JP2005162527A - 圧電セラミックス原料粉末、圧電セラミックスおよびその製造方法、圧電素子 - Google Patents

圧電セラミックス原料粉末、圧電セラミックスおよびその製造方法、圧電素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 厚み縦振動の三次高調波モード、比較的高い周波数帯域(たとえば16〜65MHz)における厚み縦振動の三次高調波モードにおいて、大きなQmaxを有する圧電セラミックス、およびその圧電セラミックスを圧電体として有するレゾネータなどの圧電素子を提供すること。
【解決手段】 少なくともCa、Ln(ただし、Lnはランタノイド元素)、Bi、TiおよびOを含有し、MIIBiTi15型結晶(MIIはCaおよびLnで構成される元素)を含むビスマス層状化合物を主成分とし、副成分として、Mnの酸化物および/または焼成後にMnの酸化物になる化合物を含有し、個数積算分布における50%径(D50径)が、1.0〜1.85μmであることを特徴とする圧電セラミックス原料粉末、およびその圧電セラミックス原料粉末を使用して製造された圧電セラミックス。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ビスマス層状化合物を含む圧電セラミックス原料粉末、該圧電セラミックス原料粉末を使用した圧電セラミックスおよびその製造方法に関し、さらに該圧電セラミックスを圧電体とするレゾネータなどの圧電素子に関する。
圧電セラミックスは、外部から応力を受けることによって電気分極が変化する圧電効果と、電界を印加することにより歪みを発生する逆圧電効果とを有する材料である。圧電セラミックスは、レゾネータやフィルター等の電子機器分野だけではなく、センサやアクチュエータといった電荷や変位を利用する製品等で幅広く使用されている。
現在実用化されている圧電セラミックスの大部分は、正方晶系または菱面体晶系のPZT(PbZrO−PbTiO固溶体)系や、正方晶系のPT(PbTiO)系などのペロブスカイト構造を有する強誘電体が一般的である。そして、これらに様々な副成分を添加し、様々な要求特性への対応が図られている。
しかし、PZT系やPT系の圧電セラミックスは、実用的な組成ではキュリー点が200〜400℃程度のものが多く、それ以上の温度では常誘電体となり圧電性が消失してしまう。そのため、高温で使用される用途、例えば原子炉制御用センサなどには、適用不可能である。
また、上記PZT系やPT系の圧電セラミックスは、酸化鉛(PbO)を60〜70質量%程度と比較的多く含んでおり、この酸化鉛は、低温でも揮発性が高く、環境的な面からも好ましいものではない。
上記問題の解決を目的とし、キュリー点が高く、酸化鉛を含有しない圧電セラミックスとして、ビスマス層状化合物を含有する圧電セラミックスが提案されている(たとえば特許文献1〜3)。特許文献1には、BaBiTi15を主結晶相とし、BaとTiとの複合酸化物で構成される副結晶相を全重量中4〜30モル%含有する圧電磁器(圧電セラミックス)が開示されている。特許文献2には、Sr、Bi、TiおよびLn(ランタノイド)を含有し、SrBiTi15型結晶を含むビスマス層状化合物と、Mn酸化物とを含有する圧電セラミックスが開示されている。特許文献3には、Ca、Ln(ただし、Lnはランタノイド元素)、Bi、TiおよびOを含有し、CaBiTi15型結晶を含むビスマス層状化合物で構成される圧電セラミックスが開示されている。
圧電素子のひとつであるレゾネータは、インダクターとして使用されるため、レゾネータの圧電体として使用される圧電セラミックスには、Qmaxが大きいことが求められている。Qmaxとは、位相角の最大値をθmaxとしたときのtanθmaxである。すなわち、Xをリアクタンス、Rをレジスタンスとしたとき、共振周波数と反共振周波数との間におけるQ(=|X|/R)の最大値である。なお、Qmaxは測定周波数により値が変化する性質があり、測定周波数が高くなると、Qmaxは低くなる傾向にある。
しかし、特許文献1に開示されている圧電セラミックスは、電気機械結合係数krの向上は達成されているものの、Qmaxについては不十分であり、レゾネータの圧電体として使用可能な圧電特性を備えているとは言い難い。特許文献2に開示されている圧電セラミックスは、Qmaxは大きいものの、このQmaxは、厚み縦振動の基本波モードでのQmaxである。
特許文献3では、主成分としてCa0.9La0.1BiTi15型結晶を含み、副成分として、MnOを含有する圧電セラミックスが開示されている。この特許文献3では、圧電セラミックスのQmaxの評価を、厚み縦振動の三次高調波モードで行っているが、この評価は10MHz程度の比較的低い周波数で行われている。測定周波数が高くなるにつれ、圧電セラミックスのQmaxは小さくなる傾向があるので、特許文献3に記載の圧電セラミックスでは、近年、切望されている高周波化への対応が困難である。
