JP2005167529A - 水晶片の製造方法及び水晶振動子の製造方法 - Google Patents

水晶片の製造方法及び水晶振動子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 設計通りの所定の位置に凹部を形成することが可能な水晶片の製造方法を提供することであり、さらには、小型で振動特性に優れた溝付きの水晶振動子を達成し、且つ振動脚の所定の位置に正確に凹部を形成することで発信周波数のばらつきが少ない信頼性の高い水晶振動子の製造方法を提供すること。
【解決手段】 基部とこの基部から突出して形成される複数の振動脚と、これら複数の振動脚の各々に凹部が形成されている水晶振動子の製造方法であって、水晶基板の平面上に、水晶振動子の外形形状と複数の微細な開口部がパターン化されている耐エッチング性を有するマスク層を形成する工程と、水晶基板をエッチングして水晶振動子の外形形状を形成しながら、同時に前記複数の微細な開口部がパターン化されている領域に凹部を形成する工程と、マスク層を除去し水晶片を形成する工程と、水晶片の凹部と側面部とに電極を形成する工程とを有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は水晶からなる溝付きの水晶片の製造方法に関し、さらには水晶発振器やジャイロセンサーなどに利用される小型で高性能の振動特性を有し且つ信頼性の高い水晶振動子の製造方法に関する。
近年、携帯電話やウェアラブル機器に代表される小型携帯機器の需要が高まりつつある。小型携帯機器には、水晶発振器やジャイロセンサーなどに利用される水晶振動子が不可欠であり、近年の小型携帯機器のさらなる小型化に伴い、水晶振動子にも小型化の要求が高まっている。
図7は従来の小型水晶振動子に用いられる溝付きの水晶片の外観と溝部近傍の断面を示した図である。従来の小型水晶振動子に用いられる溝付きの水晶片110は図7(a)に示すように、基部1120と、この基部1120から突出して形成されている2本の振動脚1110とで構成されていた。またこの2本の振動脚1110の各々には凹部1112が溝状に形成されていた。なお凹部1112は、図7においては表れていない振動脚1110の裏面にも同様に形成されている。そのため図7(a)におけるA−A’断面図である図7(b)に示すように、振動脚1110はその断面形状が略H形状に形成されることになる。
このような溝付きの略H形状をした水晶片110は、小型化しても、振動脚1110の振動損失が低く、CI値(クリスタルインピーダンス)も低く抑えられるという特性を有する。このため、溝付きの略H形状の水晶片110は、高精度の共振周波数が32.768kHzの水晶振動子用の水晶片として用いられることが多く、小型で高精度の水晶振動子を製造するのに適している。
以上のような溝付きの水晶片110は以下に示すような製造方法によって、従来は製造されていた(例えば、特許文献1参照。)。
図5は従来の水晶片の製造方法の前半工程を示した図である。さらに図6は従来の水晶片の製造方法の後半工程を示した図である。
まず図5(a)に示すように、水晶基板1000の両方の平面上に製造しようとする水晶片の外形形状をかたどったマスク層250を形成する。マスク層250のパターニングは一般にLSI分野で広く用いられているフォトリソグラフィー法を用いて行われる。また本工程において、マスク層250は水晶のエッチング工程で使われるエッチング液に対して耐食性を有した(耐エッチング性を有した)材料が選ばれ、通常、金(Au)とクロム(Cr)の積層構造からなるマスク層250が使われることが多い。
次に、マスク層250と位置合わせをして、凹部領域、すなわち溝が形成される領域、が抜きパターンとして形成されたレジスト層300を形成する(図5(b))。本工程もフォトリソグラフィー法によって行われる。
次に図5(c)に示すように、水晶のエッチングを行うことにより水晶基板を貫通させ、所定の外形形状からなる溝が形成されていない水晶片115をまず形成する。
続いて図6(d)に示すように、レジスト層300が形成されていない凹部領域にあた
る部分のマスク層250をエッチングによって除去し、凹部領域が抜きパターンとして形成されるマスク層255を形成する。
