JP2005157541A - プログラム、情報記憶媒体、及び画像生成システム - Google Patents

プログラム、情報記憶媒体、及び画像生成システム Download PDF

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Abstract

【課題】元画像に影画像や光照射画像が形成された画像を簡素な処理で生成できるプログラム、情報記憶媒体及び画像生成システムを提供すること。
【解決手段】 第1の色と第2の色の加算描画により加算結果が黒色になる描画モードで、視点から見て表面となるモディファイアボリュームのプリミティブ面については第1の色で描画し、視点から見て裏面となるプリミティブ面については第2の色で描画する。そしてモディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により得られた画像を元画像に減算又は加算描画することで、元画像に影画像又は光照射画像が形成された画像を生成する。モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により生成された画像に画像加工処理(ぼかし処理、色の同一化処理)を施し、画像加工処理後の画像を元画像に減算又は加算描画する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、プログラム、情報記憶媒体、及び画像生成システムに関する。
従来より、キャラクタなどのオブジェクトが配置設定されるオブジェクト空間内(仮想的な3次元空間)において所与の視点(仮想カメラ)から見える画像を生成する画像生成システム(ゲームシステム)が知られており、いわゆる仮想現実を体験できるものとして人気が高い。
このような画像生成システムでは、影画像や光照射画像についてもリアルに表現できることが望ましい。そしてこのようなリアルな影画像等を生成する手法として、ステンシルバッファを用いる手法がある。
しかしながら、ステンシルバッファ手法で影画像を生成するためには、ステンシルバッファのハードウェアを画像生成システムが備えていることが必要である。従って、このようなハードウェアを備えていない画像生成システムにおいては、ステンシルバッファ手法による影画像等の生成を実現できないという課題があった。
特開2000−353251号公報
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、元画像に影画像や光照射画像が形成された画像を簡素な処理で生成できるプログラム、情報記憶媒体及び画像生成システムを提供することにある。
本発明は、オブジェクト空間において所与の視点から見える画像を生成する画像生成システムであって、モディファイアボリュームを設定するモディファイアボリューム設定部と、第1の色と第2の色の加算描画により輝度値がオーバフローした場合に加算結果が黒色になる描画モードで、視点から見て表面となるモディファイアボリュームのプリミティブ面については前記第1の色で描画し、視点から見て裏面となるモディファイアボリュームのプリミティブ面については前記第2の色で描画し、モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により得られた画像を元画像に描画することで、元画像に影画像又は光照射画像が形成された画像を生成する描画部とを含む画像生成システムに関係する。また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムに関係する。また本発明は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶(記録)した情報記憶媒体に関係する。
本発明では、第1の色と第2の色との加算描画の結果が黒色になる描画モードに設定されて、モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画処理が行われる。具体的には、モディファイアボリュームを構成するプリミティブ面のうち、視点から見て表面となるプリミティブ面については第1の色で描画され、視点から見て裏面となるプリミティブ面については第2の色で描画される。そして、このようなプリミティブ面の描画により得られた画像(画像加工処理が施された画像を含む)を、元画像(元画像が描画されている領域)に描画(α合成等)することで、元画像に影画像又は光照射画像が形成された画像が生成される。このように本発明によれば、表面のプリミティブ面を第1の色で描画し、裏面のプリミティブ面を第2の色で描画し、描画により得られた画像を元画像に描画するだけという簡素な処理で、影画像や光照射画像を生成できる。従って例えばステンシルバッファなどのハードウェアを有しない画像生成システムにおいても、リアルで自然な影画像や光照射画像を生成できるという利点がある。
また本発明に係る画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体では、前記描画部が、モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により得られた画像を元画像に減算描画することで、元画像に影画像が形成された画像を生成するようにしてもよい。
また本発明に係る画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体では、前記描画部が、モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により得られた画像を元画像に加算描画することで、元画像に光照射画像が形成された画像を生成するようにしてもよい。
また本発明に係る画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体では、前記描画部が、モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により生成された画像に所与の画像加工処理を施し、画像加工処理後の画像を元画像に減算描画又は加算描画することで、元画像に影画像又は光照射画像が形成された画像を生成するようにしてもよい。
このようにすれば、ステンシルバッファ手法では実現できない影画像や光照射画像の画像加工処理を実現できるようになり、生成される画像の品質やリアル感を向上できる。
また本発明に係る画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体では、前記画像加工処理が、モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により生成された画像をぼかす処理であってもよい。
