル74のインク出口を開放し、ボトル接続チューブ72bを介して、メインインクタンク72中にインクを補給し得る。この構成により、本実施の形態の画像記録装置1は、煩雑な作業をすることなく自動的にインクを補給し得る。
続いて、記録媒体の先端がY軸において最も排出部50側のインクヘッド列41を越えた際に、記録媒体の先端は、第3プラテンチャンバー35cにより吸着保持される。なお、記録媒体の先端は、全てのインクヘッド列41を通過したため、画像記録が完了している。そして記録媒体は、全ての領域を、全てのインクヘッド列41を通過させることにより、全体に渡って画像記録を完了する。なお、記録媒体は、全ての領域が全てのインクヘッド列41を通過する前に(例えば記録媒体に対して画像記録中である場合でも)、排出部50の排出部搬送ローラ対51により挟まれる。記録媒体は、排出部搬送ローラ対51に挟まれた際に、排出部搬送ローラ対51による搬送力を受ける。しかしながら、記録媒体は、第3プラテンチャンバー35cの吸引力(この吸引力は第2プラテンチャンバー35bの吸引力よりも大)によって、プラテンベルト31に吸着保持されている。従って、プラテンベルト31により搬送されている記録媒体は、排出部50の搬送力を受けた場合でも、プラテンベルト31により定速搬送され得る。第3プラテンチャンバー35cの記録媒体に対する吸着力は、プラテンベルト31により搬送中の記録媒体の後端が全てのインクヘッド列41を通過するまで保たれ得る。言い換えると、第3プラテンチャンバー35cは、記録媒体全体が記録エリアを通過するまでプラテンベルト31により定速搬送し得るように、記録媒体に対して所定の吸引力を提供する。
記録媒体の後端が全てのインクヘッドの記録エリアを通過すると、画像記録工程が完了する。この画像記録工程の完了後の記録媒体位置に作用する吸引力は、排出部搬送ローラ対51の搬送力よりも小さくなる。より詳述すると、記録媒体が搬送方向に沿って搬送されていくと、記録媒体に作用する吸着面積が小さくなるためプラテンベルト31への吸着保持力が弱まる。その結果、この吸引力が排出部50の搬送力よりも小さくなり、記録媒体は排出部50の搬送速度に従って排出されることになる。
なお、制御部90は、画像記録中に、ヘッド冷却部49を動作させ、各インクジェットヘッドを冷却させる。
なお、記録媒体の先端が排出部50に搬送された際に、制御部90は、両面印刷が設定されていた場合、続いて、記録媒体反転工程を実行し、片面印刷が設定されていた若しくは両面印刷が完了していた場合、記録媒体排出工程を実行する。
まず、記録媒体反転工程について説明する。
<記録媒体反転工程>
記録媒体反転工程では、まず、制御部90は、経路切替部53に駆動命令を出し、排出経路に対して経路切替部53の先端を当接させる。これにより、排出部搬送ローラ対51により搬送された記録媒体は、記録媒体反転部80に案内される。より具体的には、経路切替部53により案内された記録媒体は、第1搬送路81に、搬送される。第1搬送路81に案内された記録媒体は、第1搬送路81により、裏返され、第2搬送路82に搬送される。なお、制御部90は、所定時間内で、記録媒体が第1搬送路81を通過したかを、3つの第1搬送路センサ81cにより、検出する。制御部90は、所定時間経過の後も、第1搬送路センサ81cにより記録媒体が検出された場合、JAMであると判断し、画像記録を停止させるとともに、出力部92により、紙詰まりエラー出力を行う。
記録媒体が、第2搬送路82に搬送されると、反転ベルトユニット82aにより、スロープ部82cに搬送される。制御部90は、第1搬送路81を通過してから、所定時間内に、第2搬送路センサ82bが記録媒体を検知しなかった場合、反転ベルトユニット82a中で紙詰まりを起こしていると判断し、画像記録を停止させるとともに、出力部92により、紙詰まりエラー出力を行う。
記録媒体が、スロープ部82cに搬送されると、記録媒体は、ゲート82dを押圧し、ゲート82dを回動させる。記録媒体は、ゲート82dとスロープ部82cとにより案内され、反転経路部83に搬送される。なお、端部検知センサ83dは、記録媒体を検知する。反転経路部83に案内された記録媒体は、反転ローラ対83bによりニップされる。制御部90は、反転ローラ対83bが記録媒体をニップした後に、反転ローラ対83bを正回転させる。これにより、記録媒体は、反転補助路83cに向けて搬送する。この搬送により、記録媒体の後端は、端部検知センサ83dの検出範囲から外れる。端部検知センサ83dが、記録媒体を検知しなくなった際に、制御部90は、反転ローラ対83bを、前記逆回転機構により、逆回転させる。なお、ゲート82dは、記録媒体の押圧から解除されているため、反転経路部83から離間している。このため、記録媒体は、ゲート82dの下を通り、再給紙搬送路84に搬送される。
再給紙搬送路84に搬送された記録媒体は、再給紙ローラ対84aによりニップされ、レジストレーションローラ対13に向けて搬送される。このとき、再給紙ローラ対84aと、レジストレーションローラ対13とは、上述の記録媒体の整列を行う際のピックアップローラ対12とレジストレーションローラ対の動作と同様に、記録媒体の整列を行う。即ち、前記記録媒体の押し当て後、所定時間再給紙ローラ対84aは、駆動される。この駆動により、記録媒体は、レジストレーションローラ対13に向かって押圧され、位置調整される。また、再給紙ローラ対84aは、上述の記録媒体の整列と同様に、レジストレーションローラ対13による記録媒体の搬送の補助を行う。なお、制御部90は、再給紙センサ84bが検出してから所定時間以上記録媒体が再給紙センサ84bの検知範囲内に留まっていた場合、JAMが生じていると判断し、画像記録の停止並びにエラー出力を行う。
このようにして、レジストレーションローラ対13が、反転した記録媒体を画像記録機構20の領域に搬送されると、再び前述の画像記録工程が行われ、記録媒体の裏面に画像が記録される。
<記録媒体排出工程>
