JP2005156891A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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貴史 藤田
Hisashi Kikuchi
尚志 菊地
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重夫 黒高
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勝博 越後
Hiroyuki Kunii
博之 国井
Satohiko Baba
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Yukimichi Someya
幸通 染矢
Atsushi Nakato
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Abstract

【課題】 樹脂製の定着部材よりも定着熱の立ち上がり時間の短縮され高速の画像形成に対応でき、且つ、従来の金属製の定着部材よりも優れた耐屈曲性により定着部材の寿命を長くすることができる定着装置を提供する。
【解決手段】 記録材に担持されたトナー像を該定着手段のニップ部で熱及び圧力により記録材に定着させる定着装置30において、定着ベルト34のベルト基材34cが、その引っ張り強度(MPa)とヤング率(MPa)との間に、0.007≦引っ張り強度/ヤング率≦0.1という関係が満たされ、且つ、その熱伝導率が1.0(W/mK)以上、100(W/mK)以下である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、表面移動する2つの表面移動体の当接によって形成したニップに記録体を挟み込んで、その記録体に可視像を定着せしめる定着装置、及びこれを用いる画像形成装置に関するものである。
従来、画像形成装置においては、像担持体上の潜像が現像装置から供給されたトナーによって現像され、像担持体上に顕像としてのトナー像が形成される。この像担持体上のトナー像は転写装置によって転写材に転写され、定着装置によって転写材上に定着される。この定着装置の定着手段としては、例えば内部にヒータが組み込まれ、回転可能に構成された定着ローラと、該定着ローラの表面に所定の圧力をもって接触して回転可能に構成された加圧ローラとからなり、該定着ローラと該加圧ローラとで形成するニップ部で熱及び圧力により記録材上のトナー像を記録材に定着させるものが知られている。
定着ローラを構成する基材として、特許文献1のようにニクロム合金や鉄クロム合金を用いたものが知られている。これらの金属は高い熱伝導率を有するため、定着部材の温度が所定の温度まで達するまでの時間(以下、立ち上がり時間)を短く設定することができる。ところで、定着を行うニップ部では、定着部材表面はニップ形成のため、微小な曲げ変形をする必要がある。しかし、ニクロム合金や鉄クロム合金は繰り返しの曲げ変形に対する部材の耐久性(以下、耐屈曲性という)が、十分ではなく、定着部材の寿命が短いものであった。
定着部材の寿命を向上するために、特許文献2のように優れた耐屈曲性を有するポリイミドなどの耐熱性樹脂を用いたものが知られている。しかし、ポリイミドなどの樹脂は、一般的に熱伝導率が低いため、立ち上がり時間が長くなってしまう。また、連続して高速で画像形成を行うと、樹脂を介した熱伝導が画像形成のスピードに追従できず、不完全な定着になってしまう恐れがあった。
そこで、特許文献3には、熱伝導率の高い金属の中で比較的に耐屈曲性の優れたチタンを基材に使用したものが記載されている。
特開2003−270998号公報 特開2003−043843号公報 特開2001−159857号公報
しかしながら、チタンを基材として用いた定着部材でも、耐屈曲性は満足できるものではなかった。耐屈曲性に影響する物性値として、引っ張り強度とヤング率とが考えられる。ある部材が曲げ変形する時は、部材の曲げに対して外側はもともとの部材の長さに比べて長くなる(ひずみが生じる)ため、引っ張り応力が働いていることになる。そこで、一定のひずみが生じるために必要な応力を示す値がヤング率である。この値が小さければ小さいほど、曲がり易い部材ということができる。また、引っ張り強度とは部材が弾性変形する引っ張り応力の最大値である。そこで、本発明者は材料物性の指標として、引っ張り強度/ヤング率(JIS C 2318)を検討し、この値が高ければ高いほど、耐屈曲性が優れていることを見出した。
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、高速の画像形成に対応できる熱伝導率と、定着部材の寿命が長くする優れた耐屈曲性とを有する定着部材を用いた定着装置、および画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、無端移動するように構成された2つの無端移動体によりニップ部を形成する定着手段を備え、記録材に担持されたトナー像を該定着手段のニップ部で熱及び圧力により記録材に定着させる定着装置において、該無端移動体の少なくとも一方が、その表面がニップ部形成のために変形し、定着のための熱を記録材に供給する定着部材であり、該定着部材が、その引っ張り強度(MPa)とヤング率(MPa)との間に、
