JP2005156279A - 選択的な表面改質・洗浄方法 - Google Patents

選択的な表面改質・洗浄方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005156279A
JP2005156279A JP2003393443A JP2003393443A JP2005156279A JP 2005156279 A JP2005156279 A JP 2005156279A JP 2003393443 A JP2003393443 A JP 2003393443A JP 2003393443 A JP2003393443 A JP 2003393443A JP 2005156279 A JP2005156279 A JP 2005156279A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
mask
excimer
surface modification
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003393443A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3828886B2 (ja
Inventor
Masao Inoue
政夫 井上
Michie Harachi
美智恵 原地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aida Engineering Ltd
Original Assignee
Aida Engineering Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aida Engineering Ltd filed Critical Aida Engineering Ltd
Priority to JP2003393443A priority Critical patent/JP3828886B2/ja
Publication of JP2005156279A publication Critical patent/JP2005156279A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3828886B2 publication Critical patent/JP3828886B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Cleaning In General (AREA)

Abstract

【課題】 物質表面の一部を選択的に改質及び/又は洗浄する安価で効率的な方法を提供する。
【解決手段】 (1)中心波長172nmのエキシマUV光に対して透過性を有する基材の一方の面上に所定の形状の遮光パターンを有するマスクを準備するステップと、
(2)処理対象物を準備するステップと、
(3)前記処理対象物の被処理面上に前記マスクの遮光パターンを有する面を位置合わせして載置するステップと、
(4)前記マスクの上面からエキシマUV光を照射するステップとからなる選択的な表面改質・洗浄方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は物質表面の改質・洗浄方法に関する。更に詳細には、本発明はエキシマUV光により化学分析用マイクロチップなどの物質表面の一部を選択的に改質及び/又は洗浄する方法に関する。
従来より、(1)濡れ性や印刷性、密着性の改善、(2)細胞やタンパク質などの吸着性の改善、(3)官能基の導入、及び(4)有機物や油膜などの除去の様な目的のために、物質表面の改質及び/又は洗浄が行われてきた。
物質表面の改質及び/又は洗浄は例えば、プラズマやコロナ放電、電子ビーム、紫外線(UV光)、真空紫外線(VUV光)などを利用して行われるのが一般的である。特に、最近は、特許文献1に記載されているように、エキシマによる真空紫外光(エキシマUV光)の利用が盛んになってきた。エキシマUV光としては、放電性ガスの種類により次のような波長(中心波長)のものがある。126nm(Ar)、146nm(Kr)、172nm(Xe)、222nm(KrCl)、及び308nm(XeCl)。エキシマUV光を放射する照射ランプは例えばキセノンガスを封入した誘電体バリヤ放電ランプである。この誘電体バリヤ放電ランプは、キセノン原子が励起されたエキシマ状態となり(Xe )、このエキシマ状態から再びキセノン原子に解離するときに波長約172nmの光を発生する。この波長172nmの光を酸素に照射すると、従来の低圧水銀ランプから放射される波長185nmの光を酸素に照射する場合よりも高濃度のオゾンが得られ、更にまた、この高濃度のオゾンから活性酸化性分解物もえられる。これら高濃度オゾンと活性酸化性分解物との相乗作用により処理対象物の表面の改質及び/又は洗浄効果が飛躍的に高められる。誘電体バリヤ放電ランプは特許文献2及び特許文献3に詳述されている。
最近、マイクロスケール・トータル・アナリシス・システムズ(μTAS)又はラブ・オン・チップ(Lab-on-Chip)などの名称で知られるように、基板内に所定の形状の流路を構成するマイクロチャネル及びポートなどの微細構造を設け、該微細構造内で物質の化学反応、合成、精製、抽出、生成及び/又は分析など各種の操作を行うことが提案され、一部実用化されている。このような目的のために製作された、基板内にマイクロチャネル及びポートなどの微細構造を有する構造物は総称して「マイクロチップ」と呼ばれる。(マイクロチップはマイクロ流体デバイスと呼ばれることもある。)
