JP2005164686A - 光分波装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】入力導波路に入力された光を分波させて複数の出力導波路から出力させる光分波装置に関し、入力された光束を精度良く分波できる光分波装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、入力された光を分波させて複数の出力導波路から出力させる光分波装置(100)であって、入力光の光束を集束させる集束路(191)と、集束路(191)で集束された光束を分波させる分波路(193)と、分波路(193)で分波された光を拡大して、複数の出力導波路(197a、197b)に供給する拡大路(196a、196b)とを有することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は光分波装置に係り、特に、入力導波路に入力された光を分波させて複数の出力導波路から出力させる光分波装置に関する。
近年、光ファイバ通信網の拡大に伴い、高性能な光部品が要求されている。光部品は、微小光学部品、光ファイバ部品、光導波路部品に分けられる。
このうち、光導波路部品は、大量生産が可能であり、また、基板上に集積化が可能であるなどの利点があり、注目を集めている。
光導波路部品としては、光分波装置がある。この光分波装置は、光ファイバを流れる光束を複数の光束に分波するための部品であり、各家庭などへの分岐に用いられる。
図5は従来の分波装置の一例の構成図を示す。
従来の分波装置1は、入力光束を二分波するものであり、直線導波路11、分波導波路12、S字導波路13、14から構成されている。
直線導波路11の一端には、光ファイバから光入射する。直線導波路11の他端は、分波導波路12の入力端に接続されている。分波導波路12は、出力端に向かって幅が拡大するテーパ状の形状に形成されており、直線導波路11から入力された光束を拡大させる。
分波導波路12の出力端には、S字導波路13、14が接続されている。分波導波路12は、出力端に向かって拡大された光束をS字導波路13とS字導波路14とに分波する。
S字導波路13は、分波導波路12から供給された光束を矢印Y1方向に平行移動する。また、S字導波路14は、分波導波路12から供給された光束を矢印Y2方向に平行移動する。S字導波路13、14により分波導波路12により分波された光束の光軸を所定の間隔に拡大できる。
しかるに、従来の光分波装置は、導波路の径(幅)が光ファイバと同じかそれより大きく設定されていた。光ファイバや導波路は、径(幅)が大きくなると、光束の中心が一定しなくなる。一般に光ファイバの径は、シングルモードファイバの場合9〜10μm程度とされており、比較的太く設定されている。
このため、光ファイバから光分波装置に導入された光束は、その中心が光ファイバの中心からずれている場合がある。このため、光束の中心と分波導波路12の中心とが一致しない場合がでてくる。分波導波路12は、光束の中心がその中心にあるときに、所望の割合で光束を分波できるようにされているので、光束の中心と分波導波路12の中心とがずれている場合には、所望の分割比で光束を分波できない。
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、入力された光束を精度良く分波できる光分波装置を提供することを目的とする。
本発明は、入力された光を分波させて複数の出力導波路から出力させる光分波装置(100)であって、入力光の光束を集束させる集束路(191)と、集束路(191)で集束された光束を分波させる分波路(193)と、分波路(193)で分波された光を拡大して、複数の出力導波路(197a、197b)に供給する拡大路(196a、196b)とを有することを特徴とする。
集束路(191)は、その断面形状が入力導波路の断面形状から徐々に縮小する形状の導波路から構成されたことを特徴とする。
拡大部(196a、196b)は、その断面形状が出力導波路の断面形状まで徐々に拡大する形状の導波路から構成されたことを特徴とする。
集束路(191)と分波路(193)との間に設けられ、集束した光束を安定化させる第1の安定化路(192)を有することを特徴とする。
