JP2005167461A - 線路変換装置およびその製造方法 - Google Patents

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昭三 大寺
Kunihito Seta
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Abstract

【課題】同軸線路からマイクロストリップラインといった各伝送モード間を変換でき、低損失なモード変換を簡便に実現できる線路変換装置を提供する。
【解決手段】高周波信号の各伝送線路間にて伝送モードを変換するために挿入される線路変換装置であって、発泡樹脂から成る本体1を設ける。本体1の発泡樹脂の気泡率を一方の伝送モードである同軸線路2から他方の伝送モードであるマイクロストリップライン3に向かって連続的または段階的に変化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、VCO(電圧制御発振器)やミキサ等の高周波モジュール一般、および光変調器や高速光スイッチ等の光モジュールにおける電気制御部などで好適に用いられ、高周波信号の各伝送線路間にて、伝送モードを変換するために挿入される線路変換装置およびその製造方法に関する。
高周波信号の伝送線路では、伝送モード(電気力線の分布)が変化すると、その境界部分で不所望な反射などが生じ、境界部分での変換損失が増加するという問題がある。
まず、各伝送モードの様子を、図10を用いて説明する。図10は、各伝送モードでの基板の伝送方向とは直角方向での断面図である。図10(a)は、内部導体42と、内部導体42に対し誘電縁体44を挟んで同軸状の外部導体46とを有する同軸線路である。図10(b)は、誘電体からなるマイクロストリップライン基板48を挟んで表面にマイクロストリップライン50、裏面に接地導体52を備えたマイクロストリップラインである。図10(c)は、誘電体基板54の表面上に、互いに平行な各信号線路56、58、60を有するコプレーナーラインである。これら図10(a)ないし図10(c)において、実線の矢印は電気力線を示し、破線は磁力線を示す。
これら図10(a)ないし図10(c)から理解されるように、伝送線路によって、電気力線が対称な伝送モードと非対称な伝送モードとがある。したがって、対称な伝送モードと、非対称な伝送モードとの接続部では電界分布が不連続となり、これに起因して変換損失を生じてしまう。
そこで、その変換損失を抑える従来技術としては、特許文献1に記載の同軸−マイクロストリップ変換コネクタ構造や、特許文献2に記載の線路変換器が知られている。
図11は、特許文献1における代表図である。この特許文献1に記載のコネクタ構造では、同軸線路62からマイクロストリップライン64へ伝送モードを変換している。そして、図10(a)で示すように、同軸線路62側では電気力線の分布は内部導体から外部導体へ向けて均等であり、一方、図10(b)で示すように、マイクロストリップライン64側では電気力線の分布はマイクロストリップライン66から基板裏面の接地導体68に向けてのみである。これに対応して、この特許文献1においては、図12(a)、図12(b)、図12(c)、図12(d)というように、同軸線路62の先端側になるにつれて、同軸線路62の外部導体70および絶縁体72に入れる切り欠きの幅を、連続して広くしてゆくことで、電界の向きを徐々に変化させて変換損失を抑えている。
図13は、特許文献2における代表図である。この従来技術も、同軸線路82からマイクロストリップライン86へ伝送モードを変換する。このため、図13(b)から図13(c)で示すように、さらに図13(c)から図13(d)で示すように、同軸線路82の外部導体90の形状を円から矩形に、そして内部にある誘電体92の部分を徐々に減らしてゆくことで、特許文献1と同じような変換損失を抑える効果をねらっている。
特開平5−235613号公報(公開日:1993年9月10日) 特開平9−23108号公報(公開日:1997年1月21日)
上述のような従来の各公報に記載の各技術では、電界を連続にするために、外部導体70、90の形状をいずれも特殊な形状にしているため、加工が複雑になるという問題がある。
