JP2005170472A - ストリップバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 袋を解放する際にグリップに備えられた爪部材の引っ掛かりに起因する袋のテープからの剥がれや袋のテープに対する取付位置のずれを防止したストリップバッグ装置を提供する。
【解決手段】 近接離反することにより袋を把持、解放する一対の爪部材82a,82bを有するグリップ72を備え、該グリップ72は袋把持位置と袋解放位置との間で移動すると共に、袋解放位置近傍において袋を帯状のテープに固着するストリップバッグ装置であって、少なくとも一方の爪部材82a,82bに、該爪部材82a,82bの袋解放用移動経路を確保するために離反方向に膨出した膨出部82aを設けた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、食品等をプラスチックフィルムなどの軟包装材料により包装した袋を小売店等において所謂ストリップバッグと呼ばれる吊り下げ形態で陳列するための商品を製造するための装置であって、所定個数の袋を帯状のテープに取り付けるストリップバッグ装置の技術分野に属する。
スナック菓子等が封入された袋の端部を帯状のテープに所定間隔で所定個数溶着して、テープの一端部から吊り下げることにより陳列させるストリップバッグと呼ばれる陳列形態の商品がある(特許文献1参照)。このような陳列形態においては、各袋及びテープのデザインを組み合わせて全体のデザインとすることができるなど、デザイン性及びデザインの多様性を向上することができる等の利点があり、購買者の購買意欲の促進を図ることができる。
このような商品を製造する場合、製袋包装機等で連続的に製造されるスナック菓子等が封入された袋Xを、テープYに溶着する位置まで移送して該テープYに製造した袋Xを溶着するストリップバッグ装置200が備えられることがある(図10参照)。このストリップバッグ装置200の例として本出願人による先願(特願2003−128796号)に開示されているものがあり、これによると、装置200は、袋Xを両側部から把持する一対のグリップ210,210と、該グリップ210,210を袋Xの把持位置と袋Xの解放位置との間で移送させる駆動機構と、解放された袋XをテープYに溶着する溶着機構220(図11参照)とを有している。グリップ210には、縦方向に軸心が延びて回転自在に設けられた一対の支軸211,211と該支軸211,211から水平方向に延びる棒状の爪部材212,212とが配設され、支軸211,211を回転駆動させることにより前記爪部材212,212を近接離反させて袋Xの把持・解放を行う構成である。
以上のような構成において、前記把持位置では解放状態の爪部材212,212が閉じられ、袋Xの上端部近傍を両側方から両グリップ210,210の爪部材211…211が把持する。次に、前記駆動機構の駆動により袋Xは解放位置に移送され、溶着機構220で袋Xの上端部がテープYに溶着される。このとき、溶着と共に爪部材212,212は解放制御され、袋Xを解放することになる。そして、グリップ210,210は爪部材212,212が解放状態のまま把持位置に移送され、以下同様の動作を繰り返す。
国際公開第98/52823号パンフレット
しかしながら、グリップ210に備えられた棒状の爪部材212,212により袋Xの把持、解放を行う場合、解放位置において袋Xを解放する際に以下のような不具合が生じる可能性がある。すなわち、図11に示すように、袋Xの内容物の充填率が高い場合や、袋Xの溶着間隔が狭く、テープYの下方に取り付けられた袋Xによって溶着すべき袋Xが上方に押し上げられている場合などにおいて、爪部材212,212を離反方向aに解放する際に、側面視で袋Xの腹部X′が爪部材212よりも上部に位置することがあり、爪部材212,212が開制御されたときに爪部材212が袋Xの腹部X′に引っ掛かかることがある。このように爪部材212が引っ掛かると、テープYに溶着した袋XがテープYから剥がされて跳ね飛ばされたり、溶着と解放が同時に行われるから袋Xがずれた位置に溶着されて不規則なピッチで溶着されるという事態が発生し得る。商品には、所定個数の袋X…Xが溶着されているので、1つの商品において1つの袋Xの剥がれやずれが生じると正確に取り付けられた他の袋X…Xが無駄になることになる。
一方、製袋包装機で袋を製造する場合、物品が入れられた筒状のフィルムをシールジョーによって横方向にシールすると共にカッタで切断することにより、連続的に袋が製造される。このとき、シールジョーと前記駆動機構の駆動源を同一とし、シールジョーとグリップを同期して動作させることがある。シールジョーは、連続的に回転しているのでグリップの動作は停止することがなく、爪部材の開閉もグリップの動作中に行われる。そのため、このような製袋包装機では、動作中かつ瞬間的なタイミングで溶着及び爪部材の解放を行わなければならず、前述のような袋の剥がれや溶着位置のずれの発生が顕著になる。