また、この特許文献3には、仮焼・粉砕後の圧電セラミックス原料粉末の粒子径を1〜5μmとする旨が記載されている。しかしながら、この範囲の値は、仮焼・粉砕後に得られる圧電セラミックス原料粉末の粒子径として通常得られる範囲内の値である。
また、圧電体の振動モードは、発振周波数によって変わり、理論的には圧電体の厚みが薄いほど共振周波数も高くなる。したがって、高周波数に対応するためには、圧電体を薄層化することが有効であるが、圧電体の薄層化には、物理的な限界がある。そこで、高周波へ対応するために、目的とする周波数以下で発振させ、その高調波、たとえば三次高調波を利用するという手法がとられており、さらなる高周波数化へ対応のため、より高い周波数での厚み縦振動の三次高調波モードにおいて、優れた圧電特性、たとえばQmaxが高いことが求められている。
特開2000−159574号公報 特開2000−143340号公報 特開2001−192267号公報
本発明の目的は、比較的高い周波数帯域(たとえば16〜65MHz)における厚み縦振動の三次高調波モードにおいて、大きなQmaxを持つ圧電セラミックスを得るのに適した圧電セラミックス原料粉末と、該粉末を使用して製造された圧電セラミックスと、該セラミックスの製造方法と、該セラミックスを圧電体として有する圧電セラミックスレゾネータなどの圧電素子とを、提供することである。
本発明者等は、圧電セラミックス原料粉末の粒子経と、Qmaxとの間で何らかの相関があるのではないかとの前提の下に実験を進めたところ、仮焼き後の圧電セラミックス原料粉末のD50径を所定範囲に制御することで、得られる圧電セラミックスのQmaxの値を、低い周波数で測定したときはもとより、高い周波数で測定したときでも大きくすることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明に係る圧電セラミックス原料粉末は、
少なくともCa、Ln(ただし、Lnはランタノイド元素)、Bi、TiおよびOを含有し、MIIBiTi15型結晶(MIIはCaおよびLnで構成される元素)を含むビスマス層状化合物を主成分とし、
副成分として、Mnの酸化物および/または焼成後にMnの酸化物になる化合物を含有し、
個数積算分布における50%径(D50径)が、1.0〜1.85μmであることを特徴とする。
本発明において、MIIBiTi15型結晶(MIIはCaおよびLnで構成される元素)は、MIIBiTi15付近の組成であれば良く、これらから偏倚していても良い。たとえば、Tiに対するBiの比率が、化学量論組成から若干ずれても良いし、MIIサイトを主に置換していると考えられるCaおよびLnは、一部が他のサイトを置換していても良い。
また、本発明の圧電セラミックス原料粉末は、MIIBiTi15型結晶を含むビスマス層状化合物を主成分としており、実質的にこの結晶から構成されていることが好ましいが、完全に均質でなくてもよく、たとえば異相を含んでいてもよい。
本発明に係る圧電セラミックス原料粉末においては、好ましくは、前記MIIBiTi15型結晶が、組成式(Ca 1−x Ln)BiTi15で表され、前記組成式中のxが0.01≦x≦0.5、yが3.80≦y≦4.20である。
本発明に係る圧電セラミックス原料粉末においては、好ましくは、前記Mnの酸化物および/または焼成後にMnの酸化物になる化合物の含有量が、MnO換算で0.1〜1.0重量%である。
本発明に係る圧電セラミックスの製造方法は、
主成分原料として、少なくともCa、Ln(ただし、Lnはランタノイド元素)、BiおよびTiの各元素の酸化物および/または焼成後にこれらの酸化物になる化合物と、
副成分原料として、Mnの酸化物および/または焼成後にMnの酸化物になる化合物とを混合・仮焼し、
IIBiTi15型結晶(MIIはCaおよびLnで構成される元素)を含むビスマス層状化合物と、Mnの酸化物および/または焼成後にMnの酸化物になる化合物とを含有する仮焼物を得る工程と、
前記仮焼物を、個数積算分布における50%径(D50径)が、1.0〜1.85μmとなるように微粉砕し、圧電セラミックス原料粉末を得る工程と、
前記圧電セラミックス原料粉末を焼成する工程とを有する。
本発明に係る圧電セラミックスの製造方法においては、好ましくは、前記MIIBiTi15型結晶が、組成式(Ca 1−x Ln)BiTi15で表され、前記組成式中のxが0.01≦x≦0.5、yが3.80≦y≦4.20である。
本発明に係る圧電セラミックスの製造方法においては、好ましくは、前記Mnの酸化物および/または焼成後にMnの酸化物になる化合物の含有量が、MnO換算で0.1〜1.0重量%である。
