しかし、特開2001−307502号公報のものでは、ピントが合っているところでは混色して各LEDの照射エリアにずれが生じないが、ピントがあっていないところでは照射ずれが生じる。これは、一点に集光した各々のLEDからの光が直接的に被照射面に出射されるからである。また、スポットライトで光線をわざとぼかして使用する場合もあるが、このときにも照射ずれが生じる。
本発明の目的は、光出力の効率を損なわず配光ムラを軽減できるLED照明装置及びスポットライトを提供することである。
請求項1の発明に係わるLED照明装置は、所定位置に疑似光源部となるアパーチャを有したアパーチャ部と;前記アパーチャ部のアパーチャに光ビームが向くように複数個のLEDが取り付けられたLED配列部と;前記アパーチャを通過した光を集光して外部に出射するレンズと;を備えたことを特徴とする。
本発明及び以下の発明において、特に指定しない限り用語の定義及び技術的意味は以下による。LED配列部は例えば絶縁材料で板状に形成され、複数個のLEDからの光ビームが所定位置に向くように複数個のLEDを平面的に並んで配置して構成される。LEDはいわゆるパワー型LED及び砲弾型LEDの双方を含み、パワー型LEDのみが配置される場合、砲弾型LEDのみが配置される場合、パワー型LED及び砲弾型LEDの双方が配置される場合の双方を含む。パワー型LEDは高ワット型であり光出力が大きく発熱量も砲弾型LEDに比べて大きいものである。
アパーチャ部は所定位置にアパーチャを有し、LED配列部の複数個のLEDは、このアパーチャ部のアパーチャに向けて取り付けられているので、複数個のLEDからのほとんどの光はアパーチャ部のアパーチャに向けて光ビームを照射する。従って、アパーチャ部のアパーチャが疑似光源部となり、この疑似光源部から、例えばスポットライトのレンズに向けて射出することになる。
レンズは、アパーチャ部のアパーチャから離間して設けられ、アパーチャ部のアパーチャから出射される出射光を集光するものであり、球面レンズや平坦状レンズを含む。また、1個または2個以上のレンズを利用した2群構成のレンズを有する場合も含む。
本発明によれば、LED配列部に取り付けられた複数個のLEDは、アパーチャ部のアパーチャに向けられているので、複数個のLEDからのほとんどの光がアパーチャ部のアパーチャに投光される。従って、光出力の効率を損なうことなくアパーチャ部のアパーチャを疑似光源部とすることができる。また、色の異なるLEDからの光はアパーチャ部のアパーチャで混ざり合うので配光ムラも低減できる。
請求項2の発明に係わるLED照明装置は、光ビームを入口開口部から取り込み疑似光源部となる出口開口部から射出する導光管と;前記導光管の入口開口部に光ビームが向くように複数個のLEDが取り付けられたLED配列部と;前記導光管の出口開口部を通過した光を集光して外部に出射するレンズと;を備えたことを特徴とする。
本発明は、請求項1の発明において、アパーチャ部に代えて導光管を用いたものである。導光管はLED配列部に取り付けられた複数個のLEDの光ビームを入口開口部から取り込み出口開口部から射出する。導光管の内面は、少なくともその一部を白色、及び一部拡散面を有するものとする。導光管の出口開口部がアパーチャ部のアパーチャに相当することになる。
本発明によれば、アパーチャ部に比較してアパーチャに入射しない光や迷光を導光管に取り込むことができるので、光出力の効率を向上させることができる。
請求項3の発明に係わるLED照明装置は、請求項1または2の発明において、前記LED配列部は、光ビーム角の狭い複数個のLEDが取り付けられた第1のLED配列部と、前記第1のLED配列部より前記アパーチャ側に設けられ光ビーム角の広い複数個のLEDが取り付けられた第2のLED配列部とを有し、前記第1のLED配列部からの前記アパーチャへの光ビームの投光面積と前記第2のLED配列部からの前記アパーチャへの光ビームの投光面積とがほぼ同じとなる位置に、前記第1のLED配列部と前記第2のLED配列部とを配置したことを特徴とする。
本発明は、請求項1または2の発明に対し、LED配列部は第1のLED配列部と第2のLED配列部とを備え、第1のLED配列部には光ビーム角の狭い複数個のLEDを取り付け、第2のLED配列部には光ビーム角の広い複数個のLEDを取り付け、第1のLED配列部とアパーチャとの距離と、第2のLED配列部とアパーチャとの距離とを変えて配置し、光出力の効率を向上させたものである。
光ビーム角の狭い複数個のLEDを取り付けた第1のLED配列部を、光ビーム角の広い複数個のLEDを取り付けた第2のLED配列部の後方に配置する。すなわち、第1のLED配列部とアパーチャとの距離を大きくし、第2のLED配列部とアパーチャとの距離を小さくする。これにより、第1のLED配列部からのアパーチャへの光ビームの投光面積と第2のLED配列部からのアパーチャへの光ビームの投光面積とがほぼ同じとなる位置に、第1のLED配列部と前記のLED配列部とを配置する。
本発明によれば、第1のLED配列部からの光ビームのアパーチャへの光ビームの投光面積と、第2のLED配列部からの光ビームのアパーチャへの光ビームの投光面積とがほぼ同じとなるので、アパーチャに対して拡がりの差がほぼ同じとなるので光出力の効率が向上する。
請求項4の発明に係わるLED照明装置は、請求項1または2の発明において、前記LED配列部へのLEDの取り付けは、LEDの発光部が重ならないように多段に積み重ねて取り付け配列したことを特徴とする。