記録媒体排出工程では、まず、制御部90が経路切替部53に駆動命令を出し、排出経路に対して経路切替部53の先端を離間させる。これにより、排出部搬送ローラ対51により搬送された記録媒体は、排出部排出ローラ対52に搬送される。このとき、制御部90は、RAM中を参照し、記録媒体の種類に応じてX軸において曲げウィング54bの間隔を調節する。具体的には、曲げウィング54bの間隔は、記録媒体の腰に応じて、調整される。より具体的には、厚紙の場合、排出時の空気抵抗に対する強度が普通紙に対して高いため、曲げウィング54bの間隔は、記録媒体の幅と実質的に同様にされ、厚紙を曲げない。普通紙の場合、空気抵抗に対する強度を所定の値にするため、曲げウィングの間隔は、厚紙の時より狭く設定し、図16中に示されるように、記録媒体を曲げ得る。なお、普通紙より腰の弱い記録媒体に対しては、曲げウィング54bの間隔を普通紙のときより狭くし、大きく曲げる。これにより、記録媒体は、確実に排出トレイ55に収容され得る。
[メンテナンス動作]
続いて、本実施の形態の画像記録装置1のメンテナンス動作について図34乃至図36を参照して説明する。このメンテナンス動作は、制御部90の命令に従って、画像記録処理中や、電源投入時などの任意のタイミングで行うことが可能である。このタイミングは、制御部90内のROM中に予め設定しておくことも可能であるし、制御部90に接続された図示しない入力手段により、RAM中に設定を記憶させることも可能である。
このメンテナンス動作では、以下の複数の工程を行う。
まず、メンテナンス部配置工程が行われる。
<メンテナンス部配置工程>
このメンテナンス部配置工程では、制御部90は、まず、プラテン駆動部モータメンテナンス駆動部モータ32aに駆動命令を出し、プラテン部30を降下させる。これにより、メンテナンス部60が、図34(a)中に示されている画像記録配置から、図34(b)中に示されるZ軸移動可能位置まで下げられる。
続いて、制御部90は、スライド機構65Bに駆動命令を出し、Y軸に沿って搬送方向ガイドフレーム64を移動させる。この移動により、メンテナンス部60は、図34(c)中に示されるように、Y軸吸引設定位置に移動する。より具体的には、この移動により、各メンテナンス吸引部61Aは、図19中に示されるように、対応するインクヘッドユニット43と互いに対向する位置に配置される。
なお、メンテナンス吸引部61Aの下方には、メンテナンスインクパン62が配置されている。このため、メンテナンスインクパン62は、インクジェットヘッド44から吐出されたインク及び/漏れ出たインクを受け止め、画像記録装置1内の汚染を良好に防止し得る。
続いて、制御部90は、吸引部駆動機構63aに駆動命令を出し、各メンテナンス吸引部61Aを、対応するインクジェットヘッド44のX軸においての一端と対向する位置に配置する。より具体的には、各メンテナンス吸引部61Aは、X軸において、端部に形成されているノズル47aより、インクジェットヘッド44の中央に対して、外側と対向する位置に配置される。従って、この配置において、各メンテナンス吸引部61Aは、吸引開口部61Aaが、X軸において、ノズル47aと対向しない。
このようにして、メンテナンス部配置工程が完了した後、続いてパージ工程が行われる。
<パージ工程>
このパージ工程を、図35並びに図36を参照して説明する。図35は、メンテナンス時においての弁並びにポンプの動作を示す概略図である。図36は、図35中の各状態におけるインクジェットヘッドのインクを示す概略図である。なお、図35中において、線aは、エアタンク75中の圧力を示し、線bは、メンテナンス吸引部61Aに印加される圧力を示している。
このパージ工程では、制御部90が以下の手順で弁並びにポンプの駆動を制御する。まず、このパージ工程において、画像記録時S1に開放されていた大気開放弁72gを閉鎖する(図35中(1)参照)。なお、大気開放弁72gの閉鎖前では、各インクジェットヘッド44には、上述のように、メニスカスが形成され、図36(a)に示されているように、各ノズル47aからインクが漏れ出ていない。なお、このときの各弁は、上述した画像記録準備工程での弁の状態(表1参照)と同様にされている。それとともに、吸引ポンプ66並びに加圧ポンプ76も駆動を開始していない。
上述のようにして、全ての弁が閉鎖された後、制御部90は、加圧ポンプ76に対して駆動命令を出力する(図35中(2)参照)。命令を受けた加圧ポンプ76は、駆動を開始する。なお、加圧弁72eが閉鎖されているため、エアタンク75は、気密に保たれている。従って、加圧ポンプ76の駆動により、エアタンク75中は、負圧にされる。なお、エアタンク75中の圧力は、圧力センサ75bによりモニタされている。
続いて、エアタンク75中の圧力が所定値(パージ圧力)になったと圧力センサ75bが検出した際に、加圧ポンプ76は、停止されるとともに、加圧弁72eが開放される(図35中(3)参照)。加圧弁72eを開放することにより、エアチューブ72cを介して、メインインクタンク72に正圧が印加される。なお、大気開放弁72g並びに接続チューブ弁72hが閉鎖されているため、前記圧力は、メインインクタンク72並びにインク分配器71を介して、各インクジェットヘッド44のインク室48dに印加される。各インク室48dに印加された圧力は、各圧電体溝46aに印加される。さらに各圧電体溝46aの圧力は、対応するノズル47aに印加される。即ち、エアタンク75からノズル47aまでは、複数の部材を介しているが、実質的に気密な状態で連通しているため、エアタンク75中の圧力は、ノズル47aに印加され得る。
なお、前記パージ圧力、即ち、エアタンク75に印加される圧力は、各ノズル47aからインクが排出され得る値に設定されている。言い換えると、ノズル47aに印加された圧力は、ノズル47a中のメニスカスの表面張力を越え、インクがノズルプレート47から垂れ落ちる値、に設定されている。例えば、上記パージ圧力は、約10〜50キロパスカル(KPa)に設定される。なお、このパージ圧力は、インクの粘度やノズル47a等を構成する材料などに依存するため、任意に変更し得る。このようなパージ圧力が各ノズル47aに印加されることにより、図36(b)中に示されるように、各ノズル47aから一気にインクが排出される。
このように、インクが排出されることにより、インク室48d中に混入した気泡やゴミなどの異物を、ノズル47aから、インクと共に排出し得る。
このインクの排出は、図35中に示されるパージS2の間行われる。このパージS2の期間は、制御部90のタイマにより計測され、所定時間経過の後に、インク室46dに印加される圧力を所定値(吸引時正圧)に下げられることにより、終了する。なお、前記所定時間は、例えば、約0.3〜約20秒、好ましくは、約0.5秒〜約5秒の範囲の中から選定される。
