JP2005157125A - プラスチックレンズ、その形成方法及び光学走査機器 - Google Patents

プラスチックレンズ、その形成方法及び光学走査機器 Download PDF

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清孝 沢田
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Abstract

【課題】 コストが増大することなく、形状変形が少なくレンズ面形状の設計値からのずれの小さい高精度なプラスチックレンズを得る。
【解決手段】 長尺な矩形状断面のプラスチックレンズであって、断面形状の光線透過方向に直交する幅寸法の最大値をd、光線透過方向に平行な高さ寸法の最大値をhとした場合に、断面寸法の比(h/d)が長尺方向に沿って連続的に変化しかつ(h/d>1)もしくは(h/d<1)のうちいずれかを満たす断面形状を有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンタ等の光走査機器に用いられる高精度なプラスチックレンズおびその形成方法に関する。
レーザによる光走査を利用した画像機器(デジタル複写機、プリンタ、ファクシミリ装置など)の光書き込みユニットには、レーザービームの結像機能及び各種補正機能を有する矩形状断面のレンズが用いられている。
この矩形状断面のレンズは、現在製品のコストダウンの要求によりガラス製からプラスチック製へと変化し、また複数の機能を最小限の素子で補うため、そのレンズ面形状も球面のみならず複雑な非球面形状を有するようになってきている。更に、そのレンズ形状はレンズ厚が厚く、また長手方向でレンズ厚が一定ではない偏肉形状である場合が多くなってきている。このようなプラスチックレンズの製造方法としては、製造コストが安く大量生産に適した射出成形法を用いることが一般的となっている。射出成形法は、加熱溶融された樹脂材料を金型内に射出充填し、冷却固化させた後、金型から取り出してプラスチックレンズを得る方法である。
一方、近年の画像機器の高画質化に伴い、用いられるプラスチックレンズも、より高精度なものが要求されてきている。ところが、この高精度の要求に対して現状の射出成形法による製造方法では精度が不十分なことが明らかになってきた。
以下に、従来の射出成形法による成形例につき説明する。
aレンズ形状:図16の外観形状を有し図17の断面形状を有する矩形状プラスチックレンズ
断面A部−レンズ厚さ:30mm、曲率半径:R1=180mm、R2=100mm(曲率C1=1/R1=5.6×10−3 C2=1/R2=1.0×10−2
断面B部−レンズ厚さ:8mm、曲率半径:R1=200mm、R2=120mm(曲率C1=1/R1=5.0×10−3 C2=1/R2=8.3×10−3
断面C部−レンズ厚さ:6mm、曲率半径:R1=220mm、R2=150mm(曲率C1=1/R1=4.5×10−3 C2=1/R2=6.7×10−3
レンズ幅8mm(レンズ長手方向に一定)
b樹脂材料:シクロオレフィンポリマー(日本ゼオン(株)製Zeonex(商品名))
c成形法:射出成形法
d成形条件:シリンダ温度290℃、射出圧力60Mpa、成形サイクル450s
以上の条件で得られたプラスチックレンズのレンズ面形状測定結果を図18に示す。この結果は、レンズ長手方向の各断面における曲率C(=1/曲率半径)の設計値に対するずれ量ΔCを示している。大部分は設計値通りにできているが、断面Bの部分で局所的に設計値からのずれ量が大きくなっている。
特開2003−84103公報
図18での断面B周辺での設計値からのずれ量ΔCが大きくなる原因を解析した。以下に成形プロセスに沿って説明する。
溶融樹脂を、ヒータ、油などの温度調節手段(図示せず)により温度制御された金型のキャビティ内に射出充填する。樹脂と金型には温度差があるため、樹脂は金型に接する面から金型温度に近づくように冷却される。しかし、樹脂の熱伝導率は非常に小さいため、金型に接している面とキャビティ中心部とでは温度差が生じる。図19に各断面における樹脂の冷却の様子を模式的に示した。色の濃淡で濃い部分すなわちキャビティの中心部ほど温度が高いことを示している。この時、樹脂の金型に接している面は金型面と密着して拘束されているため、樹脂の冷却が進むにつれて、熱応力が働くようになる。
