JP2008133812A - 内燃機関用燃料供給装置及び内燃機関用燃料供給方法 - Google Patents
内燃機関用燃料供給装置及び内燃機関用燃料供給方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008133812A JP2008133812A JP2006322409A JP2006322409A JP2008133812A JP 2008133812 A JP2008133812 A JP 2008133812A JP 2006322409 A JP2006322409 A JP 2006322409A JP 2006322409 A JP2006322409 A JP 2006322409A JP 2008133812 A JP2008133812 A JP 2008133812A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel
- flow
- injection
- internal combustion
- combustion engine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Fuel-Injection Apparatus (AREA)
Abstract
【課題】燃料の噴霧を曲がって流れる状態で噴射し又は所定位置に向かうように燃料の噴霧を曲げて噴射できる内燃機関用燃料供給装置を提供する。
【解決手段】インジェクタ10等から流速の異なる複数の噴霧燃料流S1、S2を相互に隣接し並列して進むよう噴射することにより、合流された噴霧燃料流の流れが比較的に流速の速い噴霧燃料流S2側へ曲げて、曲がって流れる気流の流れを増長するように沿わせることを可能とすると共に、合流された燃料の噴射流の流れが部材に当たるのを抑制可能とする。
【選択図】 図1
【解決手段】インジェクタ10等から流速の異なる複数の噴霧燃料流S1、S2を相互に隣接し並列して進むよう噴射することにより、合流された噴霧燃料流の流れが比較的に流速の速い噴霧燃料流S2側へ曲げて、曲がって流れる気流の流れを増長するように沿わせることを可能とすると共に、合流された燃料の噴射流の流れが部材に当たるのを抑制可能とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、インジェクタから燃焼室内又は吸気ポート内に燃料を噴射して供給する、内燃機関用燃料供給装置及び内燃機関用燃料供給方法に関する。
一般に、自動車のエンジン等として利用される内燃機関には、筒内直噴エンジンがある。
この筒内直噴エンジンには、燃焼効率を促進することにより内燃機関の性能を向上するため、吸気行程で開いた吸気バルブから燃焼室内に急速に流れ込む空気の流れによりタンブル流を形成するものがある。
このような筒内直噴エンジンでは、インジェクタから燃料を燃焼室内へ噴霧し、このタンブル流により燃焼室内の空気と燃料の混合気に乱れが存在している状態で点火する。
この筒内直噴エンジンには、燃焼効率を促進することにより内燃機関の性能を向上するため、吸気行程で開いた吸気バルブから燃焼室内に急速に流れ込む空気の流れによりタンブル流を形成するものがある。
このような筒内直噴エンジンでは、インジェクタから燃料を燃焼室内へ噴霧し、このタンブル流により燃焼室内の空気と燃料の混合気に乱れが存在している状態で点火する。
さらに、このような筒内直噴エンジンでは、タンブル流を強化することによって、エンジン始動時等の低回転でかつ高負荷の運転を行うときに燃焼を改善しノッキングの発生を抑制したいという要望がある。
このため筒内直噴エンジンでは、吸気行程で燃焼室内に急速に流れ込む空気の流れに沿うようインジェクタから噴霧を噴射することにより、吸気行程での空気の流れと噴射燃料の貫徹力とが相俟って強められたタンブル流を形成し、このタンブル流を圧縮行程後期の点火時期まで持続させて燃焼室内の混合気に乱れが存在している状態で点火することが有効である。
このため筒内直噴エンジンでは、吸気行程で燃焼室内に急速に流れ込む空気の流れに沿うようインジェクタから噴霧を噴射することにより、吸気行程での空気の流れと噴射燃料の貫徹力とが相俟って強められたタンブル流を形成し、このタンブル流を圧縮行程後期の点火時期まで持続させて燃焼室内の混合気に乱れが存在している状態で点火することが有効である。
そこで、この筒内直噴エンジンでは、インジェクタからシリンダボア内に直線的に噴射する噴霧の方向であるV角(ここで、V角とは、シリンダボアの中心軸に直交する平面とのなす角度をいうものとする。)を低V角(鋭角となるような所要の角度)に設定する。
さらに、この筒内直噴エンジンでは、インジェクタから直線的に噴射した噴霧の噴射方向をタンブル流の湾曲した流れ方向の一部に沿わせるように構成して、燃料の貫徹力によるタンブル流の強化を図ることが考えられる。
しかし、筒内直噴エンジンでは、インジェクタから低V角で、かつ強力な貫徹力で燃料を直線的に噴射すると、インジェクタから強い貫徹力で直線的に噴射された噴霧が、低V角のため比較的に短くなった距離を直線的に飛行してシリンダボアの温度の低い内壁面に直接に当たって燃料の粒がシリンダボア内壁面に付着する。
その結果、筒内直噴エンジンでは、多量の未燃HCが発生するばかりでなく、シリンダボア内壁面に付着したまま燃焼せずに残った付着燃料によって潤滑油が希釈される、さらに、インジェクタから噴射された燃料の全量が適正に燃焼しないので燃焼効率が低下するという問題を生じる。
また、筒内直噴エンジンでは、インジェクタから直線的に噴射した燃料がシリンダボア内壁面に付着することを抑制する一つの手段として、インジェクタから噴射する噴霧の貫徹力を弱める手段がある。
しかし、インジェクタからの噴霧の貫徹力を弱める手段を用いる場合には、タンブル流に対する増速効果を低減させてしまうことになる。
また、インジェクタから直線的に噴射する噴霧のV角を大きくする(鈍角にする)ことは、開放した吸気バルブからシリンダボア内に急速に流れ込む空気の湾曲した流れによってできるタンブル流の曲った気流方向とは異なった方向に直線的に噴霧を吹くこととなり、環状の流路を周回するように流れるタンブル流の流速を低下させてしまうことになる。