分波路(193)と拡大路(196a、196b)との間に設けられ、集束した光束を安定化させる第2の安定化路(195a、195b)を有することを特徴とする。
第1及び/又は第2の安定化路(192、195a、195b)は、所定の距離、その断面形状が集束部(191)の出力部の断面形状と同じ断面形状とされた導波路から構成されたことを特徴とする。
分波路(193)と拡大路(196a、196b)との間に設けられ、分波路(193)の出力光束を拡大路(196a、196b)に導く導波路(194a、194b)を有することを特徴とする。
なお、上記参照符号は、あくまでも参考であり、これによって、特許請求の範囲が限定されるものではない。
上述の如く、本発明によれば、入力された光を分波させて複数の出力導波路から出力させる光分波装置(100)に、入力光束を集束させる集束路(191)と、集束路(191)で集束された光束を分波させる分波路(193)と、分波路(193)で分波された光を拡大して、複数の出力導波路(197a、197b)に供給する拡大路(196a、196b)とを設けることにより、集束路(191)により入力光束を調芯した後に、分波路(193)に供給できるので、入力された光束を精度良く分波できるなどの特長を有する。
〔概略構成〕
図1は本発明の一実施例の斜視図を示す。
本実施例の光学装置100は、光ファイバ接続装置111、112及び光分波装置113から構成される。
光ファイバ接続装置111は、いわゆる、光ファイバアレイと同様な構成であり、光ファイバ101を固定し、光ファイバ101からの光波を光分波装置113に形成された導波路に入力するための装置である。また、光ファイバ接続装置112は、いわゆる、光ファイバアレイと同様な構成であり、光分波装置113により分波された光波を光ファイバ102及び光ファイバ103に出力するための装置である。
光分波装置113は、光ファイバ接続装置111により光ファイバ101から入力された光波を分波し、光ファイバ接続装置112に固定された光ファイバ102、103に出力する、いわゆる、導波路チップから構成されている。
〔光ファイバ接続装置111〕
光ファイバ接続装置111は、基台121と押圧部122とから構成される。光ファイバ接続装置111は、基台111に形成されたV字状の溝131により光ファイバ101を位置決めし、押圧部112を接着することにより、光ファイバ101を所定の位置に固定する。光ファイバ接続部111は、その端面が光分波装置113の入力側の端面に当接され、接着される。
〔光ファイバ接続装置112〕
光ファイバ接続部112は、光ファイバ接続部111と同様に基台141、押圧部142から構成されている。光ファイバ接続部112は、基台141に形成されたV字状の溝151に光ファイバ102を位置決めし、V字状の溝152に光ファイバ103を位置決めし、押圧部142を接着することにより、光ファイバ102、103を所定の位置に固定する。光ファイバ接続部112は、その端面が光分波装置113の出力側の端面に当接され、接着される。
〔光分波装置113〕
図2は光分波装置113の構成図を示す。図2(A)は平面図、図2(B)は導波路に沿って切断した断面図、図2(C)は左側面図、図2(D)は右側面図を示す。
光分波装置113は、入力された光を分波させて複数の出力導波路から出力させる装置であり、基板161、導波路部162から構成されている。
基板161は、例えば、シリコン(Si)基板から構成されている。導波路部162は、基板161上に樹脂、ガラス材などで形成される。
導波路部162は、下部クラッド層171、上部クラッド層172、及び、コア173から構成される。
導波路が形成されており、導波路により、光ファイバ101から入射した光波を光ファイバ102と光ファイバ103とに分波する装置である。
ここで、導波路部162の製造方法について説明する。
まず、基板161上に下部クラッド層171を形成する。下部クラッド層171は、例えば、フッ素化ポリイミドなどの透明樹脂から構成されている。フッ素化ポリイミドの下部クラッド層171は、例えば、ポリアミド酸などの層を基板111上にスピンコート法などにより形成した後、加熱処理することでイミド化させることにより形成される。
