JP2005158723A - 電解質・電極接合体及びその製造方法 - Google Patents

電解質・電極接合体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固体電解質を具備する電解質・電極接合体において、電極反応を効率よく進行させる。
【解決手段】NiO粒子とYSZ粒子とを所定の割合で混合し、バインダを添加した後に溶媒に分散させ、噴霧乾燥法により顆粒状の粒子とする。この粒子を使用してプレス成形によって成形体を得、該成形体の一端面にYSZのペーストを印刷し、成形体とペーストとをともに焼結させてアノード側電極12、固体電解質16とする。さらに、固体電解質16の露呈した一端面にLa0.6Sr0.4MnO3、又はLa0.6Sr0.4)(Fe0.8Co0.2)O3-Xのペーストを印刷して加熱し、カソード側電極14を焼き付ければ、電解質・電極接合体18が得られる。
【選択図】図5

Description

本発明は、固体電解質をアノード側電極とカソード側電極とで挟持して構成される電解質・電極接合体及びその製造方法に関する。
燃料電池や酸素センサ等の電気化学セルの1種として、アノード側電極とカソード側電極との間に固体電解質が介装された電解質・電極接合体を具備するものが例示される。この場合、固体電解質が、アノード側電極とカソード側電極とで挟持されている。
例えば、燃料電池の場合、アノード側電極の材質としては、Y23が8モル%程度ドープされた安定化ジルコニア(YSZ)と、Niとが重量比で1:1の割合であるサーメット等が採用される。また、固体電解質の材質としてはYSZ等が採用され、カソード側電極の材質としてはLaMnO3等のペロブスカイト型酸化物等が採用される。
この種の電解質・電極接合体は、以下のようにして作製される。先ず、NiO粉末とYSZ粉末とを重量比で1:1として配合し、湿式ボールミル等によって粉砕・混合してスラリーとする。
次に、このスラリーをドクターブレード法等によって膜状に成形することにより、NiOとYSZとの混合物からなるアノード側電極とする。
その一方で、YSZ粉末を湿式ボールミル等によって粉砕するとともにスラリーとする。このスラリーを、上記と同様に、ドクターブレード法等によって膜状に成形することにより、YSZからなる固体電解質とする。
このようにして作製された固体電解質を、前記アノード側電極の一端面に積層し、この状態で両者を同時に焼結させる。これに伴って、アノード側電極と固体電解質とが互いに接合される。
次に、固体電解質の一端面に、スクリーン印刷法等によってLaMnO3のペーストを膜状に塗布する。このペーストを、固体電解質及びアノード側電極ごと加熱すれば、固体電解質上にカソード側電極が焼き付けられ、アノード側電極とカソード側電極との間に固体電解質が介装された電解質・電極接合体が得られるに至る。
この種の電解質・電極接合体を具備する燃料電池において、水素を含有する燃料ガスがアノード側電極に供給される一方、酸素を含有する酸素含有ガスがカソード側電極に供給される。このうち、燃料ガスは、該アノード側電極の気孔を介して固体電解質側へ移動する。この燃料ガス中の水素と、カソード側電極で電子と結合して生成し、該カソード側電極から固体電解質を経由してアノード側電極中のYSZに到達した酸化物イオン(O2-)とが結合し、その結果、水蒸気と電子が生成する。水蒸気は、アノード側電極の気孔を介して該アノード側電極の一端面へ移動し、最終的に、該一端面から排出される。
このことから諒解されるように、アノード側電極は、該アノード側電極に供給された燃料ガスや、生成した水蒸気が迅速に拡散するように、所定の割合の気孔を含む多孔質体である必要がある。しかしながら、上記したような方法で設けられたアノード側電極は、概して気孔率が小さいため、燃料ガスや水蒸気の拡散が遅く、従って、電池反応を促進させることが容易ではない。この場合、過電圧が大きくなるので、電流密度を大きくした際の電池電圧が小さくなってしまう。
このような不具合を解消するために、特許文献1及び特許文献2には、アノード側電極の原材料であるスラリーや粒子に気孔形成剤を添加することが提案されている。
特開平10−64556号公報 特開平6−163055号公報
ところで、水蒸気は、水素に比して分子量が大きく且つ比重も大きいので、気孔内に滞留し易い。水蒸気の滞留量が多くなると、水素が拡散することが困難となるため、電池反応を促進させることが困難となってしまう。