また、特許文献2のものでは、一体成形が難しく、組み立て工数が増えてしまうという問題もある。さらに、内部に空間があるので、内部導体94の保持が十分でなく、機械的な強度が低下するという問題もある。
本発明の目的は、低損失なモード変換を簡便に実現することができる線路変換装置およびその製造方法を提供することである。
本発明の線路変換装置は、上記課題を解決するために、高周波信号の各伝送線路間にて伝送モードを変換するために挿入される線路変換装置であって、発泡樹脂から成る本体が、前記発泡樹脂の気泡率を一方の伝送モードから他方の伝送モードに向かって連続的または段階的に変化させて設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、伝送モードが変化する部分の電気力線の分布における変化に対応して、分布の多い側では発泡樹脂の気泡率を低くして誘電率を高くし、分布の少ない側では発泡樹脂の気泡率を高くして誘電率を低くできる。
その上、上記構成においては、発泡樹脂から成る本体の気泡率を、一方の伝送モードから他方の伝送モードに向かって連続的または段階的に変化させることで、両側の各伝送線路間での伝送モード(電気力線の分布)が徐々に切換わるようにできる。
したがって、上記構成では、伝送モードの切換わりによる不所望な反射を抑え、損失を抑えることができる。そして、同軸線路などの伝送線路に特別な加工を施すことなく、この本体を用いるだけで、低損失なモード変換を簡便に実現することができる。
本発明の線路変換装置の製造方法は、前記課題を解決するために、高周波信号の各伝送線路間での伝送モードを変換するための本体を有する線路変換装置の製造方法において、本体と形状が相違する本体前躯体を発泡樹脂より成形し、本体前躯体を最終形状となるように圧縮して、一方の伝送モードから他方の伝送モードに向かって発泡樹脂の気泡率が連続的または段階的に変化している本体を得ることを特徴としている。
上記製造方法においては、最終形状は、略円管状であり、本体前躯体を、径が徐々に変化するように組み合わせられた略円柱形状、または略円錐台形状となるように発泡樹脂を成形して得、本体前躯体に心棒を通した後、上記最終形状に圧縮して本体を得てもよい。
上記方法によれば、圧縮によって一方の伝送モードから他方の伝送モードに向かって発泡樹脂の気泡率を連続的または段階的に変化させることにより、各伝送線路として、同軸線路とマイクロストリップラインまたはコプレーナーラインとである場合に適した線路変換装置を、具体的に製造することができる。
上記製造方法では、最終形状は、略直方体形状であり、本体前躯体を、高さが徐々に変化するように組み合わせられた略直方体形状、または高さ方向にテーパ面を有する略三角柱形状となるように発泡樹脂を成形して得、上記最終形状に圧縮して本体を得てもよい。
上記方法によれば、各伝送線路がマイクロストリップラインとコプレーナーラインとである場合に適した線路変換装置を、具体的に製造することができる。
本発明の線路変換装置は、発泡樹脂から成る本体が、前記発泡樹脂の気泡率を一方の伝送モードから他方の伝送モードに向かって連続的または段階的に変化させて設けられている構成である。
それゆえ、上記構成は、発泡樹脂から成る本体の気泡率を一方の伝送モードから他方の伝送モードに向かって連続的または段階的に変化させているから、気泡率の変化に伴う誘電率の変化により各伝送線路間での伝送モードを低損失にて変換できる。
ところで、従来では、低損失な伝送モードの変換を実現するために、加工が複雑になったり、一体成形が難しく、組み立て工数が増えたり、内部に空間があるので、内部導体の保持が十分でなく、機械的な強度が悪化したりするという問題を生じている。
一方、上記構成は、本体を発泡樹脂の成形によって一体的に形成できるから、その形成や組み立ての加工を従来と比べて簡便化できると共に、内部に本体を存在させることができて、機械的強度の悪化も回避できるという効果を奏する。
本発明の線路変換装置の製造方法は、本体と形状が相違する本体前躯体を発泡樹脂より成形し、本体前躯体を最終形状となるように圧縮して本体を得る方法である。
上記方法によれば、発泡成形と、圧縮成形との二工程にて、一方の伝送モードから他方の伝送モードに向かって発泡樹脂の気泡率つまり誘電率が連続的または段階的に変化している本体が得られるので、上記問題を回避できる本体の製造を簡便化できるという効果を奏する。
(実施の第一形態)