上記各インク室48dの圧力を吸引時正圧に下げるために、大気開放弁72gが開放される(図35中(4)参照)。大気開放弁72gが開放されることにより、メインインクタンク72の圧力が下がり、その結果、各インク室48dに掛かる圧力も下げられ得る。なお、前記吸引時正圧は、図36(c)中に示されるように、ノズル47aを越えてノズルプレート47までインクが漏れ出るが、ノズルプレート47から垂れ落ちない程度の圧力に設定される。この吸引時正圧は、例えば、約1.2KPaである。この吸引時正圧も、パージ圧力と同様に、任意に変更し得る。
なお、メインインクタンク72中の圧力が、実質的に吸引時正圧に下がった際に、大気開放弁72gは、閉鎖される。なお、大気開放弁72gの一度の開閉のみで前記吸引時正圧に下げようとした場合、メインインクタンク72中の圧力は急激に変化する。従って、上記閉鎖時に、各インク室48dの圧力は、急激に変化する。この場合、大気開放弁72gを閉じた際に、急激な圧力変化に対応して、大きいアンダーシュートが発生する。言い換えると、急激に圧力変化した際に大気開放弁72gを閉じた場合、圧力値が、閉じた時点の圧力より、一時的に低い値に振れる。この圧力値の振れ量は、前記圧力変化が大きければ大きいほど、大きくなる。従って、上述のように急激に圧力変化をさせた場合、上記アンダーシュートにより、インク室48d中の圧力が、一時的に負圧になる虞を有している。このように前記圧力が一時的に負圧になる場合、インクの液面が、ノズル47aと圧電体溝46aとの間で、移動をし、圧電体溝46a中に空気を巻き込む虞を有している。
このため、本実施の形態の制御部90は、パージS2の終了後、吸引時正圧に圧力が下がるまでの間に、複数回開閉するように、大気開放弁72gを制御する(図35中(4)参照)。この制御により、短期間に圧力を下げた場合でも、1回の開閉における圧力変化が小さくなり、その結果、大気開放弁72gの閉鎖時における圧力変化を小さくし、インク室48dが負圧になることを防止し得る。
上述のようにして、インク室48d中の圧力が、前記吸引時正圧に下がり、安定した後、続いて、サッキング工程が行われる。
<サッキング工程>
サッキング工程では、メンテナンス吸引部61Aにより、インクジェットヘッド44に付着したインクの吸引を行う。この吸引を行うために、まず、メンテナンス吸引部61Aをインクジェットヘッド44に当接するように、移動させ、インクジェットヘッド44に対する位置合わせを行う。
高さ方向の位置合わせにおいて、プラテン部30を上昇させ、メンテナンス吸引部61Aの下方から押圧することによって行われる。プラテン部30を所定位置、即ちメンテナンス吸引部61Aが吸引可能になる位置にまで上昇させたならば、プラテン部の移動を停止させる。
メンテナンス吸引部61Aがインクジェットヘッド44に当接すると、ガイド突起部61Abが、インクジェットヘッド44のガイド溝44e中に挿入され係合する。これにより、メンテナンス吸引部61Aは、吸引開口列61Aeの配列方向と、ノズル47aの配列方向とが実質的に一致される。また、このとき、吸引開口部61Aaは対応するインクジェットヘッド44の幅全体に渡って対向する。
メンテナンス吸引部61Aとインクジェットヘッド44との位置決めが完了したならば、吸引ポンプ66が駆動を開始する(図12中(5)参照)。この駆動により、メンテナンス吸引部61Aは吸引を開始する。本実施の形態において、メンテナンス吸引部61Aが−3KPa〜―5KPaの負圧で吸引しえるように、吸引ポンプ66による吸引力が設定されている。
なお、上述のようにメンテナンス部配置工程において、インクジェットヘッド44とメンテナンス吸引部61Aとの位置合わせと、吸引ポンプ66の駆動開始とは、ノズル47aの設けられていない領域で行われる(図13(d)参照)。従って、上記位置合わせ時において、安定しきれていない負圧でもって、ノズル47aと対向する位置のインクを吸引することが防止されている。
上記位置合わせが終了し、吸引ポンプ66の提供する負圧が所定値に達し、かつ安定した際に、メンテナンス吸引部61AはサッキングS3を開始する。このサッキングに際し、制御部90は、メンテナンス吸引部61Aの吸引部駆動機構63aに対して駆動命令を出す。この駆動命令により、吸引部駆動機構63aは、メンテナンスユニット駆動部63とともにメンテナンス吸引部61Aの移動を開始させる(図35中(6)参照)。吸引部駆動機構63aは、メンテナンス吸引部61Aを、ノズル47aの配列方向に沿って、インクジェットヘッド44の全体に渡って移動させる。言い換えると、本実施の形態において、メンテナンス吸引部61Aは、X軸において、インクジェットヘッド44の一端から他端まで移動される。なお、このメンテナンス吸引部61Aは、ガイド溝44eにより案内され、確実にノズル47aの配列方向に沿って移動される。メンテナンス吸引部61Aは、上記移動中において、ノズルプレートカバー47bに対して摺動するため、ノズル47aに対する離間距離を一定に保ち得る。
なお、インクジェットヘッド44の記録媒体側の面は、ノズルプレートカバー47bにより覆われているが、メンテナンス吸引部61Aの吸引部ヘッド対向面61Adはノズルプレートカバー47bに当接し、また、ワイパーブレード61Acはノズル形成面47dに当接した状態で、メンテナンス吸引部61AがX軸方向に移動する。このため、メンテナンス吸引部61Aの吸引部ヘッド対向面61Adは、ノズル形成面47に対して、ノズルプレートカバー47bの厚さ分だけZ軸において離間することになる。
メンテナンス吸引部61Aは、このサッキングS3において、X軸に沿った移動に伴って、インクを吸引する(図36(e)参照)。この吸引により、ワイパーブレード61Acが、ノズルプレートカバー47bをワイピングし、それに続いて、吸引開口列61Aeが、インクジェットヘッド44のノズル列近傍のインクを吸引する。より具体的には、上述のように、インク室48d並びにノズル47aには、吸引時正圧が印加されている。このため、ノズルプレート47並びにノズルプレートカバー47b上にインク溜まりが形成されている(図36(d)参照)。このインク溜まりは、パージ時のインクと、吸引時正圧時においてノズルから漏れ出たインクとにより構成されている。
