JP2005162650A - C−ヌクレオシド又はc−ヌクレオチド - Google Patents
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Abstract
【課題】 メルカプト基を有する疑似塩基をヌクレオシド又はヌクレオチドに導入した非天然核酸を合成し、これらを組み込んだDNAは、天然のDNAにおけるプリン―ピリミジン塩基対の水素結合より結合力が強い共有結合であるジスルフィド結合で二重らせん構造を形成すること。本非天然核酸の DNA 配列内への導入は、熱に対する安定性を高めると共に、酸化還元条件によりジスルフィド結合の形成・解除を容易に行うことができ、転写、複製を制御し、遺伝子のメカニズムの解明に利用可能とする。
【解決手段】 一般式(I)[式中、R1、R2は、独立して、水酸基、カップリング基若しくは保護基を有する水酸基、リン酸基、又はカップリング基若しくは保護基を有するリン酸基示し、R3は、水素原子、又はメルカプト基の保護基を示す。]で表されるC−ヌクレオシド又はC−ヌクレオチド。
【化1】
【解決手段】 一般式(I)[式中、R1、R2は、独立して、水酸基、カップリング基若しくは保護基を有する水酸基、リン酸基、又はカップリング基若しくは保護基を有するリン酸基示し、R3は、水素原子、又はメルカプト基の保護基を示す。]で表されるC−ヌクレオシド又はC−ヌクレオチド。
【化1】
Description
本発明は、新規なC−ヌクレオシド又はC−ヌクレオチドや、その製造方法、新規なC−ヌクレオシド又はC−ヌクレイチドが組み込まれた一本鎖ポリヌクレオチドや二本鎖ポリヌクレオチドに関する。
近年、ヌクレオシド類やオリゴヌクレオチド類は、抗ウイルス活性等の生物活性成分として注目されており、合成ヌクレオシド類や合成オリゴヌクレオチド類の研究が行われている。抗ウイルス活性を有する合成ヌクレオシドとしては、例えば、2' −OH基がエタノール又はフルオロアルキル基によってエーテル化されたリボヌクレオシド類似化合物が知られており、この合成ヌクレオシドは医薬品として用いることができ、また、それを含むオリゴヌクレオチドは、核酸との相互反応のために有効な生物学的活性を有し、薬学的に活性な成分又は診断薬として使用し得ることが知られている(特許文献1参照。)。また、抗エイズ活性を有する合成ヌクレオシドとして、ビシクロヌクレオシド類縁体が知られており、例えば、ビシクロヌクレオシド類縁体を含有する核酸試薬(特許文献2参照。)や、3' −4' 架橋ヌクレオシド及びオリゴヌクレオチド類縁体を含有する核酸試薬(特許文献3参照。)や、N3' −P5' 結合を有する2' ,4' −BNAオリゴヌクレオチド(特許文献4参照。)や、2' ,5' −オリゴアデニル酸類縁体(特許文献5参照。)が提案されている。
また、天然DNAの塩基を機能性分子に置き換えることにより人工遺伝子制御に関連する遺伝子暗号を拡張する努力がなされており、金属を介する塩基対及び塩基内の疎水性相互作用に依存する二重らせん形成に関する研究について報告がなされている。チオール基を有する抗ウイルス活性を有する化合物としては、6−メルカプトプリンが知られており、この6−メルカプトプリンは、抗腫瘍剤、特に白血病治療剤として使用されている(非特許文献1参照。)。しかしながら、骨髄機能抑制、肝障害といった副作用が強く、安全域が狭いという難点があり、また、6−メルカプトプリンは水に不溶であるため、非経口投与ができず、経口投与した場合も、消化管から50%程度しか吸収されず、吸収効率が悪いという改善点があり、これを改良した6−メルカプトプリン誘導体及びその製法も提案されている(特許文献6,7参照。)。
一方、生理学的条件下で切断することができるジスルフィド結合を利用した、in situおよびin vivoでの組織内の実細胞中へのポリヌクレオチドや生理活性化合物の導入に関する研究も進められている。ジスルフィド結合を有した化合物としては、生理学的条件下で反応活性が高く、かつ酸化型グルタチオンよりも迅速に切断されるジスルフィド結合、またはチオールから構成され、その構成成分であるチオールの1つがグルタチオンよりも低いpKaを有するジスルフィド結合や、または遊離チオールからの分子内攻撃によって活性化されるジスルフィド結合が知られている(特許文献8参照)。このジスルフィド含有化合物によれば、ポリヌクレオチドや生物活性化合物と他の化合物とを結合したジスルフィド結合が還元されることにより、生体内でポリヌクレオチドや生物活性化合物を放出することが可能となった。
また、立体構造的なロックを提供するジスルフィド交差結合オリゴヌクレオチドに関するいくつかの報告があるが、天然のDNAにおいてプリン塩基−ピリミジン塩基の塩基対が水素結合で形成されるのに対し、酸化剤によりS−S結合が形成され、還元剤により2つのメルカプト基に解離する可逆的な共有結合であるジスルフィド結合を有する非天然DNAやRNAについては報告されていない。
特開平7−300493
特開2002−284793
特開2002−265489
特開2002−255990
特開2002−249497
特開平05−194518
特開平05-194517
特表2003−501440
クリニカル ファーマコロジー アンド セラピューティクス(Cli.Pharmacol.Ther.)、第9巻、第180〜194頁(1968年)
本発明の課題は、天然DNAの水素結合に由来する塩基対より結合力が強く、熱に対する安定化を高め、化学的安定化を高めると共に、酸化還元条件によりジスルフィド結合の形成・解除を容易に行うことができるジスルフィド結合を形成するDNAの構築を可能とするメルカプト基を有した疑似塩基を塩基部分に導入した非天然C−ヌクレオシドや、C−ヌクレオチドや、その製造方法を提供することにある。そして、DNA 配列内の一部、もしくは複数部分に導入した一本鎖ポリヌクレオチドや、ジスルフィド結合塩基対が形成された二重らせんの二本鎖ポリヌクレオチドを提供することである。これらを組み込んだDNAは、転写、複製を酸化剤還元剤と言う外部因子で制御するという新たな機能を付加したDNAの創成を行う。
本発明者は、第1に、ルイス酸(BF3及びEt2O複合体、SnCl4触媒存在下)存在下で、ベンジル基で保護されたチオフェノールと、3' ,5' −ジトルオイル−1' −α/β−メトキシ−2' −デオキシ−D−リボースとのフリーデルクラフツアルキル化カップリング反応を行い、3' ,5' −ジトルオイル−1' −β−(4−ベンジルチオ)フェニル−2' −デオキシ−D−リボースを高い収率(約65%)で得たが、バーチ還元(Birch reduction)、強酸条件等では生成物のフェニルチオ保護基は脱離されなかった。このため、式(VII)に示すように、メルカプトフェニル−β−C−ヌクレオシド(3)の合成のための出発原料として、ジフェニルジスルフィドを用いた。