その後再び水晶のエッチングを行い、所望の深さの凹部1112を形成し(図6(e))、最後にレジスト層300、マスク層255を除去して、凹部1112が溝状に形成された溝付きの水晶片110を完成させていた(図6(f))。
図4は従来の水晶振動子の振動脚部の断面形状と電界のかかり方を示した図である。従来の溝付きの水晶振動子では上記のようにして製造された水晶片110の凹部1112内に電極450、電極460を形成し、更に水晶片110の側面に電極470、電極480を形成し、図4(a)に示すように電界をかけていた。水晶片110を構成する水晶は、一定の方向に電界が生じると一定の方向に伸縮する特性(これを一般に電歪特性と呼ぶ。)を有した材料で、この特性を使って水晶片110を振動させ、水晶振動子15として利用していた。なおここでは、水晶基板から所定の外形形状でエッチングによって切り出された電極が形成されていない部材を水晶片110とし、水晶片110の所定の位置に電極が形成され、一定の方向に電界がかかることによって振動できるようにした部品を水晶振動子15と定義する。
特開2002−76806号公報(第1頁、図12、図13)
従来の溝付きの水晶片の製造方法によれば、スコープを用いて光学的にマスク層250のパターンを観察しながら、レジスト層300の凹部パターン(溝を形成するためのパターン)をマスク層250上に位置合わせしてパターニングしていた(図5(b))。
通常、位置合わせを正確に行うためには低倍率のスコープを用いるよりも高倍率のスコープを用いた方が好ましいが、高倍率のスコープを用いた場合、焦点深度が浅くなるためピント合わせが難しくなるなどの問題が発生する。そのため従来は10倍から100倍程度のスコープを用いることが多く、その場合どんなに精度良く位置合わせを行ったとしても、必ず数μm程度の位置ズレが発生していた。
図5(b)の工程においてマスク層250の外形形状パターンとレジスト層300の凹部パターンとの間に位置ズレが生じると、最終的には水晶片の振動脚の所定の位置に凹部が形成されなくなってしまう。
水晶片の振動脚の所定の位置に凹部(溝)が形成されないと、図4(b)や図4(c)に示すように、溝の両側で電界のかかり方が異なってしまい、その結果、不安定な振動が生じ発振周波数のばらつきが大きくなり、その結果、製品の信頼性が得られなかった。
本発明の目的は、設計通りの所定の位置に凹部を形成することが可能な水晶片の製造方法を提供することであり、さらには、振動脚の所定の位置に凹部を形成することが可能で、発信周波数のばらつきが少ない信頼性の高い水晶振動子が得られる製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の水晶片の製造方法は、水晶基板の平面上に、水晶片の外形形状と複数の微細な開口部がパターン化されている耐エッチング性を有するマスク層を形成する工程と、
水晶基板をエッチングして水晶片の外形形状を形成しながら、同時に前記複数の微細な開口部がパターン化されている領域に凹部を形成する工程とを有していることを特徴とする。
さらには、微細な開口部が丸穴形状またはスリット形状であるのが望ましい。
また、本発明の水晶振動子の製造方法は、基部とこの基部から突出して形成される複数の振動脚と、これら複数の振動脚の各々に凹部が形成されている水晶振動子の製造方法であって、
水晶基板の平面上に、水晶振動子の外形形状と複数の微細な開口部がパターン化されている耐エッチング性を有するマスク層を形成する工程と、
水晶基板をエッチングして水晶振動子の外形形状を形成しながら、同時に前記複数の微細な開口部がパターン化されている領域に凹部を形成する工程と
マスク層を除去し水晶片を形成する工程と、
水晶片の凹部と側面部とに電極を形成する工程とを有していることを特徴としている。
さらには、微細な開口部が丸穴形状またはスリット形状であるのが望ましい。
さらに、微細な開口部がマスク層の振動脚を形成する部分に形成されているのが望ましい。
(作用)
本発明の上記手段では、まず水晶基板上に高精度にパターン化された外形形状と複数の微細な開口部とを有するマスク層を形成する。さらに、この微細な開口部は一定の領域内に均等に多数形成されており、その領域は外形形状の内側の所定の位置に精度良くに配置されている。