このインク溜まりのインクを、メンテナンス吸引部61Aは、吸引する。即ち、メニスカスが形成されているノズル47aから、インクを無理矢理引きちぎるのではない。言い換えると、本実施の形態のメンテナンス吸引部61Aは、ノズル外部のインク溜まりのインクを吸引している。これにより、前記吸引時に、インクの液面が、不安定にノズル47aと、インク室48dとを移動することが防止される。即ち、本実施の形態のメンテナンス吸引部61Aは、インク吸引時に、前記インクの液面の移動によるインク室48d中への空気の巻き込みを防止し得る。
また、ノズルプレート47並びにノズルプレートカバー47bとは、上記インク溜まりにより、吸引されるまで、インクにさらされている。これにより、これら上のゴミなどが浮き上がり、吸引され易い状態にされている。従って、メンテナンス吸引部61Aは、インクと共に浮き上がったゴミを吸引し、確実にノズルプレート47上を清掃し得る。
また、吸引時において、吸引開口部61Aaは、吸引時の移動方向と直行する方向であるY軸において、ノズルプレートカバー47b全体に渡って配置されている。従って、メンテナンス吸引部61AのX軸に沿った移動により、インクジェットヘッド44上のインク溜まり全体を吸引し得る。
また、入口孔61Ahは、ノズル47aと対向しない位置に、吸引開口部61Aa中の位置が設定されている。この設定により、入口孔61Ahがノズル47aと対向する位置にある場合に比べ、入口孔61Ahの吸引力がノズル47aに対して直接与える影響を小さくし、インク溜まりを吸引し得る。
さらに、図37中に示されるように、入口孔61Ahによる吸引における吸引方向(図37中矢印AR1)は、ノズル47aの延伸方向と同じZ軸に沿っているが、吸引開口部61Aa中において、矢印AR2で指摘するようにY軸に沿った方向に変えられている。従って、入口孔61Ahで発生した負圧は、より直接ノズル47aに強い吸引力の影響を及ぼすことを抑制している。
また、吸引開口列61Aeは、3つの吸引開口部61Aaを配列することにより構成されている。従って、メンテナンス吸引部61Aの移動に伴って、インクジェットヘッド44は、同一箇所を複数の吸引開口部61Aaにより吸引される。従って、より確実にインク溜まりのインクが吸引され得る。さらに、吸引開口列61Aeは、吸引開口部61Aaが配列方向において、互いに離間しているため、インクジェットヘッド44の被吸引箇所に対して、複数回断続的に吸引を繰り返す。言い換えると、メンテナンス吸引部61Aは、被吸引箇所に対して、弁の開閉や吸引ポンプ66の駆動制御をすることなく移動にともなって負圧の変化を複数回生じさせる。負圧が複数回変化した場合、ノズルプレートに対して撥水性の低いノズルプレートカバー47bに付着したインクのような、付着力の強いインクでさえも吸引し得る。従って、メンテナンス吸引部61Aは、簡単な構成でありながら、負圧の変化によってインクをより確実に吸引し得る。
また、吸引開口列61Aeがノズルプレート47上を移動することにより、ノズルプレート47上に付着しているインクを掻き取ることができる。
なお、このサッキングS3中において、インク室48dには、吸引時正圧が常に印加されている。このため、図13e中に示されるように、各ノズル47aからは吸引時正圧によりインクが漏れ出ている。
このようにして、各インクジェットヘッド44全体に渡って吸引し終えると、吸引部駆動機構63aは、インクジェットヘッド44の一端から他端に向けた駆動を終了する(図12中(7)参照)。このとき、吸引ポンプ66も駆動を終了する。これらは、制御部90の命令により行われる。
これとともに、制御部90は、プラテン部30を下降させることにより、メンテナンス部60を再び図11(c)中に示されるように、インクジェットヘッド44から離間させる。離間させた後、制御部90は、吸引部駆動機構63aを駆動させて、搬送方向ガイドフレーム64を再びメンテナンス処理を行う前の位置に戻す。
続いて、吸引ポンプ66が駆動を終了した時点から、吸引時正圧により漏れ出たインクがノズルプレート47を超えてノズルプレートカバー47bに接触するまでに、大気開放弁72gが開放される(図12中(8)参照)。これにより、再びインク室48dには所定の水頭圧がかかり、図13(a)中に示されるように、再び各ノズル47aにはメニスカスが形成される。なお、このとき、図13(f)中に示されるようにノズルプレート上にインク溜まりが形成されている。このインク溜まりは、ノズルプレートカバー47bに接触していない。従って、ノズルプレート47は、撥水コーティングが成されているため、メニスカスの形成時の水頭圧により、ノズル47a中に吸引される。また、サッキング後のノズルプレート上は、きれいであるため、ノズルプレート上のインクがノズル47a中に戻った場合においても、ノズル47a中のインクを汚染することはない。
なお、インク室48dが前記水頭圧により所定の負圧になったとき(図12中(9))から、待ち時間T後にメニスカスが安定し、インクジェットヘッド44は、図13(a)中のような画像記録可能状態に戻る。これによりサッキング工程が終了する。
このようにして、メンテナンス動作が完了する。
上記構成に示すように、メンテナンス吸引部61Aは、インク室48dが、吸引時正圧にされている際に、インクを吸引する。これにより、メンテナンス吸引部61Aは、ノズル47a外のインク溜まりのインクを吸引する。従って、画像記録装置1は、インクの液面の移動に起因した空気の巻き込みを防止しつつ、インクジェットヘッド44の記録媒体と対向する面の清掃を確実に行い得る。
また、制御部90は、メンテナンス吸引部に吸引を行わす前に、インク室48dを吸引時正圧になるように、各弁並びにポンプを制御する。従って、吸引時に、確実に前記インク溜まりが形成されているため、画像記録装置1は、より確実に空気の巻き込みを防止し得る。
[インクボトルの取り外し動作]
インクボトル74は、交換する際等にボトルホルダ73から取り外される。この取り外しの際に、まず、制御部90は、全てのボトルホルダ73の開閉駆動部73Gに対して、出口弁押圧部73GAbを回転板73GAから離間させるために、離間駆動命令を出す。