マイクロチップは遺伝子解析、臨床診断、薬物スクリーニング及び環境モニタリングなどの幅広い用途に使用できる。常用サイズの同種の装置に比べて、マイクロチップは(1)サンプル及び試薬の使用量が著しく少ない、(2)分析時間が短い、(3)感度が高い、(4)現場に携帯し、その場で分析できる、及び(5)使い捨てできるなどの利点を有する。
このようなマイクロチップの分野においても、マイクロチャネル内の親水化(すなわち、濡れ性改善)と疎水化を作り分けたり(例えば、特許文献4参照)、コーティング剤の塗布性改善、機能性材料による修飾性の改善、細胞やタンパク質などの吸着性の改善などが必要とされることがある。また、特別な例では、マイクロチップを構成するポリジメチルシロキサン(PDMS)基板とガラス基板とを恒久接着(パーマネント・ボンディング)するための前処理として、PDMS基板に酸素プラズマを照射することにより表面改質を行うことがある。これは、酸素プラズマ照射によりPDMS基板表面に水酸基が形成され、その水酸基の作用によりガラス基板との恒久接着が達成されるものとされている。
マイクロチップなどの分野では、基板表面を改質及び/又は洗浄する場合、基板表面の一部だけを選択的に処理する必要がある。収束光や電子ビームを用いた処理方法では、収束光や電子ビームを走査して処理部のみに照射することができるが、処理時間が長くかかり、走査機能を有しているため、処理装置も高価である。一方、プラズマやエキシマUV光を用いる処理方法は、処理面を一度に処理でき、安価で生産性がある反面、選択的に処理するためには、マスクを用いる必要が出てくる。しかし、プラズマやエキシマUV光のどちらの処理方法も、酸素プラズマやエキシマUV光によって発生したオゾンや励起酸素原子が、直接処理面に到達して作用しなければならず、一般的な光学系のマスクを用いることはできない。
このマスクを用いる表面処理方法の場合、処理面に対して非処理部が極端に小さかったり、あるいは小さな非処理部が多数分散して配置されていると、マスクが作成不可能となる。このような事例を図4及び図5により説明する。図4に示すように、マイクロチップのPDMS基板などのような処理対象物40の処理面42の特定な一部44(非処理部)は表面改質及び/又は洗浄を行わず、その他の面は全て処理を行うものとする。
この事例のように、非処理部が処理面の一部であり、かつ複数箇所に分散して分布して存在すると、単一のマスクを作成することが困難になる。そのため、図5に示すように、処理対象物40の処理面42の上に、非処理部の形状に合わせて酸素プラズマ等を遮断するパターン46を個別に配置することになる。よって、それぞれのパターン46を個別に適正な位置にアライメントしなければならず、位置決めや配置などの作業が煩雑になる。また、非処理部44が複雑な形状であったり、極めて微細な形状であったりすると、パターン46の作成や取り扱いが困難となる。
特許第2705023号明細書 特開平2−7353号公報 米国特許第4837484号明細書 特開2000−27813号公報
従って、本発明の目的は、物質表面の一部を選択的に改質及び/又は洗浄する安価で効率的な方法を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明は下記の構成を採用する。
(1)(1)中心波長172nmのエキシマUV光に対して透過性を有する基材の一方の面上に所定の形状の遮光パターンを有するマスクを準備するステップと、
(2)処理対象物を準備するステップと、
(3)前記処理対象物の被処理面上に前記マスクの遮光パターンを有する面を位置合わせして載置するステップと、
(4)前記マスクの上面からエキシマUV光を照射するステップとからなる選択的な表面改質・洗浄方法。
(2)前記マスク用基材は石英ガラス、サファイア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化リチウムからなる群から選択される材料から形成されている。
(3)前記遮光パターンはフォトレジスト又は金属膜から形成されており、その厚さが10μm〜200μmの範囲内である。
(4)前記処理対象物はポリジメチルシロキサン(PDMS)から形成されている。
(5)(1)中心波長172nmのエキシマUV光に対して透過性を有する基材からなるマスクを準備するステップと、
(2)一方の表面に所定の形状と、深さ及び幅を有するチャネル状の凹部が形成された処理対象物を準備するステップと、
(3)前記処理対象物の凹部形成面上に前記マスクを載置するステップと、
(4)前記マスクの上面からエキシマUV光を照射することにより前記処理対象物の凹部内表面を親水化するステップとからなる選択的な表面改質・洗浄方法。
(6)前記マスク用基材は石英ガラス、サファイア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化リチウムからなる群から選択される材料から形成されている。
(7)前記処理対象物はポリジメチルシロキサン(PDMS)から形成されたマイクロチップである。