本発明の実施の第一形態について、図1ないし図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。図1は本発明の実施の第一形態に係る線路変換装置(モード変換装置)の構造を示す斜視図であり、図2はその線路変換装置の軸線方向での断面図である。
上記線路変換装置は、図1および図2に示すように、同軸線路2とマイクロストリップライン3との間に介在され、伝送モードを変換するための本体1を備えている。この本体1は、略円管状に形成され、内部に同軸線路2の内部導体2aが同軸状に密に挿通される貫通孔1bを有している。
内部導体2aの先端2bは、本体1の一方端面から突出しており、マイクロストリップライン3に半田付けされる。同軸線路2の外部導体2cはマイクロストリップ基板3aの裏面に形成された導体3bに半田付けされる。略円筒状の本体1の端面がマイクロストリップ基板3aの端面に接着される。こうして、同軸線路2の内部導体2aは、本体1によって、密に(つまり、空間無しにて)機械的に十分な強度で保持される。
そして、本体1では、電気絶縁体である発泡樹脂を成形してなり、気泡率によって本体1の内部の各部分での誘電率が制御されている。具体的には、略円筒状の本体1は、同軸線路2側では全周にわたって高誘電率ε1であり(図3(a)参照)、マイクロストリップライン3側においてはマイクロストリップ基板3a側の略半周にわたって高誘電率ε1である一方、マイクロストリップライン3側では全周にわたって低誘電率ε2となるように(図3(e)参照)、誘電率εが連続的に変化して形成される。
すなわち、気泡率φ1の時の誘電率をε1、樹脂固有の誘電率をε、空気の誘電率をε0としたとき、気泡率φ1と誘電率ε1との関係は、
ε1=φ1ε0+(1−φ1)ε
と表される。すなわち、気泡率φ1を高くすることで、誘電率ε1を低めに調整でき、逆に、気泡率φ1を低くすることで、誘電率ε1を高めに調整できることが分かる。
このとき、本体1は、同軸線路2側では低い気泡率φ1で誘電率は高誘電率のε1である。マイクロストリップライン3側に行くに従い、低い気泡率φ1に対する高い気泡率φ2が占める割合が上昇し、それに従い誘電率は低誘電率ε2に向かって順次低下し、最終的にはε2となる。
これは、前述の図10(a)で示すように、同軸線路2側では電気力線の分布は内部導体2aから外部導体2cへ向けて均等であり、図10(b)で示すように、前記マイクロストリップライン3側では前記電気力線の分布は該マイクロストリップライン3から基板3aの裏面の導体3bに向けてのみであるためであり、本体1の誘電率を前述のように設定することで、同軸線路2の電気力線の分布を、マイクロストリップライン3側に向けて、図3(a)→図3(b)→図3(c)→図3(d)→図3(e)で示すように変化させることができる。
すなわち、発泡樹脂から成る本体1は、発泡樹脂の気泡率が一方の伝送モードから他方の伝送モードに向かうときの電界分布の変化に対応して連続的に変化したものになる。
図4は、線路変換装置の製造工程を示す斜視図である。前述のように、この線路変換装置は、発泡樹脂から成る本体1を有するので、上記製造方法では、先ず熱可塑性の樹脂ペレット(樹脂の細かい粒)が、発泡剤と混合される。熱可塑性の樹脂としては、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリスチレンなどの誘電率が低い材料が用いられる。また、発泡剤としては、たとえば有機系の材料では、アゾジカルボンアミド(ADCA)系などのアゾ化合物、ニトロソ化合物などであり、無機系の材料では、重炭酸ナトリウムなどである。そして、この発泡剤の混合割合は、気泡率が50%〜30%となるように、また後述する射出成形時に、気泡の大きさが、100μm以下、好ましくは50μm以下となるように選ばれる。
次に、上記製造方法においては、混合された材料が、射出成形機内にて加圧された状態にて加熱されることによって、上記材料の樹脂が可塑化され、かつ上記材料の発泡剤が反応してガスが発生し、そのガスが可塑化された樹脂中に溶け込んだ状態になる。上記樹脂は、金型に射出されて成形されると同時に、加圧状態から開放されるから、溶け込んだガスがガス化して独立気泡となり、複数の独立気泡を内部にほぼ均一に分散して有するものとなる。
