JP2005155699A - 電磁クラッチ - Google Patents

電磁クラッチ

Info

Publication number
JP2005155699A
JP2005155699A JP2003392234A JP2003392234A JP2005155699A JP 2005155699 A JP2005155699 A JP 2005155699A JP 2003392234 A JP2003392234 A JP 2003392234A JP 2003392234 A JP2003392234 A JP 2003392234A JP 2005155699 A JP2005155699 A JP 2005155699A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
friction
peripheral edge
friction surface
armature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003392234A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Adachi
徹 足立
Nobunao Tsuchida
信直 土田
Masao Uno
昌夫 宇野
Takeshi Araki
剛 荒木
Takahiro Hasegaki
隆博 葉瀬垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2003392234A priority Critical patent/JP2005155699A/ja
Publication of JP2005155699A publication Critical patent/JP2005155699A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

【課題】初期の摩擦材の面粗さ、平面度のバラツキや、動力伝達・遮断(吸着・離脱)の繰り返しによる摩擦面の荒れ等により、吸着時にアマチュアとロータの片当たりが発生し、これに起因した摩擦係数の低下により、トルク確保が困難になることを抑制し、信頼性・商品性の高い電磁クラッチを提供するものである。
【解決手段】 摩擦材19をロータ6に備え、ロータ摩擦面8、アマチュア摩擦面11、摩擦材19に加工を施し、ロータ摩擦面8とアマチュア摩擦面11が確実に外周より吸着するようにしてトルク低下を抑制する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車用空調装置に付設される圧縮機への駆動力伝達の断続手段として用いられる電磁クラッチに関するものである。
従来、この種の電磁クラッチは、ロータの摩擦面に摩擦材を固着し、アマチュアとの接合によるトルク向上と、吸着音の低減を図ることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
図10、図11および図12は、特許文献1に記載された従来の電磁クラッチを示すものである。
図10に示すように、1は電磁力を発生させる励磁コイル、2はU字型断面形状の継鉄部材で、内部に励磁コイル1を樹脂材3にて固着し、側端面にフランジ4を溶接等により固定し、フランジ4を介して圧縮機フロントプレート5に固定されている。ロータ6は、エンジンにVベルトで連結され、ベアリング7により圧縮機フロントプレート5に回転自在に支持されている。ロータ6は、側端面に摩擦面8を形成し、この摩擦面とわずかな空間をおいて、このロータ6と同軸上にアマチュア9が配設されている。アマチュア9には、アマチュア板10として前記ロータ摩擦面8と摩擦接合する摩擦面11を形成している。一方、ハブ12を圧縮機主軸13に、スプライン14、ボルト15等により固定し、その外側に皿状のダンパーケース16を溶接固定し、ダンパーケース16内部に、内側をリベット17に加硫溶着したゴムダンパー18を圧入、リベット17を前記アマチュア板10に加締め固定してアマチュア9を構成している。