このようにすれば、影画像や光照射画像の境界を目立たなくするアンチエリアシングなどを簡素に実現できる。
また本発明に係る画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体では、前記画像加工処理が、モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により生成された画像のうち影画像又は光照射画像となるべき画像部分の色を、同一色にする処理であってもよい。
このようにすれば、影画像や光照射画像にムラが生じるのを防止でき、画像の品質やリアル感を向上できる。
また本発明に係る画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体では、前記第2の色は、そのRGBの各輝度値が、前記第1の色のRGBの各輝度値と2進数表現で2の補数の関係になる色であってもよい。
また本発明に係る画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体では、前記描画モードが、前記第1の色のRGBの各輝度値と前記第2の色のRGBの各輝度値との加算によるオーバフローにより、加算結果の繰り上がりビットに1が繰り上がった場合に、加算結果の繰り上がりビットを無効にし、繰り上がりビットよりも下位のNビットだけを有効にするモードであってもよい。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1に本実施形態の画像生成システム(ゲームシステム)の機能ブロック図の例を示す。なお本実施形態の画像生成システムは図1の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
操作部160は、プレーヤが操作データを入力するためのものであり、その機能は、レバー、ボタン、ステアリング、マイク、タッチパネル型ディスプレイ、或いは筺体などにより実現できる。記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
携帯型情報記憶装置194は、プレーヤの個人データやゲームのセーブデータなどが記憶されるものであり、この携帯型情報記憶装置194としては、メモリカードや携帯型ゲーム装置などがある。通信部196は外部(例えばホスト装置や他の画像生成システム)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、ホスト装置(サーバー)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(記憶部170)に配信してもよい。このようなホスト装置(サーバー)の情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの処理を行う。ここでゲーム処理としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、キャラクタやマップなどのオブジェクトを配置する処理、オブジェクトを表示する処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。この処理部100は記憶部170をワーク領域として各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
処理部100は、オブジェクト空間設定部110、移動・動作処理部112、視点制御部114、描画部120、音生成部130を含む。なおこれらの一部を省略する構成としてもよい。
オブジェクト空間設定部110は、キャラクタ、車、樹木、柱、壁、建物、マップ(地形)などの表示物を表す各種オブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブ面で構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行う。即ちワールド座標系でのオブジェクト(モデルオブジェクト)の位置や回転角度(向き、方向と同義)を決定し、その位置(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。
オブジェクト空間設定部110はモディファイアボリューム設定部111を含む。このモディファイアボリューム設定部111は、影画像や光照射画像の生成のためのモディファイアボリューム(狭義にはシャドウボリューム)の設定処理(生成、配置処理)行う。ここでモディファイアボリュームは、影画像や光照射画像を形成する領域(属性変更領域)を特定するために用いられるボリューム(仮想的なオブジェクト)であり、例えば閉じたサーフェスモデルで定義される。
移動・動作処理部112は、オブジェクト(キャラクタ、車、又は飛行機等)の移動・動作演算(移動・動作シミュレーション)を行う。即ち操作部160によりプレーヤが入力した操作データや、プログラム(移動・動作アルゴリズム)や、各種データ(モーションデータ)などに基づいて、オブジェクト(移動オブジェクト)をオブジェクト空間内で移動させたり、オブジェクトを動作(モーション、アニメーション)させる処理を行う。具体的には、オブジェクトの移動情報(位置、回転角度、速度、或いは加速度)や動作情報(各パーツオブジェクトの位置、或いは回転角度)を、1フレーム(1/60秒)毎に順次求めるシミュレーション処理を行う。なおフレームは、オブジェクトの移動・動作処理(シミュレーション処理)や画像生成処理を行う時間の単位である。
視点制御部114は、オブジェクト空間内の所与(任意)の視点から見える画像を生成するための仮想カメラ(視点)の制御処理を行う。具体的には、仮想カメラの位置(X、Y、Z)又は回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)を制御する処理(視点位置や視線方向を制御する処理)を行う。
例えば仮想カメラによりオブジェクトを後方から撮影する場合には、オブジェクトの位置又は回転の変化に仮想カメラが追従するように、仮想カメラの位置又は回転角度(仮想カメラの向き)を制御する。この場合には、移動・動作処理部112で得られたオブジェクトの位置、回転角度又は速度などの情報に基づいて、仮想カメラを制御できる。或いは、仮想カメラを、予め決められた移動経路で移動させながら予め決められた回転角度で回転させるようにしてもよい。この場合には、仮想カメラの位置(移動経路)や回転角度を特定するための仮想カメラデータに基づいて仮想カメラを制御する。
