JP2005155613A - ガスタービン及びガスタービンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、任意のサイクルで設計されたガスタービンより異なるサイクルのガス
タービンを製造する場合に、タービンの信頼性を維持することである。
【解決手段】
圧縮機により圧縮される流体の流量を異ならしめるように、圧縮機の流路を形成するこ
とを特徴とする。
【効果】
本発明によれば、任意のサイクルで設計されたガスタービンより異なるサイクルのガス
タービンを製造する場合に、タービンの信頼性を維持することが可能になる。
【選択図】図1
Description
湿分空気と燃料とを混合燃焼させるガスタービンを製造する場合、タービンに供給する燃
焼ガスは加湿されているためタービン内の作動流体量が増大する。しかし、タービン出力
は変更できないため、圧縮機内の作動流体量を減少させる必要があった。
ける技術が開示されている。そして、この縦溝によって圧縮機流路の断面積を局部的に増
大させて、羽根前縁の近傍における空気流れの平均マッハ数を局部的に低くし、圧縮機効
率を増加させている。
率を増加させることが目的である。そのため、圧縮機内の作動空気量を減少させることは
考慮されていない。
タービンを製造する場合に、タービンの信頼性を維持することである。
とを特徴とする。
タービンを製造する場合に、タービンの信頼性を維持することが可能になる。
させてタービンを回転駆動させるガスタービンサイクル(高湿分利用サイクル)がある。
図11は、高湿分利用サイクルの系統図である。まず、高湿分利用サイクル内で圧縮機1
に吸い込まれた大気が湿分空気となり、最終的に外部に排ガスとして放出されるまでの流
れを説明する。混合器20は大気21に水22を噴霧し湿分空気5aを生成する。混合器
20において生成された湿分空気5aは圧縮機1で圧縮されるとともに、圧縮機1が生成
した圧縮空気はガスパス上に設けられた抽気孔で抽気される。圧縮機から抽気された高圧
空気23は、水回収装置24からの回収した水22と加湿器25からの回収水26とで冷却する冷却器27に供給される。冷却器27で冷却された高圧空気23は、冷却器27で加熱された水28と、給水加熱器29で加熱された水30とを用いて加湿器25で加湿される。加湿器25で加湿された湿分空気31は、タービン2からの排ガス32で過熱する再生器33に供給される。そして、再生器33は加湿器25から供給された湿分空気31を過熱して湿分空気34を生成し、燃焼器3に供給する。燃焼器3に供給された湿分空気34は、燃焼器3で燃料35と混合燃焼させる。そして、生成した燃焼ガス36はタービン2に供給され、タービン2を回転駆動させる。タービン2から排出された排ガス32は、再生器33で熱回収され、給水加熱器29に排ガス37として供給される。給水加熱器29は、排ガス37を熱回収した後の排ガス38を排ガス再加熱器39に供給する。排ガス再加熱器39から排出された排ガス40は、冷却水41で冷却し湿分を凝縮させて水分を回収する水回収装置24に供給される。そして、水回収装置24から排出された排ガス42を排ガス再加熱器39に戻すことで、外部に排出する排ガス43に白煙の発生を防止することが可能である。なお、圧縮機1とタービン2とは中間軸により連結され、タービン2により発生した軸動力を電力に変換する発電機4も圧縮機1の回転軸に連結されている。
24に水を供給するために、本ガスタービンプラントは水を補給する水タンク44を備え
る。水タンク44から供給される水は冷却器45に供給され、水が冷却される。水回収装
置24は、この冷却された冷却水41で排ガス再加熱器39から排出された排ガス40を
冷却し湿分を凝縮させて水分を回収する。また、水回収装置24から排出された水は再び
冷却器45に供給されるとともに、ガスタービンに供給するために水を前処理する水処理
装置46にも供給される。水処理装置46により処理された水22は、大気21に水22
を噴霧し湿分空気5aを生成する混合器20と、高圧空気23を冷却する冷却器27とに
供給される。そのため、混合器20に供給された水は湿分空気5aに注入され、圧縮機1
に供給される。一方、冷却器27に供給された水は冷却器27で加熱され、加熱された水
28が加湿器25に供給される。この加湿器25では冷却器27から供給された高圧空気
23に加湿するために水28を使用し、使用後の水は再び冷却器27に供給されるととも
に、給水加熱器29にも供給される。給水加熱器29では、再生器33で熱回収した後の
排ガス37を熱源とし加湿器25から排出された給水循環系の水30を加熱して加熱水を