0.007≦引っ張り強度/ヤング率≦0.1
という関係が満たされ、且つ、その熱伝導率が1.0(W/mK)以上、100(W/mK)以下である基材を有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、無端移動するように構成された2つの無端移動体によりニップ部を形成する定着手段を備え、記録材に担持されたトナー像を該定着手段のニップ部で熱及び圧力により記録材に定着させる定着装置において、該無端移動体の少なくとも一方が、その表面をニップ部形成のために変形させ、定着のための熱を記録材に供給する定着部材であり、該定着部材がβ型構造を含むチタン合金の基材を有することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、無端移動するように構成された2つの無端移動体によりニップ部を形成する定着手段を備え、記録材に担持されたトナー像を該定着手段のニップ部で熱及び圧力により記録材に定着させる定着装置において、該無端移動体の少なくとも一方が、その表面がニップ部形成のために変形し、定着のための熱を記録材に供給する定着部材であり、該定着部材が、その引っ張り強度(MPa)とヤング率(MPa)との間に、
0.007≦引っ張り強度/ヤング率≦0.1
という関係が満たされるチタン合金製の基材を有することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2の定着装置において、上記基材の引っ張り強度(MPa)とヤング率(MPa)とが、
0.007≦引っ張り強度/ヤング率≦0.1
という関係を満たすことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、3または4の定着装置において、上記定着部材の基材の引っ張り強度が700MPa以上であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項2、3または4の定着装置において、上記チタン合金は少なくともIVa属、Va属元素を含み、酸素を添加しているチタン合金であることを特徴とするものである。
また、請求項7請求項1、2、3、4、5または6の定着装置において、上記定着部材が2つ以上の支持部材に張架され無端移動するベルト構造であることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の定着装置において、上記定着部材が上記基材を有する構成のローラ構造であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の定着装置において、上記定着部材が上記基材を有する構成のベルトを、断熱層を有するローラの外周に固定した構造であることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の定着装置において、上記基材のニップ部における最小曲率半径(cm)と、部材の厚さ(cm)とが、
250≦ 最小曲率半径/部材厚さ ≦1000
という関係式を満たすことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の定着装置において、少なくとも上記定着部材に上記基材を用いており、該基材を被加熱体とし、電磁誘導コイルにて該基材を発熱させることで、記録材上のトナーを加熱することを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の定着装置において、少なくとも上記定着部材に上記基材を用いており、該基材の内側に発熱体を設け、該基材を加熱することで、記録材上のトナーを加熱することを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の定着装置において、過熱源が紙幅などに応じて発熱量分布を可変できることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項7、10、11,12または13の定着装置において、ベルト構造の該基材の内側に摺動押圧部材を有するとともに、該摺動押圧部材との接触面である内面に、イミド基を含む耐熱樹脂層を有することを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14の定着装置において、上記基材が上記ニップ部を形成する箇所で、該基材の断面形状の曲線が変極点を有しないことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、像担持体と、像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体上の潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、該像担持体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段と、該転写手段により転写材に転写されたトナー象を定着する定着手段とを備える画像形成装置において、該定着手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15の定着装置を用いることを特徴とするものである。