本発明に係る圧電セラミックスの製造方法においては、好ましくは、前記焼成する工程の焼成温度が、1100〜1250℃である。
本発明に係る圧電セラミックスは、上記いずれかの方法で製造される。
本発明に係る圧電素子は、上記記載の圧電セラミックスで構成してある圧電体を有する。圧電素子としては、特に限定されないが、圧電セラミックレゾネータ、フィルター、センサ、アクチュエータなどが例示される。
本発明に係る圧電素子は、たとえば16〜65MHzといった比較的高い周波数帯域における厚み縦振動の三次高調波に対する共振周波数と反共振周波数との間におけるQ(Q=|X|/R;Xはリアクタンス、Rはレジスタンス)の最大値Qmaxを大きくすることができる。
たとえば、16〜25MHz程度におけるQmaxを、好ましくは8以上、25〜40MHz程度におけるQmaxを、好ましくは7以上、45〜55MHz程度におけるQmaxを、好ましくは6.5以上、55〜65MHz程度におけるQmaxを、好ましくは6以上とすることができる。
本発明に係る圧電素子においては、好ましくは、60MHzにおける厚み縦振動の三次高調波に対する共振周波数と反共振周波数との間におけるQの最大値Qmaxが、6以上であり、さらに好ましくは6.2以上である。
60MHzにおける厚み縦振動の三次高調波モードにおける使用用途としては、パソコン、特にハードディスクのマイコン制御用や、プリンター用のマイコン制御用等が挙げられ、本発明の圧電素子は、これらの用途に好適に用いることができる。
maxとは、位相角の最大値をθmaxとしたときのtanθmaxである。すなわち、Xをリアクタンス、Rをレジスタンスとしたとき、共振周波数と反共振周波数との間におけるQ(=|X|/R)の最大値である。Qmaxが大きいほど発振が安定し、また、低電圧での発振が可能となる。なお、圧電セラミックスのQmaxは、測定周波数が高くなるにつれ、小さくなる傾向がある。
本発明に係る圧電セラミックス原料粉末は、特定組成を有し、かつ個数積算分布における50%径(D50径)が所定範囲に制御されている。このため、この原料粉末を用いて製造される圧電セラミックスの、たとえば16〜65MHzといった比較的高い周波数帯域における厚み縦振動の三次高調波モードで測定されたQmaxの値を大きくすることができる。その結果、近年、切望されている高周波数帯域での使用が期待できる。
本発明に係る圧電素子は、上記圧電セラミックスで構成してある圧電体を有する。このため、比較的高い周波数帯域における厚み縦振動の三次高調波モードで測定されたQmaxの値が大きく、高周波数帯域で使用可能である。
なお、上述した特許文献3で示すように、比較的低い周波数帯域での使用を前提として、仮焼・粉砕後の圧電セラミックス原料粉末の粒子径を1〜5μmと比較的広範囲に調整した場合、これをそのままの状態で高い周波数帯域で使用すると、十分に大きなQmaxの値が得られないことが多い。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る圧電セラミックスレゾネータの斜視図、
図2は本発明の一実施形態に係る圧電セラミックスレゾネータの断面図、
図3は本発明の実施例における実施例1の圧電セラミックス原料粉末のD50径とQmaxとの関係を示すグラフ、
図4は本発明の実施例における実施例2の圧電セラミックス原料粉末のD50径とQmaxとの関係を示すグラフ、
図5は本発明の実施例における実施例3の圧電セラミックス原料粉末のD50径とQmaxとの関係を示すグラフ、
図6は本発明の実施例における実施例4の圧電セラミックス原料粉末のD50径とQmaxとの関係を示すグラフ、
図7は本発明の実施例における実施例5の圧電セラミックス原料粉末のD50径とQmaxとの関係を示すグラフである。
圧電セラミックスレゾネータ
図1および図2に示すように、本発明の一実施形態に係る圧電セラミックスレゾネータ1は、圧電体層2が、2つの振動電極3に挟まれた構成のレゾネータ素子本体10を有する。図1に示すように振動電極3は、圧電体層2の上面の中央に形成され、同様に、下面にも形成される。レゾネータ素子本体10の形状に特に制限はないが、通常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよいが、通常、縦1.0〜4.0mm×横0.5〜4.0mm×高さ50〜300μm程度である。
圧電体層2は、ビスマス層状化合物を含有する主成分と、副成分として、少なくともMnの酸化物を含有する。ビスマス層状化合物は、擬ペロブスカイト構造層が一対のBiおよびOの層の間にサンドイッチされているような層状構造を有する。