本発明によれば、選択的に表面改質・洗浄する用途において、非処理部が処理面に対して相対的に小さく、あるいは非処理部が複数分布している処理対象物に対し、マスクの製作が容易で、処理時のアライメントも行い易い表面改質・洗浄方法が得られる。また、本発明によれば、ポロジメチルシロキサンなどから形成されるマイクロチップなどのような処理対象物の一方の表面にチャネルなどの凹部が形成されている場合、これら凹部だけを選択的に親水化することもできる。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施態様について具体的に説明する。図1は、本発明の表面改質・洗浄方法を実施するために使用されるマスクの一例の概要断面図である。マスク1は基本的に、エキシマUV光に対して光透過性である基材3と、この基材3の一方の面に配設された、エキシマUV光を透過しない物質で、非処理部に対応する形状に成形された所定の厚みを有するパターン5とからなる。
図2は、図1に示されたマスク1を用いて本発明の表面改質・洗浄方法を実施する状態を示す説明図である。図2に示されるように、マスク1のパターン5が形成された面を処理対象物7の処理面9とを位置合わせし、パターン5と処置面9が密着するように配置する。この時、パターン5以外の処理面と基材3との間にパターン5の厚みに応じて適当な間隙が発生し、これにより空気層11が形成される。このように、酸素を含むガス雰囲気(一般的には空気雰囲気)下でマスク1の上面側からエキシマUV光を適量照射する。エキシマUV光透過性の基材3を透過したエキシマUV光によりマスク1と処理対象物7との間隙の空気層11にある酸素分子から生成されたオゾンや励起酸素分子の作用及び処理面に直接照射されるエキシマUV光のフォトンエネルギーの作用により、処理対象物7の処理面9は所望の表面改質・洗浄が行われる。一方、パターン5により遮蔽された処理対象物の非処理面13は、オゾンや励起酸素分子が生成されず、更にエキシマUV光のフォトンエネルギーの影響も受けないので、表面改質・洗浄は行われない。
エキシマUV光の照射強度は一般的に、5mW/cm〜30mW/cmの範囲内が好ましい。照射強度が5mW/cm未満の場合、処理時間が長くなり過ぎ作業効率が低下する。一方、照射強度が30mW/cm超の場合、このような高い照射強度を有する装置は少なく、有っても高価であるばかりか、照射有効面積が小さく、処理対象物の大きさが限られる。また、ランプを複数本密に並べるため、照射強度の均一性が低い場合もあり、その結果、処理の程度の不均一が生じることもある。エキシマUV光の照射時間は一般的に、10秒間〜5分間の範囲内が好ましい。エキシマUV光の照射時間は照射強度と相反関係にあり、照射強度が高い場合、照射時間は短くなる。選択された照射ランプの有する照射強度に対する最適な照射時間は実験を繰り返すことにより当業者が容易に決定することができる。
マスク1の基材3は例えば、石英ガラスあるいはサファイア(Al)やフッ化カルシウム(CaF)、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化バリウム(BaF)又はフッ化リチウム(LiF)などの合成光学結晶から形成された板状材などを使用することができる。これらの材料はエキシマUV光を少なくとも50%以上透過する能力を有することが好ましい。エキシマUV光透過率が50%未満の場合、所望の表面改質・洗浄効果が得られない。言うまでもなく、基材3はエキシマUV光透過率100%であることが最も好ましい。
マスク1のパターン5の形成材料としては、エキシマUV光の透過率が0%の物質ばかりでなく、透過率が10%以下の物質であれば本発明で使用することができる。一般的に、エキシマUV光などの真空紫外光(VUV光)を透過する物質は少ないので、パターンの形成しやすい物質をパターン形成材料として使用することが好ましい。パターン5は例えば、基材3の表面にレジストを塗布し、マスクパターンを通して露光し、フォトエッチングすることにより所定のレジストパターンを形成するか又は一旦アルミニウムあるいはクロムなどの金属膜を蒸着などの常法により形成し、その上でレジストを用いたエッチング技法により金属パターンを形成することにより得られる。表面改質・洗浄を行わない非処理面が微細でなければ、ステンレスなどの薄板を非処理面の形状に切り取り、それを基材3の所定位置に貼り付けることによってもパターン5を形成することができる。
パターン5は10μm〜200μm程度の厚みを有することが好ましい。パターン5の厚みが10μm未満の場合、マスク1の基材3と表面改質・洗浄を行うべき処理対象物7の処理面9との間の間隙を均一に保つことが困難になり、結果的に表面改質・洗浄処理が不均一となる。パターン5の厚みが200μm超の場合、厚すぎてフォトレジストで形成することが困難になるばかりか、間隙を設けることによる効果が飽和し、不経済となる。パターン5の厚みが少なくとも50μmあれば十分な表面改質・洗浄処理効果が見込め、これはエキシマUV光を直接照射した場合とほぼ同程度の表面改質・洗浄処理効果である。
図3は本発明による別の表面改質・洗浄方法を実施する状態を示す説明図である。図3に示されるように、処理対象物7Aの表面にチャネルなどのような凹部15が存在し、その凹部15のみを表面改質・洗浄処理したい場合、パターンなどが全く形成されていない平板状の基材3Aをそのまま処理対象物7Aに貼り合わせて密着させる。その後、基材3Aの上面からエキシマUV光を照射する。処理対象物7Aの凹部15は、そこに含まれる空気からオゾンや励起酸素原子が生成され、これらにより凹部15の内表面の改質及び/又は洗浄が行われる。一方、その他の部分は空気が全く存在しないのでオゾンや励起酸素原子は生成されず、従って、殆ど表面改質・洗浄処理されないか、あるいは極僅かしか処理されない。
