JP2005161367A - アルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法および接合構造 - Google Patents

アルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法および接合構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 強度および気密性に優れた信頼性の高い、アルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法を提供する。
【解決手段】 異種金属管であるステンレス鋼管1とアルミニウム合金管2とを、二層金属クラッド板に穴フランジ加工を施すことにより形成された接続金具3を介して接合する。二層金属クラッド板を構成する2種類の異種金属の材質は異種金属管1,2とそれぞれ同種の材質とし、異種金属管1,2を接続金具3の外周面側4aと内周面側4bとにそれぞれ分けて同種の材質の金属同士が接触するように嵌挿する。そして、クラッド界面6の温度を500℃以下とするか、または500℃超の場合はその保持時間を制限して金属間化合物の生成を防止ないし抑制しつつ、これら同種の材質の金属同士が接触する部分のみを溶融接合する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合技術に関し、特に、自動車用エアコンの冷媒回路に用いられるアルミニウム合金製配管とステンレス鋼製の振動吸収管との接合技術に関する。
近年、車体の軽量化を目的として自動車用エアコンの冷媒回路の配管にはアルミニウム合金製配管が使用されているが、コンプレッサ等で発生する振動が配管を共振させ騒音を引き起こすおそれがある。そこで、配管の共振を抑制するために、従来はゴムと樹脂とからなる複合ホースが配管の途中に組み込まれて使用されていた。
ところで、自動車用のエアコンの冷媒として、オゾン層の破壊物質であるフロンに代えてHFC134aが多く用いられている。しかし、このHFC134aは、オゾン破壊係数は零であるが、地球温暖化係数が高く温暖化促進の原因となりつつある。このため、HFC134a代替物質として、温暖化係数の小さい、自然系冷媒であるCO2冷媒を使用することが推奨されつつある。
ところが、CO2冷媒を使用する場合、冷媒回路配管内の流体温度がHFC134a冷媒の120〜140℃に対し170〜180℃となるとともに、圧力もHFC134a冷媒の2〜3MPaに対し15〜20MPaとなる。
このため、従来のようなゴムと樹脂とからなる複合ホースではこのような高温高圧仕様には耐えられないため、代わってステンレス鋼製の蛇腹を有する振動吸収管が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、このステンレス鋼製の振動吸収管は、管壁が金属製であるため従来のゴムと樹脂とからなる複合ホースに比して格段に優れた対ガス透過性を有し、冷媒を外に漏らすことがない。したがって、このステンレス鋼製の振動吸収管はCO2冷媒のみならず、現状のHFC134a冷媒等に対しても冷媒の外気への漏洩量をゼロに近付ける目的で使用が進められている。
ところが、この振動吸収管を冷媒回路に組み込む際には以下の問題がある。すなわち、振動吸収管の蛇腹部分は、加工性、強度、耐食性および経済性の問題から現状ではステンレス鋼しか用いることができない。一方、冷媒回路配管をステンレス鋼に変更すると、この配管が接続されるコンプレッサ等の機器がアルミニウム合金製であることから、これらの機器との接続が困難になることに加え、車体の軽量化を阻害し、またコストアップとなるので、現状のアルミニウム合金を用いることが望ましい。したがって、ステンレス鋼製の振動吸収管とアルミニウム合金製の配管とを接合する必要がある。しかしながら、これらの金属製のパイプ同士を単に機械的に嵌合させたり、螺合させたりする方法によっては、信頼性のある高強度かつ高気密性を有する接合部を得ることは非常に難しい。また、アルミニウム合金とステンレス鋼とを溶接やロウ付けで接合すると、接合部に脆い金属間化合物が生成しやすいために、この場合も信頼性のある高強度かつ高気密性を有する接合部を得ることは非常に困難である。
なお、鉄系材料とアルミニウムとの接合方法として、鉄系材料からなる母材の表面に荒加工を施して凹凸を形成した後、アルミニウム層を仮形成し、このアルミニウム層を表面側から押圧しながら、高周波加熱することにより、Fe−Alの金属間化合物からなる拡散層を形成する方法が開示されている(特許文献2参照)。
しかしながら、この方法は金属間化合物からなる拡散層を形成することによって母材表面の耐磨耗性や平滑度を向上させることを目的とするものであり、金属間化合物を形成する限り信頼性のある高強度かつ高気密性を有する接合部は得られない。
特開2002−195474号公報 特開平7−310161号公報