ジフェニルジスルフィドはSnCl4(2当量)の存在下で、3' ,5' −ジトルオイル−1' −α/β−メトキシ−2' −デオキシ−D−リボース(1)と結合し、β−アノマー(2)がカラムクロマトグラフィー及び溶媒からの再結晶により、収率18%で得られた(i)。3つの保護基、即ち、2つのトルオイル基とフェニルスルフィニル基は、水素化アルミニウムリチウム触媒下で、1段階で脱保護され、1' −((4−メルカプト)フェニル−1' −イル)−β−2' −デオキシ−ヌクレオシド(3)を得た(収率 37%)(ii)。この化合物(3)の構造は1HNMR、13CNMR、1H−COSY、UVスペクトルより確認し、アノマー位の立体構造は1H−NOE解析により確認した。CD3ODにおけるメルカプトヌクレオシド(3)の1HNMRデータ、13CNMRデータをそれぞれ図1(a)、(b)に、1H−COSYのデータを図2に、1H、4H、2αH、2βHのNOE測定データをそれぞれ図3(a)〜(d)および表1に、UVスペクトルを図4に示す。βアノマーは、1HNMRのδ5.09ppm付近に生ずる二つのダブルレット(J=5.4、10.7Hz)として表れる1' Hを示した。この1' H−2' Hのカップリング定数の傾向は関連するβ−C−ヌクレオシドとして報告されている同様のカップリング定数と一致していた。NOE効果は、測定結果から、表1に示すように、1' Hの共鳴周波数の照射は4' H(5.1%)と2' H−α(3.0%)においてNOEを増大させた。同様に、2' H−βにおける共鳴周波数の照射は3' H(7.1%)においてNOEを増大させ、2' H−αの共鳴周波数の照射は1' H(9.1%)においてNOEを増大させた。
この求電子置換反応の位置選択性は、1HNMRスペクトルにおける化合物(3)のフェニル基のプロトンの多重度によって確認された。塩基のフェニル基の2つのプロトンはそれぞれδ7.23ppmと、7.25ppmの2つの二重線信号を示した。カップリング定数J値はそれぞれ12.2Hzと11.8Hzであり両者はカップリングしていた。ジフェニルジスルフィドにおけるS−S基に対するフェニル基のパラ位がリボースの1' β位を攻撃することにより、フェニルジスルフィド基はC−ヌクレオシドに対してパラ位に位置した。メルカプトフェニル−β−C−ヌクレオシド(3)は、更に、核酸合成のためメルカプト基の保護のためS−ベンゾイル化され、1' −((4−ベンゾイルチオ)フェニル−1−イル)−β−2' −デオキシ−ヌクレオシド(5)(収率71%)とした(iv)後、同様に水酸基の保護として5' −O−ジメトキシトリチル化し、1' −((4−ベンゾイルチオ)フェニル−1−イル)−5' −ジメトキシトリチル−β−2' −デオキシ−ヌクレオシド(6)(収率71%)(v)とした。得られたヌクレオシド(6)は3' −O−リン酸化し、2−シアノエチルホスホラミチド(収率89%)(7)を得た(vi)。このメルカプトフェニル−β−C−ヌクレオチドからのオリゴヌクレオチドの合成は、通常の自動DNA合成手段により行なった。
一方、メルカプトヌクレオシド(3)の二量化は、メルカプトヌクレオシド(3)の1%過酸化水素のメタノール液のTLC(薄膜クロマトグラフィー CHCl3−MeOH=4:1)で追跡した。二量体(4)のRf値(移動率)(0.14)は単量体(3)のRf値(0.34)より低かった。30分後、単量体(3)のTLCのスポットは消失し、減圧下溶媒を除去した。粗生成物はクロマトグラフィーと、水からの再結晶により精製し、二量体(4)を得た(iii)。二量体(4)における塩基のフェニル基のプロトン(2つの二重線)に見られる電子密度の低減からジスルフィド二量体の形成が1HNMRスペクトルにより示された(モノマーとの比較においてδ0.13、0.20ppm)。フェニル基のプロトンの化学シフトは塩基からジスルフィド結合へπ共役が拡張していることを示している。電子衝撃イオン化法による質量分析でも二量体(4)の形成を明かにした。
更に、本発明者は、15量体の二本鎖中の非自己相補性のメルカプトヌクレオシド(3)(S塩基ヌクレオシド)の安定性と対合性について熱変成実験から検討した。被検体の二本鎖の熱変成はUV融解曲線により決定し、熱変成が生じる該当温度Tmを表2に示す。還元剤(メルカプトエタノール)の存在下、天然のオリゴヌクレオチドの二本鎖a−b が融点(Tm)43℃であるのに対し、天然塩基対からなる二本鎖 a−b におけるA−T塩基対をそれぞれメルカプトヌクレオシドで置換した二本鎖 c−d は融点(Tm)33℃であった。メルカプト基は非相補性の状態では二本鎖構造を不安定化する。これは二本鎖 a−d において融点(Tm)32℃であることからも示される。更に、メルカプトエタノールの存在は二本鎖 a−b、a−d、a−f の融点(Tm)に影響を及ぼさなかった。
還元剤(メルカプトエタノール)の非存在下、二本鎖 c−d は融点(Tm)73℃であった。二本鎖 a−b が還元剤に対して安定性を有することは天然塩基対からなる二本鎖 a−b にとっては意義のあることである。この結果から対向するメルカプト基が空気酸化により相互に結合してジスルフィド結合が形成されることが示唆された。ジスルフィド結合は共有結合であり、結合したメルカプト塩基対は水素結合により形成される天然A−T塩基対より強い相互作用を有する。このことは、二本鎖c −d の融点が二本鎖 a−b のそれより高いことからも確認できた。末端から2つ目にメルカプトヌクレオシドを含む二本鎖 e−f も還元剤の存在下で融点(Tm)39℃であるのに対し、還元剤の非存在下では高い融点(Tm)70℃を有する。ジスルフィド結合が形成されない二本鎖 a−f はメルカプトエタノール存在下と不存在下とでほぼ同じ融点(Tm)(各Tmは37℃、38℃)を有することからもジスルフィド結合が形成されると、熱安定性が増大することが示された。
また、円二色性(CD)分光計を用いて、DNAに組み込まれたメルカプトヌクレオシドのらせん構造を調べた(図5)。種々の条件下における二本鎖 c−d、二本鎖 e−f のCDスペクトルは、A−T対の二本鎖 a−c と同様の形状を示した。しかしながら、還元剤不存在下では、メルカプトヌクレオシドを中央に有する二本鎖 c−d は、二本鎖 a−b と比較して、275nmにおけるコットン効果の山が高く、247nmにおけるコットン効果の谷が浅いことを示した。メルカプトエタノールの存在下で、二本鎖C−Dは275nmにおけるコットン効果の山と247nmにおけるコットン効果の谷は二本鎖 a−b と同じであった。このことから、ジスルフィド塩基対はDNAの構造を全体的に変えてはいないことがわかった。
以上から、新規なメルカプトヌクレオシドの合成とオリゴペプチドに組み込まれたジスルフィド塩基対の性質が明かになった。ジスルフィド塩基対は二本鎖内で形成され、二本鎖の熱安定性を顕著に増大させる。本発明者は二本鎖に組み込まれたジスルフィド塩基対は新たな遺伝子コードや、ヌクレオチド転写制御等の機能性を有するものとして使用できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(I)
また本発明は、一般式(III)
さらに本発明は、一般式(I)