上記したように、特許文献1及び特許文献2においては、気孔形成剤を添加することによって気孔率を向上させることが提案されている。しかしながら、気孔率を向上させたとしても、水蒸気の滞留を抑制することは困難であり、結局、電池反応を促進させて電池電圧を大きくすることは困難である。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、水蒸気等のガスを迅速に拡散させることができ、且つ水素とアノード側電極との接触面積が大きく、このため、例えば、電流密度を大きくして放電する際においても高い電池電圧を示す燃料電池を得ることが可能な電解質・電極接合体及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、固体電解質をアノード側電極とカソード側電極とで挟持して構成される電解質・電極接合体において、
前記アノード側電極又は前記カソード側電極の少なくともいずれか一方は、構成粒子が凝集した状態で互いに結合した焼結体であり、
前記焼結体の前記構成粒子間には、3次元に連なるとともに2次元断面における開口形状が非円形である気孔が存在し、
且つ前記焼結体の気孔率が10〜50体積%であることを特徴とする。
スラリーから形成された従来技術に係るアノード側電極等は、粒子同士がバインダで結合された状態で焼結されるため、電子顕微鏡にて観察した場合、気孔形成剤で形成された連通しない球状機構のみが認められる。これに対し、本発明に係る電解質・電極接合体では、粒子同士が凝集した顆粒が粗く結合しており、このために顆粒間の間隙が3次元的に連なる。すなわち、気孔が3次元的に連なった、比表面積が大きな気孔を形成することができる。従って、燃料ガスや水蒸気が気孔内を容易に拡散することができるので、水蒸気が滞留し難くなり、燃料ガスが気孔内に進入することが容易となる。なお、比表面積とは、当該気孔の単位体積当たりの表面積を示す。
スラリーから形成されたアノード側電極における気孔は略球形であり、従って、2次元断面の開口形状は、略円形である。これに対し、本発明においては、気孔が屈曲ないし湾曲して3次元に連なっているので、2次元断面の開口形状は非円形を示す。このような気孔の比表面積は、スラリーから形成されたアノード側電極における気孔に比して大きい。
このように気孔の比表面積が大きいことから、本発明においては、該気孔に露呈するYSZ粒子の表面積が大きくなる。すなわち、気孔内に進入した燃料ガスとYSZ粒子との接触面積が大きくなる。このため、該YSZ粒子内を伝導した酸化物イオンと、気孔内に進入した燃料ガスに含まれる水素との反応が効率よく進行する。
以上のような理由から、アノード側電極における過電圧が小さくなり、このため、大きな電流密度で放電させた場合であっても、比較的高い電池電圧を得ることができる。アノード側電極に代替してカソード側電極を多孔質体とするようにしても同様である。
この場合、構成粒子に陥没が存在することが好ましい。この陥没は、燃料ガス等の通路となる。すなわち、陥没が気孔の一部をなすので、気孔の比表面積を一層大きくすることができ、結局、過電圧を一層小さくすることができる。
また、本発明は、固体電解質をアノード側電極とカソード側電極とで挟持して構成される電解質・電極接合体を製造する方法であって、
前記アノード側電極又は前記カソード側電極の構成粒子を作製する工程と、
前記構成粒子から成形体を作製した後に前記成形体を加熱する工程と、
前記成形体の一端面に固体電解質を設けた後に前記成形体と前記固体電解質とをともに焼結させて焼結体とする工程と、
前記焼結体における前記固体電解質上に、前記アノード側電極又は前記カソード側電極の残余の一方を設ける工程と、
を有し、
前記成形体から設けられたアノード側電極又はカソード側電極を、前記構成粒子が凝集した状態で互いに結合した焼結体として作製することを特徴とする。
さらに、本発明は、固体電解質をアノード側電極とカソード側電極とで挟持して構成される電解質・電極接合体を製造する方法であって、
前記アノード側電極又は前記カソード側電極のそれぞれの構成粒子を作製する工程と、
前記各構成粒子から、前記アノード側電極の成形体と、前記カソード側電極の成形体とをそれぞれ作製した後に前記各成形体を加熱する工程と、
前記成形体のいずれか一方の一端面に固体電解質を設ける工程と、
前記固体電解質の一端面に、前記成形体の残余の一方を載置する工程と、
