JP2005162855A - 着色組成物、インクジェット記録用インク、カラートナー、光記録媒体、感熱転写記録材料用インクシート、カラーフィルター、及び該インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

着色組成物、インクジェット記録用インク、カラートナー、光記録媒体、感熱転写記録材料用インクシート、カラーフィルター、及び該インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 色相と堅牢性に優れた着色組成物を提供し、また該着色組成物を用いることによって、良好な色相を有し、光及び環境中の活性ガス、特にオゾンガスに対して堅牢性の高い画像を形成することができるインクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法を提供することであり、更に色再現性及び光堅牢性に優れるカラートナー、光記録媒体、感熱転写記録材料用インクシート、及びカラーフィルターを提供すること。
【解決手段】 下記一般式(1)で表されるアゾ染料を含有する着色組成物。
Figure 2005162855

(一般式(1)中、R1、R2、Raは各々水素原子又は置換基、Aは置換されていてもよいアリール基又はヘテロ環基、nは0〜2の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は特定のアゾ染料を含有する着色組成物、該着色組成物を含有するカラートナー、光記録媒体、感熱転写記録材料用インクシート、カラーフィルター、インクジェット記録用インク、及び該インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法に関する。
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、着色組成物の応用分野としては、具体的には、インクジェット方式の記録材料、感熱転写方式の記録材料、電子写真方式の記録材料、光記録媒体、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等が挙げられる。また、撮影機器ではCCDなどの撮像素子において、ディスプレーではLCDやPDPにおいてカラー画像を記録・再現するためにカラーフィルターが使用されている。これらのカラー画像記録材料やカラーフィルターでは、フルカラー画像を再現あるいは記録するために、所謂、加色法や減色法の3原色の色素が使用されているが、好ましい色再現域を実現できる吸収特性を有し、且つ様々な使用条件、環境条件に耐えうる堅牢な色素が望まれる。
インクジェット記録方法は材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易であることから急速に普及し、更に発展しつつある。インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
このようなインクジェット記録用インクに用いられる色素に対しては、溶剤に対する溶解性あるいは分散性が良好なこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)に対して堅牢であること、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、更には、安価に入手できることが要求されている。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たす色素を捜し求めることは、極めて難しい。特に、良好なマゼンタ色相を有し、光および環境中の活性ガス、中でもオゾンなどの酸化性ガスに対して堅牢な色素が強く望まれている。アゾ染料をインクジェット記録用インクに用いる例が開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)が、これらのインクは耐オゾンガス性に優れるが、色調及び耐光性の点でまだ充分とはいえない。
前記アゾ染料をカラートナーに使用する場合、電子写真方式を利用したカラーコピア、カラーレーザープリンターにおいては、一般に樹脂粒子中に着色材を分散させてなるトナー、または樹脂粒子表面に着色剤を付着させてなるトナー等が用いられている。カラートナーに要求される性能として、好ましい色再現域を実現出来る吸収特性、特にOverhead Projector(以下OHP)で使用される際に問題となる高い透過性(透明性)、及び使用される環境条件下における各種堅牢性が挙げられる。顔料を着色材として粒子に分散させたトナーが特開昭62−157051号公報、同62−255956号公報及び特開平6−118715号公報に開示されているが、これらのトナーは耐光性には優れるが、不溶性であるため凝集しやすく、透明性の低下や透過色の色相変化が問題となる。一方、染料を着色材として使用したトナーが特開平2−207274号公報、同2−207273号公報、同3−276161号公報、同7−209912号公報、同8−123085号公報、特開2002−371214号公報に開示されているが、これらのトナーは逆に透明性が高く、色相変化はないものの、耐光性に問題がある。
また、近年、情報量の急速な増大に伴い、大容量の光記録媒体が脚光を浴びている。安価な半導体レーザにより容易に、且つ高密度に情報記録できる有機光記録媒体には、赤色から近赤外領域の光を吸収する長波長吸収色素が利用されている。従来、種々の色素の中から吸収、反射特性に優れたシアニン色素がこの用途に用いられてきたが、耐光性等の保存性が低いため、経時で情報が失われたり、書き込めなくなる欠点があった。このような問題を解決するために、例えば、米国特許第3,432,300号、同4,050,938号の各明細書、特開昭60−118748号、同63−199248号、特開平2−300288号の各公報等に光安定剤あるいは光安定化方法が記載されているが、十分な保存安定性を得るには至っていない。
感熱転写記録は、装置が小型で低コスト化が可能なこと、操作や保守が容易であること、更にランニングコストが安いこと等の利点を有している。感熱転写記録で使用される色素に要求される性能として、好ましい色再現域を実現出来る吸収特性、熱移行性と転写後の定着性の両立、熱安定性、得られた画像の各種堅牢性が挙げられるが、従来知られていた色素ではこれらの性能をすべて満足するものはない.感熱転写記録によって得られた画像の安定性、特に定着性や耐光性を改良する目的でキレート化可能な熱拡散性色素(以下、キレート色素と記す)を用いる感熱転写記録材料及び画像形成方法が提案されており、例えば、特開昭59−78893号公報、同59−10349号公報、同60−2398号公報に記載されている。前記公報で開示されているキレート色素は、アゾ色素を配位子として金属イオンに2座配位または3座配位して形成した金属キレート色素である。これらのキレート色素を用いて形成された画像は耐光性や定着性に優れているが、感熱転写記録材料の感度や材料自体の保存性の点では十分に満足するものではなく、更に改良が望まれている。
カラーフィルターは高い透明性が必要とされるために、染料を用いて着色する染色法と呼ばれる方法が行われてきた。例えば、被染色性のフォトレジストをパターン露光,現像することによりパターンを形成し、次いでフィルター色の染料で染色する方法を全フィルター色について順次繰り返すことにより、カラーフィルターを製造することができる。染色法の他にも米国特許4,808,501号明細書や特開平6−35182号公報などに記載されたポジ型レジストを用いる方法によってもカラーフィルターを製造する事ができる。これらの方法は染料を使用するために透過率が高く、カラーフィルターの光学特性は優れているが、耐光性や耐熱性等に限界があり、諸耐性に優れ且つ透明性の高い色素が望まれていた。一方、染料の代わりに耐光性や耐熱性が優れる有機顔料が用いる方法が広く知られているが、顔料を用いたカラーフィルターでは染料のような光学特性を得ることは困難であった。
従来、アゾ色素のカップリング成分としてフェノール、ナフトール、アニリン等が広く使用されてきている。これらのカップリング成分により得られる色相の良好なアゾ色素として、特開平11−209673号公報、特許第3020660号公報等に開示された色素が知られているが、光堅牢性が劣るという問題点を有する。これを改良するものとして最近良好な色相を有し光堅牢性を向上させた色素が特開2001−335714号公報に開示されている。しかし上記特許で知られている色素は何れもオゾンなどの酸化性ガスに対する堅牢性は極めて不十分である。
一方、ヘテロ環ジアゾ成分とピリジンをカップリング成分とするアゾ色素は、特開昭51−83631号、同49−74718号、同58−101158号、特開2000−280635号、特公昭52−46230号の各公報、欧州特許第23,309号、ドイツ特許第2,719,079号、同2,307,444号、同2,513,949号、同2,525,505号、同2,832,020号の各明細書に示されているが、本発明の特定構造を有するアゾ染料は全く知られていない。
特開2003−64275号公報 特開2003−246942号公報
本発明の目的は、色相と堅牢性に優れた着色組成物を提供し、また該着色組成物を用いることによって、良好な色相を有し、光及び環境中の活性ガス、特にオゾンガスに対して堅牢性の高い画像を形成することができるインクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法を提供することであり、更に色再現性及び光堅牢性に優れるカラートナー、光記録媒体、感熱転写記録材料用インクシート、及びカラーフィルターを提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下の構成によって上記課題が達成されることを見出した。