また、図20に各断面A、B、Cの中心位置(P、Q、R)における温度の時間に対する変化の様子を示す。断面CのR点が最も熱容量が小さいため、急激に冷却が進み、短時間にて最初に金型温度とほぼ同じ温度になる。それに対して、断面AのP点では最も熱容量が大きいため、冷却がゆっくり進み、金型温度とほぼ同じ温度になるまでの時間が長くかかる。
ところで、樹脂は粘弾性的な力学的性質を有しており、その一つとして応力緩和という現象が生じる。この応力緩和を図21、図22のばね、ダッシュポットの単純な一次元モデルにより説明する。
(1)応力緩和が生じる場合(図21参照)
a溶融樹脂が金型内に充填された状態(端部は金型壁面に拘束された状態)
b樹脂が冷却されて収縮が開始してばねが伸びた状態
c応力緩和が生じてダッシュポットが移動することによりばねが縮んだ状態
d金型から樹脂を取り出した状態(端部の拘束をはずした状態)
この場合、応力緩和が生じているため、樹脂内部に熱応力は蓄積していない。
よって、端部の拘束をはずしても形状変形は生じない。
(2)応力緩和が生じない場合(図22参照)
a溶融樹脂が金型内に充填された状態(端部は金型壁面に拘束された状態)
b樹脂が冷却されて収縮が開始してばねが伸びた状態
c応力緩和が生じずダッシュポットが移動しないためばねが伸びたままの状態
d金型から樹脂を取り出した状態(端部の拘束をはずした状態)
この場合、応力緩和が生じていないため、樹脂内部に熱応力が蓄積されたままとなる。
よって、端部の拘束をはずすと形状変形が生じてしまう。
そして、この応力緩和の生じ易さの程度は、同じ樹脂であれば、その温度と時間によって決まる。つまり、樹脂が高い温度で液体に近い状態の方が応力緩和は生じやすく、熱応力は発生しない。逆に温度が低く固体に近い状態の方は応力緩和が生じにくく、熱応力が大きくなる。また、同じ温度でも長い時間保持されることにより応力緩和が進行する。すなわち、樹脂温度が低い場合、短時間の温度変化の場合、応力緩和が生じにくく形状変形が生じ易い。
以上の樹脂の粘弾性的性質を考慮した上で、金型内における樹脂の熱応力の発生状態を示すと図23のようになる。図20の樹脂温度変化より、断面AのP点が、断面BのQ点、断面CのR点に比べると高い温度に長時間保持されている。よって応力緩和がおきやすく熱応力が小さくなる。この場合、熱応力は樹脂の温度高い中心部に向かって発生する。
次に、図24に示すように熱応力を分解して考える。レンズ面の形状変形に作用する成分と作用しない成分に分解する。レンズ面に平行方向の力はレンズ面の形状変形にほとんど寄与しないが、レンズ面に垂直方向の力はレンズ面の形状変形に大きく寄与する。この形状変形に作用する力により、レンズ面の曲率が変化する。
図25に、金型から取り出し後の形状変形の様子を示す。断面Aの熱応力は応力緩和により小さくなっているため、形状変形に作用する力は小さく、形状変形が小さい。断面Cは、応力緩和は小さいため熱応力が大きいが、熱応力の方向が形状変形に作用しない成分が大部分であるため、形状変形が小さい。断面Bは、応力緩和と熱応力の方向から算出すると、最も形状変形に寄与する力が大きくなり、形状変形が大きくなる。
図26では、高さh幅dとしたとき、レンズの断面寸法比(h/d)と曲率の設計値からのずれ量ΔCの関係を示す。断面寸法比(h/d)が1のところでマイナス方向に最も大きいピークを持ち、断面寸法比(h/d)<1と断面寸法比(h/d)>1で急激に設計値からのずれが小さくなる。
以上の検討結果より、レンズ厚さhとレンズ幅dとのレンズの断面の寸法比(h/d)が1のところで、急激な設計値からのずれが生じてしまうため、図1のような矩形状プラスチックの場合は、レンズ面形状の設計値からのずれが大きく、要求精度に対して不十分になってしまう。
このレンズ面の設計値からのずれを低減する方法として、特許文献1に示すようにレンズの断面形状を、高さをT1、平均幅をT4とした場合に、T4/T1<1を満たすような単純な四角形の形状にすることによって、最終成形品の形状精度を予測し易くし、予測した変形量をキャンセルする形状の金型を作製して、成形を行うことにより高精度なレンズを得る方法がある。