これらパターン(外形形状と複数の微細な開口部)の形状寸法精度や位置精度はフォトリソグラフィー法によるパターニングを用いることで、非常に高い精度で実現できる。フォトリソグラフィー法とは、一枚の元になるマスク形状を光学的に転写するパターニング方法で、LSI分野で広く用いられている方法である。光の波長を利用してパターニングするため、寸法精度に優れ、ミクロン以下の精度で所望の形状をパターニングすることが可能なパターニング方法である。
上記のようにしてパターン化されたマスク層を使って水晶基板をエッチングすると、広い面積で開口されている外形形状の外側周辺部と非常に微小な面積で開口している微細形状開口部とでエッチング速度に差が生じる。広い面積で開口している部分ではエッチングが早く進み、狭い面積で開口している部分ではエッチングが遅く進むのである。その結果、広い面積で開口している部分ではエッチングにより深く加工され水晶基板を貫通させることができるが、狭い面積で開口している部分では浅く加工され、なかなか水晶基板を貫通できず、凹部が形成されるといった状況が生み出される。
また、本発明のように複数の微細な開口部を狭い間隔で等間隔に隣り合わせた場合、微細な開口部にできる微細な凹部は、エッチングを続けていくに従い、横方向へのエッチングが進み、その内に、隣り合った微細な凹部同士が一つに繋がるという現象が生じる。その結果、所定の領域に、微細な凹部同士が繋がってできた一つの大きな凹部を形成することができた。
本発明では以上のようにして、エッチング速度の速い外形形状周辺部では水晶基板を貫通させ水晶片の外形形状を形成し、エッチング速度の遅い微細形状パターン部の領域で溝
を形成させることができた。これら外形形状と凹部は、マスク層に高精度で位置決めされたパターンを使って、一回のエッチング工程で同時に形成される。そのため、エッチング前にパターン化された位置関係はまったく変わらずに、同じ位置関係でそれら形状を完成させることができる。
本発明の水晶片の製造方法によれば、設計通りの位置に正確に凹部が形成された水晶片を製造することができるようになった。
また、水晶片に形成される凹部の位置を正確に加工できるようになったことで、凹部を溝状に形成してなる溝付きの水晶振動子も設計通りの形状で製造することができるようになった。これにより溝内部に設けた電極と振動脚側面に設けた電極との間にかかる電界も、ほぼ設計通りの電界強度になり、安定した振動特性が得られるようになった。その結果、発振周波数のばらつきが少なく信頼性の高い水晶振動子を提供できるようになった。
(実施例1)
図1は本発明の水晶片の製造方法を示した図である。図2は本発明の水晶片を製造するために用いられるマスク層の平面形状を示した一例である。以下に本発明の水晶片の製造方法を説明する。まず図1(a)に示すように、水晶基板1000の両平面上にマスク層200を形成する。図2(a)は図1(a)に示すマスク層200の平面形状を示した図である。マスク層200は図2(a)に示すように音叉型の外形形状をしており、基部パターン2020と基部パターン2020から突出した2本の振動脚パターン2010からなっている。振動脚パターン2010にはその内側に微細な円形の開口部(丸穴開口部205)が多数あけられており、且つそれら丸穴開口部205は非常に狭い間隔で並べられている。この丸穴開口部205が多数並べられているほぼ矩形上の領域が、後に溝状の凹部1012として形成される領域である。
なお図1(a)に示されるマスク層200は、丁度、振動脚パターン2010の部分の断面を示した図である。図1(a)では、直径dであけられた複数の丸穴開口部205が、お互いに隙間bの間隔をおいて並べられている。また振動脚パターン2010間の距離wは丸穴開口部205の直径dに比べ、十分に大きくパターン化されている。
本実施例では水晶のエッチングに耐えられるマスク層200として、上層が金(Au)、下層がクロム(Cr)からなる積層膜を用い、厚みtが200μmの水晶基板1000の両面にそれぞれ形成した。なお本実施例ではマスク層200のパターニングにフォトリソグラフィー法を利用し、基部パターン2020と振動脚パターン2010からなる外形形状と、直径dが10μmの丸穴開口部205を形成した。さらに隣り合った丸穴開口部205間の隙間bは15μm、振動脚パターン2010間の距離wは150μmで形成した。