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであって、強度および気密性に優れた信頼性の高い、アルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、2本の異種金属管であるアルミニウム系金属管と鉄系金属管とが、二層金属クラッド板から形成された接続金具を介して接合され、前記二層金属クラッド板を構成する2種類の異種金属の材質が、前記2本の異種金属管とそれぞれ同種の材質であり、前記接続金具が、前記二層金属クラッド板に穴フランジ加工を施すことにより形成された、先端が開口した筒状の立ち上げ部を有するものであり、前記2本の異種金属管を、前記立ち上げ部の外周面側と内周面側とにそれぞれ分けて、前記同種の材質の金属同士が接触するように嵌挿し、これら同種の材質の金属同士が接触する部位のみを溶融接合により接合するアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法であって、前記溶融接合時において、前記立ち上げ部を構成する2種類の異種金属の界面上の位置であって、前記立ち上げ部の長手方向のいずれかの位置における最高温度を500℃以下とすること、または前記最高温度を500℃超650℃以下とし且つlog10θ≦42.92−0.258t+0.00009603t2の関係が成立するようにすることを特徴とするアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法である。ここに、t:500℃超で前記最高温度未満の任意の温度(℃)、θ:前記界面の任意の位置におけるt℃以上の保持時間(s)である。
請求項2に記載の発明は、前記溶融接合の部位のうち少なくとも一方の部位の接合をレーザ溶接で行う請求項1に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法である。
請求項3に記載の発明は、前記レーザ溶接をYAGレーザ溶接とする請求項2に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法である。
請求項4に記載の発明は、前記鉄系金属同士が接触する部位の接合をTIG溶接で行う請求項1または2に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法である。
請求項5に記載の発明は、溶接熱源は固定し、前記接続金具と前記異種金属管とは管軸を中心として所定の回転速度で一体に回転させつつ行う請求項4に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法である。
請求項6に記載の発明は、前記アルミニウム系金属同士が接触する部位の接合をロウ付けまたはMIGロウ付けで行う請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法である。
請求項7に記載の発明は、前記ロウ付けの際に用いるロウ材の融点を600℃以下とし、フラックスの活性開始温度を500℃以下とする請求項6に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法である。
請求項8に記載の発明は、前記接続金具にフランジ部を設けた請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法である。
請求項9に記載の発明は、前記立ち上げ部の外周面側に嵌挿する前記異種金属管を、前記フランジ部の根元まで嵌挿する請求項8に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法である。
請求項10に記載の発明は、前記立ち上げ部の立ち上げ高さは、前記立ち上げ部内径の1.0倍以上とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法である。
請求項11に記載の発明は、前記立ち上げ部の内周面側に嵌挿する前記異種金属管の嵌挿長さを、前記立ち上げ部の立ち上げ高さ以上とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法である。
請求項12に記載の発明は、前記立ち上げ部に前記異種金属管を2本とも嵌挿した後に前記溶融接合を行う請求項1〜11のいずれか1項に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法である。
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12のいずれか1項に記載の接合方法により得られたアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合構造である。