本発明は、請求項1または2の発明において、LED配列部へのLEDの取り付けを多段にしてLEDの実装密度を向上させたものである。すなわち、複数個のLEDを平面的に並んで配置するだけでなく、一部を多段に取り付ける。LEDは前面側に発光部を有し背面側に取付部を有しており、一般に取付部の方が面積が大きくなっていることから、LED配列部に取り付けた場合には隣接するLEDの発光部間には隙間が生じる。そこで、本発明ではLEDの発光部が重ならないようにLEDを奥行き方向にずらして多段に積み重ねて配列する。
本発明によれば、LEDの発光部が重ならないようにLED取付部を利用して発光部を配設するので実装密度が向上する。従って、より大きな光出力とすることができる。
請求項5の発明に係わるLED照明装置は、請求項1乃至4のいずれか一の発明において、前記LED配列部は、照明のメインとなる白色LEDを中心部に配列し、色調整を行う補色LEDを周辺部に配列したことを特徴とする。
本発明は、請求項1乃至4のいずれか一の発明において、照明のメインとなる白色LEDと色調整を行う補色LEDとを有するLED照明装置であり、メインの白色LEDをLED配列部の中心部に配列し、色調整を行う補色LEDをLED配列部の周辺部に配列するようにしたものである。白色LEDと補色LEDとを平面的に取り付ける場合だけでなく多段に取り付ける場合も含む。白色LEDと補色LEDとを多段に取り付ける場合には補色LEDを白色LEDの前方に配置し、好ましくはメインの白色LEDをパワー型LEDとする。補色LEDは砲弾型LEDまたはパワー型LEDのいずれでもよい。
本発明によれば、メインの白色LEDを光軸近辺に配置するので集光効率が向上し、また白色LEDと補色LEDとを距離を保って多段に配置した場合には白色LEDの背面からの放熱効率も向上できる。
本発明によれば、アパーチャ部に比較してアパーチャに入射しない光や迷光を導光管に取り込むことができるので、光出力の効率を向上させることができる。
請求項6の発明に係わるLED照明装置は、所定位置に光ビームが向くように複数個の白色LEDが取り付けられた第1のLED配列部と;前記LED配列部に取り付けられた複数個の白色LEDの光ビームが集光する所定位置に設けられ背後からの光ビームを透過して前面に射出するとともに側面から入射した光ビームも前面に射出するフィルタ部と;前記フィルタ部の側面に光ビームを照射する複数個の補色LEDが取り付けられた第2のLED配列部と;前記フィルタ部の前面を通過した光を集光して外部に出射するレンズと;を備えたことを特徴とする。
本発明は、照明のメインとなる白色LEDと色調整を行う補色LEDとを有するLED照明装置であり、アパーチャ部に代えて、背後からの光ビームを透過して前面に射出するとともに側面から入射した光ビームも前面に射出するフィルタ部を設け、第1のLED配列部には複数個の白色LEDを取り付けてフィルタ部の背面側に光ビームを入射し、第2のLED配列部には複数個の補色LEDを取り付けフィルタ部の側面側に光ビームを入射するようにしたものである。従って、フィルタ部の光出射面が疑似光源部となる。なお、好ましくはメインの白色LEDをパワー型LEDとし、補色LEDは砲弾型LEDまたはパワー型LEDのいずれでもよい。
本発明によれば、メインの白色LEDからの光ビームと補色LEDからの光ビームをフィルタ部で集光し、混色してフィルタ部の前面側から射出するので光出力の効率が向上する。また、補色LEDをフィルタ部の側面側に配置することになるので放熱効果が向上する。
請求項7の発明に係わるLED照明装置は、所定位置に疑似光源部となるアパーチャを有したアパーチャ部と;前記アパーチャ部のアパーチャに光ビームが向くように照明のメインとなる複数個のLEDが取り付けられた第1のLED配列部と;前記アパーチャ部のアパーチャの周辺部に前記第1のLED配列部に対向して形成され色調整を行う複数個の補色LEDが配列された第2のLED配列部と;前記第2のLED配列部の光ビームを反射し反射光を前記アパーチャ部のアパーチャに集光する反射板と;前記導光管の出口開口部を通過した光を集光して外部に出射するレンズと;を備えたことを特徴とする。
本発明は、照明のメインとなる白色LEDと色調整を行う補色LEDとを有するLED照明装置であり、アパーチャ部のアパーチャの周辺部に、色調整を行う複数個の補色LEDが第1のLED配列部に対向するように第2のLED配列部を配置し、第2のLED配列部の光ビームを反射してその反射光をアパーチャ部のアパーチャに集光する反射板を設けたものである。従って、アパーチャが疑似光源部となる。
反射板の表面は、例えば光ビームを反射する鏡面または白色で形成される。また、反射板は、例えば第1のLED配列部の前面に設けられ、第1のLED配列部の白色LEDからの光ビームを通す貫通孔を有している。従って、第1のLED配列部の白色LEDからの光ビームは貫通孔を通してアパーチャ部のアパーチャに入射され、第2のLED配列部の補色LEDからの光ビームは反射板で反射されアパーチャ部のアパーチャに集光される。また、第1のLED配列部の基板を反射板としてもよい。この場合は白色LEDの取り付け面以外の部分で、第2のLED配列部の補色LEDからの光ビームを反射することになる。
本発明によれば、補色LEDをアパーチャ部に取り付けることになるので、補色LEDの実装が容易に行え、メインの白色LEDと補色LEDとの取り付け場所が異なるので放熱効果も向上する。
請求項8の発明に係わるLED照明装置は、請求項1乃至7のいずれか一の発明において、前記アパーチャ部のアパーチャは、円形または四角形であることを特徴とする。
本発明は、請求項1乃至7のいずれか一の発明において、アパーチャ部のアパーチャを円形または四角形にしたものである。