上記請求項1乃至16の定着装置においては、定着部材を構成する基材は、0.007≦引っ張り強度/ヤング率という関係を満たすものである。この定着部材はヤング率が低いため曲がり易く、引っ張り強度が高いため塑性変形しにくい。よって、優れた耐屈曲性を有しているということができる。また、熱伝導率が1.0(W/mK)以上である。これは、定着部材として用いられる樹脂の熱伝導率よりも高いので、定着熱の立ち上がりにかかる時間を樹脂を用いたものと比べて短縮することができる。
これにより、優れた耐屈曲性と短い立ち上がり時間とを両立した定着部材が実現できる。
上記請求項1乃至16の発明によれば、立ち上がり時間の短縮により高速の画像形成に対応でき、且つ、優れた耐屈曲性により定着部材の寿命を長くすることができる。
以下、本発明を画像形成装置に適用した実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかる画像形成装置としての電子写真方式のフルカラープリンタを示す。図1において、箱状の装置本体1内には複数個の像担持体ユニットとしての作像ユニット2Y、2M、2C、2Bkが、それぞれ装置本体1に着脱可能に装着されている。各符号の数字の後に付されたY、M、C、Bkは、それぞれ、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック用の部材である。装置本体1内の中央部には記録材担持体としての転写ベルト3が、装置本体1の対角線方向に斜めに配置されている。転写ベルト3は、その一つに回転駆動力が伝達される複数のローラに架け渡されて矢印Aで示す方向に回転駆動可能に設けられている。
この転写ベルト3は、駆動ローラ22、従動ローラ23及びテンションローラ24,25に張架されている。転写ベルト3の上部走行面の内側には、各色作像ユニット2M、2C、2Y、2Bkの感光体ドラム4M、4C、4Y、4Bkにそれぞれ対向する位置に、転写手段を構成する転写ブラシ28が接触している。この転写ブラシ28には、トナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。また、従動ローラ23の上部には、転写ベルト3を挟んで紙吸着ローラ27が設けられている。記録紙は、従動ローラ23と吸着ローラ27の間から転写ベルト3上に送り出され、吸着ローラ27に印加されたバイアス電圧によって静電的に転写ベルト3上に吸着された状態で搬送される。
作像ユニット2Y、2M、2C、2Bkは、像担持体としてのドラム状の感光体4Y、4M、4C、4Bkを有し、各感光体の表面が転写ベルト3と接触するように、同ベルトの上方に配設されている。感光体4Y、4M、4C、4Bkとしては、ドラム状に限らずベルト状の感光体等を用いてもよい。作像ユニット2Y、2M、2C、2Bkは、感光体4Y、4M、4C、4Bk上にY、M、C、Bk各色のトナー像を形成するためのユニットであり、装置本体1に配置される場所を除いては同一構成となっている。以下、イエロー用の作像ユニット2Yについてのみ説明する。現像装置5Yは、感光体4Yと対向配置されている。現像装置5Yは、イエロートナーとキャリアを有する2成分現像剤を感光体4Y上の静電潜像に供給して各静電潜像を現像するものである。
作像ユニット2Y等の上方には露光手段としての書き込み装置6が配置され、作像ユニット2Y等の下方には、サイズの異なる転写材が収納可能な給紙ユニット7、8が配設されている。転写ベルト3の移動方向下流側には定着装置30が配置されている。
次に画像形成の過程の概要について説明する。操作部(不図示)により画像形成が指示されると、感光体4Yが駆動源(不図示)により回転駆動されて時計回り方向に回転する。作像ユニット2Y内の帯電手段としての帯電ローラ11Yは、電源(不図示)から帯電バイアスが印加されて感光体4Yを一様に帯電させる。感光体4Yは、帯電ローラ11Yにより一様に帯電された後に書き込み装置6にて、Y色の画像データで変調されたレーザ光により露光されて、表面に静電潜像が形成される。感光体4Y上の静電潜像は、現像装置5Yにより現像されてY色のトナー像となる。
一方、給紙カセット7、8のうち選択された方の給紙カセットからは、1枚の記録媒体としての記録紙が分離されて、作像ユニット2Yよりも給紙側に配置されたレジストローラ15に突き当たる。そして、記録紙は、各色トナー像の転写タイミングに同期するようにして、転写ベルト3上を搬送され、各感光体4Y、4M、4C、4Bkに対向する転写位置に至る。この転写位置には、転写ベルト3の裏面側に配置された転写ブラシ28に印加されるバイアスの作用により転写電界が形成される。この転写電界により、各感光体ドラム4Y、4M、4C、4Bk上の各色トナー像は、記録材上に互いに重ね合わさるように順次転写される。なお、モノクロ画像をプリントする場合は、黒用の作像ユニット2Bkの感光体ドラム4Bkにのみ黒トナーによるトナー像を形成する。そして、このトナー像の転写タイミングに同期するようにして転写ベルト3により記録紙を搬送して、黒トナー像のみ転写を行う。
このようにして、各色トナー像が転写された記録紙は、駆動ローラ22の位置で転写ベルト3から曲率分離され定着装置30に送られる。そして、定着装置30の定着ニップを通過する際、熱と圧力により、各色トナー像が記録紙上に定着される。定着を終えた記録紙は、装置本体の上面に設けられた排紙トレイ10に排紙される。
