JP2005163567A - 燃料噴射ノズルおよび内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ジメチルエーテルのように気化しやすく、かつ、単位熱発生量が小さく噴射量が多くなる性向を有する燃料を使用する圧縮着火式のエンジンにおいて、出力トルクの向上を図ることである。
【解決手段】 インジェクタ16が行うプレ噴射の噴霧角を広くして予混合気化を促進するとともに到達距離を主噴射よりも短くして、プレ噴射に係る燃料噴霧が燃焼室13壁面などに付着しないようにする。噴霧角を主噴射よりも広くすることで主噴射に係る噴霧がプレ噴射に係る噴霧から離れた領域に分布させて、拡散燃焼となる主噴射に係る燃料噴霧の空気との混合が、プレ噴射に係る燃料噴霧により妨げられないようにする。これにより、出力トルクを向上する。
【選択図】 図1

Description

本発明は燃料噴射ノズルおよび内燃機関に関し、特に噴射された燃料の噴射の制御に関する。
圧縮着火式の内燃機関における燃焼は、圧縮空気中に燃料噴射ノズルから噴射された液滴状の燃料が微粒化、蒸発し、空気との混合により可燃混合気が形成されて、これが自然着火することにより行われる。かかる圧縮着火式の内燃機関を搭載した近年の自動車に対し、パティキュレートの排出規制に代表されるように清浄性が要求されるようになっており、従来の軽油に代わる清浄性のよい代替燃料も検討されている。
かかる代替燃料としてジメチルエーテル(以下,適宜、DMEという)がパティキュレートを発生せず期待されている。しかし、ジメチルエーテルは、その低臨界性ゆえに噴霧が気化しやすく、噴霧貫通力が弱い。このため、空気との混合に時間を要する。また、容積当りの発熱量が小さい(厳密には、単位発熱量(低位発熱量)が小さい)ために、軽油に比して相対的に多量の噴射が必要である。圧縮着火式の内燃機関では燃焼はNOxの発生を抑えるべく高負荷域では拡散燃焼が基本となるため、DMEを燃料として用いる場合には、噴射期間とともに燃焼時間が長くなる傾向を呈する。このため、多くの量の燃料噴射が要求される高負荷域、特にピストンの往復動が高速で適切なクランク角域において燃焼させるのが困難になる高回転域において出力が不足するおそれがある。図14はかかる事情を説明するもので、燃料の混合時間に余裕がある低回転域に比して、高回転域になると混合時間に余裕がなく、単純に燃料噴射量を増量してもトルクの増大は望めない。燃焼期間によるトルク限界があることを示している。このため、黒煙の排出量でトルク限界が規定される軽油と対比すると、DMEは、低回転域では高い最大機関トルクが得られるが、高回転域では軽油に劣り、実用化の上で課題となる。
圧縮着火式の内燃機関において、燃料と空気との混合促進を企図した技術として、燃料の噴射を複数回に分けて噴射する技術がある(下記特許文献1など)。例えば、主噴射に先立ってパイロット噴射を行う。パイロット噴射の燃料噴霧は予混合燃焼させ、主噴射の燃料噴霧は拡散燃焼させる。一部の燃料を予混合燃焼とすることで、燃焼期間の短縮が期待できる。前記DMEに則して言えば、燃焼期間の短縮化は最大機関トルクを向上する方向に作用する。特許文献1にはさらに、分割された燃料噴射のそれぞれを間欠的に噴射を行うようにすることが提案されており、燃料噴霧の微粒化、燃料と空気との混合に有利である、としている。
また、下記特許文献2ではパイロット噴射の燃料噴霧に、これに後続する主噴射の燃料噴霧が重なり、主噴射の燃料噴霧への空気の供給が阻害されて黒煙が増大するという点に着目し、これをスワール流などの筒内旋回気流により改善している。すなわち、パイロット噴射の燃料噴霧の火炎をスワール流によりその周方向下流に流して、主噴射の燃料噴霧に良好に空気が導入されるようにし、空気利用率の向上を図っている。なお、特許文献2では、負荷に応じて燃焼室内のスワール強さを変えるアクチュエータを備えたものが提案されており、空気利用率の向上に対する要請の強い高負荷域に、燃焼室内のスワール強さを大にして、前記スワール流による空気利用率向上作用を高め、その他の運転域では、スワール強さを弱くして、主噴射の燃料噴霧への既燃ガスの巻き込みを許容して内部EGR効果が得られるようにしている。
下記特許文献3、4では、燃料噴射ノズルの構造に工夫をしており、特許文献3では、中心線がノズルの径方向に形成された主噴孔と、主噴孔から分岐し、中心線がノズルの周方向に形成された副噴孔とを有する燃料噴射ノズルが提案されている。この技術では、副噴孔から噴射された燃料噴霧によりスワール流を形成して、混合を促進する。
また、下記特許文献4では、ノズルのサック部に設けられた噴孔の一部を、サック部の内面に開口する端部で面とりし(ラウンドエッジ型噴孔)、残りの噴孔は、面とりのないシャープなエッジのもの(シャープエッジ型噴孔)としている。ラウンドエッジ型噴孔とシャープエッジ型噴孔とは例えば、サック部の周方向に等間隔に交互に配置される。噴射圧を低圧とし噴射量を少量としたパイロット噴射では、流路抵抗が大きいシャープエッジ型噴孔から燃料が噴射されるのが抑制されて、燃料噴射が、流路抵抗の小さいラウンドエッジ型噴孔からなされる。噴射圧を高圧とし噴射量を多量としたメイン噴射では、ラウンドエッジ型噴孔に加えてシャープエッジ型噴孔も噴射に加わる。この技術によれば、パイロット噴射により生じる燃焼場に突入する主噴射の燃料噴霧を減らすことで、空気利用率の向上を企図している。