本発明によれば、接続金具の素材として二層金属クラッド板を用いるので、同種の金属間のみを溶接、ロウ付け等により溶融接合できるとともに、異種金属間の界面はクラッドによって物理的に強固に接合されている。さらに、本発明は、この異種金属間の界面への前記溶融接合による熱影響を可及的に制限しているので、前記界面における脆い金属間化合物の生成を抑制できる。この結果、強度および気密性に優れた信頼性の高いアルミニウム系金属管と鉄系金属管と接合構造を提供することが可能となった。また、このような強度および気密性に優れた信頼性の高いステンレス鋼管とアルミニウム合金管との接合構造の提供によって、自動車用エアコンにCO2冷媒を用いることができるようになり、地球環境への負荷の低減と、車体の軽量化とを両立させることが可能となった。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
[実施形態1]
図1に、本発明の実施の形態に係る接合方法により接合された接合構造を示す。図において、符号1は、鉄系金属管としてのステンレス鋼管、符号2はアルミニウム系金属管としてのアルミニウム合金管をそれぞれ示し、符号3は接続金具を示す。
(接続金具の形成)
接続金具3を形成する穴フランジ加工として、バーリング加工を用いた例を説明する。接続金具3は例えば以下のように形成する。ステンレス鋼とアルミニウム合金からなる二層金属クラッド板(以下、単に「クラッド板」ともいう。)を適当な大きさに切り出した切り板、またはスリッタコイルとし、この切り板またはスリッタコイルに予め下孔を開け、その後にバーリング加工を施して先端が開口した筒状の立ち上げ部4を形成する。そして、外周部をブランキング等により円形状に打ち抜くことにより、立ち上げ部4を有し、外周部が円環状のフランジ部5からなるフランジ状の接続金具3が形成できる。本例は、立ち上げ部4の外周面側4aがステンレス鋼で内周面側4bがアルミニウム合金となるようにバーリング加工したものである。
(接続金具と異種金属管との接合)
そして、異種金属管であるステンレス鋼管1およびアルミニウム合金管2を、接続金具3の立ち上げ部4の外周面側4aと内周面側4bとにそれぞれ分けて、同種の材質の金属同士が接触するように嵌挿する。具体的には、先ずステンレス鋼管1内に接続金具3の立ち上げ部4をフランジ5のない側から奥まで差し込み、次いでこの接続金具3の立ち上げ部4内にそのフランジ部5側からアルミニウム合金管2を差し込む。これにより、ステンレス鋼管1の内面は立ち上げ部4の外周面側4aのステンレス鋼と接触し、アルミニウム合金管2の外面は立ち上げ部4の内周面側4bのアルミニウム合金と接触することとなる。
その後、上記同種の材質の金属同士が接触する部分のみを溶融接合により接合する。この溶融接合時において、立ち上げ部4を構成する2種類の異種金属の界面(以下、「クラッド界面」ともいう。)6上の位置であって、立ち上げ部4の長手方向のいずれかの位置における最高温度を500℃以下とするか、または前記最高温度を500℃超650℃以下とし且つ下記式(1)が成立するようにする。
log10θ≦42.92−0.258t+0.00009603t2…式(1)
ここに、t:500℃超650℃以下で前記最高温度未満の任意の温度(℃)、θ:クラッド界面の任意の位置におけるt℃以上の保持時間(s)である。
上記のように、クラッド界面上の位置であって、立ち上げ部4の長手方向のいずれかの位置における温度と保持時間を規定したのは、以下の理由による。
すなわち、図3はクラッド板を一定の加熱温度で所定時間保持したときのクラッド界面における金属間化合物の生成の有無を示すものである。
同図(a)は、公知文献(大家正二郎著,「特集1:クラッド材、ステンレスクラッドアルミニウム板」,金属,株式会社アグネ技術センター,1989年7月,第59巻,第7号,p.25−29)のデータである。本図より、加熱温度が500℃以下では、保持時間によらず金属間化合物の生成は見られない。一方、加熱温度が500℃超になると、一定の保持時間以上で金属間化合物が生成するようになり、加熱温度が高くなるにともない、金属間化合物が生成し始める保持時間が短くなることがわかる。図中の破線は、加熱温度500℃超においてクラッド界面に金属間化合物が生成し始める、加熱温度と保持時間との関係を示すものである。
しかしながら、上記破線の位置は試験条件により変動するものと考えられ、また上記公知文献には詳細な試験条件が明示されていないため、本願発明者らは上記公知文献のデータのみから本発明の構成要件を規定するのは不十分と考えた。
そこで、本願発明者らは、加熱温度500℃超において、クラッド界面に金属間化合物が生成し始める、加熱温度と保持時間との関係について別途確認試験を行い、図3(b)の結果を得た。なお、本確認試験においては、所定の温度に維持した加熱炉内に試験片としてクラッド板の切り板を装入し、一定時間保持した後に取り出し、試験片の端面(切断面)をミクロ観察することによって、クラッド界面における金属間化合物の生成の有無を判定した。参考として図4に、(a)金属間化合物が生成しなかった場合、および(b)金属間化合物が生成した場合を対比して示す。
図3(b)中の破線は、本確認試験により金属間化合物が生成し始める、加熱温度と保持時間との関係を示すものであり、この破線より下方では金属間化合物が生成しないか、生成してもその生成量が微量でクラッド界面上に部分的に(不連続に)生成するだけであるので、クラッド界面の剥離強度に実質的に影響を与えない。
