JP2005161226A - 汚染土壌の湿式分級方法及び汚染土壌の湿式分級システム - Google Patents
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Abstract
【課題】汚染土壌に付着した重金属を効率的に除去し、分級後の土壌からの重金属溶出量を抑制することができる、汚染土壌の湿式分級方法及び汚染土壌の湿式分級システムを提供する。
【解決手段】汚染土壌の湿式分級方法において、重金属で汚染された汚染土壌を分級液によって粒子状土壌(スラリー)にした後、粒子状土壌を粒度に応じて分級する際、汚染土壌、分級液、粒子状土壌のうち少なくとも1つに、無機塩を添加する。
【選択図】 図1
【解決手段】汚染土壌の湿式分級方法において、重金属で汚染された汚染土壌を分級液によって粒子状土壌(スラリー)にした後、粒子状土壌を粒度に応じて分級する際、汚染土壌、分級液、粒子状土壌のうち少なくとも1つに、無機塩を添加する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、重金属で汚染された汚染土壌の湿式分級方法及び汚染土壌の湿式分級システムに関する。
近年、六価クロム等の重金属で汚染された汚染土壌の人体、環境等に与える影響が深刻な社会問題となっている。このような汚染土壌に対しては、土壌汚染対策法に基づく「土壌環境基準」等に従い、重金属を除去し、汚染土壌を浄化する必要がある。
汚染土壌を浄化する際に、汚染土壌を分級液によって粒子状土壌(スラリー)にした後、粒子状土壌を粒度に応じて分級する湿式分級方法がしばしば利用される。例えば、水を用いてスラリーにした土壌を粒径により粗粒分(75μm以上)と細粒分(75μm未満)とに分級した上で、多量に重金属の付着した細粒分は産業廃棄物として処分場に搬出して廃棄し、他方、重金属の付着が少ないか、あるいは重金属の流出が少ない粗粒分は健全土として埋め戻し、再利用するという方法が挙げられる。
しかしながら、汚染土壌によっては、重金属が粗粒分の表面に付着していたり、粘性の土壌においては汚染の強い細粒分が凝塊し、粗粒分に混入していたりすることがあるため、粗粒分にも重金属が多量に付着していることもある。このような場合、重金属が流出する恐れがあるため、そのままでは粗粒分としての分画を健全土として埋め戻すことができず、分級時の水量を増加したり、あるいは酸やアルカリ等を含む分級液を使用したりして、再利用する粗粒分から重金属を除去する必要があった(例えば、特許文献1参照)。また、汚染土壌を分級した後に、再利用する粗粒分のみを酸やアルカリで処理し、粗粒分を浄化する方法も行われてきた。
特開2000−157964号公報
ところが、分級時の水量を増加する方法では、多量の汚染水が生じ、その水処理に大きな負担がかかり、汚染土壌の浄化コストが増大するという問題がある。また、単に分級時の水量を増加しても、粗粒分に付着した重金属を効率的に除去することはできないという問題もある。
さらに、酸やアルカリ等を含む分級液を使用する方法では、溶出する可能性の低い難溶性の重金属まで溶出させてしまい、分級後、粗粒分に含まれる間隙水中の重金属や粗粒分の表面に付着した重金属を除去するためのすすぎ工程に大きな負担がかかり、汚染土壌の浄化コストが増大するという問題がある。また、分級後に酸やアルカリで処理する方法でも、再利用するための粗粒分に対するすすぎ工程で多量の水が排出されてしまい、水処理のためのコストを要するという問題がある。
そこで、本発明は、汚染土壌に付着した重金属を効率的に除去し、分級後の土壌からの重金属溶出量を抑制することができる、汚染土壌の湿式分級方法及び汚染土壌の湿式分級システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、重金属で汚染された汚染土壌を分級液によって粒子状土壌(スラリー)にした後、粒子状土壌を粒度に応じて分級する汚染土壌の湿式分級方法において、汚染土壌、分級液、粒子状土壌のうち少なくとも1つに、無機塩を添加することを特徴とする。
また、本発明は、無機塩を添加する工程において、無機塩を添加することにより、重金属イオンと無機塩の陽性成分もしくは陰性成分とをイオン交換させることを特徴としてもよい。
ここで、イオン交換とは、溶液中で解離した無機塩の陽性成分もしくは陰性成分のイオンが、荷電性の粒子状土壌の表面に付着していた陽イオン性もしくは陰イオン性の重金属イオンと置換されて粒子状土壌の表面に付着し、他方、重金属イオンが粒子状土壌の表面から離脱する現象をいう。