描画部120は、処理部100で行われる種々の処理(ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。いわゆる3次元ゲーム画像を生成する場合には、まず、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、或いは透視変換等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、描画データ(プリミティブ面の頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)が作成される。そして、この描画データ(プリミティブ面データ)に基づいて、透視変換後(ジオメトリ処理後)のオブジェクト(1又は複数プリミティブ面)を描画領域172(ピクセル単位で画像情報を記憶できる領域。VRAM領域)に描画する。これにより、オブジェクト空間内において所与の視点(仮想カメラ)から見える画像が生成される。
そして本実施形態では描画部120が、第1の色(例えば(R、G、B)=(0xff、0xff、0xff))と第2の色(例えば(R、G、B)=(0x01、0x01、0x01))が加算描画された場合に加算結果が黒色(例えば(R、G、B)=(0x00、0x00、0x00))になる描画モードで、モディファイアボリュームの各プリミティブ面(ポリゴン等)を描画する。
この場合に、モディファイアボリュームを構成する複数のプリミティブ面のうち、視点から見て表面となるプリミティブ面については上記の第1の色で描画する。一方、視点から見て裏面となるプリミティブ面については上記の第2の色で描画する。
そしてモディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により得られた画像(描画により生成された画像そのもの、或いは該画像に画像加工処理を施した後の画像)を元画像(元画像が描画されている領域)に描画(減算又は加算描画)することで、元画像(元画像の影領域又は光照射領域)に影画像又は光照射画像が形成された画像を生成する。例えばモディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により生成された画像を、元画像に減算描画することで、元画像(影領域)に影画像が形成された画像(フレーム画像)を生成する。或いはモディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により生成された画像を、元画像に加算描画することで、元画像(光照射領域)に光照射画像が形成された画像(フレーム画像)を生成する。
なお元画像は、ジオメトリ処理後のオブジェクト(移動オブジェクト、背景オブジェクト等)を描画することで生成されるフレーム画像(1画面分の画像)であり、影画像や光照射画像が形成される前のフレーム画像である。
描画部120は、テクスチャマッピング部122、隠面消去部124、α合成部126を含む。
テクスチャマッピング部122は、テクスチャ領域174に記憶されるテクスチャ(テクセル値)をオブジェクトにマッピングするための処理を行う。具体的には、オブジェクト(プリミティブ面)の頂点に設定(付与)されるテクスチャ座標等を用いてテクスチャ領域174からテクスチャ(色、α値などの表面プロパティ)を読み出す。そして、2次元の画像又はパターンであるテクスチャをオブジェクトにマッピングする。この場合に、ピクセルとテクセルとを対応づける処理やバイリニア補間(テクセル補間)などを行う。
隠面消去部124は、Z値(奥行き情報)が格納されるZバッファ176(奥行きバッファ)を用いて、公知のZバッファ法(奥行き比較法)による隠面消去処理を行う。
α合成部126はα値(A値)に基づくα合成処理(αブレンディング、α加算又はα減算等)を行う。例えばα合成がαブレンディングである場合には下式の合成処理を行う。
=(1−α)×R+α×R (1)
=(1−α)×G+α×G (2)
=(1−α)×B+α×B (3)
一方、α合成が加算αブレンディングである場合には下式の合成処理を行う。
=R+α×R (4)
=G+α×G (5)
=B+α×B (6)
ここで、R、G、Bは、描画領域172に既に描画されている画像(元画像)のRGB成分であり、R、G、Bは、描画領域172に描画すべき画像のRGB成分である。また、R、G、Bは、αブレンディングにより得られる画像のRGB成分である。なお、α値は、各ピクセル(テクセル、ドット)に関連づけて記憶できる情報であり、例えば色情報以外のプラスアルファの情報である。α値は、マスク情報、半透明度(透明度、不透明度と等価)、バンプ情報などとして使用できる。
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
なお、本実施形態の画像生成システムは、1人のプレーヤのみがプレイできるシングルプレーヤモード専用のシステムにしてもよいし、複数のプレーヤがプレイできるマルチプレーヤモードも備えるシステムにしてもよい。また複数のプレーヤがプレイする場合に、これらの複数のプレーヤに提供するゲーム画像やゲーム音を、1つの端末を用いて生成してもよいし、ネットワーク(伝送ライン、通信回線)などで接続された複数の端末(ゲーム機、携帯電話)を用いて分散処理により生成してもよい。
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。なお以下では、影画像の生成に本実施形態の手法を採用した場合について主に説明するが、本実施形態の手法によれば影画像のみならず光照射画像(光により照らされることを表現する画像)についても生成できる。
2.1 ステンシルバッファ
まず本実施形態の比較例としてステンシルバッファを用いて影画像を生成する手法について説明する。ここでステンシルバッファは、直接、固定値のステンシル値(ステンシルバッファでのピクセル値)を書き込んだり、格納されているステンシル値にインクリメント(+1)やデクリメント(−1)などの演算を施すことが可能なバッファである。ピクセルの描画の際には、ピクセル単位でステンシルバッファのステンシル値を参照し、参照されたステンシル値に基づいて、そのピクセルに対する描画を許可又は禁止することで、元画像に影画像が形成された画像を得ることができる。
例えば図2(A)(B)に示すように、光源LSからの光によりオブジェクトOB1の影SDがオブジェクトOB2に落ちる画像を生成する場合には、以下のような処理が行われる。
まず図3(A)に示すようなモディファイアボリュームMVを設定(生成、用意)する。このモディファイアボリュームMVは、例えば光源LSから、影SDを落とすオブジェクトOB2に向かって、オブジェクトOB1の頂点を引き延ばすことで設定できる。