本発明のC−ヌクレオシド又はC−ヌクレオチドは、共有結合により相補的に結合しジスルフィド結合を形成するメルカプト基を有する塩基を導入し、天然DNAの二重らせん構造や、部分的二本鎖を形成したRNAのヘアピン構造を形成するプリン塩基―ピリミジン塩基対の水素結合よりその結合力が強いジスルフィド結合により、安定化、特に熱に対する安定化を高めると共に、酸化還元条件によりジスルフィド結合の形成、解除を容易に行うことができる。かかるC−ヌクレオシド又はC−ヌクレオチドを組み込んだ一本鎖ポリヌクレオチドや二本鎖ポリヌクレオチドは、天然対のDNAやRNAより安定化、特に熱に対する安定化を高めることができ、酸化還元条件を変化させることにより、即ち外部因子によりジスルフィド結合を可逆的に進行させ、安定性を制御することができる。このような新たな機能を付加したDNAやRNAの利用を図り、生物学的に有用な遺伝子制御の道を拓くことを可能にする。
本発明のC−ヌクレオシド又はC−ヌクレオチドは、一般式(I)
上記一般式(I)におけるR1、R2が示すカップリング基若しくは保護基を有する水酸基におけるカップリング基若しくは保護基は、核酸合成の際に目的とするカップリング反応に関与するカップリング基、あるいはカップリング反応に関与するのを抑制する基であればいずれのものであってもよいが、水酸基の保護基としてはジメトキシトリチル基であることが好ましい。また、一般式(I)におけるR1、R2が示すカップリング基若しくは保護基を有するリン酸基は、核酸合成の際に目的とするカップリング反応に関与するカップリング基、あるいはカップリング反応に関与するのを抑制する基を有するリン酸基であればいずれのものであってもよいが、一般式(II)
ここで、一般式(I)中、R1、R2が共に水酸基又は保護基を有する水酸基を示す場合、ヌクレオシドとなり、いずれか一方がリン酸基又は保護基を有するリン酸基を示す場合、ヌクレオチドとなる。
一般式(I)中、R3〜R7のいずれかが示すメルカプト基の保護基は、核酸合成の際に目的とするカップリング反応に関与するカップリング基、あるいはカップリング反応に関与するのを抑制する基、また、デオキシリボースのR1、R2が示す水酸基に、カップリング基若しくは保護基を導入する際、反応に関与するのを抑制する基、また、デオキシリボースにR1、R2が示すリン酸基又はカップリング基若しくは保護基を有するリン酸基を導入する際、反応に関与するのを抑制する基であればいずれのものであってもよいが、メルカプト基の保護基としてはベンゾイル基、ターシャリーブチル基、2−ニトロフェニルスルフィド基、カルバメート、エステル、アミド等であることが好ましい。かかる保護基を有するメルカプト基や、メルカプト基はR3〜R7のうち1つのみならず複数が示していてもよい。
また、一般式(I)におけるR3〜R7が示すアルキル基としては、具体的に、メチル基、エチル基、n−プロピル基等を挙げることができ、R3〜R7が示すアシル基としては、具体的に、アセチル基、プロピオニル基等を挙げることができ、R3〜R7が示すアルコキシ基としては、具体的に、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等、その他水素原子、フッ素原子等を挙げることができる。
かかる一般式(I)で表されるヌクレオシドとしては、β−ヌクレオシドが好ましく、具体的には、1' −β−(4−メルカプトフェニル−1−イル)−2' −デオキシ−D−リボース、1' −β−(4−(ベンゾイルチオ)−フェニル−1−イル)−2' −デオキシ−D−リボース、1' −β−(4−(ベンゾイルチオ)−フェニル−1−イル)−5' −(4,4' −ジメトキシトリチル)−2' −デオキシ−D−リボースを挙げることができ、一般式(I)で表されるヌクレオチドとしては、具体的には、1' −β−(4−(ベンゾイルチオ)−フェニル−1−イル)−5' −(4,4' −ジメトキシトリチル)−2' −デオキシ−D−リボース−3−ホスホラミダイト、1' −β−(4−(ベンゾイルチオ)−フェニル−1−イル)−5' −(4,4' −ジメトキシトリチル)−2' −デオキシ−D−リボース−3' −(シアノエチル−N,N' −ジイソプロピルホスホラミダイト)等を挙げることができる。
本発明のC−ヌクレオシドの製造方法は、一般式(III)
上記一般式(III)中、R10、R11が示すヌクレオシド合成のための保護基を有する水酸基としては、アリールチオールとの反応において反応に関与するのを抑制するものであれば、いずれのものであってもよいが、かかる水酸基の保護基としては、トルオイル基であることが、保護基の除去が容易なため好ましい。また、一般式(III)中、R12が示すヌクレオシド合成のための保護基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子が好ましく、アリールチオールとの結合を形成するものであり、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基等を挙げることができ、これらのうちメトキシ基がより好ましい。
また、一般式(III)で表されるデオキシリボース系化合物と反応するアリールチオールを表す一般式(IV)中、R13〜R18が示すヌクレオシド合成のためのメルカプト基の保護基は、デオキシリボース系化合物の官能基との反応に関与するのを抑制するものであればいずれのものであってもよいが、フェニルチオ基であることが、デオキシリボース系化合物の水酸基の保護基の脱保護と同時に脱保護が可能なため好ましい。かかるヌクレオシド合成のための保護基を有するメルカプト基はR13〜R18のうち1つのみならず複数であってもよい。また、一般式(IV)中、R13〜R18のうち保護基を有するメルカプト基を示す基の残りのR13〜R18が示す、アルキル基、アシル基、アルコキシ基としては、上述の一般式(I)におけるR4〜R7が示すアルキル基、アシル基、アルコキシ基と同様のものを具体的に挙げることができ、また、一般式(IV)中、R13〜R18のうち保護基を有するメルカプト基を示す基の残りのR13〜R18は、その他水素原子、フッ素原子を示す。
一般式(III)で表されるデオキシリボース系化合物と、一般式(IV)で表されるアリールチオールとの反応において用いられるカップリング剤は、ルイス酸であることが好ましい。ルイス酸触媒としては、四塩化スズ等を具体的に例示することができる。かかる触媒の使用量としては、1〜3当量、好ましくは2当量前後とすることができる。またこの反応において用いられる溶媒としては、ジクロロメタン、ジクロロエタン等を挙げることができる。反応は−30〜0℃、好ましくは−20℃前後で5〜10時間等、好ましくは8時間前後行うことができる。