次に、下部クラッド層171上に図2(A)に破線で示すようなパターンでコア173を形成する。コア173は、導波路を構成しており、下部クラッド層171、上部クラッド層172と同じフッ素化ポリイミドなどから構成される。
なお、コア173は、下部クラッド層171、上部クラッド層172とは屈折率が異なるように樹脂の成分が調整されている。例えば、下部クラッド層171、上部クラッド層172の屈折率をn1、コア173の屈折率をn2としたとき、
n1<n2
となるように構成樹脂の成分調整が行われている。なお、屈折率n1、n2は、例えば、n1=1.525、n2=1.531に設定される。
コア173形成は、まず、下部クラッド層171上にスピンコート法などによりポリアミド酸の層を形成した後、加熱処理することによりイミド化させ、透明樹脂層を形成する。次に、図2(A)に破線で示すようなパターンでレジストをパターニングする。
次に、例えば、RIE(reactive ion etching)装置などにより、ドライエッチング処理を行い、下部グラッド層171が露出する程度までエッチングする。このとき、フォトレジスト形成部分はエッチングされず、その下部の透明樹脂層が残ることになる。次に、残留したフォトレジストを除去する。以上により、図2(A)に破線で示すようなパターンのコア173が形成される。なお、このとき、コア173は、例えば、光ファイバ101、102、103の径と略同じ、厚さ9〜10μm程度に形成される。
次に、コア173の側面及び上面を覆うように上部クラッド層172を形成する。上部クラッド層172は、下部クラッド層171と同じフッ素化ポリイミドなどから構成されており、下部クラッド層171と同じ屈折率n1となるように成分が調整されている。上部クラッド層172は、スピンコートなどによりポリアミド酸の層を形成した後、加熱処理され、ポリアミド酸がイミド化されて形成される。
以上により図2に示すように基板161上に破線で示すような導波路181を有する導波路部162を形成することができる。
〔導波路181〕
次に導波路181の形状について説明する。
図3は導波路部181の構成図を示す。
導波路181は、コア173のパターンに相当しており、集束路191、第1の安定化路192、分波路193、第1のS字路194a、194b、第2の安定化路195a、195b、拡大路196a、196b、第2のS字路197a、197bが連続に形成された構成とされている。
集束路191は、その横断面積が入力導波路の横断面積から徐々に縮小する形状とされており、入力端に入力された光束を集束させる導光路である。第1の安定化路192は、集束路191と分波路193との間に設けられ、集束路191により集束された光束の光軸の中心を分波路193の入力端面の中心に安定化させるための導波路である。
分波路193は、第1の安定化路192と第1のS字路194a、194bとの間に設けられ、第1の安定化路192のから供給された光束を分波して、第1のS字路194a及び194bに供給する導波路である。第1のS字路194aは、分波路193と第2の安定化路195aとの間に設けられ、分波路193で分波された第1の光束を矢印Y1方向に変位させ、第2の安定化路195aに導入するための導波路である。また、第1のS字路194bは、分波路193と第2の安定化路195bとの間に設けられ、分波路193で分波された第2の光束を矢印Y2方向に変位させ、第2の安定化路195bに導入するための導波路である。
第2の安定化路195aは、第1のS字路194aと拡大路196aとの間に設けられ、その断面形状が全長に亘って、第1のS字路194aの断面形状と同じ形状とされており、第1のS字路194aで変位された第1の光束の光軸の中心を拡大路196aの中央に安定化させるための導波路である。また、第2の安定化路195bは、第1のS字路194bと拡大路196bとの間に設けられ、第1のS字路194bで変位された第2の光束の光軸の中心を拡大路196bの中央に安定化させるための導波路である。
拡大路196aは、第2の安定化路195aと第2のS字路197aとの間に設けられ、その断面形状が第2のS字路197aの断面形状まで徐々に拡大する形状とされており、第2の安定化路195aで安定化された第1の光束のスポット径を元のスポット径まで拡大して、第2のS字路197aに導入する導波路である。また、拡大路196bは、第2の安定化路195bと第2のS字路197bとの間に設けられ、その断面形状が第2のS字路197bの断面形状まで徐々に拡張する形状とされており、第2の安定化路195bで安定化された第2の光束のスポット径を元のスポット径を拡大して、第2のS字路197bに供給するための導波路である。