開閉駆動部73Gは、離間駆動命令を受けると、ロック板駆動手段73Gdを駆動させ、ロック板73GCを回動し、再び爪部73GCbを回転板73GAに引っ掛けるとともに、回転板73GAを回転板初期位置に戻す。これにより、インク出口弁73FCは、出口弁押圧部73GAbによる押圧が解除される。このように押圧が解除されると、インク出口弁73FCは、出口流路開口73FBaを閉鎖し、流路弁74BCは、流路開口74BBaを閉鎖する。
このように出口流路開口73FBa並びに流路開口74BBaが閉鎖された後、インクボトル74は、ボトルホルダ73から引き抜かれる。インクボトル74は、ボトル案内軸心GAに沿ってボトル接続部抵抗力FRsを越える力で引き抜かれた際に、ボトルホルダ73から抜かれる。この引き抜かれた際に、ボトルホルダ73は、図21中に示されるように、ストッパ部73Bbと接触し、取付初期位置で停止される。インクボトル74は、ストッパ部73Bbと接触した際の振動により、開口部外カバー74BDの先端に付着したインクを、出口インク受け部73Feにふるい落とし得る。その後、インクボトル74は、ボトルホルダ73から取り外される。
なお、本実施の形態において、第3プラテンチャンバー35cによる吸着力は、記録媒体の後端が、最下流に配置されたインクヘッド列41を通過するまで、排出部50の搬送力より強い搬送力を有するように設定されている。しかしながら、記録媒体搬送方向において、記録媒体の後端に画像記録されないマージンが設けられている場合、記録媒体の先端からマージンまでの領域に、画像記録を終えた際に、前記吸着力が、前記搬送力より弱くなるように設定され得る。
また、本実施の形態において、第1乃至第3プラテンチャンバー35a、35b、35cは、制御部のプラテンチャンバー負圧発生源34aの吸引力を制御し、所望の吸引力に設定することも可能である。
これまで、本発明の一例としての実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
従って、本発明の画像記録装置について、以下のことが言える。
(態様1)
本発明の一態様の画像記録装置は、記録媒体を所定の記録媒体搬送方向に搬送するために、記録媒体搬送方向における上流と下流とに夫々設けられた記録媒体搬送部と、前記記録媒体搬送部の間に配置されており、記録媒体を吸着保持するプラテン部と、上記搬送される記録媒体に対して、画像を記録する画像記録部とを具備している。また、前記プラテン部は、前記記録媒体搬送方向に沿って配列された少なくとも3つのチャンバーを有している。さらに、前記記録媒体搬送方向において両端部のチャンバーは、他のチャンバーより吸引力が強く設定されている。
上記構成により、記録媒体搬送方向において両端のチャンバーの吸引力が強く設定されている。このように、前記プラテン部は、プラテンに対して記録媒体が搬送される上流の吸引力が強い。このため、プラテン部に対する記録媒体の導入時に、搬送方向における記録媒体の先端が、プラテン部に対して浮き上がることを防止し得る。これとともに、前記プラテン部は、プラテンから記録媒体が排出される下流の吸引力も強い。このため、下流側に搬送された記録媒体が、下流側の記録媒体搬送部の搬送力の影響下におかれた場合においても、前記下流側の記録媒体搬送部により、所望の搬送速度を超えて搬送されないように、前記搬送力に抗する抵抗力として、吸引力を提供し得る。従って、本態様の画像記録装置は、画像記録中に、記録媒体が下流側の記録媒体搬送部の搬送力の影響を受けた場合においても、常に一定の速度で記録媒体を搬送し得る。
(態様2)
前記態様1の画像記録装置において、
前記両端部のチャンバーにおいて、上流側のチャンバーは、上流側の前記記録媒体搬送部から記録媒体が受け渡された際に、記録媒体の先端を吸着し得るように、吸着保持力が設定され得る。
上記構成により、本態様の画像記録装置は、確実に、記録媒体導入時の記録媒体の浮き上がりを防止し得る。
(態様3)
前記態様1の画像記録装置において、
前記両端部のチャンバーにおいて、下流側のチャンバーは、下流側の前記記録媒体搬送部の搬送力に抗して、記録媒体を吸着保持し得るように、吸着保持力が設定され得る。
上記構成により、本態様の画像記録装置は、画像記録中に、記録媒体が下流側の記録媒体搬送部の搬送力の影響を受けた場合においても、常に一定の速度で記録媒体を搬送し得る。
(態様4)
また、本発明の他の態様の画像記録装置は、記録媒体を所定の記録媒体搬送方向に搬送するために、記録媒体搬送方向における上流と下流とに夫々設けられた記録媒体搬送部と、前記記録媒体搬送部の間に配置されており、記録媒体を吸着保持するプラテン部と、上記搬送される記録媒体に対して、画像を記録する画像記録部とを具備している。また、前記プラテン部は、前記記録媒体搬送方向に沿って、記録媒体が搬送されてくる導入エリアと、前記記録媒体に対して画像を記録する記録エリアと、前記記録媒体を下流側の前記記録媒体搬送部に排出する排出エリアとを有している。そして、各エリアにおける記録媒体に対する吸着力は、導入エリア>排出エリア>記録エリアの関係を有するように、設定されている。
上記構成により、導入エリアの吸着力を、十分に記録媒体を吸着し得る吸着力を提供する排出エリア、記録エリアのそれよりも強くしている。これは、プラテン部への記録媒体の導入時に、記録媒体の先端が浮き上がることを抑制するためである。さらに、排出エリアを記録エリアよりも強い吸着力になるように設定している。これは、記録媒体が下流側の記録媒体搬送手段の搬送力にさらされた場合においても、画像を記録している間や画像記録可能エリアに記録媒体が位置しているときには、常に一定の速度で記録媒体を搬送させようとするためである。さらに、記録エリアは、導入エリア並びに排出エリアに対して吸着力を強くしていない。このため、本態様の画像記録装置は、上述の記録媒体の浮き上がり並びに定速搬送という効果を達成するために、プラテン部全体に渡る吸着力を増大させる必要がない。従って、本態様の画像記録装置は、コストを増大させることなく上記効果を達成し得る。
(態様5)
前記態様4の画像記録装置において、
前記導入エリア、記録エリア、並びに排出エリアの夫々は、自身の大きさに対応したチャンバーと、前記チャンバー内を負圧にする負圧発生手段とを有しており、前記チャンバーを負圧にすることにより、記録媒体に対する吸引力を発生し、