この破線より下方の領域は下記式(1)’で表される。
log10θ1≦42.92−0.258t1+0.00009603t1 2 …式(1)’
ここに、t1:加熱温度(℃)、θ1:保持時間(s)である。
以上より、異種金属管と接続金具との間の溶融接合による熱によって接続金具のクラッド界面の温度も上昇するが、その到達温度(最高温度)が500℃を超えないときは、保持時間によらず金属間化合物が生成することはない。また、クラッド界面の温度が500℃を超えるときでも、その到達温度(最高温度)に応じて、500℃超で到達温度(最高温度)未満の任意の温度以上の保持時間が上記式(1)’〔すなわち、式(1)〕を満たすように制限することにより、金属間化合物を生成させないか、または生成してもその生成量を微量に留めることができる。なお、クラッド界面上の位置であって、前記立ち上げ部の長手方向のいずれかの位置において上記式(1)を満たすこととしたのは以下の理由による。すなわち、前記立ち上げ部の長手方向のいずれかの位置において金属間化合物が生成しなければ、例え上記長手方向の他の位置で金属間化合物が生成しても、クラッド板の剥離強度およびシール性(気密性)を保持することができるからである。また、前記最高温度を650℃以下としたのは、クラッド界面が650℃を超えて加熱されるとクラッド板を構成するアルミニウム合金がその融点を超えて溶融し金属間化合物が過剰に形成される可能性が高いためである。
上記式(1)を満たすためには、溶融接合の部位(ステンレス鋼同士の接合の部位9およびアルミニウム合金同士の接合の部位10)のうち少なくとも一方の部位の接合をレーザ溶接、なかでも特にYAGレーザ溶接で行うことが望ましい。レーザ溶接、なかでも特にYAGレーザ溶接は、高エネルギー密度でかつ集光性が良好なことから瞬時かつ局部的な溶融接合を可能とし、他の溶接法に比べて溶接入熱量が極めて少なくてよいため、接続金具のクラッド界面を長時間高温状態に保持することがなく、上記式(1)を容易に満たすことができる。
例えばステンレス鋼管1の内面と立ち上げ部4の外周面側4aとの接合は、ステンレス鋼管1の外面側からその周全体をYAGレーザ溶接により重ね継手溶接することができる(図1の符号9参照)。YAGレーザ溶接を用いることにより、ステンレス鋼管1の外表面からその接合部9のステンレス鋼管1の肉厚全部を溶かした上、さらに内部の立ち上げ部4の外周面側4aのステンレス鋼の一部をも溶かすように瞬時かつ局部的に行うことができる。これにより、ステンレス鋼管1と立ち上げ部4の外周面側4aのステンレス鋼とを、金属間化合物の生成を抑制しつつ溶融接合できるため強固な接合が得られる。また、ステンレス鋼管1の周全体を溶融接合することにより、ステンレス鋼管1内面と立ち上げ部4の外周面側4aとの間に隙間がなくなりシール性(気密性)を確保できる。
なお、YAGレーザ溶接は、上述したように集光性が良好で精密な接合が可能なため、重ね継手溶接に代えて、ステンレス鋼管1の端部を隅肉溶接してもよい(図2の符号9参照)。
また、YAGレーザ溶接は、上述したように溶接入熱が極めて少なく、被接合材が過度の熱影響を受けることがないため、ステンレス鋼(鉄系金属)同士の接合だけでなく、アルミニウム合金(アルミニウム系金属)同士の接合(図1、図2の符号10参照)にも使用することができる。特に、Mgを含有するアルミニウム合金の接合においては、その表面に存在するMgO酸化膜により接合強度の低下を招くため、後述するロウ付けは適用できないのに対し、YAGレーザ溶接では溶化剤を併用すればその集光性により局所的かつ瞬時にMgO酸化膜および母材を溶解して接合が可能となるためMgを含有するアルミニウム合金にも適用できる効果がある。
[実施形態2](溶融接合の変形例1)
ステンレス鋼(鉄系金属)同士が接触する部位9の接合は、レーザ溶接の他、TIG溶接で行うこともできる。TIG溶接は、レーザ溶接に比べてエネルギー密度が低く、溶接入熱が多くなるため、接続金具のクラッド界面において高温状態が持続しやすいが、後述のように溶接速度の調整や放熱を利用することにより、上記式(1)を満たすことができる。
また、TIG溶接は、レーザ溶接ほどは精密な接合を行うことができず重ね溶接を行うことには適していないため、図2の符合9に示すような隅肉溶接により接合を行うことが推奨される。
隅肉溶接による接合は、ステンレス鋼管1の端面と接続金具3の外周面4aとの接触部(図2の符号9の部分)を周全体にわたって溶接するものであるが、例えば、溶接熱源はこの接触部に向けて固定し、接続金具3に異種金属管1,2を嵌挿した状態で管軸を中心として所定の回転速度で一体に回転させつつ溶接することが望ましい。これにより、溶接入熱が接続金具3の円周方向に均等に分散されるので、クラッド界面6の円周方向の特定の位置に熱が集中することがなく、回転速度(すなわち溶接速度)を調整することにより上記式(1)を満たすことができる。
[実施形態3](溶融接合の変形例2)