19は、環状の摩擦材で、ロータ9の摩擦面8に形成された環状の溝20に接着等により固定されている。また、図12に示すように、摩擦材19の表面19xは、ロータ摩擦面8より、ごく微少量x寸法だけ突出しており、吸引時アマチュア板10の摩擦面11が、ロータ摩擦面8が接合するより前に摩擦材19の表面19xと接合することにより、摩擦材のトルク向上させるとともに吸着音を低減させている。この突出量x寸法は、通常アマチュア9の吸引力により摩擦材19が圧縮変形し、零になる程度の寸法で、0.05から0.10mm程度である。
摩擦材19は、有機繊維、無機繊維を基材として、摩擦特性向上と耐摩耗性向上のための充填材、金属紛、黒鉛等を混合し、樹脂配合剤により、加熱成形されたもので、表面の摩擦係数が大きく、なおかつ耐摩耗性の優れたものが使用されている。
特許第2773600号公報
しかしながら、前記従来の構成では、初期の摩擦材の面粗さ、平面度加工のバラツキや、着脱繰り返しによる摩擦面の荒れ等により、吸着時にアマチュアとロータの片当たりが発生し、その結果、摩擦係数が低下し、トルク確保が困難になることがあった。
また吸着時に、アマチュアとロータが各摩擦面における内周側よりで吸着することがあり、コンプレッサの負荷トルクを受けきれず、トルク確保が困難になることがあった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、信頼性・商品性の高い電磁クラッチを提
供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、電磁クラッチを構成するロータとアマチュアの吸着が、前記ロータの摩擦面に設けた摩擦材の外周縁から行われるようにしたものである。
かかる構成とすることにより、ロータとアマチュアとの吸着が周速の早い外周縁側で真っ先に行われる。
また、本発明は、前記ロータとアマチュアの吸着が、前記ロータの摩擦面における外周縁から行われるように、前記ロータにおける摩擦面を、該摩擦面の最外周縁から中心に向かって窪む傾斜面としたものである。
かかる構成とすることにより、軸方向において中心部に進むにつれてアマチュアとロータの距離が徐々に大きくなるため、確実にロータとアマチュアの吸着が、前記ロータの摩擦面に設けた摩擦材の外周縁から行われる。
また、本発明は、前記ロータにおける摩擦面に設けた摩擦材の最外周縁の肉厚を、その内側に位置する外周縁の肉厚よりも厚くしたものである。
かかる構成によっても、上述の如く確実にロータとアマチュアの吸着(当接)が、前記ロータの摩擦面に設けた摩擦材の外周縁から行われる。
また、本発明は、前記ロータにおける摩擦面に設けた摩擦材が取り付けられる環状溝の深さを、外周縁側が内周縁側より浅くなるよう底部を傾斜させたものである。
かかる構成によっても、上述の如く確実にロータとアマチュアの吸着(当接)が、前記ロータの摩擦面に設けた摩擦材の外周縁から行われる。
さらに、本発明は、前記アマチュアの摩擦面を、該摩擦面の最外周縁から中心に向かって窪む傾斜面としたものである。
かかる構成とすることによっても、上述の如く確実にロータとアマチュアの吸着(当接)が、前記ロータの摩擦面に設けた摩擦材の外周縁から行われる。
さらに、本発明は、前記アマチュアにおける摩擦面の最外周縁の肉厚を、その内側に位置する外周縁の肉厚よりも厚くしたものである。
かかる構成によっても、上述の如く確実にロータとアマチュアの吸着(当接)が、前記ロータの摩擦面に設けた摩擦材の外周縁から行われる。
本発明の電磁クラッチは、ロータとアマチュアの吸着(当接)が、前記ロータの摩擦面に設けた摩擦材の外周縁から行われるように構成することにより、ロータとアマチュアを外周縁から確実に吸着させることで、初期の摩擦材の面粗さ、平面度のバラツキや、着脱繰り返しによる摩擦面の荒れ等により、吸着時にアマチュアとロータの片当たりが発生し、摩擦係数が低下し、トルク確保が困難になることを抑制できる。