(請求項1)
下記一般式(1)で表されるアゾ染料を含有することを特徴とする着色組成物。
Figure 2005162855
(一般式(1)中、R1、R2及びRaは各々水素原子又は置換基を表す。Aは下記置換基の群から選ばれる置換されていてもよいアリール基またはヘテロ環基を表す。nは0〜2の整数を表す。)
Figure 2005162855
(置換基の群中、R3、R4、R5及びR6は各々水素原子又は置換基を表す。lは0〜4の、mは0〜3の、nは0〜2の整数を表す。)
(請求項2)
請求項1に記載の着色組成物を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
(請求項3)
支持体上に白色インクジェット記録媒体を含有するインク受容層を有する受像材料上に請求項2に記載のインクジェット記録用インクを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
(請求項4)
請求項1に記載の着色組成物を含有することを特徴とするカラートナー。
(請求項5)
請求項1に記載の着色組成物を含有する記録層を有することを特徴とする光記録媒体。
(請求項6)
請求項1に記載の着色組成物を含有することを特徴とする感熱転写記録材料用インクシート。
(請求項7)
請求項1に記載の着色組成物を含有することを特徴とするカラーフィルター。
本発明によって、色相と堅牢性に優れた着色組成物を提供することができ、また該着色組成物を用いたインクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法は、良好な色相を有し、しかも光及び環境中の活性ガス、特にオゾンガスに対して堅牢性の高い画像を形成することができ、更に該着色組成物を用いて、光堅牢性に優れ、色相が鮮やかな画像を与える感熱転写記録材料インクシート、光堅牢性に優れ、忠実な色再現と高いOHP品質を示すカラートナー、色再現性及び光堅牢性に優れるカラーフィルター、及び光堅牢性に優れる光記録媒体を提供することができた。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
まず、本発明のアゾ染料について詳述する。
一般式(1)において、R1、R2及びRaは各々水素原子又は置換基を表す。ここで表す置換基としては特に制限はないが、代表的にはアルキル基、アリール基、アニリノ基、アラルキル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルケニル基、シクロアルキル基等の各基が挙げられ、更にこの他にハロゲン原子及びシクロアルケニル基、アルキニル基、複素環基、スルホニル基、スルフィニル基、ホスホニル基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シロキシ基、アシルオキシ基、スルホニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、イミド基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環チオ基、チオウレイド基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ニトロ基、スルホ基等の各基、ならびにスピロ化合物残基、有機炭化水素化合物残基等も挙げられる。各基は更に置換基を有していてもよい。また、R5とR6が結合して5〜6員環を形成してもよい。
1、R2及びRaとしては好ましくは、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基などが挙げられる。置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。
アラルキル基としては、置換基を有するアラルキル基及び無置換のアラルキル基が含まれる。アラルキル基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が7〜12のアラルキル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アラルキル基の例には、ベンジル基、及び2−フェネチル基が含まれる。アリール基には、置換基を有するアリール基及び無置換のアリール基が含まれる。アリール基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が6〜12のアリール基が好ましい。置換基の例には、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、水酸基、エステル基及びイオン性親水性基が含まれる。アリール基の例には、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニル及びm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニルが含まれる。ヘテロ環基には、置換基を有するヘテロ環基及び無置換のヘテロ環基が含まれる。ヘテロ環基としては、5員又は6員環のヘテロ環基が好ましい。置換基の例には、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、水酸基、エステル基及びイオン性親水性基が含まれる。へテロ環基の例には、2−ピリジル基、2−ピラジル基、2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基及び2−フリル基、2−オキサゾリル基、2−イミダゾリル基、2−ピラゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンズイミダゾリル基等が含まれる。アシル基には、置換基を有するアシル基及び無置換のアシル基が含まれる。前記アシル基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が1〜12のアシル基が好ましい。アシル基の例には、アセチル基及びベンゾイル基が含まれる。
Aは前記置換基の群から選ばれる置換されていてもよいアリール基またはヘテロ環基を表す。
本発明の一般式(1)で表されるアゾ染料を水溶性として用いる場合、R1、R2、Ra及びA上の置換基(R3、R4、R5及びR6)のうち少なくとも2つ以上の置換基がスルホ基、又はカルボキシル基で置換されていることが好ましく、更には3つ以上のスルホ基、又はカルボキシル基で置換されていることがより好ましい。
以下、前記一般式(1)で表されるアゾ染料の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によって限定されるものではない。
Figure 2005162855
Figure 2005162855
Figure 2005162855
Figure 2005162855
Figure 2005162855
Figure 2005162855
Figure 2005162855
Figure 2005162855
Figure 2005162855
Figure 2005162855
Figure 2005162855
Figure 2005162855
合成例1(例示染料1−7の合成)
Figure 2005162855
化合物(a)17.8gを酢酸60mlに氷冷下で分散撹拌し、ここにNaNO2を7.6g粉体のまま徐々に添加する。この時、内温は5℃以下を保つ。淡橙色となり、完溶する。このまま氷冷下1時間撹拌後、純水300mlを加えて結晶を析出させる。これを濾取して3回水洗し、化合物(b)の粗結晶20.2gを97.5%の収率で得た。
化合物(c)12.8gの氷酢酸70ml溶液を50℃で加温撹拌し溶解させる。ここに化合物(b)10.0gをEtOH、30mlで溶解した溶液を徐々に加え、昇温して60℃にて1時間加温撹拌する。その後放冷し、氷冷すると結晶が析出し、これを濾取して例示染料1−7の粗結晶を得た。これをEtOHから再結晶して例示染料1−7を収量13.3g、収率61%で得た。NMR、massスペクトルにより目的物であることを確認した。
合成例2(例示染料1−52の合成)
Figure 2005162855
化合物(d)2.8g、濃塩酸2ml、酢酸2mlを内温5℃で撹拌し、亜硝酸ナトリウム0.69gを10分間で分割添加し、そのまま10分間撹拌した。得られたウェット結晶を濃塩酸1mlとSnCl2の3.8g冷溶液に撹拌しながら徐々に10℃以下を保って加えた。徐々に乳白色に懸濁し、そのまま2時間撹拌後、一晩氷冷保存し、析出物を濾取した。EtOHで3回洗浄し、化合物(e)の粗結晶を2.5g得た。
化合物(e)1.5gの15mlのEtOH溶液にTEA0.5gを加え、ここに2−クロロベンズオキサゾール0.8gを加えて3時間加熱還流した。放冷後1時間氷冷して、例示染料1−52の粗結晶を収量2.0gを得た。更にこの粗結晶をアセトニトリル溶液で再結晶した。収量1.78g、収率86%であった。NMR、massスペクトルにより目的物であることを確認した。
他の例示染料も上記合成法に準じて合成できる。