このとき、射出成形機で用いる金型は、圧縮率が高い部位程、内径が大きい円錐台形状に形成され、かつ、貫通孔1bのための棒状部を備えている。上記棒状部は、円錐台形状に形成された金型の小径部では、小径部と同軸に設定され、上記金型の大径部においては、大径部の中心とずれた(偏心)位置に上記金型内を通るように設定されている。
したがって、この金型で成形されると、樹脂は、図4(a)で示すように、円錐台形状で、軸方向に沿って偏心した貫通孔1bを備えた発泡樹脂成形体(本体前躯体)1cとなる。金型中で可塑化された樹脂が冷却され、固まると同時に、気泡化した部分は、発泡樹脂成形体1c内では、そのままの気泡の形でほぼ均一に分散した状態で残っていることになる。
なお、参照符1aは、後述するように、均一な外径の円筒状体の本体1に圧縮成形された場合に、誘電率の変化を知るための指標であり、図4(a)の発泡樹脂成形体1c例では、高誘電率ε1側、すなわち同軸線路2側の面に、マイクロストリップ基板3a側の端部に設けられている。したがって、組み立て時には、この指標1aが同軸線路2側となるように本体1の中心に形成された貫通孔1bに、内部導体2aを挿通し、かつこの指標1aがマイクロストリップ基板3a側となるように、すなわち図1および図4では下方側となるように取り付ければ、図1および図3で説明したような誘電率の分布となる。
その後、成形された発泡樹脂成形体1cを、誘導加熱や、次の圧縮工程の金型による加熱などによって再び軟化させ、貫通孔1bに対応した心棒を貫通孔1b内に通した後、略円管状(略円筒状)である最終形状の圧縮成形工程の金型で圧縮成形する。最終形状は、発泡樹脂成形体1cの形状と相違しており、少なくとも1つの寸法が、それと対応する発泡樹脂成形体1cの寸法より小さく設定されたものである。
この圧縮成形工程によって、図4(b)で示すように、均一な外径の円管状体に形成され、同軸状の貫通孔1bを備えた本体1が得られる。このとき、本体1内の貫通孔1bは、本体1と同軸状が後での本体1の取り付けを容易化できて好ましいが、貫通孔1bの少なくとも一方の開口の中心が、それに対応する本体1の端面の中心と相違して偏心したものでもよい。
このような本体1は、図4(a)で示す圧縮前では、内包する気泡の大きさは略均一であるのに対して、圧縮されているので、図4(b)で示すように、圧縮率の高い部位程、内包する気泡の大きさは小さくなっている。よって、本体1では、気泡の大きさが小さい部位程、誘電率εが高くなり、その部位に電気力線が集中することになる一方、寸法どおりの圧縮されない部分の誘電率ε2は変化しない。
以上のようにして、同軸線路2からマイクロストリップライン3に伝送モードが変化する部分において、伝送モード(電気力線の分布)が徐々に切換わるようにすることができ、伝送モードの切換わりによる不所望な反射を抑え、損失を抑えることができる。その様子を、図5で示す。図5は、ε1=2.5、ε2=1.75として計算した結果である。高周波側において、透過率が改善されているのが理解される。このようにして、同軸線路2などの伝送線路に特別な加工を施すことなく、簡単に低損失なモード変換を実現することができる。
なお、圧縮率(誘電率ε)は、連続的に変化していなくてもよく、たとえば図6の発泡樹脂成形体(本体前躯体)11で示すように、段階的に変化させ、図4(b)のように、圧縮成形して本体1を得てもよい。また、図7の発泡樹脂成形体(本体前躯体)21で示すように、貫通孔1bが形成され、内部導体2aを保持する小径の内筒部21aを高気泡率(誘電率ε2)に形成し、その外側に、斜めにカットされ、低気泡率(誘電率ε1)の大径の外筒部21bを被せたものを用いても、同様の効果を有する本体1を得ることができる。
また、円筒状の本体1の直径は、同軸線路2の外径に適応して決定され、たとえば2mm〜3mmである。さらに、本体1の長さは、伝送すべき高周波信号の波長に適応して決定され、たとえば1mm〜2mmである。
ここで、発泡体の気泡の状態を傾斜化しようという工法については、従来、以下のようなことが行われていた。傾斜化の方法としては、成形条件を操作することで表面のスキン層と内部の気泡との間で傾斜状態を実現する成形体の製法について報告されている(「最新の微細発泡射出成形技術と応用展開」セミナー(プラスチック工業技術研究会主催)での「当社開発の新しい発泡射出成形、発泡押出し成形システムの特長と今後の応用展開−応用事例」(積水化学工業株式会社)5−3)。