例えばスポットライトの光は、円形または四角形として使用される場合が多いので、LED照明装置が例えばスポットライトの光源として使用される場合には、光源自体を予め円形または四角形としておく。これにより、疑似光源部も円形または四角形となる。
本発明によれば、光源の形状を予め決めておくことができるので、光出力の効率を図りながら使用目的に応じた光源とすることができる。
請求項9の発明に係わるスポットライトは、請求項1乃至8のいずれか一記載のLED照明装置と;前記LED照明装置を収納するスポットライト本体と;前記LED照明装置と前記レンズとの距離を相対的に可変する移動機構と;を備えたことを特徴とする。
スポットライト本体は例えば金属製の箱体で形成され、内部に請求項1乃至8のいずれか一記載のLED照明装置を収納する。移動機構は、レンズとLED照明装置との距離を相対的に可変とするものであり、この移動機構によりレンズのフォーカス位置を変化させる。
本発明によれば、LED照明装置で複数個のLEDからの光が混色され、その混色された光をレンズで集光し、また、移動機構によりフォーカス位置を変化させることができるので、被照射面での照射面積を連続変化させることができ、光量を連続変化させることができる。
請求項10の発明に係わるスポットライトは、請求項9の発明において、請求項1乃至8のいずれか一記載のLED照明装置の前記レンズと前記アパーチャ、前記導光管の出口開口部または前記フィルター部との間に拡散板を設けたことを特徴とする。
拡散板は、アパーチャまたは導光管の出口開口部である疑似光源部の形状のエッジ(輪郭)をぼかす役割と色を混ぜる役割とがあり、疑似光源部に近いほどエッジはくっきりし疑似光源部に遠いほどエッジがぼやける。そこで、拡散板はレンズ背面の直近ではなく、前記アパーチャ、前記導光管の出口開口部または前記フィルター部とレンズとの間で、エッジのぼやけ具合が適切となる位置に設ける。
本発明によれば、拡散板はレンズ背面の直近ではなく、前記アパーチャ、前記導光管の出口開口部または前記フィルター部とレンズとの間に設けるので、適切に疑似光源部のエッジをぼかすことができ混色も行うことができる。また、拡散板の大きさも小さくできる。
請求項11の発明に係わるスポットライトは、光ビームを入口開口部から取り込み疑似光源部となる出口開口部から射出する導光管と;前記導光管の入口開口部に光ビームが向くように複数個のLEDが取り付けられたLED配列部と;前記導光管の出口開口部を通過した光を集光して外部に出射する複数個のレンズと;前記導光管、前記LED配列部及び前記複数個のレンズを収納するスポットライト本体と;前記導光管の出口開口部と複数個のレンズとの間、複数個のレンズ間の距離を相対的に可変する移動機構と;を備えたことを特徴とする。
本発明は、導光管の出口開口部を通過した光を集光して外部に出射する複数個のレンズを有し、移動機構により、導光管の出口開口部と複数個のレンズとの間、または複数個のレンズ間の距離を相対的に可変させる。移動機構で導光管の出口開口部と複数個のレンズとの間の距離を調整することにより、フォーカスさせて被照射面での照射面積を連続変化させる。また、複数個のレンズ間の距離を調整することによりズームの調整を行い、導光管の出口開口部の輪郭像を鮮鋭に保持したまた被照射面での照射面積を連続変化させる。
本発明によれば、導光管の出口開口部と複数個のレンズとの間の距離を調整してフォーカスできるので、被照射面での照射面積を連続変化させることができ、光量を連続変化させることができる。また、複数個のレンズ間の距離を調整してズームの調整を行うことができるので、導光管の出口開口部の輪郭像を鮮鋭に保持したまた被照射面での照射面積を連続変化させることができる。
請求項12の発明に係わるスポットライトは、請求項11の発明において、前記導光管の出口開口部と前記レンズとの間に拡散板を設けたことを特徴とする。
拡散板は、導光管の出口開口部とレンズとの間に設けられ、導光管の出口開口部の輪郭像を任意の状態にぼかす役割と色を混ぜる役割とがあり、出口開口部に近いほどエッジはくっきりし出口開口部に遠いほどエッジがぼやける。そこで、拡散板は出口開口部とレンズとの間で、エッジのぼやけ具合が適切となる位置に設ける。
本発明によれば、拡散板を設けるので、、光源となるLEDの光を光ムラや色ムラの少ない照明光として効率よく照射することができる。
請求項13の発明に係わるスポットライトは、請求項11または12の発明において、前記LED配列部の複数個のLEDの取り付けは、放熱効果を有する別々の部材に区分して取り付けたことを特徴とする。
LED配列部の複数個のLEDのうちの外周部に位置するLEDは、例えばスポットライト本体の側面部または上下面部に取り付け、LED配列部の複数個のLEDのうち中心部に位置するLEDは、例えばスポットライト本体の背面部に取り付ける。スポットライト本体は、例えば金属製の箱体で形成されるので、熱伝導率が良く放熱効果を有する部材である。放熱効果を有する部材には放熱器も含む。
本発明によれば、LED配列部の複数個のLEDを、それぞれ放熱効果を有する別の部材に区分して取り付けるので、LED配列部の複数個のLEDの放熱効果を高めることができる。
請求項14の発明に係わるスポットライトは、請求項11乃至13のいずれか一の発明において、前記LED配列部の複数個のLEDのうち補色の赤色のLEDを中心部と外周部との中間に配置することを特徴とする。
本発明は、LED配列部の複数個のLEDに照明のメインとなる白色LEDと色調整を行う補色LEDとを有する場合に、補色LED中でも混色しにくい赤色LEDを、中心部と外周部との中間に配置するようにしたものである。
