JP2005155703A - 変速機用同期装置の円錐クラッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】 少量の摩擦材で安定した摩擦性能と長寿命となる変速機用同期装置の円錐クラッチの提供。
【解決手段】 シンクロナイザリング1は、鉄鋼製のベースリング2と、ベースリング2と別体の異種材製の複数のブロック状の摩擦材3とからなる。ベースリング2の内周の円錐面23に中心軸線方向に沿って円周方向に間隔を置いた複数の嵌合凹溝24を形成する。ベースリング2の複数の嵌合凹溝24に配設した複数のブロック状の摩擦材3にベースリング2の円錐面23よりも僅かに小さな曲率半径の円錐状摩擦面32を形成する。複数のブロック状の摩擦材3の円錐状摩擦面32を被同期相手側の摩擦面に押し付けることで、摩擦材3の円錐状摩擦面32と被同期相手側の摩擦面との間に摺動抵抗が発生し、回転体の減速を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】 シンクロナイザリング1は、鉄鋼製のベースリング2と、ベースリング2と別体の異種材製の複数のブロック状の摩擦材3とからなる。ベースリング2の内周の円錐面23に中心軸線方向に沿って円周方向に間隔を置いた複数の嵌合凹溝24を形成する。ベースリング2の複数の嵌合凹溝24に配設した複数のブロック状の摩擦材3にベースリング2の円錐面23よりも僅かに小さな曲率半径の円錐状摩擦面32を形成する。複数のブロック状の摩擦材3の円錐状摩擦面32を被同期相手側の摩擦面に押し付けることで、摩擦材3の円錐状摩擦面32と被同期相手側の摩擦面との間に摺動抵抗が発生し、回転体の減速を行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、特に、車両用変速機の同期装置や一般的な摩擦クラッチとして用いられる変速機(トランスミッション;T/M)用同期装置の円錐クラッチに関するものである。
従来、車両用変速機の同期装置などに用いる円錐摩擦面を備えた円錐クラッチ(シンクロナイザリング)としては、銅合金を鋳造して成形する工法が一般的であり、円錐摩擦面も銅合金で形成されている。
その他の工法としては、鉄鋼製のベースリングの円錐面に熱硬化性樹脂を射出して円錐摩擦面を形成する工法や、同じく鉄鋼製のベースリングの円錐面にモリブデン材を溶射して円錐摩擦面を形成する工法が実用化されている。
そして、鉄基合金のみの円錐クラッチの市場実績はなかった。
この理由として、鉄基材料は摩擦係数が非常に低く、且つ被同期相手側の円錐面(摩擦面)が同種材となることで、同種凝着または焼き付けを発生するため、現状では鉄基合金製の円錐クラッチは存在しない。
この理由として、鉄基材料は摩擦係数が非常に低く、且つ被同期相手側の円錐面(摩擦面)が同種材となることで、同種凝着または焼き付けを発生するため、現状では鉄基合金製の円錐クラッチは存在しない。
従来、歯車側円錐体と対応する円錐状内周面を有し、円錐状内周面に、その周方向にねじ状連続溝を刻設すると共にねじ状連続溝を欠除するための軸方向に延びる溝を形成したシンクロナイザリングが特許文献1に開示されている。
また、摩擦円錐面において軸方向に形成された油切り溝の周方向幅が、摩擦円錐面の小径側から大径側に向って増大した変速機の同期装置が特許文献2に開示されている。
また、同期リングの金属本体の円錐面に周方向等間隔に複数の軸方向の溝を設け、溝の部分が厚く他の部分は薄くかつ円錐面に対し均一になるように、各溝から周方向両側方へ延びる樹脂コーティング層を円錐面に一体に結合し、各樹脂コーティング層の周方向の端部相互間に隙間を備えた変速機用同期装置の同期リングが特許文献3に開示されている。