また、本発明の汚染土壌の湿式分級方法において、重金属は六価クロムであることを特徴としてもよい。
さらに、本発明における汚染土壌の湿式分級システムは、重金属で汚染された汚染土壌を分級液によって粒子状土壌(スラリー)にするためのスラリー製造装置と、汚染土壌、分級液、粒子状土壌のうち少なくとも1つに、無機塩を添加するための無機塩添加装置と、粒子状土壌を粒度に応じて分級するための分級装置とを有することを特徴とする。
本発明によれば、汚染土壌に付着した重金属を効率的に除去し、分級後の土壌からの重金属溶出量を抑制することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明による汚染土壌の湿式分級方法及び汚染土壌の湿式分級システムの実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態における汚染土壌の湿式分級システムを示す図であって、この湿式分級システムは、重金属で汚染された汚染土壌1を分級液2によって粒子状土壌(スラリー)5にするためのスラリー製造装置4と、汚染土壌、分級液、粒子状土壌のうち少なくとも1つに、無機塩を添加するための無機塩添加装置3と、粒子状土壌を粒度に応じて分級するための分級装置6とを有する。なお、図1では、無機塩を分級液に添加する形態を示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、この湿式分級システムを用いて、汚染土壌の湿式分級方法を詳細に説明する。
本発明による汚染土壌の湿式分級方法によると、重金属で汚染された汚染土壌を分級液によって粒子状土壌(スラリー)にした後、粒子状土壌を粒度に応じて分級する際、汚染土壌、分級液、粒子状土壌のうち少なくとも1つに、無機塩を添加する。
ここで、土壌を汚染する重金属は、例えば、カドミウム(Cd)、鉛(Pb)、水銀(Hg)、ヒ素(As)、セレン(Se)、等の重金属のうち、少なくとも一種以上が汚染物質として含まれていてもよく、後述する本発明の実施例においては、土壌を汚染する重金属を六価クロム(Cr6+)としたが、これに限定されるものではない。
また、本発明における無機塩は、その陽性成分が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、アンモニウムイオン(NH4+)のうちいずれか一種以上からなってよく、その陰性成分が、硫酸イオン(SO4 2−)、硝酸イオン(NO3 −)、塩素イオン(Cl−)、酢酸イオン(CH3COO−)、リン酸イオン(PO4 3−)、リン酸水素イオン(HPO4 2−)、リン酸二水素イオン(H2PO4 −)、炭酸イオン(CO3 2−)、炭酸水素イオン(HCO3 −)のうちいずれか一種以上からなってよい。
なお、上記無機塩の陽性成分及び陰性成分とは、それぞれ、その無機塩を生成させる中和反応に関与する塩基及び酸の構成原子又は構成基のうち、水溶液中で、陽イオン及び陰イオンとなりうる成分をいい、必ずしも結晶性の無機塩の状態で、イオン性を帯びている必要はない。
上記無機塩のうち、水溶液に溶解して中性を呈するものとしては、例えば、硫酸ナトリウム(Na2SO4)、硫酸カリウム(K2SO4)、硫酸マグネシウム(MgSO4)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化マグネシウム(MgCl2)、硝酸ナトリウム(NaNO3)、硝酸カリウム(KNO3)、硝酸マグネシウム(Mg(NO3)2)、硝酸カルシウム(Ca(NO3)2)、リン酸ナトリウム(Na3PO4)、リン酸カリウム(K3PO4)、等がある。
さらに、上記無機塩のうち、水溶液に溶解して弱酸性を呈するものとしては、例えば、硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)、塩化アルミニウム(AlCl3)、硫酸アルミニウム(Al2(SO4)3)、硝酸アルミニウム(Al(NO3)3)、リン酸二水素ナトリウム(NaH2PO4)、リン酸二水素カリウム(KH2PO4)、等がある。
さらに、上記無機塩のうち、水溶液に溶解して弱塩基性を呈するものとしては、例えば、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、炭酸水素カリウム(KHCO3)、リン酸一水素ナトリウム(Na2HPO4)、リン酸一水素カリウム(K2HPO4)、酢酸ナトリウム(CH3COONa)、酢酸カリウム(CH3COOK)、等がある。