赤色LEDを中心部や外周部に配置したときは、白色LEDの配置が相対的に少なくなるので、照射光は中心部や外周部に赤色の色ムラが目立つことになる。特に、白色LEDの色温度が高い場合には赤色との色合いの差が大きいので、赤色の色ムラが顕著となる。そこで、周囲に白色LEDが位置する中心部と外周部との中間に赤色LEDを配置する。これにより、赤色LEDは白色LEDに囲まれるので混色性がよくなる。なお、複数個のLEDに他の補色LEDが配置される場合も含まれる。
本発明によれば、混色性の悪い赤色LEDを他の色の補色LEDを含む白色LEDの周囲に配置するので、混色性がよくなり色ムラを生じることを抑制できる。
請求項1の発明によれば、LED配列部に取り付けられた複数個のLEDは、アパーチャ部のアパーチャに向けられているので、複数個のLEDからのほとんどの光がアパーチャ部のアパーチャに投光される。従って、光出力の効率を損なうことなくアパーチャ部のアパーチャを疑似光源部とすることができる。また、色の異なるLEDからの光はアパーチャ部のアパーチャで混ざり合うので配光ムラも低減できる。
請求項2の発明によれば、アパーチャ部に比較してアパーチャに入射しない光や迷光を導光管に取り込むことができるので、光出力の効率を向上させることができる。
請求項3の発明によれば、第1のLED配列部からの光ビームのアパーチャへの光ビームの投光面積と、第2のLED配列部からの光ビームのアパーチャへの光ビームの投光面積とがほぼ同じとなるので、アパーチャに対して拡がりの差が拡大しない方向をもって入射され流。従って光出力の効率が向上する。
請求項4の発明によれば、LEDの発光部が重ならないようにLEDの取付部が重なるようにLEDを取り付けるので実装密度が向上する。従って、より大きな光出力とすることができる。
請求項5の発明によれば、メインの白色LEDを光軸近辺に配置するので集光効率が向上し、また白色LEDの背面からの放熱効率も向上できる。
請求項6の発明によれば、メインの白色LEDからの光ビームと補色LEDからの光ビームをフィルタ部で集光し、混色してフィルタ部の前面側から射出するので光出力の効率が向上する。また、補色LEDをフィルタ部の側面側に配置することになるので放熱効果が向上する。
請求項7の発明によれば、補色LEDをアパーチャ部に取り付けることになるので、補色LEDの実装が容易に行え、メインの白色LEDと補色LEDとの取り付け場所が異なるので放熱効果も向上する。
請求項8の発明によれば、光源の形状を予め決めておくことができるので、光出力の効率を図りながら使用目的に応じた光源とすることができる。
請求項9の発明によれば、LED照明装置で複数個のLEDからの光が混色され、その混色された光をレンズで集光し、また、移動機構によりフォーカス位置を変化させることができるので、被照射面での照射面積を連続変化させることができ、光量を連続変化させることができる。
請求項10の発明によれば、拡散板はレンズ背面の直近ではなくLED照明装置とレンズとの間に設けるので、適切に疑似光源部のエッジをぼかすことができ混色も行うことができる。また、拡散板の大きさも小さくできる。
請求項11の発明によれば、導光管の出口開口部と複数個のレンズとの間の距離を調整してフォーカスできるので、被照射面での照射面積を連続変化させることができ、光量を連続変化させることができる。また、複数個のレンズ間の距離を調整してズームの調整を行うことができるので、導光管の出口開口部の輪郭像を鮮鋭に保持したまた被照射面での照射面積を連続変化させることができる。
請求項12の発明によれば、拡散板を設けるので、光源となるLEDの光を光ムラや色ムラの少ない照明光として効率よく照射することができる。
請求項13の発明によれば、LED配列部の複数個のLEDを、それぞれ放熱効果を有する別の部材に区分して取り付けるので、LED配列部の複数個のLEDの放熱効果を高めることができる。
請求項14の発明によれば、混色性の悪い赤色LEDを他の色の補色LEDを含む白色LEDの周囲に配置するので、混色性がよくなり色ムラを生じることを抑制できる。
図1は本発明の第1の実施の形態に係わるLED照明装置11の構成図である。LED配列部12は例えば絶縁材料で板状に形成され、複数個のLED13からの光ビームがアパーチャ部14のアパーチャ15に向くように平面的に並んで配置されている。LED13には光出力が大きいパワー型LEDまたは通常の光出力である砲弾型LEDが使用され、各々のLED13は、光ビームの光軸中心がアパーチャ15の中心部に向くように光ビームを射出する。LED配列部12に取り付けられた複数個のLED13の光ビームはアパーチャ部14のアパーチャ15を通過して、例えばスポットライトのレンズ16に向けて射出する。
このように、LED配列部12に取り付けられた複数個のLED13の光ビームが集光する所定位置にアパーチャ15が位置するようにアパーチャ部14は配置されている。従って、このアパーチャ15が疑似光源部となる。つまり、LED配列部12に取り付けられた複数個のLED13からの光は面光源であり、その面光源からの光をアパーチャ部14のアパーチャ15を通過させて点光源に変換し、そのアパーチャ部14のアパーチャ15を疑似光源部として光を外部に射出する。
第1の実施の形態によれば、アパーチャ15を通過して混色された光が例えばスポットライトのレンズ16に向けて射出されるので、面光源であるLED配列部12からの光を点光源として出射できる。また、複数個のLED13からの光ビームがアパーチャ部14のアパーチャ15に向くように配列されているので、光出力の効率を損なわず配光ムラを軽減できる。