アルミニウム合金(アルミニウム系金属)同士が接触する部位10の接合には、上述した被接合材であるアルミニウム合金に対する熱影響を回避するため、比較的低温で接合できるロウ付けを用いることができる(図1の符号10参照)。
ロウ付けによる接合は、溶接に比べ加熱温度は低いものの長時間(少なくとも数分程度)を要するため、接続金具3のクラッド界面6の温度は加熱温度に近い温度に長時間保持されることになる。したがって、クラッド界面の温度は、比較的長時間保持しても金属間化合物が発生しないか、または発生してもごく微量に留まる550℃以下程度に維持する必要がある。このため、ロウ付け部とクラッド界面との温度差を考慮して、ロウ付けの際に用いるロウ材は融点が600℃以下、さらには590℃以下、特に580℃以下のものを用い、フラックスの活性開始温度が500℃以下、さらには480℃以下、特に460℃以下のものを用いるのが望ましい。
また、上記通常のロウ付けに代えてMIGロウ付けを用いることも好ましい。すなわち、通常のロウ付けでは、ロウ材と被接合材との濡れ性を確保するために被接合材の表面を溶融する必要があり、被接合材の表面温度を比較的高くする必要がある。これに対し、MIGロウ付けでは、被接合材の表面を溶融しなくても接合できるため、被接合材の表面温度を低く維持でき、したがってクラッド界面の温度も低く維持できる。
[実施形態4](接続金具の形状の変形例)
接続金具3は、放熱効果を必要とする場合には、図1に示すフランジ部5を設けたものとすることが望ましい。これにより、溶融接合時の入熱がフランジ部5を介して放散され、クラッド界面における金属間化合物の形成がより確実に防止できる。ただし、YAGレーザ溶接により隅肉溶接で接合する場合は、YAGレーザ溶接自体溶接入熱が極めて少ないためフランジ部による放熱効果が得られなくても金属間化合物形成の問題は少なく、却って隅肉溶接時にフランジ部が邪魔になるので、図2に示すような立ち上げ部4のみからなるものの方が好ましい。また、立ち上げ部4のみからなる接続金具3は、フランジ部2aの出っ張りがないため、例えば自動車用エアコンのCO2冷媒回路に用いる場合、エンジンルームなどの限られた空間内における配管レイアウトの自由度が増加する利点がある。なお、立ち上げ部4のみからなる接続金具3は、穴フランジ加工後に立ち上げ部4の根元近傍を切断することにより容易に形成できる。
また、溶融接合時における放熱を促進する必要がある場合は、立ち上げ部4の外周面側に嵌挿する異種金属管(本例ではステンレス鋼管)1をフランジ部5の根元まで嵌挿し、立ち上げ部4と異種金属管(本例ではステンレス鋼管)1との接触面積をできるだけ大きくして伝熱を促進させるのが望ましい。ただし、YAGレーザ溶接では他の接合法に比べ放熱効果が少なくてもよく、上記接触面積を小さくすることができるため、立ち上げ部4を短くできる。
また、放熱面積を確保する必要がある場合は、ステンレス鋼管1およびアルミニウム合金管2を差し込んだときに各管1,2と十分に接触面積を保つことにより溶融接合の作業を容易とするため、立ち上げ部4の立ち上げ高さは、立ち上げ部4内径の1.0倍以上、さらには2.0倍以上とするのが好ましい。ただし、立ち上げ高さを過剰に高くしても放熱効果が飽和し、却って立ち上げ部4の穴フランジ加工による加工コストが増大するので、立ち上げ部4内径の4.0倍以下、さらには3.0倍以下とするのが好ましい。
また、放熱面積をさらに拡大するため、立ち上げ部4の内周面側に嵌挿する異種金属管(本例では、アルミニウム合金管)2の嵌挿長さは、立ち上げ部4の立ち上げ高さ以上とすることが好ましい。
また、立ち上げ部4に異種金属管1,2を2本とも嵌挿して放熱面積をできるだけ大きくした後に溶融接合を行うことが好ましい。
上記例では、接続金具3を構成する二層金属クラッド板は異種金属管1,2の材質と同じステンレス鋼とアルミニウム合金からなるものとしたが、必ずしも異種金属管1,2と同一の材質のものに限られず、同種の材質のものでよい。ここで異種金属管と同種の材質とは、ベースとなる金属成分が異種金属管と同じであり、異種金属管と溶融接合しても脆い金属間化合物を形成しない乃至は形成しても微量であり実質的に影響のないものをいう。ここにベースとなる金属成分とは、ステンレス鋼の場合はFeであり、アルミニウム合金の場合はAlである。
したがって、上記例においてはクラッド板を構成するステンレス鋼はステンレス鋼管と異なる材質(鋼種)としてもよく(例えば、ステンレス鋼管がSUS304のとき、クラッド板のステンレス鋼をSUS430とする)、場合によってはステンレス鋼に代えて普通鋼を用いることもでき、穴フランジ加工による加工性、溶融接合性、強度等を考慮して適宜選択しうるものである。
また、クラッド板を構成するアルミニウム合金はアルミニウム合金管と異なる材質としてもよく(例えば、アルミニウム合金管がA5052のとき、クラッド板のアルミニウム合金をA1100とする)、場合によってはアルミニウム合金に代えて純アルミニウムを用いることもでき、穴フランジ加工による加工性、溶融接合性、強度等を考慮して適宜選択しうるものである。
クラッド板の全体厚さは、接合部を過度に大きくしないために薄い方が好ましいが、穴フランジ加工による加工性、溶融接合性、強度等を考慮して適宜調整することが望ましい。