第2のS字路197aは、拡大路196aと光ファイバ102との間に設けられ、拡大路196aから供給された第1の光束を矢印Y1方向に変位させ、光ファイバ102に導入するための導波路である。また、第2のS字路197bは、拡大路196bと光ファイバ103との間に設けられ、拡大路196bから供給された第1の光束を矢印Y2方向に変位させ、光ファイバ103に導入するための導波路である。
〔集束路191〕
集束路191は、矢印X2方向に長さLt1に渡って形成されている。なお、長さLt1は、例えば、約0.5mm程度に設定されている。また、集束路191は、入力端、すなわち、矢印X1方向の端面の幅が、例えば、9〜10μm程度とされている。また、出力端、すなわち、矢印X2方向の端面の幅が、例えば、3μm程度とされている。
集束路191の幅は、長さLt1の間に9〜10μmから3μmまで、一定の割合で縮小する形状とされている。集束路191の幅が一定の割合で徐々に縮小することにより、入力光束が縮小する。これによって、光束の光軸が導波路181の中央に調芯される。集束路191で縮小された光束は、第1の安定化路192に供給される。
〔第1の安定化路192〕
第1の安定化路192は、矢印X2方向に長さLsm1にわたって形成されている。なお、長さLsm1は、例えば、4mm程度とされる。第1の安定化路192の断面の幅は、全長にわたって集束路191の終端面の幅と同じ、3μm程度とされている。
集束路191で縮小された光束が、第1の安定化路192を通過することによりその光軸の中心が第1の安定化路192の中央に確実に調芯される。第1の安定化路192で光軸の中心が調芯された光束は、分波路193に供給される。
〔分波路193〕
分波路193は、矢印X2方向に長さLt2に亘って形成されている。長さLt2は、例えば、0.5mm程度とされている。分波路193は、その断面の幅が第1の安定化路192の幅と同じ3μmから7〜8μm程度まで徐々に拡大するように形成されている。
分波路193の矢印X1方向の端面には、第1の安定化路192の出力端面が接続される。また、分波路193の矢印X2方向の端面の矢印Y1方向の端部には、第1のS字路194aが接続され、分波路193の矢印X2方向の端面の矢印Y2方向の端部には、第1のS字路194bが接続される。第1のS字路194a、194bの幅は、3μm程度されており、よって、分波路193の第1のS字路194aと第1のS字路194bとの間には、1〜2μm程度の間隙が発生する。この間隙に第1の安定化路192からの光束の光軸の中心がくることにより、光量の変動が急激な光軸付近の光束を避けて第1のS字路194aと第1のS字路194bとに分割できるため、第1の安定化路192からの光束を略均等に分割できる。
〔第1のS字路194a、194b〕
第1のS字路194aは、矢印X2方向に長さLs1に亘って形成されている。長さLs1は、2mm程度とされている。また、第1のS字路194aは、その幅が全長に亘って3μm程度に形成されている。さらに、第1のS字路194aは、分波路193の出力端面から矢印Y1方向に一定の曲率で湾曲された後、矢印Y2方向に同じ曲率で湾曲され、拡大路196aに接続された構成とされている。第1のS字路194aにより分波路193で分波された光束の一方が矢印Y1方向に変位する。
第1のS字路194bは、第1のS字路194aと同様に矢印X2方向に長さLs1に亘って形成されている。長さLs1は、2mm程度とされている。また、第1のS字路194bは、その幅が全長に亘って3μm程度に形成されている。さらに、第1のS字路194bは、分波路193の出力端面から矢印Y2方向に一定の曲率で湾曲された後、矢印Y1方向に同じ曲率で湾曲され、拡大路196aに接続された構成とされている。第1のS字路194bにより分波路193で分波された光束の他方が矢印Y2方向に変位する。
〔第2の安定化路195a、195b〕