すなわち、レンズ面の設計値からのずれをキャンセルするような金型を作製し成形を行うことにより、成形後のレンズ面形状が設計値になるようにする方法である。しかし、この方法は、一度成形を行ってから金型形状を決めるため、予備実験を実施しなければならず、時間と工数がかかりコストが増大する欠点がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コストが増大することなく、形状変形が少なくレンズ面形状の設計値からのずれの小さい高精度なプラスチックレンズを得るとともにこの形成方法及びこのプラスチックレンズを内蔵した光学走査機器の提供を目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、長尺な矩形状断面のプラスチックレンズであって、断面形状の光線透過方向に直交する幅寸法の最大値をd、光線透過方向に平行な高さ寸法の最大値をhとした場合に、断面寸法の比(h/d)が長尺方向に沿って連続的に変化しかつ(h/d>1)もしくは(h/d<1)のうちいずれかを満たす断面形状を有することを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、プラスチックレンズの光線透過範囲にて、断面寸法の比(h/d)が長尺方向に沿って連続的に変化しかつ(h/d>1)もしくは(h/d<1)のうちいずれかを満たすことを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明は、請求項1又は2にかかる発明において、断面形状の光線透過方向に直交する幅寸法の最大値dが、リブ形状を含んだ寸法であることを特徴とする。
また、請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれかにかかる発明において、断面形状の光線透過方向に平行な高さ寸法の最大値hが、光線透過範囲の最大寸法であることを特徴とする。
また、請求項5にかかる発明は、請求項1乃至4のいずれかにかかる発明において、断面形状の光線透過方向に直交する幅寸法の最大値dが、長尺方向に沿って連続的もしくは断続的に変化していることを特徴とする。
また、請求項6にかかる発明は、請求項1乃至5のいずれかにかかる発明において、プラスチックの材質が非晶性高分子材料から形成されていることを特徴とする。
また、請求項7にかかる発明は、請求項1乃至6のいずれか一項記載のプラスチックレンズは、溶融樹脂を金型内に射出充填し、冷却固化を行った後に金型から取り出すことにより得ることを特徴とする。
また、請求項8にかかる発明は、請求項7にかかる発明において、溶融樹脂を金型内に射出充填し、冷却固化を行った後に金型から取り出す際に、樹脂圧力が大気圧以下になっていることを特徴とする。
また、請求項9にかかる発明は、請求項1乃至6のいずれか一項記載のプラスチックレンズを内蔵した光学走査機器を特徴とする。
請求項1にかかる発明によれば、断面形状の光線透過方向に直交する幅寸法の最大値をd、光線透過方向に平行な高さ寸法の最大値をhとした時、断面寸法の比(h/d)が1の場合に、レンズ面の形状が最も設計値からずれる。そこで、(h/d>1)もしくは(h/d<1)のうち、一方のみを満足させることにより、設計値からのずれの小さい高精度なプラスチックレンズをコストアップなしに得ることができる。
また、請求項2にかかる発明によれば、プラスチックレンズの光線透過範囲において、断面寸法の比(h/d)が、(h/d>1)もしくは(h/d<1)のうち、一方のみを満足していることにより、光線透過範囲内の領域が、レンズ面の設計値からのずれの小さい領域となり、結果的に高精度なプラスチックレンズを得ることができる。
また、請求項3にかかる発明によれば、強度不足による変形を防止することができレンズの取り扱いが容易になるリブを有しているプラスチックレンズを対象として、高精度なレンズを得ることができる。
また、請求項4にかかる発明によれば、断面形状の光線透過方向に平行な高さ寸法の最大値hが、光線透過範囲の最大寸法であることにより、設計値からのずれの小さい高精度なプラスチックレンズを得ることができる。
また、請求項5にかかる発明によれば、断面形状の光線透過方向に直交する幅寸法の最大値dを、レンズの長尺方向に沿って連続的もしくは断続的に変化させることにより、レンズ面形状、肉厚の制約があっても、断面寸法の比(h/d)が1となる場合を回避することができる。その結果、レンズ面の設計値からのずれの小さい高精度なプラスチックレンズを得ることができる。
また、請求項6にかかる発明によれば、プラスチックレンズが非晶性高分子材料から形成されていることにより、十分な透過率を確保することができ、必要な光学性能を満足することができる。