次に、本実施形態の画像形成装置に適用した定着装置30について説明する。図3は、本実施形態に係る定着装置の概略構成図を示している。本実施形態ではベルト定着方式を採用しており、バックアップローラ32と加熱ローラ33との間に定着部材としての無端状の定着ベルト34が巻き掛けられた構成となっている。
バックアップローラ32と加圧ローラ31は、定着ベルト34を介して互いに圧接しており定着ニップ部を形成している。そして、加熱ローラ33及び加圧ローラ31にはそれぞれヒータ60、61が内蔵されている。
加圧ローラ31とバックアップローラ32とは、83.3Nの大きさで付勢されている。この時の圧接部であるニップ部の圧力は約16.66N/cmであった。
また、定着ベルト34の温度管理のために加熱ローラ33の表面温度を検知するサーミスタ等の不図示の温度検知部材、定着される記録媒体を定着部に向けて案内するガイド62等が設けられている。さらに、定着ベルト34上には、オフセット防止用のオイルを塗布する手段としての塗布ローラ35、トナーがベルト上に付着した場合に備えてクリーニングローラ36とを備えている。なお、本実施形態では定着ベルト34が加熱ローラ33とバックアップローラ32とからなる一対のローラに張架されているが、それら以外のローラを用いて3つ以上のローラで張架してもよい。また、オイルレスタイプのトナーを用いるときには、上記オフセット防止用のオイルを塗布する手段としての塗布ローラ35は設けなくてよい。
また、定着ベルト34の両端部に寄りを規制するガイド部材を形成し、ベルト寄りを防止している。
次に、定着装置30に適用した定着部材としての定着ベルト34の構成について説明する。定着ベルト34の断面は図2に示すように多層構造になっている。
まず、定着ニップ部において記録材の表面と接する最も外側の層は、定着時にトナーが付着することがあり、付着したトナーを容易に除去するために、フッ素樹脂からなる離型層34aがある。そして、離型層の内側には、シリコーンゴムからなる弾性層34bがあり、その内側に本実施形態の特徴部であるベルト基材層34cがある。定着ベルトの耐久性はこのベルト基材層34cの耐屈曲性が大きく関係する。また、定着時に必要な熱量である定着熱の立ち上がり時間は、このベルと基材層34cの熱伝導率が大きく関係する。
以下、本実施形態の特徴部であるベルト基材層34cについて、説明する。
ベルト基材層34cの耐屈曲性については、画像形成装置の定着装置では、ベルトを9.8N/cm以上の強い圧接と回転により使用するため、屈曲が繰り返されるため、高い耐屈曲性が必要である。ポリイミドなどの耐熱樹脂やNi、SUSなどの金属合金が用いられているが、金属合金では十分な耐久性を得られず、その適用範囲には限界があった。そこで本発明者は材料物性の指標として、引っ張り強度/ヤング率を検討し、これが特定の値以上であると耐屈曲性が優れることを見出した。
また、ベルト基材層34cの熱伝導率について考えると、樹脂ベルトは0.1〜0.2W/mKと低熱伝導なので、被加熱物として用いると定着熱の立ち上がり時間が長くなる。そこで、材料の熱伝導率は樹脂の熱伝導率よりも1けた大きい1.0W/mK以上とした。しかし、熱伝導率は高いほど、定着熱の立ち上がり時間は短縮できるため、好ましくは5.0W/mK以上である。また、金属の中で熱伝導率が高い部類になる一般的なアルミ合金(準結晶合金などを除く意味)の熱伝導率が120W/mK以上であった。この場合は、熱が不必要にベルト横方向、周方向に広がり必ずしも効率の良い加熱が出来ない、このため100W/mKを上限とした。
本発明者は熱伝導率が高い金属の中で、低弾性率なチタン合金を鋭意研究した結果、チタン合金のうち特定のものが、引っ張り強度/ヤング率について高い値を示すことを見出した。このことについて、以下に説明する。
ベルト基材34の耐久性に関して、ヤング率、引っ張り強度が影響を及ぼすことが考えられる。ヤング率が高いほど、曲率に対して応力が増し、引っ張り強度が強いほど破断しにくいことは容易に想像できる。これらの物性値がベルトの屈曲性に支配的であると予測し、次の評価を行った。
従来既知のベルト材料と本実施形態のベルト材料であるチタン合金について厚さ50μmで、JIS P 8115耐折試験を耐折れ回数を50000回を上限に行った。さらに、材料に離型層を形成したベルトを作製し、その画像形成装置(リコー製IPSiO CX8200)による耐久性評価を30万枚を上限に行った。
この時の引っ張り強度、ヤング率、強度/ヤング率、耐折回数、実機通紙試験枚数、及び熱伝導率について、従来の材料については表1に示す。そして、本実施形態のベルト材料であるチタン合金については、その合金組成とともに表2に示す。また、図3は表1及び表2に基づいて、横軸を「引っ張り強さ/ヤング率」、縦軸を耐折れ回数として、プロットしたものである。図3より、「引っ張り強さ/ヤング率」と耐折れ回数との間には、相関関係があり、「引っ張り強さ/ヤング率」の値が大きいほど、耐折れ回数が多くなることが確認できる。
Figure 2005156891
Figure 2005156891
ここで、表1、及び表2から引っ張り強度/ヤング率の値が、0.007以上の値を示す材料であれば、チタン、SUS合金、Ni電鋳といった従来の金属材料と比較して、耐折回数が倍、またはそれに近い値を示すことが確認できる。