これらのうち、いずれの無機塩を添加するかは、除去対象となる重金属の性質(陽性イオン、陰性イオン、価数等)や構造等によって適宜選択してもよく、また上記無機塩を複数組み合わせて添加してもよい。
例えば、六価クロム(CrO4 2−)とのイオン交換反応を促進させる観点からすれば、同イオンと類似性した分子構造からなる陰性成分を有する、硫酸塩及びリン酸塩等が好ましい。
なお、従来、硫酸第一鉄等の鉄塩が六価クロム等の重金属を還元吸着することによって汚染物質を無害化することが知られていたが、本発明による汚染土壌の湿式分級方法の原理としては、分級液中で溶解した無機塩から生じるイオンとのイオン交換反応により、主として粒子状土壌の表面に電気的に付着していた重金属イオンが除去されることが考えられる。このため、重金属が六価クロムである場合には、無機塩から、鉄塩を除くことが望ましい。
図2は、本発明の一実施形態における汚染土壌の湿式分級方法を示すフローチャートである。
まず、採掘した汚染土壌1に、無機塩添加装置3を用いて無機塩を添加した分級液を加える(S201)。さらに、スラリー製造装置4としての連続ミキサー等で攪拌してスラリー状態にし(S202)、これをスラリー受槽に貯蔵する(S203)。この際、分級液2の溶媒には通常、水を用いるが、水以外であっても土壌をスラリー化し、分級しうる溶媒であれば、これに限られるものではない。また、汚染土壌1ではなく、分級液2やスラリー化した粒子状土壌5に無機塩を添加してもよく、これらのうち複数の過程で無機塩を添加してもよい。
また、分級液2の液量は、汚染土壌との液固比(V/W)が所定の値となるようにし、これを汚染土壌1に加える。この際、上記所定値は、スラリーにする土壌粒子の性質、重金属等の汚染物質の種類、分級液の性質、添加する無機塩の種類のみならず、分級時の条件やコスト面等の諸要素によって決定する。
ここで、分級液またはスラリーのpHや電気伝導率を調整することで、無機塩によるイオン交換反応等を促進させ、六価クロムを効率的に除去してもよい。
本実施形態では、無機塩を分級液2に添加してから、これを採掘した汚染土壌1に加える場合を示しているが、これに限られるものではなく、分級液2を加える前の採掘した汚染土壌に無機塩を添加してもよく、また、分級液2を加えた後の採掘した汚染土壌に無機塩を添加してもよい。さらに、採掘する前の汚染土壌に無機塩を添加し、その後、汚染土壌を採掘してから、分級液を加えてもよい。また、汚染土壌をスラリー5にした後、そこに無機塩を加えてもよい。
次に、土砂分離機等の分級装置6により、スラリー受槽に貯蔵された土壌粒子を粒度(粒径)に応じ、粗粒分に相当する砂分画7と、細粒分に相当する泥水分画8とに分級する(S204)。但し、スラリー状にした土壌をスラリー受槽に貯蔵することなく、そのまま土砂分離機に導入してもよい。
土砂分離機等の分級装置6が用いる分級方法は、通常、乾燥状態で行われる乾式分級法と、液体中で行われる湿式分級方法とに分類されるが、本発明においては湿式分級方法を用いる。湿式分級方法であれば特に限定する必要はなく、重力による沈降速度差を利用する方法であっても、液体の上昇流を利用する方法であってもよく、また、遠心力を利用した方法等でもよいが、以下の実施例では、ふるいによる方法を用いた。
さらに、分級方法は、粒度を基準として土壌を粗粒分と細粒分との二分画に分級することが多いが、必ずしもこの種の分画に限られるものではなく、土壌によっては、他の第三分画等を設けてもよい。なお、分画の基準となる粒径は、適宜設定できるが、75μmに設定するのが好ましく、以下の実施例ではこの値を用いた。
その後、前者の砂分画7については、液固比が所定の割合となるように水を加えてすすぎを行い(S205)、砂分画7を埋め戻し土壌として再利用する(S206)。
この際、分級後の砂分画によっては、すすぎを行わない場合もあり、複数回すすぎを行う場合もある。また、すすぎ用の溶液も水のみならず他の溶液であってもよく、無機塩等の薬剤等を含むものであってもよい。コスト面からは、すすぎ用の溶液を再利用することが好ましい。なお、上記所定の割合は、分級後の砂分画に含まれる六価クロム等の重金属の性質、含有量、溶出量のみならず、すすぎ用溶液の性質、すすぎ時の条件、すすぎ後の処理工程の内容、コスト面等の諸要素によって決定する。