前記成形体の双方と前記固体電解質とをともに焼結させて焼結体とする工程と、
を有し、
前記成形体から設けられたアノード側電極及びカソード側電極を、前記構成粒子が凝集した状態で互いに結合した焼結体として作製することを特徴とする。
いずれの場合においても、成形体に形成された気孔を残存させ、多孔質焼結体を得るようにしている。これにより、構成粒子が凝集した状態で互いに結合し、且つ気孔が3次元に連なった電極を得ることができる。
構成粒子は、噴霧乾燥法又は転動造粒法によって作製することが好ましい。この場合、凝集した顆粒状のものが得られるので、成形体、ひいては焼結体の気孔率を制御することが容易となる。また、作製された粒子には、陥没が存在するものもある。
成形体を作製する手法としては、プレス成形が好ましい。この場合、プレス圧を調整することによって、成形体の気孔率を容易に制御することができるからである。
そして、最終的に得られる焼結体の気孔率を10〜50体積%とするには、プレス成形を行う際のプレス圧力を、25〜120MPaとすることが好ましい。
本発明によれば、電極内部に設けられた気孔が3次元に連なっているので、水蒸気等のガスが迅速に拡散する。また、該気孔の比表面積が大きいので、該気孔内に露呈した電極の構成粒子の表面積が大きい。このため、例えば、アノード側電極の場合、該気孔内に進入した燃料ガスに含まれる水素と、アノード側電極の構成粒子との接触面積が大きくなるので、固体電解質を伝導してアノード側電極に到達した酸化物イオンと水素とが効率よく反応する。以上のような理由から、過電圧が小さくなるので、例えば、電流密度を大きくして放電する際においても高い電池電圧を示す燃料電池を得ることができる。
以下、本発明に係る電解質・電極接合体及びその製造方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下において、気孔率の数値は全て、酸化ニッケルを還元した後の値を示す。
本実施の形態に係る電解質・電極接合体を有する燃料電池の発電セルの概略縦断面図を図1に示す。この発電セル10は、アノード側電極12とカソード側電極14との間に固体電解質16が介装されており、これらが互いに接合されることによって構成された電解質・電極接合体18を具備する。なお、アノード側電極12、固体電解質16、カソード側電極14の厚みは、それぞれ、約1mm、約5μm、約30μmである。
この場合、アノード側電極12は、NiとYSZとが重量比で1:1の割合であるサーメット(焼結体)からなり、気孔率は10〜50体積%である。気孔率が10体積%未満であると、燃料ガスを効率よく拡散させることが困難となる。また、50体積%を超えると、強度が小さくなる。より好ましい気孔率は、20〜45体積%である。
ここで、アノード側電極12の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図2に示すとともに、スラリーから設けられた従来技術に係るアノード側電極のSEM写真を図3に示す。図3から諒解されるように、従来技術においては、粒子同士が連なるように結合して粒界の存在が認められないのに対し、本実施の形態に係る電解質・電極接合体18を構成するアノード側電極12では、図2に示すように、原材料である粒子が凝集した状態で互いに結合している。すなわち、粒界の存在が容易に視認される。
また、従来技術においては、気孔としては、2次元断面における開口形状が楕円形状であるもの、すなわち、楕円球形状のものが存在するのみである。この場合、該気孔内に水素が導入されたとしても、アノード側電極の構成粒子が水素と接触する面積が小さい。また、気孔と気孔との間の間隙が極めて小さいため、水蒸気や水素の拡散が遅くなる。
一方、本実施の形態においては、アノード側電極12を構成する粒子自体に陥没や空洞が存在することが認められる。このため、該アノード側電極12には、これらの陥没や空洞、さらには粒子間の間隙が連なることによって、3次元に連なるとともに、2次元断面における開口形状が非円形である気孔が多数形成される。すなわち、1つの気孔の体積が大きくなり、このために構成粒子と水素との接触面積が大きくなるとともに、気孔内における水蒸気や水素の拡散が著しく迅速となる。
このように、本実施の形態によれば、3次元に連なるとともに2次元断面における開口形状が非円形である気孔が存在する多孔質体でアノード側電極を構成することにより、アノード側電極における水素と構成粒子との接触面積を大きくすることができるとともに、水蒸気や水素を迅速に拡散させることができる。