また、実記試験で用いたカラー定着装置の耐久としては10万枚程度(1時間に50枚をプリントして、1日8時間、年間250日稼動)が一つの目安と考えられる。そして、耐久性の安全率を2倍の20万枚とすれば、表2より、引っ張り強度/ヤング率の値が0.009以上であることが好ましいことが分かる。ここで、図3からも引っ張り強さ/ヤング率が0.009近辺で顕著な耐折れ回数の上昇が確認された。引っ張り強度/ヤング率の上限については、この値があまりに高いと、非常に変形し易いものになり、どのような不具合が発生するか予想することができない。そこで、従来定着ベルトとして用いられた樹脂系の材料の中で最も引っ張り強度/ヤング率が高いポリイミドカプトンの値(0.1)を上限とした。また、材料の引っ張り強度としては、700MPa以上のものを用いることが好ましい。
このような、引っ張り強度/ヤング率の値が0.009以上を示す材料としては、α+β型や、β型といったβ型構造を含むチタン合金が上げられる。
ここで、チタン合金の結晶構造について簡単説明する。チタン合金は六方稠密構造(hcp)であるα型から開発され、α+β型などの開発されている。β型は体心立方構造(BCC)の結晶構造を有したチタン合金であり、冷間加工性に優れている。β型構造を含むチタン合金について、その耐久性を考えると、β型構造のみの組成が望ましいが、その作成コストを考えα構造、β型構造ともに含んだ、α+β型構造でも良い。
このベータ型構造を含んだチタン合金に酸素を添加すると、酸素原子がBCCの隙間に侵入型原子として存在する。これが、表2の一番下に示した酸素添加β型チタン合金である。酸素を添加することにより、引張り強さを高めることができる。この酸素を添加したβ型チタン合金ではカラー定着装置の安全率を3倍としてもポリイミド同様に十分な耐久性を示す。この酸素添加β型チタン合金として、従来、眼鏡のフレームや、特開2001−241510号公報に記載されているように動力伝達用ベルトなどに使用されているゴムメタル(商標 豊田中央研究所)が知られている。このゴムメタル(商標)は従来の金属と比較して低ヤング率、高引張り強度であり、伸びが2.5%と大きな弾性変形能を有するため、定着ベルト基材34cの材料として用いることにより、耐久性の高い定着ベルトを作成できる。
上述の合金の組成は表2の右側に示すように、チタンの他に40〜60%などの他の原子を含んだ多成分系であり、IVa属、Va属元素(ニオブ、タンタル、ジルコニウム)はヤング率を低減するのに効果があることが知られている。その他ハフニウム、バナジウム、スカンジウム、アルミ、鉄、錫、モリブデン、クロムなども必要に応じて添加することが出来る。また、これらの合金の代表的製造方法としてはチタン粉末に上記元素の粉末を混合し冷間静水圧縮にて粉末成形する。そして1200℃の雰囲気下で10時間真空焼結し、大気中900〜1000℃で熱間鍛造する。さらに冷間加工、熱処理を必要に応じて行う。そして、酸素を添加する場合はチタン粉末に含まれる酸素量で調整を行う。
ところで、ベルト内周面が押圧され摺動し、チタン合金は耐摩耗性があまり優れていないことから、耐摩耗性に優れた保護層が必要になる。そこで、イミド基を有する耐磨耗層34dを設けた。チタンはイミド基との接着性が優れるため、Niにポリイミドなどを接着する場合と比較し、プライマー層は不要で高い密着性が得られた。
次に、定着ベルト厚みと加圧ローラのゴムの硬さを変化させて、耐久試験を行った。ベルトの固さと加圧ローラの硬さを変化させると、図4に示すように圧接部の変形状態が変わり、最小曲率Rが変化する。ベルトの曲率による応力は材料が一定なら最小曲率半径とベルト厚さの比率で決まることが知られている。30万枚を上限に耐久試験を行った結果を表3と図5に示した。
図4(a)はR1=2〜5mm程度、図4(b)はR2=10mm程度、図4(c)はR3=20mm程度のときの、状態を示している。これから、図4(b)のように最小曲率が10mm近辺では圧接部がフラットとなることがわかる。それ以下ではベルトは曲率の方向が逆転する位置、つまり断面図においてベルトを示す曲線が変極点を有する形状となる。つまりこれは定着ベルトが逆方向の屈曲を受けることになる。これは屈曲回数が増加することであり、耐久性に不利なことは明らかである。そのため、現在Ni電鋳金属ベルトを定着部材とした市販の画像形成装置は曲率の逆転を避ける構成を取っている。
Figure 2005156891
一方、本実施例で用いたα+β型チタン合金では、表3および図5より、最消極率半径が10以上のもの、つまり曲率が逆転していないものについては、耐久性の目安である20万枚以上の耐久指数を示した。そして、曲率が逆転するものについても、最小曲率半径/厚さが250以上であれば耐久指数が20万枚以上を示した。よって、最小曲率半径/ベルト厚さの比率が250以上とする。
また、この曲率半径の変化をグラフ化するために縦軸を曲率半径の逆数とし、図6を示す。図6より、最小曲率半径が5mm程度のものは、その局率半径が大きく変化していることが確認できる。これは、曲げ変形を多く行っていること同じことであり、耐久性を考えると曲率の逆転がないほうが好ましい。