また吸着時にアマチュアとロータが周速の早い外周側を確実に吸着させることで、電磁クラッチのトルクを向上できる。
その結果、信頼性・商品性の高い電磁クラッチを提供することができ、車両用空調装置等のように、頻繁に着脱が繰り返されるクラッチに適している。
本発明は、駆動源の動力が伝達され、かつ摩擦面に微少量突出した摩擦材を具備したロータと、電磁力を発生させる励磁コイルと、励磁コイルへの通電制御により、前記ロータに吸着及び離脱を繰り返すアマチュアを具備する電磁クラッチにおいて、前記アマチュアとロータの吸着時、前記ロータの摩擦面よりも先にアマチュアと前記ロータの摩擦面に設けた摩擦材の外周縁との当接が生じるものである。
これにより、ロータとアマチュアの吸着(当接)が、前記ロータの摩擦面に設けた摩擦材の外周縁側から行われるため、周速の早い外周縁側からの吸着となり、初期の摩擦材の面粗さ、平面度のバラツキや、着脱繰り返しによる摩擦面の荒れ等に起因したアマチュアとロータの片当たりが抑制でき、摩擦係数の低下、あるいはトルク確保不足といった課題が解決できる。
また、本発明は、前記ロータにおける摩擦面を、該摩擦面の最外周縁から中心に向かって窪む傾斜面状に形成、あるいは前記摩擦材の最外周縁の肉厚を、その内側に位置する外周縁の肉厚よりも厚くしたものである。
これにより、最外周縁からの吸着(当接)のために、複雑な構成・組立を必要とせず、加工作業で可能とし、圧縮機の大型化を招くこともない。
さらに、本発明は、前記アマチュアの摩擦面を、該摩擦面の最外周縁から中心に向かって窪む傾斜面状に形成、あるいは前記アマチュアにおける摩擦面の最外周縁の肉厚を、その内側に位置する外周縁の肉厚よりも厚くしたものである。
これによっても、最外周縁からの吸着(当接)のために、複雑な構成・組立を必要とせず、加工作業で可能とし、圧縮機の大型化を招くこともない。
さらに、本発明は、駆動源の動力が伝達され、かつ摩擦面に微少量突出した摩擦材を具備したロータと、電磁力を発生させる励磁コイルと、励磁コイルへの通電制御により、前記ロータに吸着及び離脱を繰り返すアマチュアを具備する電磁クラッチにおいて、前記ロータにおける摩擦材を除いた摩擦面の少なくとも一部を、該摩擦面の最外周縁から中心に向かって窪む傾斜面とし、さらに前記摩擦材の摩擦面を前記ロータの摩擦面と平行に配置したものである。
したがって、複雑な機構・組立を要することなく、ロータとアマチュアの吸着(当接)が、前記ロータの摩擦面に設けた摩擦材の外周縁側から行われるため、周速の早い外周縁側からの吸着となり、初期の摩擦材の面粗さ、平面度のバラツキや、着脱繰り返しによる摩擦面の荒れ等に起因したアマチュアとロータの片当たりが抑制でき、摩擦係数の低下、あるいはトルク確保不足といった課題が解決できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1乃至図4において、1は電磁力を発生させる励磁コイル、2はU字型断面形状の継鉄部材で、内部に前記励磁コイル1が樹脂材3にて固着されている。4は、前記継鉄部材2の側端面に溶接等により固定されたフランジで、前記継鉄部材2は、該フランジ4を介
して圧縮機フロントプレート5に固定されている。6はロータで、ベアリング7により圧縮機フロントプレート5に回転自在に支持されている。このロータ6は、外周にVベルト(図示せず)が張架され、該Vベルトを介してエンジンからの動力を受け、回転する。8は前記ロータ6の側端面に形成された摩擦面で、この摩擦面8とわずかな空間をおいて、このロータ6と同軸上にアマチュア9が配設されている。
前記アマチュア9は、アマチュア板10を具備し、該アマチュア板10における前記ロータ6の摩擦面8と対向する面に、前記摩擦面8と摩擦接合する摩擦面11を形成している。12は前記アマチュア板10を連結したハブで、圧縮機主軸13に、スプライン14、ボルト15等により固定されている。これにより、前記アマチュア板10は、圧縮機主軸13と一体となって回転する。16は前記ハブ12の外側に溶接等により設けられた皿状のダンパーケースで、このダンパーケース16の内部には、内側をリベット17に加硫溶着したゴムダンパー18が圧入され、リベット17を前記アマチュア板10に加締め固定することにより、アマチュア9が構成されている。19は環状の摩擦材で、ロータ6の摩擦面8に形成された環状の溝20に接着等により固定されている。