上記ビスマス層状化合物は、少なくともCa、Ln(ただし、Lnはランタノイド元素)、Bi、TiおよびOを含有し、MIIBiTi15型結晶(MIIはCaおよびLnで構成される元素)を含む。MIIBiTi15型結晶は、組成式(Ca 1−x Ln)BiTi15で表されることが好ましい。なお、本発明において、酸素(O)量は、上記式の化学量論組成から若干偏倚してもよい。
上記組成式中のxは、0.01≦x≦0.5であることが好ましく、さらに好ましくは0.03≦x≦0.3である。xはLnの原子数を表す。Lnは、Qmaxを向上させる効果がある。ここで、Lnはランタノイド元素を表しており、ランタノイド元素は、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuであり、これらの中で特に、La、Pr、Ho、Gd、SmおよびErから選ばれる少なくとも1種の元素が好ましい。xの値が小さ過ぎるとQmaxが低くなる傾向にあり、同様に、大き過ぎてもQmaxが低くなる傾向にある。なお、本実施形態では、Qmaxは、60MHzにおける厚み縦振動の三次高調波モードでの値を意味している。
前記組成式中のyは、3.80≦y≦4.20であることが好ましく、さらに好ましくは3.90≦y≦4.15である。yはBiの原子数を表す。yを上記範囲とすることにより、機械的品質係数(Q)を向上させることができる。yの値が小さ過ぎると、焼結性が悪化し、Qmaxが低下する傾向にあり、大き過ぎると、電気抵抗が低下するため、分極が困難になり、Qmaxが低下する傾向にある。
Mnの酸化物の含有量は、MnO換算で0.1〜1.0重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.3〜0.7重量%である。Mnの酸化物の含有量が少な過ぎると、Qmaxが低くなる傾向にあり、多過ぎると、絶縁抵抗が低下し、分極が困難になる傾向にある。
また、圧電体層2には、不純物または微量添加物として、上記以外の化合物、たとえば、Sn、Mo、W、Y、Zn、Sb、Si、Nb、Taの各元素の酸化物等が含有されていても良い。なお、この場合の含有量は、各元素の酸化物換算で圧電セラミックス全体の0.01重量%以下であることが好ましい。
圧電体層2の厚さは、特に限定されないが、通常50〜300μm程度である。
振動電極3に含有される導電材は特に限定されないが、たとえば、Agなどを使用できる。また、振動電極3の形状は、特に限定されないが、本実施形態においては、φ0.5〜3.0mm程度の円形であることが好ましく、厚みは、通常0.5〜5μm程度である。
圧電セラミックスレゾネータの製造方法
本実施形態の圧電セラミックスレゾネータ1は、本発明の圧電セラミックス原料粉末を造粒し、その後、プレス成形し、焼成を行い圧電体層を作製し、圧電体層を分極処理し、真空蒸着法やスパッタリング法により振動電極を形成することにより製造される。以下、製造方法について具体的に説明する。
まず、圧電セラミックス原料粉末を準備する。
本実施形態の圧電セラミックス原料粉末は、主成分原料と副成分原料とを混合・仮焼し、その後、微粉砕により個数積算分布における50%径(D50径)を1.0〜1.85μmとすることにより製造される。圧電セラミックス原料粉末の製造方法は、次の通りである。
まず、出発原料である主成分原料と副成分原料とを準備する。主成分原料は、上記したビスマス層状化合物を構成する元素の酸化物および/または焼成後にこれらの酸化物になる化合物が使用できる。副成分原料は、上記した副成分の酸化物および/または焼成後にこれらの酸化物になる化合物が使用できる。また、焼成後に酸化物となる化合物としては、たとえば炭酸塩、水酸化物、シュウ酸塩、硝酸塩等が挙げられる。各主成分原料および副成分原料の平均粒径は、1.0〜5.0μmであることが好ましい。
次いで、主成分原料と副成分原料とをボールミル等により湿式混合する。
次いで、湿式混合を行った原料粉末を、必要に応じて仮成形し、仮焼することにより仮焼物を得る。本実施形態においては、上記仮焼物は、MIIBiTi15型結晶(MIIはCaおよびLnで構成される元素)を含むビスマス層状化合物と、Mnの酸化物および/または焼成後にMnの酸化物になる化合物とを含有する。
仮焼の条件としては、仮焼温度は、好ましくは700〜1000℃、さらに好ましくは750〜850℃、仮焼時間は、好ましくは1〜3時間程度である。仮焼温度が低過ぎると、化学反応が不十分となる傾向にあり、仮焼温度が高過ぎると、仮成形体が焼結し始めるため、その後の粉砕が困難となる傾向にある。仮焼は、大気中で行っても良く、また大気中よりも酸素分圧が高い雰囲気または純酸素雰囲気で行っても良い。