図3において、処理対象物7AがPDMS基板であり、基材3Aが対面基板からなるマイクロチップである場合、PDMSは空気雰囲気中で高い疎水性を有する。一度親水化しても長期間空気中に放置すると、また疎水性に戻ってしまう。そこで、親水性を必要とする直前に、このPDMS基板(処理対象物7A)に対面基板(基材3A)側からエキシマUV光を照射することで、マイクロチップの形状のままPDMS基板内部のチャネル(凹部15)を適宜表面改質・洗浄処理を行うことにより、チャネル(凹部15)を再び親水化して使用することができる。また、チャネルの特定部分だけを選択的に親水化したければ、チャネルのその他の部分をマスクで遮光してエキシマUV光を照射すればよい。チャネル内に酸素(空気)が存在しても、エキシマUV光が照射されなければ、表面改質・洗浄に必要な酸素や活性酸化性分解物が生成されないからである。この場合、対面基板は石英ガラス製であることが好ましい。
また、処理対象物7がPDMS基板の場合、パターン付きマスクを通してエキシマUV光を照射すると、PDMS基板とシリカガラス板との間で選択的に恒久接着する部分を創り出すことができる。例えば、PDMS基板にパターン付きマスクを通してエキシマUV光を照射すると、エキシマUV光が照射されたPDMS基板の処理面はガラス板と恒久接着するが、パターンで遮光されエキシマUV光が照射されなかった非処理面はガラス板と恒久接着しないように構成することができる。
エキシマUV光を放射する誘電体バリヤ放電ランプと共に遠紫外光を放射する光源を併用することもできる。誘電体バリヤ放電ランプから放射される波長172nmのエキシマUV光によりオゾン及び活性酸化性分解物を生成させて、このオゾン及び活性酸化性分解物に遠紫外光である波長254nmの光を照射すると、これらの活性度が一層高められ、表面改質・洗浄効果が飛躍的に向上される。遠紫外光光源は、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、クリプトンフッ素エキシマランプ、又はクリプトンフッ素エキシマレーザなどである。
図1に示されるような断面構造を有するマスクを作製した。基材3は板厚1mmで、波長172nmのエキシマUV光に対する透過率が90%以上である合成石英(東ソー・クォーツ(株)製、グレードED−H)から形成した。ステンレス製の薄板(厚さ50μm)を直径5mmの円形に切り抜き、これを基材3の一方の面に接着することにより遮光パターン5を形成した。処理対象物としては、板厚2mmのPDMS基板を使用した。エキシマUV光源としては、東京都千代田区に所在するウシオ電機(株)から市販されている誘電体バリヤ放電ランプを使用した。PDMS基板の一方の面上にパターン付き合成石英基材からなるマスクを貼り合わせ、合成石英基材の上面から誘電体バリヤ放電ランプにより、大気圧、空気雰囲気下でエキシマUV光を照射した。誘電体バリヤ放電ランプ直下の照射強度を10mW/cmとし、照射時間を1分間、2分間及び3分間と変化させて、処理面と非処理面の濡れ性を測定した。濡れ性の評価は一般的に用いられている水滴の接触角を測定することにより行った。エキシマUV光が照射される処理面の処理前は約100度と高い疎水性を示していたが、照射時間1分間では約50度、照射時間2分間では約25度、照射時間3分間ではほぼ0度と完全に親水性になっていたが、ステンレス薄板のパターン5で遮光された部分の非処理面の接触角は処理前と同じ100度のままであった。
基材として、遮光パターンを有しないこと以外は実施例1で使用したものと同じ材質の基材を使用した。処理対象物としては、板厚2mmで、一方の表面に深さ50μmで幅200μmで、長さが3mmのチャネルが形成されたPDMS基板を使用した。このPDMS基板のチャネル形成面に前記基材を貼り合わせた。基材の上面から誘電体バリヤ放電ランプにより、大気圧、空気雰囲気下でエキシマUV光を照射した。誘電体バリヤ放電ランプ直下の照射強度を10mW/cmとし、照射時間を3分間とした。チャネル部分とその他の部分との濡れ性を測定した。チャネル部分の接触角はほぼ0度であったが、その他の部分の接触角は50度であった。これにより、本発明によれば、PDMS基板のチャネル部分だけを選択的に親水化させることができることが確認された。
実施例1で表面改質・洗浄処理されたPDMS基板からマスクを剥がし、石英ガラス板を貼り合わせた。その結果、エキシマUV光が照射されたPDMS基板の処理面はガラス板と恒久接着したが、パターンで遮光されエキシマUV光が照射されなかった非処理面はガラス板と恒久接着しないことが確認された。
本発明の選択的な表面改質・洗浄方法は、遺伝子解析、臨床診断、薬物スクリーニング及び環境モニタリングなどのPDMS製マイクロチップを用いる幅広い用途に使用できる。その他、半導体製造分野など精密な選択的表面改質・洗浄が必要な全ての分野で使用できる。
本発明の表面改質・洗浄方法で使用するマスクの一例の概要断面図である。 図1に示されたマスクを用いて本発明の表面改質・洗浄方法を実施する状態の一例を示す説明図である。 本発明の表面改質・洗浄方法の別の実施態様を示す説明図である。 従来技術の表面改質・洗浄方法により処理される対象物の一例の概要斜視図である。 図4に示された処理対象物を従来技術の表面改質・洗浄方法により処理する状態を示す説明図である。
符号の説明
1 マスク
3,3A 基材
5 レジストパターン
7,7A 処理対象物
9 処理面
11 空気層
13 非処理面
15 チャネル(凹部)