本発明のアゾ染料の用途としては、画像、特にカラー画像を形成するための画像記録材料が挙げられ、具体的には、以下に詳述するインクジェット方式記録材料を始めとして、感熱転写型画像記録材料、感圧記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、光記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等がある。また、米国特許4,808,501号明細書、特開平6−35182号公報などに記載されているLCDやCCDなどの固体撮像素子で用いられるカラーフィルター、各種繊維の染色の為の染色液にも適用できる。本発明の着色組成物は、そこに含有する染料の溶解性、熱移動性などの物性を、置換基により調整して使用する。
また、本発明の着色組成物は、用いられる系に応じて均一な溶解状態、乳化分散のような分散された溶解状態、更には固体分散状態でも使用することができる。
インクジェット記録用インクは、親油性媒体や水性媒体中に前記アゾ染料を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは水性媒体を用いる場合である。必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有される。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相または水相に添加してもよい。
乾燥防止剤はインクジェット記録方式に用いるノズルのインク噴射口において該インクジェット用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する目的で好適に使用される。乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)等が挙げられる。
これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
本発明のインクジェット記録用インクは、水溶性有機溶剤中のテトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールの総比率が25〜100質量%であることが好ましく、更に好ましくは50〜100質量%であり、これにより一段とにじみを抑えることができる。
浸透促進剤は、インクジェット用インクを紙により良く浸透させる目的で好適に使用される。浸透促進剤としては、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク中に5〜30質量%含有すれば通常充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号明細書等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンおよびその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
pH調整剤としては、中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤はインクジェット用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット用インクがpH6〜10と夏用に添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。
表面張力調整剤としてはノニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げられる。尚、本発明のインクジェット用インクの表面張力は20〜60mN/mが好ましく、25〜45mN/mがより好ましい。また本発明のインクジェット記録用インクの粘度は、30mN/m以下が好ましい。更に20mN/m以下に調整することがより好ましい。界面活性剤の例としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号公報の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
消泡剤としては、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も必要に応じて使用することができる。
水性媒体は水を主成分とし、所望により水混和性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。尚、前記水混和性有機溶剤は二種類以上を併用してもよい。
本発明のインクジェット記録用インクは、染料の含有量を0.1〜20質量%の範囲で選択することができ、インクジェット画像で写真画像を形成するには、水溶性染料の含有量を各々変化させた、いわゆる濃淡インクを調製して用いるのが好ましい。また、必要に応じて、赤、緑、青等の特色インクを用いることも色再現上好ましい。また、本発明のインクジェット記録用インクには、前記アゾ染料とともに、他の着色剤を併用してもよい。2種類以上の着色剤を併用する場合は、着色剤の含有量の合計が前記範囲となっているのが好ましい。
本発明のアゾ染料を水性媒体に分散させる場合は、特開平11−286637号、特開2001−240763号、同2001−262039号、同2003−192978号、同2003−213152号等の各公報記載のように、色素と油溶性ポリマーとを含有する着色微粒子を水性媒体に分散したり、特開2001−262018号公報、同2001−240763号公報等に記載のように高沸点有機溶媒に溶解した本発明のアゾ染料を水性媒体中に分散することが好ましい。アゾ染料を水性媒体に分散させる場合の具体的な方法,使用する油溶性ポリマー、高沸点有機溶剤、添加剤及びそれらの使用量は、上記公報等に記載されたものを好ましく使用することができる。あるいは、アゾ染料を固体のまま微粒子状態に分散してもよい。
分散時には、分散剤や界面活性剤を使用することができる。分散装置としては、簡単なスターラーやインペラー攪拌方式、インライン攪拌方式、ミル方式(例えば、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル等)、超音波方式、高圧乳化分散方式(高圧ホモジナイザー;具体的な市販装置としてはゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、DeBEE2000等)を使用することができる。上記のインクジェット記録用インクの調製方法については、先述の公報等以外にも特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号、特開平11−286637号、特開2001−271003号の各公報等に詳細が記載されていて、本発明のインクジェット記録用インクの調製にも利用できる。
本発明のアゾ染料が水不溶性である場合、有機溶剤又は水性媒体中に溶解しているか、又は水性媒体中に分散されてなる着色組成物であることが好ましい。なお、有機溶剤とは、具体的には、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
本発明のアゾ染料が、水性媒体中に溶解又は分散されてなる着色組成物の実施形態としては、該染料が水性媒体中に溶解している着色組成物、該染料と油溶性ポリマーとを含む着色微粒子を含有してなる着色微粒子分散物を含む着色組成物又は、沸点が150〜400℃であり、且つ25℃における比誘電率が3〜12である、高沸点有機溶媒に溶解した該染料を、水性媒体中に分散してなる分散物を含む着色組成物が挙げられる。
着色微粒子分散物は、前記アゾ染料と油溶性ポリマーとを含む着色微粒子を含有してなる。前記着色微粒子分散物において、前記アゾ染料は油溶性ポリマー中に分散されているのが好ましい。
次に、本発明のアゾ染料とポリマーとを含有する着色微粒子の水系分散体について詳述する。本発明のポリマーとしては、その数平均分子量が500〜100,000であることが、印刷後のインクの耐久性及びサスペンションの形成性の点から好ましい。本発明では複数のポリマーを使用することが可能であるが、用いるポリマーのうち少なくとも1種はガラス転移温度(Tg)が10〜200℃であることが好ましい。
上記ポリマーについては、その種類、物性などが、例えば、POLYMER HANDBOOK、第4版(JOHN WILEY&SONS,INC.)に記載されている。ポリマーとしては、特に制限はなく従来公知のものを適宜選択することができ、例えば、ビニルポリマー、縮合系ポリマー(ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリカーボネート)などが挙げられる。具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸(メタクリル酸)エステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、アルキド樹脂、マレイン酸樹脂、ウレタンゴム、ポリカーボネート、ナイロン、ポリウレタン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリホルムアルデヒド、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも好ましくはポリビニルブチラールである。ポリビニルブチラールは、本発明にとって好ましい態様の一つである。これらのポリマーは置換基wを有していてもよく、その置換基は直鎖状、分岐、あるいは環状構造をとってもよい。
特定の官能基を有するポリマーは、各種のものが市販されているが、常法によって合成することもできる。又、これらの共重合体は、例えば、一つのポリマー分子中にエポキシ基を導入しておき、後に他のポリマーと縮重合させたり、光や放射線を用いてグラフト重合を行っても得られる。
以下に、ビニルポリマーの具体例(PA−1〜41)及び(PC−1〜16)を列挙する。括弧ないの比は質量比を表す。本発明は、これらの具体例に何ら限定されるものではない。