次いで、仮焼により得られた仮焼物をスラリー化し、微粉砕を行った後、スラリーを乾燥することにより圧電セラミックス原料粉末を得る。微粉砕は、たとえばボールミル等により湿式粉砕により行うことができる。このとき、スラリーの溶媒として、水もしくはエタノールなどのアルコール、または水とエタノールとの混合溶媒を用いることが好ましい。
本実施形態においては、微粉砕により得られる圧電セラミックス原料粉末の個数積算分布における50%径(D50径)を、1.0〜1.85μm、好ましくは1.1〜1.85μm、より好ましくは1.15〜1.6μm、さらに好ましくは1.15〜1.5μmとする。なお、圧電セラミックス原料粉末の個数積算分布における50%径(D50径)は、たとえばレーザー光回折法などによって測定可能である。本発明において、本発明者等は、圧電セラミックス原料粉末のD50径が、小さ過ぎるとQmaxが低下する傾向にあり、また、大き過ぎてもQmaxが低下する傾向にあることを、見出した。本発明者等の知見によると、この傾向は、測定周波数が比較的低い場合(たとえば10MHz)よりも、測定周波数を比較的高くした場合(たとえば16〜65MHz)において、より顕著である。
本発明の特徴点は、圧電セラミックス原料粉末の個数積算分布における50%径(D50径)を上記範囲に制御する点にあり、このようにすることにより、焼成後の圧電セラミックスの、たとえば16〜65MHzといった比較的高い周波数帯域における厚み縦振動の三次高調波モードで測定されるQmaxの値を大きくすることができる。
なお、D50径を上記範囲とすることにより、厚み縦振動の三次高調波モードにおけるQmaxを大きくすることができる理由については、必ずしも明らかではないが、焼成後の焼結体の粒子径と、焼結体内の空孔とのバランスが良くなるためであると考えられる。
次に、上記にて得られた圧電セラミックス原料粉末に必要に応じてバインダーを添加して、造粒し、その後、プレス成形することにより成形体を得る。バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールに分散剤を添加したもの、エチルセルロースなど、一般的に用いられる有機バインダーを挙げることができる。また、プレス成形する際の加重は、たとえば100〜400MPaとすることができる。
次いで、成形体について、脱バインダー処理を行う。この脱バインダー処理は、300〜700℃の温度で0.5〜5時間程度行うことが好ましい。脱バインダー処理は、大気中で行っても良く、また大気中よりも酸素分圧が高い雰囲気または純酸素雰囲気で行っても良い。
脱バインダー処理を行ったのち、焼成を行い圧電セラミックスの焼結体を得る。焼成の条件としては、焼成温度は、好ましくは1100〜1250℃、さらに好ましくは1150〜1200℃、焼成時間は、好ましくは1〜3時間程度である。焼成温度が低すぎると焼結が不十分となる傾向にあり、焼成温度が高すぎるとBiが蒸発し、組成のずれや空孔の肥大化が起こり、Qmaxが低下する傾向にある。焼成は、大気中で行っても良く、また大気中よりも酸素分圧が高い雰囲気または純酸素雰囲気で行っても良い。
なお、脱バインダー工程と焼成工程とは連続して行っても良く、別々に行っても良い。
次いで、焼成により得られた圧電セラミックスの焼結体を薄板状に切断し、焼結体薄板とし、ラップ研磨により表面加工を行う。焼結体の切断に際しては、カッター、スライサーまたはダイシングソー等の切断機を用いて行うことができる。
次いで、薄板状の焼結体の両面に、分極処理用の仮電極を形成する。仮電極を構成する導電材は特に限定されないが、塩化第二鉄溶液によるエッチング処理によって容易に除去できることから、Cuが好ましい。仮電極の形成には、真空蒸着法やスパッタリングを用いることが好ましい。
次いで、分極処理用の仮電極を形成した薄板状の焼結体について分極処理を行う。分極処理の条件は、圧電セラミックスの組成に応じて適宜決定すればよいが、通常、分極温度は150〜300℃、分極時間は1〜30分間、分極電界は焼結体の抗電界の1.1倍以上とすればよい。
次いで、分極処理を行った焼結体から、エッチング処理などにより、仮電極を除去し、所望の素子形状となるように切断し、振動電極3を形成する。振動電極3を構成する導電材としては、特に限定されないが、Agなどが使用できる。振動電極の形成には、真空蒸着法やスパッタリングを用いることが好ましい。
このようにして本実施形態の圧電セラミックスレゾネータは製造される。
本実施形態においては、圧電セラミックスレゾネータを構成する圧電体の原料として、D50径が1.0〜1.85μm、好ましくは1.1〜1.85μm、より好ましくは1.15〜1.6μmである圧電セラミックス原料粉末を使用するため、大きなQmaxを有する圧電セラミックスレゾネータを得ることができる。本実施形態では、60MHzにおける厚み縦振動の三次高調波モードにおいて、Qmaxは6以上であることが好ましく、さらに好ましくは6.2以上である。