そこで、本発明は、袋を解放する際にグリップに備えられた爪部材の引っ掛かりに起因する袋のテープからの剥がれや袋のテープに対する取付位置のずれを防止したストリップバッグ装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、近接離反することにより袋を把持、解放する一対の爪部材を有するグリップ手段が備えられ、該グリップ手段は袋把持位置と袋解放位置との間で移動すると共に、袋解放位置近傍において袋を帯状のテープに固着するストリップバッグ装置であって、少なくとも一方の爪部材は、該爪部材の袋解放用移動経路を確保するために離反方向に膨出した膨出部が設けられていることを特徴とする。
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のストリップバッグ装置 において、一対の爪部材は、支軸を中心とした回転運動により近接離反すると共に、膨出部は、前記支軸を中心とした略扇形に形成されていることを特徴とする。
次に、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載のストリップバッグ装置において、爪部材と膨出部との間に、該爪部材に滑り止め部材を装着するためのスリットが設けられていることを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明によれば、爪部材の袋解放用移動経路を確保するために離反方向に膨出した膨出部を設けたことによって、袋の腹部が膨らんでいる場合や袋の固着間隔が狭い場合等においても、解放の際に先行して動作する膨出部が爪部材の移動経路を確保することができ、爪部材を開くときに該爪部材が袋に引っ掛かることがなくなる。その結果、袋のテープからの剥がれや固着位置のずれを回避することができる。このとき、グリップ手段が把持位置と解放位置との間で連続して移動させられる製袋包装機等により製造された袋を扱う場合でも、良好にテープに袋を取り付けることができる。
さらに、膨出部によって袋を押さえ付ける効果も得られ、テープに固着された各袋の姿勢及び形態を常に一定とすることができる。そのため、商品のデザインを良好に保つという効果も得られる。
次に、請求項2に記載の発明によれば、爪部材が支軸を中心とした回転運動により近接離反する構造とされる場合に、膨出部の形状を前記支軸を中心とした略扇形とすることによって、爪部材の先端部が膨出部が先行する円弧状の軌跡を通って開動作を行うことになり、開閉の際に爪部材が袋に引っ掛かることがなくなる。
そして、請求項3に記載の発明によれば、爪部材と膨出部との間にスリットを設けたことによって、爪部材にゴムや樹脂などで成形されて棒状の爪部材に使用される滑り止め部材を装着することができる。
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、図1に記載の装置における左側を前方、右側を後方と定義する。
まず、図1に示すように、袋Xを製造すると共に帯状のテープYを繰り出す製袋包装機1が備えられ、該製袋包装機1の前方下方には所定個数の袋X…Xを所定間隔でテープYに取り付けるストリップバッグ装置2が備えられている。
製袋包装機1は周知の縦ピロー包装機である。この包装機1には、本体10の前方に製袋部11が備えられ、該製袋部11はフォーマ12を有し、該フォーマ12のチューブ13が上下に延びている。また、前記フォーマ12のチューブ13及びセーラ部材14に向けて本体10の後方に収容されたフィルムロール保持機構20に保持されたフィルムロールZ′から繰り出されたシート状のフィルムZが連続搬送され、前記製袋部11を介して袋Xが高速生産される。さらに、この包装機1は、本体10の後方に収容されたテープ保持機構21に保持されたテープロールY′からテープYを繰り出して搬送し、前記ストリップバッグ装置2において前記包装機1で製造した袋XをテープYに順次固着する。そして、袋XはテープYに固着された状態で搬送コンベア15に載置され、次工程に搬送される。
この包装機1におけるフィルムZの搬送経路について説明すると、まず、本体10の後部にフィルムロール保持機構20が配設され、該フィルムロール保持機構20はフィルムロールZ′を保持し、該フィルムロールZ′から繰り出されたフィルムZを案内する複数のガイドローラ22…22が備えられている。また、フォーマ12の近傍にはディスプレイ141が配置され、フィルムロールZ′の近傍にはフィルムZの残量を検知するフィルム残量検知センサ142が配置されている(図6参照)。