図2は本発明の第2の実施の形態に係わるLED照明装置11の構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、LED配列部12として、光ビーム角の狭い複数個のLEDが取り付けられた第1のLED配列部12Aと、光ビーム角の広い複数個のLEDが取り付けられた第2のLED配列部12Bとを設け、第1のLED配列部12Aは第2のLED配列部12Bよりアパーチャ部14の後方に配置したものである。図1に示した第1の実施の形態と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
第1のLED配列部12Aには光ビーム角θ1である複数個のパワー型LED13Aが取り付けられ、第2のLED配列部12Bには光ビーム角θ2である複数個の砲弾型LED13Bが取り付けられている。第1のLED配列部12Aのパワー型LED13Aの光ビーム角θ1は、第2のLED配列部12Bの砲弾型LED13Bの光ビーム角θ2より狭いので、第1のLED配列部12Aを第2のLED配列部12Bの後方に配置して、アパーチャ15に対してほぼ同一の投光面積となるように入射されるようにしている。
すなわち、第1のLED配列部12Aとアパーチャ15との距離L1は、第2のLED配列部12Bとアパーチャ15との距離L2より大きくし、各々のパワー型LED13A及び砲弾型LED13Bの光がアパーチャ15に入射されるようにしている。このように、ビームの狭いLED13Aをビームの広いLED13Bの後方に配置することにより、疑似光源部であるアパーチャ15からの出射光の光出力の効率を向上させる。
以上の説明では、第2のLED配列部12Bには砲弾型LED13Bが取り付けられた場合について説明したがパワー型LED13Aが取り付けられた場合においても同様に適用できることは言うまでもない。
第2の実施の形態によれば、第1のLED配列部12Aからの光ビーム及び第2のLED配列部12Bからの光ビームは、アパーチャ15に対してほぼ同一の投光面積をもって入射されるので光出力の効率を向上させることができる。また、第1のLED配列部12Aと第2のLED配列部12Bとの配置位置が異なるので、放熱効率も高めることができる。
図3は本発明の第3の実施の形態に係わるLED照明装置11の説明図であり、図3(a)は構成図、図3(b)はLEDを多段にした場合のLED配列部12の正面図、図3(c)はLEDを多段にしていない場合のLED配列部12の正面図である。この第3の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、LED13の発光部が重ならないように多段に積み重ねて取り付け配列したものである。図1に示した第1の実施の形態と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
LED13は前面側に発光部を有し背面側に取付部を有しており、一般に取付部の方が面積が大きくなっている。このことから、図3(c)に示すように、LED配列部12の基板にLED13を取り付けた場合には、隣接するLED13の発光部間には隙間が生じるとともに、上下端や左右端にはLED13を取り付けることができない場合がある。
図3(c)ではLED配列部12の基板が平板上の円形である場合を示しており、この場合には9個のLED13しか取り付けることができない。
そこで、第3の実施の形態では、図3(a)及び図3(b)に示すように、LED13の発光部が重ならないようにLED13を奥行き方向にずらして多段に積み重ねて配列する。これにより、LED配列部12の基板の上下端や左右端にLED13を追加して配置することが可能になる。図3(b)では、図3(c)同じ大きさのLED配列部12の基板に対して4個増の13個のLED13を配列した場合を示している。
第3の実施の形態によれば、LED13の発光部が重ならないようにLED13の取付部が重なるようにLED13を取り付けるので基板への実装密度が向上する。従って、同じ大きさのLED配列部12の基板に対して、より大きな光出力とすることができる。
図4は本発明の第4の実施の形態に係わるLED照明装置11の説明図であり、図4(a)は構成図、図4(b)はLED配列部12の正面図である。この第4の実施の形態は、図3に示した第3の実施の形態に対し、照明のメインとなる白色LED13aを中心部に配列し、色調整を行う補色LED13bを周辺部に配列したものである。図3に示した第3の実施の形態と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図4(a)は、照明のメインとなる白色LED13aと色調整を行う補色LED13bとを有するLED照明装置を示しており、メインの白色LED13aはパワー型LEDとして第1のLED配列部12Aの中心部に配列し、色調整を行う補色LED13bは砲弾型LEDとして第2のLED配列部12Bの周辺部に配列して、図4(b)に示すように、第1のLED配列部12Aと第2のLED配列部12Bとを多段に重ねて構成されている。メインの白色LEDを光軸近辺に配置するので集光効率が向上する。
ここで、パワー型LEDは高ワット型であり光出力が大きく発熱量も砲弾型LEDに比べて大きいものである。また、補色LEDは色調整のための有色LEDであり、例えば赤、青、緑を基調とするが、黄、オレンジ、シアン等も含む。