次に、定着熱の過熱方法として、誘導コイルを用いたものについて説明する。図7は、加熱ローラ33に、誘導コイルを用いた加熱方法の説明図である。図7(a)は横方向の断面図、図7(b)は長手方向の断面図である。加熱ローラ33には定着ベルト34が張架されている。そして、その内部には磁界を変化させるボビン42とそれに巻装され、高周波の交流電流が流れる誘導コイル41とが設置されている。そして、誘導コイル41と加熱ローラ33の外板との間には、絶縁性皮膜が設けられている。このような電磁誘導を用いた誘導加熱による加熱で、定着ローラ33が過熱される。加熱方法として、電磁誘導を用いることにより、導電体以外の部材を加熱することを防げるので、必要のないところを加熱することによる不具合や、エネルギーの無駄を省くことができる。
ただし、本発明のベルトはNi、SUSに比べ、熱伝導率が小さいため、狭幅の紙を連続通紙する際の端部の温度上昇が発生し、加圧ローラ31のゴムが破壊する恐れがあった。これを避けるため、誘導コイルの分割を行い、紙幅に応じた加熱を行った。加圧ローラの破壊を防止することが出来、チタン合金自体の耐久性と相乗効果となり、初めて高い寿命を達成することが出来た。
ところで本実施形態においては、ベルト基材34cとして、β型構造を含んだチタン合金を用いているが、これに限るものではない。例えば、準結晶を含んだアルミニウム合金が上げられる。このアルミニウム合金の具体例として、特開平07−238336に記載されている高強度アルミニウム基合金がある。この高強度アルミニウム合金は、強度も870MPa以上と高く、ヤング率は通常のアルミ合金に近い75000〜85000MPaと推測される。熱伝導率は通常のアルミ合金より低いため、本願の発明範囲に充分適用可能と考えられる。
次に、定着ベルト34の代わりに、定着ローラ37用いた変形例1について、図8を用いて説明する。ここでは定着ベルトと同様な基材をΦ40で作製した後、ガラスなどの非磁性基材のパイプに断熱層を形成し、先のベルト機材を挿入接着したものである。この中に誘導コイルを挿入し、20kHz〜3MHzの誘導電流を1000W通電し、定着部材の加熱を行った。コイルをこのように同心円状に配置した場合は、コイルと発熱体で磁束の共有化が図られるので必ずしも不要であるが、コイルを外部や円周の一部に配置する場合はチタン合金は非磁性であるため、磁力線を集中させるフェライトなどの磁性体がコア、ヨークとして用いられる。このようにローラにベルト基材を一体形成にすることに、図2のようにベルトを張架するためのローラを必要とせず、ベルト寄り防止機構も不要となる。これにより、定着ベルトを用いたものよりも省スペース化、省部品点数化が図れる。
ここで図8に示す断熱層31c、37dは以下の3つが適用可能であった。これらは加圧ローラにも適用した。
1.凹凸を付けた耐熱性樹脂フィルムを巻き付けて接着したもの。
2.中空の粒子シリカバルーンを体積比率で60%混合したシリコーンゴム。
3.発泡倍率2倍(空気の体積比率が50%)のスポンジシリコーンゴム。
この内特に1、2は空気が圧接部でも保たれる硬質な断熱構造なため、その昇温速度は速く10秒程度であった。3の場合も15秒と高速な昇温が得られた。
1はその構造がハニカム構造に近いため、特に強い加圧を行って、変形が少なく極めて優れた断熱性を示した。フィルムとしては6〜40μmのポリフェニレンサルファイド、ポリイミドなどが適用でき、凹凸は200μm以下のピッチで40〜80μmとなるよう凹凸のついた熱ローラ間に通すことで凹凸加工をした。
定着ローラ形状として、図8のように一体で形成するのではなく、図9のように、ベルト基材をローラに巻きつけるようにして形成してもよい。このように、形成することにより、一体形成よりも、安いコストで、定着ローラを作成することができる。
次に、本実施形態で用いたベルト基材34cを適用可能な公知の定着装置を図10に示す。これは、特開平2003−43843などに記載のセラミックヒータ40と定着ベルト44とを用いた定着装置である。本形態の定着装置30は加圧ローラ駆動である。43は加熱体支持部材としての横断面略半円弧状樋型の耐熱・耐熱材性のヒーターステー(ベルトガイド)である。このヒーターステー43の下面にステー長手に沿って設けた溝部43a(以下ヒーターステー面と記す)に加熱体としてのセラミックヒータ40(セラミック面状ヒータ)を嵌入し、接着して支持させてある。44は、円筒状の耐熱性定着ベルトであり、上記セラミックヒータ40を下面側に接着支持させたヒーターステー43に対してルーズに外嵌させてある。
このような形態の定着装置では定着ベルト44または51のベルト基材としてポリイミドフィルムが用いられていた。しかし、高線速対応を行うと耐久性からポリイミドの厚さを増すことが求められ、ポリイミドを介した熱伝導が追従できず定着が出来ないと言う矛盾により、250mm/s以上の高線速に対応することが不可能であった。また、熱伝導率を考慮して、SUSなどの金属ベルトを用いた場合は高線速に対応した定着は可能となっても、耐屈曲性から十分な寿命を得ることが出来きなかった。
そこで、本実施形態で用いたベルト基材34cを適用することにより、250mm/S以上の高線速でも定着が可能となり、充分な寿命も得ることができた。
さらに、本実施形態で用いたベルト基材34cを適用可能な他の公知の定着装置を図11に示す。これは、特開平2003−270998などに記載されている定着ベルト51を磁性コア53a、53b及び53cと誘導コイル54とによって誘導加熱する定着装置である。図11において、ベルトガイド52a,52bは、断面略半円弧状樋型の形状をしており、開口側を互いに向かい合わせて略円柱体を構成する。このベルトガイド52a,52bの外周面側には、円筒状のベルトである定着フィルム51がルーズに外嵌される。