また、インジェクタから直線的に噴射する噴霧のV角を大きくする(鈍角にする)ことは、開放した吸気バルブからシリンダボア内に急速に流れ込む空気の湾曲した流れによってできるタンブル流の曲った気流方向とは異なった方向に直線的に噴霧を吹くこととなり、環状の流路を周回するように流れるタンブル流の流速を低下させてしまうことになる。
従来の内燃機関には、燃焼効率を促進する手段として、インジェクタを、相隣接する噴孔からそれぞれ燃料の噴霧を互いに離れる方向に向けて噴射するよう構成することにより、それぞれの噴孔から噴射された燃料の噴霧が互いに干渉しないようにする。その結果、それぞれの噴霧を安定させ、噴射燃料を良好に微粒化することができるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
内燃機関では、インジェクタを備え、低回転かつ高負荷の運転条件のときにタンブル流等により燃焼室内の空気と燃料の混合気に乱れが存在している状態で点火するように構成した場合に、インジェクタから噴射される噴霧の方向が直線的であったため、インジェクタから噴射される噴霧を流路が曲った気流に乗せ又は曲った流路を通して所定位置に向かうように噴射することが困難であった。
本発明は、インジェクタ等から噴射する燃料の噴射流が曲がった軌跡に沿って所定位置に向かうように噴射することにより、燃料の壁面付着を抑制すると共に、燃料を適正に燃焼させて燃焼効率を向上可能とした、内燃機関用燃料供給装置及び内燃機関用燃料供給方法を提供することを目的とする。
第1に、本発明の内燃機関用燃料供給装置は、第1の燃料の噴射流を第1の流速で噴射すると共に、第1の流速よりも速い第2の流速で第2の噴射流を第1の燃料の噴射流と相互に隣接し並列して進むよう噴射する噴射手段を有し、第1の燃料の噴射流と第2の噴射流とが合流された噴射流の流れが、流速の速い第2の噴射流側へ曲がるように構成したことを特徴とする。
上述のように構成することにより、合流された燃料の噴射流の流れを、曲がって流れる気流の流れを増長するように沿わせることを可能とすると共に、合流された燃料の噴射流の流れが部材に当たるのを抑制することができる。
第2に、本発明の内燃機関用燃料供給装置は、第1の内燃機関用燃料供給装置において、噴射手段は燃料を噴射する第1噴孔及び第2噴孔を有し、第1噴孔の開口面積を第2噴孔の開口面積より大きく構成し、インジェクタにおける第1噴孔と、第2噴孔とから流速の異なる燃料の噴射流を相互に隣接し並列して進むよう噴射することを特徴とする。
上述のように構成することにより、インジェクタから噴射されて合流された燃料の噴射流の流れを、曲がって流れる気流の流れを増長するように沿わせることを可能とすると共に、合流された燃料の噴射流れが部材に当たるのを抑制することができる。
第3に、本発明の内燃機関用燃料供給装置は、第1の内燃機関用燃料供給装置において、噴射手段から燃料を噴射するときの燃料噴射圧力を設定する燃料圧力設定手段を設け、燃料圧力設定手段によって第2の燃料の噴射流の圧力を第1の燃料の噴射流の圧力より高くなるように設定し、第1の燃料の噴射流と第2の燃料の噴射流とが合流された燃料の噴射流である噴霧が流速の速い第2の燃料の噴射流側へ曲がって流れるように構成したことを特徴とする。
上述のように構成することにより、合流された燃料の噴射流の流れを、曲がって流れる気流の流れを増長するように沿わせることを可能とすると共に、合流された燃料の噴射流の流れが部材に当たるのを抑制することができる。
第4に、本発明の内燃機関用燃料供給装置は、第1の内燃機関用燃料供給装置において、噴射手段は、第1の流速で第1の燃料の噴射流を噴射する第1のインジェクタと、第2の燃料の流速で第2の燃料の噴射流を第1の燃料の噴射流と相互に隣接し並列して進むよう噴射する第2のインジェクタとを有し、燃料圧力設定手段によって第2のインジェクタの燃料の噴射圧力を第1のインジェクタの燃料の噴射圧力より高くなるように設定し、第1の燃料の噴射流と第2の燃料の噴射流とが合流された燃料の噴射流である噴霧の流れが、流速の速い第2の燃料の噴射流側へ曲がって流れるように構成したことを特徴とする。
上述のように構成することにより、合流された燃料の噴射流である噴霧の流れを、曲がって流れる気流の流れを増長するように沿わせることを可能とすると共に、合流された燃料の噴射流である噴霧の流れが部材に当たるのを抑制することができる。
第5に、本発明の内燃機関用燃料供給装置は、第1乃至第4の何れか1項に記載の内燃機関用燃料供給装置において、噴射手段は、燃料の噴射流を燃焼室内に直接噴射可能であり、燃焼室内で合流された燃料の噴射流が、燃焼室内で発生するタンブル流又はスワール流に沿うように曲がって流れるように構成したことを特徴とする。
上述のように構成することにより、合流された燃料の噴射流の流れを、タンブル流又はスワール流に沿うようにして、タンブル流又はスワール流の流速を増長することができる。
第6に、本発明の内燃機関用燃料供給装置は、第1乃至第4の何れか1項に記載の内燃機関用燃料供給装置において、噴射手段は、燃料の噴射流を内燃機関の吸気ポート内に噴射可能であり、第1の燃料の噴射流と第2の噴射流とが合流された噴霧の流れが、湾曲した吸気ポート内を流れる気流に沿うように曲がって流れるように構成したことを特徴とする。
上述のように構成することにより、燃料の噴射流と噴射流とが合流された噴霧の流れが、吸気ポート内を流れる気流に沿うように曲がって流れるようにして、合流された噴霧燃料流の流れが部材に当たって、部材に燃料が付着することを抑制することができる。また、第2の噴射流を空気等の気体の噴射流とすることができる。
第7に、本発明の内燃機関用燃料供給装置は、第1乃至第4の何れか1項に記載の内燃機関用燃料供給装置において、噴射手段は、燃料の噴射流を燃焼室内に直接噴射可能であり、燃焼室内で合流された燃料の噴射流が、燃焼室内の点火プラグに向けて曲がって流れるように構成したことを特徴とする。
上述のように構成することにより、合流された燃料の噴射流の流れを点火プラグの近くに向けて、そこに燃料の噴霧を集中させる状態として点火し燃焼させることにより、成層燃焼を行い内燃機関の始動時における触媒暖機のための大幅遅角燃焼を行うことができる。
