JP2002063596A - ゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体 - Google Patents

ゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体

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JP2002063596A
JP2002063596A JP2001134266A JP2001134266A JP2002063596A JP 2002063596 A JP2002063596 A JP 2002063596A JP 2001134266 A JP2001134266 A JP 2001134266A JP 2001134266 A JP2001134266 A JP 2001134266A JP 2002063596 A JP2002063596 A JP 2002063596A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より自然な輪郭線の画像を効率良く生成でき
るゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体を提供
することにある。 【解決手段】 オブジェクトOBの輪郭線EDLの画像
をOBの輪郭の内側領域に描画する。視点からの距離や
透視変換後のオブジェクトの大きさに応じて決まる半透
明度でオブジェクトと輪郭線を半透明合成する。輪郭線
の描画位置でのオブジェクトのZ値を輪郭線のZ値に設
定する。テクスチャ座標を第1又は第2のシフト方向に
シフトさせながらバイリニアフィルタ方式で仮想ポリゴ
ンにマッピング画像をマッピングし、オブジェクトの輪
郭線を描画する。透視変換後のオブジェクトの画像を内
包し透視変換後のオブジェクトの大きさに応じてその大
きさが変化するような仮想ポリゴンを生成する。オブジ
ェクトの輪郭の内側領域に設定されるα値と外側領域に
設定されるα値とを異ならせ、テクセル補間後のα値に
基づき、オブジェクトの輪郭の内側領域にある輪郭線領
域を判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゲームシステム、
プログラム及び情報記憶媒体に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、仮想的な3次元空間であるオブジェクト空間内の所
与の視点から見える画像を生成するゲームシステムが知
られており、いわゆる仮想現実を体験できるものとして
人気が高い。ロールプレイングゲーム(RPG)を楽し
むことができるゲームシステムを例にとれば、プレーヤ
は、自身の分身であるキャラクタ(オブジェクト)を操
作してオブジェクト空間内のマップ上で移動させ、敵キ
ャラクタと対戦したり、他のキャラクタと対話したり、
様々な町を訪れたりすることでゲームを楽しむ。
【0003】このようなゲームシステムでは、キャラク
タなどを表すオブジェクトは複数のポリゴンや自由曲面
(広義にはプリミティブ面)により構成される。そし
て、このポリゴンにより構成されたオブジェクト(モデ
ル)をオブジェクト空間内に配置し、ジオメトリ処理
(3次元演算)を行って、オブジェクト空間内の所与の
視点から見える画像を生成する。これにより、あたかも
現実世界の風景のようにリアルで実写に近い画像を生成
できるようになる。
【0004】一方、アニメや漫画などの分野では、実写
のようなリアルな画像で人を魅了するのではなく、アニ
メ特有のセル画風の画像で人を魅了している。
【0005】従って、これまでのゲームシステムで生成
されるゲーム画像は、リアリティを好む人の情感に訴え
ることはできるが、アニメや漫画などを好む人の情感に
は今一つ訴えることができないという課題がある。
【0006】このような課題を解決するために、本出願
人は、セル画風の画像をリアルタイムに生成できるゲー
ムシステムの開発を行っている。そして、このようなセ
ル画風の画像を生成するためには、キャラクタなどのオ
ブジェクトの輪郭線(edge line)を描画する処理(輪
郭線を強調する処理)が必要になる。
【0007】しかしながら、このようなオブジェクトの
輪郭線描画処理においては、以下のような問題点がある
ことが判明した。 (1)例えば、オブジェクトの外周部に1ピクセルの太
さの輪郭線を描画したとする。このような場合に、視点
とオブジェクトとの距離が近い場合(スクリーン上での
ピクセルに対するオブジェクトの大きさが大きい場合)
にはそれほど問題は生じない。しかしながら、視点とオ
ブジェクトとの距離が遠い場合(スクリーン上でのピク
セルに対するオブジェクトの大きさが小さい場合)に
は、オブジェクトの大きさに対する輪郭線の相対的な太
さが必要以上に太くなってしまい、不自然な画像が生成
されてしまう。 (2)輪郭線と他のオブジェクトとの描画順序が不適切
であったり、輪郭線に不適切なZ値(奥行き値)が与え
られると、輪郭線と他のオブジェクトとの間で不適切な
陰面消去や半透明合成が行われてしまい、不自然な画像
が生成されてしまう。
【0008】本発明は、以上のような課題に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、より自然な
輪郭線の画像を効率良く生成できるゲームシステム、プ
ログラム及び情報記憶媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、画像生成を行うゲームシステムであっ
て、オブジェクトの画像に基づいて生成されたオブジェ
クトの輪郭線の画像を、オブジェクトの輪郭の内側領域
に描画する手段と、オブジェクト空間内の所与の視点で
の画像を生成する手段とを含むことを特徴とする。また
本発明に係る情報記憶媒体は、コンピュータにより使用
可能な情報記憶媒体であって、上記手段を実行するため
のプログラムを含むことを特徴とする。また本発明に係
るプログラムは、コンピュータにより使用可能なプログ
ラム(搬送波に具現化されるプログラムを含む)であっ
て、上記手段を実行するための処理ルーチンを含むこと
を特徴とする。
【0010】本発明によれば、オブジェクトの画像(例
えば描画領域に描画された画像、透視変換後の2次元画
像等)に基づいてオブジェクトの輪郭線の画像が生成さ
れる。そして、この輪郭線の画像が、オブジェクトの輪
郭の内側領域に描画される。このようにすれば、オブジ
ェクトの画像と輪郭線の画像との合成処理(半透明合
成、α合成等)が可能になる。また、オブジェクトのZ
値を輪郭線のZ値として設定することも容易になり、適
正な陰面消去などを実現できる。この結果、より自然な
輪郭線の画像を効率良く生成できるようになる。
【0011】なお、輪郭線の描画対象となるオブジェク
トはモデルオブジェクト全体であってもよいし、モデル
オブジェクトを構成するパーツオブジェクト(サブオブ
ジェクト)であってもよい。また、オブジェクトの輪郭
線を描画する手法としては、テクセル補間方式でテクス
チャ座標をシフトする手法が特に望ましいが、これに限
定されない。
【0012】また本発明に係るゲームシステム、情報記
憶媒体及びプログラムは、視点からの距離又は透視変換
後のオブジェクトの大きさに応じて決まる半透明度でオ
ブジェクトの画像とオブジェクトの輪郭線の画像とを半
透明合成することを特徴とする。このようにすれば、例
えば、視点からの距離が遠くなるにつれてオブジェクト
の輪郭線をより透明にする処理や、透視変換後のオブジ
ェクトの大きさが小さくなるにつれてオブジェクトの輪
郭線をより透明にする処理などが可能になる。この結
果、オブジェクトの輪郭線の相対的な太さが目立ってし
まうなどの問題を解決できる。
【0013】なお、視点からの距離としては、奥行き距
離、視点とオブジェクトとの直線距離、或いはこれらの
距離と均等な種々のパラメータを考えることができる。
また、オブジェクトの大きさとしては、オブジェクトの
総ピクセル数(縦のピクセル数×横のピクセル数)、縦
のピクセル数、横のピクセル数、或いはこれらのピクセ
ル数と均等な種々のパラメータを考えることができる。
【0014】また、透視変換後のオブジェクトの画像を
内包し透視変換後のオブジェクトの大きさに応じてその
大きさが変化する仮想オブジェクトを生成し、その仮想
オブジェクトの大きさをオブジェクトの大きさとして設
定してもよい。
【0015】また本発明に係るゲームシステム、情報記
憶媒体及びプログラムは、輪郭線が描画される位置での
オブジェクトのZ値が、輪郭線のZ値として設定される
ことを特徴とする。このようにすれば、輪郭線に対して
適正なZ値を設定することが可能になり、他のオブジェ
クトとの間の適正な陰面消去を実現できるようになる。
【0016】また本発明に係るゲームシステム、情報記
憶媒体及びプログラムは、オブジェクトの輪郭の内側領
域にオブジェクトの色情報が設定され、オブジェクトの
輪郭の外側領域に輪郭線の色情報が設定されるマッピン
グ画像を生成し、生成された前記マッピング画像を、テ
クスチャ座標を第1のシフト方向にシフトさせながらテ
クセル補間方式で仮想オブジェクトにテクスチャマッピ
ングし、その後、前記マッピング画像を、テクスチャ座
標を第2のシフト方向にシフトさせながらテクセル補間
方式で仮想オブジェクトにテクスチャマッピングするこ
とで、オブジェクトの輪郭線の画像を生成することを特
徴とする。このようにすれば、生成されたマッピング画
像を、テクスチャ座標を第1又は第2のシフト方向にシ
フトさせながらテクセル補間方式で仮想オブジェクトに
マッピングするだけという簡素な処理で、オブジェクト
の輪郭線を描画できるようになる。従って、漫画やアニ
メを愛好する人の情感に訴えることができるゲーム画像
を、少ない描画処理負荷で生成することが可能になる。
【0017】なお、テクセル補間方式とは、特には限定
はされないが、テクセルの画像情報を補間してピクセル
の画像情報を得る方式などであり、例えば、バイリニア
フィルタ方式やトライリニアフィルタ方式などを考える
ことができる。
【0018】また、仮想オブジェクトは、ポリゴンなど
のプリミティブ面であることが望ましいが、立体的なオ
ブジェクトであってもよい。また、仮想オブジェクトは
画面上に表示しないことが望ましいが、表示するように
してもよい。
【0019】また本発明に係るゲームシステム、情報記
憶媒体及びプログラムは、前記マッピング画像が、背景
に輪郭線の色情報が設定された描画領域に、透視変換後
のオブジェクトを描画することで生成されることを特徴
とする。このようにすれば、背景に輪郭線の色情報を設
定し、透視変換後のオブジェクトを描画領域に描画する
だけという簡素な処理で、マッピング画像を生成できる
ようになる。
【0020】また本発明に係るゲームシステム、情報記
憶媒体及びプログラムは、前記仮想オブジェクトが、透
視変換後のオブジェクトの画像の全部又は一部を内包し
透視変換後のオブジェクトの大きさに応じてその大きさ
が変化するオブジェクトであることを特徴とする。この
ようにすれば、画面内でのオブジェクトの占有面積が変
化した場合に、それに応じて仮想オブジェクトの大きさ
も変化する。従って、透視変換後のオブジェクトの大き
さに応じた最適な範囲で描画処理を行うことが可能とな