ここで、前記摩擦材19は、有機繊維、無機繊維を基材として、摩擦特性向上と耐摩耗性向上のための充填材、金属紛、黒鉛等を混合し、樹脂配合剤により、加熱成形されたもので、表面の摩擦係数が大きく、なおかつ耐摩耗性の優れたものが使用されている。
また、前記摩擦材19は、その表面19xが、図2に示すようにロータ摩擦面8よりごく微少量(x寸法)だけ突出して設けられている。
その結果、励磁コイル1による吸引時、アマチュア板10の摩擦面11が、ロータ摩擦面8と接合する前に摩擦材19の外周縁19aと接合する。
さらに、前記ロータ6の摩擦面8は、外周縁部8aが内周縁部8bより所定寸法Yの軸方向におけるアマチュア9側に位置するよう傾斜面状に形成されている。
具体的には、前記ロータ6の摩擦面8は、旋盤等により軸方向に窪むように切削研磨等にて形成される。したがって、この摩擦面8は、円錐台形状となっている。前記窪みの寸法Yとしては、0.06mmから0.10mmの範囲が好ましい。
また、前記ロータ6の摩擦面8に設けられた摩擦材19の突出寸法xは、励磁コイル1による吸引力によりアマチュア9がロータ6の摩擦面8に当接した時、圧縮変形して摩擦材19における突出寸法が零になる程度が好ましく、具体的には、0.001mmから0.03mmの範囲に設定されている。
上記構成において、ロータ6の回転状態において、励磁コイル1が通電されると、アマチュア板10がロータ6の摩擦面8に吸着され、ロータ6の回転が、アマチュア9を介して圧縮機主軸13に伝達され、圧縮機が駆動される。
ここで、前記アマチュア板10とロータ6の摩擦面8との吸着は、まずアマチュア板10の摩擦面11の外周縁11aがロータ6の摩擦面8に設けられた摩擦材19の外周縁19aに当接し、さらに励磁コイル1の吸着力によってアマチュア板10とロータ6の吸着が進み、摩擦材19も圧縮変形を生じ、その突出がほぼ零の状態となって、前記ロータ6の摩擦面8とアマチュア板10の摩擦面11との当接面積が最大の状態となる。この状態で、ロータ6の回転がアマチュア板10へ伝達され、圧縮機が駆動される。
したがって、電磁クラッチにおける動力伝達時は、ロータ6とアマチュア9の関係にお
いて、周速の早い外周側を確実に吸着させる。その結果、初期の摩擦材19の面粗さ、平面度のバラツキや、動力伝達・遮断(吸着・離脱)の繰り返しによる摩擦面の荒れ等により、吸着時にアマチュア9とロータ6の片当たりが発生し、摩擦係数が低下し、トルク確保が困難になることが抑制できる。
さらに、吸着時にアマチュア9とロータ6が周速の早い外周側を確実に吸着させることで、電磁クラッチの伝達トルク特性が向上できる。
(実施の形態2)
図5は、ロータ6における摩擦面8の窪み加工形成を行わずに同様の作用効果を得る構成である。
同図において、ロータ6における摩擦面8は、圧縮機主軸13に対してほぼ直角に形成されている。また、環状の溝20は、ロータ6の摩擦面8と平行に形成され、その溝20内には、先の実施の形態1と同様に摩擦材30が、前記溝20から突出して設けられている。
前記摩擦材30は、断面が台形に形成されており、外周縁30aが内周縁30bよりも大きく突出している。この突出寸法x1は、先の実施の形態1と同様に、前記アマチュア9との吸引圧着力による摩擦材30の圧縮変形を考慮し、圧縮変形時の摩擦材30における突出寸法が零になる程度の寸法で、0.001mmから0.030mm程度としている。この場合は、ロータ6とアマチュア9が吸着、当接すると、外周縁部30aの圧縮変形量が内周縁部30bよりも大きいため、その変形の逃げとして環状の溝20の外周側との間にクリアランスを少し設ければよい。