第8に、本発明の内燃機関用燃料供給装置は、第1の内燃機関用燃料供給装置において、噴射手段から燃料を噴射するときの燃料噴射圧力を変更して設定可能な燃料圧力設定手段を設け、燃料圧力設定手段は、第1の燃料の噴射流の圧力と、第2の燃料の噴射流の圧力とを変更することによって、合流された燃料の噴射流が燃焼室内で発生するタンブル流又はスワール流に沿うように曲がって流れる状態と、合流された燃料の噴射流が燃焼室内の点火プラグに向かって流れる状態とに、切り換え可能に構成したことを特徴とする。
第8に、本発明の内燃機関用燃料供給装置は、第1の内燃機関用燃料供給装置において、噴射手段から燃料を噴射するときの燃料噴射圧力を変更して設定可能な燃料圧力設定手段を設け、燃料圧力設定手段は、第1の燃料の噴射流の圧力と、第2の燃料の噴射流の圧力とを変更することによって、合流された燃料の噴射流が燃焼室内で発生するタンブル流又はスワール流に沿うように曲がって流れる状態と、合流された燃料の噴射流が燃焼室内の点火プラグに向かって流れる状態とに、切り換え可能に構成したことを特徴とする。
上述のように構成することにより、内燃機関の運転条件に対応して均質燃焼と成層燃焼とを切り換えて運転できる。
第9に、本発明の内燃機関用燃料供給方法は、流速の異なる複数の燃料等の噴射流を相互に隣接し並列して進むよう噴射することにより、合流された燃料等の噴射流の流れを比較的流速の速い噴射流側へ曲げるようにしたことを特徴とする。
上述の方法によれば、合流された燃料の噴射流の流れを、曲がって流れるタンブル流等の気流の流れを増長するように沿わせることができ、また合流された燃料の噴射流の流れが部材に当たるのを抑制することができる。
本発明の内燃機関用燃料供給装置及び内燃機関用燃料供給方法によれば、インジェクタ等から噴射する燃料の噴射流が曲がった軌跡に沿って所定位置に向かうように噴射することにより、燃料の壁面付着を抑制すると共に、燃料を適正に燃焼させて燃焼効率を向上できるという効果がある。
〔第1実施の形態〕
本発明の内燃機関用燃料供給装置及び内燃機関用燃料供給方法に関する第1実施の形態について、図1乃至図3により説明する。
本発明の内燃機関用燃料供給装置及び内燃機関用燃料供給方法に関する第1実施の形態について、図1乃至図3により説明する。
図1は、内燃機関用燃料供給装置を備えた筒内噴射式火花点火内燃機関における単一の気筒の要部を取り出して示す断面概略構成図である。なお、この筒内噴射式火花点火内燃機関は、多気筒の内燃機関又は単気筒の内燃機関として構成することができる。
この筒内噴射式火花点火内燃機関は、シリンダヘッド4、シリンダブロック3及びピストン2を備える。このシリンダヘッド4とシリンダブロック3とは、図示しないヘッドガスケットを介してボルト等で締結されて一体的に組み付けられる。
シリンダボア1内にピストン2が移動自在に支持され、コネクティングロッド(図示せず)を介してクランクシャフトに連結されることで往復移動可能となっている。
このように構成した筒内噴射式火花点火内燃機関では、シリンダヘッド4の凹部5の内壁面と、シリンダボア1の内壁面と、ピストン2の頂面とで囲まれた空間によって、燃焼室Cを構成する。
この筒内噴射式火花点火内燃機関では、制御装置であるECU(Electronic Control Unit)15によって、機関回転数や機関負荷等の運転条件及び燃焼モードに対応した量の空気と燃料を燃焼室Cに送り込む制御を行う。
この筒内噴射式火花点火内燃機関では、図示しない空気供給系からシリンダヘッド4に設けた湾曲した吸気ポート6を通して外部から吸気する。また、燃料は、後述する燃料供給系からインジェクタ10(噴射手段)を介して供給する。
この筒内噴射式火花点火内燃機関では、図示しない空気供給系からシリンダヘッド4に設けた湾曲した吸気ポート6を通して外部から吸気する。また、燃料は、後述する燃料供給系からインジェクタ10(噴射手段)を介して供給する。
この燃焼室Cは、いわゆるペントルーフ型に形成する。すなわち、燃焼室Cのペントルーフ型の燃焼室天井部(シリンダヘッド4の内壁面の凹部5)は、縦断面視で鈍角の二等辺三角形となるような2つの斜面部を有する切妻屋根形状に形成する。
図1に示すように、燃焼室Cの一方の斜面部には、シリンダヘッド4に設けられた空気吸入用の通路である吸気ポート6の端部を開口させる開口部分6aを形成する。また、吸気ポート6の開口部分6aには、開口部分6aを開放又は遮断するための吸気バルブ7を装着する。
吸気バルブ7は、図示しない動弁装置によって操作されることにより、開口部分6aを開放又は遮断する動作を行う。
吸気バルブ7は、図示しない動弁装置によって操作されることにより、開口部分6aを開放又は遮断する動作を行う。
また、燃焼室Cの他方の斜面部には、シリンダヘッド4に設けられた排気ガス排出用の通路である排気ポート8の端部を開口させる開口部分8aを形成する。
排気ポート8の開口部分8aには、開口部分8aを開放又は遮断するための排気バルブ9をそれぞれ装着する。排気バルブ9は、図示しない動弁装置によって操作されることにより、開口部分8aを開放又は遮断する動作を行う。
排気ポート8の開口部分8aには、開口部分8aを開放又は遮断するための排気バルブ9をそれぞれ装着する。排気バルブ9は、図示しない動弁装置によって操作されることにより、開口部分8aを開放又は遮断する動作を行う。
燃焼室Cのペントルーフ型の燃焼室天井中央部には、シリンダボア1の中心軸方向に向けて配置され、その先端部を燃焼室Cの内部に露呈させるように、点火プラグ13を配置する。この点火プラグ13による点火時期は、ECU15によって制御される。
また、燃焼室Cにおけるシリンダボア1とシリンダヘッド4との間部分の円周上の所定位置には、燃料供給系に接続されるサイド噴射式の噴射手段としてのインジェクタ10を配置する。
この燃料供給系は、燃料をインジェクタ10によって燃焼室C内へ直接噴射させるように構成する。
この燃料供給系では、予め燃料タンク16に貯留されている燃料を、ECU15で駆動制御されるフィードポンプ17で吸い上げて燃料流路18を通し、ECU15で駆動制御される高圧燃料ポンプ19(燃料圧力設定手段)へ送出する。
この燃料供給系では、予め燃料タンク16に貯留されている燃料を、ECU15で駆動制御されるフィードポンプ17で吸い上げて燃料流路18を通し、ECU15で駆動制御される高圧燃料ポンプ19(燃料圧力設定手段)へ送出する。