そしてステンシルバッファへの描き込み処理は次のようにして行う。まずステンシルバッファの全ての領域に「0」を描き込んで、クリアしておく。そして図3(B)に示すように、モディファイアボリュームMVを構成するプリミティブ面(ポリゴン)のうち1枚目のプリミティブ面PL1をステンシルバッファに描画する。この場合、PL1は視点から見て表面であるため、PL1が描画される領域でのステンシル値は「1」だけインクリメントされる。
次に図4(A)に示すように、モディファイアボリュームMVの2枚目のプリミティブ面PL2をステンシルバッファに描画する。この場合、PL2は視点から見て裏面であるため、PL2が描画される領域でのステンシル値は「−1」だけデクリメントされる。従って、元々何も描かれていない領域(ステンシル値が「0」の領域)では、ステンシル値が「−1」になる。一方、PL1とPL2が重なる領域では、「1」のステンシル値が「−1」だけデクリメントされて「0」になる。
次に図4(B)に示すように、モディファイアボリュームMVの最後の3枚目のプリミティブ面PL3をステンシルバッファに描画する。この場合、PL3は視点から見て表面であるため、PL3が描画される領域でのステンシル値は「1」だけインクリメントされる。従って、図4(A)でステンシル値が「−1」であった領域(PL2だけが描かれている領域)は、ステンシル値が「1」だけインクリメントされて「0」になる。一方、それ以外の領域では、ステンシル値が「1」だけインクリメントされて「1」になる。
以上のようなステンシルバッファ手法を用いれば、図4(B)に示すように、オブジェクトOB1の影が形成されるべき領域だけで、ステンシル値が「1」になり、それ以外の領域ではステンシル値が「0」になる。従って、ステンシルバッファのステンシル値が「1」となっている領域(ピクセル)についてだけ、黒色の影画像を描画するようにすれば(属性情報を変更すれば)、オブジェクトOB1の影がオブジェクトOB2に落ちる画像を生成できる。
2.2 特定色のプリミティブ面の描画による影画像等の生成
上述のステンシルバッファを用いた影生成手法を実現するためには、画像生成システムがステンシルバッファのハードウェアを有している必要がある。従って、このようなステンシルバッファを備えていない画像生成システムでは、ステンシルバッファ手法で影画像を生成できないという課題があった。
そこで本実施形態では、VRAMのRGBプレーンを、あたかもステンシルバッファのステンシル値プレーンのようにみなして、影画像(光照射画像)を生成している。具体的には、モディファイアボリュームのプリミティブ面(ポリゴン等)を描画領域(VRAM)に特定色(RGB)で描画することで、影画像(光照射画像)を生成している。以下、この本実施形態の手法について詳細に説明する。
まずVRAMにフレームバッファと同様に1画面分の描画領域を確保する。そしてその描画領域を例えば黒色(0x00、0x00、0x00)で塗りつぶして、クリアしておく。
次に図3(A)と同様に、モディファイアボリュームMVを設定(用意)しておく。このモディファイアボリュームMVの設定手法としては種々の手法がある。例えば光源LSからの光の投影方向にオブジェクトOB1の頂点を引き延ばす(移動する)ことで、モディファイアボリュームMVを設定(生成)してもよい。或いはオブジェクトOB1を内包するバウンディングボリュームの頂点を投影方向に引き延ばすことで、モディファイアボリュームMVを設定してもよい。或いは、オブジェクトOB1自体を投影方向に変形することで、モディファイアボリュームMVを設定してもよい。
なお、光源LSが常に真上にあることが想定されるゲームなどでは、モディファイアボリュームMVの設定に用いる投影方向は、真上から真下へと向かう方向(Y軸に沿った方向)に固定できる。また例えばキャラクタ(オブジェクト)の影画像(或いは光照射画像)の形状を丸形状に固定する場合(丸影の場合)には、キャラクタの位置に対応する位置に円錐状のバウンディングボリュームを設定(配置)すればよい。
次に、VRAMの描画モードを、カラークランプが無効(マスク)になるモードに設定する。この描画モードは、第1の色のRGBの各輝度値と第2の色のRGBの各輝度値との加算によるオーバフローにより、加算結果の繰り上がりビット(例えば9ビット目)に1が繰り上がった場合に、加算結果の繰り上がりビットを無効にし、繰り上がりビットの下位のNビット(例えば1〜8ビット)だけを有効にするモードである。
この描画モードで例えば(R、G、B)=(0xff、0xff、0xff)に(R、G、B)=(0x01、0x02、0x08)を加算すると、(R、G、B)=(0x00、0x01、0x07)になる。例えば輝度値R=(0xff)=(11111111)と輝度値R=(0x01)=(00000001)の加算によるオーバフローにより、繰り上がりビットである9ビット目に「1」が繰り上がった場合に、その繰り上がりビットの「1」は無視される。そして下位の8ビット(広義にはNビット)である(00000000)だけが有効になる。この結果、加算結果はR=(0x00)=(00000000)になる。
そして本実施形態では、このような描画モードで、モディファイアボリュームを構成する複数のプリミティブ面を描画する。具体的には、視点から見て表面となるプリミティブ面については第1の色で描画し、視点から見て裏面となるプリミティブ面については第2の色で描画する。例えば、第1の色は(R、G、B)=(0xff、0xff、0xff)であり、第2の色は(R、G、B)=(0x01、0x01、0x01)である。この場合、上記描画モードにおいて、第1の色(0xff、0xff、0xff)に第2の色(0x01、0x01、0x01)が加算描画されると、加算結果である第3の色は、黒色(広義には特定色)である(R、G、B)=(0x00、0x00、0x00)になる。
ここで、上記のように、第1の色は、RGBの各輝度値が最大値となる色(R、G、B)=(0xff、0xff、0xff)にすることができる。一方、第2の色は、そのRGBの各輝度値が、第1の色のRGBの各輝度値(0xff、0xff、0xff)と、2進数表現で2の補数の関係になる色(R、G、B)=(0x01、0x01、0x01)にすることができる。即ち第1の色のRGBの輝度値(0xff)=(11111111)と、第2の色のRGBの輝度値(0x01)=(00000001)とは、2の補数の関係となる。