特開2002−180881号公報 特開平5−113123号公報 実開平5−75474号公報 特開平9−42104号公報
しかしながら、DMEのような低臨界燃料は気化しやすいことによる噴霧貫通力が弱く、軽油と比較すると、特に、高速高負荷域では充分な空気との混合を得るための時間が不足する傾向にある。この不足する時間に対し、より多くの燃料を筒内に供給しようとすることから、特許文献1の技術では、プレ噴射の燃料噴霧が、筒内に広がりすぎることによって初期に噴射された燃料が燃焼室壁面やシリンダボア面に付着したり、ピストンとシリンダボア面との隙間から燃料が逃げ、燃焼に寄与しない燃料の割合が増える。また、パイロット噴射の燃料噴霧が同じ噴孔から噴射される主噴射の燃料噴霧と重なって主噴射の燃料噴霧が空気と混合するのを妨げてしまい、十分な空気利用率が得られない。
また、特許文献2、3の技術のように筒内旋回気流を利用したり、特許文献4の技術のようにプレ噴射が噴射されない噴孔を設けるだけでは、結局、プレ噴射および主噴射の燃料噴霧について噴射方向の分布を制御することができず、燃料の付着などを防止し空気利用率を向上せしめるには必ずしも十分ではない。DMEのような低臨界燃料に対しては必ずしも十分とはいえない。
なお、引用文献3の技術は、特に、高負荷域において、副噴孔から噴射された燃料噴霧が主噴孔から噴射された噴霧と重なるおそれがある。また、特許文献4の技術は、パイロット噴射時には噴射に寄与する噴孔の数を少なくすることができるが、ラウンドエッジ型噴孔から噴射された燃料噴霧については、結局、パイロット噴射の噴霧とメイン噴射による噴霧とが重なる。いずれも、これらの技術によって得られるとしている改善効果についても疑問がある。
本発明は前記実情に鑑みなされたもので、空気利用率の向上とともに未燃燃料の防止を図り、出力トルクを増大することができる燃料噴射ノズルおよび内燃機関を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明では、ノズルボディに穿成した縦穴に、弁体部と軸部とからなるニードルを前記縦穴の基準の中心線に沿って直線動自在に挿置するとともに、前記弁体部が着座するシート部を設け、前記縦穴および前記ニードルにより、該ニードルの軸部の外周に導入された加圧燃料が、前記ニードルのリフト時に前記弁体部とシート部との間隙を通り前記縦穴の終端部に流下せしめる燃料通路を形成して、前記縦穴の終端部位置でノズルボディ壁を貫通する噴孔から燃料を噴射する燃料噴射ノズルであって、
前記縦穴または前記ニードルの形状を、前記ニードルのリフト量が小さいほど、前記ニードルの弁体部を挟んで流下する2箇所の燃料流の通路断面積が、前記弁体部の先端側の外周若しくは前記弁体部の直下流で不均等となる形状とする。
燃料流の通路断面積が異なれば燃料流の流速が異なる。ニードルのリフト量が小さければ、ニードルの弁体部は縦穴の終端部と近接するから、縦穴の終端部には流速の異なる2種類の燃料流が進入することになる。この流速差に基因して縦穴の終端部において燃料の旋回流が発生する。旋回流は縦穴の終端部の内周面に沿う速度成分を有しており、また、噴孔は前記内周面と交叉する方向に形成されているから、縦穴終端部の燃料は曲がりながら噴孔へと進入していく。このときの向心力は、噴孔の内周面の、噴孔の径方向の一方の側から燃料流が剥離することによる負圧である。この負圧により噴孔を通過する燃料流に縮流回復が生じる。この縮流回復とは、概説すると、噴孔の入口(内周面側)から噴孔の出口(外周面側)に向けた主たる燃料流れを成す断面積の推移が、燃料流れによる剥離により前記入口にて狭く縮小化され、その縮小された断面積が前記出口に向けて広くなるように回復することを示す。燃料流は、噴孔の中心線方向の速度成分に加えて、縮流回復により前記噴孔の径方向の速度成分が生じる。また、前記旋回流により空洞(エアロケーション)が発生し、これが噴孔内にも発達して、噴孔内で噴孔出口方向に向かう螺旋状の旋回流となり、噴孔周方向の速度成分が生じる。この結果、噴霧角が広がる。そして、前記縮流回復による前記噴孔の径方向の速度成分が生じる分、噴孔の中心線方向の速度成分は低下する。また、広がった噴霧の、噴孔の径方向中央部に形成される空洞に噴霧とは逆方向に空気が吸い込まれ、噴霧を減速させる方向に作用する。この結果、到達距離は短くなる。
一方、ニードルのリフト量を大きくしていくと、ニードルの弁体部が縦穴の終端部から離れるから、ニードルの弁体部の先端側の外周若しくは前記弁体部の直下流で通路断面積が不均等であると否とによらず、縦穴の終端部に進入する燃料流の流速差は小さいか生じない。この結果、縦穴終端部では旋回流が弱いか生じないので、噴霧角が狭まるとともに到達距離が長くなる。