高圧燃料ポンプ19は、送液されて来た燃料を所定の燃圧となるように加圧し高圧燃料流路21を通して、燃焼室Cに設けたインジェクタ10へ分配するためのデリバリパイプ20へ送出する。
デリバリパイプ20は、燃料を各燃焼室Cに設けたインジェクタ10へ所定の燃圧(燃料噴射圧力)で供給する。
デリバリパイプ20は、燃料を各燃焼室Cに設けたインジェクタ10へ所定の燃圧(燃料噴射圧力)で供給する。
インジェクタ10は、ECU15で駆動制御されることにより、所定の噴射条件で、デリバリパイプ20から供給された燃料を燃焼室C内に直接噴射する。
すなわち、この燃料供給系では、インジェクタ10を、内燃機関の運転条件及び燃焼モードに従ってECU15で駆動制御する。
これにより、この燃料供給系では、そのときの運転条件等に対応した燃料噴射量,燃料噴射時期及び燃料噴射期間等の燃料噴射条件で、インジェクタ10から燃料を燃焼室C内に直接噴射する。
図2に示すように、このインジェクタ10には、そのノズル部材14の先端面部に所定複数個(ここでは2個)の燃料噴射用の開口面積が異なる第1噴孔11と、第2噴孔12とを設ける。
図1乃至図2に示すところから理解されるように、このインジェクタ10では、その第1噴孔11から第1の流速である流速の遅い噴霧燃料流(第1の噴射流)S1を噴射し、第2噴孔12から第2の流速である流速の速い噴霧燃料流(第2の噴射流)S2を噴射するよう構成する。
このため、このインジェクタ10では、第1噴孔11の開口面積を第2噴孔12の開口面積より大きく形成する。
ここでは、第1噴孔11と、第2噴孔12とを、いわゆる横スリットタイプに構成するため、同じ長さの長辺を持つ長方形に形成して所定間隔を開けて平行に並べて配置する。
すなわち、第1噴孔11と、第2噴孔12とは、それぞれの対応する短辺が一直線上にのる状態に配置する。また、第1噴孔11の各短辺の長さを第2噴孔12の各短辺の長さよりも長く形成する。
このように構成したインジェクタ10では、所定の燃圧で第1噴孔11と第2噴孔12とから同時に燃料を噴射する際に、比較的大きい第1噴孔11側から噴射される第1の噴射流の流速である第1の流速が、比較的小さい第2噴孔12側から噴射される第2の噴射流の流速である第2の流速よりも所定量遅くなるように構成する。
また、このインジェクタ10では、第1噴孔11から噴射する流速の遅い噴霧燃料流S1と、第2噴孔12から噴射する流速の速い噴霧燃料流S2とを、隣接してタンブル流に沿う所定の低V角(鋭角となるような所要の角度)となる略同方向へ向けて噴射するように構成する。
例えば、このインジェクタ10では、第1噴孔11から噴射する流速の遅い噴霧燃料流S1と、第2噴孔12から噴射する流速の速い噴霧燃料流S2とが、空気層を介することなく直接的に隣接し、流速の遅い噴霧燃料流S1と流速の速い噴霧燃料流S2との間部分で噴霧が交わって混合し、一体の噴霧となるように噴射するよう構成する。
なお、このインジェクタ10では、第1噴孔11からシリンダボア1の壁面までの距離L1よりも、第2噴孔12からシリンダボア1の壁面までの距離L2の距離のほうが長くなるように構成する。
このように構成したインジェクタ10では、第1噴孔11と、第2噴孔12とから同時に燃料を噴射すると、第1噴孔11と第2噴孔12との面積の差により、噴霧燃料流S1と噴霧燃料流S2との間に流速差が生じる。
このインジェクタ10では、噴霧燃料流S1と噴霧燃料流S2との間の流速差に起因して圧力差を生じる。すなわち、流体は、早く流れるほどその周囲を含めて圧力が低くなるので、流速の遅い噴霧燃料流S1側よりも流速の速い噴霧燃料流S2側のほうの圧力が低下する。
このため、図3に示すように、隣接する流速の遅い噴霧燃料流S1と流速の速い噴霧燃料流S2とは、並列して進むに連れて流速の遅い噴霧燃料流S1から流速の速い噴霧燃料流S2へ向けて巻き込む流れが発生する。
そして、この並列して進む流速の遅い噴霧燃料流S1と流速の速い噴霧燃料流S2とは、次第に流速の速い噴霧燃料流S2側へ向けて曲がり、シリンダボア1の壁面に当たらない方向に向きを変え、タンブル流に乗って旋回する如くなる。
この結果として、インジェクタ10から流速の遅い噴霧燃料流S1と流速の速い噴霧燃料流S2とを相互に隣接し並列して進むように、略同方向へ噴射することにより、合流した噴霧燃料流の流れによって燃焼室C内にできるタンブル流の増速効果を増長させ、シリンダボア1の壁面への燃料付着を低減させることができる。
さらに、このように構成したインジェクタ10は、構成が簡素なので廉価に製造することができる。
さらに、このように構成したインジェクタ10は、構成が簡素なので廉価に製造することができる。
〔第2実施の形態〕
次に、本発明の内燃機関用燃料供給装置及び内燃機関用燃料供給方法に関する第2実施の形態について、図4により説明する。なお、この図4に示す第2実施の形態では、前述した図1乃至図3に示すものと同一の部材には同一の符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
次に、本発明の内燃機関用燃料供給装置及び内燃機関用燃料供給方法に関する第2実施の形態について、図4により説明する。なお、この図4に示す第2実施の形態では、前述した図1乃至図3に示すものと同一の部材には同一の符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
本第2実施の形態に係わる内燃機関用燃料供給装置を備えた筒内噴射式火花点火内燃機関では、燃焼室Cにおけるシリンダボア1とシリンダヘッド4との間部分の円周上の所定位置に、2系統に構成された燃料供給系に各々対応して接続されたサイド噴射式の第1と第2のインジェクタ10A、10B(噴射手段)を、シリンダボア1の中心軸方向に対応して2台並べて配置する。
これらインジェクタ10A、10Bは、それぞれ内燃機関制御システムの制御装置であるECU15で制御されるよう構成する。なお、これらインジェクタ10A、10Bは、一般に用いられているものを利用できる。
この2系統の燃料供給系は、燃料を各インジェクタ10A、10Bによって、それぞれ異なる燃圧で燃焼室C内へ直接噴射させるように構成する。
この燃料供給系では、予め燃料タンク16に貯留されている燃料を、ECU15で駆動制御される各フィードポンプ17A、17Bで吸い上げて各燃料流路18A、18Bを通し、ECU15で駆動制御される各高圧燃料ポンプ19A、19B(燃料圧力設定手段)へ送出する。