り、描画処理の効率化を図れる。
【0021】また本発明に係るゲームシステム、情報記
憶媒体及びプログラムは、透視変換後のオブジェクトの
定義点の座標に基づいて前記仮想オブジェクトが生成さ
れることを特徴とする。このようにすれば、透視変換後
のオブジェクトの定義点(制御点、頂点等)の座標の例
えば最大値、最小値などを求めるだけで、透視変換後の
オブジェクトの大きさに応じてその大きさが変化する仮
想オブジェクトを生成できるようになる。そして、仮想
オブジェクトの大きさを、透視変換後のオブジェクトの
大きさに応じて最適に小さくできるため、描画処理の負
荷を軽減できる。
【0022】また本発明に係るゲームシステム、情報記
憶媒体及びプログラムは、オブジェクトに対して簡易オ
ブジェクトが設定される場合において、透視変換後の前
記簡易オブジェクトの定義点の座標に基づいて前記仮想
オブジェクトが生成されることを特徴とする。このよう
にすれば、透視変換後の簡易オブジェクトの定義点(制
御点、頂点等)の座標の例えば最大値、最小値などを求
めるだけで、透視変換後のオブジェクトの大きさに応じ
てその大きさが変化する仮想オブジェクトを生成できる
ようになる。そして、最大値、最小値などを求める処理
の対象は、頂点数の少ない簡易オブジェクトの頂点の座
標であるため、処理負荷が少なくて済むという利点があ
る。
【0023】また本発明に係るゲームシステム、情報記
憶媒体及びプログラムは、オブジェクトの輪郭の内側領
域に設定されるα値とオブジェクトの輪郭の外側領域に
設定されるα値とを異ならせ、テクセル補間されたα値
に基づいて、オブジェクトの輪郭の内側領域にある輪郭
線領域を判別することを特徴とする。このようにすれ
ば、マッピング画像をテクセル補間方式で仮想オブジェ
クトにマッピングする際に、オブジェクトの輪郭の内側
領域にある輪郭線領域を判別するためのα値も同時に生
成されるようになるため、処理の効率化を図れる。
【0024】また本発明に係るゲームシステム、情報記
憶媒体及びプログラムは、描画領域にオブジェクトを描
画した後に、輪郭線の画像を、描画領域に描画されたオ
ブジェクトの輪郭の内側領域に描画することを特徴とす
る。このように描画順序を管理すれば、オブジェクトの
画像と輪郭線の画像との適正な合成処理(半透明合成
等)が可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて図面を用いて説明する。
【0026】1.構成 図1に、本実施形態のゲームシステム(画像生成システ
ム)の機能ブロック図の一例を示す。なお同図において
本実施形態は、少なくとも処理部100を含めばよく
(或いは処理部100と記憶部170を含めばよく)、
それ以外のブロックについては任意の構成要素とするこ
とができる。
【0027】操作部160は、プレーヤが操作データを
入力するためのものであり、その機能は、レバー、ボタ
ン、マイク、或いは筺体などのハードウェアにより実現
できる。
【0028】記憶部170は、処理部100や通信部1
96などのワーク領域となるもので、その機能はRAM
などのハードウェアにより実現できる。
【0029】情報記憶媒体(コンピュータにより使用可
能な記憶媒体)180は、プログラムやデータなどの情
報を格納するものであり、その機能は、光ディスク(C
D、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディス
ク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(RO
M)などのハードウェアにより実現できる。処理部10
0は、この情報記憶媒体180に格納される情報に基づ
いて本発明(本実施形態)の種々の処理を行う。即ち情
報記憶媒体180には、本発明(本実施形態)の手段
(特に処理部100に含まれるブロック)を実行するた
めの情報(プログラム或いはデータ)が格納される。
【0030】なお、情報記憶媒体180に格納される情
報の一部又は全部は、システムへの電源投入時等に記憶
部170に転送されることになる。また情報記憶媒体1
80には、本発明の処理を行うためのプログラム、画像
データ、音データ、表示物の形状データ、本発明の処理
を指示するための情報、或いはその指示に従って処理を
行うための情報などを含ませることができる。
【0031】表示部190は、本実施形態により生成さ
れた画像を出力するものであり、その機能は、CRT、
LCD、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)
などのハードウェアにより実現できる。
【0032】音出力部192は、本実施形態により生成
された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ
などのハードウェアにより実現できる。
【0033】携帯型情報記憶装置194は、プレーヤの
個人データやゲームのセーブデータなどが記憶されるも
のであり、この携帯型情報記憶装置194としては、メ
モリカードや携帯型ゲーム装置などを考えることができ
る。
【0034】通信部196は、外部(例えばホスト装置
や他のゲームシステム)との間で通信を行うための各種
の制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッ
サ、或いは通信用ASICなどのハードウェアや、プロ
グラムなどにより実現できる。
【0035】なお本発明(本実施形態)の手段を実行す
るためのプログラム或いはデータは、ホスト装置(サー
バー)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信
部196を介して情報記憶媒体180に配信するように
してもよい。このようなホスト装置(サーバー)の情報
記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含まれる。
【0036】処理部100(プロセッサ)は、操作部1
60からの操作データやプログラムなどに基づいて、ゲ
ーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの各種
の処理を行う。この処理部100の機能は、各種プロセ
ッサ(CPU、DSP等)又はASIC(ゲートアレイ
等)などのハードウェアや、所与のプログラム(ゲーム
プログラム)により実現できる。
【0037】ここで、処理部100が行うゲーム処理と
しては、コイン(代価)の受け付け処理、各種モードの
設定処理、ゲームの進行処理、選択画面の設定処理、オ
ブジェクト(1又は複数のプリミティブ面)の位置や回
転角度(X、Y又はZ軸回り回転角度)を求める処理、
オブジェクトを動作させる処理(モーション処理)、視
点の位置(仮想カメラの位置)や視線角度(仮想カメラ
の回転角度)を求める処理、マップオブジェクトなどの
オブジェクトをオブジェクト空間へ配置する処理、ヒッ
トチェック処理、ゲーム結果(成果、成績)を演算する
処理、複数のプレーヤが共通のゲーム空間でプレイする
ための処理、或いはゲームオーバー処理などを考えるこ
とができる。
【0038】また、処理部100は、上記のゲーム処理
結果に基づいて例えばオブジェクト空間内において所与
の視点(仮想カメラ)から見える画像を生成し、表示部
190に出力する。
【0039】更に、処理部100は、上記のゲーム処理
結果に基づいて各種の音処理を行い、BGM、効果音、
又は音声などの音を生成し、音出力部192に出力す
る。
【0040】なお、処理部100の機能は、その全てを
ハードウェアにより実現してもよいし、その全てをプロ
グラムにより実現してもよい。或いは、ハードウェアと
プログラムの両方により実現してもよい。
【0041】処理部100は、ジオメトリ処理部11
0、仮想オブジェクト生成部112、輪郭線画像変化部
114、描画部120を含む。
【0042】ここでジオメトリ処理部110は、座標変
換、クリッピング処理、透視変換、或いは光源計算など
の種々のジオメトリ処理(3次元演算)を、オブジェク
トに対して行う。ジオメトリ処理により得られた描画デ
ータ(頂点に付与される位置座標、テクスチャ座標、色
(輝度)データ、法線ベクトル或いはα値等)は、記憶
部170の主記憶部172に格納されて、保存される。
【0043】仮想オブジェクト生成部112は、マッピ
ング画像のマッピング対象となる仮想オブジェクトを生
成する処理を行う。このマッピング画像は、後述するよ
うに、描画部120が含むマッピング画像生成部122
が生成する。
【0044】本実施形態では、この仮想オブジェクト
(狭義には仮想ポリゴン)が、透視変換後(スクリーン
座標系への変換後)のオブジェクトの画像の全部又は一
部を内包し、透視変換後のオブジェクトの大きさに応じ
てその大きさが変化するようなオブジェクトになってい
る。即ち、画面内でのオブジェクトの占有面積に応じて
その大きさが変化するようなオブジェクトになってい
る。そして、マッピング画像生成部122により生成さ
れたマッピング画像は、このように画面内でのオブジェ
クトの占有面積に応じてその大きさが変化する仮想オブ
ジェクトに対してマッピングされるようになるため、テ
クスチャマッピング処理や仮想オブジェクトの描画処理
を効率化できる。
【0045】輪郭線画像変化部114は、オブジェクト
に付与する輪郭線の画像を、視点からの距離や透視変換
後のオブジェクトの大きさ(ピクセルに対する相対的な
大きさ)に応じて変化させるための処理を行う。より具
体的には、視点からの距離や透視変換後のオブジェクト
の大きさに応じて決まる半透明度でオブジェクトの画像
とオブジェクトの輪郭線の画像を半透明合成するための
処理(半透明度を決める処理、描画順序を決める処理
等)を行う。或いは、視点からの距離や透視変換後のオ
ブジェクトの大きさに応じて、輪郭線の色を所与の第2
の色に近づけるための処理(第2の色を設定する処理
等)を行う。
【0046】描画部120(オブジェクト・輪郭線描画
部)は、ジオメトリ処理後のオブジェクト(モデル)
や、オブジェクトの輪郭線を、描画領域174(フレー
ムバッファ、ワークバッファ等のピクセル単位で画像情
報を記憶できる領域)に描画するための処理を行うもの
である。
【0047】より具体的には、描画部120は、オブジ
ェクトの画像(例えば、透視変換後のオブジェクトの画
像、描画領域上のオブジェクトの画像)に基づいて生成
されたオブジェクトの輪郭線の画像が、オブジェクトの
輪郭の内側領域に描画されるように描画処理を行う。こ
のようにすることで、オブジェクトの画像と輪郭線の画
像とを半透明合成する処理や、輪郭線の描画位置でのオ
ブジェクトのZ値を輪郭線のZ値として設定する処理な
どを簡易に実現できるようになる。
【0048】描画部120は、マッピング画像生成部1
22、テクスチャマッピング部130、合成部132、
陰面消去部134を含む。
【0049】マッピング画像生成部122は、オブジェ
クトの輪郭の内側領域にオブジェクトの色情報が設定さ
れ、オブジェクトの輪郭の外側領域に輪郭線の色情報が
設定されるマッピング画像を生成する。
【0050】テクスチャマッピング部130は、テクス
チャ記憶部176に記憶されるテクスチャをオブジェク
トにマッピングするための処理を行う。