なお第1の色として、RGBの輝度値が最大値よりも小さい値になる色を採用することもできる。例えば第1の色として(R、G、B)=(0xfe、0xfe、0xfe)や(R、G、B)=(0xfd、0xfd、0xfd)などを採用することもできる。この場合には第2の色は、各々、(R、G、B)=(0x02、0x02、0x02)や(R、G、B)=(0x03、0x03、0x03)にすることができる。また第1の色と第2の色の加算結果である特定色の第3の色は、(R、G、B)=(0x00、0x00、0x00)という黒色(真っ黒)であることが望ましいが、(R、G、B)=(0x01、0x01、0x01)や(R、G、B)=(0x02、0x02、0x02)というような色にすることも可能である。
本実施形態の手法によりモディファイアボリュームの各プリミティブ面が描画される様子を図5(A)(B)、図6(A)に示す。なおこれらの各図の左側には、図3(A)〜図4(B)のステンシルバッファ手法との対比を分かり易く示すために、ステンシルバッファの対応するステンシル値(「0」、「1」、「−1」)を併記している。
まず図5(A)に示すように、モディファイアボリュームMVを構成するプリミティブ面(ポリゴン)のうち1枚目のプリミティブ面PL1をVRAMの描画領域(黒色にクリアされた1画面分の領域)に描画する。この場合、プリミティブ面PL1は視点から見て表面であるため、このPL1は、第1の色(R、G、B)=(0xff、0xff、0xff)で描画される。これにより、VRAMの描画領域の様子は図5(A)の右側に示すようになる。即ち描画領域は黒色のクリア色(R、G、B)=(0x00、0x00、0x00)で塗りつぶされており、プリミティブ面PL1が描画される領域(ピクセル)の色は、第1の色(R、G、B)=(0xff、0xff、0xff)になる。これはステンシルバッファ手法においてステンシルバッファの領域に「1」が描き込まれることに相当する。
なお、モディファイアボリュームMVのプリミティブ面の描き込みの際に、Zバッファを用いた隠面消去も行われる。従って、図5(A)の右側に示すように、オブジェクトOB2により隠面消去される領域に対しては、(R、G、B)=(0xff、0xff、0xff)は描き込まれず、その領域の色は(R、G、B)=(0x00、0x00、0x00)のままとなる。但し、モディファイアボリュームMVは実際に表示されるオブジェクトではないため、この隠面消去の際にZバッファの更新については行われない。
次に図5(B)に示すように、モディファイアボリュームMVの2枚目のプリミティブ面PL2をVRAMの描画領域に描画する。この場合、プリミティブ面PL2は視点から見て裏面であるため、このPL2は、第2の色(R、G、B)=(0x01、0x01、0x01)で描画される。これにより、VRAMの描画領域の様子は図5(B)の右側に示すようになる。即ち、PL2が描画される領域のうち、元々何も描かれていない領域((0x00、0x00、0x00))の色は、第2の色(R、G、B)=(0x01、0x01、0x01)になる。一方、PL1とPL2が重なる領域の色は、上述した描画モードでの加算描画により(0xff、0xff、0xff)+(0x01、0x01、0x01)=(0x00、0x00、0x00)という加算結果になるため、黒色(0x00、0x00、0x00)になる。これはステンシルバッファ手法においてステンシルバッファに「0」が描き込まれることに相当する。
次に図6(A)に示すように、モディファイアボリュームMVの3枚目のプリミティブ面PL3をVRAMの描画領域に描画する。この場合、プリミティブ面PL3は視点から見て表面であるため、このPL2は、第1の色(R、G、B)=(0xff、0xff、0xff)で描画される。これにより、VRAMの描画領域の様子は図6(A)の右側に示すようになる。即ちPL2が描画される領域のうち、図5(B)において何も描かれていない領域((0x00、0x00、0x00))の色は、第1の色(0xff、0xff、0xff)になる。一方、PL2とPL3が重なる領域の色は、上述した描画モードでの加算描画により(0x01、0x01、0x01)+(0xff、0xff、0xff)=(0x00、0x00、0x00)という加算結果になるため、黒色(0x00、0x00、0x00)になる。これはステンシルバッファ手法においてステンシルバッファに「0」が描き込まれることに相当する。
以上のようなプリミティブ面PL1〜PL3の描画により得られた画像(描画領域に最終的に生成された画像)の例を、図6(B)に示す。図6(B)では、オブジェクトOB2の影となるべき影領域の色は、第1の色(R、G、B)=(0xff、0xff、0xff)になっている。一方、影領域以外の領域の色は、黒色(R、G、B)=(0x00、0x00、0x00)になっている。即ち影領域にだけ何らかの色が残り、それ以外の領域は黒色になる。
この図6(B)の画像(該画像に加工処理を施した画像を含む)を、図2(A)の元画像(ジオメトリ処理後のオブジェクトOB1、OB2をフレームバッファに描画することで得られる画像)に描画することで、元画像に影画像や光照射画像が形成された図2(B)の画像を生成できる。
より具体的には、図6(B)の画像を図2(A)の元画像に減算描画すれば、元画像に影画像が形成された画像を生成できる。即ち図2(B)のSDの領域において、(R、G、B)=(0xff、0xff、0xff)を減算描画することで、SDの領域が黒くなり、影画像が形成される。
一方、図6(B)の画像を図2(A)の元画像に加算描画すれば、元画像に光照射画像が形成された画像を生成できる。即ち図2(B)のSDの領域において、(R、G、B)=(0xff、0xff、0xff)を加算描画することで、SDの領域が白くなり、光照射画像が形成される。
以上のように本実施形態では、VRAMのRGBプレーンをステンシルバッファのステンシル値プレーンのようにみなして描画処理を行うことで、影画像や光照射画像を生成している。この本実施形態の手法によれば、ステンシルバッファのハードウェアを有しない画像生成システムにおいても、ステンシルバッファ手法に準じた描画手法で影画像や光照射画像を生成できるという利点がある。
なお飛行機ゲームなどにおいては、飛行機やミサイル(広義には移動オブジェクト)の影と、飛行機やミサイルの後方に発生する煙(広義には移動オブジェクトに追従するオブジェクト)の影とを、その濃さを異ならせて表現できることが望ましい。即ち飛行機やミサイルの影は、より真っ黒にし、煙の影は薄くする(半影)。この場合には、飛行機やミサイルについて設定されたモディファイアボリュームのプリミティブ面を本実施形態の手法で描画することで、図6(B)と同様の第1の画像を生成し、この第1の画像を元画像に描画する。また煙(ベーパートレイル)について設定されたモディファイアボリュームのプリミティブ面を本実施形態の手法で描画することで、図6(B)と同様の第2の画像を生成し、この第2の画像を元画像に描画すればよい。そして第1の画像の影の画像部分での第1の輝度値と、第2の画像の影の画像部分での第2の輝度値とを異ならせることで、飛行機やミサイルの影と煙の影の濃さを異ならせることが可能になる。例えば第2の輝度値を第1の輝度値よりも暗くすることで、飛行機やミサイルの影と煙の影の濃さの違いを表現できる。