このように、リフト量に応じて噴霧の形態を変えることができる。これにより、例えばプレ噴射においてリフト量を小さくし、主噴射においてリフト量を大きくする。プレ噴射の噴霧角が広くしてあるから空気を巻込みやすく、噴霧が速やかに予混合気を形成する。これとともに、到達距離が短くなっているので、燃料噴霧が燃焼室壁面に付着などしないようにすることができる。また、主噴射の燃料噴霧の噴霧角を狭くしたのに対してプレ噴射の噴霧角を広くしているから、同じ噴口から噴射されたものであってもプレ噴射の燃料噴霧が主噴射の燃料噴霧への空気の供給を阻害するのが抑制され、空気利用率が向上する。また、燃料噴霧の到達距離をプレ噴射で短く主噴射で長くなっていれば、プレ噴射の燃料噴霧と主噴射の燃料噴霧とについて、噴射方向の相対的な位置関係の制御を容易になし得る。これにより、プレ噴射の燃料噴霧の予混合燃焼が主噴射に対する燃焼アシスト効果を調整することができる。
請求項2記載の発明では、請求項1の発明の構成において、前記ニードルの形状は、前記シート部と当接する着座位置よりも先端側で、前記ニードルの横断面の重心が、前記軸部の中心線を通る仮想面を挟む一方の側に偏心した形状とする。
形状とする。
シート部と当接する着座位置よりも先端側で、ニードル弁体部の横断面の重心が前記ニードル軸部の中心線を通る仮想面を挟む一方の側に偏した形状とすることで、前記重心の偏心の分、ニードル弁体部の外周では前記一方の側の燃料流の通路断面積が他方の側の燃料流の通路断面積よりも狭くなる。このため、燃料の流下方向の燃料の圧力傾斜にニードル弁体部を挟んで差が生じ、ニードル弁体部を挟んで流下する燃料流の流速差を生む。リフト量が小さければ、この通路断面積が不均等となる位置が、前記縦穴終端部に近接する。
リフト量が大きくなるほど、通路断面積が不均等となるのが、前記縦穴終端部から離れる。このため、通路断面積がニードル弁体部位置で不均等であっても、燃料流の流速差は、縦穴の終端部位置に到達する間に解消されていく。
請求項3記載の発明では、請求項1の発明の構成において、前記ニードルの形状は、前記シート部と当接する着座位置よりも基端側かつ着座位置の近傍で、前記ニードルの横断面の重心が、前記軸部の中心線を通る仮想面を挟む一方の側に偏心した形状とする。
シート部と当接する着座位置よりも基端側かつ着座位置の近傍で、ニードル弁体部の横断面の重心が前記ニードル軸部の中心線を通る仮想面を挟む一方の側に偏した形状とすることで、前記重心の偏心の分、ニードル弁体部または軸部の外周では前記一方の側の燃料流の通路断面積が他方の側の燃料流の通路断面積よりも狭くなる。通路断面積が広くなった側でニードルの側面に作用する燃料の圧力の方が、通路断面積が狭くなった側でニードルの側面に作用する燃料の圧力よりも大きくなる。シート部と当接する着座位置よりも基端側かつ着座位置の近傍は、十分ニードルの先端側に位置しているから、ニードルが傾斜して実質的に弁体部の中心線が前記基準の中心線に対して偏心し、ニードル弁体部の先端側でも燃料流の通路断面積がニードルを挟んで不均等となる。このため、燃料の流下方向の燃料の圧力傾斜にニードル弁体部を挟んで差が生じ、燃料の流速差を生む。リフト量が小さければ、この通路断面積が不均等となる位置が、前記縦穴の終端部と近接する。
リフト量が大きくなるほど、通路断面積が不均等となるのが、前記縦穴の終端部から離れる。このため、燃料通路の通路断面積がニードル弁体部位置で不均等であっても、燃料流の流速差は、縦穴の終端部位置に到達する間に解消されていく。
請求項4記載の発明では、請求項1の発明の構成において、前記縦穴の形状は、前記終端部の中心線が、前記基準の中心線に対して偏心する形状とする。
ニードルのリフト量が小さければ、ニードル弁体部が縦穴の終端部に近接している。縦穴の終端部の偏心方向にニードル弁体部を挟んで流れる2箇所の燃料流は、前記偏心した側を流下する燃料流は縦穴の終端部で通路断面積が相対的に狭まり、前記偏心した側とは反対側を流下する燃料流は縦穴の終端部で通路断面積が相対的に広がる。
リフト量が大きいと、ニードルの弁体部が縦穴終端部から離れて弁体部から縦穴の終端部まで十分な長さが確保されるので、その間に前記2箇所の燃料流が合流し、燃料流の流速差も解消されていく。
請求項5記載の発明では、所定量の燃料を筒内に複数回に分割して噴射する分割噴射が可能な圧縮着火式の内燃機関であって、
噴霧角および噴霧の到達距離をリフト位置の進行に伴って可変に構成された燃料噴射ノズルと、
該燃料噴射ノズルのリフト位置を制御して、先行する燃料噴射では噴霧角を広く到達距離を短くし、後続する燃料噴射では噴霧角を狭く到達距離を長くする分割噴射制御手段とを具備する構成とする。