【0051】より具体的には、テクスチャマッピング部
130は、マッピング画像生成部122により生成され
たマッピング画像を、仮想オブジェクト生成部112に
より生成された仮想オブジェクトにマッピングするため
の処理を行う。この場合、テクスチャマッピング部13
0は、生成されたマッピング画像を、テクスチャ座標を
例えば1テクセル(ピクセル)よりも小さい値だけシフ
トさせながら(例えばマッピング画像の描画位置に基づ
き得られるテクスチャ座標からシフトさせる)、テクセ
ル補間方式(狭義にはバイニアフィルタ)で仮想オブジ
ェクトにマッピングする。これにより、少ない処理負荷
でオブジェクトの輪郭線を描画できるようになる。
【0052】合成部132は、α値を用いたマスク合成
処理や半透明処理を行う。なお、α値(A値)は、各ピ
クセルに関連づけられて記憶される情報であり、例えば
色情報以外のプラスアルファの情報である。α値は、マ
スク情報、半透明度(透明度、不透明度と等価)、バン
プ情報などとして使用できる。
【0053】陰面消去部134は、Z値(奥行き値)が
格納されるZバッファ(Zプレーン)を用いて、Zバッ
ファ法のアルゴリズムにしたがった陰面消去を行う。例
えば、輪郭線描画位置でのオブジェクトのZ値は、この
Zバッファに書き込まれ、輪郭線の陰面消去は、この書
き込まれたZ値に基づいて行われることになる。なお、
視点からの距離に応じてプリミティブ面をソーティング
し、視点から遠い順にプリミティブ面を描画する奥行き
ソート法(Zソート法)などにより陰面消去を行っても
よい。
【0054】なお、本実施形態のゲームシステムは、1
人のプレーヤのみがプレイできるシングルプレーヤモー
ド専用のシステムにしてもよいし、このようなシングル
プレーヤモードのみならず、複数のプレーヤがプレイで
きるマルチプレーヤモードも備えるシステムにしてもよ
い。
【0055】また複数のプレーヤがプレイする場合に、
これらの複数のプレーヤに提供するゲーム画像やゲーム
音を、1つの端末を用いて生成してもよいし、ネットワ
ーク(伝送ライン、通信回線)などで接続された複数の
端末を用いて生成してもよい。
【0056】2.本実施形態の特徴 2.1 オブジェクトの内側領域への輪郭線描画 図2に、本実施形態のゲームシステムにより生成される
ゲーム画像の例を示す。図2に示すように本実施形態に
よれば、ポリゴンで構成されたオブジェクトOBの輪郭
に沿って太い輪郭線(edge line)が描かれており、漫画
やアニメなどで一般の人が親しんでいるセル画風の画像
の生成に成功している。
【0057】そして、本実施形態では図3に示すよう
に、オブジェクトOBの画像に対して2D(2次元)処
理などを施すことで得られたOBの輪郭線EDLの画像
が、OBの輪郭EDの内側領域に描画されるように描画
処理を行っている。
【0058】このようにすることで、視点からの距離や
透視変換後のオブジェクトOBの大きさに応じて決まる
半透明度でOBの画像と輪郭線EDLの画像とを半透明
合成する処理や、輪郭線の描画位置でのオブジェクトO
BのZ値を、輪郭線EDLのZ値として設定する処理な
どが可能になる。
【0059】例えば、図2に示すような輪郭線を描画で
きる手法として、以下に説明するような比較例を考える
ことができる。
【0060】この比較例では、図4(A)、(B)に示
すように、描画領域400(フレームバッファ等)上の
元画像の描画予定領域410に対して輪郭線画像420
(輪郭線の色に塗りつぶされた画像)を、例えば上方向
に数ピクセルだけずらして描画する。同様に、図4
(C)、(D)、(E)に示すように、描画予定領域4
10に対して輪郭線画像420を、下方向、右方向、左
方向に数ピクセルだけずらして描画する。そして、最後
に図4(F)に示すように、描画予定領域410に対し
て元画像430を描画する。
【0061】この比較例によれば、2D処理だけで輪郭
線を描画できるため、描画プロセッサの処理負担は重く
なるものの、3D(3次元)処理を行うCPUの処理負
担を軽減できるという利点がある。
【0062】しかしながら、この比較例では、図4
(F)から明らかなように、オブジェクト(430)の
輪郭の外側領域に輪郭線(422、424、426、4
28)が描画されてしまう。
【0063】従って、この比較例では、オブジェクトの
画像と輪郭線の画像とを半透明合成する処理ができなく
なる。このため、視点からの距離が遠い場合に輪郭線の
相対的な太さが不必要に目立ってしまうという後述する
問題を、半透明合成の手法で解決するのが困難になる。
【0064】また、この比較例では、外側領域に輪郭線
が描画されるため、輪郭線描画位置でのオブジェクトの
Z値を、輪郭線のZ値として設定することも困難にな
る。従って、輪郭線と他のオブジェクト(背景等)との
間で不適切な陰面消去や半透明合成が行われ、不自然な
画像が生成されてしまうなどの問題が生じる。
【0065】これに対して、本実施形態では、図3に示
すように輪郭線EDLの画像がオブジェクトOBの内側
領域に描画されるため、上記のような比較例の問題点を
容易に解決できる。
【0066】2.2 輪郭線の半透明度の変化処理 さて、3次元ゲームにおいては、プレーヤの操作入力な
どに応じてプレーヤの視点(仮想カメラ)は任意の位置
に移動し、キャラクタなどを表現するオブジェクトも任
意の位置に移動する。従って、プレーヤの視点とオブジ
ェクトとの間の距離も様々に変化し、透視変換後のオブ
ジェクトの大きさ(スクリーン上での、ピクセルに対す
るオブジェクトの相対的な大きさ)も様々に変化するよ
うになる。
【0067】このように、その大きさが様々に変化する
可能性があるオブジェクトに対して、一定の太さ(例え
ば1ピクセル)の輪郭線を描画すると、以下のような問
題が生じる。
【0068】即ち、図5のA1に示すように視点とオブ
ジェクトOBとの距離が近い場合(スクリーン上でのオ
ブジェクトの占有面積が大きい場合)には、オブジェク
トOBの輪郭線EDLの太さはそれほど目立たず、不自
然な画像にはならない。
【0069】しかしながら、図5のA2、A3に示すよ
うに視点からの距離が遠くなると(スクリーン上でのオ
ブジェクトの占有面積が小さくなると)、輪郭線EDL
の太さが不必要に目立ってしまい、不自然な画像が生成
されてしまう。
【0070】特に、A3に示すようにオブジェクトOB
の総ピクセル数(縦のピクセル数×横のピクセル数)が
例えば1〜10ピクセルとなった場合には、オブジェク
トOBが輪郭線EDLの色で塗りつぶされたかのように
見える画像が生成されてしまう。即ち、オブジェクトO
Bの色が赤で輪郭線EDLの色が黒の場合を例にとれ
ば、本来ならば赤く見えるべきOBの画像が、あたかも
黒色の点のように見えてしまう。
【0071】そこで本実施形態では、視点からの距離や
透視変換後のオブジェクトの大きさに応じて決まる半透
明度(透明度、不透明度と等価)で、オブジェクトの画
像とオブジェクトの輪郭線の画像とを半透明合成(α合
成)するようにしている。
【0072】即ち図6のC1、C2に示すように、視点
からの距離が遠くなるにつれて(透視変換後のオブジェ
クトの大きさが小さくなるにつれて)、オブジェクトO
Bの輪郭線EDLの半透明度を変化させて、輪郭線ED
Lがより透明になるようにする。そして、C3に示すよ
うに、視点からの距離が十分に遠くなった場合(透視変
換後のオブジェクトの大きさが十分に小さくなった場
合)には、輪郭線EDLの画像がほぼ見えなくなるよう
にする。
【0073】このようにすれば、図5のA2と図6のC
2を比較すれば明らかなように、輪郭線EDLの太さが
不必要に目立ってしまうという問題を解決できる。ま
た、図5のA3と図6のC3を比較すれば明らかなよう
に、オブジェクトOBが輪郭線EDLの色で塗りつぶさ
れたかのように見える画像が生成されてしまうという問
題も解決できる。即ち、オブジェクトOBの色が赤で輪
郭線EDLの色が黒の場合を例にとれば、視点からの距
離が十分に遠くなった場合にも、OBの色が黒く塗りつ
ぶされずに本来見えるべき赤になり、より自然な画像を
生成できる。
【0074】特に図6の手法は、図3に示すようにオブ
ジェクトOBの輪郭EDの内側領域に輪郭線EDLが描
画される場合に有効である。
【0075】即ち、図4(F)のように輪郭の外側領域
に輪郭線が描画される場合には、輪郭線と他のオブジェ
クト(輪郭線の描画対象となるオブジェクト以外のオブ
ジェクト)との間で半透明合成が行われてしまう。従っ
て、輪郭線と他のオブジェクトとのZソートが必要にな
ってしまい、処理が煩雑化する。また、輪郭線と他のオ
ブジェクトが半透明合成されることで、不自然な画像が
生成されるおそれがある。
【0076】これに対して、図6のように輪郭の内側領
域に輪郭線が描画される場合には、オブジェクトを先に
描画し、その後に輪郭線を描画するという描画順序を守
るだけで、オブジェクトと輪郭線の半透明合成が可能に
なる。従って、描画順序の管理が簡素化されると共に、
輪郭線と他のオブジェクトが半透明合成されることもな
く、より自然な画像を生成できるようになる。
【0077】さて、視点からの距離やオブジェクトの大
きさに応じて輪郭線の半透明度を制御する手法としては
種々の手法を考えることができる。
【0078】例えば図7(A)では、視点からの距離が
しきい値VTNよりも遠くなった場合に、半透明度αT
が近距離用のαTNから変化し始め、オブジェクトの輪
郭線が透明になり始める。これにより、輪郭線が徐々に
目立たなくなって行く。
【0079】そして、視点からの距離がしきい値VTF
よりも遠くなった場合に、半透明度αTが遠距離用のα
TFに設定され、オブジェクトの輪郭線が図6のC3に
示すように例えば完全に透明になる(見えなくなる)。
これにより、オブジェクトが輪郭線の色で塗りつぶされ
る事態が防止される。
【0080】また図7(B)では、オブジェクトの大き
さがしきい値VTNよりも小さくなった場合に、半透明
度αTがαTNから変化し始め、オブジェクトの輪郭線
が透明になり始める。
【0081】そして、オブジェクトの大きさがしきい値
VTFよりも小さくなった場合に、半透明度αTがαT
Fに設定され、オブジェクトの輪郭線が図6のC3に示
すように例えば完全に透明になる(見えなくなる)。
【0082】なお、図7(A)における視点からの距離
は、処理負担の軽減化の観点からはオブジェクト(オブ
ジェクトの代表点)の奥行き距離(Z値)であることが
特に望ましいが、これに限定されない。例えば、視点と
オブジェクトの間の直線距離であってもよい。また、奥
行き距離や直線距離以外にも、奥行き距離や直線距離を
変化させる場合と同様の効果を得ることができる均等な
パラメータであればよい。
【0083】また、図7(B)におけるオブジェクトの
大きさは、処理負担の軽減化の観点からは、オブジェク
トの総ピクセル数(縦のピクセル数×横のピクセル数)
であることが望ましいが、これに限定されない。例え
ば、オブジェクトの縦のピクセル数又は横のピクセル数
の一方であってもよい。或いは、これらのピクセル数以
外にも、これらのピクセル数を変化させる場合と同等の
効果を得ることができる均等なパラメータであればよ
い。
【0084】さて、図8(A)に示すように、この種の
3次元ゲームにおいては、オブジェクトOBが移動した
場合に、オブジェクトOBと視点VP(仮想カメラ)と