これにより、フィルムZは、フィルムロールZ′から上方に繰り出され、複数のガイドローラ22で案内されて、本体上部からフォーマ12に向かう。このとき、フィルムロールZ′から繰り出されたフィルムZは、ダンサーローラなどによって張力が所定範囲に保たれ、搬送中のゆるみや蛇行が抑えられる。
一方、製袋部3において、フォーマ12は、上下に延びるチューブ13と、該チューブ13の周囲に配置されたセーラ部材14とを有する。チューブ13の上方開口は逆円錐状に拡径し、該開口を介してポテトチップス等の物品が例えば図示しない組合せ計量装置等からチューブ13内に落下される。そして、ガイドローラ22…22に案内されてフォーマ12に到達したフィルムZは、セーラ部材14に設けられた傾斜に沿って上り、チューブ13に近接する該セーラ部材14に上縁部において急角度に屈曲されて下方に向かう。これにより、シート状のフィルムZはチューブ13の周囲で筒状に曲成される。このとき、フィルムZの縁部はチューブ13の前面側で重なり合っている。なお、フォーマ12は、成形する袋Xの形状に応じて交換可能である。
チューブ13の近傍には該チューブ13に巻きついたフィルムZを下方に搬送するプルダウンベルト機構30が備えられている。該プルダウンベルト機構30には、チューブ13を挟む一対のベルト31,31(一方のみ図示)が備えられており、該ベルト31,31をチューブ13の側面に押圧しながら該フィルムZを下方に送り出す。
また、チューブ13の前方には縦シール機構40が備えられており、該縦シール機構40には、所定のタイミング及び溶着時間でチューブ13に対して近接離反するヒータ41が備えられている。
一方、チューブ13の直下方には、横シール機構50が備えられている。横シール機構50には一対のシールジョー51,51が備えられ、シールジョー51,51は、筒状フィルムZの搬送経路を挟んで前後に配置され、図2に矢印Dで示すように回転しながら対接離反することにより該フィルムZを前後から挟みつけて幅方向に熱溶着する。
これにより、この横シールした部分より下に位置する先行する袋Xの上縁部と上に位置する後続する袋Xの下縁部とが同時に形成される。また、いずれか一方のシールジョー51には図示しないカッタが内蔵され、該カッタで横シール部分の中央部を横方向に切断する。切断された袋Xは、ストリップバッグ装置2に送られる。
次に、テープYの搬送経路について説明すると、まず、図1及び図2に示すように、本体10の後部にはテープロール保持機構21が配設され、該テープロール保持機構21にテープロールY′が保持され、該テープロールY′から繰り出されたテープYを案内する複数のガイドローラ27…27が備えられている。また、テープロールY′の近傍にはテープYの残量を検知するテープ残量検知センサ143が配置されている(図6参照)。
テープロールY′から繰り出されたテープYは、複数のガイドローラ27…27を介して本体10の上方を通って前方に送られ、本体10の前端部においてテープYは直下方に案内される。直下方に案内されたテープYは、駆動ローラ60…60によって案内されるが、これらの駆動ローラ60…60は駆動モータMの駆動によりベルト61を介して強制的に回転している。したがって、この駆動モータMを駆動することによって、テープロールY′からのテープYの繰り出し量を制御し、テープYの全体が搬送経路に沿って搬送されることになる。そして、到達したテープYは、後述するカッタ130及びパンチ131を備えた切断ユニット62を介してミシン目及びパンチ穴が施されてストリップバッグ装置2に送られる。
次に、ストリップバッグ装置2について説明すると、まず、図2に示すように、ストリップバッグ装置2は、ヒータ70、押圧体71、製造された袋Xを把持する左右一対のグリップ72,72′(図3参照)、及び該グリップ72,72′をそれぞれ袋Xの把持位置Hと解放位置Kとの間で矢印A方向に往復移動させる駆動機構73を有する。なお、グリップ72,72′は、同様の構成であるから、以下グリップ72′の説明は省略する。
グリップ72は、本体部80と、該本体部80に縦方向に軸心が延びて回転自在に立設された一対の支軸81a(前方),81b(後方)と、該支軸81a,81bからそれぞれ水平方向に延設された爪部材82a,82bと、本体部80に内蔵されて前記支軸81,81を駆動するシリンダS及び図示しないリンクとを有する。そして、前記支軸81a,81bは、図4に示す矢印B方向に揺動する。