次に水晶基板1000のエッチングを開始する。本実施例では70℃のフッ酸をエッチング液として使用しエッチングを行った。図1(b)はエッチング開始後30分経過した時点での状態を示した図であるが、この時点で水晶基板1001はどの場所においても貫通していなかった。
図1(c)はエッチング開始後1時間経過した時点での状態を示した図である。本実施例ではエッチング開始後1時間経過した時点で、2本の振動脚パターン2010の間の部分を含めマスク層200の外形形状の外側部分はすべて貫通してしまい、その結果、所定の外形形状からなる水晶片101が形成された。しかしながら、微細な丸穴開口部205
の内側は深さ方向(水晶基板1000の厚み方向)へのエッチング速度が非常に遅いため、20μm程度の深さにしか加工されず、凹部形状として形成され、貫通には至っていない。
図1(d)はエッチング開始後4時間経過した時点での状態を示した図である。本実施例においてエッチング開始後4時間経過した時点で、丸穴開口部205の内側にエッチングによって形成された凹部が、水晶基板1000の平面方向にもエッチングが進んだ結果(これを一般にサイドエッチングと呼ぶ。)、隣にできた凹部と繋がり、一つの大きな溝状の凹部1012が形成され、この時点でエッチングを終了させた。図1(d)の状態において形成された凹部1012の深さは、約50μmであった。
最後に図1(e)に示すように、マスク層200を除去して、所定の場所に溝状の凹部1012が形成された水晶片100が完成した。
本発明ではこのように複数の微細な開口部(本実施例では丸穴開口部205)が集まった領域において、凹部1012が形成される。よって図1(a)のマスク200に精度良く微細な開口部(丸穴開口部205)が形成されていれば、同じ位置精度でそのまま凹部1012を形状することができ、従来発生していたような振動脚の外形形状に対して凹部の位置がずれて形成されてしまうといった問題は無くなった。
(実施例2)
次に、図1(a)及び図2(a)における丸穴開口部205の直径dを50μmにして、本発明の水晶片の製造方法を試みた。なお、隣り合った丸穴開口部205の間の隙間bは15μm、振動脚パターン2010間の距離wは150μm、水晶基板の厚みtは200μmに設定した。
上記の寸法(d=φ50μm、b=15μm、w=150μm)のマスク200でエッチングを行うと、図1(c)の水晶基板が貫通して所定の外形形状の水晶片101が形成された時点で、丸穴開口部205の内側に形成される凹部は非常に深く形成され、この時点で凹部の深さは60μm程度の深さになっていた。
その後、エッチングを更に進め、丸穴開口部205の内側にエッチングによって形成された凹部が、隣にできた凹部と繋がり、一つの凹部1012が形成された時点でエッチングを終了させた。なおこの時の凹部1012の深さは、約80μmであった。
このように丸穴開口部205の開口面積が大きくなると、広い面積で開口されている外形形状周辺部と、エッチング速度の差はそれほど変わらなくなる。その結果、外形形状が貫通して出来上がるのと同時に、凹部を形成しようとする場所までが貫通されてしまう危険性が高まる。我々が行った別の実験によれば、丸穴開口部205の直径dを60μmまで大きくすると凹部1012が貫通してしまうこともあり、エッチング速度のばらつきを考慮すると、微細開口部の開口寸法(丸穴開口部205の直径d)は50μm以下にするのが望ましいと言える。
(実施例3)
次に、図1(a)及び図2(a)における丸穴開口部205の直径dを10μm、隣り合った丸穴開口部205の間の隙間bを30μmにして、本発明の水晶片の製造方法を試みた。なお、振動脚パターン2010間の距離wは150μm、水晶基板の厚みtは200μmに設定した。
上記の寸法(d=φ10μm、b=30μm、w=150μm)のマスク200でエッ
チングを行うと、図1(c)の水晶基板が貫通して所定の外形形状の水晶片101が形成された時点では、丸穴開口部205の内側に形成される凹部は20μm程度の深さにしか加工されていなかった。