この燃料供給系では、予め燃料タンク16に貯留されている燃料を、ECU15で駆動制御される各フィードポンプ17A、17Bで吸い上げて各燃料流路18A、18Bを通し、ECU15で駆動制御される各高圧燃料ポンプ19A、19B(燃料圧力設定手段)へ送出する。
各高圧燃料ポンプ19A、19Bは、送液されて来た燃料を、それぞれ異なる所定の燃圧に加圧する。そして、異なる所定の燃圧に加圧された燃料は、各々の高圧燃料流路21A、21Bを通して、各デリバリパイプ20A、20Bへ送出される。
各デリバリパイプ20A、20Bは、燃焼室Cに設けた各インジェクタ10A、10Bへ異なる燃圧の燃料を供給する。
各デリバリパイプ20A、20Bは、燃焼室Cに設けた各インジェクタ10A、10Bへ異なる燃圧の燃料を供給する。
各インジェクタ10A、10Bは、それぞれECU15で駆動制御されることにより、各々異なる所定の燃圧と、噴射条件とで、それぞれ燃料を燃焼室C内に直接噴射する。
すなわち、この2系統の燃料供給系では、それぞれ異なる所定の燃圧に加圧する高圧燃料ポンプ19A、19Bとインジェクタ10A、10Bとを、内燃機関の運転条件及び燃焼モードに従ってECU15で駆動制御する。
すなわち、この2系統の燃料供給系では、それぞれ異なる所定の燃圧に加圧する高圧燃料ポンプ19A、19Bとインジェクタ10A、10Bとを、内燃機関の運転条件及び燃焼モードに従ってECU15で駆動制御する。
これにより、この2系統の燃料供給系では、そのときの運転条件等に対応して、各インジェクタ10A、10Bで異なる燃圧(燃料の噴射圧力)、燃料噴射量,燃料噴射時期及び燃料噴射期間等の燃料噴射条件によって、各インジェクタ10A、10Bから燃料を燃焼室C内に直接噴射する。
この内燃機関では、シリンダボア1の中心軸方向に対応して並んでいる2個のインジェクタ10A、10Bのうちシリンダヘッド4側に配置されたインジェクタ10Aから流速の遅い(燃圧が低い)噴霧燃料流S1を噴射し、シリンダブロック3側に配置されたインジェクタ10Bから流速の速い(燃圧が高い)噴霧燃料流S2を噴射するよう構成する。
すなわち、このように構成した燃料供給装置では、インジェクタ10Aから比較的低い所定の燃圧で燃料を噴射することにより、燃料の噴霧の流速が比較的に所定量だけ遅くなる。また、インジェクタ10Bから比較的高い所定の燃圧で燃料を噴射することにより、燃料の噴霧の流速が比較的に所定量だけ早くなる。
この燃料供給装置では、インジェクタ10Aから噴射する流速の遅い噴霧燃料流S1と、インジェクタ10Bから噴射する流速の速い噴霧燃料流S2とを、隣接して同じ方向へ流れるように噴射するよう構成する。
このように構成した燃料供給装置では、インジェクタ10Aから噴射した流速の遅い噴霧燃料流S1と、これと並列して進むようにインジェクタ10Bから噴射する流速の速い噴霧燃料流S2との間の流速差に起因して圧力差を生じる。
そして、図4に想像線の矢印Fで示すように、隣接する流速の遅い噴霧燃料流S1と流速の速い噴霧燃料流S2とは、並列して進むに連れて流速の遅い噴霧燃料流S1から流速の速い噴霧燃料流S2へ向けて巻き込む流れによって曲がる。
よって、この燃料供給装置では、合流した噴霧燃料流の流れが、シリンダボア1の壁面に当たらない方向(タンブル流の流れる方向)に向きを変え、タンブル流に乗って旋回するので、燃焼室C内にできるタンブル流を増速させる効果を増長させ、シリンダボア1の壁面への燃料付着を低減させることができる。
〔第3実施の形態〕
次に、本発明の内燃機関用燃料供給装置及び内燃機関用燃料供給方法に関する第3実施の形態について、図5により説明する。なお、この図5に示す第3実施の形態では、前述した図1乃至図3に示すもの又は図4に示すものと同一の部材には同一の符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
次に、本発明の内燃機関用燃料供給装置及び内燃機関用燃料供給方法に関する第3実施の形態について、図5により説明する。なお、この図5に示す第3実施の形態では、前述した図1乃至図3に示すもの又は図4に示すものと同一の部材には同一の符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
本第3実施の形態に係わる内燃機関用燃料供給装置を備えた筒内噴射式火花点火内燃機関では、例えば、内燃機関の始動時における触媒暖機のための大幅遅角燃焼を行うときに、点火プラグ13の近くに燃料の噴霧を集中させた状態で点火して燃焼させる成層燃焼を行えるように構成する。
この筒内噴射式火花点火内燃機関では、燃焼室Cにおけるシリンダボア1とシリンダヘッド4との間部分の円周上の所定位置に、2系統に構成された燃料供給系に各々対応して接続されたサイド噴射式の第2と第1のインジェクタ10C、10D(噴射手段)を、シリンダボア1の中心軸方向に対応して2台並べて配置する。
これらインジェクタ10C、10Dは、それぞれ内燃機関制御システムの制御装置であるECU15で制御されるよう構成する。なお、これらインジェクタ10C、10Dは、一般に用いられているものを利用できる。
この2系統の燃料供給系は、燃料を各インジェクタ10C、10Dによって、それぞれ異なる燃圧で燃焼室C内へ直接噴射させるように構成する。
この2系統の燃料供給系では、燃料タンク16に貯留されている燃料を、ECU15で駆動制御される各フィードポンプ17A、17Bで吸い上げて各燃料流路18A、18Bを通し、ECU15で駆動制御される各高圧燃料ポンプ19A、19Bへ送出する。
この2系統の燃料供給系では、燃料タンク16に貯留されている燃料を、ECU15で駆動制御される各フィードポンプ17A、17Bで吸い上げて各燃料流路18A、18Bを通し、ECU15で駆動制御される各高圧燃料ポンプ19A、19Bへ送出する。
一方の高圧燃料ポンプ19Aでは、送液されて来た燃料を、比較的高い所定の燃圧に加圧し、高圧燃料流路21Aを通して、一方のデリバリパイプ20Aへ送出できるように構成する。この一方のデリバリパイプ20Aは、一方のインジェクタ10Cへ比較的高い所定の燃圧の燃料を供給する。