また、クラッド板を構成する各異種金属の厚さの比率も、穴フランジ加工による加工性、溶融接合性、強度等を考慮して適宜調整し得るものである。なお、異種金属の材質の組合せが鉄系金属とアルミニウム系金属との組合せにおいては、二層金属クラッド板を構成する鉄系金属の厚さが当該二層金属クラッド板の全体厚さの15〜35%とすることが好ましい。35%を超えると、加工性に優れるアルミニウム系金属の割合が少なすぎて穴フランジ加工の際に立ち上げ部4の立ち上げ高さを十分に確保できない可能性があり、一方15%未満では鉄系金属の割合が少なすぎて穴フランジ加工の際に立ち上げ部4の鉄系金属が薄くなり切断されるおそれがあるためである。
接続金具3の立ち上げ部4の内径は、アルミニウム合金管2を容易に差し込めるが、隙間が開きすぎない程度にアルミニウム合金管2の外径より少しだけ大きくしておく。なお、接続金具3の内周面とアルミニウム合金管2とをロウ付けで接合する場合は、ロウ材が適度に間に入り込むように、もう少し隙間を開けておく。例えば、アルミニウム合金管2の外径が6.8mmの場合、隙間は0.1〜0.15mmとするのがよい。
バーリング加工は一般には、板材に立ち上げ部を設けてそこにネジ切りして止めビスとして使用したり、主配管の側壁に立ち上げ部を設けてそこに枝管をロウ付けし分岐管として使用する等の目的で利用される。このため、立ち上げ部の立ち上げ高さはそれほど高くする必要がなく、バーリング加工は通常常温(冷間)で行われる。しかし、上記のように、立ち上げ部4の立ち上げ高さを立ち上げ部4内径の1.0倍以上に高くする必要がある場合で材質によっては冷間では加工が困難なときがあり、そのような場合はクラッド板を予熱してからバーリング加工してもよい。
上記例(図1および図2)においては、クラッド板の穴フランジ加工は、立ち上げ部4の外周面側4aがステンレス鋼で内周面側4bがアルミニウム合金となるように行ったが、これとは逆に、立ち上げ部4の外周面側4aがアルミニウム合金で内周面側4bがステンレス鋼となるようにしてもよい。なお、上記例(図1および図2)のようにアルミニウム合金を内周側4bとする方が、穴フランジ加工による塑性変形の際にアルミニウム合金が潤滑機能を発揮するため成形性が向上し、立ち上げ部4に加工皺が発生する等の問題がなく円滑な加工表面が得られ、かつ立ち上げ部4の立ち上げ高さも高くできるのでより好ましい。
[実施形態5](接続金具の形成方法の変形例)
上記実施形態1では、二層金属クラッド板の穴フランジ加工としてバーリング加工を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、バーリング加工に代えて例えば深絞り加工を用いてもよい。バーリング加工では1回の塑性変形によって立ち上げ部4を形成するため、クラッド板が難加工性の材質である場合には立ち上げ部4の立ち上げ高さを所要の高さにすることが困難な場合がある。これに対し、深絞り加工で立ち上げ部4を形成する場合は、複数回に分けて少しずつ塑性変形を与えることができるため、難加工性の材質であっても容易に所望の立ち上げ高さを得ることができる。もちろん深絞り加工においてもクラッド板を予熱してから加工してもよい。なお、深絞り加工では予め下孔を開けずに加工を行うため、加工後にその先端部を開口する。
あるいは、穴フランジ加工として、深絞り加工とバーリング加工を組み合わせた加工方法を用いることも好ましい。例えば二層金属クラッド板を深絞り加工した後にその先端部に下孔を開け、その後にバーリング加工を施すことにより、立ち上げ部4の立ち上げ高さを確保するとともに、開口部の先端形状を円滑に仕上げることができる。
なお、ステンレス鋼とアルミニウム合金のような異種金属からなるクラッド板を用いた場合、雨水等の存在により異種金属間で電気腐食が起こることが懸念される。したがって必要により、異種金属の界面が露出しているクラッド板の端面を例えば樹脂等で被覆するなどすればよい。
上記例では、ステンレス鋼管およびアルミニウム合金管の組合せについてのみ説明したが、本発明はこの材質の組合せに限られるものではなく、鉄系金属とアルミニウム系金属との組合せであればいずれの組合せに対しても適用できる。例えば鉄系金属としては上記実施形態のステンレス鋼のほか普通鋼でもよい。また、アルミニウム系金属としては上記実施形態のアルミニウム合金のほか純アルミニウムでもよい。
(接続金具の形成)
接続金具の材料として、厚さ0.5mmのステンレス鋼(SUS430系)と厚さ1.2mmのアルミニウム合金(A1100)からなる全厚さ1.7mmの二層金属クラッド板を用いた。この二層金属クラッド板の切板に対して、内面側がアルミニウム合金となるように、6回に分けて深絞り加工を施した後、その先端部をポンチで打ち抜き、内径7mm、立ち上げ高さ15mmの立ち上げ部を形成した。そして、この立ち上げ部の外周部をブランキングにより円形状に打ち抜いて、フランジ部を備えた接続金具を形成した。図5に、この接続金具の(a)縦断面、(b)長さ中央近傍の横断面、および(c)この横断面における異種金属間の界面近傍の詳細を示す。複数回の深絞り加工によりクラッド板の肉厚は約1.5mmに減少していたが、図5に示すように、クラッド板を構成するステンレス鋼とアルミニウム合金との界面に剥離は認められなかった。