前記導入エリアの面積は、記録エリアの面積より小さく設定され得る。
上記構成により、導入エリアは、記録エリアと同一の負圧発生手段により、負圧を発生した場合においても、単位面積当たりの吸引力を、記録エリアに対して強くし得る。従って、負圧発生手段の能力に依存することなく、吸引力を設定し得る。
(態様6)
前記態様5の画像記録装置において、
排出エリアの面積は、導入エリアより大きく、記録エリアより小さく設定され得る。
上記構成により、導入エリアより小さいが、記録エリアより大きい吸引力を、負圧発生手段の能力に依存することなく設定し得る。
(態様7)
前記態様4の画像記録装置において、
排出エリアの面積は、記録エリアの面積より小さくされ得る。
上記構成により、排出エリアは、記録エリアと同一の負圧発生手段により、負圧を発生した場合においても、単位面積当たりの吸引力を、記録エリアに対して強くし得る。従って、排出エリアは、負圧発生手段の能力に依存することなく、吸引力を設定し得る。
(態様8)
前記態様4の画像記録装置において、
排出エリアは、記録媒体搬送方向において、画像記録部の下流側の端部と、画像記録部より下流側の領域との少なくとも一方を含み得る。
上記構成により、画像記録時において、搬送方向においての記録媒体の後端が、画像記録部の下流の領域から出るまでの間、確実に排出エリアの吸引力を記録媒体に対して影響させ得る。上記構成により、本態様の画像記録装置は、より確実に、画像記録時に記録媒体を定速移動させ得る。
(態様9)
また、本発明のさらに他の態様の画像記録装置は、記録媒体を所定の記録媒体搬送方向に搬送するために、記録媒体搬送方向における上流と下流とに夫々設けられた記録媒体搬送部と、前記記録媒体搬送部の間に配置されており、記録媒体を吸着保持するプラテン部と、上記搬送される記録媒体に対して、画像を記録する画像記録部とを具備している。また、前記プラテン部は、画像記録時に、下流側の記録媒体搬送部の搬送力に抗して、記録媒体を吸着保持しえるように、吸着保持力が設定されている。
上記構成により、本態様の画像記録装置は、画像記録中に、記録媒体が下流側の記録媒体搬送部の搬送力の影響を受けた場合においても、常に一定の速度で記録媒体を搬送し得る。
図1は、本発明の1つの実施の形態に従った画像記録装置を示す概略的な側面図である。 図2は、装置フレームを示す分解斜視図である。 図3は、組み立てられた装置フレームを示す斜視図である。 図4は、図3中の装置フレームの側面図である。 図5は、プラテン部を示す概略的な上面図である。 図6は、プラテン吸引部を示す概略的な上面図である。 図7は、キャリッジを示す概略的な上面図である。 図8は、図7中の領域HAを拡大して示す概略的な上面図である。 図9は、キャリッジ並びにプラテン部を示す概略的な側面図である。 図10は、インクヘッド列を示す断面図である。 図11は、圧電体を示す概略的な断面図である。 図12は、インクヘッドユニットを示す概略的図である。 図13は、ヘッドユニットフレームを示す概略的な断面図である。 図14は、ヘッドユニットフレームを示す概略的な断面図である。 図15は、ヘッド冷却部を示す概略的な上面図である。 図16は、排出補助部を示す概略的な斜視図である。 図17は、メンテナンス部を示す斜視図である。 図18は、メンテナンス吸引部を示す斜視図である。 図19は、メンテナンス吸引部を示す概略的な断面図である。 図20は、インク供給部70を示す概略図である。 図21は、開放位置のボトルホルダ73を示す概略的な断面図である。 図22は、通気口を示す断面図である。 図23は、インク出口を示す断面図である。 図24は、閉鎖位置のボトルホルダ73を示す概略的な断面図である。 図25は、メインインクタンクを示す概略的な断面図である。 図26は、画像記録装置のセンサの配置を示す概略図である。 図27は、制御部を示すブロック図である。 図28は、初期化動作を示すフロー図である。 図29は、付勢部材により押し戻されたインクボトルを示す概略的な断面図である。 図30は、駆動した開閉駆動部を示す概略的な断面図である。 図31は、記録媒体の取り出し時のピックアップローラ対の動作を示す図である。 図32は、記録媒体の整列時のレジストレーションローラ対の動作を示す図である。 図33は、レジストレーションローラ対により位置調整される記録媒体を示す概略的な上面図である。 図34(a)は、メンテナンス前のメンテナンス部の配置を示す概略的な側面図である。図34(b)は、移動中のメンテナンス部の配置を示す概略的な側面図である。図34(c)は、メンテナンス直前のメンテナンス部の配置を示す概略的な側面図である。 図35は、メンテナンス時においての弁並びにポンプの動作を示す概略図である。 図36(a)は、図35中の画像記録時におけるインクジェットヘッドのインクを示す概略図である。図36(b)は、図35中のパージ時におけるインクジェットヘッドのインクを示す概略図である。図36(c)は、図35中のサッキング前のインクジェットヘッドのインクを示す概略図である。図36(d)は、図35中のサッキング開始時のインクジェットヘッドのインクを示す概略図である。図36(e)は、図35中のサッキング中のインクジェットヘッドのインクを示す概略図である。図36(f)は、図35中のサッキング終了後のインクジェットヘッドのインクを示す概略図である。 図37は、メンテナンス吸引部を示す拡大された断面図である。
符号の説明