また、他方の高圧燃料ポンプ19Bでは、送液されて来た燃料を、比較的低い所定の燃圧に加圧し、高圧燃料流路21Bを通して、他方のデリバリパイプ20Bへ送出できるように構成する。この他方のデリバリパイプ20Bは、他方のインジェクタ10Dへ比較的低い所定の燃圧の燃料を供給する。
また、他方の高圧燃料ポンプ19Bでは、送液されて来た燃料を、比較的低い所定の燃圧に加圧し、高圧燃料流路21Bを通して、他方のデリバリパイプ20Bへ送出できるように構成する。この他方のデリバリパイプ20Bは、他方のインジェクタ10Dへ比較的低い所定の燃圧の燃料を供給する。
この筒内噴射式火花点火内燃機関では、例えば、内燃機関の始動時における触媒暖機のための大幅遅角燃焼を行う場合(低回転低負荷の運転条件の場合)に、各インジェクタ10C、10Dと高圧燃料ポンプ19A、19Bとを、それぞれECU15で駆動制御する。
そして、この筒内噴射式火花点火内燃機関では、シリンダボア1の中心軸方向に対応して並んでいる2個のインジェクタ10C、10Dのうちシリンダヘッド4側に配置されたインジェクタ10Cから流速の速い(燃圧が高い)噴霧燃料流S2を噴射させる。
これと共に、この筒内噴射式火花点火内燃機関では、シリンダブロック3側に配置されたインジェクタ10Bから流速の遅い(燃圧が低い)噴霧燃料流S1を噴射させる。
この燃料供給装置では、インジェクタ10Cから噴射する流速の速い噴霧燃料流S2と、インジェクタ10Dから噴射する流速の遅い噴霧燃料流S1とを、隣接して同じ方向へ流れるように噴射するよう構成する。
このように構成した燃料供給装置では、インジェクタ10Cから噴射する流速の速い噴霧燃料流S2と、これと並列して進むようにインジェクタ10Dから噴射する流速の遅い噴霧燃料流S1との間の流速差に起因して圧力差を生じる。
そして、図5に想像線の矢印Gで示すように、隣接する流速の遅い噴霧燃料流S1と流速の速い噴霧燃料流S2とは、並列して進むに連れて流速の遅い噴霧燃料流S1から流速の速い噴霧燃料流S2へ向けて巻き込む流れによって曲がる。
よって、この燃料供給装置では、合流した噴霧燃料流の流れが、点火プラグ13に向かって流れ、点火プラグ13の近傍に効率的に燃料を集めるようにして点火プラグ13を取り巻く所要範囲に燃料の比率が濃い混合気の層を作り、安定した成層燃焼を行うことができる。
また、この燃料供給装置では、内燃機関制御システムの制御装置で制御することにより、インジェクタ10Cとインジェクタ10Dとにおける各燃圧(燃料の噴射圧力)を、所要の範囲内(低回転かつ高負荷の運転時の噴射条件若しくは始動時の大幅遅角燃焼の噴射条件又は通常運転時の噴射条件等に対応した範囲内)で自由に変更可能に構成しても良い。
このように構成した場合には、ECU15で制御することにより、低回転かつ低負荷の運転条件の場合と、低回転かつ高負荷の運転条件の場合とに切り換えて、この筒内噴射式火花点火内燃機関を運転することができる。
この燃料供給装置では、低回転かつ低負荷の運転条件の場合に、合流した噴霧燃料流の流れを点火プラグ13へ向けて噴射する状態とし、低回転かつ高負荷の運転条件の場合に前述した図4に示すタンブル流に乗るように噴射する状態とするようECU15で制御する。
すなわち、この場合の燃料供給装置では、内燃機関の始動時における触媒暖機のための大幅遅角燃焼を行う低回転かつ低負荷の運転条件のときに、ECU15で制御することによって、インジェクタ10Cから流速の速い噴霧燃料流S2を噴射し、インジェクタ10Dから流速の遅い噴霧燃料流S1を噴射するよう制御する。
また、この場合の燃料供給装置では、内燃機関において低回転でかつ高負荷の運転を行うときに、ECU15で制御することによって、インジェクタ10Cから流速の遅い噴霧燃料流S1を噴射し、インジェクタ10Dから流速の速い噴霧燃料流S2を噴射するよう制御する。
このように制御することによって、この燃料供給装置では、タンブル流を強化して燃焼を改善しノッキングの発生を抑制することができる。
このように制御することによって、この燃料供給装置では、タンブル流を強化して燃焼を改善しノッキングの発生を抑制することができる。
〔第4実施の形態〕
次に、本発明の内燃機関用燃料供給装置及び内燃機関用燃料供給方法に関する第4実施の形態について、図6により説明する。なお、この図6に示す第4実施の形態では、前述した図1乃至図3に示すものと同一の部材には同一の符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
次に、本発明の内燃機関用燃料供給装置及び内燃機関用燃料供給方法に関する第4実施の形態について、図6により説明する。なお、この図6に示す第4実施の形態では、前述した図1乃至図3に示すものと同一の部材には同一の符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
本第4実施の形態に係わる内燃機関用燃料供給装置を備えた吸気ポート内へ燃料を噴射する方式の火花点火内燃機関では、吸気ポート6の所定位置に、2個の燃料噴射用の第1噴孔11と第2噴孔12とを設けた、インジェクタ10を配置する。
このインジェクタ10は、内燃機関制御システムの制御装置で制御されることにより、図示しない燃料タンクから加圧ポンプで送給された燃料を、制御された所要のタイミングで所要量だけ、吸気ポート内へ直接噴射するよう構成する。
このインジェクタ10には、前述した第1実施の形態に係わる図2に示すように、そのノズル部材14の先端面部に所定複数個(ここでは2個)の燃料噴射用の第1噴孔11と、第2噴孔12とを設ける。
このインジェクタ10では、第1噴孔11(図2に図示)と第2噴孔12(図2に図示)とを、吸気ポート6内の空気の流れ方向に沿うように並べて配置する。
このインジェクタ10では、第1噴孔11の開口面積を比較的大きく形成し、第2噴孔12の開口面積を比較的小さく形成する。
さらに、小型の第2噴孔12を空気の流れ方向上流側に配置し、大型の第1噴孔11を空気の流れ方向下流側に配置する。
さらに、小型の第2噴孔12を空気の流れ方向上流側に配置し、大型の第1噴孔11を空気の流れ方向下流側に配置する。
ここでは、第1噴孔11と、第2噴孔12とを、いわゆる横スリットタイプに構成するため、同じ長さの長辺を持つ長方形に形成して所定間隔を開けて平方に並べて配置する。