(接続金具とステンレス鋼管との接合)
上記接続金具の外周面側にステンレス鋼管(SUS304、肉厚1.0mm)をフランジ部の根元まで嵌挿したのち(なお、内周面側にはアルミニウム合金管を嵌挿せず)、管軸を中心として回転させつつ、CO2レーザ溶接機(定格:1kW)によりステンレス鋼管の外表面からレーザを照射することによって、その周全体を重ね継手溶接した(図1参照)。図6は、CO2レーザ溶接後のクラッド材を構成するステンレス鋼とアルミニウム合金との界面近傍の様子を示す断面図であり、(a)はフランジ部の根元部、(b)は溶接部、(c)は溶接部からフランジ部と反対方向に5mmの位置における界面近傍の組織をそれぞれ示す。(b)および(c)に示すように、界面に厚さ数μm程度とごく微量の金属間化合物(黒色部)が生成しているのが見られた。一方、(a)に示すように、フランジ部近傍では、その放熱効果により、金属間化合物の生成は見られなかった。このように、金属間化合物が微量に生成している部位が一部に存在しても、金属間化合物が発生しない部位で、部品の要求強度およびシール性を維持すればよい。
上記図6に示す観察結果と前述の図4との比較から、少なくとも上記CO2レーザ溶接時におけるクラッド界面の上記(a)の位置において、式(1)を満たすことが推察される。
なお、本実施例では、接続金具の内周面側にアルミニウム合金管を嵌挿せずにCO2レーザ溶接を行ったため上記のように溶接部において少量ではあるが金属間化合物が生成したが、先に下記の接続金具の内周面側へのアルミニウム合金管の嵌合ないし接合を行ってから上記CO2レーザ溶接を行えば、そのアルミニウム合金管による放熱効果により、さらに金属間化合物の生成量は低減されるものと考えられる。
(接続金具とアルミニウム合金管との接合)
上記接続金具の内周面側にアルミニウム合金管(A1070、肉厚1.5mm)を嵌挿したのち(なお、外周面側にはステンレス鋼管を嵌挿せず)、接続金具のフランジ部の付け根部の周全体をロウ付けした(図1参照)。ロウ材としては、フラックス入りAl−Si系ロウ材(Alu 19FCW−Cs50〔ナイス株式会社製、商品名〕、ロウ材の融点:約577℃、フラックスの活性開始温度:約440℃)を用い、ロウ付け用の熱源としては、酸素−アセチレンバーナを用いた。図7は、ロウ付け後の、ロウ付け部に最近接するクラッド界面近傍の様子を示す断面図である。同図に示すように、界面には金属間化合物の生成は見られなかった。
(接続金具の形成)
上記実施例1と同じ加工法で実施例1と同じ寸法の立ち上げ部を形成した後、その根元を切断して筒状の接続金具を製作した。
(接続金具とステンレス鋼管との接合)
上記接続金具の外周面側に、上記実施例1と同じステンレス鋼管(SUS304、肉厚1.0mm)を嵌挿したのち(なお、内周面側にはアルミニウム合金管を嵌挿せず)、管軸を中心として回転させつつ、YAGレーザ溶接機(定格:500W)によりステンレス鋼管の端部にYAGレーザを照射することによって、その周全体を隅肉継手溶接した(図2参照)。図8は、YAGレーザ溶接後のクラッド材を構成するステンレス鋼とアルミニウム合金との溶接部に最近接するクラッド界面近傍の様子を示す断面図である。同図に示すように、金属間化合物の生成は全く見られなかった。
上記図8に示す観察結果と前述の図4との比較から、上記YAGレーザ溶接時における上記クラッド界面の位置において式(1)を満たすことが推察される。
(接続金具とアルミニウム合金管との接合)
上記接続金具の内周面側に上記実施例1と同じアルミニウム合金管(A1070、肉厚1.5mm)を嵌挿したのち(なお、外周面側にはステンレス鋼管を嵌挿せず)、管軸を中心として回転させつつ、YAGレーザ溶接機(定格:500W)により接続継手の端部にYAGレーザを照射することによって、その周全体を隅肉継手溶接した(図2参照)。図示を省略したが、YAGレーザ溶接後のクラッド材を構成するアルミニウム合金とアルミニウム合金管との溶接部に最近接するクラッド界面には金属間化合物の生成は全く見られなかった。
上記観察結果と前述の図4との比較から、上記YAGレーザ溶接時における上記クラッド界面の位置においても式(1)を満たすことが推察される。
また、上記実施例2で明らかなように、YAGレーザ溶接を用いる場合には、必ずしも接続金具の内・外周面側の両方に異種金属管を嵌合させてから接合を行う必要がないことがわかった。