先行する燃料噴射の噴霧角が広くしてあるから空気を巻込みやすく、噴霧が速やかに予混合気を形成する。これとともに、到達距離が短くなっているので、燃料噴霧が燃焼室壁面などに付着するのを回避することができる。また、後続する燃料噴射の噴霧の噴霧角を狭くしたのに対して先行する燃料噴射の噴霧角を広くしているから、先行する燃料噴射の燃料噴霧が後続する燃料噴射の燃料噴霧への空気の供給を阻害するのが抑制され、後続する燃料噴射の燃料噴霧への空気の供給が良好になされる。また、燃料噴霧の到達距離をプレ噴射で短く主噴射で長くしているので、プレ噴射の燃料噴霧と主噴射の燃料噴霧とについて、噴射方向の相対的な位置関係の制御を容易になし得る。これにより、プレ噴射の燃料噴霧の予混合燃焼が主噴射に対する燃焼アシスト効果を調整することができる。
請求項6記載の発明では、請求項5の発明の構成において、筒内旋回気流を生成自在とする。
先行する燃料噴射の噴霧が筒内気流の下流に流され、後続する燃料噴射の噴霧と先行する燃料噴射の噴霧とを燃焼室の周方向に分散せしめることができる。これにより、さらに空気利用率が向上する。燃料噴射ノズルが複数の噴孔を有する場合には先行する燃料噴射の噴霧と後続する燃料噴射の噴霧とが周方向に交互に、後続する燃料噴射の噴霧が、先行する燃料噴射の噴霧噴霧により周方向に挟まれる分布となるので、先行する燃料噴射の燃料噴霧による後続する燃料噴射の燃料噴霧に対する燃焼アシスト作用がバランスよくなされる。
請求項7記載の発明では、請求項5または6の発明の構成において、前記燃料噴射ノズルは請求項1ないし4記載の燃料噴射ノズルにより構成し、
前記分割噴射制御手段は、前記先行する燃料噴射時には前記リフト量が小なる小リフトとし、前記後続する燃料噴射時には前記リフト量が大なる大リフトとするようにする。
請求項1ないし4記載の燃料噴射ノズルを用いることで、ニードルのリフト量により簡易に燃料噴霧の噴霧角と到達距離とを切換えることができるので、請求項5または6の内燃機関の実施が容易である。
図1に本発明を適用した圧縮着火式の内燃機関である、DMEを燃料とするディーゼルエンジン(以下,適宜、単にエンジンという)の構成を示す。エンジンは、本体部分が気筒数分のシリンダボア10aを形成したシリンダブロック10にシリンダヘッド11が覆着されてなり、各気筒には図示しないコンロッドを介してクランクシャフトと連動するピストン12が配置される。ピストン12の頂面には曲面上の凹部が形成されて燃焼室13としてある。
シリンダヘッド11には吸気ポート11aおよび排気ポート11bが形成され、気筒内の吸排気がなされる。吸気ポート11aを開閉する吸気弁14および排気ポート11bを開閉する排気弁15が設けられ、図示しない動弁機構により作動する。かかる給排気系は例えば一般的な4弁式とすることができる。なお、エンジンは筒内旋回気流を生成自在なエンジンであり、ヘリカルポートや公知の燃焼室構造などを採用してスワール流やタンブル流を生成せしめる。以下の説明において旋回気流としてスワール流が生成されるものとして説明する。
シリンダヘッド11を貫通してインジェクタ16が取り付けられており、先端の燃料噴射ノズル161が燃焼室13に臨んでいる。インジェクタ16には各気筒共通のコモンレール22から燃料としてジメチルエーテルが加圧状態で供給され、燃料噴射ノズル161から噴射される。コモンレール22には燃料タンクからの燃料が圧送装置21により圧送供給される。インジェクタ16はECUにより制御され、所定の時期に所定量の燃料の噴射がなされるようになっている。ECU30は一般的なエンジンのものと同様に、クランク角やスロットル開度など、エンジン各部の状態を検出するセンサの出力信号が入力しており、噴射時期、噴射量などを演算し、設定する。また、ECU30は圧送装置21を制御してコモンレール内の燃料圧力(以下、適宜、コモンレール圧力という)を調整する。
図2、図3に燃料噴射ノズル161を示す。燃料噴射ノズル161は、略丸棒状のノズルボディ4の中心線C1に沿って穿成された断面円形の縦穴50内にニードル6が収容されたもので、縦穴50にはコモンレール22からの加圧燃料が供給通路52を経て供給される。縦穴50はノズルボディ4先端側の終端部501がノズルボディ4の先端部に位置する長さのもので、終端部501に連なる位置には、終端部501側ほど縮径するテーパー状の部分502が設けてある。縦穴終端部501は底面が半球状で、ノズルボディ4の先端部内径側がドーム状のサック41としてある。
サック41には、ノズルボディ4の壁厚方向に貫通する噴孔51が形成されている。噴孔51は複数、例えば4つ形成され、サック41の周方向に等間隔に配置される。各噴孔51は噴射方向となる中心線C2が図中やや下方に傾斜する方向にとってある。