2.3 画像加工処理
さて、ステンシルバッファ手法では、影画像(光照射画像)の境界をぼかすなどの画像の加工処理を実現できないという問題点がある。即ちステンシルバッファ手法では、モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により、ステンシルバッファにステンシル値のプレーンが生成される。そしてピクセル描画の際にステンシルバッファを参照し、ステンシル値が「1」となる領域を黒色で描画することで、影画像を生成する。従って例えば図4(B)において、ステンシル値が「1」となる影領域には黒色が描画される一方で、ステンシル値が「0」となる領域では黒色が描画されないようになるため、影領域とそれ以外の領域との間の境界が目立ってしまう。このため、生成される影画像が今ひとつ不自然になるという問題がある。
これに対して本実施形態では、モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により、ステンシル値のプレーンが生成されるのではなく、VRAMの描画領域(テンポラリバッファ)に図6(B)に示すようなRGBの画像(RGBプレーン)が生成される。そして影画像(光照射画像)は、この図6(B)の画像を元画像に描画することで生成される。従って本実施形態によれば、モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により生成される図6(B)の画像に対して、画像加工処理を施し、画像加工処理後の画像を元画像に描画(減算描画、加算描画)することで、影画像(光照射画像)を生成することも可能になる。例えば図6(B)の画像に、画像加工処理としてぼかし処理を施せば、影領域(光照射領域)とそれ以外の領域との間の境界をぼかすことができ、いわゆるアンチエリアシングを実現できる。これにより、単なるステンシルバッファ手法では生成できない、自然でリアルな影画像(光照射画像)の生成が可能になる。
なお図6(B)の画像のぼかし画像を生成する手法としては、種々の手法がある。例えば第1の手法では、図6(B)の画像を、バイリニア補間(バイリニアテクスチャマッピング)を行いながらそのサイズを縮小する。例えば図6(B)の画像を、バイリニア補間を行いながら1/2のサイズに縮小し、得られた画像を、バイリニア補間を行いながら更に1/2のサイズに縮小する。そして縮小後の画像を拡大し、元のサイズに戻して、元画像に描画する。また第2の手法では、ぼかし処理用のルックアップテーブルを用意する。そして図6(B)の画像の情報(RGB)を、このルックアップテーブルのインデックス番号に設定し、ルックアップテーブルを用いたインデックス・カラーテクスチャマッピングを行うことで、図6(B)の画像のぼかし画像を生成する。
また図6(B)の画像に施す画像加工処理は、ぼかし処理に限定されない。例えば、図6(B)の画像のうち影画像(光照射画像)となるべき画像部分の色を、同一色にする画像加工処理(色を均一化する画像加工処理)を行ってもよい。
即ち本実施形態の手法では、複数の影が重なった場合に、モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により図7(A)のような画像が生成されてしまうおそれがある。即ち図7(A)に示すように、複数の影が重なった領域の色は、上述した描画モードでの加算描画により(0xff、0xff、0xff)+(0xff、0xff、0xff)=(0xfe、0xfe、0xfe)の加算結果の色になる。従って、影が重なっている領域の色(0xfe、0xfe、0xfe)が、影が重なっていない影領域の色(0xff、0xff、0xff)に比べて、少しだけ暗くなってしまい、画像の品質が低下する。
そこで本実施形態では図7(B)に示すように、モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により生成された図7(A)の画像のうち、影画像となるべき画像部分の色が、同一色になるようにする画像加工処理を行っている。例えば図7(B)では、影画像となるべき画像部分の色が、同一色の(R、G、B)=(0x80、0x80、0x80)になるような画像加工処理が行われている。この画像加工処理は、図7(A)の画像のRGBの輝度値を、(R、G、B)=(0x80、0x80、0x80)を用いてマスク(論理積)して、最上位ビットのみを残す処理を行うことで実現できる。
例えば図7(A)において輝度値R=(0xff)の領域では、(0x80)との論理積を取ることで最上位の8ビット目だけを残すようにすれば、その結果は輝度値R=(0x80)になる。同様に、輝度値R=(0xfe)の領域でも、(0x80)との論理積を取ることで最上位の8ビット目だけを残すようにすれば、その結果は輝度値R=(0x80)になる。一方、輝度値R=(0x00)の領域では、(0x80)との論理積を取ると、その結果は輝度値R=(0x00)のままとなる。従って、この画像加工処理により、図7(A)の画像が図7(B)の画像に変換される。そして図7(B)の画像では、影が重なった部分にむらができないため、より自然でリアルな影画像を生成できる。
3.本実施形態の処理
次に、本実施形態の詳細な処理例について図8のフローチャートを用いて説明する。
まずVRAMに1画面分の描画領域を確保し、黒色で塗りつぶす(ステップS1)。そして描画モードを、カラークランプが無効になるモードに設定する(ステップS2)。即ち第1の色(R、G、B)=(0xff、0xff、0xff)と第2の色(R、G、B)=(0x01、0x01、0x01)の加算結果が黒色(R、G、B)=(0x00、0x00、0x00)になる描画モードに設定する。
次に描画しようとするモディファイアボリュームのプリミティブ面(ポリゴン)が、視点から見て表面なのか裏面なのかを判定する(ステップS3)。このような表面、裏面の判定手法としては、公知の種々の手法を採用できる。