また、請求項7にかかる発明によれば、高精度なプラスチックレンズを、溶融樹脂を金型内に射出充填し、冷却固化を行った後に金型から取り出す方法により得ることにより、生産性良く高精度なプラスチックレンズを得ることができる。
また、請求項8にかかる発明によれば、プラスチックレンズを、溶融樹脂を金型内に射出充填し、冷却固化を行った後に金型から取り出す際に、樹脂圧力が大気圧以下になっていることにより、離型後の樹脂圧力の開放による変形が無く、高精度なプラスチックレンズを得ることができる。
また、請求項9にかかる発明によれば、請求項1殻のいずれかのプラスチックレンズを内蔵することにより、高精度な光学走査機器を得ることができる。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるプラスチックレンズの最良な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるプラスチックレンズの概略構成である。
第1実施形態のプラスチックレンズのレンズ形状、樹脂材料、成形法、成形条件を以下に示す。
aレンズ形状:図1の外観形状を有し図2の断面形状を有する矩形状プラスチックレンズ
断面A部−レンズ厚さ:22.5mm、曲率半径:R1=60mm、R2=50mm(曲率C1=1/R1=1.7×10−2 C2=1/R2=2.0×10−2
断面B部−レンズ厚さ:7.5mm、曲率半径:R1=190mm、R2=110mm(曲率C1=1/R1=5.3×10−3 C2=1/R2=9.1×10−3
レンズ幅7.0mm(レンズ長手方向に一定)
レンズ断面形状の断面寸法比(h/d)1.07<h/d<3.22
R1面:凹面、R2面:凸面
b樹脂材料:シクロオレフィンポリマー(日本ゼオン(株)製Zeonex)
c成形法:射出成形法
d成形条件:シリンダ温度290℃、金型温度135℃、射出圧力60Mpa、成形サイクル300s
以上の条件で得られたプラスチックレンズのレンズ面形状測定結果を図3に示す。この結果は、レンズ長手方向の各断面における曲率C(=1/曲率半径)の設計値からのずれ量ΔCを示している。レンズ全域にわたって設計値通りにできている。これは前述したように、断面寸法比(h/d)が1で急激に曲率の変化を生じるため、断面寸法比(h/d)が1にならないように幅寸法を選定したためである。このレンズ形状にすることによってコストアップ無しに高精度なプラスチックレンズを得ることができた。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態にかかるプラスチックレンズの概略構成である。
第2実施形態のプラスチックレンズのレンズ形状、樹脂材料、成形法、成形条件を以下に示す。
aレンズ形状:図4の外観形状を有し図5の断面形状を有する矩形状プラスチックレンズ
断面A部−レンズ厚さ:8mm、曲率半径:R1=120mm、R2=100mm(曲率C1=1/R1=8.3×10−3 C2=1/R2=1.0×10−2
断面B部−レンズ厚さ:2mm、曲率半径:R1=150mm、R2=120mm(曲率C1=1/R1=6.7×10−3 C2=1/R2=8.3×10−3
レンズ幅10mm(レンズ長手方向に一定)
レンズ断面形状の断面寸法比(h/d)0.2<h/d<0.8
R1面:凹面、R2面:凸面
レンズ面端部に突起有り
b樹脂材料:シクロオレフィンポリマー(日本ゼオン(株)製Zeonex)
c成形法:射出成形法
d成形条件:シリンダ温度290℃、金型温度135℃、射出圧力40Mpa、成形サイクル400s
以上の条件で得られたプラスチックレンズのレンズ面形状測定結果を図6に示す。この結果は、レンズ長手方向の各断面における曲率C(=1/曲率半径)の設計形状からのずれ量ΔCを示している。レンズ全域にわたって設計値通りにできている。これも前述したように、断面寸法比(h/d)が1で急激に曲率の変化を生じるため、断面寸法比(h/d)が1にならないように幅寸法を選定したためである。また、レンズ面端部の突起により、取り扱い時にレンズ面に接触しにくくなり、扱い易くなる。
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態にかかるプラスチックレンズの概略構成である。
第3実施形態のプラスチックレンズのレンズ形状、樹脂材料、成形法、成形条件を以下に示す。