なお、本実施の形態においては、固体電解質16はYSZからなり、カソード側電極14は、ペロブスカイト型酸化物であるLa0.6Sr0.4MnO3、又は、一般にLSCFと呼称される(La0.6Sr0.4)(Fe0.8Co0.2)O3-Xのいずれかからなる。
このように構成された電解質・電極接合体18は、1対のセパレータ22a、22bの間に介装される(図1参照)。また、該セパレータ22a、22bの外側には集電用電極24a、24bがそれぞれ配置され、さらに該集電用電極24a、24bの外側にはエンドプレート26a、26bがそれぞれ配置される。これらエンドプレート26a、26b同士が図示しないボルトで互いに連結されて電解質・電極接合体18、セパレータ22a、22b及び集電用電極24a、24bがエンドプレート26a、26bで挟持され、これにより発電セル10が構成されている。なお、セパレータ22a、22bには、燃料ガス又は酸素含有ガスをアノード側電極12又はカソード側電極14に供給するためのガス流路28a、28bがそれぞれ形成されている。
本実施の形態に係る電解質・電極接合体18は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
上記したように構成された発電セル10を運転するに際しては、該発電セル10を500〜1000℃程度まで昇温する。その後、セパレータ22bに設けられたガス流路28bに酸素を含有する酸素含有ガスを流通させ、その一方で、セパレータ22aに設けられたガス流路28aに水素を含有する燃料ガスを流通させる。
酸素含有ガス中の酸素は、La0.6Sr0.4MnO3又は(La0.6Sr0.4)(Fe0.8Co0.2)O3-Xからなるカソード側電極14において電子と結合し、酸化物イオン(O2-)を生成する。生成した酸化物イオンは、カソード側電極14を起点とし、固体電解質16を伝導して、該固体電解質16におけるアノード側電極12に対向する界面へ移動する。酸化物イオンは、さらに、アノード側電極12(サーメット)の構成粒子であるYSZ粒子を介して、アノード側電極12内部を伝導する。
一方、アノード側電極12に供給された燃料ガスは、該アノード側電極12において、3次元に連なった気孔を介して迅速に拡散する。このようにして気孔内に入り込んだ燃料ガスに含まれる水素と、該アノード側電極の構成粒子であるYSZ粒子を伝導した酸化物イオンとが反応し、その結果、水蒸気及び電子が放出される。
このように、本実施の形態においては、アノード側電極12内に存在する気孔が3次元に連なっているため、燃料ガス(水素)が迅速に拡散する。しかも、個々の気孔の比表面積が大きいので、該気孔に露呈するYSZ粒子の表面積が大きい。このため、該アノード側電極12の構成粒子と水素との接触面積が大きくなるので、水素と酸化物イオンとの反応が効率よく進行し、これにより過電圧が小さくなる。
放出された電子は、集電用電極24a、24bに電気的に接続された外部回路に取り出され、該外部回路を付勢するための直流の電気エネルギとして利用された後、カソード側電極14へと至り、該カソード側電極14に供給された酸素と結合する。
また、水蒸気は、アノード側電極12の3次元に連なった気孔を介して迅速にセパレータ22aまで拡散し、該セパレータ22aのガス流路28aから系外へと排出される。すなわち、本実施の形態においては、水蒸気を気孔内に滞留させることなくアノード側電極12から迅速に排出させることができるので、該アノード側電極12内において水素が拡散することが一層容易となる。従って、過電圧が一層小さくなる。
従来技術によって作製されたアノード側電極を具備する発電セルと、本実施の形態に係る発電セル10との、放電時における電流密度と電池電圧との関係を図4に示す。なお、本実施の形態については、カソード側電極14がLa0.6Sr0.4MnO3からなる場合と、(La0.6Sr0.4)(Fe0.8Co0.2)O3-Xからなる場合とを示した。この図4から、発電セル10においては、大きな電流密度で放電させる場合であっても、過電圧が小さいために高い電池電圧を得られることが明らかである。また、カソード側電極14の材質を(La0.6Sr0.4)(Fe0.8Co0.2)O3-Xとすることにより、過電圧を一層小さくすることができることが分かる。