(PA−1)メチルメタクリレート−エチルアクリレート共重合体(50:50)
(PA−2)ブチルアクリレート−スチレン共重合体(50:50)
(PA−3)ポリn−ブチルメタクリレート
(PA−4)ポリイソプロピルメタクリレート
(PA−5)ポリ(4−tert−ブチルフェニル)アクリレート
(PA−6)n−ブチルメタクリレート−N−ビニル−2−ピロリドン共重合体(90:10)
(PA−7)メチルメタクリレート−塩化ビニル共重合体(70:30)
(PA−8)イソブチルメタクリレート−ブチルアクリレート共重合体(55:45)
(PA−9)酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体(85:15)
(PA−10)n−ブチルアクリレート−メチルメタクリレート−n−ブチルメタクリレート共重合体(35:35:30)
(PA−11)エチルメタクリレート−n−ブチルアクリレート共重合体(70:30)
(PA−12)tert−ブチメタクリルアミド−メチルメタクリレート−アクリル酸共重合体(60:30:10)
(PA−13)n−ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体(80:20)
(PA−14)sec−ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体(85:15)
(PA−15)イソプロピルアクリレート−アクリル酸共重合体(90:10)
(PA−16)ブチルメタクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−アクリル酸共重合体(85:5:10)
(PA−17)イソブチルメタクリレート−テトラヒドロフルフリルアクリレート−アクリル酸共重合体(60:30:10)
(PA−18)n−ブチルメタクリレート−1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルアクリレート−アクリル酸共重合体(75:20:5)
(PA−19)メチルメタクリレート−n−ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体(50:45:5)
(PA−20)3−メトキシブチルメタクリレート−スチレン−アクリル酸共重合体(35:50:15)
(PA−21)エチルアクリレート−フェニルメタクリレート−アクリル酸共重合体(72:25:13)
(PA−22)イソブチルメタクリレート−ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(エチレンオキシ鎖繰り返し数23)のメタクリル酸エステル−アクリル酸共重合体(70:20:10)
(PA−23)エチルメタクリレート−アクリル酸共重合体(95:5)
(PA−24)イソブチルアクリレート−メトキシスチレン−アクリル酸共重合体(75:15:10)
(PA−25)イソブチルアクリレート−N−ビニルピロリドン−アクリル酸共重合体(60:30:10)
(PA−26)2,2,2−テトラフルオロエチルメタクリレート−メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体(25:60:15)
(PA−27)エチルメタクリレート−2−エトキシエチルメタクリレート−メタクリル産共重合体(75:15:15)
(PA−28)tert−オクチルアクリルアミド−プロピルメタクリレート−メタクリル酸共重合体(20:65:15)
(PA−29)n−ブチルメタクリレート−ジフェニル−2−メタクリロイルオキシジエチルホスホネート−メタクリル酸共重合体(80:5:15)
(PA−30) n−ブチルメタクリレート−フェニルアクリルアミド−メタクリル酸共重合体(70:15:15)
(PA−31)n−ブチルメタクリレート−N−ビニルピロリドン−メタクリル酸共重合体(70:15:15)
(PA−32)n−ブチルメタクリレート−スチレンスルホン酸共重合体(90:10)
(PA−33)イソブチルメタクリレート−スチレンスルホン酸共重合体(90:10)
(PA−34)n−ブチルメタクリレート−2−アクリルアミド−2−メチルエタンスルホン酸共重合体(90:10)
(PA−35)イソブチルアクリレート−n−ブチルメタクリレート−2−アクリルアミド−2−メチルエタンスルホン酸共重合体(70:20:10)
(PA−36)エチルアクリレート−tert−ブチルメタクリレート−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体(60:30:10)
(PA−37)tert−ブチルアクリレート−テトラヒドロフルフリルアクリレート−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体(50:40:10)
(PA−38)tert−ブチルアクリレート−ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(エチレンオキシ鎖繰り返し数23)のメタクリル酸エステル−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体(60:30:10)
(PA−39)イソブチルアクリレート−N−ビニルピロリドン−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体(60:30:10)
(PA−40)n−ブチルメタクリレート−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ共重合体(98:12)
(PA−41)n−ブチルメタクリレート−tert−ブチルメタクリレート−2−アクリルアミド−2−メチルブタンスルホン酸ソーダ共重合体(50:35:15)
前記縮合系ポリマーの具体例(PC−1)〜(PC−21)について、原料モノマーの形で以下に例示する(但し、PC−17以降はポリマーの形で例示)が、本発明はこれらに限定されるものではない。各ポリマーにおける酸性基はすべて非解離形で表す。又、ポリエステル、ポリアミド等の縮合反応により生成するものについては、構成成分は原料の如何にかかわらず、すべてジカルボン酸、ジオール、ジアミン、ヒドロキシカルボン酸、アミノカルボン酸等で表記する。括弧内の比は各成分のモル百分率比を意味する。
(PC−1)トルエンジイソシアネート/エチレングリコール/1,4−ブタンジオール(50/15/35)
(PC−2)トルエジイソシアネート/ヘキサメチレンジイソシアネート/エチレングリコール/ポリエチレングリコール(Mw=600)1,4−ブタンジオール(40/20/10/20)
(PC−3)4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート/ヘキサメチレンジイソシアネート/テトラエチレングリコール/エチレングリコール/2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(40/10/20/20/10)
(PC−4)1,5−ナフタレンジイソシアネート/ブタンジオール/4,4′−ジヒドロキシ−ジフェニル−2,2′−プロパン/ポリプロピレングリコール(Mw=400)/2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(50/20/5/10/15)
(PC−5)イソホロンジイソシアネート/ジエチレングリコール/ネオペンチルグリコール/2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(50/20/20/10)
(PC−6)ジフェニルメタンジイソシアネート/ヘキサメチレンジイソシアネート/テトラエチレングリコール/ブタンジオール/2,4−ジ(2−ヒドロキシ)エチルオキシカルボニルベンゼンスルホン酸(40/10/10/33/7)
(PC−7)テレフタル酸/イソフタル酸/シクロヘキサンジメタノール/1,4−ブタンジオール/エチレングリコール(25/25/25/15/10)
(PC−8)テレフタル酸/イソフタル酸/4,4′−ジヒドロキシ−ジフェニル−2,2−プロパン/テトラエチレングリコール/エチレングリコール(30/20/20/15/15/)
(PC−9)テレフタル酸/イソフタル酸/4,4′−ベンゼンジメタノール/ジエチレングリコール/ネオペンチルグリコール(25/25/25/15/10)
(PC−10)テレフタル酸/イソフタル酸/5−スルホイソフタル酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコール(24/24/2/25/25)
(PC−11)11−アミノウンデカン酸(100)
(PC−12)ポリ(12−アミノドデカン酸)と無水マレイン酸との反応物
(PC−13)ヘキサメチレンジアミン/アジピン酸(50/50)
(PC−14)N,N−ジメチルエチレンジアミン/アジピン酸/シクロヘキサンジカルボン酸(50/20/30)
(PC−15)トルエンジイソシアネート/4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート/ヘキサメチレンジアミン(30/20/50)
(PC−16)ヘキサメチレンジアミン/ノナメチレンジアミン/尿素(25/25/50)
本発明に係る着色微粒子分散物は、本発明のアゾ染料を含有するポリマーのサスペンションからなり、該サスペンションは各種乳化法で製造することができる。それら乳化法の例は、例えば、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開;シーエムシー」の86頁の記載にまとめられている。特に、超音波、高速回転剪断、高圧による各種乳化分散装置をしようすることが好ましい。