他方、後者の泥水分画8については、貯泥槽に貯蔵しておき(S207)、フィルタープレスにより固液分離を行い(S208)、重金属の付着した脱水ケーキは廃棄する(S209)。
一般に、分級後の土壌は、粗粒分については浄化して再利用し、他方、細粒分については廃棄処理することが多いが、必ずしもこの形態に限られるものではなく、細粒分であっても、廃棄処理することなくキレート剤や界面活性剤等の薬剤を用いて浄化し、これを再利用してもよい。この際、無機塩を使用してもよい。
泥水分画8を固液分離した際の分離液については、重金属除去装置によって、分離液から重金属を除去し(S210)、除去後の浄水液を分級液として再利用することができる(S211)。また、分級液に添加した無機塩が、この段階で重金属除去装置によって除去されない場合には、そのまま再利用することができるが、無機塩が除去されてしまう場合は、再利用する際に無機塩を添加することが好ましい。
図3において、本発明の実施例における、六価クロム汚染土壌の浄化方法を示す。
本実施例における試料土としては、六価クロム含有量(環境省告示第46号)が45mg/kg、六価クロム溶出量(環境省告示第19号)が2.1mg/Lである汚染土壌100gを用いた。なお、試料土の粒度分布は、表1に示す。
この試料土に対し、液固比(V/W)10.0となるように分級液を加え(S301)、攪拌してからスラリーとした(S302)。分級液としては、水、アルカリ溶液(炭酸ナトリウム0.01M)及び無機塩を添加した溶液(硫酸ナトリウム0.05M)のいずれかを用いた。
次に、スラリー状の土壌粒子を75μmのフルイにより分級した(S303)。細粒分の泥水分画(75μm未満)は脱水してケーキ状にした後、廃棄した(S304)。他方、粗粒分の砂分画(75μm以上)は、液固比(V/W)10.0となるように水を加えてすすぎを行った後(S305)、洗浄砂(すすぎ回数1または2)について六価クロム溶出量の分析を行った(S306)。この際、対象実験として、すすぎを行っていない粗粒分の砂分画(75μm以上)(すすぎ回数0)についても、六価クロム溶出量の分析を行った。
===六価クロム溶出量の分析方法について===
本実施例における六価クロム溶出量とは、環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項による土壌の汚染に係る環境上の条件につき、人の健康を保護し、及び生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準(環境省告示第46号)に基づいて作成された検液中の六価クロムイオンの濃度である。六価クロムイオン濃度の測定は、日本工業規格「工場排水試験法」において、規格65.2(JIS K 01 02)で定める方法に従って行った。
本実施例における六価クロム溶出量とは、環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項による土壌の汚染に係る環境上の条件につき、人の健康を保護し、及び生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準(環境省告示第46号)に基づいて作成された検液中の六価クロムイオンの濃度である。六価クロムイオン濃度の測定は、日本工業規格「工場排水試験法」において、規格65.2(JIS K 01 02)で定める方法に従って行った。
(1)検液作成法について
まず、採取した土壌をガラス製容器又は測定の対象とする物質が吸着しない容器に収容し、土壌を風乾し、中小礫、木片等を除き、土塊、団粒を粗砕した後、非金属製の2mmの目のふるいを通過させて得た土壌を十分混合した。さらに、試料(単位g)と溶媒(塩酸を純水で希釈し、水素イオン濃度指数が5.8以上6.3以下となるようにしたもの)(単位ml)とを重量体積比10%の割合で混合し、かつ、その混合液が500ml以上となるようにした。
まず、採取した土壌をガラス製容器又は測定の対象とする物質が吸着しない容器に収容し、土壌を風乾し、中小礫、木片等を除き、土塊、団粒を粗砕した後、非金属製の2mmの目のふるいを通過させて得た土壌を十分混合した。さらに、試料(単位g)と溶媒(塩酸を純水で希釈し、水素イオン濃度指数が5.8以上6.3以下となるようにしたもの)(単位ml)とを重量体積比10%の割合で混合し、かつ、その混合液が500ml以上となるようにした。