上記反応により得られる生成物は一般式(V)で表される化合物であり、式中、R10及びR11は、一般式(III)におけるR10及びR11とそれぞれ同じ基を示し、R13〜R15、R17、R18は、一般式(IV)におけるR13〜R15、R17、R18とそれぞれ同じ基を示す。更に、本発明のC−ヌクレオシドの製造方法は、一般式(V)で表される化合物を溶媒中で水素化リチウムアルミニウムと接触させることにより、式中、R10、R11、における水酸基の保護基、及びR13〜R15、R17、R18のいずれかが示すメルカプト基における保護基の総ての保護基を脱保護し、一般式(VI)で表されるC−ヌクレオシドを得る工程を有する。一般式(VI)中、R13〜R15、R17、R18は、一般式(V)におけるR13〜R15、R17、R18とそれぞれ同じ基を示す。但し、これらのうち、一般式(V)においてヌクレオシド合成のための保護基を有するメルカプト基を示す基は、脱保護されたメルカプト基を示す。かかる反応において使用する試薬としては、具体的に水素化リチウムアルミニウム、ソディウムボロハイドライド等を挙げることができる。かかる試薬の使用量としては、3〜6当量、好ましくは5当量前後とすることができる。使用可能な溶媒としては、THF等エーテル系溶媒、THF−アルコール混合溶媒等を挙げることができる。反応は0〜50℃、好ましくは室温で0.5〜2時間、好ましくは1時間前後行うことができる。
本発明の一本鎖ポリヌクレオチドは、一般式(I)
本発明の一本鎖ポリヌクレオチドを製造するには、本発明のC−ヌクレオシドの製造方法により得られる一般式(VI)で表される化合物においてメルカプト基に保護基、例えば、ベンゾイル基、ターシャリーブチル基、2−ニトロフェニルスルフィド基等の保護基を導入する。メルカプト基へのベンゾイル基の導入は一般式(VI)で表される化合物をジイソプロピルエチルアミン等と共にテトラヒドロフラン溶液とし、この溶液にベンゾイルクロリドを窒素雰囲気下、氷浴して添加した後、室温で反応させることができる。反応は、0〜40℃等、好ましくは室温で、0.5〜3時間、好ましくは1時間前後等行なうことができる。生成物は公知の方法で精製することができる。
メルカプト基の保護基を導入した後、ヌクレオシドの水酸基のうちリン酸エステルとしない水酸基について保護基を導入する。かかる水酸基の保護基としては、4,4' −ジメトキシトリチル基(DMTr)等を挙げることができる。ヌクレオシドの水酸基への4,4' −ジメトキシトリチル基の導入は、ヌクレオシドをピリジン溶液とし、この溶液に、アルゴン雰囲気下、0〜40℃等、好ましくは室温で固体の4,4' −ジメトキシトリチルクロリドを添加し、0.5〜3時間、好ましくは1時間前後等反応を行なうことができる。
ヌクレオシドの水酸基のうちリン酸エステルとしない水酸基を保護した後、保護基が導入されていない水酸基のリン酸エステル化によりC−ヌクレオチドを得る。ヌクレオシドのリン酸エステル化は、リン酸化を目的としない水酸基を保護したヌクレオシドをジクロロメタン等の溶媒中でリン酸化化合物、例えば、2−シアノエチル−N,N' −ジイソプロピルクロロホスホラミダイト等のホスホラミダイトを作用させ、保護基が導入されていない水酸基をリン酸エステル基とし、C−ヌクレオチドを得ることができる。
本発明のC−ヌクレオシドから二量体を生成するには、1−β−(4−メルカプトフェニル−1−イル)−2−デオキシ−D−リボース(3)等の一般式(I)で表されるC−ヌクレオシドを溶解した溶液、例えばメタノール溶液に、過酸化水素水溶液を氷浴中に添加して反応させる方法、ヨウ素酸化、酸素酸化等を挙げることができる。
また、本発明の一本鎖ポリヌクレオチドや二本鎖ポリヌクレオチドは、本発明のC−ヌクレオシド又はC−ヌクレオチドを用いて公知の方法により製造することができ、かかるポリヌクレオチドとしてはDNAやRNAを好適に例示することができる。本発明の二本鎖ポリヌクレオチドは酸化還元条件を変化させることにより、二本鎖の対向する位置に組み込まれた本発明のC−ヌクレオシド又はC−ヌクレオチドにおいてジスルフィド結合が容易に形成・解除される。ジスルフィド結合が形成された二本鎖ポリヌクレオチドは、水素結合によるプリン塩基−ピリミジン塩基対と比較して、共有結合の存在により、安定性、特に熱に対する安定性が増大する。また、二本鎖DNAの場合、転写、複製において、それが阻害されることにより、遺伝子のメカニズムの解明に利用することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
全ての溶液及び試薬は、試薬グレードの品質であり、さらなる精製をせずに用いた。TLC分析は、シリカゲル(silica gel 60 F254 1.05554(Merck社製)を用いて行った。カラムクロマトグラフィーは、Wakogel C-300(silica gel, 和光純薬工業社製)又はSilica gel 60N(関東化学株式会社製)を用いて行った。1H、13C、COSY及びNOE NMRスペクトルは、JEOL(日本電子社製) EX 400 分光計(1Hでは400.0MHz、13Cでは100.4MHz)を用いて記録した。スペクトルは、クロロホルム−d3又はCD3OD−d4中におけるテトラメチルシラン(TMS)を基準とした。化学シフト(σ)は、ppmで表示し、多重度を、それぞれs(1重線)、d(2重線)、t(3重線)、q(4重線)、m(多重線)及びbr(ブロード)と表示した。結合定数Jを、Hzで示し、EIMS及びFABMSは、それぞれKRATOS CONCEPT IS(島津製作所社製)及びVoyager DE-STR(Applied Biosystems社製)で測定した。UVスペクトルは、1cm石英セル中で、UV 2100分光計(spectrometer)(島津製作所社製)を用いて測定した。CDスペクトルは、1cmの歪のない(strain-free)石英セル中で、JASCO J-725 分光偏光計(日本分光社製)を用いて測定した。
[1−β−(4−(フェニルジチオ)−フェニル−1−イル)−3,5−ジトルオイル−2−デオキシ−D−リボース(2)の調製]
ジフェニルスルフィド218mg(1mmol)と3,5−ジトルオイル−1−α/β−メトキシ−2−デオキシ−D−リボース192.2mg(0.5mmol)をジクロロメタン2mLに溶解し、−20℃、アルゴン雰囲気下に保った。塩化スズ(SnCl4)175.2μL(d=2.23、1.5mmol)を加えて反応を開始し、−20℃、アルゴン雰囲気下で攪拌した。8時間で反応は終了し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLを加えて反応を停止し、20mLのジクロロメタンで2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で2回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで有機層を乾燥し、ろ過、エバポレートした。シリカゲルクロマトグラフィーを行い(溶離液 へキサン:酢酸エチル=5:1)、メタノールから再結晶し、目的とする化合物を無色の針状結晶50mg(収率18%)を得た。
1H NMR(CDCl3):σ2.20(1H,m),2.40(3H,s),2.43(3H,s),2.49(1H,J=9.3,14.1Hz,dd),4.52(1H,m),4.63(2H,m),5.21(1H,J=5.1,11.2Hz,dd),5.59(1H,J=6.4Hz,d),7.27(9H,m),7.46(4H,m),7.94(4H,J=8.3,24.0Hz,dd)。