なお、本実施形態においては、60MHzにおける厚み縦振動の三次高調波モードにおけるQmaxについて説明したが、本発明の圧電セラミックスレゾネータは、16〜65MHz程度の周波数帯域においても大きなQmaxを有し、16〜65MHz程度の周波数帯域でも好適に使用することができる。本発明によると、たとえば、16〜25MHz程度(特に16.9MHz、20MHz)におけるQmaxを、好ましくは8以上、25〜40MHz程度(特に33MHz)におけるQmaxを、好ましくは7以上、45〜55MHz程度(特に50MHz)におけるQmaxを、好ましくは6.5以上、55〜65MHz程度におけるQmaxを、好ましくは6以上とすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、本発明に係る圧電素子として圧電セラミックスレゾネータを例示したが、本発明に係る圧電素子としては、圧電セラミックスレゾネータに限定されず、上記圧電セラミックス原料粉末を用い、製造された圧電セラミックスで構成してある圧電体層を有するものであれば何でも良い。
また、上述した実施形態では、副成分原料の添加時期を主成分原料と同時としたが、主成分原料をあらかじめ反応させ、反応物とした後に、副成分原料を添加することも可能である。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
主成分原料であるCaCO、La、BiおよびTiO、および副成分原料であるMnOを準備し、主成分原料については、主成分の最終組成が(Ca0.97La0.03)Bi4.01Ti15となるように、副成分原料であるMnOは含有量が0.5重量%となるようにそれぞれ秤量した。次に、純水を添加し、純水中でジルコニア製メディアを入れたボールミルにて16時間混合し、十分に乾燥を行い、混合粉体を得た。
得られた混合粉体を、仮成形し、空気中、800℃で2時間仮焼を行い仮焼物を作製した。次に、得られた仮焼物に純水を添加し、純水中でジルコニア製メディアを入れたボールミルにて微粉砕を行い、乾燥することにより圧電セラミックス原料粉末を作製した。微粉砕においては、微粉砕を行う時間および粉砕条件を変えることにより、それぞれ粒子径(D50径)の異なる圧電セラミックス原料粉末を得た。なお、各圧電セラミックス原料粉末の粒子径(D50径)は、個数積算分布における50%径をレーザー光回折法により行うことにより求めた。
それぞれ粒子径の異なる各圧電セラミックス原料粉末にバインダーとして純水を6重量%添加し、プレス成形して、縦40mm×横40mm×厚み13mmの仮成形体とし、この仮成形体を真空パックした後、245MPaの圧力で静水圧プレスにより成形した。
次に、上記の成形体を焼成し、焼結体を得た。次いで、この焼結体を切断した後、ラップ研磨により表面加工を行い、縦30mm×横30mm×厚み0.25mmとした。なお、焼成温度は、それぞれ1190℃、1199℃および1210℃とし、使用した圧電セラミックス原料粉末の粒子径(D50径)および焼成温度の異なる焼結体を得た。
上記にて切断を行った焼結体の両面に真空蒸着法により分極処理用のCu電極を形成し、250℃のシリコンオイルバス中で1.5×Ec(MV/m)以上の電界を1分間印加して、分極処理を施した。なお、Ecは250℃における各焼結体の抗電界である。
次に、分極処理を行った焼結体から、塩化第二鉄溶液を用いてCu電極をエッチング除去し、その後、焼結体を切断し、縦2.5mm×横2.0m×厚み0.12mmの圧電セラミックス試料を得た。
この圧電セラミックス試料の両面の中央に直径8mm、厚さ1μmのAg電極を真空蒸着法により形成し、それぞれ使用した圧電セラミックス原料粉末の粒子径および焼成温度の異なる圧電セラミックスレゾネータ試料を得た。
max の測定
上記にて作製した圧電セラミックス試料について、インピーダンスアナライザー(ヒューレットパッカード(株)製、HP4194A)を使用し、厚み縦振動の三次高調波モード(60MHz)でインピーダンス特性を測定することにより、Qmaxを求めた。本実施例では、Qmax≧6を良好とした。
図3は、本実施例において作製した圧電セラミックスレゾネータ試料において、使用した圧電セラミックス原料粉末のD50径と、圧電セラミックスレゾネータ試料の厚み縦振動の三次高調波モードにおけるQmaxとの関係を示したグラフである。図3には、焼成温度が1190℃、1199℃、1210℃である各試料について、プロットを行った。さらに、焼成温度1190℃のデータについては、測定データを基にデータの傾向を表す傾向曲線を引いた。