図4に示すように、前方に配置された爪部材82aには前方に膨出する膨出部82aが設けられている。膨出部82aは、前記支軸81aを中心とした略扇形に形成されている。そして、爪部材82aと膨出部82aとの間にはスリット83が設けられ、該スリット83によって形成される爪部82aには、袋Xの滑り止めのためにゴム・樹脂等で成形されたチューブ84が嵌挿されている。一方、後方に配置された爪部材82bは、前記支軸81bに一端が嵌着されて水平方向に延びる棒状の部材であり、前記チューブ84が嵌挿されている。
駆動機構73は、一端部が回転軸90に固着された回転部材91と、該回転部材91の他端部に備えられたピン92を介して連結されたリンク部材93と、該リンク部材93の他端部にピン94を介して連結されたスライド部材95と、該スライド部材95の上端部近傍に立設されたサポート部材96と、両端部を固定部材97,97で固定されて平行に配置された一対のレール98,98とを有している。前記スライド部材95はレール98,98にスライド自在に嵌合されて、該レール98,98に沿った往復動作を行うように構成されている。そして、前記サポート部材102の上端部には、前記グリップ72が固着されている。
そして、図5に示すように、グリップ72,72′及び駆動機構73,73′は、テープYの搬送経路の両側にそれぞれ設けられ、それぞれのスライド部材95,95′が2本の連結ロッド100,100で連結され、両スライド部材95,95′は同期して往復運動を行う。また、本体10に支持されて、前記回転軸90に直交して前記グリップ72,72′及びリンク機構73を覆うように構成されている一対の側壁板101,101′が備えられている。
また、製袋包装機1の本体10に内蔵されている図示しないモータMに連結する駆動軸110が備えられており、該駆動軸110の先端に配設されたプーリ111と、図中右側の回転軸90に配設されたプーリ112とがベルト113を介して連結している。さらに、このプーリ112に隣接してプーリ114が配設されており、該プーリ114は前記側壁板101,101′に支持されて本体10の幅方向に亘って備えられた連結軸115の一端に配設されたプーリ116とベルト117を介して連結している。また、連結軸115の他端にもプーリ118が配設され、図中左側の回転軸110′に配設されたプーリ119とベルト120を介して連結している。なお、これらのプーリ及びベルトは、本体10側に取り付けられたカバー部材(図示せず)にそれぞれ覆われている。なお、駆動機構73を駆動するモータMは、前記シールジョー51,51の駆動源でもあり、駆動機構73とシールジョー51,51とは同期して作動する。
また、図5に示すように、ガイド板121が本体10からグリップ72側に延設されており、該ガイド板72には切断ユニット62、ヒータ70、押圧体71、駆動ローラ60の一端が支持されている。押圧体71は、ガイド板121に揺動自在に軸支され、図5に示すように、他端が押圧用シリンダ122のロッド先端に固着されている。該シリンダSの他端は図5における右側の側壁板101から突設された支持部材122に揺動自在に取り付けられている。そして、ガイド板101の押圧体71の下方にはヒータ70が固着されている。そして、前記押圧用シリンダSの作動により該押圧体71の先端部71aがヒータ70の溶着部に対して近接離反するようになっている。
一方、ヒータ70より本体10側にはガイド板121に切断ユニット62が固着されている。該切断ユニット62は、上部材61aと下部材61bの上下に分割されている。そして、上部材80aの中央部にはテープYに各種情報を印刷するプリンタ160が内蔵されており、下部材80bにはヒータ70側にテープYにミシン目を形成するカッタ130、本体10側にテープYにパンチ穴を形成するパンチ131が備えられている。
次に、図6を用いて、前記製袋包装機1及びストリップバッグ装置2を制御する制御部140について説明すると、制御部140は、当該包装機1の使用者等によってタッチパネル式ディスプレイ141(図1参照)等によって設定された内容に基づいて、各部に備えられたモータ、シリンダ、ヒータ等の制御を行う。すなわち、制御部140は、製袋包装機1のプルダウンベルト機構30、縦シール機構40、横シール機構50、及びストリップバッグ装置2のグリップ用シリンダS、ヒータ81、押圧用シリンダS、及び切断ユニット62のカッタ130、パンチ131、及びディスプレイ141、搬送コンベア15、駆動モータ70に制御信号等を出力する一方、さらにはフィルム残量検知センサ142、ストリップ残量検知センサ143からの検知信号等を入力する。また、制御部140は、ディスプレイ141に各種情報を表示させる。