Claims (7)

  1. 選択的な表面改質・洗浄方法であって、
    (1)中心波長172nmのエキシマUV光に対して透過性を有する基材の一方の面上に所定の形状の遮光パターンを有するマスクを準備するステップと、
    (2)処理対象物を準備するステップと、
    (3)前記処理対象物の被処理面上に前記マスクの遮光パターンを有する面を位置合わせして載置するステップと、
    (4)前記マスクの上面からエキシマUV光を照射するステップとからなることを特徴とする選択的な表面改質・洗浄方法
  2. 前記マスク用基材は石英ガラス、サファイア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化リチウムからなる群から選択される材料から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記遮光パターンはフォトレジスト又は金属膜から形成されており、その厚さが10μm〜200μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記処理対象物はポリジメチルシロキサン(PDMS)から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 選択的な表面改質・洗浄方法であって、
    (1)中心波長172nmのエキシマUV光に対して透過性を有する基材からなるマスクを準備するステップと、
    (2)一方の表面に所定の形状と、深さ及び幅を有するチャネル状の凹部が形成された処理対象物を準備するステップと、
    (3)前記処理対象物の凹部形成面上に前記マスクを載置するステップと、
    (4)前記マスクの上面からエキシマUV光を照射することにより前記処理対象物の凹部内表面を親水化するステップとからなることを特徴とする選択的な表面改質・洗浄方法
  6. 前記マスク用基材は石英ガラス、サファイア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化リチウムからなる群から選択される材料から形成されていることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記処理対象物はポリジメチルシロキサン(PDMS)から形成されたマイクロチップであることを特徴とする請求項5に記載の方法。
JP2003393443A 2003-11-25 2003-11-25 選択的な表面改質・洗浄方法 Expired - Fee Related JP3828886B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003393443A JP3828886B2 (ja) 2003-11-25 2003-11-25 選択的な表面改質・洗浄方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003393443A JP3828886B2 (ja) 2003-11-25 2003-11-25 選択的な表面改質・洗浄方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005156279A true JP2005156279A (ja) 2005-06-16
JP3828886B2 JP3828886B2 (ja) 2006-10-04