S1…画像記録時、1…画像記録装置、D1…距離、10…給紙部、11…記録媒体トレイ、12…ピックアップローラ対 、13…レジストレーションローラ対、14a…ピックアップセンサ、14b…レジストセンサ、S2…パージ、AR2…矢印、2…装置フレーム、D2…距離、20…画像記録機構、2A…連結ピン、2Ba、2Bb…後部L字側壁、2Bc…L字側壁基部、2Bd…L字側壁延伸部、2Be、2Fd…ベースプレート接続部、2Bg、2Fe…連結用孔、2Fa、2Fb…前部側壁、2Fc…部材支持部、2La、2Lb、2Lc…長手方向連結部、2Le…キャリッジ支持面、2P…ベースプレート、2Wa…上述の幅方向連結部、S3…サッキング、30…プラテン部、31…プラテンベルト、31a…吸引孔、31c…プラテン記録媒体搬送領域、32…プラテンベルトローラ、32a…ベルトローラ駆動モータ、32b…ローラ用エンコーダ、33…プラテンフレーム、33a…プラテンフレームヘッド対向面、33b…プラテンガイド孔、33c…プラテン駆動部ガイド、33d…溝、33e…対向面孔、34…プラテン吸引部、34a…プラテンチャンバー負圧発生源、35a…第1プラテンチャンバー、35b…第2プラテンチャンバー、35c…第3プラテンチャンバー、36…プラテン駆動部、36a…プラテン駆動部回転軸、36b…プラテン支持部、36c…プラテン駆動部ベルト、36d…プラテン駆動部モータ、37…画像幅検知手段、40…画像記録部、41…インクヘッド列、42…キャリッジ、42a…ヘッド取付部、42B…キャリッジ孔、42Ba…露出用孔、42c…ピン、42d…給紙ローラ連結部、42e…給紙ローラ軸受、42f…ヘッド取付面、42g…記録媒体対向面、42h…フレーム当接フランジ、42I、42J…位置調整部、42Ia、42Ja…位置調整ねじ、42Ib、42Jb…位置調整ガイド部、42k…位置調整付勢部、43…インクヘッドユニット、43d…フレキシブル基板、44…インクジェットヘッド、44b…ヘッドベースプレート、44d…ノズル側ベースプレート面、44e…ガイド溝、45A…ヘッドユニットフレーム、45Aa…ヘッドユニットフレーム下面、45Ab…テーパー部、45Ac…調整孔、45B…ヘッドユニットフレーム、45Ba…ヘッドユニットフレーム下面、45Bb…テーパー部、45C…ねじ、46…圧電体、46a…圧電体溝、46b…溝形成面、46c…ノズルプレート取付面、46d…インク室、47…ノズルプレート、47a…ノズル、47b…ノズルプレートカバー、47c…カバー孔、47d…ノズル形成面、48…ヘッドインク分配部、48a…ヘッド分配部チューブ、48b…インク小容器、48c…インク分配板、48d…インク室、49…ヘッド冷却部、49a…冷却ファン、49b…空気搬送路、49C…各排気路、49Ca…近傍用搬送路、49Cb…遠方用搬送路、49Cc…冷却用排気口、50…排出部、51…排出部搬送ローラ対、52…排出部排出ローラ対、53…経路切替部、54…排出補助部、54a…歯車、54b…曲げウィング、55…排出トレイ、60…メンテナンス部、61…メンテナンスユニット、61A…メンテナンス吸引部、61Aa…各吸引開口部、61Ab…ガイド突起部、61Ac…ワイパーブレード、61Ad…吸引部ヘッド対向面、61Ae…吸引開口列、61Af…流体流路、61Ah…入口孔、61B…基板、61Ba…吸引チューブ、61Bb…廃液チューブ、61C…キャップ部、62…メンテナンスインクパン、63…メンテナンスユニット駆動部、63a…吸引部駆動機構、63b…ユニット保持フレーム、64…搬送方向ガイドフレーム、64A…一対の側壁、64A…各側壁、64Aa…搬送方向ガイド溝、64B…スライド機構、65…昇降ガイドフレーム、65a…昇降ガイド溝、65B…スライド機構、65b…ピン、66…吸引ポンプ、67…廃液タンク、68a…Y軸吸引位置センサ、68b…Y軸退避位置センサ、68c…Z軸吸引位置センサ、68d…Z軸退避位置センサ、68f…X軸ホームポジションセンサ、70…インク供給部、71…インク分配器、71a…分配器ボックスチューブ、71b…分配器弁、71c…気泡検知部、72…メインインクタンク、72a…タンクインクチューブ、72b…ボトル接続チューブ、72c…エアチューブ、72e…加圧弁、72F…タンクボックスチューブ、72Fa…タンクボックスチューブの端部、72g…大気開放弁、72h…接続チューブ弁、72Ja…仕切り板、72Jb…第1インク貯留室、72Jc…第2インク貯留室、72Ka…液面検出センサ、72Kb…液面検出センサ、73…ボトルホルダ、73A…底部、73Aa…カバー接続部、73Ab…カバー開閉検知センサ、73B…インクボトルガイド部材、73Ba…ボトルガイド面、73Bb…ストッパ部、73C…ボトル接続部、73D…ホルダカバー、73d…大気開放弁、73DA…カバー本体、73DAa…カバー回転軸、73DAb…付勢部材押圧部、73DAc…カバー本体の他端、73DAe…カバーボトル対向面、73DB…カバーリブ、73DBa…リブボトル対向面、73E…通気口接続部、73Ea…通気口ボトル対向部、73EB…通気口カバー、73EBa…カバー凹部、73EBb…弁押圧突起部、73Ec…通気口流路、73Ed…通気口インク受け部、73Ee…通気口廃インク流路、73Ef…通気口案内部、73F…インク出口接続部、73Fa…インク出口ボトル対向部、73Fa…出口ボトル対向部、73FB…インク出口開口部、73FBa…出口流路開口、73FBb…弁押圧突起部、73FBc…カバー凹部、73FC…インク出口弁、73FCa…弁部材、73FCb…被押圧部材、73FCc…付勢部材、73FD…インク出口流路、73Fe…出口インク受け部、73Ff…出口廃インク流路、73Fg…出口案内部、73G…開閉駆動部、73GA…回転板、73GAa…回転板軸、73GAb…出口弁押圧部、73GAc…付勢部材、73GB…回転板ロック部、73GC…ロック板、73GCa…ロック板回転軸、73GCb…爪部、73GCc…接続孔、73Gd…ロック板駆動手段、73H…緩衝機構、73Ha…付勢部材、73I…無線読み取り装置、73Ia…アンテナ、74…インクボトル、74A…ボトル通気口、74AA…ボトル連通流路、74AAa…流路弁支持部、74AB…流路開口部、74ABa…流路開口、74ABb…流路開口カバー、74ABc…カバー突起部、74AC…流路弁、74ACa…摺動部、74ACb…弁部材、74ACc…弁付勢部材、74AD…開口部外カバー、74ADa…外カバー端部、74B…インク出口、74BA…ボトル連通流路、74BAa…流路弁支持部、74BB…流路開口部、74BBa…流路開口、74BBb…流路開口カバー、74BBc…カバー突起部、74BC…流路弁、74BCa…摺動部、74BCb…弁部材、74BCc…弁付勢部材、74BD…開口部外カバー、74BDa…外カバー端部、74C…ボトル本体、74FB…インク出口開口部、74FBa…出口流路開口、75…エアタンク、75a…加圧ポンプチューブ、75b…圧力センサ、76…加圧ポンプ、77…大気開放ボックス、77b…大気開放チューブ、77c…廃インクチューブ、77d…侵入防止弁、80…記録媒体反転部、81…第1搬送路、81c…第1搬送路センサ、82…第2搬送路、82a…反転ベルトユニット、82b…第2搬送路センサ、82c…スロープ部、82d…ゲート、83…反転経路部、83b…反転ローラ対、83c…反転補助路、83d…端部検知センサ、84…再給紙搬送路、84a…再給紙ローラ対、84b…再給紙センサ、84c…浮き上がり防止部、90…制御部、91…入力部、92…出力部