第2の安定化路195aは、矢印X2方向に長さLsm2にわたって形成されている。なお、長さLsm2は、例えば、0.5mm程度とされる。第2の安定化路195aの断面の幅は、全長にわたって第1のS字路194aの終端断面の幅と同じ、3μm程度とされている。
第1のS字路194aを通過した光束が、第2の安定化路195aを通過することにより第2の安定化路195aの中央に確実に調芯される。第2の安定化路195aで光軸の中心が調芯された光束は、拡大路196aに供給される。
第2の安定化路195bは、第2の安定化路195aと同様に矢印X2方向に長さLsm2にわたって形成されている。なお、長さLsm2は、例えば、0.5mm程度とされる。第2の安定化路195bの断面の幅は、全長にわたって第1のS字路194bの終端断面の幅と同じ、3μm程度とされている。
第1のS字路194bを通過した光束が、第2の安定化路195bを通過することにより第2の安定化路195bの中央に確実に調芯される。第2の安定化路195bで光軸の中心が調芯された光束は、拡大路196bに供給される。
〔拡大路196a、196b〕
拡大路196aは、矢印X2方向に長さLt3に渡って形成されている。なお、長さLt3は、例えば、約0.5mm程度に設定されている。また、拡大路196aは、入力端、すなわち、矢印X1方向の端面の幅が第2の安定化路195aの幅と同じ3μm程度とされている。また、出力端、すなわち、矢印X2方向の端面の幅が、例えば、3μm程度とされている。
拡大路196aは、その幅が長さLt1の間に3μmから9〜10μmまで、一定の割合で拡大する形状とされている。断面の幅が一定の割合で徐々に拡大することにより、入力光束のスポット径が拡大する。これによって、光束の径が光ファイバ102の径と同じになる。拡大路196aで拡大された光束は、第2のS字路197aに供給される。
拡大路196bは、拡大路196aと同様に矢印X2方向に長さLt3に渡って形成されている。なお、長さLt3は、例えば、約0.5mm程度に設定されている。また、拡大路196bは、入力端、すなわち、矢印X1方向の端面の幅が第2の安定化路195bの幅と同じ3μm程度とされている。また、出力端、すなわち、矢印X2方向の端面の幅は、例えば、3μm程度とされている。
拡大路196bは、その幅が長さLt1の間に3μmから9〜10μmまで、一定の割合で拡大する形状とされている。断面の幅が一定の割合で徐々に拡大することにより、入力光束が拡大する。これによって、光束の径が光ファイバ103の径と同じになる。拡大路196aで拡大された光束は、第2のS字路197aに供給される。
〔第2のS字路197a、197b〕
第2のS字路197aは、矢印X2方向に長さLs2に亘って形成されている。長さLs2は、5mm程度とされている。また、第2のS字路197aは、その幅が全長に亘って9〜10μm程度に形成されている。さらに、第2のS字路197aは、拡大路196aの出力端面から矢印Y1方向に一定の曲率で湾曲された後、矢印Y2方向に同じ曲率で湾曲され、光ファイバ接続部112に固定された光ファイバ102の端面に当接する構成とされている。第2のS字路194aにより、拡大路196aで拡大された光束が矢印Y1方向に変位し、光ファイバ102の端面に導かれ光ファイバ102に入力させることができる。
第2のS字路197bは、第2のS字路197aと同様に、矢印X2方向に長さLs2に亘って形成されている。長さLs2は、5mm程度とされている。また、第2のS字路197bは、その幅が全長に亘って9〜10μm程度に形成されている。さらに、第2のS字路197bは、拡大路196aの出力端面から矢印Y2方向に一定の曲率で湾曲された後、矢印Y1方向に同じ曲率で湾曲され、光ファイバ接続部112に固定された光ファイバ103の端面に当接する構成とされている。第2のS字路197bにより、拡大路196bで拡大された光束が矢印Y2方向に変位し、光ファイバ103の端面に導かれ光ファイバ103に入力させることができる。
〔効果〕
本実施例によれば、集束路192で光束を集束させ、第1の安定化路192を通して分波路193に供給することにより、入力光束の光軸の中心を集束路192の中央に調芯し、中央に安定化させた後に、分波路193に供給できるため、光束を分波路193の略中央に入射でき、これによって、光束を第1のS字路194aと第1のS字路194bに均等に分配できる。
〔第1変形例〕