の間の距離をほぼ一定の距離ZVBに保ちながら、VP
がOBに追従する場面が多い。
【0085】このような場面で、図6に示すように輪郭
線の半透明度が視点からの距離やオブジェクトの大きさ
に応じて頻繁に変化してしまうと、プレーヤに不自然に
見える画像が生成されてしまう問題が生じる。
【0086】そこで本実施形態では、視点VPからの距
離が、視点VPがオブジェクトOBに追従している時
(以下、追従移動モード時と呼ぶ)の距離ZVB付近で
ある場合には、OBの輪郭線の半透明度が略一定に保た
れるようにする。或いは、透視変換後のオブジェクトO
Bの大きさが、追従移動モード時でのOBの大きさ(距
離ZVBの時の大きさ)付近である場合には、OBの輪
郭線の半透明度が略一定に保たれるようにする。より具
体的には、距離ZVBよりも遠い距離(追従時のOBの
大きさよりも小さな値)に、しきい値VTNを設定して
おく。このようにすれば、図7(A)、(B)の関数特
性から明らかなように、追従移動モード時には輪郭線の
半透明度は変化しなくなる。これにより、視点VPのO
Bへの追従移動モード時に不自然な画像が生成されてし
まう上記問題を解決できる。
【0087】そして、何らかのイベントが発生し、オブ
ジェクトOBに対する視点VPの追従移動モードが外
れ、VPとOBの距離がしきい値VTNよりも遠くなる
と(オブジェクトの大きさが小さくなると)、図6に示
すように輪郭線の半透明度が視点VPからの距離(OB
の大きさ)に応じて変化するようになる。これにより、
上記イベントの発生により視点とオブジェクトの距離が
遠くなってしまい、輪郭線の相対的な太さが不必要に目
立ってしまうという問題も解決できる。
【0088】また、図7(A)、(B)に示すように上
限側のしきい値VTF(所与のしきい値)を設定するこ
とで次のような効果を得ることができる。
【0089】即ち、オブジェクトOBの大きさが図5の
A3に示すように小さくなった場合に、輪郭線EDLが
完全に透明になっていないと、OBがEDLの色に塗り
つぶされたかのように見える不自然な画像が生成されて
しまう。
【0090】そこで、オブジェクトOBの大きさが図5
のA3に示すような大きさの時に輪郭線EDLが完全に
透明になるような値に、しきい値VTFを設定してお
く。このようにすれば、オブジェクトOBの大きさが図
5のA3に示すような大きさの時には、図6のC3に示
すように輪郭線EDLが見えなくなるようになり、図5
のA3に示すような不自然な画像が生成される事態を防
止できる。
【0091】また、しきい値VTNとVTFの間で半透
明度を変化させることで、輪郭線の半透明度が変化する
様子がプレーヤに気づかれてしまうという問題も解決で
きる。
【0092】2.3 輪郭線のZ値の設定 本実施形態では、輪郭線が描画される位置でのオブジェ
クトのZ値を、輪郭線のZ値として設定している。
【0093】具体的には図9に示すように、輪郭線描画
位置PE1、PE2でのZ値を輪郭線EDLのZ値とし
て設定する。更に具体的には、描画領域(ワークバッフ
ァ、フレームバッファ)へのオブジェクトOBの描画時
に、輪郭線描画位置PE1、PE2でのZ値がZバッフ
ァに書き込まれるが、このZバッファに書き込まれたZ
値を、輪郭線EDLのZ値として使用する。
【0094】このようにすれば、輪郭線EDLと他のオ
ブジェクトとの陰面消去を適正に行うことが可能なる。
そして、このように輪郭線描画位置PE1、PE2での
Z値を輪郭線EDLのZ値として設定できるのは、本実
施形態では図3に示すようにオブジェクトOBの輪郭E
Dの内側領域に輪郭線EDLが描画されるからである。
【0095】例えば図4(F)に示すようにオブジェク
トの輪郭の外側領域に輪郭線が描画される場合には、輪
郭線に対して適正なZ値を与える事が難しくなる。そし
て、輪郭線に対して適正なZ値が与えられないと、図1
0(A)に示すように、陰面消去が正確に行われなくな
り、輪郭線EDLが、背景などの他のオブジェクトOB
2に隠れて見えなくなるなどの不具合が生じる。
【0096】また、オブジェクトの輪郭の外側領域に輪
郭線が描画されると、図6に示すような輪郭線EDLの
半透明合成処理を行った場合に、図10(B)に示すよ
うに輪郭線EDLと他のオブジェクトOB2との半透明
合成が行われてしまう。この結果、図10(B)のE1
に示す部分とE2に示す部分とで、輪郭線EDLの色が
異なるようになってしまい、不自然が画像が生成されて
しまう。
【0097】本実施形態のようにオブジェクトの輪郭の
内側領域に輪郭線を描画し、輪郭線描画位置でのZ値を
輪郭線のZ値として設定すれば、図11に示すように、
陰面消去が正確に行われるようになり、輪郭線EDLが
他のオブジェクトOB2に隠れて見えなくなるという問
題を防止できる。また、オブジェクトOBの描画後に輪
郭線EDLを描画するという描画順序さえ守れば、オブ
ジェクトOBと輪郭線EDLとの間で半透明合成が行わ
れることを保証できるようになる。従って、輪郭線ED
Lと他のオブジェクトOB2との間で半透明合成処理が
行われるという図10(B)に示すような問題が生じる
のを防止できる。
【0098】2.4 バイリニアフィルタ・テクスチャ
マッピングを利用した輪郭線描画 さて本実施形態では、バイリニアフィルタ方式(広義に
はテクセル補間方式)のテクスチャマッピングを有効利
用して輪郭線を描画している。
【0099】即ち、テクスチャマッピングにおいてはピ
クセルの位置とテクセルの位置がずれる場合がある。
【0100】この場合に、図12に示すように、ポイン
トサンプリング方式では、ピクセル(サンプリング点)
Pの色CP(広義には画像情報)は、Pに最も距離が近
いテクセルTAの色CAになる。
【0101】一方、バイリニアフィルタ方式では、Pの
色CPは、Pの周りのテクセルTA、TB、TC、TD
の色CA、CB、CC、CDを補間した色になる。
【0102】より具体的には、TA〜TDの座標とPの
座標とに基づき、X軸方向の座標比β:1−β(0≦β
≦1)と、Y軸方向の座標比γ:1−γ(0≦γ≦1)
を求める。
【0103】この場合に、Pの色CP(バイリニアフィ
ルタ方式での出力色)は、下式のようになる。
【0104】 CP=(1−β)×(1−γ)×CA+β×(1−γ)×CB +(1−β)×γ×CC+β×γ×CD (1) 本実施形態では、このようにバイリニアフィルタ方式で
は色が自動的に補間されることに着目して、輪郭線を描
画している。
【0105】より具体的には、図13(A)に示すよう
に、オブジェクトOBの輪郭EDの内側領域にオブジェ
クト色が設定され、輪郭EDの外側領域に輪郭線色が設
定されるマッピング画像を生成する。そして、図14の
F1に示すように、このマッピング画像をテクスチャと
して設定する。そして、図14のF2に示すように、こ
のテクスチャを仮想ポリゴン(広義には仮想オブジェク
ト)にバイリニアフィルタ方式でマッピングする際に、
仮想ポリゴンの頂点に与えるテクスチャ座標を、例えば
(0.5、0.5)だけ右下方向にシフト(ずらす、移
動)させる。
【0106】このようにすることで、バイリニアフィル
タ方式の補間機能により自動的に、マッピング画像の各
ピクセルの色が周囲のピクセルににじむようになる。こ
れにより、図13(B)に示すように、オブジェクトO
Bの輪郭付近においてオブジェクト色と輪郭線色とが混
ざり合うようになり、オブジェクトOBの輪郭に沿って
輪郭線EDLが描画されるようになる。
【0107】そして、本実施形態の手法によれば、描画
領域上での2D(2次元)処理で輪郭線の画像を生成で
きる。従って、視線ベクトルと法線ベクトルとのなす角
度を求める処理などの3次元処理が不要となり、CPU
の処理負荷を軽減できる。
【0108】また、本実施形態の手法によれば、描画領
域への描画処理は、最低1回(又は2回)の仮想ポリゴ
ンの描画処理で済む。従って、輪郭線画像の生成に必要
な描画処理の回数を減らすことができ、描画プロセッサ
の処理負担を格段に軽減できる。
【0109】なお、仮想ポリゴンの頂点VVX1、VV
X2、VVX3、VVX4の座標が(X、Y)=(X
0、Y0)、(X0、Y1)、(X1、Y1)、(X1、
Y0)であったとする。この場合に、仮想ポリゴンの頂
点VVX1、VVX2、VVX3、VVX4に与えるテ
クスチャ座標(U、V)を、各々、(X0、Y0)、
(X0、Y1)、(X1、Y1)、(X1、Y0)に設定
すれば、ピクセルの位置とテクセルの位置とがずれずに
一致する。従って、各ピクセルの色は周囲のピクセルに
対してしみ出さない。
【0110】これに対して、仮想ポリゴンの頂点VVX
1、VVX2、VVX3、VVX4に与えるテクスチャ
座標(U、V)を、各々、(X0+0.5、Y0+0.
5)、(X0+0.5、Y1+0.5)、(X1+0.
5、Y1+0.5)、(X1+0.5、Y0+0.5)
に設定すれば、ピクセルの位置とテクセルの位置とがず
れるようになる。従って、バイリニアフィルタ方式の補
間機能により、各ピクセルの色が周囲のピクセルに対し
てしみ出すようになる。
【0111】より具体的には、テクスチャ座標を0.5
ピクセル(テクセル)だけ右下方向にシフトさせて、バ
イリニアフィルタ方式のテクスチャマッピングを行う
と、上式(1)においてβ=γ=1/2になる。従って
図15において、テクセルT44、T45、T54、T
55の色をC44、C45、C54、C55とすると、
ピクセルP44の色CP44は下式のようになる。
【0112】 CP44=(C44+C45+C54+C55)/4 (2) 従って、テクスチャ座標を右下方向にシフトさせながら
バイリニアフィルタ方式のテクスチャマッピングを行う
と、図15に示すように、テクセルT44の色C44、
即ちピクセルP44の元の色は、ピクセルP33、P3
4、P43、P44に対して1/4ずつしみ出すことに
なる。これにより、輪郭線色とオブジェクト色が混ざり
合った図13(B)に示すような輪郭線EDLの画像を
生成できるようになる。
【0113】2.5 仮想ポリゴンの生成 さて、図14においてマッピング画像のマッピング対象
となる仮想ポリゴンとしては、種々の形状のものを使用
できる。
【0114】この場合、仮想ポリゴンとして画面サイズ
のポリゴンを使用すると、画面全体に対してバイリニア
フィルタ方式の補間処理が施されるようになる。
【0115】しかしながら、このように仮想ポリゴンと
して画面サイズのポリゴンを使用すると、処理に無駄が
あり、輪郭線の描画処理を今一つ効率化できないという
課題があることが判明した。
【0116】即ち、3次元ゲームにおいては、プレーヤ
の操作入力などに応じてプレーヤの視点は任意の位置に
移動し、キャラクタなどを表現するオブジェクトも任意
の位置に移動する。従って、プレーヤの視点とオブジェ
クトとの間の距離も様々に変化し、視点とオブジェクト
との距離に応じて、透視変換後のオブジェクトの大きさ
(画面内でのオブジェクトの占有面積)も様々に変化す
るようになる。
【0117】例えば図16(A)に示すように、視点と
オブジェクトOBとの距離が近い場合には、透視変換後
のオブジェクトOBの大きさは大きくなる(画面での占
有面積が大きくなる)。
【0118】一方、図16(B)に示すように、視点と
オブジェクトOBとの距離が遠い場合には、透視変換後
のオブジェクトOBの大きさは小さくなる(画面での占