ニードル6は丸棒状部材の先端部を略円錐形に尖らせて弁体部61としたもので、弁体部以外の軸部62は基端側で縦穴50の図2中中央の拡径部分503よりも上側部分504に摺動自在に保持されている。ニードル16は前記中心線C1に沿って直線動する。以下,適宜、ニードル16の直線動軌跡を規定する中心線C1を基準の中心線C1という。弁体部61は2段階に先端側ほどテーパー角が鈍る段付き形状で、先端側が縦穴テーパー状部分502のテーパー角よりも大きく、基端側が小さくなっており、その境界の断面山形の環状段部61aにて、前記縦穴テーパー状部分502に設けられたシート502aに着座するようになっている。前記縦穴50の拡径部分503は、前記供給通路52が縦穴50周面に開口する位置に設定され、当該拡径部分503を上流端として、ニードル6のリフト時に 燃料がニードル6の外周から、前記弁体部61とシート502aとの環状間隙を通り、サック41内に流下する燃料通路7を形成する。サック41内に流下した燃料は複数の噴孔51から放射方向に噴射される。
ニードル6の上側部分504と環状段部61aの断面積の差に加圧燃料が図中上向きすなわちニードル6のリフト方向に作用している。そして、ニードル6を下向きに付勢する図示しない手段が、ニードル6への下向きの付勢力を解除することでニードル6がリフトする。ニードル6を図中下向き、すなわち着座方向に付勢する手段として、噴射に供される燃料と同じ加圧燃料が供給されて該燃料によりニードル6の背圧を発生する圧力室を設けることができる。ニードル6の背圧の解除は例えば前記圧力室から燃料を低圧側に逃がすことで行う。その切換えを行うバルブは例えば高応答のピエゾアクチュエータにより駆動する構成とすることができる。
ニードル6のリフトの態様は、リフト量が機械的に規制される大リフトであるフルリフトの他、フルリフトに達する前に前記ニードル6への着座方向の付勢力を回復せしめ、ハーフリフト等の小リフトを選択し得る。図3はハーフ小リフト時のものである。後述する分割噴射において、前者は主噴射で用いられ、後者は主噴射に先立つプレ噴射で用いられる。図4はニードル6のリフトパターンを示すもので、プレ噴射ではリフト量が主噴射時の1/4〜1/3に抑えられる。
また、ニードル弁体部61は、着座時にシート502aと当接する環状段部61aよりも先端側を斜めにカットしてあり、ニードル弁体部61の表面に、ニードル軸部62の中心線でもある基準の中心線C1と斜めに交わるカット面61bが現れるようになっている。図例は、前記カット面61bが紙面直交方向となるように描かれている。前記カットの分、ニードル弁体部61の横断面において、その重心が、基準の中心線C1を通り図3の紙面と直交する仮想面を挟む一方の側(図3中右側)に偏心している。この結果,燃料通路7は、この非対称な形状のニードル弁体部61の外周に形成される通路部分71で、通路断面積がカット面61b側と、該カット面61bと背向する側とで不均等となる。図3中ニードル弁体部61の左側を流下する燃料流F2の通路断面積が、右側を流下する燃料流F1の通路断面積よりも広くなっている。この結果、燃料通路7において、カット面61b側と、カット面61bと背向する側とで燃料流F1,F2の流下方向の圧力傾斜が異なり、燃料の流速差を生じることになる。通路断面積が広いカット面61b側で流速が遅く、通路断面積が狭いカット面61bと背向する側で流速が速くなる。
プレ噴射時を示す図3において、ニードル弁体部61の尖った先端は、燃料通路7の、サック41の入口の直上流に位置しており、サック41の入口で、前記カット面61b側から流下した燃料流F2と、前記カット面61bと背向する面側から流下した燃料流F1とで、流速に最も大きな差が生じることになる。このため、図3,5に示すように、前記カット面61bと背向する面側からの燃料流F2が主流となり、カット面61b側からの燃料流F1を巻き込み一体となり、サック41内における燃料流は、サック41の内周面に沿う方向の旋回流となる。噴孔51は前記内周面と交叉する方向に形成されているから、燃料は旋回流の速度で曲がりながら噴孔51に進入していくことになる。このときの向心力は、燃料流が、噴孔51の内周面の、噴孔51の径方向の一方の側(サック内旋回流上流側)から剥離することによる負圧である。この負圧により噴孔51を通過する燃料の流れに縮流回復が生じる。燃料流は、噴孔51の中心線C2方向の速度成分に加えて、縮流回復により前記噴孔51の径方向の速度成分が生じる。また、サック41内の前記旋回流により空洞(エアロケーション)が発生し、これが噴孔51内にも発達して、噴孔51内でその出口方向に向かう螺旋状の旋回流となり、噴孔51の周方向の速度成分が生じる。この結果、噴霧角が広がる。そして、前記縮流回復による噴孔51の径方向の速度成分が生じる分、噴孔51の中心線C2方向の速度成分は低下する。また、広がった噴霧の、噴孔51の径方向中央部に形成される空洞に噴霧とは逆方向に空気が吸い込まれ、噴霧を減速させる方向に作用する。この結果、到達距離は短くなる。
一方、ニードル6がフルリフトのときには、ニードル弁体部61がサック41の入口よりも相当程度、燃料通路7の上流側にくるので、前記カット面61b側から流下する燃料流と、前記カット面61bと背向する面側から流下する燃料流とは、サック41内への流入に先立って合流することになる。したがって、燃料通路7は、サック41の直上流で、図3の左右で流れの速さに大きな差は生じない。サック41内の旋回流も生じないかごく弱いものとなる。この結果、噴霧角が狭まり、到達距離も伸びることになる。