かかる構成においても、電磁クラッチにおける動力伝達は、ロータ6とアマチュア9の関係において、まずアマチュア板10と摩擦材30の外周縁部30aとの当接から始まり、さらに吸着が進むことによってロータ6の摩擦面8とアマチュア板10の摩擦面11との当接となり、最大の摩擦面積で動力の伝達が行われる。
したがって、周速の早い外周側を確実に吸着させることができ、その結果、吸着時におけるアマチュア9とロータ6の片当たりも抑制でき、摩擦係数の低下に起因したトルク確保困難も抑制できる。
また、かかる構成によれば、先の実施の形態1と比較してロータ6の摩擦面8に加工を施さなくてよいため、加工コストの低減化が図れる。
なお、先の実施の形態1と同じものについては、同じ符号を付し、説明を省略する。
(実施の形態3)
図6は、先の実施の形態2における摩擦材30の台形成形加工に代え、環状の溝40に加工を施した構成である。
同図において、環状の溝40は、その底部深さが外周へ進むにつれ、徐々に浅く形成されている。そして、摩擦材19は、先の実施の形態1と同じ形状(断面長方形)のものである。
したがって、前記摩擦材19は、前記環状の溝40の底部に沿って溝40内に配置されるため、溝40の底部とは平行でありながら、外周縁部40aの方が内周縁部40bよりその突出寸法xは大きい。
この突出寸法xは、先の実施の形態1と同様に、前記アマチュア9との吸引圧着力による摩擦材19の圧縮変形を考慮し、圧縮変形時の摩擦材19における突出寸法が零になる程度の寸法で、0.001mmから0.030mmの範囲程度としている。
この場合は、ロータ6とアマチュア9が吸着、当接すると、外周縁部19aの圧縮変形量が内周縁19bよりも大きいが、その変形の逃げは、溝40の底面の傾きにより、環状の溝40の外周側面と摩擦材19の外周側面の間に形成されるクリアランス40cによって吸収される。
かかる構成においても、電磁クラッチにおける動力伝達は、ロータ6とアマチュア9の関係において、まずアマチュア板10と摩擦材19の外周縁19aとの当接から始まり、さらに吸着が進むことによってロータ6の摩擦面8とアマチュア板10の摩擦面11との当接となり、最大の摩擦面積で動力の伝達が行われる。
したがって、この実施の形態においても,周速の早い外周側を確実に吸着させることができ、その結果、吸着時におけるアマチュア9とロータ6の片当たりも抑制でき、摩擦係数の低下に起因したトルク確保困難も抑制できる。
なお、先の実施の形態1と同じものについては、同じ符号を付し、説明を省略する。
(実施の形態4)
図7は、先の実施の形態1とは逆に、アマチュア9におけるアマチュア板10の摩擦面111を加工したものである。
すなわち、前記アマチュア板10の摩擦面111は、外周縁部111aが内周縁部111bより所定寸法Xの軸方向におけるロータ6側に位置するよう窪んだ傾斜面状に形成されている。
具体的には、前記摩擦面111は、旋盤等により軸方向に窪むように切削研磨等にて形成される。したがって、この摩擦面111は、円錐台形状となっている。前記窪みの寸法Xとしては、0.06mmから0.10mmの範囲が好ましい。
また、ロータ6の摩擦面8に設けられた摩擦材19の突出寸法xは、アマチュア板10における摩擦面111の外周縁部111aと内周縁部111bの窪み寸法Xと、前記アマチュア9との吸引圧着力による摩擦材19の圧縮変形を考慮し、圧縮変形時の摩擦材19における突出寸法が零になる程度の寸法で、0.001mmから0.030mm程度としている。
かかる構成においても、電磁クラッチにおける動力伝達は、ロータ6とアマチュア9の関係において、まずアマチュア板10と摩擦材19の外周縁部19aとの当接から始まり、さらに吸着が進むことによってロータ6の摩擦面8とアマチュア板10の摩擦面111との当接となり、最大の摩擦面積で動力の伝達が行われる。
したがって、この実施の形態においても,周速の早い外周側を確実に吸着させることができ、その結果、吸着時におけるアマチュア9とロータ6の片当たりも抑制でき、摩擦係数の低下に起因したトルク確保困難も抑制できる。
なお、先の実施の形態1と同じものについては、同じ符号を付し、説明を省略する。
(実施の形態5)