有面積が小さくなる)。
【0119】図16(A)に示すように画面内でのオブ
ジェクトOBの占有面積が大きい場合には、マッピング
画像のマッピング対象となる仮想ポリゴンとして画面サ
イズのポリゴンを用いても、それほど不効率ではない。
【0120】ところが、図16(B)に示すように画面
内でのオブジェクトOBの占有面積が小さい場合には、
画面サイズのポリゴンを用いると、無駄な描画処理が行
われることになり、処理負荷が不必要に重くなってしま
う。
【0121】そこで本実施形態では、透視変換後のオブ
ジェクトOBの画像を内包し、透視変換後のOBの大き
さに応じてその大きさが変化する図16(A)、(B)
に示す仮想ポリゴンVPLを生成する。そして、この仮
想ポリゴンVPLに対してマッピング画像(図13
(A)参照)をマッピングするようにする。
【0122】このようにすれば、視点とオブジェクトO
Bとの距離が変化し、画面内でのOBの占有面積が変化
した場合に、それに応じて仮想ポリゴンVPLの大きさ
も変化するようになる。例えば、視点とOBとの距離が
遠くなると、仮想ポリゴンVPLの大きさが小さくな
る。従って、描画処理の効率化を図れ、描画処理の負荷
を最適化できるようになる。
【0123】なお、オブジェクトがパーツオブジェクト
により構成される場合には、各パーツオブジェクト毎に
仮想ポリゴンを生成するようにしてもよい。また、オブ
ジェクトの一部(例えば目、口)にだけ処理を施す場合
には、透視変換後のオブジェクトの一部を内包するよう
な仮想ポリゴンを生成するようにしてもよい。
【0124】さて、仮想ポリゴンの生成手法としては種
々の手法を考えることができる。
【0125】第1の手法では、図17(A)、(B)に
示すように、透視変換後のオブジェクトOBの頂点(広
義には自由曲面の制御点なども含む定義点)VX1〜V
X6等の座標に基づいて、仮想ポリゴンVPLを生成す
る。
【0126】より具体的には、オブジェクトOBの頂点
のX、Y座標の最小値XMIN、YMIN、最大値XM
AX、YMAXに基づいて、仮想ポリゴンVPLの頂点
VVX1(XMIN、YMIN)、VVX2(XMI
N、YMAX)、VVX3(XMAX、YMAX)、V
VX4(XMAX、YMIN)を求め、仮想ポリゴンV
PLを生成する。
【0127】この第1の手法によれば、仮想ポリゴンV
PLの大きさを、透視変換後のオブジェクトOBの大き
さに応じて最適に小さくできるため、仮想ポリゴンVP
Lの描画処理の負荷が軽くなるという利点がある。一
方、オブジェクトOBの頂点が多い場合には、それらの
頂点のX、Y座標の最小値、最大値を求める処理の負荷
が重くなるという欠点がある。
【0128】第2の手法では、図18(A)に示すよう
に、オブジェクトOBを内包する簡易オブジェクトSO
B(バウンディングボックス、バウンディングボリュー
ム)を利用する。この簡易オブジェクトSOBは、オブ
ジェクトOBのヒットチェック処理等のために使用され
るものである。本実施形態ではこの簡易オブジェクトS
OBを有効利用し、透視変換後の簡易オブジェクトSO
Bの頂点(広義には定義点)の座標に基づいて、仮想ポ
リゴンVPLを生成する。
【0129】より具体的には図18(B)に示すよう
に、透視変換後の簡易オブジェクトSOBの頂点VSX
1〜VSX8のX、Y座標の最小値、最大値に基づい
て、仮想ポリゴンVPLの頂点VVX1〜VVX4を求
め、仮想ポリゴンVPLを生成する。
【0130】この第2の手法によれば、オブジェクトO
Bに比べて頂点数が少ない簡易オブジェクトSOBを用
いるため、頂点のX、Y座標の最小値、最大値を求める
処理の負荷が軽くなるという利点がある。一方、第1の
手法に比べて、仮想ポリゴンVPLの大きさが大きくな
ってしまうため、仮想ポリゴンVPLの描画処理の負荷
が第1の手法に比べて重くなるという欠点がある。
【0131】なお、仮想ポリゴンVPLの大きさを、図
17(A)、(B)、図18(B)に示す大きさよりも
上下左右方向に若干だけ大きくするようにしてもよい
(例えば1ピクセル分だけ大きくする)。
【0132】また、透視変換後のオブジェクトの大きさ
に応じて仮想ポリゴンの大きさを変化させる手法は、上
述の第1、第2の手法に限定されない。例えば、視点と
オブジェクトとの間の距離に応じて仮想ポリゴンの大き
さを適宜変化させるようにしてもよい。
【0133】また、図6や図7(B)で説明したよう
に、透視変換後のオブジェクトの大きさに応じて輪郭線
の半透明度を変化させる場合には、図16(A)〜図1
8(B)の手法で生成された仮想ポリゴン(仮想オブジ
ェクト)の大きさ(ピクセル数)を求め、その大きさに
基づいて輪郭線の半透明度を変化させればよい。
【0134】2.6 輪郭線画像 次に、オブジェクトの輪郭線の画像を生成する手法につ
いて説明する。
【0135】本実施形態では上述の2.4で説明したバ
イリニアフィルタ方式のテクスチャマッピングを利用し
て輪郭線(edge line)の画像を生成している。
【0136】2.6.1 マッピング画像の生成 より具体的には、まず前処理として、ワークバッファ
(エフェクトバッファ)を輪郭線の画像情報(RL、G
L、BL、αL)で初期化する。即ち、各ピクセルの色
を輪郭線の色(RL、GL、BL)に設定すると共に、
α値をαL(=0)に設定する。
【0137】次に、輪郭線付加の対象となるオブジェク
トOBをワークバッファに描画する。この場合に、オブ
ジェクトOBの頂点のα値(A値)をαJ(>0)に設
定しておく。なお、説明を簡単にするために、オブジェ
クトOBの色は単色の(RJ、GJ、BJ)であるとす
る。
【0138】以上のようにすることで、ワークバッファ
には図19に示すような画像(マッピング画像)が描画
されることになる。
【0139】即ち、オブジェクトOBの輪郭EDの内側
領域はOBの色(RJ、GJ、BJ)に設定され、輪郭
EDの外側領域は輪郭線の色(RL、GL、BL)に設
定される。また、内側領域のα値はαJ(>0)に設定
され、外側領域のα値はαL(=0)に設定される。
【0140】なお、図19に示すα値の設定は一例であ
り、少なくとも外側領域のα値と内側領域のα値が異な
った値に設定されていればよい。
【0141】2.6.2 α(マスク)プレーンの生成 次に、図19に示すワークバッファ上のマッピング画像
の中のα(マスク)プレーンのみをフレームバッファに
描画する。
【0142】より具体的には、ワークバッファ上のマッ
ピング画像を仮想ポリゴン(広義には仮想オブジェク
ト。図16(A)〜図18(B)のVPL)にマッピン
グしながら、その仮想ポリゴンをフレームバッファに描
画し、マッピング画像の中のαプレーンのみをフレーム
バッファに描画する。
【0143】以上により、フレームバッファ上には、図
20に示すようにオブジェクトOBの輪郭EDの内側領
域ではα=αJ(>0)に設定され、外側領域ではα=
αL(=0)に設定されたα(マスク)プレーンが生成
されることになる。
【0144】2.6.3 オブジェクトの画像の描画 次に、オブジェクトOBの画像をフレームバッファに描
画する。このようにオブジェクトOBの画像をフレーム
バッファに先に描画しておくことで、オブジェクトの画
像と輪郭線の画像との半透明合成(αブレンディング)
が可能になる。
【0145】より具体的には、ワークバッファ上のマッ
ピング画像を仮想ポリゴンにマッピングしながら、その
仮想ポリゴンをフレームバッファに描画する。
【0146】そして、このテクスチャマッピングの際
に、 図20で描画されたαプレーンを壊さないように、α
プレーンの描画をマスクし、 ソースαテストでα=αJのピクセルのみを合格にす
る。
【0147】以上により図21に示すように、フレーム
バッファは、オブジェクトOBの画像(元画像)と図2
0で生成されたαプレーンとが描画された状態になる。
【0148】2.6.4 バイリニアフィルタ方式での
テクスチャマッピング 次に、図19に示すワークバッファ上のマッピング画像
をフレームバッファ上の同じ位置に描画する。
【0149】より具体的には図22に示すように、ワー
クバッファ上のマッピング画像を仮想ポリゴン(図16
(A)〜図18(B)参照)にマッピングしながら、そ
の仮想ポリゴンをフレームバッファに描画する。
【0150】また、このテクスチャマッピングの際に、 バイリニアフィルタ(テクセル補間)方式を選択し、 図14で説明したようにテクスチャ座標を例えば+
0.5ピクセル(テクセル)だけシフトさせ(ずら
す)、 ソースαテスト(書き込み元であるマッピング画像に
対するαテスト)でα<αJのピクセルだけを合格に
し、 デスティネーションαテスト(書き込み先であるフレ
ームバッファの画像に対するαテスト)でα=αJのピ
クセルだけを合格にする。
【0151】これにより、オブジェクトOBの内側領域
の右辺、下辺に輪郭線EDLが付与された図23に示す
ような画像が生成される。
【0152】即ち、バイリニアフィルタを選択すると共
にテクスチャ座標をシフトさせることで、ワークバッフ
ァ上のマッピング画像の各ピクセルに設定される色及び
α値(A値)の補間が行われるようになる。
【0153】例えば描画ピクセルの位置が(X、Y)
で、テクスチャ座標U、Vを+0.5ピクセル(テクセ
ル)だけシフトしたとすると、テクスチャサンプリング
時には、(X、Y)、(X+1、Y)、(X、Y+
1)、(X+1、Y+1)の4つのピクセルの位置にあ
る色及びα値が参照されることになる。この結果、最終
的に描画されるテクセルの色及びα値は、上記の4つの
ピクセルの色及びα値の平均となる。例えば図24に示
すように、テクスチャ座標を右下方向にシフトさせた場
合には、ピクセルB、C、DのRGB、α値が1/4ず
つピクセルAに対してしみ出すことになる。これを式で
表すと下式のようになる。
【0154】 R=(RA+RB+RC+RD)/4 G=(GA+GB+GC+GD)/4 B=(BA+BB+BC+BD)/4 α=(αA+αB+αC+αD)/4 (3) 上式において、R、G、B、αは、補間により得られる
色及びα値(補間後のピクセルAの色及びα値)であ
る。また、(RA、GA、BA、αA)、(RB、G
B、BB、αB)、(RC、GC、BC、αC)(R
D、GD、BD、αD)は、各々、補間前のピクセル
A、B、C、Dの色及びα値である。
【0155】以上のように、テクスチャ座標を右下方向
に0.5ピクセルだけシフトさせると、ピクセルB、
C、DのRGB、α値が1/4ずつピクセルAに対して
しみ出す。従って、図23のJ1に示す部分では、図2
5に示すように、輪郭EDの内側領域においてオブジェ
クトOBの色(RJ、GJ、BJ)と輪郭線の色(R
L、GL、BL)とが合成され、輪郭EDの内側領域に
輪郭線EDLの画像が生成されるようになる。
【0156】なお、この輪郭線の色(RL、GL、B
L)は、図19に示すようにワークバッファにおいて輪
郭EDの外側領域に設定された色である。
【0157】なお、本実施形態においては、色のみなら
ずα値もバイリニアフィルタによる補間処理の対象にな
る。従って、輪郭線EDLに設定されるα値も、オブジ
ェクトOBのαJと輪郭線のαLとを合成したα値にな
る。
【0158】以上のことを更に詳しく説明すると以下の
ようになる。
【0159】(I)参照される周りのピクセルが全て輪