本発明のインクジェット記録用インクは単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。
本発明のインクジェット記録方法は前記インクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば、特開平8−169172号、同8−27693号、同2−276670号、同7−276789号、同9−323475号、特開昭62−238783号、特開平10−153989号、同10−217473号、同10−235995号、同10−337947号、同10−217597号、同10−337947号の各公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり耐候性を改善する目的からポリマーラテックス化合物を併用してもよい。ラテックス化合物を受像材料に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても後であっても、また同時であってもよく、従って、添加する場所も受像紙中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用してもよい。具体的には、特開2001−271003号、同2002−166638号、同2002−121440号、同2002−154201号、同2002−144696号、同2002−80759号の各公報に記載された方法を好ましく用いることができる。
本発明のインクジェット記録方法は、水溶性バインダーを含有するインク受容層を有する記録媒体に、本発明のインクジェット記録用インク、又は本発明のインクジェット記録用インクセットを用いて記録するインクジェット記録方法であり、この記録方法で形成されるインクジェット画像は、耐光性に優れ、にじみが抑えられている。
本発明に用いられる記録媒体のインク受容層は、空隙を有する空隙型受像層と空隙を有しない、いわゆる膨潤型受像層が含まれる。膨潤型受像層の場合はインク受容層は吸水性樹脂からなり、吸水性樹脂はインク溶媒と染料を樹脂の分子の間に取りこんで吸収する。このようなインク受容層は画像の褪色に対しては色素が空気に直接触れないため、空隙型より有利である点で好ましい。
吸水性樹脂とは、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、カゼイン、澱粉、寒天、カラギーナン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸、セルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール等の親水性ポリマーが挙げられる。これらの親水性ポリマーは、2種以上併用することも可能である。本発明で好ましく用いられる親水性ポリマーは、ポリビニルアルコールである。
インク受容層は親水性バインダーのほかに硬化剤、界面活性剤を含有することが好ましい。また、ブロッキング防止のためマット剤などのフィラーを空隙を生じない程度に添加することができる。
一方、本発明に係る空隙型インク受容層を用いた場合はカラーブリーディングをより改善できる点で好ましい。
本発明に用いられる記録媒体の空隙型インク受容層は、主に微粒子と親水性バインダーから形成されるのが好ましい。
本発明で用いることのできる微粒子としては、無機微粒子や有機微粒子を用いることができるが、特には高光沢で、且つ高発色濃度が得られ、更に微粒子が容易に得やすいことから無機微粒子が好ましい。そのような無機微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料粒子等を挙げることができる。上記無機微粒子は一次粒子のまま用いても、また二次凝集粒子を形成した状態で使用することもできる。有機微粒子としてはスチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。インク受容層に含有される白色無機顔料粒子としては、多孔性無機顔料粒子が好ましく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能であるが、特に含水珪酸を使用することが望ましい。
インク受容層に含有される水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バインダーは単独又は2種以上併用して用いることができる。本発明においては、これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐剥離性の点で好適である。インク受容層は顔料及び水性結着剤の他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面活性剤、その他の添加剤を含有することができる。
インク受容層中に添加する媒染剤は不動化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好ましく用いられる。ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許第2,484,430号、同2,548,564号、同3,148,061号、同3,309,690号、同4,115,124号、同4,124,386号、同4,193,800号、同4,273,853号、同4,282,305号、同4,450,224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、且つ画像の耐光性が改善される。
耐水化剤は画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては特にカチオン樹脂が望ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダルシリカ等が挙げられ、これらのカチオン樹脂の中で特にポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが好適である。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であることが好ましい。
耐光性向上剤としては、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの中で特に硫酸亜鉛が好適である。
界面活性剤は塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界面活性剤については、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載がある。界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例えば、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。その他のインク受容層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。尚、インク受容層は1層でも2層でもよい。
記録紙及び記録フィルムにはバックコート層を設けることもでき、この層に添加可能な成分としては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げられる。バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬べーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に含有される水性バインダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バックコート層を含む)には、ポリマーラテックスを添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマーラテックスについては、特開昭62−245258号、同62−136648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマーラテックスを媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマーラテックスをバックコート層に添加しても、カールを防止することができる。
本発明のインクジェット記録用インクはインクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
本発明のアゾ染料を導入するカラートナー用バインダー樹脂としては、トナー用に一般に使用される全てのバインダーが使用できる。例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。トナーに対して流動性向上や帯電制御等を付与する目的で、無機微粉末、有機微粒子を外部添加してもよい。表面をアルキル基含有のカップリング剤等で処理したシリカ微粒子、チタニア微粒子が好ましく用いられる。なお、これらは数平均一次粒子径が10〜500nmのものが好ましく、更にはトナー中に0.1〜20質量%添加するのが好ましい。
離型剤としては、トナー用に従来使用されている離型剤は全て使用することができる。具体的には、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン類、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス等が挙げられる。これらの添加量はトナー中に1〜5質量%添加することが好ましい。