このように、ニードル6のリフト量を切換えるだけで、燃料噴霧の噴霧角および到達距離を切換えることができる。
ECU30ではインジェクタ16の制御を運転状態に基づいて行うが、高速高負荷域では分割噴射を選択する。図6に分割噴射制御手段であるECU30による制御のもとでの要求トルクに対する噴射期間を示す。図中、併せて着火時期を示している。所定の負荷域までは1回の噴射で行い、多くの燃料が必要になる高負荷域では、要求される噴射量をプレ噴射と主噴射とに分割する分割噴射が選択される。前記のごとくDMEでは燃焼期間によるトルク限界があるから、プレ噴射を予混合燃焼として、主噴射の拡散燃焼分の割合を低くすることで、燃焼期間を短縮し、出力トルクの増大を図るためである。
ところで、従来の単純な分割噴射では、出力トルクの増大作用は必ずしも十分ではない。図7、図8は本エンジンの主噴射燃料着火時期付近の噴射態様を示し、図9、図10は従来の内燃機関の燃料の噴射態様を示している。いずれも燃料噴射をプレ噴射と主噴射とに分割するものである。両者に共通に、噴射された燃料噴霧が到達した位置に対して燃料噴霧中における空気に対する燃料の割合F/A、反応速度Vr、発生するエミッションを示している。噴射された燃料噴霧が希釈し、ストイキよりもややリーン側のときに反応速度Vrが最大となる様子を示している。また、噴霧の状態は、模式的に着火時の噴霧のおおよその位置を示している。噴射直後で燃料噴射ノズルに近くF/Aがリッチとなる領域ではSOOTが発生し、反応速度が大きく燃焼温度が高くなる領域ではNOxが発生する。さらに燃料噴射ノズルから遠ざかりリーン化が進むと、HCが発生する。
そこで、図例のごとくこれらのエミッションが少なくなる領域を狙ってプレ噴射および主噴射を行うのであるが、前記のごとく、DMEのように気化しやすく混合に時間を要する燃料では、従来の単純な分割噴射では早期に噴射された燃料の噴霧が広がりすぎて燃焼室の壁面やシリンダボア面に燃料が付着する。また、圧縮行程では筒内ガスの一部はピストン側面とシリンダボア面との間隙から漏れるから、このとき、燃料噴霧の到達距離が長く燃料噴霧が広がりすぎていると燃料噴霧の一部も逃げてしまうことになる。
また、図10に示すように、プレ噴射の燃料噴霧と主噴射の燃料噴霧とで噴霧角が同じであると、既に気化したプレ噴射の燃料噴霧が主噴射の燃料噴霧への空気の供給を阻害する方向に作用し、空気利用率の低下させる。
これに対して本エンジンでは、プレ噴射時の到達距離を短くすることで、プレ噴射の燃料噴霧を燃焼室13内に略集中させ、燃焼室13の壁面などに付着しないようにすることができる。また、燃焼室13に入らなかった燃料噴霧も、到達距離を短くしていることで、スキッシュにより燃焼室内に押し込めることができる。さらに、主噴射時には到達距離が長くなるフルリフトでの噴射を行うようにしているから、また、プレ噴射の燃料噴霧の重心と主噴射の燃料噴霧の重心とを燃料噴射ノズルから略同じ距離の位置におくことができる。このとき、プレ噴射の燃料噴霧は噴霧角を広くしているので、同じ噴孔から噴射された噴霧であっても、プレ噴射の燃料噴霧が主噴射の燃料噴霧と空気との混合を妨げず、空気利用率も十分となる。
また、後続する主噴射の方が到達距離が長いので、噴射間隔の設定しだいで噴射方向の相対的な位置関係の制御を容易になし得る。プレ噴射の燃料噴霧と主噴射の燃料噴霧とで燃料噴射ノズル16から略同じ距離の位置に分布させることができる。これにより、プレ噴射の燃料噴霧の予混合燃焼が主噴射に対する良好な燃焼アシスト効果を発揮する。
ところで、燃料噴射ノズル16はその中心線である基準の中心線C1をピストン12の移動方向にとり、噴孔51は燃料噴射ノズル16の周方向に等間隔に配置されているから、図8のようにプレ噴射の燃料噴霧と主噴射の燃料噴霧とが周方向に交互に分布する。したがって、プレ噴射の燃料噴霧の火炎による主噴射の噴霧の燃焼に対するアシスト効果がバランスよく得られる。
これにより、未燃燃料を低減するとともに空気利用率を向上させてトルク限界を向上させることができる。高回転高負荷域においても軽油に対して遜色のない特性を獲得する。
なお、プレ噴射と主噴射との噴射間隔をあけて、プレ噴射の燃料噴霧と空気との混合が十分なされたところへ主噴射をするようにしてもよい。この場合は筒内旋回気流は必ずしも必要はない。また、噴射回数をプレ噴射と主噴射との2回にしたが、噴射回数をそれ以上とするのもよい。
また、本実施形態では高速高負荷域において特に低臨界燃料の課題が端的に現れることから、分割噴射をこの運転域においてのみ限定的に実行しているが、その他の運転域において分割噴射とするのも勿論よい。
(第2実施形態)
図11に第2実施形態になる内燃機関の燃料噴射ノズルの構造を示す。第1実施形態において、ニードルの形状を別の形状に変更したもので、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