以上の説明では、メインの白色LED13aを取り付ける第1のLED配列部12Aと補色LED13bを取り付ける第2のLED配列部12Bとを別々に設けたが、一つのLED配列部12に白色LED13a及び補色LED13bを平面的に取り付けるようにしてもよい。また、一つのLED配列部12に白色LED13a及び補色LED13bを多段に取り付けるようにしてもよい。その場合には、発熱量が多い白色LED13aを補色LED13bの後方に配置する。これにより放熱効率を向上させる。また、補色LED13bは砲弾型LEDまたはパワー型LEDのいずれでもよい。
第4の実施の形態によれば、メインの白色LED13aを光軸近辺に配置するので集光効率が向上し、また白色LED13aと補色LED13bとを距離を保って多段に配置した場合には白色LED13aの背面からの放熱効率も向上できる。
図5は本発明の第5の実施の形態に係わるLED照明装置11の構成図である。この第5の実施の形態は、図3に示した第3の実施の形態に対し、アパーチャ部14に代えて、LED配列部12に取り付けられた複数個のLED13の光ビームを入口開口部17Aから取り込み出口開口部17Bから射出する導光管17を設けたものである。図3に示した第3の実施の形態と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
導光管17はLED配列部12に取り付けられた複数個のLED13の光ビームを入口開口部17Aから取り込み出口開口部17Bから射出する。導光管17の内面は白色、及び一部拡散面を有するもので形成されており、導光管17の出口開口部17Bがアパーチャ部14のアパーチャ15に相当し疑似光源部になる。従って、アパーチャ部14の場合に比較して、アパーチャ15に入射しない光や迷光を取り込むことができるので、疑似光源部での光出力をより大きくできる。
第5の実施の形態によれば、アパーチャ部に比較してアパーチャに入射しない光や迷光を導光管に取り込むことができ、疑似光源部での光出力の効率を向上させることができる。
図6は本発明の第6の実施の形態に係わるLED照明装置11の説明図であり、図6(a)は構成図、図6(b)はフィルタ部18部分の正面図である。この第6の実施の形態は、図4に示した第4の実施の形態に対し、アパーチャ部14に代えて、背後からの光ビームを透過して前面に射出するとともに側面から入射した光ビームも前面に射出するフィルタ部18を設け、フィルタ部18の背面側から第1のLED配列部12Aの複数個の白色LED13aからの光ビームを入射し、フィルタ部18の側面側から第2のLED配列部12Bの複数個の補色LED13bからの光ビームを入射するようにしたものである。図4に示した第4の実施の形態と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図6(a)は、照明のメインとなる白色LED13aと色調整を行う補色LED13bとを有するLED照明装置を示しており、フィルタ部18は第1のLED配列部12Aの前面側に配置され、第1のLED配列部12Aの複数個の白色LED13aからの光ビームを入射して透過する。一方、フィルタ部18の側面側には、図6(b)に示すように第2のLED配列部13Bが設けられ、第2のLED配列部13Bの複数個の補色LED13bからの光ビームを入射し、白色LED13aからの光ビームと混色してフィルタ部18の前面に射出する。従って、フィルタ部18の前面である光出射面が疑似光源部となる。
第6の実施の形態によれば、メインの白色LED13aからの光ビームと補色LED13bからの光ビームをフィルタ部18で集光し、混色してフィルタ部18の前面側から射出するので光出力の効率が向上する。また、補色LED13bをフィルタ部18の側面側に配置することになるので放熱効果が向上する。
図7は本発明の第7の実施の形態に係わるLED照明装置11の構成図である。この第7の実施の形態は、図4に示した第4の実施の形態に対し、アパーチャ部14のアパーチャ15の周辺部に第1のLED配列部12Aに対向して第2のLED配列部12Bを形成し、第2のLED配列部12Bの補色LED13bからの光ビームを反射してその反射光をアパーチャ部14のアパーチャ15に集光する反射板19を設けたものである。図4に示した第4の実施の形態と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図7において、照明のメインとなる白色LED13aと色調整を行う補色LED13bとを有するLED照明装置を示しており、メインの白色LED13aはパワー型LEDであり第1のLED配列部12Aに配列され、色調整を行う補色LED13bは砲弾型LEDであり第1のLED配列部12Aに対向するようにアパーチャ部14のアパーチャ15の周辺部に第2のLED配列部12Bとして配置される。
反射板19は第2のLED配列部12Bの補色LED13bからの光ビームを反射してその反射光をアパーチャ部14のアパーチャ15に集光するものであり、その表面は光ビームを反射する鏡面または白色で形成されている。
図7では、反射板19は第1のLED配列部12Aの前面に設けられた場合を示しており、そのために、第1のLED配列部12Aの白色LED13aからの光ビームを通すための貫通孔20を有している。従って、第1のLED配列部12Aの白色LED13aからの光ビームは貫通孔20を通してアパーチャ部14のアパーチャ15に入射されることになる。一方、第2のLED配列部12Bの補色LED13bからの光ビームは反射板19で反射され、アパーチャ部14のアパーチャ15に集光される。従って、アパーチャ15が疑似光源部となる。
以上の説明では、反射板19を第1のLED配列部12Aの前面に設けた場合を示したが、第1のLED配列部12Aの基板自体を反射板としてもよい。この場合は、白色LED13aの取り付け面以外の部分で、第2のLED配列部12Bの補色LED13bからの光ビームを反射することになる。