実施形態1に係るステンレス鋼管とアルミニウム合金管との接合構造を示す縦断面図である。 実施形態1の変形例に係るステンレス鋼管とアルミニウム合金管との接合構造を示す縦断面図である。 クラッド板を一定の加熱温度で所定時間保持したときのクラッド界面における金属間化合物の生成の有無を示すグラフ図である。 クラッド板を一定の加熱温度で所定時間保持したときにクラッド界面において、(a)金属間化合物が生成しなかった場合、(b)金属間化合物が生成した場合をそれぞれ示す部分側面図である。 実施例1の、成形後の接続金具の様子を示す(a)縦断面図、(b)横断面図および(c)部分横断面図である。 実施例1の、接続金具とステンレス鋼管との接合後におけるクラッド材界面近傍の様子を示す部分横断面図である。 実施例1の、接続金具とアルミニウム合金管との接合後におけるクラッド材界面近傍の様子を示す部分縦断面図である。 実施例2の、接続金具とステンレス鋼管との接合後におけるクラッド材界面近傍の様子を示す部分縦断面図である。
符号の説明
1…ステンレス鋼管
2…アルミニウム合金管
3…接続金具
4…立ち上げ部
4a…外周面側
4b…内周面側
5…フランジ部
6…クラッド界面
9,10…接合部

Claims (13)

  1. 2本の異種金属管であるアルミニウム系金属管と鉄系金属管とが、二層金属クラッド板から形成された接続金具を介して接合され、
    前記二層金属クラッド板を構成する2種類の異種金属の材質が、前記2本の異種金属管とそれぞれ同種の材質であり、
    前記接続金具が、前記二層金属クラッド板に穴フランジ加工を施すことにより形成された、先端が開口した筒状の立ち上げ部を有するものであり、
    前記2本の異種金属管を、前記立ち上げ部の外周面側と内周面側とにそれぞれ分けて、前記同種の材質の金属同士が接触するように嵌挿し、これら同種の材質の金属同士が接触する部位のみを溶融接合により接合するアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法であって、
    前記溶融接合時において、前記立ち上げ部を構成する2種類の異種金属の界面上の位置であって、前記立ち上げ部の長手方向のいずれかの位置における最高温度を500℃以下とすること、または前記最高温度を500℃超650℃以下とし且つlog10θ≦42.92−0.258t+0.00009603t2の関係が成立するようにすることを特徴とするアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法。
    ここに、t:500℃超650℃以下で前記最高温度未満の任意の温度(℃)、θ:前記界面の任意の位置におけるt℃以上の保持時間(s)である。
  2. 前記溶融接合の部位のうち少なくとも一方の部位の接合をレーザ溶接で行う請求項1に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法。
  3. 前記レーザ溶接をYAGレーザ溶接とする請求項2に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法。
  4. 前記鉄系金属同士が接触する部位の接合をTIG溶接で行う請求項1または2に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法。
  5. 溶接熱源は固定し、前記接続金具と前記異種金属管とは管軸を中心として所定の回転速度で一体に回転させつつ行う請求項4に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法。
  6. 前記アルミニウム系金属同士が接触する部位の接合をロウ付けまたはMIGロウ付けで行う請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法。
  7. 前記ロウ付けの際に用いるロウ材の融点を600℃以下とし、フラックスの活性開始温度を500℃以下とする請求項6に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法。
  8. 前記接続金具にフランジ部を設けた請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法。
  9. 前記立ち上げ部の外周面側に嵌挿する前記異種金属管を、前記フランジ部の根元まで嵌挿する請求項8に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法。
  10. 前記立ち上げ部の立ち上げ高さは、前記立ち上げ部内径の1.0倍以上とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法。
  11. 前記立ち上げ部の内周面側に嵌挿する前記異種金属管の嵌挿長さを、前記立ち上げ部の立ち上げ高さ以上とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法。
  12. 前記立ち上げ部に前記異種金属管を2本とも嵌挿した後に前記溶融接合を行う請求項1〜11のいずれか1項に記載のアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の接合方法により得られたアルミニウム系金属管と鉄系金属管との接合構造。

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