また、環状の金属製ベースリングの円錐面にシート状の摩擦材を貼付した自動車用変速機の同期装置などに用いる円錐クラッチが特許文献4に開示されている。
さらに、円錐摩擦面を備えたクラッチにおいて、鉄製のベースリングの円錐面に、円周方向の肉盛り層を軸方向に複数並べて異種金属を肉盛りしてなる円錐クラッチが特許文献5に開示されている。
実開平5−81538号公報
特開平7−119756号公報
実公平6−39156号公報
特開2002−235772号公報
特開2002−372070号公報
変速機の同期装置において、円錐クラッチは、円錐摩擦面を被同期相手側の摩擦面(円錐面)に押し付けることで、円錐摩擦面と被同期相手側の摩擦面との間に摺動抵抗を発生し、回転体の減速(同期作用)を行うものである。
しかし、同期作用時の摺動抵抗が大きい場合、摺動抵抗が摩擦熱となり、変速機の温度(油温も含む)を上昇させる結果になる。
しかし、同期作用時の摺動抵抗が大きい場合、摺動抵抗が摩擦熱となり、変速機の温度(油温も含む)を上昇させる結果になる。
一般的な銅合金製の円錐クラッチの場合、同期作用時の摩擦熱によって被同期相手側の円錐面(鉄基合金)との熱膨張率の違いから、銅合金の方の直径変化が大きくなってしまう。
このため、内側に摩擦面を有する銅合金製の円錐クラッチでは、熱膨張が実質的に摩擦面が磨耗したのと同じ作用となり、その分、円錐クラッチとしての寿命が短くなってしまう。
このため、内側に摩擦面を有する銅合金製の円錐クラッチでは、熱膨張が実質的に摩擦面が磨耗したのと同じ作用となり、その分、円錐クラッチとしての寿命が短くなってしまう。
また、鉄鋼製のベースリングを介して熱硬化性樹脂を射出したり、モリブデン材を溶射して摩擦面を形成した円錐クラッチでは、摩擦熱に対するポテンシャルはあるものの、熱硬化性樹脂の射出の場合、射出時のライナ部の除去や多量のバリを除去する必要があり、無駄になる材料比率が高い。
さらに、モリブデン材の溶射の場合も同様に、モリブデン材の価格が高価なことと、モリブデン材を溶射する際に、モリブデン材が飛散して無駄になる材料比率が高く、両者共製造コストが高いという問題がある。
さらに、モリブデン材の溶射の場合も同様に、モリブデン材の価格が高価なことと、モリブデン材を溶射する際に、モリブデン材が飛散して無駄になる材料比率が高く、両者共製造コストが高いという問題がある。
ところが、特許文献1に開示されたシンクロナイザリングは、円錐状内周面に円周方向に刻設されたねじ状連続溝を欠除させる溝を、歯車側円錐体とねじ状連続溝とが摩擦係合する際の接触面積を、大径側より小径側の方が広くなるように形成し、単位面積当たりの面圧が大径側より小径側の方が小さくなり、シンクロナイザリングの円錐状内周面の小径側が歯車側円錐体に局所的に高荷重で押し当てられた場合にも、歯車側円錐体へのシンクロナイザリングの食い付き現象を防止するようにしたにすぎないものであった。
また、特許文献2に開示された変速機の同期装置は、シンクロナイザリングの油切り溝内に、磨耗粉や潤滑油の変質分が堆積しにくくして、同期作用時に摩擦円錐面から油切り溝への潤滑油の排出が常に良好となるようにしたにすぎないものであった。
また、特許文献3に開示された変速機用同期装置の同期リングは、熱収縮による樹脂コーティング層の亀裂や剥離を防止するのみのものであった。
また、特許文献4に開示された円錐クラッチは、金属製ベースリングの内周に形成された円錐面の全面にシート状の摩擦材を貼付するので、多量の摩擦材が必要であった。
さらに、特許文献5に開示された円錐クラッチは、肉盛りを施工後、肉盛り層の表面を所定の円錐面に切削加工して円錐形状の摩擦面を形成するので、無駄になる材料比率が高かった。
そこで、本発明の目的は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、鉄鋼製のベースリングと別体の異種材製の摩擦材をブロック化したので、ベースリングの内周の円錐面の全面に摩擦材を設置する必要がなく、摩擦材の材料費を削減でき、従来の熱硬化性樹脂の射出やモリブデン材の溶射のような円錐状摩擦面の製作工程時の摩擦材の材料損失が少なく、製造コストが安価となり、多種多様の摩擦材の選択が可能で、少量の摩擦材で安定した摩擦性能と長寿命の変速機用同期装置の円錐クラッチを提供することにある。
本発明の変速機用同期装置の円錐クラッチは、摩擦トルクを被同期相手側摩擦面に伝達するための円錐状の摩擦面を備えた変速機用同期装置の円錐クラッチにおいて、鉄鋼製のベースリングと、前記ベースリングと別体の異種材製の複数のブロック状の摩擦材とからなり、前記ベースリングの内周に中心軸線方向に一端から他端に向って縮径する円錐面を形成し、前記ベースリングの円錐面に中心軸線方向に沿って円周方向に所定の間隔を置いた前記ブロック状の摩擦材を嵌合する複数の嵌合凹溝を形成し、前記ベースリングの複数の嵌合凹溝に前記複数のブロック状の摩擦材をそれぞれ配設し、前記複数のブロック状の摩擦材に前記ベースリングの円錐面よりも僅かに小さな曲率半径の円錐状摩擦面をそれぞれ形成したことを特徴とする構成を有するものである。
上記に記載の本発明によれば、摩擦材をブロック化することにより、従来の熱硬化性樹脂の射出やモリブデン材の溶射のような円錐状摩擦面の製作工程時の摩擦材の材料損失が少ない。
また、個々のブロック状の摩擦材の両側面と円錐状摩擦面との角がエッジ効果を促し、ブロック状の摩擦材がブレーキ機能としての役割も果たすことができる。
また、個々のブロック状の摩擦材の両側面と円錐状摩擦面との角がエッジ効果を促し、ブロック状の摩擦材がブレーキ機能としての役割も果たすことができる。
本発明の変速機用同期装置の円錐クラッチは、上記鉄鋼製のベースリングが、上記嵌合凹溝の両側に他端から一端に向って拡開する互いに反対方向に傾斜したテーパ面を形成されている。
上記に記載の本発明によれば、鉄鋼製のベースリングの円錐面の嵌合凹溝は、その両側に他端から一端に向って拡開する互いに反対方向に傾斜したテーパ面を形成してあり、ベースリングの嵌合凹溝のテーパ面がブロック状の摩擦材の抜け防止の役割を果たしているので、ブロック状の摩擦材のベースリングの円錐面の嵌合凹溝への固定は安価な接着剤が使用可能である。
本発明の変速機用同期装置の円錐クラッチは、上記ブロック状の摩擦材が、セラミック,カーボンコンポジット,ガラスなどの材料よりなる。
上記に記載の本発明によれば、円錐クラッチの摩擦材として、セラミック,カーボンコンポジット,ガラスなどの多種多様の新素材を容易に使用することができ、摩擦材は要求する性能に合わせて材料を自由に選択することができる。
本発明の変速機用同期装置の円錐クラッチは、上記ブロック状の摩擦材が、両側に互いに反対方向に傾斜した上記ベースリングの嵌合凹溝のテーパ面に係合するサイドテーパ面を形成されている。
上記に記載の本発明によれば、ブロック状の摩擦材のサイドテーパ面がベースリングの嵌合凹溝のテーパ面に係合するので、ブロック状の摩擦材がベースリングの嵌合凹溝に対してガタ付いたり動くおそれがない。
本発明の変速機用同期装置の円錐クラッチは、上記ブロック状の摩擦材が、上記ベースリングの嵌合凹溝に耐熱接着剤により固定されている。
上記に記載の本発明によれば、ブロック状の摩擦材をベースリングの嵌合凹溝に耐熱接着剤で固定したので、ブロック状の摩擦材が摩擦熱によりベースリングの嵌合凹溝から剥離して脱落することもない。
以上に述べたように、本発明によれば、鉄鋼製のベースリングと別体の異種材製の摩擦材をブロック化したので、ベースリングの内周の円錐面の全面に摩擦材を設置する必要がなく、摩擦材の材料費を削減でき、従来の熱硬化性樹脂の射出やモリブデン材の溶射のような円錐状摩擦面の製作工程時の摩擦材の材料損失が少なく、製造コストが安価となり、多種多様の摩擦材の選択が可能で、少量の摩擦材で安定した摩擦性能と長寿命の変速機用同期装置の円錐クラッチを得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して詳細に説明する。
本発明の変速機用同期装置の円錐クラッチとなるシンクロナイザ(同期)リング1は、摩擦トルクを図示しない被同期相手側(被同期歯車)の摩擦面(テーパコーン部)に伝達するための円錐状の摩擦面を備えている。
本発明のシンクロナイザリング1は、鉄鋼製のベースリング2と、ベースリング2と別体の異種材製の複数のブロック状の摩擦材3とからなり、ベースリング2の内周に中心軸線方向に一端20aから他端20bに向って縮径する円錐面23を形成し、ベースリング2の円錐面23に中心軸線方向に沿って円周方向に所定の間隔を置いたブロック状の摩擦材3を嵌合する複数の嵌合凹溝24を形成し、ベースリング2の複数の嵌合凹溝24に複数のブロック状の摩擦材3をそれぞれ配設し、複数のブロック状の摩擦材3にベースリング2の円錐面23よりも僅かに小さな曲率半径の円錐状摩擦面32をそれぞれ形成する。
本発明のシンクロナイザリング1は、鉄鋼製のベースリング2が、嵌合凹溝24の両側に他端20bから一端20aに向って拡開する互いに反対方向に傾斜したテーパ面25,25を形成されている。
本発明のシンクロナイザリング1は、ブロック状の摩擦材3が、セラミック,カーボンコンポジット,ガラスなどの材料よりなる。
本発明のシンクロナイザリング1は、ブロック状の摩擦材3が、両側に互いに反対方向に傾斜したベースリング2の嵌合凹溝24のテーパ面25,25に係合するサイドテーパ面31,31を形成されている。
本発明のシンクロナイザリング1は、ブロック状の摩擦材3が、ベースリング2の嵌合凹溝24に耐熱接着剤により固定されている。
図1は、本発明に係る実施例の変速機用同期装置の円錐クラッチの正面図、図2は、図1の線A−A切断矢視図、図3は、図2の要部拡大図、図4は、図1のZ方向矢視図である。
シンクロナイザリング1は、図1に示すように、鉄鋼製のベースリング2と、鉄鋼製のベースリング2と別体の異種材であるカーボンコンポジット製の6つのブロック状の摩擦材3とからなる。
シンクロナイザリング1は、図1に示すように、鉄鋼製のベースリング2と、鉄鋼製のベースリング2と別体の異種材であるカーボンコンポジット製の6つのブロック状の摩擦材3とからなる。
シンクロナイザリング1の鉄鋼製のベースリング2は、図1に示すように、環状のリング本体20を有し、ベースリング2のリング本体20の一端部の外周には、図2及び図3に示すように、外方に向って張出したフランジ21が形成されると共に、ベースリング2のフランジ21の外周には外方に向って突出した複数のスプライン22が形成されている。
ベースリング2のリング本体20の内周には、図1及び図2に示すように、一端20aから他端20bに向って縮径する所定のテーパ角度の円錐面23が形成されると共に、ベースリング2のリング本体20の円錐面23には中心軸線方向に沿って円周方向に所定の間隔を置いた6箇所にブロック状の摩擦材3を嵌合するための嵌合凹溝24がそれぞれ形成され、ベースリング2のリング本体20の嵌合凹溝24の両側には、図4に示すように、他端20bから一端20aに向って拡開する互いに反対方向に傾斜したブロック状の摩擦材3の抜け防止用の10度のテーパ角度のテーパ面25,25がそれぞれ形成され、ベースリング2のリング本体20の嵌合凹溝24は一端20a側の溝幅W1が他端20b側の溝幅W2よりも大きくなっている。
また、ベースリング2のリング本体20の内周に形成された円錐面23は、一端20a側の内径が他端20b側の内径よりも大きくなっている。
ベースリング2のリング本体20の円錐面23に形成された6つの嵌合凹溝24には、図1及び図2に示すように、ブロック状の摩擦材3がそれぞれ配置され、シンクロナイザリング1の摩擦材3は、ブロック本体30を有し、摩擦材3のブロック本体30の両側には、図4に示すように、互いに反対方向に傾斜したベースリング2の嵌合凹溝24のテーパ面25,25に係合するサイドテーパ面31,31がそれぞれ形成されると共に、摩擦材3のブロック本体30の内側には被同期相手側(被同期歯車)のテーパコーン部(摩擦面)に接触する円錐状摩擦面32が形成され、ブロック状の摩擦材3はベースリング2のリング本体20の円錐面23に形成された嵌合凹溝24に耐熱接着剤などにより固定されている。
また、シンクロナイザリング1の複数の摩擦材3の円錐状摩擦面32には螺旋溝(図示せず)または円周溝(図示せず)が形成されている。
ブロック状の摩擦材3は、要求する性能に合わせて材料を選考する。
本実施例の場合、摩擦材3の材料にはカーボンコンポジットを使用している。
本実施例の場合、摩擦材3の材料にはカーボンコンポジットを使用している。
次に、本発明に係る実施例の変速機用同期装置の円錐クラッチの円錐状摩擦面を形成する工法について説明する。
まず、ブロック状の摩擦材3をシンクロナイザリング1の鉄鋼製のベースリング2のリング本体20の円錐面23の嵌合凹溝24に設置する際に、カーボンコンポジット製の6つのブロック状の摩擦材3を鉄鋼製のベースリング2のリング本体20の円錐面23に形成された6箇所の嵌合凹溝24に耐熱接着剤などで固定する。
まず、ブロック状の摩擦材3をシンクロナイザリング1の鉄鋼製のベースリング2のリング本体20の円錐面23の嵌合凹溝24に設置する際に、カーボンコンポジット製の6つのブロック状の摩擦材3を鉄鋼製のベースリング2のリング本体20の円錐面23に形成された6箇所の嵌合凹溝24に耐熱接着剤などで固定する。
次いで、鉄鋼製のベースリング2の円錐面23の6箇所の嵌合凹溝24に設置した6つの摩擦材3のブロック本体30の内側表面に切削加工または研磨加工を施して指定の円錐形状の円錐状摩擦面32を形成する。
この際に、摩擦材3のブロック本体30の指定の円錐形状の円錐状摩擦面32の加工と平行して、摩擦材3のブロック本体30の円錐状摩擦面32に螺旋溝(図示せず)または円周溝(図示せず)を形成する。
これは、摩擦材3のブロック本体30の円錐状摩擦面32に螺旋溝または円周溝を形成することにより、シンクロナイザリング1が円錐クラッチとして作用する際に、摩擦材3の円錐状摩擦面32に形成した螺旋溝または円周溝が潤滑油膜を切って、いわゆる境界潤滑状態にして円錐状摩擦面32における摩擦係数を高める効果がある。
これは、摩擦材3のブロック本体30の円錐状摩擦面32に螺旋溝または円周溝を形成することにより、シンクロナイザリング1が円錐クラッチとして作用する際に、摩擦材3の円錐状摩擦面32に形成した螺旋溝または円周溝が潤滑油膜を切って、いわゆる境界潤滑状態にして円錐状摩擦面32における摩擦係数を高める効果がある。
また、個々のブロック状の摩擦材3のサイドテーパ面31,31と円錐状摩擦面32との角がエッジ効果を促し、ブロック状の摩擦材3がブレーキ機能としての役割も果たしている。
変速機の同期装置においてシンクロナイザリング1は、複数のブロック状の摩擦材3の円錐状摩擦面32を同時に被同期相手側(被同期歯車)のテーパコーン部(摩擦面)に押し付けることで、ブロック状の摩擦材3の円錐状摩擦面32と被同期相手側の摩擦面との間に摺動抵抗を発生させ、回転体の減速(同期作用)を行う。
本発明のシンクロナイザリング1では、摩擦材3をブロック化することにより、従来の熱硬化性樹脂の射出やモリブデン材の溶射のような円錐状摩擦面32の製作工程時の摩擦材3の材料損失が少ない。
また、本発明のシンクロナイザリング1では、円錐クラッチの摩擦材3として、セラミック,カーボンコンポジット,ガラスなどの多種多様の新素材を容易に使用できる。
さらに、本発明のシンクロナイザリング1では、鉄鋼製のベースリング2の円錐面23の嵌合凹溝24は、その両側に他端20bから一端20aに向って拡開する互いに反対方向に傾斜したテーパ面25,25を形成してあり、ベースリング2の嵌合凹溝24に形成したテーパ面25,25がブロック状の摩擦材3の抜け防止の役割を果たしているので、ブロック状の摩擦材3のベースリング2の円錐面23の嵌合凹溝24への固定は安価な接着剤が使用可能である。
1 シンクロナイザリング(円錐クラッチ)
2 鉄鋼製のベースリング
3 ブロック状の摩擦材
20 リング本体
20a 一端
20b 他端
21 フランジ
22 スプライン
23 円錐面
24 嵌合凹溝
25 テーパ面
30 ブロック本体
31 サイドテーパ面
32 円錐状摩擦面
W1 溝幅
W2 溝幅
2 鉄鋼製のベースリング
3 ブロック状の摩擦材
20 リング本体
20a 一端
20b 他端
21 フランジ
22 スプライン
23 円錐面
24 嵌合凹溝
25 テーパ面
30 ブロック本体
31 サイドテーパ面
32 円錐状摩擦面
W1 溝幅
W2 溝幅
Claims (5)
- 摩擦トルクを被同期相手側摩擦面に伝達するための円錐状の摩擦面を備えた変速機用同期装置の円錐クラッチにおいて、
鉄鋼製のベースリングと、前記ベースリングと別体の異種材製の複数のブロック状の摩擦材とからなり、前記ベースリングの内周に中心軸線方向に一端から他端に向って縮径する円錐面を形成し、前記ベースリングの円錐面に中心軸線方向に沿って円周方向に所定の間隔を置いた前記ブロック状の摩擦材を嵌合する複数の嵌合凹溝を形成し、前記ベースリングの複数の嵌合凹溝に前記複数のブロック状の摩擦材をそれぞれ配設し、前記複数のブロック状の摩擦材に前記ベースリングの円錐面よりも僅かに小さな曲率半径の円錐状摩擦面をそれぞれ形成したことを特徴とする変速機用同期装置の円錐クラッチ。 - 上記鉄鋼製のベースリングは、上記嵌合凹溝の両側に他端から一端に向って拡開する互いに反対方向に傾斜したテーパ面が形成されている請求項1に記載の変速機用同期装置の円錐クラッチ。
- 上記ブロック状の摩擦材は、セラミック,カーボンコンポジット,ガラスなどの材料よりなる請求項1に記載の変速機用同期装置の円錐クラッチ。
- 上記ブロック状の摩擦材は、両側に互いに反対方向に傾斜した上記ベースリングの嵌合凹溝のテーパ面に係合するサイドテーパ面が形成されている請求項1に記載の変速機用同期装置の円錐クラッチ。
- 上記ブロック状の摩擦材は、上記ベースリングの嵌合凹溝に耐熱接着剤により固定されている請求項1に記載の変速機用同期装置の円錐クラッチ。
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