Claims (8)

  1. 記録媒体の幅方向に走査することなく、前記記録媒体の幅全体に渡って画像記録可能な画像記録手段と、
    前記画像記録手段と対向して配置され、前記記録媒体を吸着保持し、前記記録媒体の幅方向と直交する記録媒体搬送方向に、記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、
    前記記録媒体搬送手段の前記記録媒体搬送方向下流において、記録媒体搬送手段と隣接し、記録媒体搬送手段からの記録媒体を、記録媒体搬送手段の記録媒体搬送速度よりも早い記録媒体搬送速度で、記録媒体を搬送する排出手段と、
    前記画像記録手段並びに記録媒体搬送手段との駆動を制御する制御部とを具備し、
    前記記録媒体搬送手段は、表面に複数の吸引孔が形成され、当該吸引孔を介して前記記録媒体を当該表面に吸着した状態で搬送する無端搬送ベルト及び吸引手段を有し、
    記録媒体の一部が前記排出手段に到達しているとともに、当該記録媒体に対して画像記録が行われている際の前記吸着手段の吸引力は、排出手段の記録媒体搬送力より大きく設定されている画像記録装置。
  2. 前記画像記録手段は、記録媒体搬送方向において、吐出するインクの色毎に、複数配置されており、
    記録媒体の一部が前記排出手段に到達した状態における吸引手段の吸着力は、記録媒体搬送方向において、複数の画像記録手段のうち最下流側に配置された画像記録手段の記録領域に、記録媒体が存在する間、前記排出手段の記録媒体搬送力より大きく、
    記録媒体が搬送され、前記最下流側に配置された画像記録手段の記録領域から記録媒体が外れた後については、前記排出手段の記録媒体搬送力より小さくなるように設定されている請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記吸引手段は、複数の吸引孔を備えたプラテンを有しており、前記プラテンは、画像記録手段に対して、前記無端搬送ベルトを挟んで対向する位置に配置されており、前記吸引手段は、前記プラテン並びに無端搬送ベルトの吸引孔を通じて記録媒体を無端搬送ベルトの表面に吸着保持し、
    前記プラテンは、記録媒体搬送方向に沿って搬送され、前記最下流側の画像記録手段の記録領域から外れて位置する記録媒体に対する吸着力が、前記排出手段の記録媒体搬送力よりも小さくなるように、吸引孔が構成されている請求項2に記載の画像記録装置。
  4. 前記吸引手段は、複数の吸引孔を備えたプラテンを有しており、前記プラテンは、画像記録手段に対して、前記無端搬送ベルトを挟んで対向する位置に配置されており、前記吸引手段は、前記プラテン並びに無端搬送ベルトの吸引孔を通じて記録媒体を無端搬送ベルトの表面に吸着保持し、
    前記画像記録手段は、記録媒体に対して、記録媒体の画像が記録される記録面における所定記録範囲内に画像を記録し、
    前記プラテンは、記録媒体搬送方向に沿って搬送され、前記記録範囲が前記最下流側の画像記録手段の記録領域から外れた状態にある記録媒体に対する吸着力が、前記排出手段の記録媒体搬送力よりも小さくなるように、吸引孔が構成されている請求項2に記載の画像記録装置。
  5. 前記吸引手段は、
    前記画像記録手段に対して、前記無端搬送ベルトを挟んで対向する位置に配置されたプラテンと、
    記録媒体搬送方向に沿って複数に分割されたチャンバーと、
    各チャンバーに夫々設けられた負圧発生手段と、
    を有し、
    前記チャンバーの分割幅及び位置は、記録媒体搬送方向において、前記最下流側の画像記録手段を越えて記録媒体が下流に搬送された後に、その吸着力が前記記録媒体搬送力よりも小さくなるように、設定されている請求項2に記載の画像記録装置。
  6. 前記吸引手段は、
    前記画像記録手段に対して、前記無端搬送ベルトを挟んで対向する位置に配置されたプラテンと、
    記録媒体搬送方向に沿って複数に分割されたチャンバーと、
    各チャンバーに夫々設けられた負圧発生手段と、
    を有し、
    前記画像記録手段は、記録媒体に対して、記録媒体の画像が記録される記録面における所定記録範囲内に画像を記録し、
    前記チャンバーの分割幅及び位置は、記録媒体が搬送方向に沿って搬送され、前記記録範囲が前記最下流側の画像記録手段の記録領域を越えた後に、その吸着力が前記記録媒体搬送力よりも小さくなるように、設定されている請求項2に記載の画像記録装置。
  7. 前記吸引手段は、
    前記画像記録手段に対して、前記無端搬送ベルトを挟んで対向する位置に配置されたプラテンと、
    記録媒体搬送方向に沿って複数に分割されたチャンバーと、
    各チャンバーに夫々設けられた負圧発生手段と、
    を有し、
    前記負圧発生手段は、記録媒体搬送方向において、前記最下流側の画像記録手段を越えて記録媒体が下流に搬送された後に、その吸着力が前記記録媒体搬送力よりも小さくなるように、制御部により出力が制御される請求項2に記載の画像記録装置。
  8. 前記吸引手段は、
    前記画像記録手段に対して、前記無端搬送ベルトを挟んで対向する位置に配置されたプラテンと、
    記録媒体搬送方向に沿って複数に分割されたチャンバーと、
    各チャンバーに夫々設けられた負圧発生手段と、
    を有し、
    前記画像記録手段は、記録媒体に対して、記録媒体の画像が記録される記録面における所定記録範囲内に画像を記録し、
    前記負圧発生手段は、記録媒体搬送方向に沿って搬送され、前記記録範囲が前記最下流側の画像記録手段の記録領域から外れた状態にある記録媒体に対する吸着力が、前記記録媒体搬送力より小さくなるように、制御部により出力が制御される請求項2に記載の画像記録装置。
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