郭線色になっているピクセル 図25のK1に示すピクセルでは、参照される周りのピ
クセル(テクセル)のRGB及びα値は全て(RL、G
L、BL、αL)になっている。従って、上式(3)に
おいて(RA、GA、BA、αA)=(RB、GB、B
B、αB)=(RC、GC、BC、αC)=(RD、G
D、BD、αD)=(RL、GL、BL、αL)となる
ため、補間後のRGB及びα値は(R、G、B、α)=
(RL、GL、BL、αL)になる。
【0160】この時、α=αL=0に設定されているた
め(図19参照)、α<αJのピクセルのみを合格にす
るソースαテストは合格となる。しかし、α=αJのピ
クセルのみを合格にするデスティネーションαテストに
よって、オブジェクトOBの画像が描画されている領域
以外の領域のピクセルについては不合格になる。従っ
て、結局、図25のK1に示すようなピクセルの描画に
ついては禁止される。
【0161】(II)輪郭線色のピクセルとオブジェクト
色のピクセルの双方が参照されるピクセル 図25のK2に示すようなピクセルでは、その周りに、
(RL、GL、BL、αL)のピクセル(テクセル)と
(RJ、GJ、BJ、αJ)のピクセル(テクセル)が
混在する。この場合、(RJ、GJ、BJ、αJ)のピ
クセルの数をK個とすると、上式(3)により補間後の
(R、G、B、α)は下式のようになる。
【0162】 R={RJ×K+RL×(4−K)}/4 G={GJ×K+GL×(4−K)}/4 B={BJ×K+BL×(4−K)}/4 α={αJ×K+αL×(4−K)}/4 (4) 上式(4)のように、補間後のピクセルの色は、オブジ
ェクトOBの色(RJ、GJ、BJ、αJ)と輪郭線の
色(RL、GL、BL、αL)とが混合された色にな
る。
【0163】また、αJ>0、1≦K≦3、αL=0で
あるため、0<α<αJとなり、α<αJのピクセルの
みを合格にするソースαテストが合格となり、これらの
ピクセルについてはフレームバッファに描画されるよう
になる。
【0164】また、α=αJのピクセルのみを合格にす
るデスティネーションαテストによって、輪郭線の画像
の中でオブジェクトの内側領域にある部分(図23の右
辺、下辺の輪郭線)のみがフレームバッファに描画され
ることになる。
【0165】(III)参照される周りのピクセルが全て
オブジェクト色になっているピクセル 図25のK3に示すピクセルでは、参照される周りのピ
クセル(テクセル)のRGB及びα値は全て(RJ、G
J、BJ、αJ)になっている。従って、上式(3)に
おいて(RA、GA、BA、αA)=(RB、GB、B
B、αB)=(RC、GC、BC、αC)=(RD、G
D、BD、αD)=(RJ、GJ、BJ、αJ)となる
ため、補間後のRGB及びα値は(R、G、B、α)=
(RJ、GJ、BJ、αJ)になる。
【0166】この時、α=αJに設定されているため
(図19参照)、α<αJのピクセルのみを合格にする
ソースαテストが不合格となり、これらのピクセルにつ
いては描画が禁止される。
【0167】以上のようにしてフレームバッファに図2
3に示すような画像を描画できるようになる。
【0168】2.6.5 左辺、上辺の輪郭線の描画 次に、図19に示すワークバッファ上のマッピング画像
を、今度は、テクスチャ座標を前述の2.6.4とは反
対方向にシフトさせながら仮想オブジェクトにマッピン
グし、フレームバッファに描画する。
【0169】より具体的には、図26に示すように、 バイリニアフィルタ方式を選択し、 テクスチャ座標U、Vを前述の2.6.4とは逆に
(−0.5、−0.5)だけシフトさせ(ずらす)、 ソースαテストでα<αJのピクセルだけを合格に
し、 デスティネーションαテストでα=αJのピクセルだ
けを合格にする。
【0170】これにより、オブジェクトOBの内側領域
の左辺、上辺にも輪郭線EDLが付与され、図27に示
すように、オブジェクトOBの輪郭EDの内側領域に輪
郭線EDLが描画された画像が生成されるようになる。
【0171】3.本実施形態の処理 次に、本実施形態の処理の詳細例について、図28〜図
32のフローチャートを用いて説明する。
【0172】図28は、マッピング画像のマッピング対
象となる仮想ポリゴンの生成処理に関するフローチャー
トである。
【0173】まず、オブジェクトに対するジオメトリ処
理を行い、オブジェクトをスクリーンに透視変換(アフ
ィン変換)する(ステップS1)。
【0174】次に、透視変換後のオブジェクトの頂点の
座標に基づき、オブジェクトの頂点のX、Y座標の最小
値XMIN、YMIN、最大値XMAX、YMAXを求
める(ステップS2)。
【0175】次に、求められた(XMIN、YMI
N)、(XMAX、YMAX)に基づいて、図17
(A)、(B)で説明したように、オブジェクトOBの
画像を内包する形状の仮想ポリゴンを生成する(ステッ
プS3)。この場合の仮想ポリゴンの頂点VVX1〜V
VX4は以下のようになる。
【0176】 VVX1(XMIN、YMIN) VVX2(XMIN、YMAX) VVX3(XMAX、YMAX) VVX4(XMAX、YMIN) なお、仮想ポリゴン(画像エフェクト領域)の大きさを
上下左右方向に若干だけ大きくするようにしてもよい。
より具体的には、X、Y座標の最小値をXMIN、YM
INとし、最大値をXMAX、YMAXとした場合に、
XMIN、YMINから1ピクセルを減算してXMI
N’=XMIN−1、YMIN’=YMIN−1を求め
ると共に、XMAX、YMAXに1ピクセルを加算して
XMAX’=XMAX+1、YMAX’=YMAX+1
を求める。そして、これらの求められた(XMIN’、
YMIN’)、(XMAX’、YMAX’)に基づい
て、仮想ポリゴンの頂点VVX1〜VVX4を決めるよ
うにする。
【0177】図29は、図18(A)、(B)で説明し
たように、オブジェクトの簡易オブジェクトを利用して
仮想ポリゴンを生成する処理に関するフローチャートで
ある。
【0178】図29が図28と異なるのは、ステップS
11で、簡易オブジェクトに対する透視変換を行う点
と、ステップS12で、透視変換後の簡易オブジェクト
の頂点の座標に基づいて、(XMIN、YMIN)、
(XMAX、YMAX)を求めている点であり、それ以
外は同じ処理となる。
【0179】図30は、オブジェクトの内側領域に輪郭
線を付加する処理に関するフローチャートである。
【0180】まず、図19で説明したようにワークバッ
ファを輪郭線の画像(RL、GL、BL、αL)で初期
化する(ステップS31)。
【0181】次に、頂点のα値がα=αJ(>0)に設
定されたオブジェクトを透視変換して、ワークバッファ
に描画する(ステップS32)。その際に、通常のZバ
ッファを用いたZテストを行い、陰面消去を行うように
する。このようにすることで、図9で説明したように、
輪郭線描画位置でのオブジェクトのZ値を、輪郭線のZ
値として設定することが可能になる。
【0182】次に、図20で説明したように、ワークバ
ッファ上のマッピング画像を仮想ポリゴンにマッピング
し、α値のみをフレームバッファに描画する(ステップ
S33)。
【0183】次に、図21で説明したように、ワークバ
ッファ上のマッピング画像を仮想ポリゴンにマッピング
し、α=αJのピクセルのみをフレームバッファに描画
する(ステップS34)。これにより、オブジェクトの
元画像がフレームバッファに描画されるようになる。
【0184】次に、図22で説明したように、ワークバ
ッファ上のマッピング画像をテクスチャ座標U、Vを
(0.5、0.5)だけシフトしてバイリニアフィルタ
方式で仮想ポリゴンにマッピングしながら、その仮想ポ
リゴンをフレームバッファに描画する(ステップS3
5)。その際に、ソースαテストとしてα<αJを指定
する。またデスティネーションαテストとしてα=αJ
を指定する。更に、所与のレジスタなどに設定された半
透明度αTを用いてオブジェクトの画像と輪郭線の画像
との半透明合成を行うようにする。
【0185】次に、図26で説明したように、ワークバ
ッファ上のマッピング画像をテクスチャ座標U、Vを
(−0.5、−0.5)だけシフトしてバイリニアフィ
ルタ方式で仮想ポリゴンにマッピングしながら、その仮
想ポリゴンをフレームバッファに描画する(ステップS
36)。その際に、ソースαテストとしてα<αJを指
定する。またデスティネーションαテストとしてα=α
Jを指定する。更に、所与のレジスタなどに設定された
半透明度αTを用いてオブジェクトの画像と輪郭線の画
像との半透明合成を行うようにする。
【0186】なお図30のステップS33〜S36で
は、Zテストは行わないようにする。
【0187】以上のようにして、オブジェクトの内側領
域に輪郭線が描画された図27に示すような画像を得る
ことができる。
【0188】以上のように本実施形態の1つの特徴は、
オブジェクトOBの輪郭EDの内側領域と外側領域とで
α値を異ならせると共に(図19)、色のみならずα値
もバイリニアフィルタにより補間し、補間後のα値に基
づいて種々の判別を行っている点にある。即ち、補間後
のα値に基づいて、オブジェクトOBの輪郭の内側領域
にある輪郭線領域(0<α<αJとなる領域)を判別
し、この領域に輪郭線画像を描画するようにしている。
このようにすることで、少ない処理負担で、オブジェク
トOBの輪郭線EDLを生成できるようになる。
【0189】図31は、輪郭線の半透明度を距離(Z
値)に応じて変化させる処理に関するフローチャートで
ある。なお、Z値は視点から近いほど大きな値になって
いる。
【0190】まず、Z値のしきい値であるZN、ZF
(図7(A)のVTN、VTF)と、そのしきい値での
半透明度αTN、αTFを予め設定しておく(ステップ
S61)。
【0191】次に、輪郭線描画対象のオブジェクトの代
表Z値(代表点のZ値)を求める(ステップS62)。
【0192】次に、求められた代表Z値に基づいて、半
透明度を決めるための係数Vを下式のように求める(ス
テップS63)。
【0193】V=(Z−ZF)/(ZN−ZF) 但し、上式においてVは、V>1.0の時にはV=1.
0となり、V<0.0の時にはV=0.0となる。
【0194】次に、求められた係数Vに基づいて、輪郭
線の半透明度αTを下式のように求める(ステップS6
4)。
【0195】αT=(αTN−αTF)×V+αTF 次に、求められたαTを用いて輪郭線の半透明描画を行
う(ステップS65)。このステップS65の処理は図
30のステップS35、S36の半透明合成処理に相当
する。
【0196】図32は、輪郭線の半透明度をオブジェク
トの大きさ(ピクセル数)に応じて変化させる処理に関
するフローチャートである。
【0197】まず、輪郭線描画対象のオブジェクトの大
きさのしきい値であるPN、PF(図7(B)のVT
N、VTF)と、そのしきい値での半透明度αTN、α
TFを予め設定しておく(ステップS71)。
【0198】次に、輪郭線描画対象のオブジェクトのス
クリーン上での(2Dイメージでの)ピクセル数P(縦
のピクセル数×横のピクセル数)を求める(ステップS
72)。
【0199】次に、求められたピクセル数Pに基づい
て、半透明度を決めるための係数Vを下式のように求め
る(ステップS73)。
【0200】V=(P−PF)/(PN−PF) 但し、上式においてVは、V>1.0の時にはV=1.