図8は、先の実施の形態4と同様に、アマチュア9におけるアマチュア板10の摩擦面112を加工したものである。
すなわち、前記アマチュア板10の摩擦面112は、その外周縁部112aのみが所定寸法Xの軸方向におけるロータ6側に位置するよう短い傾斜面状に形成されている。
具体的には、前記摩擦面112は、アマチュア板10の加工前は、外周縁部が若干厚肉に形成されており、旋盤等によりその外周縁部112aのみが軸方向に傾斜を持つように切削研磨等にて形成される。前記窪み寸法Xとしては、0.06mmから0.10mmの範囲が好ましい。
また、ロータ6の摩擦面8に設けられた摩擦材19の突出寸法xは、前記アマチュア板10の摩擦面112の外周縁部112aと内周縁部112bによる窪み寸法Xと、前記アマチュア9との吸引圧着力による摩擦材19の圧縮変形を考慮し、圧縮変形時の摩擦材19における突出寸法が零になる程度の寸法で、0.001mmから0.030mm程度としている。
かかる構成においても、電磁クラッチにおける動力伝達は、ロータ6とアマチュア9の関係において、まず摩擦材19の外周縁部19aとアマチュア板10の摩擦面112における外周縁112aとの当接から始まり、さらに吸着が進むことによってロータ6の摩擦面8とアマチュア板10の摩擦面112との当接となり、最大の摩擦面積で動力の伝達が行われる。
したがって、この実施の形態においても,周速の早い外周側を確実に吸着させることができ、その結果、吸着時におけるアマチュア9とロータ6の片当たりも抑制でき、摩擦係数の低下に起因したトルク確保困難も抑制できる。
なお、先の実施の形態1と同じものについては、同じ符号を付し、説明を省略する。
(実施の形態6)
図9は、先の実施の形態1と実施の形態4を、ロータ6側及びアマチュア9側に施したものである。
すなわち、ロータ6の摩擦面8は、外周縁部8aが内周縁部8bより所定寸法Yの軸方向におけるアマチュア9側に位置するよう傾斜面状に形成されている。
具体的には、前記ロータ6の摩擦面8は、旋盤等により軸方向に窪むように切削研磨等にて形成される。したがって、この摩擦面は、円錐台形状となっている。前記窪みの寸法Yとしては、0.06mmから0.10mmの範囲が好ましい。
さらに、前記アマチュア板10の摩擦面111は、外周縁部111aが内周縁部111bより所定寸法Xの軸方向におけるロータ6側に位置するよう傾斜面状に形成されている。
具体的には、前記摩擦面111は、旋盤等により軸方向に窪むように切削研磨等にて形成される。したがって、この摩擦面111は、円錐台形状となっている。前記窪みの寸法Xとしては、0.06mmから0.10mmの範囲が好ましい。
また、ロータ6の摩擦面8に設けられた摩擦材19の突出寸法xは、前記ロータ6にお
ける摩擦面8の外周縁8aと内周縁8bによる窪み寸法Yと、アマチュア板10の摩擦面111における外周縁部111aと内周縁部111bによる窪み寸法Xと、前記アマチュア9との吸引圧着力による摩擦材19の圧縮変形を考慮し、摩擦材19における圧縮変形時の突出寸法が零になる程度の寸法で、0.001mmから0.030mm程度としている。
かかる構成においても、電磁クラッチにおける動力伝達は、ロータ6とアマチュア9の関係において、まず摩擦材19の外周縁部19aとアマチュア板10の摩擦面111における外周縁部111aとの当接から始まり、さらに吸着が進むことによってロータ6の摩擦面8とアマチュア板10の摩擦面111との当接となり、最大の摩擦面積で動力の伝達が行われる。
したがって、この実施の形態においても,周速の早い外周側を確実に吸着させることができ、その結果、吸着時におけるアマチュア9とロータ6の片当たりも抑制でき、摩擦係数の低下に起因したトルク確保困難も抑制できる。
なお、先の実施の形態1と同じものについては、同じ符号を付し、説明を省略する。
上記各実施の形態について説明したが、本発明は、各実施の形態に限るものでなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせて実施することも可能である。
本発明の電磁クラッチは、例えば自動車用空調装置に付設される圧縮機への駆動力伝達を断続する電磁クラッチに限らず、モータ等の駆動源の動力を断続して負荷に伝達する電磁クラッチとしてその応用は広く、摩擦材を用いる電磁クラッチの摩擦面摩擦特性を向上させるのに有用である。
本発明の実施の形態1における電磁クラッチの縦断面図 同電磁クラッチにおけるロータとアマチュアの対向部の拡大断面図 同電磁クラッチにおけるロータの正面図 同電磁クラッチにおけるアマチュアの正面図 本発明の実施の形態2における電磁クラッチのロータとアマチュアの対向部の拡大断面図 本発明の実施の形態3における電磁クラッチのロータとアマチュアの対向部の拡大断面図 本発明の実施の形態4における電磁クラッチのロータとアマチュアの対向部の拡大断面図 本発明の実施の形態5における電磁クラッチのロータとアマチュアの対向部の拡大断面図 本発明の実施の形態6における電磁クラッチのロータとアマチュアの対向部の拡大断面図 従来例を示す電磁クラッチの縦断面図 同電磁クラッチにおけるアマチュアの正面図 同電磁クラッチにおけるロータとアマチュアの対向部の拡大断面図
符号の説明
1 励磁コイル
6 ロータ
8 ロータの摩擦面
8a 摩擦面8の外周縁部
8b 摩擦面8の内周縁部
9 アマチュア
10 アマチュア板
11 アマチュアの摩擦面
19 環状の摩擦材
19a 摩擦材19の外周縁部
19b 摩擦材19の内周縁部
19x 摩擦材19の表面
20 環状の溝
30 摩擦材
30a 摩擦材30の外周縁部
30b 摩擦材30の内周縁部
40 環状の溝
40a 溝40の外周縁部
40b 溝40の内周縁部
111 アマチュア板10の摩擦面
111a 摩擦面111の外周縁部
111b 摩擦面111の内周縁部
112 アマチュア板10の摩擦面
112a 摩擦面112の外周縁部
112b 摩擦面112の内周縁部


Claims (7)

  1. 駆動源の動力が伝達され、かつ摩擦面に微少量突出した摩擦材を具備したロータと、電磁力を発生させる励磁コイルと、励磁コイルへの通電制御により、前記ロータに吸着及び離脱を繰り返すアマチュアを具備する電磁クラッチにおいて、前記アマチュアとロータの吸着時、前記ロータの摩擦面よりも先に前記摩擦材の外周縁と前記アマチュアとの当接が生じる電磁クラッチ。
  2. 前記ロータにおける摩擦面を、該摩擦面の最外周縁から中心に向かって窪む傾斜面とした請求項1記載の電磁クラッチ。
  3. 前記ロータにおける摩擦面に設けた摩擦材の最外周縁の肉厚を、その内側に位置する外周縁の肉厚よりも厚くした請求項1または2記載の電磁クラッチ。
  4. 前記ロータにおける摩擦面に設けた摩擦材が取り付けられる環状溝の深さを、外周縁側が内周縁側より浅くなるよう底部を傾斜させた請求項1乃至3記載の電磁クラッチ。
  5. 前記アマチュアの摩擦面を、該摩擦面の最外周縁から中心に向かって窪む傾斜面とした請求項1乃至4記載の電磁クラッチ。
  6. 前記アマチュアにおける摩擦面の最外周縁の肉厚を、その内側に位置する外周縁の肉厚よりも厚くした請求項1乃至5記載の電磁クラッチ。
  7. 駆動源の動力が伝達され、かつ摩擦面に微少量突出した摩擦材を具備したロータと、電磁力を発生させる励磁コイルと、励磁コイルへの通電制御により、前記ロータに吸着及び離脱を繰り返すアマチュアを具備する電磁クラッチにおいて、前記ロータにおける摩擦材を除いた摩擦面の少なくとも一部を、該摩擦面の最外周縁から中心に向かって窪む傾斜面とし、さらに前記摩擦材の摩擦面を前記ロータの摩擦面と平行に配置した電磁クラッチ。

JP2003392234A 2003-11-21 2003-11-21 電磁クラッチ Pending JP2005155699A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003392234A JP2005155699A (ja) 2003-11-21 2003-11-21 電磁クラッチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003392234A JP2005155699A (ja) 2003-11-21 2003-11-21 電磁クラッチ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005155699A true JP2005155699A (ja) 2005-06-16