13C NMR(CDCl3):σ21.7,21.7,41.7,64.7,80.3,83.0,126.7,126.9,127.0,127.2,127.5,127.6,127.7,127.8,129.2,129.5,129.7,136.6,136.9,143.9,144.2,166.1,166.4;FABMS m/e 571(M+H)+;Anal. Calcd for C33H30O5S2:69.45;H,5.30;N,0.00;S,11.24。Found:C,69.45;H,5.26;N,0.00;S,11.18。
ジフェニルスルフィド218mg(1mmol)と3,5−ジトルオイル−1−α/β−メトキシ−2−デオキシ−D−リボース192.2mg(0.5mmol)をジクロロメタン2mLに溶解し、−20℃、アルゴン雰囲気下に保った。塩化スズ(SnCl4)175.2μL(d=2.23、1.5mmol)を加えて反応を開始し、−20℃、アルゴン雰囲気下で攪拌した。8時間で反応は終了し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLを加えて反応を停止し、20mLのジクロロメタンで2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で2回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで有機層を乾燥し、ろ過、エバポレートした。シリカゲルクロマトグラフィーを行い(溶離液 へキサン:酢酸エチル=5:1)、メタノールから再結晶し、目的とする化合物を無色の針状結晶50mg(収率18%)を得た。
1H NMR(CDCl3):σ2.20(1H,m),2.40(3H,s),2.43(3H,s),2.49(1H,J=9.3,14.1Hz,dd),4.52(1H,m),4.63(2H,m),5.21(1H,J=5.1,11.2Hz,dd),5.59(1H,J=6.4Hz,d),7.27(9H,m),7.46(4H,m),7.94(4H,J=8.3,24.0Hz,dd)。
13C NMR(CDCl3):σ21.7,21.7,41.7,64.7,80.3,83.0,126.7,126.9,127.0,127.2,127.5,127.6,127.7,127.8,129.2,129.5,129.7,136.6,136.9,143.9,144.2,166.1,166.4;FABMS m/e 571(M+H)+;Anal. Calcd for C33H30O5S2:69.45;H,5.30;N,0.00;S,11.24。Found:C,69.45;H,5.26;N,0.00;S,11.18。
[1' −β−(4−メルカプトフェニル−1−イル)−2' −デオキシ−D−リボース(3)の調製]
三口フラスコに水素化リチウムアルミニウム0.524g(13.8mmol)を秤量し、乾燥テトラヒドロフラン(THF)50mLに溶解した1−β−(4−(フェニルジチオ)−フェニル−1−イル)−3,5−ジトルオイル−2−デオキシ−D−リボース(ビストルオイルエステル(2))1.58g(2.76mmol)を加えて室温、アルゴン雰囲気下で反応を行った。1時間で反応は終了し、1N希硫酸で反応を停止し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を集め、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過、エバポレートした。シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール 9:1)で精製し、水から再結晶させ、目的とする化合物の無色針状結晶0.231g(収率37%)を得た。
1H NMR(CDCl3):σ1.90(2H,J=9.3,14.1,ddd),2.15(1H,J=2.4,5.1,5.1Hz,ddd),4.3(1H,J=6.1,10.8,12.7Hz,ddd),3.65(2H,m),3.91(1H,10.7Hz,dd),7.23(1H,J=12.2Hz,d),7.25(1H,J=11.8Hz,d),13C NMR(CD3OD):σ44.9,64.1,74.5,81.3,89.2,128.0,129.9,130.5,132.2,140.4;EIMS m/e 226[M]+;Anal. Calcd for C11H14O3S:C,58.38;H,6.24;N,0.00;S,14.17。Found:C,58.25;H,6.18;N,0.00;S,14.18。
ε260:7080cm-1M-1(10mM リン酸ナトリウム溶液、10mM NaCl pH7.0)。
三口フラスコに水素化リチウムアルミニウム0.524g(13.8mmol)を秤量し、乾燥テトラヒドロフラン(THF)50mLに溶解した1−β−(4−(フェニルジチオ)−フェニル−1−イル)−3,5−ジトルオイル−2−デオキシ−D−リボース(ビストルオイルエステル(2))1.58g(2.76mmol)を加えて室温、アルゴン雰囲気下で反応を行った。1時間で反応は終了し、1N希硫酸で反応を停止し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を集め、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過、エバポレートした。シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール 9:1)で精製し、水から再結晶させ、目的とする化合物の無色針状結晶0.231g(収率37%)を得た。
1H NMR(CDCl3):σ1.90(2H,J=9.3,14.1,ddd),2.15(1H,J=2.4,5.1,5.1Hz,ddd),4.3(1H,J=6.1,10.8,12.7Hz,ddd),3.65(2H,m),3.91(1H,10.7Hz,dd),7.23(1H,J=12.2Hz,d),7.25(1H,J=11.8Hz,d),13C NMR(CD3OD):σ44.9,64.1,74.5,81.3,89.2,128.0,129.9,130.5,132.2,140.4;EIMS m/e 226[M]+;Anal. Calcd for C11H14O3S:C,58.38;H,6.24;N,0.00;S,14.17。Found:C,58.25;H,6.18;N,0.00;S,14.18。
ε260:7080cm-1M-1(10mM リン酸ナトリウム溶液、10mM NaCl pH7.0)。
[1' −β−(4−メルカプトフェニル−1−イル)−2' −デオキシ−D−リボース(3)のジスルフィド二量体(4)の調製]
1' −β−(4−メルカプトフェニル−1−イル)−2' −デオキシ−D−リボース(3)50.0mg(0.221mmol)のメタノール2mL溶液に、30%過酸化水素水溶液66μL(終濃度1%)を3分以上かけて滴下して加えた。30分後、反応混合物をエバポレートし、粗生成物をクロマトグラフィー(CHCl3−MeOH(4:1))を用いて精製した。得られた無色固体を水から再結晶し、無色針状結晶として目的とする化合物を得た(0.011g、20%)。