また、特開平6−305039号公報では、機能性粉末を含む合成樹脂発泡体材料と、機能性粉末を含まない合成樹脂発泡体材料とを用いた機能傾斜材料についてと、粉末を混合し、融着する製法について述べられている。
さらに、特開平9−277285号公報においては、遠心成形を用い、セル径が表面と内部とで傾斜して成形されている成形体、およびその製法について述べられている。
また、特開平ll−291374号公報では、気泡形状(アスペクト比)が異なるシートを積層させて形成する成形体、およびその製法について述べられている。
しかしながら、それらの方法には、以下のような問題があった。まず成形条件のみを操作する方法では、条件出しが難しく、再現性も低い。次に、特開平6−305039号公報では、傾斜して粉末を分布させる簡易な方法がないことや、機能性材料が一般に誘電率が空気に比べ大きいことから、空気(誘電率=1)に近い低誘電率品が作れないという問題がある。
また、特開平9−277285号公報においては、遠心成形を用いるので、形状が同軸状のものに限定されることや、特殊な装置を必要とする問題がある。さらに、特開平11−291374号公報では、積層工程を必要として手間がかかることと、シート状のものに限られるという問題がある。
一方、本発明では、圧縮成形を用いることで、これらの問題なく、気泡の状態を傾斜化することができる。なお、上述の圧縮成形工程では、熱可塑性を利用した例を挙げたが、それに限定されるものではなく、塑性変形を利用して圧縮成形してもよい。
(実施の第二形態)
本発明の実施の第二形態について、図8および図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
図8は、本発明の実施の第二形態に係る線路変換装置の構造を示す斜視図であり、図9は、その線路変換装置の軸線とは直角方向での断面図である。この線路変換装置は、マイクロストリップライン32とコプレーナーライン33との間に介在され、伝送モードを変換する本体31を備えている。この本体31は、2つの伝送ラインを連なる基板材となっており、この基板材が、前記発泡樹脂で形成されている。
そして、本体31は、マイクロストリップライン32側では高誘電率ε1に形成され、コプレーナーライン33側においては低誘電率ε2に形成され、両者の境界部分では、誘電率εが伝送方向に沿って、つまり一方の伝送モードから他方の伝送モードに向かって連続的に変化して形成される。
したがって、図9(a)で示すコプレーナーライン33では、電気力線をコプレーナーライン33の各パターン間にて対称にできる。しかし、図9(b)で示すように、本体31にε1の誘電率が高い部分が存在すると、電気力線はそちらにひっぱられ始める。すなわち非対称性が生じる。これが、図9(c)で示す非対称なマイクロストリップライン32に連続的につながっていくことになって、反射が低減される。
上述のように構成される本実施の第二形態に係る線路変換装置の製造方法は、以下の通りである。先ず、誘電率εを上げたい部分(マイクロストリップライン32側)を厚くした板状の形に、発泡成形する。つまり、高さが徐々に変化するように組み合わせられた略直方体形状に発泡樹脂を成形して発泡樹脂成形体(本体前駆体)を得る。
次に、発泡樹脂成形体を軟化温度まで加熱する。続いて、外側から、略直方体形状の内部形状(最終形状)の金型で圧縮成形する。このとき、軟化しているため、圧力は均一に伝搬する。そして、圧縮率が高い部位では大きな圧力が、小さい部位では小さな圧力が加わる。この圧力によって、気泡の形状が変る(圧力が大きいと、気泡内の空気が樹脂側に溶け込み、その結果、気泡径が小さくなり、気泡率が小さくなる)。圧縮後は、加熱を停止し、冷却する。次に、軟化温度以下になったことを確認して金型を緩め、圧縮成形された本体31を取り出す。
こうして、本体31が成形されると、その本体31上にマイクロストリップライン32やコプレーナーライン33の各パターンを形成する。たとえば、無電解メッキによって、樹脂表面に各パターンを形成する。あるいは、スタンプ法といって、片面には微細な凹凸部が形成された任意の形に加工された銅箔を、加熱しながら成形体に押し付け、アンカー効果によって貼り付けるようにして各パターンを形成する。