そして描画対象となるプリミティブ面が視点から見て表面であると判定された場合には、VRAMの描画領域に、そのプリミティブ面を第1の色(0xff、0xff、0xff)で描画する(ステップS4。図5(A)、図6(A)参照)。一方、描画対象となるプリミティブ面が視点から見て裏面であると判定された場合には、VRAMの描画領域に、そのプリミティブ面を第2の色(0x01、0x01、0x01)で描画する(ステップS5。図5(B)参照)。そして全てのプリミティブ面について処理したか否かを判断し(ステップS6)、処理していない場合にはステップS3に戻る。一方、処理した場合には、描画領域に生成された画像に対して、画像加工処理を施す(ステップS7。図7(A)(B)参照)。そして画像加工処理後の画像を、元画像(フレーム画像)に減算又は加算描画する(ステップS8)。このようにすることで図2(B)のように、元画像に影画像(光照射画像)が形成された画像が完成する。
以上のように説明した本実施形態の手法によれば、RGBバッファを擬似ステンシルバッファとみなして影画像や光照射画像を生成できる。そしてこのような疑似ステンシルバッファを用いる手法によれば、複数のスポット光が各々別の色光を有している場合にも、1つの疑似ステンシルバッファ(RGBバッファ)を用いて同時に処理できるという利点がある。即ち本実施形態の手法では、裏面のプリミティブ面の描画色のRGBの輝度値と表面のプリミティブ面の描画色のRGBの輝度値とは、上述のように2の補数の関係であればよく、描画したいスポット光の光色の値を疑似ステンシルバッファに書き込むことが出来るからである。
また疑似ステンシルバッファについては、描画用のフレームバッファと同等の領域サイズを確保する必要はない。例えば疑似ステンシルバッファを用いて生成された画像のエッジをぼかす処理を行う場合には、疑似ステンシルバッファの領域サイズ(領域量)を、描画用のフレームバッファの領域サイズの例えば1/4のサイズに設定する。そして影画像を生成し、疑似ステンシルバッファの画像を、フィルタ処理(バイリニアフィルタ処理等)を行いながら拡大する。そして拡大後の画像をフレームバッファに描画すればよい。このようにすれば、疑似ステンシルバッファの領域サイズをコンパクト化でき、メモリの使用記憶容量を節約できる。
4.ハードウェア構成
図9に本実施形態を実現できるハードウェア構成の例を示す。メインプロセッサ900は、CD982(情報記憶媒体)に格納されたプログラム、通信インターフェース990を介してダウンロードされたプログラム、或いはROM950に格納されたプログラムなどに基づき動作し、ゲーム処理、画像処理、音処理などを実行する。コプロセッサ902は、メインプロセッサ900の処理を補助するものであり、マトリクス演算(ベクトル演算)を高速に実行する。例えばオブジェクトを移動させたり動作(モーション)させる物理シミュレーションに、マトリクス演算処理が必要な場合には、メインプロセッサ900上で動作するプログラムが、その処理をコプロセッサ902に指示(依頼)する。
ジオメトリプロセッサ904は、メインプロセッサ900上で動作するプログラムからの指示に基づいて、座標変換、透視変換、光源計算、曲面生成などのジオメトリ処理を行うものであり、マトリクス演算を高速に実行する。データ伸張プロセッサ906は、圧縮された画像データや音データのデコード処理を行ったり、メインプロセッサ900のデコード処理をアクセレートする。これにより、オープニング画面やゲーム画面において、MPEG方式等で圧縮された動画像を表示できる。
描画プロセッサ910は、ポリゴンや曲面などのプリミティブ面で構成されるオブジェクトの描画(レンダリング)処理を実行する。オブジェクトの描画の際には、メインプロセッサ900は、DMAコントローラ970を利用して、描画データを描画プロセッサ910に渡すと共に、必要であればテクスチャ記憶部924にテクスチャを転送する。すると描画プロセッサ910は、描画データやテクスチャに基づいて、Zバッファなどを利用した隠面消去を行いながら、オブジェクトをフレームバッファ922に描画する。また描画プロセッサ910は、αブレンディング(半透明処理)、デプスキューイング、ミップマッピング、フォグ処理、バイリニア・フィルタリング、トライリニア・フィルタリング、アンチエリアシング、シェーディング処理なども行う。1フレーム分の画像がフレームバッファ922に書き込まれるとその画像はディスプレイ912に表示される。
サウンドプロセッサ930は、多チャンネルのADPCM音源などを内蔵し、BGM、効果音、音声などのゲーム音を生成し、スピーカ932を介して出力する。ゲームコントローラ942やメモリカード944からのデータはシリアルインターフェース940を介して入力される。
ROM950にはシステムプログラムなどが格納される。業務用ゲームシステムの場合にはROM950が情報記憶媒体として機能し、ROM950に各種プログラムが格納される。なおROM950の代わりにハードディスクを利用してもよい。RAM960は各種プロセッサの作業領域となる。DMAコントローラ970は、プロセッサ、メモリ間でのDMA転送を制御する。CDドライブ980は、プログラム、画像データ、或いは音データなどが格納されるCD982にアクセスする。通信インターフェース990はネットワーク(通信回線、高速シリアルバス)を介して外部との間でデータ転送を行う。
なお本実施形態の各部(各手段)の処理は、その全てをハードウェアのみにより実現してもよいし、情報記憶媒体に格納されるプログラムや通信インターフェースを介して配信されるプログラムにより実現してもよい。或いは、ハードウェアとプログラムの両方により実現してもよい。
そして本実施形態の各部の処理をハードウェアとプログラムの両方により実現する場合には、情報記憶媒体には、ハードウェア(コンピュータ)を本実施形態の各部として機能させるためのプログラムが格納される。より具体的には、上記プログラムが、ハードウェアである各プロセッサ902、904、906、910、930に処理を指示すると共に、必要であればデータを渡す。そして、各プロセッサ902、904、906、910、930は、その指示と渡されたデータとに基づいて本発明の各部の処理を実現する。
なお本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語(Nビット、プリミティブ面、移動オブジェクト、移動オブジェクトに追従するオブジェクト等)として引用された用語(8ビット、ポリゴン、飛行機・ミサイル、煙等)は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
またモディファイアボリュームのプリミティブ面の描画手法やモディファイアボリュームの設定手法も、本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含まれる。また第1、第2の色として、本実施形態で例示した以外の色を採用してもよい。