また、横シール機構50においてシールジョー51,51を駆動するモータMは、ストリップバッグ装置2の駆動機構73を駆動する。
使用者等は、タッチパネル式ディスプレイ141により、製造する袋Xのサイズ、単位時間当たりに製造する袋Xの数、袋をテープYに取り付けるか否か、テープYに取り付ける一群の袋Xの数量、テープYに対する袋Xの取付間隔、切断間隔などの設定事項を入力する。
続いて、前記製袋包装機1に係る作用効果について説明する。
まず、製袋包装機1で製造された袋Xは、シールジョー51,51の下部においてストリップバッグ装置2に送られる。一方、テープYは、駆動モータMに駆動される駆動ローラによってテープロールY′から繰り出されて、切断ユニット62の内部を通る際にカッタ130によって商品を分断するためのミシン目、パンチ131によって展示する際に吊り下げ用の穴として活用されるパンチ穴が形成される。そして、テープYは、切断ユニット62の前方に配設されたヒータ70上部を通過して搬送コンベア15側に繰り出される。また、ヒータ70上方に配設された押圧体71が押圧用シリンダSを制御することによって、図7に示す矢印C方向に揺動し、グリップ72,72′に把持されて解放位置Kに移送された袋Xの上端部をテープYに溶着する。
次に、ストリップバッグ装置2の機構について説明すると、図5に示すように駆動軸130の回転を各プーリ及びベルトを介して左右の回転軸110,110′に伝達する。そして、該回転軸110,110′が回転することによって回転部材111,111′が回動され、リンク部材113,113′を介してスライド部材115,115′がレール117,117′に沿った往復運動を行う。そして、該スライド部材115,115′に固着されたサポート部材102を介してグリップ72がシールジョー51,51による切断箇所の直下部とヒータ81及び押圧体82の当接箇所の直下部とを往復運動することになる(図2矢印A参照)。
シールジョー51,51と駆動機構73とは同一駆動源であるから、爪部材82…82で袋Xを把持した状態でシールジョー51,51により袋Xが切断されるようにシールジョー51,51による切断と爪部材82…82による把持動作とを設定する。そして、袋Xの上端部のテープYへの溶着時に爪部材82…82を解放するように、両者の適当なタイミングを設定する。
図7において実線で示すように、通常、押圧体71の先端部71aはヒータ70に対して離反状態にあり、爪部材82…82に把持された袋Xの上端がヒータ70の直上方に移送されたとき、押圧用シリンダSを作動することによって、押圧体71の先端部71aはヒータ70に押し付けられる方向に揺動する。このとき、押圧体71の先端部71aとヒータ70との間にテープY及び袋Xの上端部が重なった状態で挟み込まれる。そして、溶着が完了すると、前記シリンダSを作動することによって押圧体71を操作して先端部71aをヒータ81から離反させる。
一方、テープYを繰り出す駆動モータMは、サーボモータであり、前記制御部140によりその送り量が制御される。このとき、テープYの繰り出しを連続的または間欠的に行うことができる。
一方、グリップは、シリンダSを制御することによって、把持位置Hと解放位置Kとで両爪部材82a,82bの開閉制御を行う。まず、把持位置Hにおいて、開状態の両爪部材82a,82bは閉方向に制御されて、両爪部材82a,82bの先端部が近接して袋Xを把持する。そして、グリップ72が解放位置Kに移送された後、シリンダSを制御することによって、両爪部材82a,82bの先端を離反させ、袋Xを解放する。このとき、同時に押圧用シリンダSの制御により袋Xの上端部を押圧体71をヒータ70に押し付けてテープYに溶着する。
このような爪部材82a,82bの作動において、図8に示すように、部材82aの袋解放用移動経路を確保するために離反方向aに膨出した膨出部82aを設けたことによって、袋Xの腹部X′が膨らんでいる場合や袋Xの固着間隔が狭い場合等においても、解放の際に先行して動作する膨出部82aが爪部材82aの移動経路を確保することができ、爪部材82aを開くときに該爪部材82aが袋Xに引っ掛かることがなくなる。その結果、袋XのテープYからの剥がれや固着位置のずれを回避することができる。このとき、グリップ72が把持位置Hと解放位置Kとの間で連続して移動させられる製袋包装機1により製造された袋Xを扱う場合でも、良好に袋XをテープYに取り付けることができる。
さらに、膨出部82aによって袋Xを押さえ付ける効果も得られ、テープYに固着された各袋X…Xの姿勢及び形態を常に一定とすることができる。そのため、商品のデザインを良好に保つという効果も得られる。