aレンズ形状:図7の外観形状を有し図8の断面形状を有する矩形状プラスチックレンズ
断面A部−レンズ厚さ:5.0mm、曲率半径:R1=110mm、R2=68mm(曲率C1=1/R1=9.1×10−3 C2=1/R2=1.5×10−2
断面B部−レンズ厚さ:3.0mm、曲率半径:R1=98mm、R2=118mm(曲率C1=1/R1=1.0×10−3 C2=1/R2=8.5×10−3
レンズ幅10mm(レンズ長手方向に一定)
レンズ断面形状の断面寸法比(h/d)0.3<h/d<0.5
R1面:凸面、R2面:凸面 側面に抜き勾配有り
b樹脂材料:シクロオレフィンポリマー(日本ゼオン(株)製Zeonex)
c成形法:射出成形法
d成形条件:シリンダ温度290℃、金型温度135℃、射出圧力80Mpa、成形サイクル250s
以上の条件で得られたプラスチックレンズのレンズ面形状測定結果を図9に示す。この結果は、レンズ長手方向の各断面における曲率C(=1/曲率半径)の設計形状からのずれ量ΔCを示している。レンズ全域にわたって設計値通りにできている。これも前述したように、断面寸法比(h/d)が1で急激に曲率の変化を生じるため、断面寸法比(h/d)が1にならないように幅寸法を選定したためである。また、抜き勾配を設けてあることにより金型からレンズを離型するときの抵抗が少なくレンズ面形状を維持することができ、高精度なプラスチックレンズを得ることができる。
(第4の実施形態)
図10は、本発明の第4の実施形態にかかるプラスチックレンズの概略構成である。
第4実施形態のプラスチックレンズのレンズ形状、樹脂材料、成形法、成形条件を以下に示す。
aレンズ形状:図10の外観形状を有し図11の断面形状を有する矩形状プラスチックレンズ
断面A部−レンズ厚さ:5.0mm、曲率半径:R1=110mm、R2=68mm(曲率C1=1/R1=9.1×10−3 C2=1/R2=1.5×10−2
断面B部−レンズ厚さ:3.0mm、曲率半径:R1=98mm、R2=118mm(曲率C1=1/R1=1.0×10−3 C2=1/R2=8.5×10−3
レンズ幅15mm(リブ寸法含む)
レンズ断面形状の断面寸法比(h/d)0.20<h/d<0.33
R1面:凸面、R2面:凸面 リブ有り
b樹脂材料:シクロオレフィンポリマー(日本ゼオン(株)製Zeonex)
c成形法:射出成形法
d成形条件:シリンダ温度290℃、金型温度135℃、射出圧力40Mpa、成形サイクル400s
以上の条件で得られたプラスチックレンズのレンズ面形状測定結果を図12に示す。この結果は、レンズ長手方向の各断面における曲率C(=1/曲率半径)の設計形状からのずれ量ΔCを示している。レンズ全域にわたって設計値通りにできている。これも前述したように、断面寸法比(h/d)が1で急激に曲率の変化を生じるため、断面寸法比(h/d)が1にならないように幅寸法を決定したためである。リブを有していることにより強度不足による変形を防止することができる。また、レンズ面の取り扱いが容易になる。
(第5の実施形態)
図13は、本発明の第5の実施形態にかかるプラスチックレンズの概略構成である。
第5実施形態のプラスチックレンズのレンズ形状、樹脂材料、成形法、成形条件を以下に示す。
aレンズ形状:図13の外観形状を有し図14の断面形状を有する矩形状プラスチックレンズ
断面A部−レンズ厚さ:6.5mm、曲率半径:R1=90mm、R2=100mm(曲率C1=1/R1=1.0×10−2 C2=1/R2=1.0×10−2
レンズ幅:9.0mm
断面B部−レンズ厚さ:3.0mm、曲率半径:R1=200mm、R2=220mm(曲率C1=1/R1=5.0×10−3 C2=1/R2=14.5×10−3
レンズ幅:6.0mm
レンズ断面形状の断面寸法比(h/d)0.50<h/d<0.72
R1面:凸面、R2面:凸面
b樹脂材料:シクロオレフィンポリマー(日本ゼオン(株)製Zeonex)
c成形法:射出成形法
d成形条件:シリンダ温度290℃、金型温度135℃、射出圧力55Mpa、成形サイクル400s
以上の条件で得られたプラスチックレンズのレンズ面形状測定結果を図15に示す。この結果は、レンズ長手方向の各断面における曲率C(=1/曲率半径)の設計形状からのずれ量ΔCを示している。レンズ全域にわたって設計値通りにできている。これも前述したように、断面寸法比(h/d)が1で急激に曲率の変化を生じるため、断面寸法比(h/d)が1にならないように、幅寸法をレンズの長尺方向に沿って連続的に変化させたためである。その結果、設計値からのずれが小さい、高精度なプラスチックレンズを得ることができた。