1H NMR(CD3OD):σ1.90(1H,m),2.17(1H,J=5.4,13.2Hz,dd),3.64(2H,J=4.9Hz,d),3.92(1H,br),4.29(1H,br),5.09(1H,J=5.4,10.7Hz,dd),7.36(1H,J=8.3Hz,d),7.45(1H,J=7.8Hz,d);EIMS m/e 450[M]+;Anal. Calcd for C22H26O6S2:C,58.64;H,5.82;N,0.00;S,14.23。Found:C,57.88;H,5.62;N,0.00;S,14.02。
1' −β−(4−メルカプトフェニル−1−イル)−2' −デオキシ−D−リボース(3)50.0mg(0.221mmol)のメタノール2mL溶液に、30%過酸化水素水溶液66μL(終濃度1%)を3分以上かけて滴下して加えた。30分後、反応混合物をエバポレートし、粗生成物をクロマトグラフィー(CHCl3−MeOH(4:1))を用いて精製した。得られた無色固体を水から再結晶し、無色針状結晶として目的とする化合物を得た(0.011g、20%)。
1H NMR(CD3OD):σ1.90(1H,m),2.17(1H,J=5.4,13.2Hz,dd),3.64(2H,J=4.9Hz,d),3.92(1H,br),4.29(1H,br),5.09(1H,J=5.4,10.7Hz,dd),7.36(1H,J=8.3Hz,d),7.45(1H,J=7.8Hz,d);EIMS m/e 450[M]+;Anal. Calcd for C22H26O6S2:C,58.64;H,5.82;N,0.00;S,14.23。Found:C,57.88;H,5.62;N,0.00;S,14.02。
[1' −β−(4−(ベンゾイルチオ)−フェニル−1−イル)−2' −デオキシ−D−リボース(5)の調製]
1' −β−(4−メルカプトフェニル−1−イル)−2' −デオキシ−D−リボース(3)118mg(0.520mmol)とジイソプロピルエチルアミン134mg(1.04mmol)とを溶解したTHF3mL溶液に、ベンゾイル塩酸80.4mg(0.572mol)を、窒素雰囲気下、氷浴中で、10分以上かけて滴下した。反応混合物を室温で1時間攪拌し、1mLのメタノールを加えて反応を停止した。この混合物に、ジクロロメタン30mLを加えた、水30mLで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液を、濾過、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液CHCl3−MeOH(9:1))で精製した。目的物を、トルエンから再結晶させ、無色針状結晶122g(71%)を得た。
1H NMR(CD3Cl3):σ1.94(2H,br),2.06(1H,J=4.6,6.3,19.5Hz,ddd),2.37(1H,J=1.5,5.9,13.2Hz,ddd),3.82(2H,m),4.02(1H,m),4.42(1H,br),5.22(1H,J=5.6,10.3Hz,dd),7.47(6H,m),7.62(1H,J=7.3,7.3Hz,t),8.03(2H,J=7.3Hz,d);13C NMR(CDCl3):σ44.1,63.4,73.8,79.6,87.4,126.5,126.8,127.5,128.8,133.7,135.2,135.2,136.6,142.2,190.3;EIMS m/e 330[M]+;Anal. Calcd for C18H18O4S:C,65.43;H,5.49;N,0.00;S,7.91。Found:C,65.28;H,5.44;N,0.00;S,9.87。
1' −β−(4−メルカプトフェニル−1−イル)−2' −デオキシ−D−リボース(3)118mg(0.520mmol)とジイソプロピルエチルアミン134mg(1.04mmol)とを溶解したTHF3mL溶液に、ベンゾイル塩酸80.4mg(0.572mol)を、窒素雰囲気下、氷浴中で、10分以上かけて滴下した。反応混合物を室温で1時間攪拌し、1mLのメタノールを加えて反応を停止した。この混合物に、ジクロロメタン30mLを加えた、水30mLで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液を、濾過、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液CHCl3−MeOH(9:1))で精製した。目的物を、トルエンから再結晶させ、無色針状結晶122g(71%)を得た。
1H NMR(CD3Cl3):σ1.94(2H,br),2.06(1H,J=4.6,6.3,19.5Hz,ddd),2.37(1H,J=1.5,5.9,13.2Hz,ddd),3.82(2H,m),4.02(1H,m),4.42(1H,br),5.22(1H,J=5.6,10.3Hz,dd),7.47(6H,m),7.62(1H,J=7.3,7.3Hz,t),8.03(2H,J=7.3Hz,d);13C NMR(CDCl3):σ44.1,63.4,73.8,79.6,87.4,126.5,126.8,127.5,128.8,133.7,135.2,135.2,136.6,142.2,190.3;EIMS m/e 330[M]+;Anal. Calcd for C18H18O4S:C,65.43;H,5.49;N,0.00;S,7.91。Found:C,65.28;H,5.44;N,0.00;S,9.87。
[1' −β−(4−(ベンゾイルチオ)−フェニル−1−イル)−5' −(4,4'−ジメトキシトリチル)−2' −デオキシ−D−リボース(6)の調製]
1' −β−(4−(ベンゾイルチオ)−フェニル−1−イル)−2' −デオキシ−D−リボース(5)42.7mg(0.189mmol)を無水ピリジン3mLにより3回エバポレートした。固体を無水ピリジン1mL中に溶解した。アルゴン雰囲気下で、4,4' −ジメトキシトリチルクロリド(DMTrCl)95.9mg(0.283mmol)を攪拌溶液中に加え、室温で継続して攪拌した。1時間の反応の後、エタノール0.5mLを加え反応を停止させた。混合物を氷冷した水10mLに注ぎ、15mLのジクロロメタンで3回抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。ヘキサン:酢酸エチル(3:1)を用いたシリカゲルカラムで精製し、黄色の発泡体の目的の化合物(6)84.8mg(収率71%)を得た。