第7の実施の形態によれば、補色LED13bをアパーチャ部14に取り付けることになるので、補色LED13bの実装が容易に行え、しかも補色LED13bは白色LED13aと離れた位置に取り付けられるので、白色LED13a及び補色LED13bの放熱効果が向上する。
以上述べた第1の実施の形態乃至第7の実施の形態において、アパーチャ部のアパーチャの形状は円形または四角形とする。LED配列部12の複数個のLED13の配列もアパーチャの形状に応じて円形または四角形の配列とする。例えばスポットライトの光は、円形または四角形として使用される場合が多いので、LED照明装置11が例えばスポットライトの光源として使用される場合には、光源自体を予め円形または四角形としておく。これにより、疑似光源部も円形または四角形となるので、光出力の効率を図りながら使用目的に応じた光源とすることができる。
図8は本発明の第8の実施の形態に係わるスポットライトの構成図であり、図8(a)は正面図、図8(b)は側面図である。スポットライト本体21は例えば金属製の箱体で形成され、内部に請求項1乃至8のいずれか一記載のLED照明装置11が収納される。レンズ16は、LED照明装置11から離間してスポットライト本体21に配設され、LED照明装置11から出射される出射光を集光するものであり、球面レンズや平坦状レンズで形成される。図9では1個のフレネルレンズを用いた場合を示している。
また、レンズ16とLED照明装置11との距離を相対的に可変とする移動機構22が設けられており、移動機構22は光源フォーカスハンドル22a及びレンズフォーカスハンドル22bから構成されている。この移動機構22によりフォーカスさせることにより、被照射面での照射面積を連続変化させ、また光量を連続変化させる。また、レンズ16側のスポットライト本体21にはバンドア23が設けられており、このバンドア23の開閉角度を調節することにより、スポットライトからの光の照射範囲を調節する。
図9は光源フォーカスハンドル22aによる移動機構22の説明図である。アパーチャ部14とLED配列部12とが一体となったLED照明装置11が光源フォーカスハンドル22aの操作により一体となって動くように構成されている。アパーチャ部14とLED配列部12とが一体となって動くので、光源フォーカスハンドル22aを操作したとしてもアパーチャ部14を通過する光ビームに変化は生じない。このことから、フォーカスさせることにより光出力の効率が変化することはない。
図10はレンズフォーカスハンドル22bによる移動機構22の説明図である。レンズフォーカスハンドル22bはレンズ16を動かしてフォーカスするものであり、レンズ位置Xのときはスポット状態であり、レンズ位置Yのときはフラッド状態である。フラッド状態のときにレンズ16とバンドア23との距離が長いほどバンドア23による遮光時にエッジがよく切れ鮮明になる。従って、バンドア23を使用する場合にレンズ16を動かしバンドア効果を高めることができる。
以上の説明ではレンズ16として1個のフレネルレンズを用いたフレネルスポットライトの場合について説明したが、2個以上のレンズ、例えば2群構成のフレネルレンズを用いたエリプソイダルスポットライトとしてもよい。
第8の実施の形態によれば、LED照明装置11で複数個のLEDからの光が混色され、その混色された光をレンズ16で集光し、また、移動機構22によりフォーカスするので、ピントが合っていないところやぼかした場合でも照射ずれが生じることがなく被照射面を適正に照明することができる。
図11は本発明の第9の実施の形態に係わるスポットライトの構成図である。この第9の実施の形態は、図1に示したLED照明装置11を持つスポットライトに対し、そのアパーチャ15とレンズ16との間に拡散板24を設けたものである。
拡散板24は樹脂等の材質で一方面が凹凸のある拡散面で形成された方面は平板上に形成されている。そして、疑似光源部であるアパーチャ15よりレンズ16側に拡散板24を配置され拡散光を得るようにしており、LED13の投影による配光ムラや色ムラを抑制する。また、指向性を持った拡散板24を配置することで十分な拡散光を得ながらアパーチャ15からの光を効率よくレンズ16に入射させることができる。
拡散板24はアパーチャ15よりレンズ16側に配置しているので、LED13からの光をアパーチャ15に効率よく取り込ませた後に拡散光を得ることができ光の損失を最小限にすることができる。また、アパーチャ15の投光の輪郭をソフトにすることができ、さらに拡散板24とアパーチャ15の距離を変えることでソフト具合を変化させることができる。
また、LED13を光源としたスポットライトでは光源からの熱が微少なため、光を集光するアパーチャ15の近傍に拡散板24を設置できるので、拡散板24は小さい面積でよく、従って安価に軽量なスポットライトとすることができる。さらに、拡散板24の凹凸のある拡散面ではなく平面側をLED13に向け配置することで入射光線の乱反射を防ぎ効率の良い拡散光を得ることができる。なお、アパーチャ15に代えて、導光管17やフィルター部18を設けた場合には、導光管17の出口開口部またはフィルター部18の光出口部とレンズ16との間に拡散板24を設けることになる。
第9の実施の形態によれば、拡散板24はレンズ16背面の直近ではなくアパーチャ15とレンズ16との間に設けるので、適切に疑似光源部のエッジをぼかすことができ混色も行うことができる。また、拡散板24の大きさも小さくできる。