更にエッチングを続けると、そのうちに丸穴開口部205の内側に形成された凹部が、隣にできた凹部と繋がる。本実施例では隣り合った丸穴開口部205の間の隙間bは30μmであり、隣り合った凹部どうしが繋がるまでに8時間のエッチング時間を要した。よって本実施例では、エッチング開始から8時間経過して、一つの凹部1012が形成された時点でエッチングを終了させた。なおこの時の凹部1012の深さは、約80μmであった。
このように隣り合った丸穴開口部205間の隙間bが広くなると、エッチング時間を長くしないと、なかなか隣り合った凹部どうしが繋がらず、溝が形成されるまでに時間がかかる。エッチング時間が8時間以上かかると、生産性が悪くなるだけでなく、外形形状も徐々に崩れ出すため、エッチング時間は8時間以内に収めた方がよい。よって、隣り合った微細開口部(丸穴開口部205)の間の隙間bは30μm以下にするのが望ましい。
(実施例4)
次に、水晶基板の厚みtを50μmにして、さらに図1(a)及び図2(a)における丸穴開口部205の直径dを10μm、隣り合った丸穴開口部205の間の隙間bを3μmにして、本発明の水晶片の製造方法を試みた。なお、振動脚パターン2010間の距離wは150μmに設定した。
上記の寸法(d=φ10μm、b=3μm、w=150μm)のマスク200で薄板の水晶基板(t=50μm)のエッチングを行うと、15分程度の時間で、図1(c)に示すように、水晶基板が貫通して所定の外形形状の水晶片101が形成される。この時点で丸穴開口部205の内側に形成される凹部は10μm程度の深さであった。
更にエッチングを続けると、エッチング開始後50分経過した時点で、丸穴開口部205の内側に形成された凹部が、隣にできた凹部と繋がった。そこで本実施例では、エッチング開始から50分経過し、一つの凹部1012が形成された時点でエッチングを終了させた。なおこの時の凹部1012の深さは、約15μmであった。
このように隣り合った丸穴開口部205間の隙間bを狭くすると、短時間で隣り合った凹部どうしが繋がり凹部を形成する。よって本実施例のように厚みの薄い水晶基板をエッチングするときには短時間で水晶基板が貫通するため、隙間bを狭くするのが有効である。ただし、隙間bを3μm以下に狭くすると、エッチングを開始してすぐに、隣り合った凹部どうしが繋がり溝を形成してしまうため、深い溝が形成し難い。適度な深さを有する溝を形成するには、隣り合った微細開口部(丸穴開口部205)の間の隙間bを3μm以上にするのが望ましい。
(実施例5)
次に図2(b)に示すように、水晶基板1000上に形成されるマスク層210の微細な開口部を細長い矩形形状のスリット開口部215に変えてみた。マスク層210の外形形状は、図2(a)と同様に、基部パターン2120と基部パターン2120から突出した2本の振動脚パターン2110からなっている。またスリット開口部215の長手方向の長さは図2(a)に示す溝形成領域の長手方向の長さとほぼ一緒にし、スリットの幅は10μmにした。なお、隣り合ったスリット開口部215の間の隙間は15μm、振動脚パターン2110間の距離wは150μmに設定した。
図2(b)に示すマスク層210を使って厚さtが200μmの水晶基板1000を本発明の製造方法で加工してみた。
その結果、図1(c)に示すエッチング開始後1時間経過した時点で、マスク層210の外形形状の外側部分はすべて貫通してしまい、水晶片101が形成された。一方、微細な開口部であるスリット開口部215の内側はそれほどエッチングが進んでおらず20μm程度の深さにしか加工されていなかった。
更にエッチングを進めると、エッチング開始後4時間経過した時点で、スリット開口部215の内側にエッチングによって形成された凹部が、並列に並んで形成されている隣にできた凹部と繋がり、一つの凹部1012が形成された。本実施例では、この時点でエッチングを終了させ50μmの深さの凹部1012を完成させた。
最後に、マスク層210を除去することによって、本実施例においても、所定の場所すなわち振動脚の部分に溝状の凹部1012が形成された水晶片100を完成させることができた。
(実施例6)