本実施の形態に係る電解質・電極接合体18は、図5に示すフローチャートに従い、以下のようにして作製することができる。この製造方法は、アノード側電極12の構成粒子を作製する第1工程S1と、前記構成粒子から成形体を作製して加熱する第2工程S2と、前記成形体の一端面に固体電解質を設けてこれらをともに焼結させ、焼結体とする第3工程S3と、この焼結体における固体電解質上にカソード側電極を設ける第4工程S4とを有する。
先ず、第1工程S1において、NiO粒子とYSZ粒子とを重量比で1:1の割合で混合する。この混合粒子に対し、ポリビニルアルコール系やアクリル系等のバインダをさらに3重量%程度添加して、溶媒に分散させる。必要であれば、樹脂やカーボン等の気孔形成剤を添加するようにしてもよい。
次に、溶媒に分散された混合粒子を、噴霧乾燥(スプレードライヤ)法によって乾燥させる。すなわち、高温気流と接触させて溶媒を揮発除去させ、これにより顆粒状の混合粒子を得る。得られた混合粒子のSEM写真を、図6に示す。この図6から、陥没を有する混合粒子が存在することが認められる。通常、このような形状の粒子は、成形体ないし焼結体の原材料としては用いられないが、本実施の形態においては、このような粒子であっても、気孔を有する成形体の原材料として使用することができる。上記したように、陥没によっても気孔が設けられるからである。
次に、第2工程S2において、顆粒状の混合粒子に対してプレス成形を施すことにより、図7(a)に示すように、所定の形状のアノード側電極12とする。
この際のプレス圧は、最終的に得られる焼結体の気孔率を10〜50体積%とするべく、成形体の気孔率がおよそ40〜70体積%となるように設定される。具体的には、25〜120MPaとすることが好ましく、40〜100MPaとすることがより好ましい。
このようなプレス圧でプレス成形を行うことによって、粒子間の間隙が過度に圧潰されることを回避することができる。このため、粒子間に、3次元に連なる気孔が形成される。また、粒子に陥没が存在する場合、この陥没も燃料ガスの通路となる。すなわち、陥没は、気孔の一部をなす。このようにして形成された気孔は、2次元断面の開口形状が非円形となる(図2参照)。
このようにして作製された成形体、すなわち、アノード側電極12を、脱脂した後、1100℃程度に加熱保持して仮焼する。
次に、第3工程S3において、スラリーに比して高粘度に調製されたYSZのペーストを、スクリーン印刷法等によってアノード側電極12の一端面に印刷する。その後、ペーストが印刷されたアノード側電極12を1500℃程度に加熱保持することにより、アノード側電極12を焼結させると同時に、図7(b)に示すように、ペーストを焼結させて固体電解質16とする。
次に、第4工程S4において、固体電解質16の露呈した一端面に、スクリーン印刷法等によってLa0.6Sr0.4MnO3、又は(La0.6Sr0.4)(Fe0.8Co0.2)O3-Xのペーストを塗布する。その後、このペーストを、還元雰囲気下でアノード側電極12及び固体電解質16とともに加熱して、図7(c)に示すように、固体電解質16上にカソード側電極14を焼き付ける。これにより、アノード側電極12とカソード側電極14との間に固体電解質16が介装された電解質・電極接合体18が得られるに至る。
アノード側電極12は、焼結によって粒成長が惹起されることと、燃料電池の運転時に供給された燃料ガス中の水素によってNiOが還元されることとに伴って若干収縮する。これにより、アノード側電極12の気孔率が10〜50体積%(Niに還元後)となる。
このようにして設けられたアノード側電極12においては、構成粒子同士が凝集した状態で互いに結合している(図2参照)。すなわち、SEM観察を行った場合、粒界の存在が容易に視認される。
発電セル10(図1参照)を構成するには、さらに、電解質・電極接合体18におけるアノード側電極12及びカソード側電極14の各一端面に、セパレータ22a、22b、集電用電極24a、24b及びエンドプレート26a、26bを配置すればよい。
なお、上記した実施の形態においては、顆粒状の粒子を成形し、さらに焼結することによってアノード側電極12を設けるようにしているが、同様にして、カソード側電極を顆粒状の粒子から設けるようにしてもよい。
また、アノード側電極及びカソード側電極の双方を顆粒状の粒子から成形体として作製し、2つの成形体のいずれか一方にYSZのペーストを塗布した後、該ペースト上に残余の成形体を載置して両成形体とペーストとを焼結させることで、アノード側電極とカソード側電極との間に固体電解質を介装するようにしてもよい。成形体は、上記に準拠して作製すればよい。