このインジェクタ10では、所定の燃圧で第1噴孔11と第2噴孔12とから同時に燃料を噴射する際に、比較的大きい第1噴孔11側から噴射される燃料の噴霧の流速が、比較的小さい第2噴孔12側から噴射される燃料の噴霧の流速よりも所定量遅くなるように構成する。
このインジェクタ10では、第1噴孔11から噴射する流速の遅い噴霧燃料流S1と、第2噴孔12から噴射する流速の速い噴霧燃料流S2とを、隣接して同じ方向へ流れるように噴射するよう構成する。
このように構成したインジェクタ10では、第1噴孔11と第2噴孔12とから同時に燃料を噴射すると、第1噴孔11と第2噴孔12との面積の差により、噴霧燃料流S1と噴霧燃料流S2との間に流速差を生じることに起因して圧力差を生じる。
そして、この並列して進む流速の遅い噴霧燃料流S1と流速の速い噴霧燃料流S2とは、図6に矢印Hで示すように、次第に流速の速い噴霧燃料流S2側へ向けて曲がり、湾曲した吸気ポート6の形状に対応して流れる空気の流れ方向に沿うよう曲がって、吸気ポート6内を流れる気流に乗ることにより吸気ポート6の内壁に当たらないようにして開いた吸気バルブ7から燃焼室C内へ流入する。
この結果として、インジェクタ10から流速の遅い噴霧燃料流S1と流速の速い噴霧燃料流S2とを並列して噴射することにより、吸気ポート6内に燃料が付着すること(ポートウェット)を抑制することができる。
また、本第4実施の形態に係わる内燃機関用燃料供給装置を備えた吸気ポート内へ燃料を噴射する方式の火花点火内燃機関では、2個の燃料噴射用の第1噴孔11と第2噴孔12とを設けたインジェクタ10の代わりに、前述した図4に示す第2実施の形態に係わる内燃機関用燃料供給装置のインジェクタ10A、10Bを利用して構成しても良い。
なお、前述した実施の形態では、2個のインジェクタ10A、10B又はインジェクタ10C、10Dを用いた構成について説明したが、3個以上のインジェクタを並べて配置し、これらを同時に又は選択的に動作させて噴射された燃料の噴霧を所要の方向へ曲げて流動させるように構成しても良い。
さらに、本第4実施の形態において、2個のインジェクタ10A、10B又はインジェクタ10C、10Dを用いた構成とした場合には、2個のインジェクタの一方から燃料の噴霧を噴射し、他方のインジェクタから空気等の気体を噴射するように構成しても良い。
さらに、本第4実施の形態において、2個のインジェクタ10A、10B又はインジェクタ10C、10Dを用いた構成とした場合には、2個のインジェクタの一方から燃料の噴霧を噴射し、他方のインジェクタから空気等の気体を噴射するように構成しても良い。
また、前述した第1乃至第3実施の形態では、内燃機関用燃料供給装置によって燃焼室C内に噴射された燃料の噴霧を曲げる方向を、燃焼室C内で発生するタンブル流に沿う方向にする他に、燃焼室C内で発生するスワール流等に沿う方向に設定しても良い。
さらに本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、その他種々の構成を採り得ることは勿論である。
1 シリンダボア
2 ピストン
3 シリンダブロック
4 シリンダヘッド
5 凹部
6 吸気ポート
7 吸気バルブ
10 インジェクタ
10A インジェクタ
10B インジェクタ
10C インジェクタ
10D インジェクタ
11 第1噴孔
12 第2噴孔
13 点火プラグ
14 ノズル部材
2 ピストン
3 シリンダブロック
4 シリンダヘッド
5 凹部
6 吸気ポート
7 吸気バルブ
10 インジェクタ
10A インジェクタ
10B インジェクタ
10C インジェクタ
10D インジェクタ
11 第1噴孔
12 第2噴孔
13 点火プラグ
14 ノズル部材
Claims (9)
- 第1の燃料の噴射流を第1の流速で噴射すると共に、前記第1の流速よりも速い第2の流速で第2の噴射流を前記第1の燃料の噴射流と相互に隣接し並列して進むよう噴射する噴射手段を有し、
前記第1の燃料の噴射流と前記第2の噴射流とが合流された噴射流の流れが、流速の速い前記第2の噴射流側へ曲がるように構成したことを特徴とする内燃機関用燃料供給装置。 - 前記噴射手段は燃料を噴射する第1噴孔及び第2噴孔を有し、
前記第1噴孔の開口面積を前記第2噴孔の開口面積より大きく構成し、
インジェクタにおける前記第1噴孔と、前記第2噴孔とから流速の異なる燃料の噴射流を相互に隣接し並列して進むよう噴射することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用燃料供給装置。 - 前記噴射手段から燃料を噴射するときの燃料噴射圧力を設定する燃料圧力設定手段を設け、
前記燃料圧力設定手段によって前記第2の燃料の噴射流の圧力を前記第1の燃料の噴射流の圧力より高くなるように設定し、
前記第1の燃料の噴射流と前記第2の燃料の噴射流とが合流された前記燃料の噴射流である噴霧が流速の速い前記第2の燃料の噴射流側へ曲がって流れるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用燃料供給装置。 - 前記噴射手段は、第1の流速で第1の燃料の噴射流を噴射する第1のインジェクタと、第2の燃料の流速で第2の燃料の噴射流を前記第1の燃料の噴射流と相互に隣接し並列して進むよう噴射する第2のインジェクタとを有し、
前記燃料圧力設定手段によって前記第2のインジェクタの燃料の噴射圧力を前記第1のインジェクタの燃料の噴射圧力より高くなるように設定し、
前記第1の燃料の噴射流と前記第2の燃料の噴射流とが合流された燃料の噴射流である噴霧の流れが、流速の速い前記第2の燃料の噴射流側へ曲がって流れるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用燃料供給装置。 - 前記噴射手段は、前記燃料の噴射流を燃焼室内に直接噴射可能であり、
前記燃焼室内で合流された前記燃料の噴射流が、前記燃焼室内で発生するタンブル流又はスワール流に沿うように曲がって流れるように構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の内燃機関用燃料供給装置。 - 前記噴射手段は、前記燃料の噴射流を内燃機関の吸気ポート内に噴射可能であり、