磁性コア53a、53b、53c、及び励磁コイル54は磁場発生手段であり、励磁コイル54による磁場によって定着フィルム51が自己発熱する。磁性コア53a,53b,53cは、フィルムガイド52aの内側にT字状に配置されている。励磁コイル54は、磁性コア53a,53c及びフィルムガイド52aによって囲まれた空間と、磁性コア53a,53b及びフィルムガイド52aによって囲まれた空間に、保持されている。
このような形態の定着装置においても、図10を用いて説明した先の公知の定着装置への適用例と同様に、本実施形態で用いたベルト基材34cを適用することにより、高線速の定着が可能となり、充分な寿命も得ることができた。
以上、本実施形態によれば、定着装置30において、定着ベルト34の基材に、0.007≦引っ張り強度/ヤング率≦0.1という関係をみたす材料を用いている。これにより、耐屈曲性に優れた定着ベルトを得ることができる。また、定着ベルトの基材の熱伝導率が1.0(W/mK)以上、100(W/mK)以下であることにより、定着熱の加熱時間を短縮できる。さらに、引っ張り強度が700MPa以上の材料を用いることで、より耐屈曲性に優れた定着ベルトを得ることができる。
また、基材の材料としてβ型構造を含むチタン合金を用いている。これにより、所望の引っ張り強度/ヤング率の値と、熱伝導率を有す定着ベルトを提供することができる。
また、基材の材料のチタン合金は少なくともIVa属、Va属元素を含み、酸素を添加している。IVa属、Va属元素を含を含むことで、引っ張り強度の向上が図れ、酸素を添加することにより、ヤング率を下げることができる。これらにより、引っ張り強度/ヤング率を向上することができる。
また、定着ベルト34のニップ部における最小曲率半径(cm)と、部材の厚さ(cm)とが、
250≦ 最小曲率半径/部材厚さ ≦1000
という関係式を満たすように作成した。これにより、耐久性をさらに向上させることができる。
また、定着ベルト34の加熱手段として、電磁誘導コイルを用いて記録材上のトナーを加熱する。これにより、加熱をする必要のない箇所を加熱することを防止でき、熱エネルギーの節約を図ることができる。
また、過熱源である誘導コイルやヒータが紙幅などに応じて発熱量分布を可変できるようにする。これにより、記録紙と接しない箇所の温度が上昇しすぎることを防止することができる。
また、定着ベルト34はベルト基材の内側にイミド基を含む耐熱樹脂層を有する構造とする。これにより、バックアップローラ32と加熱ローラ33との摺擦によるチタン合金の磨耗を防止し、耐久性の向上を図ることができる。
また、定着ベルト34が上記ニップ部を形成する箇所で、定着の断面形状の曲線が変極点を有しないように、加圧ローラ31との圧力や硬度差を調節する。これにより、曲率が変わる回数を減らすことができ、定着ベルトの耐久性の更なる向上を図ることができる。
また、変形例として、定着ベルト34の代わりにローラとベルトを一体で形成した定着ローラ32とした。これにより、ベルトの寄りという問題が発生せず、さらに、省スペース化と部品点数の削減を図ることができた。
さらに、定着ローラとして、ベルト基材を、断熱層を有するローラの外周に固定した構造を採用することにより、一体形成のものよりも、低コストで作成することができる。
本実施形態に係るが造形性装置の概略図。 本実施形態に使用した定着装置の概略図。 本実施形態のベルト基材とび比較例ベルト基材との特性値と耐折回数評価の結果を示す図。 本実施形態の圧接部の曲率半径の観察結果を示す模式図。 本実施形態の曲率半径とベルト厚さと耐久性の関係を示す図。 本実施形態の圧接部の曲率半径の変化を示す図。 電磁誘導を用いた加熱ローラの説明図。 定着ベルトの代わりに定着ローラを用いたものの概略図。 第2の定着ローラの概略図。 本実施形態で用いたベルト基材を適用可能な公知の定着装置の概略図。 本実施形態で用いたベルト基材を適用可能な公知の定着装置の概略図。
符号の説明
2M,2C,2Y,2Bk 各感光体ユニット
4Y,4M,4C,4Bk 各感光体ドラム
30 定着装置
31 加圧ローラ
31a 離型層
31b 弾性層
31c 断熱層
31d 鉄芯金
32 バックアップローラ
33 加熱ローラ
34 定着ベルト
34a 離型層
34b 弾性層
34c ベルト基材
34d 耐磨耗層
35 塗布ローラ
37 定着ローラ
37a 離型層
37b 弾性層
37c チタン合金層
37d 断熱層
37e 非磁性基材
38 バームクーヘン型定着ローラ
38a 離型層
38b 弾性層
38c チタン合金ベルト層
38d 断熱層
38e 非磁性基材

Claims (16)

  1. 無端移動するように構成された2つの無端移動体によりニップ部を形成する定着手段を備え、
    記録材に担持されたトナー像を該定着手段のニップ部で熱及び圧力により記録材に定着させる定着装置において、
    該無端移動体の少なくとも一方が、その表面がニップ部形成のために変形し、定着のための熱を記録材に供給する定着部材であり、
    該定着部材が、
    その引っ張り強度(MPa)とヤング率(MPa)との間に、
    0.007≦引っ張り強度/ヤング率≦0.1