ニードル6Aは、基本的な形状については第1実施形態のものと同じである。相違点は、ニードル6Aの弁体部61Aの形状が平面状の形状要素を有せず、テーパー状、円錐状の形状要素のみからなることである。ニードル弁体部61Aの形状は、環状段部61aよりも先端側が環状段部61aに連なるテーパー状部分612に円錐状の尖頭部分611を継いでなり、テーパー状部分612の中心線C1に対して先端側の尖頭部分611の中心線C3が傾斜せしめてある。図例では図中、右側に傾斜せしめてある。すなわち、ニードル弁体部61Aの横断面において、その重心が、基準の中心線C1を通り紙面と直交する仮想面に対して、尖頭部分611の傾斜方向(図中右側)に偏心した形状となっている。
これにより、燃料通路7Aは、ニードル弁体部61Aの外周の通路部分71Aが、テーパー状部分612と尖頭部分611との境界部近傍より下流側において、ニードル弁体部61Aを尖頭部分611の傾斜方向に挟む2箇所で、通路断面積が不均等になっている。尖頭部分611が傾斜した側(図中右側)で狭く、尖頭部分611が傾斜した側と背向する側(図中左側)で広くなる。燃料通路部分71Aはニードル6のリフト量に応じてリフト方向に変位するから、第1実施形態と同様にニードル6Aのリフト量が小さいほどサック41内に旋回流を発生させることができる。
(第3実施形態)
図12に第3実施形態になる内燃機関の燃料噴射ノズルの構造を示す。第1実施形態において、ニードルの形状を別の形状に変更したもので、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
ニードル6Bは、基本的な形状については第1実施形態のものと同じである。相違点は、ニードル6Bの弁体部61Bの形状について、環状段部61aよりも先端側で基準の中心線C1に対して対称な単純な円錐形であることの他、次の特徴を有していることである。すなわち、ニードル6Bの環状段部61aよりも基端側で軸部62Bにかけて、弁体部61Bと軸部62Bとの境界となる山形の環状段部を、ニードル6Bの周方向の一部を削り取るように切り欠いてある。図例では切り欠き部61cは図中、左側に位置している。すなわち、ニードル6Bの横断面の重心が、切り欠き部61cが形成された位置において、基準の中心線C1を通り紙面と直交する仮想面に対して、切り欠き部61cとは反対側(図中右側)に偏心した形状となっている。
これにより、燃料通路7Bは、ニードル6Bを挟んで流下する2箇所の燃料流の通路断面積が、切り欠き部61c形成位置と、切り欠き部61cと背向する位置とで不均等となる。切り欠き部61c形成位置(図中左側)では広く、切り欠き部61cと背向する位置(図中右側)では狭くなる。このため、切り欠き部61c形成位置において圧力が高く、切り欠き部61cと背向する位置では低くなる。切り欠き部61cは環状段部61aの近傍に形成されニードル6Bの十分先端側に位置しているから、縦穴50と摺接するニードル6Bの基端部を中心に、ニードル6Bは前記圧力の低い側(図中右側)に傾斜する。ニードル弁体部61Bにおいては、ニードル6Bの中心線が実質的にC1からC1‘となる。したがって、燃料通路7Bの、ニードル弁体部61Bの外周の通路部分71Bは、ニードル弁体部61Bを挟んで流下する2箇所の燃料流F1,F2の通路断面積が、環状段部61aよりも先端側でも図中左右方向に不均等となる。燃料通路部分71Bはニードル6Bのリフト量に応じてリフト方向に変位するから、第1実施形態と同様にニードル6Bのリフト量が小さいほどサック41内に旋回流を発生させることができる。
(第4実施形態)
図13に第4実施形態になる内燃機関の燃料噴射ノズルの構造を示す。第1実施形態において、縦穴およびニードルの形状を別の形状に変更したもので、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
ニードル6Cは、カット面を有しない点を除き基本的な形状については第1実施形態のものと同じであり、基準の中心線C1に対称な単純な形状となっている。縦穴50Cは、終端部501Cの中心線C4が基準の中心線C1に対して偏心せしめてある。図中、縦穴終端部501Cの中心線C4が基準の中心線C1に対して左側に位置している。したがって、サック41の入口の断面積が、ニードル6Cの中心線である基準の中心線C1を通り縦穴終端部501Cの偏心方向と直交する仮想面を挟んで不均等となっており、縦穴終端部501Cが偏心した側(図中左側)では広く、反対側(図中右側)では狭くなっている。ニードル6Cのリフト量が小さいときには、ニードル弁体部61Cの先端がサック41Cの入口に近接しており、燃料通路7Cは、ニードル弁体部61Cを前記縦穴終端部501Cの前記偏心方向に挟んで流下する燃料流F1,F2のうち、偏心した側(図12中左側)の燃料流F2の方が、縦穴終端部501Cの偏心の分、偏心した側とは反対側(図12中右側)の燃料流F1よりも広い通路断面積の領域に進入していくので、流速が減じられるようになっている。これにより、サック41C内に旋回流が生じる。ニードル6Cのリフト量が大きければ、ニードル弁体部61Cの先端がサック41Cの入口から離れる。このため、ニードル弁体部61Cを前記縦穴終端部501Cの偏心方向に挟んで流下する2箇所の燃料流F1,F2は、合流した後、サック41内に進入していくことになるから、流速差は小さくなる。これにより、第1実施形態と同様にニードル6Cのリフト量が小さいほどサック41内に旋回流を発生させることができる。