荷電制御剤としては、必要に応じて添加してもよいが、発色性の点から無色のものが好ましい。例えば、4級アンモニウム塩構造のもの、カリックスアレン構造を有するものなどが挙げられる。
キャリアとしては、鉄・フェライト等の磁性材料粒子のみで構成される非被覆キャリア、磁性材料粒子表面を樹脂等によって被覆した樹脂被覆キャリアのいずれを使用してもよい。このキャリアの平均粒径は体積平均粒径で30〜150μmが好ましい。
本発明のカラートナーが適用される画像形成方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、感光体上に繰り返しカラー画像を形成した後に転写を行い画像を形成する方法や、感光体に形成された画像を逐次中間転写体等へ転写し、カラー画像を中間転写体等に形成した後に紙等の画像形成部材へ転写しカラー画像を形成する方法等が挙げられる。
本発明のカラートナーから得られる画像は色相、光堅牢性に優れ、またOHP画像として出力した場合は透明性に優れている。
本発明の光記録媒体を構成する基板としては、記録・再生に用いるレーザ光の波長領域(350〜900nm)において実質的に透明(透過率が80%以上)であることが必要とされる。基板を構成する材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリサルフォン樹脂、メチルペンテンポリマー等の透明性樹脂、ガラスなどが挙げられる。なお、基板の外表面、内表面、内・外周面には、必要に応じて酸素遮断性被膜が形成されていてもよい。また、記録層が形成される基板上には、トラッキング用のグルーブが形成されていることが好ましい。
本発明のアゾ染料を用いた記録層は、レーザ光の波長領域における消衰係数kが光記録媒体の記録層として好ましいものとなり、記録のために好適な光吸収性と再生のために好適な反射率とを兼ね備えたものとなる。ここに、レーザ光の波長領域における記録層の消衰係数kが過大である場合には、反射率の低下を招き、反射光による再生を十分良好に行うことができない。また、消衰係数kが過小である場合には、通常の記録パワーによって記録を行うことが困難となる。消衰係数kの好ましくは0.01から0.1である。一方、レーザ光の波長領域における記録層の屈折率n(複素屈折率の実部)としては1.8〜4.0であることが好ましい。
なお、本発明の光記録媒体を構成する記録層には、他の種類の色素化合物、各種樹脂、界面活性剤、帯電防止剤、分散剤、酸化防止剤、架橋剤などが含まれていてもよい。記録層は基板の一面上に形成されていてもよく、基板の両面上に形成されていてもよい。
基板上に記録層を形成するための方法としては特に限定されるものではなく、例えば、スピンコーティング法、浸せきコーティング法、スプレーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、ビードコーティング法、マイヤーコーティング法、カーテンコーティング法など各種の方法を適用することができる。また、記録層の形成にあたって用いる溶媒としては、例えばシクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、エチルセロソルブ等のエーテル系溶媒、アルコール系溶媒、トルエン等の芳香族系溶媒、ハロゲン化アルキル系溶媒などを挙げることができる。
記録層上には反射層が形成されていてもよい。反射層としては、例えば、Au、Al−Mg合金、Al−Ni合金、Ag、PtおよびCu等の反射率の高い金属を用い、蒸着、スパッタ等の手段によって形成することができる。反射層上には、例えば、紫外線硬化樹脂等からなる保護膜が形成されていてもよい。記録層と反射層の間には、これらを密着させるための接着層が設けられていてもよい。
本発明のアゾ染料を含有する記録層を有する光記録媒体は、良好な記録・再生特性を示し、特に光堅牢性に優れた記録・再生特性を示す。
本発明に係る感熱転写記録材料は、支持体上に本発明の染料をバインダーとともに塗設したインクシート、及び画像記録信号に従ってサーマルヘッドから加えられた熱エネルギーに対応して移行してきた染料を固定する受像シートから構成される。インクシートは、上記染料をバインダーと共に溶剤中に溶解することによって、あるいは溶媒中に微粒子状に分散させることによってインク液を調製し、該インクを支持体上に塗布して適宜に乾燥することにより形成することができる。用いることができるバインダー樹脂、インク溶媒、支持体、更には受像シートについては、例えば、特開平7−137466号公報に記載されたものを好ましく用いることができる。
該感熱転写記録材料をフルカラー画像記録が可能な感熱転写記録材料に適用するには、シアン画像を形成することができる熱拡散性シアン染料を含有するシアンインクシート、マゼンタ画像を形成することができる熱拡散性マゼンタ染料を含有するマゼンタインクシート、イエロー画像を形成することができる熱拡散性イエロー染料を含有するイエローインクシートを支持体上に順次塗設して形成することが好ましい。また、必要に応じて他に黒色画像形成物質を含むインクシートが更に形成されていてもよい。
本発明の感熱転写記録材料用インクシートを用いた画像は鮮やかな色相、優れた光堅牢性を示す。
カラーフィルターの形成方法としては、初めにフォトレジストによりパターンを形成し、次いで染色する方法、或いは特開平4−163552号、同4−128703号、同4−175753号等の各公報で開示されているように、着色剤を添加したフォトレジストによりパターンを形成する方法がある。本発明のアゾ染料をカラーフィルターに導入する場合に用いられる方法としては、これらのいずれの方法を用いてもよいが、好ましい方法としては、特開平4−175753号公報、同6−35182号公報に記載されている方法、即ち熱硬化性樹脂、キノンジアジド化合物、架橋剤、着色剤及び溶剤を含有してなるポジ型レジスト組成物を基体上に塗布後、マスクを通して露光し、該露光部を現像してポジ型レジストパターンを形成させ、上記ポジ型レジストパターンを全面露光し、次いで露光後のポジ型レジストパターンを硬化させることからなるカラーフィルターの形成方法を挙げることができる。また、常法に従いブラックマトリックスを形成させ、RGB原色系あるいはY.M.C補色系カラーフィルターを得ることができる。
この際使用する熱硬化性樹脂、キノンジアジド化合物、架橋剤、及び溶剤とそれらの使用量については、前記公開特許公報に記載されているものを好ましく使用することができる。本発明のカラートナーは色再現性、光堅牢性に優れている。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明の実施態様が実施例に限定されるものではない。
実施例1(水性インクの調製)
下記の成分に脱イオン水を加えて1Lとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した後、必要に応じてKOH、10mol/LにてpH=9に調整し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターを用いて加圧濾過して、インク液1を調製した。
(インク液1、2〜20の調製)
本発明のアゾ染料(例示染料1−2) 8.5g/L
ジエチレングリコール 150g/L
尿素 37g/L
グリセリン 130g/L
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 130g/L
トリエタノールアミン 6.9g/L
ベンゾトリアゾール 0.08g/L
サーフィノール465 10g/L
PROXEL XL 3.5g/L
アゾ染料を下記表1に示すように変更した以外は、インク液1の調製と同様にして、インク液2〜20を調製した。
(画像記録及び評価)
インク液1〜20を用いて、インクジェットプリンター(PM−700C、セイコーエプソン(株)製)で、コニカフォトジェットペーパーPhotolikeQP光沢紙(コニカミノルタフォトイメージング株式会社製)に画像を記録した。得られた画像について、耐光性、色調及び耐オゾンガス性を下記に記載の方法により評価した。
(耐光性)
記録直後の画像濃度D0を測定した後、ウェザーメーター(アトラスC.165)を用いて、画像にキセノン光(8万5千ルクス)を7日間照射した。再び画像濃度Dを測定し、キセノン光照射前後の画像濃度の差から色素残存率を算出し、評価した。
色素残存率(%)=D/D0×100
画像濃度は反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定した。色素残存率は反射濃度が1、1.5及び2.0の3点で測定した。評価結果を下記表1に示す。いずれの濃度においても色素残存率が80%以上の場合を○、2点が80%未満の場合を△、すべての濃度で80%未満の場合を×として示した。
(色調)
得られた画像について、10人のモニターによる目視評価で4段階評価による得点の平均点を算出した。2.3点以上であれば、実用上問題ない。
3点:濃く鮮やかな色と感じる
2点:鮮やかな色と感じる
1点あまり鮮やかな色と感じない
0点:汚い色と感じる
(耐オゾンガス性)
記録した直後の画像を、オゾンガス濃度が0.5ppmに設定されたボックス内に24時間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。尚、前記反射濃度は1、1.5及び2.0の3点で測定した。ボックス内のオゾンガス濃度はAPPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。何れの濃度でも色素残存率が70%以上の場合を○、1又は2点が70%未満を△、全ての濃度で70%未満の場合を×として三段階で評価した。