0となり、V<0.0の時にはV=0.0となる。
【0201】次に、求められた係数Vに基づいて輪郭線
の半透明度αTを求める(ステップS74)。そして求
められたαTを用いて輪郭線の半透明描画を行う(ステ
ップS75)。このステップS75の処理は図30のス
テップS35、S36の半透明合成処理に相当する。
【0202】4.ハードウェア構成 次に、本実施形態を実現できるハードウェアの構成の一
例について図33を用いて説明する。
【0203】メインプロセッサ900は、CD982
(情報記憶媒体)に格納されたプログラム、通信インタ
ーフェース990を介して転送されたプログラム、或い
はROM950(情報記憶媒体の1つ)に格納されたプ
ログラムなどに基づき動作し、ゲーム処理、画像処理、
音処理などの種々の処理を実行する。
【0204】コプロセッサ902は、メインプロセッサ
900の処理を補助するものであり、高速並列演算が可
能な積和算器や除算器を有し、マトリクス演算(ベクト
ル演算)を高速に実行する。例えば、オブジェクトを移
動させたり動作(モーション)させるための物理シミュ
レーションに、マトリクス演算などの処理が必要な場合
には、メインプロセッサ900上で動作するプログラム
が、その処理をコプロセッサ902に指示(依頼)す
る。
【0205】ジオメトリプロセッサ904は、座標変
換、透視変換、光源計算、曲面生成などのジオメトリ処
理を行うものであり、高速並列演算が可能な積和算器や
除算器を有し、マトリクス演算(ベクトル演算)を高速
に実行する。例えば、座標変換、透視変換、光源計算な
どの処理を行う場合には、メインプロセッサ900で動
作するプログラムが、その処理をジオメトリプロセッサ
904に指示する。
【0206】データ伸張プロセッサ906は、圧縮され
た画像データや音データを伸張するデコード処理を行っ
たり、メインプロセッサ900のデコード処理をアクセ
レートする処理を行う。これにより、オープニング画
面、インターミッション画面、エンディング画面、或い
はゲーム画面などにおいて、MPEG方式等で圧縮され
た動画像を表示できるようになる。なお、デコード処理
の対象となる画像データや音データは、ROM950、
CD982に格納されたり、或いは通信インターフェー
ス990を介して外部から転送される。
【0207】描画プロセッサ910は、ポリゴンや曲面
などのプリミティブ面で構成されるオブジェクトの描画
(レンダリング)処理を高速に実行するものである。オ
ブジェクトの描画の際には、メインプロセッサ900
は、DMAコントローラ970の機能を利用して、オブ
ジェクトデータを描画プロセッサ910に渡すと共に、
必要であればテクスチャ記憶部924にテクスチャを転
送する。すると、描画プロセッサ910は、これらのオ
ブジェクトデータやテクスチャに基づいて、Zバッファ
などを利用した陰面消去を行いながら、オブジェクトを
フレームバッファ922に高速に描画する。また、描画
プロセッサ910は、αブレンディング(半透明処
理)、デプスキューイング、ミップマッピング、フォグ
処理、バイリニア・フィルタリング、トライリニア・フ
ィルタリング、アンチエリアシング、シェーディング処
理なども行うことができる。そして、1フレーム分の画
像がフレームバッファ922に書き込まれると、その画
像はディスプレイ912に表示される。
【0208】サウンドプロセッサ930は、多チャンネ
ルのADPCM音源などを内蔵し、BGM、効果音、音
声などの高品位のゲーム音を生成する。生成されたゲー
ム音は、スピーカ932から出力される。
【0209】ゲームコントローラ942からの操作デー
タや、メモリカード944からのセーブデータ、個人デ
ータは、シリアルインターフェース940を介してデー
タ転送される。
【0210】ROM950にはシステムプログラムなど
が格納される。なお、業務用ゲームシステムの場合に
は、ROM950が情報記憶媒体として機能し、ROM
950に各種プログラムが格納されることになる。な
お、ROM950の代わりにハードディスクを利用する
ようにしてもよい。
【0211】RAM960は、各種プロセッサの作業領
域として用いられる。
【0212】DMAコントローラ970は、プロセッ
サ、メモリ(RAM、VRAM、ROM等)間でのDM
A転送を制御するものである。
【0213】CDドライブ980は、プログラム、画像
データ、或いは音データなどが格納されるCD982
(情報記憶媒体)を駆動し、これらのプログラム、デー
タへのアクセスを可能にする。
【0214】通信インターフェース990は、ネットワ
ークを介して外部との間でデータ転送を行うためのイン
ターフェースである。この場合に、通信インターフェー
ス990に接続されるネットワークとしては、通信回線
(アナログ電話回線、ISDN)、高速シリアルバスな
どを考えることができる。そして、通信回線を利用する
ことでインターネットを介したデータ転送が可能にな
る。また、高速シリアルバスを利用することで、他のゲ
ームシステムとの間でのデータ転送が可能になる。
【0215】なお、本発明の各手段は、その全てを、ハ
ードウェアのみにより実行してもよいし、情報記憶媒体
に格納されるプログラムや通信インターフェースを介し
て配信されるプログラムのみにより実行してもよい。或
いは、ハードウェアとプログラムの両方により実行して
もよい。
【0216】そして、本発明の各手段をハードウェアと
プログラムの両方により実行する場合には、情報記憶媒
体には、本発明の各手段をハードウェアを利用して実行
するためのプログラムが格納されることになる。より具
体的には、上記プログラムが、ハードウェアである各プ
ロセッサ902、904、906、910、930等に
処理を指示すると共に、必要であればデータを渡す。そ
して、各プロセッサ902、904、906、910、
930等は、その指示と渡されたデータとに基づいて、
本発明の各手段を実行することになる。
【0217】図34(A)に、本実施形態を業務用ゲー
ムシステムに適用した場合の例を示す。プレーヤは、デ
ィスプレイ1100上に映し出されたゲーム画像を見な
がら、レバー1102、ボタン1104等を操作してゲ
ームを楽しむ。内蔵されるシステムボード(サーキット
ボード)1106には、各種プロセッサ、各種メモリな
どが実装される。そして、本発明の各手段を実行するた
めの情報(プログラム又はデータ)は、システムボード
1106上の情報記憶媒体であるメモリ1108に格納
される。以下、この情報を格納情報と呼ぶ。
【0218】図34(B)に、本実施形態を家庭用のゲ
ームシステムに適用した場合の例を示す。プレーヤはデ
ィスプレイ1200に映し出されたゲーム画像を見なが
ら、ゲームコントローラ1202、1204を操作して
ゲームを楽しむ。この場合、上記格納情報は、本体シス
テムに着脱自在な情報記憶媒体であるCD1206、或
いはメモリカード1208、1209等に格納されてい
る。
【0219】図34(C)に、ホスト装置1300と、
このホスト装置1300とネットワーク1302(LA
Nのような小規模ネットワークや、インターネットのよ
うな広域ネットワーク)を介して接続される端末130
4-1〜1304-nとを含むシステムに本実施形態を適用
した場合の例を示す。この場合、上記格納情報は、例え
ばホスト装置1300が制御可能な磁気ディスク装置、
磁気テープ装置、メモリ等の情報記憶媒体1306に格
納されている。端末1304-1〜1304-nが、スタン
ドアロンでゲーム画像、ゲーム音を生成できるものであ
る場合には、ホスト装置1300からは、ゲーム画像、
ゲーム音を生成するためのゲームプログラム等が端末1
304-1〜1304-nに配送される。一方、スタンドア
ロンで生成できない場合には、ホスト装置1300がゲ
ーム画像、ゲーム音を生成し、これを端末1304-1〜
1304-nに伝送し端末において出力することになる。
【0220】なお、図34(C)の構成の場合に、本発
明の各手段を、ホスト装置(サーバー)と端末とで分散
して実行するようにしてもよい。また、本発明の各手段
を実行するための上記格納情報を、ホスト装置(サーバ
ー)の情報記憶媒体と端末の情報記憶媒体に分散して格
納するようにしてもよい。
【0221】またネットワークに接続する端末は、家庭
用ゲームシステムであってもよいし業務用ゲームシステ
ムであってもよい。そして、業務用ゲームシステムをネ
ットワークに接続する場合には、業務用ゲームシステム
との間で情報のやり取りが可能であると共に家庭用ゲー
ムシステムとの間でも情報のやり取りが可能なセーブ用
情報記憶装置(メモリカード、携帯型ゲーム装置)を用
いることが望ましい。
【0222】なお本発明は、上記実施形態で説明したも
のに限らず、種々の変形実施が可能である。
【0223】例えば、本発明のうち従属請求項に係る発
明においては、従属先の請求項の構成要件の一部を省略
する構成とすることもできる。また、本発明の1の独立
請求項に係る発明の要部を、他の独立請求項に従属させ
ることもできる。
【0224】また、オブジェクトの輪郭の内側領域に輪
郭線を描画する手法としては、テクセル補間方式のテク
スチャマッピングを利用する手法が特に望ましいが、こ
れに限定されるものではない。
【0225】また、輪郭線の画像を生成するためのオブ
ジェクトについては、必ずしも表示する必要はなく、例
えばオブジェクトを非表示にして輪郭線の画像のみを表
示する場合も本発明の範囲に含まれる。このようにすれ
ば、輪郭線だけで描かれたキャラクタなどの3次元画像
を生成できるようになり、従来に無い映像効果を生み出
すことができる。
【0226】また、テクセル補間方式のテクスチャマッ
ピングとしてはバイリニアフィルタ方式のテクスチャマ
ッピングが特に望ましいが、これに限定されるものでは
ない。
【0227】また、仮想ポリゴンの生成手法は図16
(A)〜図18(B)で説明した手法が特に望ましい
が、これに限定されず種々の変形実施が可能である。
【0228】また、オブジェクトの輪郭線領域等の判別
は、テクセル補間されたα値に基づいて行うことが特に
望ましいが、これに限定されず種々の変形実施が可能で
ある。
【0229】また、視点からの距離や透視変換後のオブ
ジェクトの大きさと、輪郭線の半透明度との関数特性と
しては種々の変形実施が可能である。例えば図7
(A)、(B)のような直線特性ではなくて多次元関数
を用いた曲線特性であってもよい。即ち、例えば、(V
TN、αTN)と(VTF、αTF)との間を線形補間
するのではなくて、多次元関数で補間してもよい。
【0230】また、図35(A)、(B)に示すよう
に、しきい値を4個以上設けてもよく、しきい値の個数
は任意である。或いはしきい値を設けないようにするこ
とも可能である。そして、図35(A)、(B)の場合
には、視点からの距離や透視変換後のオブジェクトの大
きさがVTN2〜VTN3の範囲にある場合に、図8
(A)で説明したように、輪郭線の半透明度を略一定に
保つようにすればよい。
【0231】また、本発明は種々のゲーム(格闘ゲー
ム、シューティングゲーム、ロボット対戦ゲーム、スポ
ーツゲーム、競争ゲーム、ロールプレイングゲーム、音
楽演奏ゲーム、ダンスゲーム等)に適用できる。
【0232】また本発明は、業務用ゲームシステム、家
庭用ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型ア
トラクションシステム、シミュレータ、マルチメディア
端末、ゲーム画像を生成するシステムボード等の種々の
ゲームシステム(画像生成システム)に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のゲームシステムの機能ブロック図
の例である。
【図2】本実施形態により生成されるゲーム画像の例で
ある。
【図3】オブジェクトの輪郭の内側領域に輪郭線を描画
する手法について説明するための図である。
【図4】図4(A)〜(F)は、比較例について説明す
るための図である。
【図5】視点からの距離が遠くなった場合(透視変換後
のオブジェクトの大きさが小さくなった場合)に、オブ
ジェクトの輪郭線が不必要に目立ってしまう問題点につ
いて説明するための図である。
【図6】視点からの距離や透視変換後のオブジェクトの
大きさに応じて輪郭線の半透明度を変化させる手法につ
いて説明するための図である。
【図7】図7(A)は、視点からの距離と輪郭線の半透
明度との関数特性の例であり、図7(B)は、透視変換
後のオブジェクトの大きさと輪郭線の半透明度との関数
特性の例である。
【図8】図8(A)、(B)は、しきい値VTNの設定