図12は本発明の第10の実施の形態に係わるスポットライトの構成図である。この第10の実施の形態は、導光管17の出口開口部17Bを通過した光を集光して外部に出射する複数個のレンズ16A、16Bを有し、移動機構25により、導光管17の出口開口部17Bと複数個のレンズ16との間、または複数個のレンズ16A、16B間の距離を相対的に可変させるようにしたものである。
導光管17はLED配列部12に取り付けられた複数個のLED13の光ビームを入口開口部17Aから取り込み出口開口部17Bから射出する。導光管17の内面は白色、及び一部拡散面を有するもので形成されており、導光管17の出口開口部17Bが疑似光源部になる。LED配列部12に取り付けられた複数個のLED13は導光管17の入口開口部17Aに向けて配置されており、LED13からに光ビームを効率よく取り込む。導光管17は、入口開口部17Aを底面とする円錐台状に形成され、導光管17の出口開口部17B近傍は円筒状に形成されている。そして、この円筒部17Cの内面を拡散面とし、それ以外の内面を鏡面または白色としている。これにより、光出力の効率を損なわず混色性を向上させ配光ムラを軽減している。
移動機構25はフォーカスハンドル25a及びズームハンドル25bから構成されている。この移動機構25のフォーカスハンドル25aにより、導光管17の出口開口部17Bと複数個のレンズ16との間の距離を調整し、フォーカスさせて被照射面での照射面積を連続変化させる。一方、移動機構25のズームハンドル25bにより、複数個のレンズ16A、16B間の距離を調整することによりズームの調整を行い、導光管17の出口開口部17Bの輪郭像を鮮鋭に保持したまた被照射面での照射面積を連続変化させる。
拡散板24は、導光管17の出口開口部17Bとレンズ16との間に設けられ、導光管17の出口開口部17Bの輪郭像を任意の状態にぼかすと共に色を混ぜるものである。拡散板24は、導光管17の出口開口部17Bに近いほどエッジはくっきりし出口開口部17Bに遠いほどエッジがぼやける。従って、拡散板24は出口開口部17Bとレンズ16との間で、エッジのぼやけ具合が適切となる位置に設けることになる。
図13は、第10の実施の形態におけるLED配列部12の詳細図であり、図13(a)は側面図、図13(b)は正面図である。
図13(a)に示すように、LED配列部12の複数個のLED13のうちの外周部に位置するLED13xは、例えばスポットライト本体21の上下面部21Aに取り付け、LED配列部12の複数個のLED13のうち中心部に位置するLED13yは、例えばスポットライト本体21の背面部21Bに取り付ける。図13では放熱器26を介してスポットライト本体21の背面部21Bに取り付けた場合を示している。スポットライト本体21は、例えば金属製の箱体で形成されるので、熱伝導率が良く放熱効果を有する部材である。複数個のLED13のうちの外周部に位置するLED13xについても、スポットライト本体21に直接的に取り付けるのではなく、別の放熱器26に取り付けるようにしてもよい。このように、LED配列部12の複数個のLED13の取り付けは、放熱効果を有する別々の部材に区分して取り付けるので、複数個のLED13の放熱効果が向上する。
図13(b)に示すように、LED配列部12の複数個のLED13のうち補色の赤色のLED13Rは、LED配列部12の中心部と外周部との中間に配置する。
図13(b)では37個のLEDを多段に並べた場合を示しており、中心部と外周部尾中間に位置する4箇所に赤色LED13Rを配置している。この4個の赤色LED13R以外の33個のLED13は、白色LED及びその他の補色LEDである。
赤色LED13RをLED配列部12の中心部や外周部に配置したときは、白色LEDの配置が相対的に少なくなるので、照射光は中心部や外周部に赤色の色ムラが目立つことになる。特に、メインの白色LEDの色温度が高い場合には赤色との色合いの差が大きいので、赤色の色ムラが顕著となる。そこで、周囲に白色LEDやその他の補色LEDが位置する中心部と外周部との中間に赤色LED13Rを配置する。これにより、赤色LED13Rは白色LEDやその他の補色LEDに囲まれるので混色性がよくなる。
このように、LED配列部12の複数個のLEDに照明のメインとなる白色LEDと色調整を行う補色LEDとを有する場合に、補色LED中でも混色しにくい赤色LEDを、LED配列部12の中心部と外周部との中間に配置し、周囲の白色LEDやその他の補色LEDからの光に馴染ませるので、赤色が目立たない色ムラの少ない照射光を得ることができる。
第10の実施の形態によれば、被照射面での照射面積を連続変化させることができ、光量を連続変化させることができる。また、導光管17の出口開口部17Bの輪郭像を鮮鋭に保持したまた被照射面での照射面積を連続変化させることができる。また、拡散板24を設けるので、、光源となるLEDの光を光ムラや色ムラの少ない照明光として効率よく照射することができる。
また、LED配列部12の複数個のLED13を、それぞれ放熱効果を有する別の部材に区分して取り付けるので、LED配列部12の複数個のLED13の放熱効果を高めることができる。さらに、混色性の悪い赤色LED13Rを他の色の補色LEDを含む白色LEDの周囲に配置するので、混色性がよくなり色ムラを生じることを抑制できる。
11…LED照明装置、12…LED配列部、13…LED、14…アパーチャ部、15…アパーチャ、16…レンズ、17…導光管、18…フィルタ部、19…反射板、20…貫通孔、21…スポットライト本体、22…移動機構、23…バンドア、24…拡散板、25…移動機構、26…放熱器