以上のように、本発明にかかるプラスチックレンズ、その形成方法及び光学走査機器は、簡単な製法でコストが低い高精度プラスチックレンズの製造に有用であり、特に、高精度な光学走査機器に適している。
本発明の第1実施形態のプラスチックレンズの概略構成図である。 プラスチックレンズの断面図である。 設計値からのずれを示す線図である。 本発明の第2実施形態のプラスチックレンズの概略構成図である。 プラスチックレンズの断面図である。 設計値からのずれを示す線図である。 本発明の第3実施形態のプラスチックレンズの概略構成図である。 プラスチックレンズの断面図である。 設計値からのずれを示す線図である。 本発明の第4実施形態のプラスチックレンズの概略構成図である。 プラスチックレンズの断面図である。 設計値からのずれを示す線図である。 本発明の第5実施形態のプラスチックレンズの概略構成図である。 プラスチックレンズの断面図である。 設計値からのずれを示す線図である。 従来説明のためのプラスチックレンズの概略構成図である。 プラスチックレンズの断面図である。 設計値からのずれを示す線図である。 金型内の樹脂の冷却挙動を示す図である。 金型内の樹脂温度変化を示す線図である。 金型内の熱応力の緩和現象を示す模式図である。 金型外での熱変形現象を示す模式図である。 金型内の熱応力の発生を示す図である。 熱変形の作用成分を示す説明図である。 離型後の形状変形を示す断面図である。 断面寸法比と設計値からのずれを示す線図である。
符号の説明
A、B、C プラスチックレンズの断面寸法
R1、R2 曲率半径
h レンズ高さ
d レンズ幅
d’ 光線透過範囲

Claims (9)

  1. 長尺な矩形状断面のプラスチックレンズであって、断面形状の光線透過方向に直交する幅寸法の最大値をd、光線透過方向に平行な高さ寸法の最大値をhとした場合に、断面寸法の比(h/d)が長尺方向に沿って連続的に変化しかつ(h/d>1)もしくは(h/d<1)のうちいずれかを満たす断面形状を有することを特徴とするプラスチックレンズ。
  2. プラスチックレンズの光線透過範囲にて、断面寸法の比(h/d)が長尺方向に沿って連続的に変化しかつ(h/d>1)もしくは(h/d<1)のうちいずれかを満たすことを特徴とする請求項1記載のプラスチックレンズ。
  3. 断面形状の光線透過方向に直交する幅寸法の最大値dが、リブ形状を含んだ寸法であることを特徴とする請求項1又は2記載のプラスチックレンズ。
  4. 断面形状の光線透過方向に平行な高さ寸法の最大値hが、光線透過範囲の最大寸法であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載のプラスチックレンズ。
  5. 断面形状の光線透過方向に直交する幅寸法の最大値dが、長尺方向に沿って連続的もしくは断続的に変化していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載のプラスチックレンズ。
  6. プラスチックの材質が非晶性高分子材料から形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載のプラスチックレンズ。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項記載のプラスチックレンズは、溶融樹脂を金型内に射出充填し、冷却固化を行った後に金型から取り出すことにより得ることを特徴とするプラスチックレンズの形成方法。
  8. 溶融樹脂を金型内に射出充填し、冷却固化を行った後に金型から取り出す際に、樹脂圧力が大気圧以下になっていることを特徴とする請求項7記載のプラスチックレンズの形成方法。
  9. 請求項1乃至6のいずれか一項記載のプラスチックレンズを内蔵した光学走査機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007010777A1 (ja) * 2005-07-20 2007-01-25 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 画像形成方法

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