図3は本発明の水晶振動子の振動脚部の断面形状と電歪状態を示した図である。図3に示すように、本発明の製造方法で製造された水晶片100の溝状の凹部1012の内部に電極410、電極420を形成し、水晶片100の振動脚の側壁面に電極430と電極440を形成することで、溝付きの水晶振動子10を製造できた。なお本発明では、水晶基板から所定の外形形状でエッチングによって切り出された電極が形成されていない部材を水晶片110とし、水晶片110の所定の位置に電極が形成され、一定の方向に電界がかかることによって振動できるようにした部品のことを水晶振動子15と定義している。
このような溝付きの水晶振動子10は、小型化しても、振動脚1110の振動損失が低く、CI値(クリスタルインピーダンス)も低く抑えられるという特性を有することが一般に知られており、本発明によって製造された溝付きの水晶振動子10においても、小型で且つ高性能の振動特性を達成できた。
さらに本発明によって製造された溝付きの水晶振動子10は、凹部1012が振動脚の幅方向のほぼ中央に精度良く位置させることができた。その結果、電極410−電極430間、電極420−電極430間、電極410−電極440間、電極420−電極440間に電界をかけた時、凹部1012の両側にかかる電界強度が均等になる。その結果、図3(a)及び図3(b)に示すように、電界の方向を変えた時に、たわみ量も左右均等にたわむため、安定した振動をする水晶振動子10が得られる。これにより、発振周波数のばらつきが少なく信頼性の高い水晶振動子10が得られた。
本発明の水晶片の製造方法を示した図である。 本発明の水晶片を製造するために用いられるマスク層の形状を示した一例である。 本発明の水晶振動子の振動脚部の断面形状と電歪状態を示した図である。 従来の水晶振動子の振動脚部の断面形状と電界のかかり方を示した図である。 従来の水晶片の製造方法の前半工程を示した図である。 従来の水晶片の製造方法の後半工程を示した図である。 従来の小型水晶振動子に用いられる溝付き水晶片の外観と溝部近傍の断面を示した図である。
符号の説明
10、15、16、17 水晶振動子
100、101、110、111、112、115 水晶片
200、210 マスク層
205 丸穴開口部
215 スリット開口部
250、255 マスク層
300 レジスト層
410、420、430、440、450、460、470、480 電極
1000、1001 水晶基板
1110 振動脚
1112 凹部
1120 基部
2010、2110 振動脚パターン
2020、2120 基部パターン

Claims (5)

  1. 水晶基板の平面上に、水晶片の外形形状と複数の微細な開口部がパターン化されている耐エッチング性を有するマスク層を形成する工程と、
    前記水晶基板をエッチングして前記水晶片の外形形状を形成しながら、同時に前記複数の微細な開口部がパターン化されている領域に凹部を形成する工程とを有する水晶片の製造方法。
  2. 前記微細な開口部の形状が丸穴形状またはスリット形状であることを特徴とする請求項1に記載の水晶片の製造方法。
  3. 基部と該基部から突出して形成される複数の振動脚と、該複数の振動脚の各々に凹部が形成されている水晶振動子の製造方法であって、
    水晶基板の平面上に、水晶振動子の外形形状と複数の微細な開口部がパターン化されている耐エッチング性を有するマスク層を形成する工程と、
    前記水晶基板をエッチングして前記水晶振動子の外形形状を形成しながら、同時に前記複数の微細な開口部がパターン化されている領域に凹部を形成する工程と
    前記マスク層を除去し水晶片を形成する工程と、
    前記水晶片の凹部と側面部とに電極を形成する工程とを有する水晶振動子の製造方法。
  4. 前記微細な開口部の形状が丸穴形状またはスリット形状であることを特徴とする請求項3に記載の水晶振動子の製造方法。
  5. 前記微細な開口部が前記マスク層の振動脚を形成する部分に形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の水晶振動子の製造方法。
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