さらに、アノード側電極、カソード側電極、固体電解質の各々の材質は、Ni/YSZ、ペロブスカイト型酸化物、YSZに特に限定されるものではない。例えば、カソード側電極を蛍石型酸化物等で構成するようにしてもよい。
さらにまた、アノード側電極又はカソード側電極を作製するに際しては、粒子を顆粒状に作製できる手法であれば噴霧乾燥法に限定されるものではなく、例えば、転動造粒法等を採用することもできる。
本実施の形態に係る電解質・電極接合体を有する燃料電池の発電セルの概略縦断面図である。 図1の電解質・電極接合体を構成する還元前のアノード側電極のSEM写真である。 従来技術によって作製された還元前のアノード側電極のSEM写真である。 発電セルにおける電流密度と電池電圧との関係を示すグラフである。 本実施の形態に係る電解質・電極接合体の製造方法のフローチャートである。 図2のアノード側電極の原材料である顆粒状の粒子のSEM写真である。 アノード側電極上に固体電解質及びカソード側電極を順次設けた状態を示す概略縦断面説明図である。
符号の説明
10…発電セル 12…アノード側電極
14…カソード側電極 16…固体電解質
18…電解質・電極接合体 22a、22b…セパレータ
24a、24b…集電用電極 28a、28b…ガス流路

Claims (7)

  1. 固体電解質をアノード側電極とカソード側電極とで挟持して構成される電解質・電極接合体において、
    前記アノード側電極又は前記カソード側電極の少なくともいずれか一方は、構成粒子が凝集した状態で互いに結合した焼結体であり、
    前記焼結体の前記構成粒子間には、3次元に連なるとともに2次元断面における開口形状が非円形である気孔が存在し、
    且つ前記焼結体の気孔率が10〜50体積%であることを特徴とする電解質・電極接合体。
  2. 請求項1記載の電解質・電極接合体において、前記構成粒子に陥没が存在することを特徴とする電解質・電極接合体。
  3. 固体電解質をアノード側電極とカソード側電極とで挟持して構成される電解質・電極接合体を製造する方法であって、
    前記アノード側電極又は前記カソード側電極の構成粒子を作製する工程と、
    前記構成粒子から成形体を作製した後に前記成形体を加熱する工程と、
    前記成形体の一端面に固体電解質を設けた後に前記成形体と前記固体電解質とをともに焼結させて焼結体とする工程と、
    前記焼結体における前記固体電解質上に、前記アノード側電極又は前記カソード側電極の残余の一方を設ける工程と、
    を有し、
    前記成形体から設けられたアノード側電極又はカソード側電極を、前記構成粒子が凝集した状態で互いに結合した焼結体として作製することを特徴とする電解質・電極接合体の製造方法。
  4. 固体電解質をアノード側電極とカソード側電極とで挟持して構成される電解質・電極接合体を製造する方法であって、
    前記アノード側電極又は前記カソード側電極のそれぞれの構成粒子を作製する工程と、
    前記各構成粒子から、前記アノード側電極の成形体と、前記カソード側電極の成形体とをそれぞれ作製した後に前記各成形体を加熱する工程と、
    前記成形体のいずれか一方の一端面に固体電解質を設ける工程と、
    前記固体電解質の一端面に、前記成形体の残余の一方を載置する工程と、
    前記成形体の双方と前記固体電解質とをともに焼結させて焼結体とする工程と、
    を有し、
    前記成形体から設けられたアノード側電極及びカソード側電極を、前記構成粒子が凝集した状態で互いに結合した焼結体として作製することを特徴とする電解質・電極接合体の製造方法。
  5. 請求項3又は4記載の製造方法において、前記構成粒子を噴霧乾燥法又は転動造粒法によって作製することを特徴とする電解質・電極接合体の製造方法。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載の製造方法において、前記成形体をプレス成形によって作製することを特徴とする電解質・電極接合体の製造方法。
  7. 請求項6記載の製造方法において、前記プレス成形を行う際のプレス圧力を25〜120MPaとすることを特徴とする電解質・電極接合体の製造方法。
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