このようにして調製した試料液を室温(約20℃)常圧(約1気圧)で振とう機(振とう回数は毎分約200回、振とう幅は4cm以上5cm以下)を用いて、6時間連続して振とうした。振とう後、試料液を10分から30分程度静置し、毎分約3000回転で20分間遠心分離した後の上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルターで濾過して濾過液を回収した。こうして得られた試料液から、定量に必要な量を正確に計り取って、これを検液とした。
(2)検液中の六価クロムイオン濃度の測定について
次に、検液中の六価クロムイオン濃度を測定した。この際における測定方法は、ジフェニルカルバジド吸光光度法に従った。六価クロム溶出量の測定結果を表2に示す。
次に、検液中の六価クロムイオン濃度を測定した。この際における測定方法は、ジフェニルカルバジド吸光光度法に従った。六価クロム溶出量の測定結果を表2に示す。
土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)の規定に基づく土壌の六価クロム汚染に係る環境基準値は、0.050mg/Lである。
無機塩を含む溶液を分級液として用いた場合、分級後の砂分画は、すすぎを全く行わない時には上記基準値を満たさないが(0.059>0.050)、上記すすぎを1回行った時には上記環境基準を満たした(0.037<0.050)。
これに対し、アルカリ性の溶液を分級液として用いた場合、分級後の砂分画は、すすぎを全く行わない時には上記基準値を満たさず(0.097>0.050)、また、上記すすぎを1回行った時にも上記環境基準を満たさなかった(0.053>0.050)。
さらに、水を分級液として用いた場合、分級後の砂分画は、すすぎを全く行わない時には上記基準値を満たさず(0.170>0.050)、また、上記すすぎを1回行った時にも(0.120>0.050)、2回行った時にも(0.082>0.050)、上記環境基準を満たさなかった。
上記測定結果によれば、本発明の実施例における分級液として、無機塩を含有した溶液の方が、水及びアルカリ性の溶液よりも、処理後の六価クロム溶出量が少ない点から、より好ましいといえる。
1 汚染土壌
2 分級液
3 無機塩添加装置
4 スラリー製造装置
5 粒子状土壌(スラリー)
6 分級装置
7 粗粒分(75μm以上)に相当する砂分画
8 細粒分(75μm未満)に相当する泥水分画
2 分級液
3 無機塩添加装置
4 スラリー製造装置
5 粒子状土壌(スラリー)
6 分級装置
7 粗粒分(75μm以上)に相当する砂分画
8 細粒分(75μm未満)に相当する泥水分画
Claims (4)
- 重金属で汚染された汚染土壌を分級液によって粒子状土壌(スラリー)にした後、該粒子状土壌を粒度に応じて分級する汚染土壌の湿式分級方法において、
前記汚染土壌、前記分級液、前記粒子状土壌のうち少なくとも1つに無機塩を添加する工程を含むことを特徴とする汚染土壌の湿式分級方法。 - 前記無機塩を添加する工程において、
前記無機塩を添加することにより、前記重金属イオンと前記無機塩の陽性成分もしくは陰性成分とをイオン交換させることを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の湿式分級方法。 - 前記重金属は、
六価クロムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の汚染土壌の湿式分級方法。 - 重金属で汚染された汚染土壌を分級液によって粒子状土壌(スラリー)にするためのスラリー製造装置と、
前記汚染土壌、前記分級液、前記粒子状土壌のうち少なくとも1つに無機塩を添加するための無機塩添加装置と、
前記粒子状土壌を粒度に応じて分級するための分級装置と
を有する汚染土壌の湿式分級システム。
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JP2014161828A (ja) * | 2013-02-27 | 2014-09-08 | Hazama Ando Corp | 汚染土壌の洗浄方法及び洗浄システム |
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2003
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090526 |