図3より、焼成温度の違いに関係なく、D50径が1.4μm程度までは、D50径の増加に伴いQmaxの値は大きくなっていくが、D50径が1.4μm程度より大きくなると、逆に、D50径の増加に伴い、Qmaxの値が小さくなっていく傾向が確認できた。また、圧電セラミックス原料粉末のD50径を1.1〜1.85μmとした試料においては、Qmaxが6を超え、良好な結果となった。なかでも、圧電セラミックス原料粉末のD50径を1.3〜1.6μmとした試料においては、Qmaxが7を超え、特に良好な結果となった。
この結果より、圧電セラミックスレゾネータの圧電体層の原料として使用する圧電セラミックス原料粉末の個数積算分布における50%径(D50径)が、小さ過ぎても大き過ぎてもQmaxは、低くなる傾向にあることが確認できた。本実施例においては、D50径は、1.1μm〜1.85μmであることが好ましい。
なお、1210℃で焼成した試料は、他の焼成温度(1190℃、1199℃)で焼成した試料と比較して、D50径が小さい場合に、Qmaxが低くなる傾向にあった。
実施例2
圧電セラミックス原料粉末の主成分の最終組成、および焼成温度を変更した以外は、実施例1と同様にそれぞれ粒子径の異なる圧電セラミックス原料粉末を作製し、各圧電セラミックス原料粉末を使用し圧電セラミックスレゾネータ試料を作製した。
圧電セラミックス原料粉末の主成分の最終組成は、CaとLaとの比を変更し、(Ca0.9La0.1)Bi4.01Ti15とした。また、焼成温度は、それぞれ1180℃、1186℃、1191℃、1197℃および1208℃とした。
図4は、本実施例において作製した圧電セラミックスレゾネータ試料において、使用した圧電セラミックス原料粉末のD50径と、圧電セラミックスレゾネータ試料の厚み縦振動の三次高調波モードにおけるQmaxとの関係を示したグラフである。図4には、焼成温度が1180℃、1186℃、1191℃、1197℃および1208℃である各試料について、プロットを行った。また、焼成温度1197℃のデータについては、測定データを基にデータの傾向を表す傾向曲線を引いた。
図4より、CaとLaの比を変更し、主成分の組成を(Ca0.9La0.1)Bi4.01Ti15とした圧電セラミックス原料粉末を使用した場合においても、実施例1と同様に、D50径が、小さ過ぎても大き過ぎてもQmaxの値は、低くなる傾向にあることが確認できた。本実施例においては、D50径は、1.0μm以上、1.52μm以下であることが好ましい。
また、1208℃で焼成した試料(図4では、□で示した)は、他の焼成温度(1180℃、1186℃、1191℃、1197℃)で焼成した試料と比較して、Qmaxが低くなる傾向にあり、D50径を1.2μm程度とした場合においても、Qmaxが6を超えることはなかった。この結果より、焼成温度は、1150〜1200℃、特に1186〜1197℃とすることが好ましいということが確認できた。
実施例3
圧電セラミックス原料粉末の主成分の最終組成、および焼成温度を変更した以外は、実施例2と同様にそれぞれ粒子径の異なる圧電セラミックス原料粉末を作製し、各圧電セラミックス原料粉末を使用し圧電セラミックスレゾネータ試料を作製した。
圧電セラミックス原料粉末の主成分の最終組成は、主成分原料としてLaの代わりにPrを使用し、(Ca0.9Pr0.1)Bi4.01Ti15とした。また、焼成温度は、1180℃とした。
図5は、本実施例において作製した圧電セラミックスレゾネータ試料において、使用した圧電セラミックス原料粉末のD50径と、圧電セラミックスレゾネータ試料の厚み縦振動の三次高調波モードにおけるQmaxとの関係を示したグラフである。
図5より、主成分の組成を(Ca0.9Pr0.1)Bi4.01Ti15とした圧電セラミックス原料粉末を使用した実施例3の各圧電セラミックスレゾネータ試料は、実施例1,2と同様に、D50径が、小さ過ぎても大き過ぎてもQmaxの値は、低くなる傾向にあることが確認できた。
実施例4
圧電セラミックス原料粉末の主成分の最終組成、および焼成温度を変更した以外は、実施例2と同様にそれぞれ粒子径の異なる圧電セラミックス原料粉末を作製し、各圧電セラミックス原料粉末を使用し圧電セラミックスレゾネータ試料を作製した。
圧電セラミックス原料粉末の主成分の最終組成は、主成分原料としてLaの代わりにHoを使用し、(Ca0.9Ho0.1)Bi4.01Ti15とした。また、焼成温度は、1180℃とした。
図6は、本実施例において作製した圧電セラミックスレゾネータ試料において、使用した圧電セラミックス原料粉末のD50径と、圧電セラミックスレゾネータ試料の厚み縦振動の三次高調波モードにおけるQmaxとの関係を示したグラフである。