    という関係が満たされ、且つ、
    その熱伝導率が1.0(W/mK)以上、100(W/mK)以下である基材を有することを特徴とする定着装置。
  2. 無端移動するように構成された2つの無端移動体によりニップ部を形成する定着手段を備え、
    記録材に担持されたトナー像を該定着手段のニップ部で熱及び圧力により記録材に定着させる定着装置において、
    該無端移動体の少なくとも一方が、その表面をニップ部形成のために変形させ、定着のための熱を記録材に供給する定着部材であり、
    該定着部材がβ型構造を含むチタン合金の基材を有することを特徴とする定着装置。
  3. 無端移動するように構成された2つの無端移動体によりニップ部を形成する定着手段を備え、
    記録材に担持されたトナー像を該定着手段のニップ部で熱及び圧力により記録材に定着させる定着装置において、
    該無端移動体の少なくとも一方が、その表面がニップ部形成のために変形し、定着のための熱を記録材に供給する定着部材であり、
    該定着部材が、
    その引っ張り強度(MPa)とヤング率(MPa)との間に、
    0.007≦引っ張り強度/ヤング率≦0.1
    という関係が満たされるチタン合金製の基材を有することを特徴とする定着装置。
  4. 請求項2の定着装置において、
    上記基材のチタン合金の引っ張り強度(MPa)とヤング率(MPa)とが、
    0.007≦引っ張り強度/ヤング率≦0.1
    という関係を満たすことを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1、3または4の定着装置において、
    上記基材の引っ張り強度が700MPa以上であることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項2、3または4の定着装置において、
    上記チタン合金は少なくともIVa属、Va属元素を含み、酸素を添加しているチタン合金であることを特徴とする定着装置。
  7. 請求項1、2、3、4、5または6の定着装置において、
    上記定着部材が2つ以上の支持部材に張架され無端移動するベルト構造であることを特徴とする定着装置。
  8. 請求項1、2、3、4、5または6の定着装置において、
    上記定着部材が上記基材を有する構成のローラ構造であることを特徴とする定着装置。
  9. 請求項1、2、3、4、5または6の定着装置において、
    上記定着部材が上記基材を有する構成のベルトを、断熱層を有するローラの外周に固定した構造であることを特徴とする定着装置。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の定着装置において、
    上記基材のニップ部における最小曲率半径(cm)と、部材の厚さ(cm)とが、
    250≦ 最小曲率半径/部材厚さ ≦1000
    という関係式を満たすことを特徴とする定着装置。
  11. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の定着装置において、
    少なくとも上記定着部材に上記基材を用いており、
    該基材を被加熱体とし、電磁誘導コイルにて該基材を発熱させることで、
    記録材上のトナーを加熱することを特徴とする定着装置。
  12. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の定着装置において、
    少なくとも上記定着部材に上記基材を用いており、
    該基材の内側に発熱体を設け、該基材を加熱することで、
    記録材上のトナーを加熱することを特徴とする定着装置。
  13. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の定着装置において、
    過熱源が紙幅などに応じて発熱量分布を可変できることを特徴とする定着装置。
  14. 請求項7、10、11、12または13の定着装置において、
    ベルト構造の該基材の内側に摺動押圧部材を有するとともに、
    該摺動押圧部材との接触面である内面に、イミド基を含む耐熱樹脂層を有することを特徴とする定着装置。
  15. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14の定着装置において、
    上記基材が上記ニップ部を形成する箇所で、
    該基材の断面形状の曲線が変極点を有しないことを特徴とする定着装置。
  16. 像担持体と、像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体上の潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、該像担持体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段と、該転写手段により転写材に転写されたトナー象を定着する定着手段とを備える画像形成装置において、
    該定着手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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