図4は導波路181の第1変形例の構成図を示す。同図中、図3と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
本変形例は、導波路181を同一導波路チップ上に複数段にわたって形成し、光束を多分波するようにした構成とされている。なお、第1のS字路194a、194b、及び第2のS字路197a、197bの曲率、及び、長さは出力数に応じて設定されている。例えば、出力のピッチを上記実施例と同じにする場合には、初段程、光束の変位が大きくなるように第1のS字路194a、194b、及び第2のS字路197a、197bの曲率、及び、長さを設定する必要がある。
本変形例によれば、入力光束を均等な光量で多分岐に出力することが可能となる。
なお、本変形例では、複数段の導波路181を同一導波路チップ上に配置するようにしたが、導波路181が形成された導波路チップを複数段に亘って接続するようにしてもよい。
〔その他〕
なお、第1の安定化路192、第2の安定化路195a、195bは長い方が安定化には有利となるが、長くなると損失が大きくなるとともに、調芯の効果も低下する。このため、損失が許容できる範囲内で、調芯の効果が充分に得られる長さに設定されている。
また、本実施例では、分波路193は、光束を均等に二分岐する構成としたが、光束を所望の比率で分波するようにしてもよい。このとき、入力光束が集束路191及び第1の安定化路192により分波路193の中央に正確に調芯されるので、正確な比率で分波するようにできる。
さらに、本実施例では、第1のS字路194a、194bと拡大路196a、196bとの間に第2の安定化路195a、195bを設けたが、第2の安定化路195a、195bは省略してもよい。
本発明の一実施例の斜視図である。 光分波装置113の構成図である。 導波路部181の構成図である。 導波路部181の第1変形例の構成図である。 従来の分波装置の一例の構成図である。
符号の説明
100 光学装置
101、102、103 光ファイバ
111、112 光ファイバ接続装置、113 光分波装置
161 基板、162 導波路部
171、172 クラッド層、173 コア
181 導波路
191 集光路、192 第2の安定化路、193 分波路
194a、194b 第1のS字路、195a、195b 第2の安定化路
196a、196b 拡大路、197a、197b 第2のS字路

Claims (7)

  1. 入力された光を分波させて複数の出力導波路から出力させる光分波装置であって、
    前記入力光の光束を集束させる集束路と、
    前記集束路で集束された光束を分波させる分波路と、
    前記分波路で分波された光を拡大して、前記複数の出力導波路に供給する拡大路とを有することを特徴とする光分波装置。
  2. 前記集束路は、その断面形状が前記入力導波路の断面形状から徐々に縮小する形状の導波路から構成されたことを特徴とする請求項1記載の光分波装置。
  3. 前記拡大部は、その断面形状が前記出力導波路の断面形状まで徐々に拡張する形状の導波路から構成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の光分波装置。
  4. 前記集束路と前記分波路との間に設けられ、集束した光束を安定化させる第1の安定化路を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の光分波装置。
  5. 前記分波路と前記拡大路との間に設けられ、集束した光束を安定化させる第2の安定化路を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の光分波装置。
  6. 前記第1及び/又は第2の安定化路は、所定の距離、その断面形状が前記集束部の出力部の形状と同じ断面形状とされた導波路から構成されたことを特徴とする請求項5記載の光分波装置。
  7. 前記分波路と前記拡大路との間に設けられ、前記分波路の出力光束を前記拡大路に導く導波路を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項記載の光分波装置。
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