Family

ID=34719801

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003393443A Expired - Fee Related JP3828886B2 (ja) 2003-11-25 2003-11-25 選択的な表面改質・洗浄方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3828886B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007094159A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Dainippon Printing Co Ltd パターン形成体の製造方法
JP2007094183A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Dainippon Printing Co Ltd パターン形成体の製造方法およびパターン形成体製造用装置
JP2007130836A (ja) * 2005-11-09 2007-05-31 Ushio Inc 接合方法
JP2012172994A (ja) * 2011-02-17 2012-09-10 Hamamatsu Photonics Kk 試料操作素子の表面処理方法及び表面処理装置
WO2014087923A1 (ja) * 2012-12-07 2014-06-12 アルプス電気株式会社 接合部材及び接合部材の製造方法
WO2018084133A1 (ja) * 2016-11-02 2018-05-11 ウシオ電機株式会社 紫外線処理装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001324816A (ja) * 2000-05-16 2001-11-22 Nikon Corp パターン形成方法及び露光装置
JP2002515586A (ja) * 1997-12-17 2002-05-28 カリパー テクノロジーズ コーポレイション 分子の分離を実施するための改良された方法およびシステム

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002515586A (ja) * 1997-12-17 2002-05-28 カリパー テクノロジーズ コーポレイション 分子の分離を実施するための改良された方法およびシステム
JP2001324816A (ja) * 2000-05-16 2001-11-22 Nikon Corp パターン形成方法及び露光装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007094159A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Dainippon Printing Co Ltd パターン形成体の製造方法
JP2007094183A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Dainippon Printing Co Ltd パターン形成体の製造方法およびパターン形成体製造用装置
JP2007130836A (ja) * 2005-11-09 2007-05-31 Ushio Inc 接合方法
JP4760315B2 (ja) * 2005-11-09 2011-08-31 ウシオ電機株式会社 接合方法
JP2012172994A (ja) * 2011-02-17 2012-09-10 Hamamatsu Photonics Kk 試料操作素子の表面処理方法及び表面処理装置
WO2014087923A1 (ja) * 2012-12-07 2014-06-12 アルプス電気株式会社 接合部材及び接合部材の製造方法
WO2018084133A1 (ja) * 2016-11-02 2018-05-11 ウシオ電機株式会社 紫外線処理装置
JP6508433B2 (ja) * 2016-11-02 2019-05-08 ウシオ電機株式会社 紫外線処理装置
JPWO2018084133A1 (ja) * 2016-11-02 2019-06-24 ウシオ電機株式会社 紫外線処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3828886B2 (ja) 2006-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100189794B1 (ko) 피처리물의 산화방법
US5669979A (en) Photoreactive surface processing
US5814156A (en) Photoreactive surface cleaning
KR0157608B1 (ko) 고에너지 조사에 의한 표면오염물질 제거방법 및 그 장치
TWI226508B (en) Laser machining method and apparatus
JP5024048B2 (ja) ウエットエッチング方法及びウエットエッチング装置
KR101353668B1 (ko) 기판 세정 장치 및 기판 세정 방법
TWI480681B (zh) Light processing device and light processing method
JP2705023B2 (ja) 被処理物の酸化方法
JP3828886B2 (ja) 選択的な表面改質・洗浄方法
JP5975527B2 (ja) フォトマスク関連基板の洗浄方法及びフォトマスク関連基板の製造方法
EP3353605B1 (en) A method for treating substrates with an aqueous liquid medium exposed to uv-radiation
JP2002015970A (ja) 露光方法及び露光装置
CN1619780A (zh) 处理装置
US20070165782A1 (en) Soft x-ray processing device and soft x-ray processing method
KR101553735B1 (ko) 광 조사 장치
JP4798778B2 (ja) 紫外線照射窓の洗浄装置及び方法
JP2004306138A (ja) 透明材料の微細加工方法および微細構造体
Lapczyna et al. Rapid prototype fabrication of smooth microreactor channel systems in PMMA by VUV laser ablation at 157 nm for applications in genome analysis and biotechnology
JP2007211328A (ja) 隣接した光学部品の接着法
JP2005317555A (ja) エキシマランプ及びエキシマ照射装置
JP2000011960A (ja) 誘電体バリア放電ランプを用いた表面処理装置及び方法
KR100568159B1 (ko) 광 조사를 이용한 금 식각 방법 및 이를 위한 장치
WO2017175556A1 (ja) 表面処理方法およびマスク並びに表面処理装置
JP2017080820A (ja) 流体デバイスの製造方法および流体デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051220

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060203

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060707

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100714

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100714

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110714

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110714

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120714

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120714

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130714

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140714

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees