JP2005156185A - 速度算出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 より精度の良い移動速度を算出可能な速度算出装置を提供すること
【解決手段】 速度算出装置では、角速度センサ1により、移動体の3軸周りの角速度p,q及びrが、加速度センサ2により、2軸方向への加速度gx及びgyが検出される。第1の傾斜角算出部3は、加速度gx及びgyから、静止中の移動体のピッチ角θ2(0)及びロール角θ3(0)を算出する。角速度補正部4は、角度θ2(0)及びθ3(0)と、第2の傾斜角算出部5からの角度θ2及びθ3とから、角速度p、q及びrを補正して、補正値α、β及びγを算出する。第2の傾斜角度算出部5は、補正値α、β及びγを使って、移動体の現在の角度θ2及びθ3を算出する。加速度算出部6は、角度θ2及びθ3と、加速度gx及びgyとを使って、移動体に加わる前後方向への加速度Axを算出する。速度算出部7は、加速度Axを積算して、移動体の速度Vを算出する。
【選択図】 図1
【解決手段】 速度算出装置では、角速度センサ1により、移動体の3軸周りの角速度p,q及びrが、加速度センサ2により、2軸方向への加速度gx及びgyが検出される。第1の傾斜角算出部3は、加速度gx及びgyから、静止中の移動体のピッチ角θ2(0)及びロール角θ3(0)を算出する。角速度補正部4は、角度θ2(0)及びθ3(0)と、第2の傾斜角算出部5からの角度θ2及びθ3とから、角速度p、q及びrを補正して、補正値α、β及びγを算出する。第2の傾斜角度算出部5は、補正値α、β及びγを使って、移動体の現在の角度θ2及びθ3を算出する。加速度算出部6は、角度θ2及びθ3と、加速度gx及びgyとを使って、移動体に加わる前後方向への加速度Axを算出する。速度算出部7は、加速度Axを積算して、移動体の速度Vを算出する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、速度算出装置に関し、より特定的には、自身が設置される移動体の速度を算出する速度算出装置に関する。
ナビゲーションシステムは、車両に代表される移動体に搭載され、多くの場合、電波航法及び自律航法の組み合わせ(いわゆるハイブリッド航法)により、車両の現在位置を算出する。電波航法において、ナビゲーションシステムは基本的に、GPS(Global Positioning System)のような測位システムに収容される人工衛星からの情報を使って、車両の絶対位置を算出する。しかし、電波航法の場合、例えば、地下、屋内、トンネル又は都心のビル街のように電波を受信できない場所では、ナビゲーションシステムは、正確な位置を算出することができなくなる。
ナビゲーションシステムは、人工衛星からの電波を受信できない場所で、自律航法を行う。自律航法において、ナビゲーションシステムは、車両に取り付けられた角速度センサから、車両のヨー方向の角速度情報を取得する。さらに、ナビゲーションシステムは、車速パルス発生器から、車輪の回転数に応じてその周期が変化する車速パルスを取得する。ナビゲーションシステムは、取得した角速度情報から車両の方位を算出し、取得した車速パルスから移動速度を算出する。
電波航法及び自律航法のいずれの場合においても、ナビゲーションシステムには、高精度な位置を算出できることが要求される。また、ナビゲーションシステムには、より少ない電気配線で簡易に取り付けられることが要求される。つまり、ユーザが購入したナビゲーションシステムを車両に設置するだけで、高精度な位置を算出できることがナビゲーションシステムには要求される。電波航法については、新しい人工衛星の打ち上げ及び/又はDGPS(Differential GPS)により、測位精度の向上が図られている。さらには、人工衛星からの電波を受信するアンテナについても、車両への取り付けが容易なものが開発されている。しかしながら、自律航法を実現するには、車輪の近傍に設置される車速パルス発生器から電気配線をナビゲーションシステムの取り付け位置まで引き込む必要がある。それ故、ナビゲーションシステムは、一般の人が簡単に車両に取り付けることができない。
車両への取り付けをより簡素化するために、車速パルスを用いることなく、車両の移動速度を算出するいくつかの速度算出装置が提案されている。その中のある速度算出装置は、車両の進行方向に沿う加速度を検出する加速度センサを備えており、このような加速度センサの出力値を積分することにより移動速度を求める。このような算出方法では、傾斜している路面上を車両が走行中、加速度センサの出力値には、重力加速度成分が含まれてしまうので、出力値をそのまま単純に積分することはできない。この問題を解決するため、ピッチ方向の角速度を検出する角速度センサの出力値を積分することにより、車両のピッチ角を算出し、算出したピッチ角を用いて加速度センサの出力から重力加速度成分を除去する速度算出装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平8―320331号公報
しかし、上記特許文献に開示された速度算出装置では、車両の傾斜している場合には角速度センサ自体が傾斜しているため、正しいピッチ方向の角速度を出力できない。従って、角速度センサの出力値を積分することにより得られるピッチ角には、その軸の傾斜の影響に起因する誤差が含まれるという問題点がある。また、旋回時に車両に働く遠心力の影響を受けて、加速度センサの積分値がドリフトしていってしまうという問題もある。
それ故に、本発明の目的は、加速度センサの出力値を用いて、より精度の良い移動速度を算出可能な速度算出装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の一局面は、角速度センサ及び加速度センサが搭載された移動体の速度を算出する速度算出装置であって、加速度センサにより検出された加速度を用いて、前記移動体の静止時の傾斜角を第1の傾斜角として算出する第1の傾斜角算出部と、第1の傾斜角算出部で算出された第1の傾斜角を用いて、前記角速度センサにより検出された角速度を補正する角速度補正部と、前記角速度補正部で補正された角速度を用いて、前記移動体の現在の傾斜角を第2の傾斜角として算出する第2の傾斜角算出部と、前記加速度センサにより検出された加速度と、前記第2の傾斜角算出部により算出された第2の傾斜角とを用いて、移動体の進行方向に沿う加速度を算出する加速度算出部と、前記加速度算出部で算出された加速度を用いて、前記移動体の進行方向への速度を算出する速度算出部とを備える。
上記局面によれば、本速度算出装置によれば、第1の傾斜角算出部により、少なくとも、静止時の移動体の傾斜角が求められる。このような傾斜角を使って、角速度補正部により、角速度センサにより検出された角速度が補正される。速度算出部における速度算出には、第2の傾斜角が使われる。さらに、第2の傾斜角の算出には、角速度が使われる。従って、角速度補正部が角速度を補正することにより、第2の傾斜角算出部が算出する傾斜角には、角速度センサで検出された角速度の誤差が伝搬することを防止することができる。その結果、本速度算出装置により算出される速度への重力加速度の影響が少なくなる。これによって、より精度の良い速度を算出可能な速度算出装置を提供することが可能となる。
(実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る速度算出装置の構成を示すブロック図である。図1において、速度算出装置は、例えば車両のような移動体に搭載され、移動体の傾斜角による重力の影響を除去した移動体の速度Vを算出する。かかる速度Vを算出するために、本速度算出装置は、角速度センサ1と、加速度センサ2と、第1の傾斜角算出部3と、角速度補正部4と、第2の傾斜角算出部5と、加速度算出部6と、速度算出部7とを備える。
図1は、本発明の一実施形態に係る速度算出装置の構成を示すブロック図である。図1において、速度算出装置は、例えば車両のような移動体に搭載され、移動体の傾斜角による重力の影響を除去した移動体の速度Vを算出する。かかる速度Vを算出するために、本速度算出装置は、角速度センサ1と、加速度センサ2と、第1の傾斜角算出部3と、角速度補正部4と、第2の傾斜角算出部5と、加速度算出部6と、速度算出部7とを備える。
角速度センサ1は、移動体の3軸周りの角速度p,q及びrを定期的に検出する。ここで、角速度pは、移動体のロール方向への角速度である。また、角速度qは、移動体のピッチ方向への角速度である。さらに、角速度rは、移動体のヨー方向への角速度である。
加速度センサ2は、移動体の2軸方向への加速度gx及びgyを定期的に検出する。ここで、加速度gxは、移動体の前後方向への加速度である。また、加速度gyは、移動体の左右方向への加速度である。
第1の傾斜角算出部3は、加速度センサ2の出力値gx及びgyを用いて、移動体の静止時におけるピッチ角θ2(0)及びロール角θ3(0)を算出する。
加速度センサ2は、移動体の2軸方向への加速度gx及びgyを定期的に検出する。ここで、加速度gxは、移動体の前後方向への加速度である。また、加速度gyは、移動体の左右方向への加速度である。
第1の傾斜角算出部3は、加速度センサ2の出力値gx及びgyを用いて、移動体の静止時におけるピッチ角θ2(0)及びロール角θ3(0)を算出する。
角速度補正部4は、第1の傾斜角算出部3の出力値θ2(0)及びθ3(0)と、第2の傾斜角算出部5の出力値θ2及びθ3(後述)を使って、角速度センサ1の出力値p、q及びrを補正して、補正値α、β及びγを算出する。ここで、補正値αは、基準平面上での移動体のロール方向への角速度である。また、角速度βは、基準平面上での移動体のピッチ方向への角速度である。さらに、角速度γは、基準平面上での移動体のヨー方向への角速度である。
第2の傾斜角度算出部5は、角速度補正部4の出力値α、β及びγを使って、移動体の現在の傾斜角度θ2及びθ3を算出する。より具体的には、傾斜角度θ2は、基準平面に対する現在の移動体のピッチ角である。また、傾斜角度θ3は、基準平面に対する現在の移動体のロール角である。
加速度算出部6は、第2の傾斜角算出部5の出力値θ2及びθ3と、加速度センサ2の出力値gx及びgyとを使って、移動体に加わる前後方向への加速度Axを算出する。
速度算出部7は、加速度算出部6の出力値Axを使って、移動体の速度Vを算出する。
加速度算出部6は、第2の傾斜角算出部5の出力値θ2及びθ3と、加速度センサ2の出力値gx及びgyとを使って、移動体に加わる前後方向への加速度Axを算出する。
速度算出部7は、加速度算出部6の出力値Axを使って、移動体の速度Vを算出する。
次に、以上のような構成の速度算出装置について、構成各部の動作及び各値の算出方法をより具体的に説明する。今、図2Aに示すように、重力加速度Gの方向をZ0軸とし、Z0軸に直交する平面(X0Y0平面)を基準平面とする。なお、以下の説明では、X0軸、Y0軸及びZ0軸からなる座標系を基準座標系と称する。
まず、第1の傾斜角算出部3は、現在移動体が静止しているか否かを判断する。第1の傾斜角算出部3は典型的には、加速度センサ2の出力値gx及び/又はgyの経時変化から、移動体が静止しているか否かを判断する。ここで、移動体の静止時には、加速度は経時変化しないので、加速度センサ2の出力値gx及び/又はgyのばらつき度合い、又は平均値変動をチェックすることにより、第1の傾斜角算出部3は移動体が現在静止しているか否かを判断することができる。なお、移動体の静止時には角速度p、q及びrもまた経時変化しないので、第1の傾斜角算出部3は、角速度センサ1の出力値p、q及び/又はrからも、移動体が現在静止しているか否かを判断することができる。
移動体が静止していると判断すると、第1の傾斜角算出部3は、加速度センサ2の出力値gx及びgyを、初期値gx(0)及びgy(0)として取得する。その後、第1の傾斜角算出部3は、次式(1)にgx(0)を代入することにより、静止時における移動体のピッチ角θ2(0)を求める。
θ2(0)=sin-1(gx(0)/G)…(1)
θ2(0)=sin-1(gx(0)/G)…(1)
さらに、第1の傾斜角算出部3は、今回求めたθ2(0)及び今回得られたgy(0)を次式(2)に代入することにより、静止時における移動体のロール角θ3(0)を求める。
θ3(0)=sin-1(gy(0)/Gcosθ2(0))…(2)
θ3(0)=sin-1(gy(0)/Gcosθ2(0))…(2)
次に、角速度補正部4の動作並びに補正値α、β及びγの算出方法について説明する。まず、図2Aに示すように、基準座標系におけるX0軸、Y0軸及びZ0軸を、Z0軸周りに角度θ1だけ回転させたものを、X1軸、Y1軸及びZ1軸と称する。以上のX1軸、Y1軸及びZ1軸からなる座標系を、以下では、第1の回転座標系と称する。また、図2Bに示すように、第1の回転座標系におけるX1軸、Y1軸及びZ1軸を、Y1軸周りに角度θ2だけ回転させたものを、X2軸、Y2軸及びZ2軸と称する。以上のX2軸、Y2軸及びZ2軸からなる座標系を、以下では、第2の回転座標系と称する。また、図2Cに示すように、第2の回転座標系におけるX2軸、Y2軸及びZ2軸を、X2軸周りに角度θ3だけ回転させたものを、X3軸、Y3軸及びZ3軸と称する。以上のX3軸、Y3軸及びZ3軸からなる座標系を、以下では、第3の回転座標系と称する。このような第3の回転座標系内に移動体は存在する。そのため、出力値p、q及びrは、第3の回転座標で検出された値となる。
本速度算出装置の最終目標は、X0軸方向に沿う移動体の速度Vを算出することであるから、出力値p、q及びrは、基準座標系の値α、β及びγに補正される必要がある。ここで、θ1、θ2及びθ3の回転変換を表す行列をそれぞれT1、T2及びT3とおく。また、基準座標系におけるZ0軸周りの回転角速度ベクトルを(0,0,α)とおく。また、第1の回転座標系におけるY1軸周りの回転角速度ベクトルを(0,β,0)とおく。さらに、第2の回転座標系におけるX2軸周りの回転角速度ベクトルを(γ,0,0)とおく。以上のように各値をおくと、次式(3)が成り立つ。
(p,q,r)T=T3T2T1(0,0,α)T+T3T2(0,β,0)T
+T3(γ,0,0)T …(3)
ここで、Tは転置行列である。角速度補正部4は上述のようにα、β及びγを算出するので、上式(3)を変形すると、次式(4)−(6)を得ることができる。
α=(qsinθ3+rcosθ3)/cosθ2 …(4)
β=qcosθ3−rsinθ3 …(5)
γ=p+(qsinθ3+rcosθ3)tanθ2 …(6)
+T3(γ,0,0)T …(3)
ここで、Tは転置行列である。角速度補正部4は上述のようにα、β及びγを算出するので、上式(3)を変形すると、次式(4)−(6)を得ることができる。
α=(qsinθ3+rcosθ3)/cosθ2 …(4)
β=qcosθ3−rsinθ3 …(5)
γ=p+(qsinθ3+rcosθ3)tanθ2 …(6)
角速度補正部4は、移動体が静止中、以下のように動作する。つまり、角速度補正部4は、今回得られた出力値q及びrと、今回得られたピッチ角θ2(0)及びロール角θ3(0)をθ2及びθ3として上式(4)に代入して、補正値αを算出する。また、角速度補正部4は、今回得られた出力値q及びrと、今回得られたロール角θ3(0)をθ3として上式(5)に代入して、補正値βを算出する。さらに、角速度補正部4は、今回得られた出力値p、q及びrと、今回得られたピッチ角θ2(0)及びロール角θ3(0)をθ2及びθ3として上式(6)に代入して、補正値γを算出する。
また、角速度補正部4は、移動体が移動中、以下のように動作する。つまり、角速度補正部4は、今回得られた出力値q及びrと、第2の傾斜角算出部5から今回フィードバックされたピッチ角θ2及びロール角θ3を上式(4)に代入して、補正値αを算出する。また、角速度補正部4は、今回得られた出力値q及びrと、今回フィードバックされたロール角θ3を上式(5)に代入して、補正値βを算出する。さらに、角速度補正部4は、今回得られた出力値p、q及びrと、今回フィードバックされたピッチ角θ2及びロール角θ3を上式(6)に代入して、補正値γを算出する。それぞれの算出後、角速度補正部4は、今回算出した補正値α、β及びγを第2の傾斜角算出部5に渡す。
次に、第2の傾斜角算出部5の動作並びにピッチ角θ2及びロール角θ3の算出方法について説明する。ピッチ角θ2及びロール角θ3は、前式(5)及び(6)を積分することにより求められ、次式(7)及び(8)で表される。
θ2=∫βdt …(7)
θ3=∫γdt …(8)
θ2=∫βdt …(7)
θ3=∫γdt …(8)
よって、第2の傾斜角算出部5は、角速度補正部4から定期的に出力される補正値βを積算して、ピッチ角θ2を算出する。また、第2の傾斜角算出部5は、定期的に出力される補正値γを積算して、ロール角θ3を算出する。第2の傾斜角算出部5は、積算後、今回算出したピッチ角θ2及びロール角θ3を角速度補正部4及び加速度算出部6に渡す。
次に、加速度算出部6の動作及び加速度Axの算出方法について説明する。図3は、移動体の一例である車両が傾斜面上を走行している時の様子を表す模式図である。図3において、移動体は、基準平面に対してピッチ方向に傾斜角θ2を有する傾斜面上を走行している。この場合、加速度センサ2からは、移動体の進行方向に沿う加速度gxが出力される。しかしながら、移動体には、重力加速度Gがかかるので、実際の進行方向への加速度Axには、加速度gxに加え、重力の進行方向成分Gsinθ2が含まれる。従って、実際の加速度Axは次式(9)で表されることになる。
Ax=gx+Gsinθ2 …(9)
Ax=gx+Gsinθ2 …(9)
よって、加速度算出部6は、加速度センサ2から今回得られた出力値gxと、第2の傾斜角算出部5から今回得られたピッチ角θ2とを、上式(9)に代入して、加速度Axを算出する。その後、加速度算出部6は、今回算出した加速度Axを速度算出部7に渡す。
周知のように、移動体の移動速度Vは、次式(10)で表されるように、加速度Axを積分することにより求められる。
V=∫Axdt=∫(gx+Gsinθ2)dt ・・・(10)
よって、速度算出部7は、加速度算出部6から加速度Axを受け取る度に、それらの積算する。
V=∫Axdt=∫(gx+Gsinθ2)dt ・・・(10)
よって、速度算出部7は、加速度算出部6から加速度Axを受け取る度に、それらの積算する。
以上説明したように、本速度算出装置によれば、第1の傾斜角算出部5により、少なくとも、静止時の移動体の傾斜角度θ2(0)が求められる。このような傾斜角度θ2(0)を使って、角速度補正部4により、角速度センサ1の出力値の内、少なくとも出力値q及びrが補正される。ここで、出力値q及びrは、速度Vの算出にはピッチ角θ2の算出に使われる(前式(5)及び(7)参照)。従って、角速度補正部4が出力値q及びrを補正することにより、第2の傾斜角算出部5が算出するピッチ角θ2に角速度センサ1の出力値q及びrの誤差が伝搬することを防止することができる。その結果、本速度算出装置により算出される速度Vへの重力加速度の影響が少なくなる。これによって、より精度の良い速度を算出可能な速度算出装置を提供することが可能となる。
また、図1からも明らかなように、本速度算出装置は、車速パルス無しで、速度Vを算出することが可能となる。つまり、本速度算出装置が移動体の一例としての車両に搭載された場合には、本速度算出装置と車速パルス発生装置とを電気配線で接続する必要がなくなる。
また、本速度算出装置がナビゲーションシステムに組み込まれた場合には、ナビゲーションシステムは、精度の高い速度を積分することにより、移動体の正確な移動距離を算出することが可能となる。これによって、ナビゲーションシステムは、移動体の現在位置を正しく表示することも可能となる。さらに、電波航法の不可能な場所でも、ナビゲーションシステムは、本速度算出装置と協働することで、正確な移動距離に基づいた自律航法が可能となる、その結果、マップマッチング等の精度を上げることができる。
(第1の変型例)
図4は、本発明の第1の変型例に係る速度算出装置の構成を示すブロック図である。図4において、速度算出装置は、図1に示すものと比較すると、旋回速度算出部8及び速度切替部9をさらに備える点で相違する。それ以外に、両速度算出装置の間に相違点は無いので、図4において、図1に示す構成に相当するものには同一の参照符号を付け、それぞれの説明を省略する。
旋回速度算出部8は、加速度センサ2の出力値gyと、角速度補正部4の出力値γと、第2の傾斜角算出部5の出力値θ2及びθ3を用いて、移動体の旋回速度Vcを算出して、速度切替部9に渡す。
図4は、本発明の第1の変型例に係る速度算出装置の構成を示すブロック図である。図4において、速度算出装置は、図1に示すものと比較すると、旋回速度算出部8及び速度切替部9をさらに備える点で相違する。それ以外に、両速度算出装置の間に相違点は無いので、図4において、図1に示す構成に相当するものには同一の参照符号を付け、それぞれの説明を省略する。
旋回速度算出部8は、加速度センサ2の出力値gyと、角速度補正部4の出力値γと、第2の傾斜角算出部5の出力値θ2及びθ3を用いて、移動体の旋回速度Vcを算出して、速度切替部9に渡す。
速度切替部9は、移動体が旋回中か否かを判断し、移動体が旋回中でないと判断した場合には、速度算出部7から受け取る速度Vを選択して、例えばナビゲーションシステムに渡す。逆に移動体が旋回中であると判断した場合、速度切替部9は、旋回速度算出部8から受け取る旋回速度Vcを、例えばナビゲーションシステムに渡す。ここで、速度切替部9は、例えば、移動体に働く遠心加速度の大きさVc・r(後述)、又は加速度センサ2から得られる左右方向への加速度gyを参照して、移動体が現在旋回しているか否かを判断する。
次に、以上のような構成の速度算出装置について、構成各部の動作及び各値の算出方法を、より具体的に説明する。図5は、移動体の一例である車両が傾斜面で旋回している時の様子を表す模式図である。図5において、移動体は、基準平面に対してロール方向に角度θ3で、ピッチ方向に角度θ2で傾いた状態で旋回している。この場合、加速度センサ2からは、移動体の左右方向に沿う加速度gyが出力される。この加速度gyには、移動体には遠心加速度と、重力の左右方向成分とが含まれる。従って、加速度gyは、次式(11)で表されることになる。
gy=Vc・r+Gcosθ2sinθ3 …(11)
ここで、Vcは旋回速度であり、rは、移動体のヨー方向周りの実際の角速度である。
従って、旋回速度Vcは、次式(12)により求められる。
Vc=(gy−Gcosθ2sinθ3)/r …(12)
gy=Vc・r+Gcosθ2sinθ3 …(11)
ここで、Vcは旋回速度であり、rは、移動体のヨー方向周りの実際の角速度である。
従って、旋回速度Vcは、次式(12)により求められる。
Vc=(gy−Gcosθ2sinθ3)/r …(12)
旋回速度算出部8は、加速度センサ2の出力値gyと、第2の傾斜角算出部5の出力値θ2及びθ3とを、上式(12)に代入する。さらに、旋回速度算出部8は、上式(12)のrとして、角速度補正部4の出力値γを代入する。これによって、旋回速度算出部8は、旋回速度Vcを算出し、その後、速度切替部9に渡す。
以上説明したように、本速度算出装置によれば、移動体が旋回している場合でも、速度切替部9により、速度V又は旋回速度Vcを選択的に出力することができる。それによって、本速度算出装置は、より精度の高い速度を出力することができる。
(第2の変型例)
図6は、本発明の第2の変型例に係る速度算出装置の構成を示すブロック図である。図6において、速度算出装置は、図1に示すものと比較すると、非接触速度算出部10と、速度切替部11と、リセット部12とをさらに備える点で相違する。それ以外に、両速度算出装置の間には相違点は無いので、図6において、図1に示す構成に相当するものには同一の参照符号を付け、それぞれの説明を省略する。
図6は、本発明の第2の変型例に係る速度算出装置の構成を示すブロック図である。図6において、速度算出装置は、図1に示すものと比較すると、非接触速度算出部10と、速度切替部11と、リセット部12とをさらに備える点で相違する。それ以外に、両速度算出装置の間には相違点は無いので、図6において、図1に示す構成に相当するものには同一の参照符号を付け、それぞれの説明を省略する。
非接触速度算出部10は、速度算出部7とは異なる方法に従って、移動体の速度Vnを非接触で算出する。以上のような非接触速度算出部10の具体例としては、第1の変型例で説明した旋回速度算出部8、又は測位システムからの情報を使って移動体の速度を算出するナビゲーションシステムがある。旋回速度算出部8は、移動体が旋回しているという条件下では、速度算出部7よりも精度の高い速度を算出する。また、ナビゲーションシステムは、人工衛星からの情報を受信可能な状態では、速度算出部7よりも精度の高い速度を算出する。
速度切替部11は、移動体の状態に応じて、速度算出部7及び非接触算出部10のいずれかを選択して、選択した側から受け取る速度V又はVnを、例えばナビゲーションシステムに渡す。
また、速度切替部11は、非接触算出部10から速度算出部7へと切り換える際、非接触算出部10から得られる速度Vnをリセット部12に渡す。具体的には、非接触速度算出部10が旋回速度算出部8である場合には、速度切替部11は、移動体が旋回中か否かを判断する。移動体が旋回中でないと判断した場合に、その直前に非接触算出部10からの速度Vnを速度切替部11はリセット部12に渡す。また、非接触速度算出部10がナビゲーションシステムの場合には、速度切替部11は、ナビゲーションシステムが人工衛星からの情報を受信不可能になった場合に、その直前にナビゲーションシステムから受け取った速度Vnを速度切替部11はリセット部12に渡す。
リセット部12は、受け取った速度Vnを初期値として、速度算出部7に設定する。これによって、速度算出部7は、初期値Vnに、加速度算出部6から受け取った加速度Axを積算していく。
以上の初期値Vnは、非接触速度算出部10が好条件で算出したものであるから、相対的に精度が高い。このような初期値Vnを使って、速度算出部7の積算をリセットすることにより、加速度Axの積算時における誤差蓄積が抑制され、本速度算出装置は、常に安定した速度を算出することが可能となる。
以上の初期値Vnは、非接触速度算出部10が好条件で算出したものであるから、相対的に精度が高い。このような初期値Vnを使って、速度算出部7の積算をリセットすることにより、加速度Axの積算時における誤差蓄積が抑制され、本速度算出装置は、常に安定した速度を算出することが可能となる。
本発明に係る速度算出装置は、高精度な速度を算出するという技術的効果が要求されるナビゲーションシステム等の用途に適用できる。
1 角速度センサ
2 加速度センサ
3 第1の傾斜角算出部
4 角速度補正部
5 第2の傾斜角算出部
6 加速度算出部
7 速度算出部
8 旋回速度算出部
9,11 速度切替部
10 非接触速度算出部
12 リセット部
2 加速度センサ
3 第1の傾斜角算出部
4 角速度補正部
5 第2の傾斜角算出部
6 加速度算出部
7 速度算出部
8 旋回速度算出部
9,11 速度切替部
10 非接触速度算出部
12 リセット部
Claims (4)
- 角速度センサ及び加速度センサが搭載された移動体の速度を算出する速度算出装置であって、
前記加速度センサにより検出された加速度を用いて、前記移動体の静止時の傾斜角を第1の傾斜角として算出する第1の傾斜角算出部と、
前記第1の傾斜角算出部で算出された第1の傾斜角を用いて、前記角速度センサにより検出された角速度を補正する角速度補正部と、
前記角速度補正部で補正された角速度を用いて、前記移動体の現在の傾斜角を第2の傾斜角として算出する第2の傾斜角算出部と、
前記加速度センサにより検出された加速度と、前記第2の傾斜角算出部により算出された第2の傾斜角とを用いて、移動体の進行方向に沿う加速度を算出する加速度算出部と、
前記加速度算出部で算出された加速度を用いて、前記移動体の進行方向への速度を算出する速度算出部とを備える、速度算出装置。 - 前記加速度センサにより検出された加速度と、前記角速度補正部で補正された角速度と、前記第2の傾斜角算出部で算出された第2の傾斜角とを用いて、前記移動体の旋回速度を算出する旋回速度算出部と、
前記速度算出部で算出された速度と、前記旋回速度算出部で算出された旋回速度とを選択的に出力する速度切替部とをさらに備える、請求項1に記載の速度算出装置。 - 前記速度算出部とは異なる方法で、前記移動体の速度を算出する非接触速度算出部と、
前記移動体の移動状態に応じて、前記速度算出部及び前記非接触速度算出部のいずれかを選択する速度切替部と、
前記速度切替部が前記速度算出部を選択した場合に、前記非接触速度算出部により算出された速度を、前記速度算出部に初期値として与えるリセット部とをさらに備える、請求項1又は2に記載の速度算出装置。 - 角速度センサ及び加速度センサが搭載された移動体の速度を算出する速度算出方法であって、
前記加速度センサにより検出された加速度を用いて、前記移動体の静止時の傾斜角を第1の傾斜角として算出する第1の傾斜角算出ステップと、
前記第1の傾斜角算出ステップで算出された第1の傾斜角を用いて、前記角速度センサにより検出された角速度を補正する角速度補正ステップと、
前記角速度補正ステップで補正された角速度を用いて、前記移動体の現在の傾斜角を第2の傾斜角として算出する第2の傾斜角算出ステップと、
前記加速度センサにより検出された加速度と、前記第2の傾斜角算出ステップにより算出された第2の傾斜角とを用いて、移動体の進行方向に沿う加速度を算出する加速度算出ステップと、
前記加速度算出ステップで算出された加速度を用いて、前記移動体の進行方向への速度を算出する速度算出ステップとを備える、速度算出方法。
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JP2003391112A JP2005156185A (ja) | 2003-11-20 | 2003-11-20 | 速度算出装置 |
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JP2005156185A5 JP2005156185A5 (ja) | 2006-12-07 |
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JP2003391112A Withdrawn JP2005156185A (ja) | 2003-11-20 | 2003-11-20 | 速度算出装置 |
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JP (1) | JP2005156185A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-11-20 JP JP2003391112A patent/JP2005156185A/ja not_active Withdrawn
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