手法について説明するための図である。
【図9】輪郭線描画位置でのオブジェクトのZ値を輪郭
線のZ値として設定する手法について説明するための図
である。
【図10】図10(A)、(B)は、オブジェクトの輪
郭の外側領域に輪郭線を描画した場合の問題点について
説明するための図である。
【図11】オブジェクトの輪郭の内側領域に輪郭線を描
画し、輪郭線描画位置でのZ値を輪郭線のZ値として設
定した場合に生成される画像の例である。
【図12】バイリニアフィルタ方式のテクスチャマッピ
ングについて説明するための図である。
【図13】図13(A)、(B)は、マッピング画像の
例と、マッピング画像を仮想ポリゴンにマッピングする
ことにより得られる画像の例を示す図である。
【図14】バイリニアフィルタ方式のテクスチャマッピ
ングを有効利用して輪郭線画像を生成する手法について
説明するための図である。
【図15】バイリニアフィルタ方式の補間機能により各
ピクセルの色が周囲にしみ出す現象の原理について説明
するための図である。
【図16】図16(A)、(B)は、仮想ポリゴンの生
成手法について説明するための図である。
【図17】図17(A)、(B)は、透視変換後のオブ
ジェクトの頂点の座標に基づいて仮想ポリゴンを生成す
る手法について説明するための図である。
【図18】図18(A)、(B)は、透視変換後の簡易
オブジェクトの頂点の座標に基づいて仮想ポリゴンを生
成する手法について説明するための図である。
【図19】ワークバッファ上に生成されたマッピング画
像の例について示すための図である。
【図20】フレームバッファ上に生成されたαプレーン
の例について示すための図である。
【図21】フレームバッファ上に生成されたオブジェク
トの元画像及びαプレーンの例について示すための図で
ある。
【図22】マッピング画像をバイリニアフィルタ方式で
テクスチャ座標を+0.5ピクセルだけシフトさせなが
ら仮想ポリゴンにマッピングしてフレームバッファに描
画する手法について説明するための図である。
【図23】図22の手法によりフレームバッファ上に生
成された画像の例について示す図である。
【図24】バイリニアフィルタ方式によりピクセルのR
GB、α値を補間する手法について説明するための図で
ある。
【図25】オブジェクトの輪郭線の画像を生成する手法
について説明するための図である。
【図26】マッピング画像をバイリニアフィルタ方式で
テクスチャ座標を−0.5ピクセルだけシフトさせなが
ら仮想ポリゴンにマッピングしてフレームバッファに描
画する手法について説明するための図である。
【図27】図26の手法によりフレームバッファ上に生
成された最終的な画像の例について示す図である。
【図28】本実施形態の処理の詳細例について示すフロ
ーチャートである。
【図29】本実施形態の処理の詳細例について示すフロ
ーチャートである。
【図30】本実施形態の処理の詳細例について示すフロ
ーチャートである。
【図31】本実施形態の処理の詳細例について示すフロ
ーチャートである。
【図32】本実施形態の処理の詳細例について示すフロ
ーチャートである。
【図33】本実施形態を実現できるハードウェアの構成
の一例を示す図である。
【図34】図34(A)、(B)、(C)は、本実施形
態が適用される種々の形態のシステムの例を示す図であ
る。
【図35】図35(A)、(B)は、視点からの距離や
透視変換後のオブジェクトの大きさと、輪郭線の半透明
度との関数特性の他の例を示す図である。
【符号の説明】
OB オブジェクト SOB 簡易オブジェクト VPL 仮想ポリゴン(仮想オブジェクト) ED 輪郭 EDL 輪郭線 VX1〜VX6 頂点 VVX1〜VVX4 頂点 VSX1〜VSX8 頂点 100 処理部 110 ジオメトリ処理部 112 仮想オブジェクト生成部 114 輪郭線画像変化部 120 描画部(オブジェクト・輪郭線描画部) 122 マッピング画像生成部 130 テクスチャマッピング部 132 合成部 134 陰面消去部 160 操作部 170 記憶部 172 主記憶部 174 描画領域 176 テクスチャ記憶部 180 情報記憶媒体 190 表示部 192 音出力部 194 携帯型情報記憶装置 196 通信部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C001 CB01 CB03 CB04 CB05 CB06 CB08 CC01 CC08 5B050 AA10 BA08 DA04 EA05 EA06 EA07 EA09 EA12 EA19 EA27 FA02 FA05 5B057 AA20 CA01 CA13 CB01 CC03 CD05 CD06 CE08 CE16 DA16 DB03 DB06 DC16 5B080 AA13 BA04 FA02 FA08 FA15 FA17 GA22 5L096 AA02 AA09 BA20 DA01 EA03 FA06 FA67 GA08

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像生成を行うゲームシステムであっ
    て、 オブジェクトの画像に基づいて生成されたオブジェクト
    の輪郭線の画像を、オブジェクトの輪郭の内側領域に描
    画する手段と、 オブジェクト空間内の所与の視点での画像を生成する手
    段と、 を含むことを特徴とするゲームシステム。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 視点からの距離又は透視変換後のオブジェクトの大きさ
    に応じて決まる半透明度でオブジェクトの画像とオブジ
    ェクトの輪郭線の画像とを半透明合成することを特徴と
    するゲームシステム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 輪郭線が描画される位置でのオブジェクトのZ値が、輪
    郭線のZ値として設定されることを特徴とするゲームシ
    ステム。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかにおいて、 オブジェクトの輪郭の内側領域にオブジェクトの色情報
    が設定され、オブジェクトの輪郭の外側領域に輪郭線の
    色情報が設定されるマッピング画像を生成し、生成され
    た前記マッピング画像を、テクスチャ座標を第1のシフ
    ト方向にシフトさせながらテクセル補間方式で仮想オブ
    ジェクトにテクスチャマッピングし、その後、前記マッ
    ピング画像を、テクスチャ座標を第2のシフト方向にシ
    フトさせながらテクセル補間方式で仮想オブジェクトに
    テクスチャマッピングすることで、オブジェクトの輪郭
    線の画像を生成することを特徴とするゲームシステム。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記マッピング画像が、 背景に輪郭線の色情報が設定された描画領域に、透視変
    換後のオブジェクトを描画することで生成されることを
    特徴とするゲームシステム。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5において、 前記仮想オブジェクトが、 透視変換後のオブジェクトの画像の全部又は一部を内包
    し透視変換後のオブジェクトの大きさに応じてその大き
    さが変化するオブジェクトであることを特徴とするゲー
    ムシステム。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 透視変換後のオブジェクトの定義点の座標に基づいて前
    記仮想オブジェクトが生成されることを特徴とするゲー
    ムシステム。
  8. 【請求項8】 請求項6において、 オブジェクトに対して簡易オブジェクトが設定される場
    合において、透視変換後の前記簡易オブジェクトの定義
    点の座標に基づいて前記仮想オブジェクトが生成される
    ことを特徴とするゲームシステム。
  9. 【請求項9】 請求項4乃至8のいずれかにおいて、 オブジェクトの輪郭の内側領域に設定されるα値とオブ
    ジェクトの輪郭の外側領域に設定されるα値とを異なら
    せ、 テクセル補間されたα値に基づいて、オブジェクトの輪
    郭の内側領域にある輪郭線領域を判別することを特徴と
    するゲームシステム。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかにおいて、 描画領域にオブジェクトを描画した後に、輪郭線の画像
    を、描画領域に描画されたオブジェクトの輪郭の内側領
    域に描画することを特徴とするゲームシステム。
  11. 【請求項11】 コンピュータにより使用可能なプログ
    ラムであって、 オブジェクトの画像に基づいて生成されたオブジェクト
    の輪郭線の画像を、オブジェクトの輪郭の内側領域に描
    画する手段と、 オブジェクト空間内の所与の視点での画像を生成する手
    段と、 をコンピュータに実行させるための処理ルーチンを含む
    ことを特徴とするプログラム。
  12. 【請求項12】 請求項11において、 視点からの距離又は透視変換後のオブジェクトの大きさ
    に応じて決まる半透明度でオブジェクトの画像とオブジ
    ェクトの輪郭線の画像とを半透明合成することを特徴と
    するプログラム。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12において、 輪郭線が描画される位置でのオブジェクトのZ値が、輪
    郭線のZ値として設定されることを特徴とするプログラ
    ム。
  14. 【請求項14】 請求項11乃至13のいずれかにおい
    て、 オブジェクトの輪郭の内側領域にオブジェクトの色情報
    が設定され、オブジェクトの輪郭の外側領域に輪郭線の
    色情報が設定されるマッピング画像を生成し、生成され
    た前記マッピング画像を、テクスチャ座標を第1のシフ
    ト方向にシフトさせながらテクセル補間方式で仮想オブ
    ジェクトにテクスチャマッピングし、その後、前記マッ
    ピング画像を、テクスチャ座標を第2のシフト方向にシ
    フトさせながらテクセル補間方式で仮想オブジェクトに
    テクスチャマッピングすることで、オブジェクトの輪郭
    線の画像を生成することを特徴とするプログラム。
  15. 【請求項15】 請求項14において、 前記マッピング画像が、 背景に輪郭線の色情報が設定された描画領域に、透視変
    換後のオブジェクトを描画することで生成されることを
    特徴とするプログラム。
  16. 【請求項16】 請求項14又は15において、 前記仮想オブジェクトが、 透視変換後のオブジェクトの画像の全部又は一部を内包
    し透視変換後のオブジェクトの大きさに応じてその大き
    さが変化するオブジェクトであることを特徴とするプロ
    グラム。
  17. 【請求項17】 請求項16において、 透視変換後のオブジェクトの定義点の座標に基づいて前
    記仮想オブジェクトが生成されることを特徴とするプロ
    グラム。
  18. 【請求項18】 請求項16において、 オブジェクトに対して簡易オブジェクトが設定される場
    合において、透視変換後の前記簡易オブジェクトの定義
    点の座標に基づいて前記仮想オブジェクトが生成される
    ことを特徴とするプログラム。
  19. 【請求項19】 請求項14乃至18のいずれかにおい
    て、 オブジェクトの輪郭の内側領域に設定されるα値とオブ
    ジェクトの輪郭の外側領域に設定されるα値とを異なら
    せ、 テクセル補間されたα値に基づいて、オブジェクトの輪
    郭の内側領域にある輪郭線領域を判別することを特徴と
    するプログラム。
  20. 【請求項20】 請求項11乃至19のいずれかにおい
    て、 描画領域にオブジェクトを描画した後に、輪郭線の画像
    を、描画領域に描画されたオブジェクトの輪郭の内側領
    域に描画することを特徴とするプログラム。
  21. 【請求項21】 コンピュータにより使用可能な情報記
    憶媒体であって、請求項11乃至20のいずれかのプロ
    グラムを含むことを特徴とする情報記憶媒体。
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