また本発明は種々のゲームに適用できる。また本発明は、業務用ゲームシステム、家庭用ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクションシステム、シミュレータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を生成するシステムボード、携帯端末等の種々の画像生成システムに適用できる。
本実施形態の画像生成システムの機能ブロック図の例である。 図2(A)(B)はモディファイアボリューム等の説明図である。 図3(A)(B)はステンシルバッファ手法の説明図である。 図4(A)(B)もステンシルバッファ手法の説明図である。 図5(A)(B)は本実施形態の描画手法の説明図である。 図6(A)(B)も本実施形態の描画手法の説明図である。 図7(A)(B)は画像加工処理の説明図である。 本実施形態の具体的な処理のフローチャートである。 ハードウェア構成例である。
符号の説明
LS 光源、OB1、OB2 オブジェクト、SD 影、
MV モディファイアボリューム、PL1、PL2、PL3 プリミティブ面、
100 処理部、110 オブジェクト空間設定部、112 移動・動作処理部、
113 モディファイアボリューム設定部、114 視点制御部、
120 描画部、122 テクスチャマッピング部、
124 隠面消去部、126 α合成部、130 音生成部、160 操作部、
170 記憶部、172 描画領域、174 テクスチャ領域、
176 Zバッファ、180 情報記憶媒体、190 表示部、
192 音出力部、194 携帯型情報記憶装置、196 通信部

Claims (11)

  1. オブジェクト空間において所与の視点から見える画像を生成するためのプログラムであって、
    モディファイアボリュームを設定するモディファイアボリューム設定部と、
    第1の色と第2の色の加算描画により輝度値がオーバフローした場合に加算結果が黒色になる描画モードで、視点から見て表面となるモディファイアボリュームのプリミティブ面については前記第1の色で描画し、視点から見て裏面となるモディファイアボリュームのプリミティブ面については前記第2の色で描画し、モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により得られた画像を元画像に描画することで、元画像に影画像又は光照射画像が形成された画像を生成する描画部として、
    コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
  2. 請求項1において、
    前記描画部が、
    モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により得られた画像を元画像に減算描画することで、元画像に影画像が形成された画像を生成することを特徴とするプログラム。
  3. 請求項1において、
    前記描画部が、
    モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により得られた画像を元画像に加算描画することで、元画像に光照射画像が形成された画像を生成することを特徴とするプログラム。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記描画部が、
    モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により生成された画像に所与の画像加工処理を施し、画像加工処理後の画像を元画像に減算描画又は加算描画することで、元画像に影画像又は光照射画像が形成された画像を生成することを特徴とするプログラム。
  5. 請求項4において、
    前記画像加工処理が、モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により生成された画像をぼかす処理であることを特徴とするプログラム。
  6. 請求項4において、
    前記画像加工処理が、モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により生成された画像のうち影画像又は光照射画像となるべき画像部分の色を、同一色にする処理であることを特徴とするプログラム。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記第2の色は、そのRGBの各輝度値が、前記第1の色のRGBの各輝度値と2進数表現で2の補数の関係になる色であることを特徴とするプログラム。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記描画モードが、
    前記第1の色のRGBの各輝度値と前記第2の色のRGBの各輝度値との加算によるオーバフローにより、加算結果の繰り上がりビットに1が繰り上がった場合に、加算結果の繰り上がりビットを無効にし、繰り上がりビットよりも下位のNビットだけを有効にするモードであることを特徴とするプログラム。
  9. コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、請求項1乃至8のいずれかのプログラムを記憶したことを特徴とする情報記憶媒体。
  10. オブジェクト空間において所与の視点から見える画像を生成する画像生成システムであって、
    モディファイアボリュームを設定するモディファイアボリューム設定部と、
    第1の色と第2の色の加算描画により輝度値がオーバフローした場合に加算結果が黒色になる描画モードで、視点から見て表面となるモディファイアボリュームのプリミティブ面については前記第1の色で描画し、視点から見て裏面となるモディファイアボリュームのプリミティブ面については前記第2の色で描画し、モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により得られた画像を元画像に描画することで、元画像に影画像又は光照射画像が形成された画像を生成する描画部と、
    を含むことを特徴とする画像生成システム。
  11. 請求項10において、
    前記描画部が、
    モディファイアボリュームのプリミティブ面の描画により生成された画像に所与の画像加工処理を施し、画像加工処理後の画像を元画像に減算描画又は加算描画することで、元画像に影画像又は光照射画像が形成された画像を生成することを特徴とする画像生成システム。
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