なお、前記第3実施形態の特徴部分を第1,第2実施形態と組み合わせてもよいし、第4実施形態の特徴部分を第1〜第3実施形態と組み合わせてもよい
また、前記各実施形態のものに限らず、縦穴またはニードルの形状が、前記ニードルのリフト量が小さいほど、前記ニードルの弁体部を挟んで流下する2箇所の燃料流の通路断面積が、前記弁体部の先端側の外周若しくは前記弁体部の直下流で不均等となる形状のものであればよい。
本発明を適用した内燃機関の構成図である。 前記内燃機関を構成するインジェクタの燃料噴射ノズルの断面図である。 前記燃料噴射ノズルの要部の一部断面側面図である。 前記燃料噴射ノズルの作動を説明するタイミングチャートである。 前記燃料噴射ノズルの作動を説明する図である。 前記内燃機関の作動を説明する図である。 前記内燃機関の作動を説明する図である。 前記内燃機関の作動を説明する別の図である。 前記内燃機関と比較する従来の内燃機関の作動を説明する図である。 前記内燃機関と比較する従来の内燃機関の作動を説明する別の図である。 前記本発明の内燃機関の第1の変形例の燃料噴射ノズルの要部断面図である。 前記本発明の内燃機関の第2の変形例の燃料噴射ノズルの要部断面図である。 前記本発明の内燃機関の第3の変形例の燃料噴射ノズルの要部断面図である。 前記内燃機関と比較する従来の内燃機関の作動を説明する別の図である。
符号の説明
10 シリンダブロック
11 シリンダヘッド
12 ピストン
13 燃焼室
16 インジェクタ
161 燃料噴射ノズル
30 ECU(分割噴射制御手段)
4,4C ノズルボディ
41,41C サック
50,50C 縦穴
501,501C 終端部
502a シート部
51 噴孔
52 供給通路
6,6A,6B,6C ニードル
61,61A,61B,61C 弁体部
61a 環状段部
62,62B 軸部
7,7A,7B,7C 燃料通路
C1 基準の中心線
C4 縦穴終端部の中心線

Claims (7)

  1. ノズルボディに穿成した縦穴に、弁体部と軸部とからなるニードルを前記縦穴の基準の中心線に沿って直線動自在に挿置するとともに、前記弁体部が着座するシート部を設け、前記縦穴および前記ニードルにより、該ニードルの軸部の外周に導入された加圧燃料が、前記ニードルのリフト時に前記弁体部とシート部との間隙を通り前記縦穴の終端部に流下せしめる燃料通路を形成して、前記縦穴の終端部位置でノズルボディ壁を貫通する噴孔から燃料を噴射する燃料噴射ノズルであって、
    前記縦穴または前記ニードルの形状を、前記ニードルのリフト量が小さいときに、前記ニードルの弁体部を挟んで流下する2箇所の燃料流の通路断面積が、弁体部の先端側の外周若しくは前記弁体部の直下流で不均等となる形状としたことを特徴とする燃料噴射ノズル。
  2. 請求項1記載の燃料噴射ノズルにおいて、前記ニードルの形状は、前記シート部と当接する着座位置よりも先端側で、前記ニードルの横断面の重心が、前記軸部の中心線を通る仮想面を挟む一方の側に偏心した形状とした燃料噴射ノズル。
  3. 請求項1記載の燃料噴射ノズルにおいて、前記ニードルの形状は、前記シート部と当接する着座位置よりも基端側かつ着座位置の近傍で、前記ニードルの横断面の重心が、前記軸部の中心線を通る仮想面を挟む一方の側に偏心した形状とした燃料噴射ノズル。
  4. 請求項1記載の燃料噴射ノズルにおいて、前記縦穴の形状は、前記終端部の中心線が、前記基準の中心線に対して偏心する形状とした燃料噴射ノズル。
  5. 所定量の燃料を筒内に複数回に分割して噴射する分割噴射が可能な圧縮着火式の内燃機関であって、
    噴霧角および噴霧の到達距離をリフト位置の進行に伴って可変に構成された燃料噴射ノズルと、
    該燃料噴射ノズルのリフト位置を制御して、先行する燃料噴射では噴霧角を広く到達距離を短くし、後続する燃料噴射では噴霧角を狭く到達距離を長くする分割噴射制御手段とを具備することを特徴とする内燃機関。
  6. 請求項5記載の内燃機関において、筒内旋回気流を生成自在な内燃機関。
  7. 請求項5または6いずれか記載の内燃機関において、前記燃料噴射ノズルは請求項1ないし4記載の燃料噴射ノズルにより構成し、
    前記分割噴射制御手段は、前記先行する燃料噴射時には前記リフト量が小なる小リフトとし、前記後続する燃料噴射時には前記リフト量が大なる大リフトとするように設定した内燃機関。
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