前記第1の燃料の噴射流と前記第2の噴射流とが合流された噴霧の流れが、前記湾曲した吸気ポート内を流れる気流に沿うように曲がって流れるように構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の内燃機関用燃料供給装置。 - 前記噴射手段は、前記燃料の噴射流を前記燃焼室内に直接噴射可能であり、
前記燃焼室内で合流された前記燃料の噴射流が、前記燃焼室内の点火プラグに向けて曲がって流れるように構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の内燃機関用燃料供給装置。 - 前記噴射手段から燃料を噴射するときの燃料噴射圧力を変更して設定可能な燃料圧力設定手段を設け、
前記燃料圧力設定手段は、前記第1の燃料の噴射流の圧力と、前記第2の燃料の噴射流の圧力とを変更することによって、合流された前記燃料の噴射流が前記燃焼室内で発生するタンブル流又はスワール流に沿うように曲がって流れる状態と、合流された前記燃料の噴射流が前記燃焼室内の点火プラグに向かって流れる状態とに、切り換え可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用燃料供給装置。 - 流速の異なる複数の燃料等の噴射流を相互に隣接し並列して進むよう噴射することにより、
合流された前記燃料等の噴射流の流れを比較的流速の速い前記噴射流側へ曲げるようにしたことを特徴とする内燃機関用燃料供給方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006322409A JP2008133812A (ja) | 2006-11-29 | 2006-11-29 | 内燃機関用燃料供給装置及び内燃機関用燃料供給方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006322409A JP2008133812A (ja) | 2006-11-29 | 2006-11-29 | 内燃機関用燃料供給装置及び内燃機関用燃料供給方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008133812A true JP2008133812A (ja) | 2008-06-12 |
Family
ID=39558823
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006322409A Pending JP2008133812A (ja) | 2006-11-29 | 2006-11-29 | 内燃機関用燃料供給装置及び内燃機関用燃料供給方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008133812A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010229982A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-14 | Mazda Motor Corp | ロータリーピストンエンジンの始動制御方法及び始動制御装置 |
-
2006
- 2006-11-29 JP JP2006322409A patent/JP2008133812A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010229982A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-14 | Mazda Motor Corp | ロータリーピストンエンジンの始動制御方法及び始動制御装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5894292B2 (ja) | 燃焼方法及び内燃機関 | |
JP4501832B2 (ja) | 火花点火式直噴エンジン | |
EP1898064B1 (en) | Cylinder injection type spark ignition internal combustion engine | |
JP5257054B2 (ja) | 火花点火式直噴エンジン | |
JP2008202483A (ja) | 筒内噴射型の内燃機関、及び筒内噴射型の内燃機関に用いるインジェクタ | |
CN101484680A (zh) | 用于直喷式火花点火内燃发动机的燃料喷射控制方法 | |
JP2008057479A (ja) | 直噴エンジン | |
JP2006274946A (ja) | 火花点火式直噴エンジン | |
US10947911B2 (en) | Control system of internal combustion engine | |
JP2008157197A (ja) | 筒内噴射式火花点火内燃機関 | |
JP2005248857A (ja) | 内燃機関の燃焼制御装置 | |
JP2006274945A (ja) | 火花点火式直噴エンジン | |
EP1316697B1 (en) | Cylinder injection type spark ignition engine | |
JP2008133812A (ja) | 内燃機関用燃料供給装置及び内燃機関用燃料供給方法 | |
US20190107041A1 (en) | Internal Combustion Engine Control Device | |
JP5146248B2 (ja) | 筒内直接噴射式内燃機関 | |
JP2007231913A (ja) | 内燃機関の燃料噴射装置 | |
JP2010150970A (ja) | 火花点火式直噴エンジン | |
JP5991251B2 (ja) | ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置 | |
JP2010150969A (ja) | 火花点火式直噴エンジン | |
JP2005155570A (ja) | 内燃機関の燃料供給装置及び方法 | |
JP2006037794A (ja) | 筒内直接噴射式火花点火内燃機関 | |
JP2002371852A (ja) | 筒内直接噴射式内燃機関 | |
JP4120799B2 (ja) | 内燃機関の燃料噴射装置 | |
JPS6111419A (ja) | 直噴式デイ−ゼルエンジン |