Family

ID=34719002

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003392234A Pending JP2005155699A (ja) 2003-11-21 2003-11-21 電磁クラッチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005155699A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009008140A (ja) * 2007-06-27 2009-01-15 Shinko Electric Co Ltd 電磁連結装置
JP2009008141A (ja) * 2007-06-27 2009-01-15 Shinko Electric Co Ltd 電磁連結装置及びその製造方法
JP2014156918A (ja) * 2013-02-18 2014-08-28 Jtekt Corp 摩擦部材及び電磁クラッチ
JP2016038094A (ja) * 2014-08-08 2016-03-22 株式会社ヴァレオジャパン 電磁クラッチ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009008140A (ja) * 2007-06-27 2009-01-15 Shinko Electric Co Ltd 電磁連結装置
JP2009008141A (ja) * 2007-06-27 2009-01-15 Shinko Electric Co Ltd 電磁連結装置及びその製造方法
JP2014156918A (ja) * 2013-02-18 2014-08-28 Jtekt Corp 摩擦部材及び電磁クラッチ
JP2016038094A (ja) * 2014-08-08 2016-03-22 株式会社ヴァレオジャパン 電磁クラッチ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2752897B2 (ja) 電磁連結装置
JP2005155699A (ja) 電磁クラッチ
JP2566289Y2 (ja) 圧縮機用電磁クラッチ
WO2019216070A1 (ja) 電磁クラッチ
JP2008095704A (ja) 電磁連結装置
JP4524668B2 (ja) 電磁クラッチ用カップリング
JP2009299720A (ja) 電磁クラッチ
JP2773600B2 (ja) 電磁クラッチ
KR101371629B1 (ko) 압축기용 전자클러치
JP4612544B2 (ja) 電磁クラッチ
JP6645415B2 (ja) 動力伝達装置
JP2013113382A (ja) 電磁クラッチ用カップリング
WO2015133085A1 (ja) 電磁クラッチ
JPH0624587Y2 (ja) 電磁クラッチ装置
KR101104280B1 (ko) 전자클러치의 디스크 및 허브 조립체
KR101499593B1 (ko) 전자클러치의 디스크 및 허브 어셈블리
JP2554076B2 (ja) 電磁クラツチ
JPS5923868Y2 (ja) 電磁クラッチ
JP6747399B2 (ja) 動力伝達装置
JP2005036847A (ja) 電磁クラッチ
JP2006077954A (ja) 電磁クラッチ
JPS6217431A (ja) 電磁クラツチ
JPH10184729A (ja) 電磁クラッチ
JPS60113825A (ja) 電磁スプリングクラッチ
JPH0432503Y2 (ja)