Figure 2005162855
Figure 2005162855
表1に示すように、本発明のインク液1〜15から得られたマゼンタ画像は、比較インク液16〜20から得られたマゼンタ画像よりも鮮明で、且つ耐光性及び耐オゾンガス性が優れていた。更に、インク液1〜15を用いて、インクジェットプリンター(PM−700C、セイコーエプソン(株)製)により、スーパーファイン専用光沢紙(MJA4S3P、セイコーエプソン(株)製)に画像を記録した得られた画像の色調と耐光性を評価したところ、いずれも表1と同様の結果が得られた。
実施例2
(インク液21、22〜35の調製)
本発明のアゾ染料(例示染料1−1)15g、ポリビニルブチラール(積水化学(株)製BL−S)15g、酢酸エチル150gをセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内をN2置換後、撹拌して上記ポリマー及びアゾ染料を完全に溶解させた。ラウリル硫酸ナトリウム6gを含む水溶液200gを滴下後、超音波分散機(UH−150型、株式会社エスエムテー製)を用いて、300秒間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、色素を含浸する着色微粒子分散物を得た。この分散液に0.45gの過硫酸カリウムを加えて溶解し、ヒーターを付けて70℃に加温後、更に6gのスチレン及び3gの2−ヒドロキシエチルメタクリレートの混合液を滴下しながら、7時間反応させてコア/シェル型の着色微粒子分散物を得た。得られた着色微粒子分散物をインク中の色素含有量が2質量%になる量を秤量し、これにエチレングリコール15%、グリセリン15質量%、サーフィノール465(日進化学工業社製)が0.3質量%、残りが純水になるように調製した後、更に2μmのメンブランフィルターで濾過して、ゴミ及び粗大粒子を除去してインク液21を調製した。
同様に表2記載の構成からなるインク22〜35を調製した。
Figure 2005162855
以下、用いたシェルとして添加した化合物を下記の通り表記する。
P:スチレン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート
Q:スチレン/ポリエチレングリコールメタクリレート
R:スチレン/n−ブチルメタクリレート/アクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート
表2に記載の粒径は、大塚電子製レーザー粒径解析システムを用いて行った体積平均粒子径である。
Figure 2005162855
(画像記録及び評価)
インク液21〜35を用いて、インクジェットプリンター(PM−700C、セイコーエプソン(株)製)で、コニカフォトジェットペーパーPhotolikeQP光沢紙(コニカミノルタフォトイメージング株式会社製)に画像を記録した。得られた画像について、耐光性、色調、及び耐オゾンガス性を下記に記載の方法により評価した。評価結果を表3に示す。
(色調)
記録した画像の390〜730nm領域のインターバル10nmによる反射スペクトルを測定し、これをCIE L***色空間系に基づいて、a*、b*を算出した。マゼンタとして好ましい色調を下記のように定義し、下記A、B、Cの三段階評価を行った。好ましいa*は76以上、好ましいb*:−30以上0以下である。
A:a*、b*ともに好ましい領域
B:a*、b*の一方のみ好ましい領域
C:a*、b*のいずれも好ましい領域外
(紙依存性)
前記コニカフォトジェットペーパーPhotolikeQP光沢紙に形成した画像と、別途にPPC用普通紙に形成した画像との色調を比較し、両画像間の差が小さい場合をA(良好)、両画像間の差が大きい場合をB(不良)として、二段階で評価した。
(耐水性)
前記画像を形成したコニカフォトジェットペーパーPhotolikeQP光沢紙を、1時間室温乾燥した後、30秒間水に浸漬し、室温にて自然乾燥させ、滲みを観察した。滲みが無いものをA、滲みが僅かに生じたものをB、滲みが多いものをCとして、三段階評価した。
(耐光性)
前記画像を形成したコニカフォトジェットペーパーPhotolikeQP光沢紙に、ウェザーメーター(アトラスC.I65)を用いて、キセノン光(85000lx)を3日間照射し、キセノン照射前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。尚、前記反射濃度は1、1.5及び2.0の3点で測定した。何れの濃度でも色素残存率が70%以上の場合をA、1または2点が70%未満をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとして、三段階評価した。
(耐オゾンガス性)
前記画像を形成したコニカフォトジェットペーパーPhotolikeQP光沢紙を、オゾンガス濃度が0.5ppmに設定されたボックス内に24時間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。尚、前記反射濃度は1、1.5及び2.0の3点で測定した。ボックス内のオゾンガス濃度はAPPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。何れの濃度でも色素残存率が70%以上の場合をA、1又は2点が70%未満をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとして、三段階評価した。
Figure 2005162855
表3に示すように、本発明のインク液21〜31から得られた画像は、発色性、色調に優れ、紙依存性が小さく、耐水性及び耐光性に優れるものであった。
更に、実施例1のインク液1〜15を用いて、インクジェットプリンター(BJ−F850C、CANON(株)製)のカートリッジに詰め、同様にて同社のフォト光沢紙GP−301に画像をプリントしたところ、表3と同様な結果が得られた。
実施例3
(カラートナーの製造:粉砕法)
ポリエステル樹脂100部、表4記載のアゾ染料8部、ポリプロピレン3部とを、混合、練肉、粉砕、分級し、平均粒径8.5μmの粉末を得た。更に、この粉末100部とシリカ微粒子(粒子径12nm、疎水化度60)1.0部とをヘンシェルミキサーで混合し、カラートナーを得た。
(カラートナーの製造:重合法)
純水200ml中にドデシル硫酸ナトリウム5gを溶解した水溶液中に、表4記載のアゾ染料20gを添加し、攪拌及び超音波を付与することにより、マゼンタ着色剤の水分散液と、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=3200)を熱を加えながら界面活性剤により固形分濃度が30質量%となるように水中に乳化させた乳化分散液を予め調製した。
上記染料分散液に低分子量ポリプロピレン乳化分散液60gを混合し、更にスチレンモノマー220g、n−ブチルアクリレートモノマー40g、メタクリル酸モノマー12g、及び連鎖移動剤として、t−ドデシルメルカプタン5.4g、脱気済み純水2000mlを追加した後に、窒素気流下にて攪拌を行いながら70℃にて3時間保持し、乳化重合を行った。
得られたマゼンタ染料含有樹脂微粒子の分散液1000mlに対して、水酸化ナトリウムを加えてpH=7.0に調整した後、2.7mol%塩化カリウム水溶液を270ml添加し、更にイソプロピルアルコール160ml、及びエチレンオキサイド平均重合度が10であるポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル9.0gを純水67mlに溶解せしめて添加し、75℃に保持して6時間攪拌して反応を行った。
得られた反応液を濾過・水洗し、更に乾燥・解砕して着色粒子を得、この着色粒子とシリカ微粒子(粒子径12nm、疎水化度60)1.0部とをヘンシェルミキサーで混合し、カラートナーを得た。
このトナー10部に対しキャリヤー鉄粉(商品名EFV250/400;日本鉄粉製)900部を均一に混合し現像剤とした。同様に、表4に示すアゾ染料を、3質量部使用した以外は同様にしてサンプルを調製した。これらの現像剤を用いて乾式普通紙電子写真複写機(商品名NP−5000;キャノン(株)製)で複写を行った。
(評価)
評価テストは、本発明のカラートナーを用いた現像剤によって上記画像形成方法により紙およびOHP上に、それぞれ反射画像(紙上の画像)および透過画像(OHP画像)を作製し、以下に示す方法で実施した。なお、トナー付着量は0.7±0.05(mg/cm2)の範囲で評価した。
得られた画像について、色相と光堅牢性を評価した。色相については、目視にて最良、良好及び不良の3段階で評価した。評価結果を下記表4に示す。
(色相)
○:色相が最良
△:色相が良好
×:色相が不良
光堅牢性については、記録した直後の画像濃度Ciを測定した後、ウェザーメーター(アトラスC.165)を用いて、画像にキセノン光(8万5千ルクス)を5日間照射した後、再び画像濃度Cfを測定し、キセノン光照射前後の画像濃度の差から色素残存率({(Ci−Cf)/Ci}×100%)を算出し、評価した。画像濃度は反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定した。評価結果を下記表4に示す。
(光堅牢性)
○:色素残存率が90%以上
△:色素残存率が90%未満〜80%
×:色素残存率が80%未満
(透明性)