以上のようにして、本実施の第二形態の線路変換装置を備えたマイクロストリップライン32およびコプレーナーライン33を製造することができる。なお、発泡樹脂成形体を、高さ方向にテーパ面を有する略三角柱形状となるように発泡成形してもよい。
本発明の線路変換装置およびその製造方法は、発泡樹脂から成る本体の気泡率を一方の伝送モードから他方の伝送モードに向かって連続的または段階的に変化させて誘電率を変化させているので、各伝送モードの変換時の損失を低減できるともに、製造を簡便化できて、通信分野、特に数十GHz以上の高周波信号を伝送する通信分野に好適に利用できる。
本発明の実施の第一形態における線路変換装置の構造を示す斜視図である。 図1で示す線路変換装置の軸線方向での断面図である。 (a)ないし(e)は、図1で示す線路変換装置による電気力線の変化を説明するための軸直角断面である。 (a)および(b)は、図1で示す線路変換装置の各製造工程を示す斜視図である。 図1で示す線路変換装置の透過率特性を示すグラフである。 同軸線路とマイクロストリップラインとの間の線路変換装置における他の例の製造方法の一工程を示す斜視図である。 同軸線路とマイクロストリップラインとの間の線路変換装置のさらに他の例の製造方法の一工程を示す斜視図である。 本発明の実施の第二形態の線路変換装置の構造を示す斜視図である。 (a)ないし(c)は、図8で示す線路変換装置の軸線とは直角方向での各断面図である。 (a)ないし(c)は、各伝送モードでの電気力線の状態をそれぞれ説明するための断面図である。 典型的な従来技術を説明するための斜視図である。 (a)ないし(d)は、図11で示す従来技術による電気力線の変化をそれぞれ説明するための軸直角断面である。 (a)ないし(d)は、他の従来技術を説明するための図である。
符号の説明
1、31 本体
1a 指標
2 同軸線路
2a 内部導体
2c 外部導体
3、32 マイクロストリップライン
3a マイクロストリップ基板
3b 導体
11、21 発泡樹脂成形体(本体前躯体)
33 コプレーナーライン

Claims (4)

  1. 高周波信号の各伝送線路間にて伝送モードを変換するために挿入される線路変換装置であって、
    発泡樹脂から成る本体が、前記発泡樹脂の気泡率を一方の伝送モードから他方の伝送モードに向かって連続的または段階的に変化させて設けられていることを特徴とする線路変換装置。
  2. 高周波信号の各伝送線路間での伝送モードを変換するための本体を有する線路変換装置の製造方法において、
    本体と形状が相違する本体前躯体を発泡樹脂より成形し、
    本体前躯体を最終形状となるように圧縮して、一方の伝送モードから他方の伝送モードに向かって発泡樹脂の気泡率が連続的または段階的に変化している本体を得る、ことを特徴とする線路変換装置の製造方法。
  3. 最終形状は、略円管状であり、
    本体前躯体を、径が徐々に変化するように組み合わせられた略円柱形状、または略円錐台形状となるように発泡樹脂を成形して得、
    本体前躯体に心棒を通した後、本体前躯体を上記最終形状に圧縮して本体を得る、ことを特徴とする請求項2記載の線路変換装置の製造方法。
  4. 最終形状は、略直方体形状であり、
    本体前躯体を、高さが徐々に変化するように組み合わせられた略直方体形状、または高さ方向にテーパ面を有する略三角柱形状となるように発泡樹脂を成形して得、
    本体前躯体を上記最終形状に圧縮して本体を得る、ことを特徴とする請求項2記載の線路変換装置の製造方法。

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JP2015201713A (ja) * 2014-04-07 2015-11-12 古野電気株式会社 電波伝送体、導波方向変換装置及びレーダ装置
JP2018082394A (ja) * 2016-11-18 2018-05-24 富士通株式会社 増幅器及び送信機

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015201713A (ja) * 2014-04-07 2015-11-12 古野電気株式会社 電波伝送体、導波方向変換装置及びレーダ装置
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