1H NMR(CD3Cl3):σ2.01(2H,br),2.22(1H,J=1.8,7.4,14.7Hz,ddd),3.27(1H,J=5.4,9.8Hz,dd),3.35(1H,J=4.0,8.0Hz,dd),4.08(1H,br),4.40(1H,br),5.21(1H,J=5.6,10.2Hz,dd),6.81(4H,J=8.8Hz,d),7.19−7.60(16H,m),8.01(2H,J=7.4Hz,d);13C NMR(CDCl3):σ43.9,55.2,64.4,74.6,79.5,86.3,86.4,113.1,126.1,126.8,127.5,127.9,128.2,128.7,130.1,133.6,135.0,136.0,136.6,143.6,144.8,158.5,190.2;FABMS m/e 633[M+H]+;HRMS. Calcd for C39H36N11O6S 633.2311,Found:633.2347。
1' −β−(4−(ベンゾイルチオ)−フェニル−1−イル)−2' −デオキシ−D−リボース(5)42.7mg(0.189mmol)を無水ピリジン3mLにより3回エバポレートした。固体を無水ピリジン1mL中に溶解した。アルゴン雰囲気下で、4,4' −ジメトキシトリチルクロリド(DMTrCl)95.9mg(0.283mmol)を攪拌溶液中に加え、室温で継続して攪拌した。1時間の反応の後、エタノール0.5mLを加え反応を停止させた。混合物を氷冷した水10mLに注ぎ、15mLのジクロロメタンで3回抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。ヘキサン:酢酸エチル(3:1)を用いたシリカゲルカラムで精製し、黄色の発泡体の目的の化合物(6)84.8mg(収率71%)を得た。
1H NMR(CD3Cl3):σ2.01(2H,br),2.22(1H,J=1.8,7.4,14.7Hz,ddd),3.27(1H,J=5.4,9.8Hz,dd),3.35(1H,J=4.0,8.0Hz,dd),4.08(1H,br),4.40(1H,br),5.21(1H,J=5.6,10.2Hz,dd),6.81(4H,J=8.8Hz,d),7.19−7.60(16H,m),8.01(2H,J=7.4Hz,d);13C NMR(CDCl3):σ43.9,55.2,64.4,74.6,79.5,86.3,86.4,113.1,126.1,126.8,127.5,127.9,128.2,128.7,130.1,133.6,135.0,136.0,136.6,143.6,144.8,158.5,190.2;FABMS m/e 633[M+H]+;HRMS. Calcd for C39H36N11O6S 633.2311,Found:633.2347。
[1'−β−(4−(ベンゾイルチオ)−フェニル−1−イル)−5'−(4,4' −ジメトキシトリチル)−2'−デオキシ−D−リボース−3−(シアノエチル−N,N' −ジイソプロピルホスホラミダイト)(7)の調製]
1'−β−(4−(ベンゾイルチオ)−フェニル−1−イル)−5'−(4,4'−ジメトキシトリチル)−2' −デオキシ−D−リボース(6)270mg(0.426mmol)を無水ジクロロメタン3mLに溶解し、アルゴン雰囲気下で2分間洗浄した。攪拌した溶液にN,N' −ジイソプロピルルチルアミン110mg(0.852mmol)と、2−シアノエチル−N,N' −ジイソプロピルクロロホスホラミダイト121mg(0.511mmol)を加えた。反応混合物をアルゴン雰囲気下、遮光条件下で1時間攪拌した。反応混合物にジクロロメタン30mLを加えた後、水30mLで2回洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過及びエバポレートを行った。得られた針状化合物を、ヘキサン:酢酸エチル(3:1)中で、1%トリメチルアミンを用いてクロマトグラフィーを行い、無色固体の目的物を得た(276mg、89%)。
1H NMR(CD3Cl3):σ1.12−1.31(14H,m),1.65(1H,br),2.04(1H,m),2.38(1H,m),2.46(1H,J=6.3Hz,t),2.62(1H,J=6.5Hz,t),3.31(2H,m),3.78(6H,s),4.27(1H,br),4.53(1H,br),5.22(1H,J=4.6,9.6Hz,dd),6.84(4H,J=5.0,9.0Hz,dd),7.19−7.66(16H,m),8.04(2H,J=8.3Hz,d);FABMS m/e 833[M+H]+;HRMS. Calcd for C48H54N2O7PS 833.3389,Found:833.3376。
1'−β−(4−(ベンゾイルチオ)−フェニル−1−イル)−5'−(4,4'−ジメトキシトリチル)−2' −デオキシ−D−リボース(6)270mg(0.426mmol)を無水ジクロロメタン3mLに溶解し、アルゴン雰囲気下で2分間洗浄した。攪拌した溶液にN,N' −ジイソプロピルルチルアミン110mg(0.852mmol)と、2−シアノエチル−N,N' −ジイソプロピルクロロホスホラミダイト121mg(0.511mmol)を加えた。反応混合物をアルゴン雰囲気下、遮光条件下で1時間攪拌した。反応混合物にジクロロメタン30mLを加えた後、水30mLで2回洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過及びエバポレートを行った。得られた針状化合物を、ヘキサン:酢酸エチル(3:1)中で、1%トリメチルアミンを用いてクロマトグラフィーを行い、無色固体の目的物を得た(276mg、89%)。
1H NMR(CD3Cl3):σ1.12−1.31(14H,m),1.65(1H,br),2.04(1H,m),2.38(1H,m),2.46(1H,J=6.3Hz,t),2.62(1H,J=6.5Hz,t),3.31(2H,m),3.78(6H,s),4.27(1H,br),4.53(1H,br),5.22(1H,J=4.6,9.6Hz,dd),6.84(4H,J=5.0,9.0Hz,dd),7.19−7.66(16H,m),8.04(2H,J=8.3Hz,d);FABMS m/e 833[M+H]+;HRMS. Calcd for C48H54N2O7PS 833.3389,Found:833.3376。
[メルカプト−ヌクレオシド(3)のNOE効果の測定]
実施例3で得られた化合物(3)のβ−グリコシド構造のコンフォメーションは、NOE効果実験(NOE difference experiments)において、CD3OD中、内部標準としてTMSを用いた。結果を表2、図3(a)〜(d)に示す。
実施例3で得られた化合物(3)のβ−グリコシド構造のコンフォメーションは、NOE効果実験(NOE difference experiments)において、CD3OD中、内部標準としてTMSを用いた。結果を表2、図3(a)〜(d)に示す。
15量体の各オリゴヌクレオチドは、ホスホロアミダイト法に従い、DNA合成機で合成した。実施例7で得られた1' −β−(4−(ベンゾイルチオ)−フェニル−1−イル)−5' −(4,4' −ジメトキシトリチル)−2' −デオキシ−D−リボース(6)は、目的の位置、順番で導入するために 5' −位を4,4' −ジメトキシトリチル化、3' −位をホスホロアミダイト化し、DNA合成機に導入した。オリゴヌクレオチドの詳細な合成法、メカニズムは常法に従った。