OHP画像の透明性については下記方法にて評価した。日立製作所製「330型自記分光光度計」によりトナーが担持されていないOHP用シートをリファレンスとして画像の可視分光透過率を測定し、650nmでの分光透過率を求め、OHP画像の透明性の尺度とした。
○:分光透過率が80%以上
△:分光透過率が70%未満〜80%
×:分光透過率が70%以下
以上の結果を表4に示す。
Figure 2005162855
Figure 2005162855
表4から明らかなように、本発明のカラートナーを用いることにより忠実な色再現と高いOHP品質を示すので、本発明のカラートナーはフルカラートナーとして使用するのに適している。更に耐光性が良好なので長期にわたって保存ができる画像を提供することが可能である。
実施例4
(光記録媒体)
(a)光記録媒体の製造及び評価1
直径5インチのグルーブつきポリカーボネート基板上に本発明アゾ染料(1−7)を用いて記録層を塗布し、反射層(Au、厚さ1000Å)、保護膜(紫外線硬化樹脂、厚さ5μm)を定法にしたがって順次形成し、本発明の光記録媒体1を製造した。比較として、比較染料10を記録層に用いて同様に比較の光記録媒体1を製造した。反射率を測定したところ、光記録媒体1及び比較の光記録媒体1の両者とも70%以上を示した。これらの試料に633nmの半導体レーザによりパワーを変化させて情報記録し、0.8mWで再生を行った。また、キセノンフェードメータを使用し、7万ルクス、30時間の光曝射を行った後に同様の記録再生実験を行った。表5にその結果を示す。
(b)光記録媒体の製造及び評価2
上記本発明アゾ染料(1−7)の代わりに、本発明アゾ染料(1−28)を塗布液に添加して調製したほかは同様にして、本発明の光記録媒体2を製造した。この試料に633nmの半導体レーザによりパワーを変化させて情報記録し、0.8mWで再生を行ったこの試料に上記と同様に記録再生実験を行った。結果を表5に併せて示す。
Figure 2005162855
表5の結果から明らかなように、本発明の光記録媒体1及び2はDVD規格を満足する良好な記録・再生を行うことができた他、特に耐光性に優れた安定した記録・再生特性を有することが明らかとなった。
また、表5に記載した本発明アゾ染料の代わりに他の本発明アゾ染料(1−3、1−14、1−30)を用いた場合でも同様の結果を得た。
一方、比較の光記録媒体1はレーザの再生光で反射率が低下し、再生不良を起こした他、キセノンフェードメータによる光曝射でも記録できなくなる現象がみられた。
Figure 2005162855
実施例5
(感熱転写記録材料)
(インクシート1、2〜5の作製)
支持体として裏面に耐熱滑性処理が施された厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人製)を使用し、フィルムの表面上に下記組成の熱転写色素供与層用塗料組成物をワイヤーバーコーティングにより乾燥時の厚みが1.5μmとなるように塗布形成し、インクシート1を作製した。
色素供与層用塗料組成物
アゾ染料1−5 10ミリモル
ポリビニルブチラール樹脂(電気化学製デンカブチラール5000−A) 3g
トルエン 40ml
メチルエチルケトン 40ml
ポリイソシアネート(武田薬品製 タケネートD110N) 0.2ml
次に、上記染料1−5を表6に記載の他の染料に変えた以外は、上記と同様にして、本発明のインクシート及び比較用インクシート2〜5をそれぞれ作製した。
(受像材料の作製)
支持体として厚み150μmの合成紙(王子油化製YUPO−FPG−150)を用い、表面に下記受像層用塗料組成物をワイヤーバーコーティングにより乾燥時の厚さが8μmとなるように塗布して熱転写受像材料を作製した。乾燥はドライヤーで仮乾燥後、温度100℃のオーブン中で30分間行った。
受像層用塗料組成物
ポリエステル樹脂(東洋紡製バイロン−280) 22g
ポリイソシアネート(大日本インキ化学製KP−90) 4g
アミノ変性シリコーンオイル(信越シリコーン製KF−857) 0.5g
メチルエチルケトン 85ml
トルエン 85ml
シクロヘキサノン 15ml
(画像記録及び評価)
上記のようにして得られたインクシート1〜5と受像材料とを、色素供与層と受像層とが接するようにして重ね合わせ、色素供与材料の支持体側からサーマルヘッドを使用し、サーマルヘッドの出力0.25W/ドット、パルス巾0.15〜15ミリ秒、ドット密度6ドット/mmの条件で印字を行い、受像材料の受像層にマゼンタ色の染料を像状に染着させたところ、転写むらのない鮮明な画像記録が得られた。次に、上記のようにして得られた記録済の各熱転写受像材料を5日間、Xeライト(17000ルクス)で照射し、色像の光安定性(光堅牢性)を調べた。ステータスA反射濃度1.0を示す部分の照射後のステータスA反射濃度を測定し、照射前の反射濃度1.0に対する残存率(百分率)でその安定度を評価した。結果を表6に記した。
Figure 2005162855
Figure 2005162855
表6より、本発明のアゾ染料を用いたインクシートから受像層に転写された画像は色相が鮮であり、比較用の染料を用いた場合と比較して光堅牢性に優れていた。
実施例6
(カラーフィルター)
以下の方法でカラーフィルターを製造した。シリコンウエハーに熱硬化性樹脂、キノンジアジド化合物、架橋剤、染料及び溶剤を含むポジ型レジスト組成物をスピンコートし、加熱により溶剤を蒸発させた後、マスクを通して露光を行い、キノンジアジド化合物を分解させた。必要により、加熱後、現像してモザイクパターンを得た。露光は日立製作所(株)製i線露光ステッパーHITACHI LD−5010−i(NA=0.40)により行った。又、現像液は住友化学工業(株)製SOPD又はSOPD−Bを用いた。
(ポジ型レジスト組成物の調製)
m−クレゾール/p−クレゾール/ホルムアルデヒド(反応モル比=5/5/7.5)混合物から得られたクレゾールノボラック樹脂(ポリスチレン換算重量平均分子量4300)3.4質量部、下記構造で示されるフェノール化合物を用いて製造されたo−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル(平均2個の水酸基がエステル化されている)1.8質量部、ヘキサメトキシメチロール化メラミン0.8質量部、乳酸エチル20質量部及び表7に示す染料1質量部を混合してポジ型レジスト組成物を得た。
Figure 2005162855
(カラーフィルターの作製)
得られたポジ型レジスト組成物をシリコンウエハーにスピンコートした後、溶剤を蒸発させた。シリコンウエハーを露光後、100℃で加熱し、次いでアルカリ現像により露光部を除去して0.8μmの解像度を有するポジ型着色パターンを得た。これを全面露光後、150℃で15分加熱してマゼンタの補色系カラーフィルターを得た。
(比較用カラーフィルターの作製)
上記実施例で用いた本発明のアゾ染料に変えて、チバガイギー社製オラゾールピンク(マゼンタ染料)1質量部を混合してポジ型レジスト組成物を得た。このポジ型レジスト組成物をシリコンウエハーにスピンコートした後、溶剤を蒸発させた。シリコンウエハーを露光後、アルカリ現像して1μmの解像度を有するポジ型着色パターンを得た。これを全面露光後、150℃で10分加熱して比較用マゼンタカラーフィルターを得た。
(評価)
得られたマゼンタカラーフィルターの透過スペクトルを測定し、色再現上重要なスペクトルの短波側、長波側の切れを相対評価した。スペクトルを重ねて長波側、短波側共に切れが急峻の場合を○とし、どちらか一方のみが急峻の場合を△とし、どちらも急峻でない場合を×とし、三段階評価を行った。また、ウェザーメーター(アトラスC.I65)を用いて、キセノン光(85000lx)を7日間照射し、キセノン照射前後の画像濃度を測定し、色素残存率で光堅牢性を評価した。結果を表7に示した。
Figure 2005162855
表7に示される結果より、以下のことが明らかである。比較用カラーフィルターと比べて、本発明のアゾ染料を用いたカラーフィルターはスペクトルの短波側、長波側の切れが急峻であり、色再現性に優れる。また、比較染料に対し光堅牢性が優れている。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表されるアゾ染料を含有することを特徴とする着色組成物。
    Figure 2005162855
    (一般式(1)中、R1、R2及びRaは各々水素原子又は置換基を表す。Aは下記置換基の群から選ばれる置換されていてもよいアリール基またはヘテロ環基を表す。nは0〜2の整数を表す。)
    Figure 2005162855
    (置換基の群中、R3、R4、R5及びR6は各々水素原子又は置換基を表す。lは0〜4の、mは0〜3の、nは0〜2の整数を表す。)
  2. 請求項1に記載の着色組成物を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
  3. 支持体上に白色インクジェット記録媒体を含有するインク受容層を有する受像材料上に請求項2に記載のインクジェット記録用インクを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
  4. 請求項1に記載の着色組成物を含有することを特徴とするカラートナー。
  5. 請求項1に記載の着色組成物を含有する記録層を有することを特徴とする光記録媒体。
  6. 請求項1に記載の着色組成物を含有することを特徴とする感熱転写記録材料用インクシート。
  7. 請求項1に記載の着色組成物を含有することを特徴とするカラーフィルター。
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