図6より、主成分の組成を(Ca0.9Ho0.1)Bi4.01Ti15とした圧電セラミックス原料粉末を使用した実施例4の各圧電セラミックスレゾネータ試料は、実施例1〜3と同様に、D50径が、小さ過ぎても大き過ぎてもQmaxの値は、低くなる傾向にあることが確認できた。
実施例5
副成分原料であるMnOの含有量、および焼成温度を変更した以外は、実施例2と同様にそれぞれ粒子径の異なる圧電セラミックス原料粉末を作製し、各圧電セラミックス原料粉末を使用し圧電セラミックスレゾネータ試料を作製した。
副成分原料であるMnOの含有量は、0.3重量%とした。また、焼成温度は、1180℃とした。
図7は、本実施例において作製した圧電セラミックスレゾネータ試料において、使用した圧電セラミックス原料粉末のD50径と、圧電セラミックスレゾネータ試料の厚み縦振動の三次高調波モードにおけるQmaxとの関係を示したグラフである。
図7より、副成分であるMnOの含有量を0.3重量%とした圧電セラミックス原料粉末を使用した実施例5の各圧電セラミックスレゾネータ試料は、実施例1〜4と同様に、D50径が、小さ過ぎても大き過ぎてもQmaxの値は、小さくなる傾向にあることが確認できた。
図1は本発明の一実施形態に係る圧電セラミックスレゾネータの斜視図である。 図2は本発明の一実施形態に係る圧電セラミックスレゾネータの断面図である。 図3は本発明の実施例における実施例1の圧電セラミックス原料粉末のD50径とQmaxとの関係を示すグラフである。 図4は本発明の実施例における実施例2の圧電セラミックス原料粉末のD50径とQmaxとの関係を示すグラフである。 図5は本発明の実施例における実施例3の圧電セラミックス原料粉末のD50径とQmaxとの関係を示すグラフである。 図6は本発明の実施例における実施例4の圧電セラミックス原料粉末のD50径とQmaxとの関係を示すグラフである。 図7は本発明の実施例における実施例5の圧電セラミックス原料粉末のD50径とQmaxとの関係を示すグラフである。
符号の説明
1… 圧電セラミックスレゾネータ
10… レゾネータ素子本体
2… 圧電体層
3… 振動電極

Claims (9)

  1. 少なくともCa、Ln(ただし、Lnはランタノイド元素)、Bi、TiおよびOを含有し、MIIBiTi15型結晶(MIIはCaおよびLnで構成される元素)を含むビスマス層状化合物を主成分とし、
    副成分として、Mnの酸化物および/または焼成後にMnの酸化物になる化合物を含有し、
    個数積算分布における50%径(D50径)が、1.0〜1.85μmであることを特徴とする圧電セラミックス原料粉末。
  2. 前記MIIBiTi15型結晶が、組成式(Ca 1−x Ln)BiTi15で表され、前記組成式中のxが0.01≦x≦0.5、yが3.80≦y≦4.20である請求項1に記載の圧電セラミックス原料粉末。
  3. 前記Mnの酸化物および/または焼成後にMnの酸化物になる化合物の含有量が、MnO換算で0.1〜1.0重量%である請求項1または2に記載の圧電セラミックス原料粉末。
  4. 主成分原料として、少なくともCa、Ln(ただし、Lnはランタノイド元素)、BiおよびTiの各元素の酸化物および/または焼成後にこれらの酸化物になる化合物と、
    副成分原料として、Mnの酸化物および/または焼成後にMnの酸化物になる化合物とを混合・仮焼し、
    IIBiTi15型結晶(MIIはCaおよびLnで構成される元素)を含むビスマス層状化合物と、Mnの酸化物および/または焼成後にMnの酸化物になる化合物とを含有する仮焼物を得る工程と、
    前記仮焼物を、個数積算分布における50%径(D50径)が、1.0〜1.85μmとなるように微粉砕し、圧電セラミックス原料粉末を得る工程と、
    前記圧電セラミックス原料粉末を焼成する工程とを有する圧電セラミックスの製造方法。
  5. 前記MIIBiTi15型結晶が、組成式(Ca 1−x Ln)BiTi15で表され、前記組成式中のxが0.01≦x≦0.5、yが3.80≦y≦4.20である請求項4に記載の圧電セラミックスの製造方法。
  6. 前記焼成する工程の焼成温度が、1100〜1250℃である請求項4または5に記載の圧電セラミックスの製造方法。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の方法で製造される圧電セラミックス。
  8. 請求項7に記載の圧電セラミックスで構成してある圧電体を有する圧電素子。
  9. 60MHzにおける厚み縦振動の三次高調波に対する共振周波数と反共振周波数との間におけるQ(Q=|X|/R;Xはリアクタンス、Rはレジスタンス)の最大値Qmaxが、6以上である請求項8に記載の圧電素子。
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