[UV測定による熱安定性の評価]
実施例9で得られたオリゴニクレオチドの融解温度を測定した。二本鎖の融解温度は、窒素雰囲気下において、テフロン(登録商標)−1cm光路長石英セル中で、温度可変装置を備えたShimazu UV 2100 UV-vis 分光光度計を用いて行った。熱変成実験は、リン酸ナトリウム緩衝液10mM、塩化ナトリウム100mM(pH7.0)に、15対塩基のオリゴヌクレオチド15μM/塩基を加えたものを用い、1分間あたり1.0℃の割合で10℃から90℃まで上昇させ、吸光度を260nm下で測定した。結果を表2、図6、図7に示す。
実施例9で得られたオリゴニクレオチドの融解温度を測定した。二本鎖の融解温度は、窒素雰囲気下において、テフロン(登録商標)−1cm光路長石英セル中で、温度可変装置を備えたShimazu UV 2100 UV-vis 分光光度計を用いて行った。熱変成実験は、リン酸ナトリウム緩衝液10mM、塩化ナトリウム100mM(pH7.0)に、15対塩基のオリゴヌクレオチド15μM/塩基を加えたものを用い、1分間あたり1.0℃の割合で10℃から90℃まで上昇させ、吸光度を260nm下で測定した。結果を表2、図6、図7に示す。
還元剤(メルカプトエタノール)の存在下、天然塩基対からなるオリゴヌクレオチドの二本鎖 a−b が融点(Tm)43℃であるのに対し、天然塩基対からなる二本鎖 a−b におけるA−T塩基対をそれぞれ本発明のC−ヌクレオシドで置換した二本鎖 c−d は融点(Tm)33℃であった。メルカプト基は非相補性の状態では二本鎖構造を不安定化する。これは二本鎖 a−d において融点(Tm)32℃であることからも示される。尚、メルカプトエタノールの存在は二本鎖 a−b、a−d、a−f の融点(Tm)に影響を及ぼさないことから、天然塩基対からなるオリゴヌクレオチドにおいては還元剤の存在により結合が解除されることはないことが示された。
還元剤(メルカプトエタノール)の不存在下、二本鎖 c−d は融点(Tm)73℃であり、この結果から対向するメルカプト基が空気酸化により相互に結合してジスルフィド結合が形成されることが示唆される。ジスルフィド結合は共有結合であり、結合したジスルフィド結合は水素結合により形成される天然のA−T塩基対より強い相互作用を有することが示された。末端から2つ目にメルカプトヌクレオシドを含む二本鎖 e−f も還元剤の不存在下では、還元剤の存在下で融点(Tm)39℃であるのに対し、高い融点(Tm)70℃を有する。ジスルフィド結合が形成されない二本鎖 a−f はメルカプトエタノール存在下と不存在下とでほぼ同じ融点(Tm)(各Tmは37℃、38℃)を有することからもジスルフィド結合が形成されると、熱安定性が増大することが示された。
[CDの測定]
円偏光二色性(circular dichroism)スペクトルは、リン酸ナトリウム緩衝液10mM、塩化ナトリウム100mM(pH7.0)に、実施例9で得られた15対塩基のオリゴヌクレオチド15μMを加えたものを用い、asco J-725 分光偏光計を用いて、350〜200nm、10℃の条件下で測定した。スペクトルは、1nmごとに1nmのバンド幅、50nm/分の速度条件下で、平均5回のスキャンにより得られた。結果を図5に示す。
円偏光二色性(circular dichroism)スペクトルは、リン酸ナトリウム緩衝液10mM、塩化ナトリウム100mM(pH7.0)に、実施例9で得られた15対塩基のオリゴヌクレオチド15μMを加えたものを用い、asco J-725 分光偏光計を用いて、350〜200nm、10℃の条件下で測定した。スペクトルは、1nmごとに1nmのバンド幅、50nm/分の速度条件下で、平均5回のスキャンにより得られた。結果を図5に示す。
メルカプト塩基(S−S塩基対)を有する二本鎖 c−d、e−f はA−T対の二本鎖 a−b と同様の形状を示した。しかしながら、メルカプトヌクレオシドを中央に有する二本鎖 c− dは、二本鎖 a−b と比較して還元剤非存在下で、275nmにおける正のコットン効果が高く、247nmにおける負のコットン効果が低いことを示した。二本鎖 c−d は、二本鎖 a−b と比較してメルカプトエタノールの存在下で、275nmにおける正のコットン効果と247nmにおける負のコットン効果は同じであった。このことから、メルカプトヌクレオシドはDNAの構造を全体的に変えてはいなかった。
Claims (18)
- 一般式(I)におけるR1、R2が示すカップリング基若しくは保護基を有する水酸基が、ジメトキシトリチルオキシ基であることを特徴とする請求項1記載のC−ヌクレオシド又はC−ヌクレオチド。
- 一般式(I)におけるR3〜R7のうち少なくとも1つが保護されたメルカプト基であり、その保護基はベンゾイル基、ターシャリーブチル基、2−ニトロフェニルスルフィド基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のC−ヌクレオシド又はC−ヌクレオチド。
- 一般式(I)で表されるC−ヌクレオシドが、1−β−(4−メルカプトフェニル−1−イル)−2−デオキシ−D−リボースであることを特徴とする請求項1記載のC−ヌクレオシド又はC−ヌクレオチド。
- 一般式(III)
- 一般式(III)におけるR10、R11が示すヌクレオシド合成のための保護基を有する水酸基が、トルオイルオキシ基であることを特徴とする請求項6記載のC−ヌクレオシドの製造方法。
- 一般式(IV)におけるR13〜R18のうち少なくとも1つが示すメルカプト基の保護基が、フェニルチオ基であることを特徴とする請求項5又は6記載のC−ヌクレオシドの製造方法。
- カップリング剤として、ルイス酸を用いることを特徴とする請求項6〜8のいずれか記載のC−ヌクレオシドの製造方法。
- 溶媒として、ジクロロメタン、ジクロロエタンを用いることを特徴とする請求項6〜9のいずれか記載のC−ヌクレオシドの製造方法。
- 水素化リチウムアルミニウムを用いて一段階で脱保護することを特徴とする請求項11記載のC−ヌクレオシドの製造方法。
- 一般式(I)で表されるC−ヌクレオシドと、溶媒と過酸化水素存在下、もしくは酸素雰囲気下で反応させることを特徴とするC−ヌクレオシドの二量体の製造方法。
- 一般式(I)で表されるC−ヌクレオシド又はC−ヌクレオチドが、1’−β(4−メルカプトフェニル−1−イル)−2’−デオキシ−D−リボースであることを特徴とする請求項14記載の一本鎖ポリヌクレオチド。
- 酸化還元条件を変化させることにより、ジスルフィド結合の形成・解除が可能であることを特徴とする請求項16記載の二本鎖ポリヌクレオチド。
- 一般式(I)で表されるC−ヌクレオシド又はC−ヌクレオチドが、1’−β(4−メルカプトフェニル−1−イル)−2’−デオキシ−D−リボースであることを特徴とする請求項16記載の二本鎖ポリヌクレオチド。
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