さらに、本実施の形態のように、爪部材82a,82bが支軸81a,81bを中心とした回転運動により近接離反する構造とされる場合に、膨出部81aの形状を前記支軸81aを中心とした略扇形とすることによって、爪部材82aの先端部が膨出部82aが先行する円弧状の軌跡を通って開動作を行うことになり、開閉の際に爪部材82aが袋Xに引っ掛かることがなくなる。
一方、爪部82aと膨出部82aとの間にスリット83を設けたことによって、爪部材82aに従来の棒状の爪部材に使用されるチューブ84を装着することができる。
また、本発明に係る他の実施の形態として図9に示すグリップ172の構造がある。これによると、爪部材182aに設けられた膨出部182aは、図中2点鎖線で示す正扇形に比べて前方側が削られた構造とされ、さらに、該膨出部182aには複数の穴抜き190,190が施されている。また、膨出部182aの爪部182a先端近傍には、該爪部182aの先端側に突出した返り部191が設けられている。
このような構成において、まず、膨出部182aの前方側を削ったことによって、グリップ172が上方の把持位置Hに上動して袋Xを掴みにいくときに、該把持位置の近傍に位置するシールジョー51や、袋Xをしごくためにシールジョー51の下部に備えられることがあるしごき部材(図示せず)などと膨出部182aとが干渉することを回避することができる。つまり、シールジョー51はグリップ172と同一駆動源で、かつシールジョー51が袋Xを切り離す際にはグリップ172が該シールジョー51の直下部に位置するように設定されることがあり、そのような場合には、膨出部182aが前方に突出しすぎるとシールジョー51の回転軌道(図2矢印D参照)と干渉するので、膨出部182aがこの回転軌道にオーバーラップしないように所定の範囲を削ることにしたのである。
なお、グリップを解放する際には、膨出部182aの袋側部分が主に作用するので、このように膨出部182aの前方部分を削ってもグリップ172解放時における爪部材182aの袋Xへの引っ掛かりを十分に抑制することができる。
また、膨出部182aに穴抜き190,190を設けたことによって、該膨出部182aの軽量化を図ることができる。一方、膨出部182aに返り部191を設けたことによって、作動中のチューブ184の抜け落ちを防止することができる。
本発明は、袋を解放する際にグリップに備えられた爪部材の引っ掛かりに起因する袋のテープから剥がれや袋のテープに対する取付位置のずれを防止したストリップバッグ装置を提供することができる。本発明は、食品等をプラスチックフィルムなどの軟包装材料により包装した袋を小売店等において所謂ストリップバッグと呼ばれる吊り下げ形態で陳列するための商品を製造するための装置であって、所定個数の袋を帯状のテープに取り付けるストリップバッグ装置の技術分野に広く好適である。
本発明に係る製袋包装機を示す側面図である。 同ストリップバッグ装置を示す側面図である。 両グリップを示す斜視図である。 グリップを示す平面図である。 駆動機構を示す正面図である。 製袋包装機及びストリップバッグ装置等の制御系統を示すブロック図である。 解放位置周辺を示す拡大側面図である。 解放時の爪部材を示す模式図である。 グリップの構造の他の実施の形態を示す平面図である。 従来技術のストリップバッグ装置を示す側面図である。 同解放時の爪部材を示す模式図である。
符号の説明
1 製袋包装機
2 ストリップバッグ装置
72 グリップ(グリップ手段)
81a,81b 支軸
82a,82b 爪部材
82a 膨出部
83 スリット
84 チューブ(滑り止め部材)
X 袋
Y テープ

Claims (3)

  1. 近接離反することにより袋を把持、解放する一対の爪部材を有するグリップ手段が備えられ、該グリップ手段は袋把持位置と袋解放位置との間で移動すると共に、袋解放位置近傍において袋を帯状のテープに固着するストリップバッグ装置であって、少なくとも一方の爪部材は、該爪部材の袋解放用移動経路を確保するために離反方向に膨出した膨出部が設けられていることを特徴とするストリップバッグ装置。
  2. 一対の爪部材は、支軸を中心とした回転運動により近接離反すると共に、膨出部は、前記支軸を中心とした略扇形に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のストリップバッグ装置。
  3. 爪部材と膨出部との間に、該爪部材に滑り止め部材を装着するためのスリットが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のストリップバッグ装置。
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