生成する。この加熱水を加湿器25に供給する。このように加湿器25には、冷却器27
からだけではなく給水加熱器29からも加熱された水が加湿器25に供給されている。
する。そのため、シンプルサイクル用に設計されたガスタービン(ベース機)より高湿分
利用サイクル用のガスタービンを製造する場合、追加した湿分によりタービン流量が多く
なりガスタービン出力が増加する。ガスタービン出力が増加すると、軸受,軸系,発電機
などを変更する必要が生じる。またタービン流量が増加するため、タービンと中間軸で連
結された圧縮機も作動圧力比が上昇しサージマージンが減少する。なお圧縮機は吸込んだ
流体を昇圧する機械であり昇圧前後の圧力の比を圧力比と呼ぶ。そして、サージマージン
とはサージング現象が発生する圧力比と実際の運転点の圧力比との間の余裕のことである
。サージング現象とは、圧力比を上げていくと、ある圧力比において急に強い音響を伴う
圧力と流れの激しい脈動と機械の振動を引き起こし運転が不安定になる現象である。つま
り、ベース機における圧縮機の作動圧力比やガスタービン出力を大幅に変えずに、高湿分
利用サイクル用のガスタービンを製造する必要が生じる。
(大気21)を圧縮して高圧空気23を生成し、生成された圧縮空気を燃焼器3に流入させ、燃焼器3で燃料9と混合燃焼し、高温高圧の燃焼ガスを生成する。その燃焼ガス36は、タービン2に流入し、タービン2を回転駆動させて、タービン2に連結された発電機で発電する。このようなシンプルサイクルガスタービンにおけるタービンと圧縮機の流量バランスは、タービンの作動流量を100%とした場合、圧縮機の作動空気流量98%、燃焼器で供給される燃料流量2%となる。
方法として、圧縮機の前側段を削除又は追加する方法がある。例えば、作動流量を減らす
場合、圧縮機の前側段を削除する。しかし、圧縮機の作動圧力比を合わせるために後側段
を多数追加する必要があり、コストが増加するという問題がある。また、削除する前側段
の段数により作動流量は決定するため、高湿分利用サイクルで必要な作動流量に必ずしも
ならない。次に、圧縮機の途中段や吐出孔から抽気して、タービンに導入される作動流量
を減少させる方法が考えられる。しかし、動力を使って圧縮した作動流体を捨てることに
なるためガスタービン全体の熱効率が低下するという問題がある。また、圧縮機の途中段
から抽気すると抽気段前後におけるマッチングがずれて圧縮機効率が低下するという問題
もある。次に、スケールを変えるという方法もある。例えば、圧縮機の作動流量を減らす
場合、ベース機に対し流量減少分の平方根のスケールで圧縮機を製造すればよい。しかし
、この方法ではベース機と部品,図面の共有化ができないという問題がある。
サイクルのガスタービンプラントを示す。シンプルサイクルでは、空気5(流体)を圧縮
して吐出する圧縮機1,圧縮機1により圧縮された圧縮空気を燃焼用流体とし、この燃焼
用流体と燃料とを混合燃焼させる燃焼器3,燃焼器3の燃焼ガスにより回転駆動されるタ
ービン2を備える。発電用の場合、タービン2は連結された発電機4を回転させる。
ベース機より高湿分利用サイクル用のガスタービンを製造する場合について説明する。図
11に示すように、湿分を利用した高効率なサイクルである高湿分利用サイクルでは、圧
縮機1に供給する大気21に加湿した湿分空気5aを圧縮機1で圧縮する。次に、圧縮機
1から抽気された高圧空気23に湿分を加えた後、燃焼器3に導入する。既に設計された
ベース機より高湿分利用サイクル用のガスタービンを製造する場合、高圧空気23に追加
した湿分によりタービン2の作動流量が20%だけ増加する。そのため、ガスタービン出
力が増加し発電機4などを変更する必要が生じる。さらに、タービン2に増加した作動流
量を流すため、圧縮機1の作動圧力比が上昇しサージマージンが減少する。
実績のあるベース機をほぼそのまま流用することが望ましい。製造コストの観点でも、タ
ービン2は圧縮機1に比べて製造コストが高い。そのため、シンプルサイクル用に設計さ
れたベース機より高湿分利用サイクルを製造する場合、出来るだけタービン2を変更せず
圧縮機1の変更のみにすることが重要である。そこで圧縮機の作動圧力比やガスタービン
出力を大幅に変えないためには、タービン2に導入される燃焼ガス36の流量をベース機
からあまり変えないようにする必要がある。このため、圧縮機1の作動流量をベース機よ
り小さくする必要が生じる。そこで、本実施例のように圧縮機1の流路を通過する流体の
作動流量を減少させるように圧縮機1の流路を形成することで、タービン2を変更する必
要がなくなる。そのため、タービンの信頼性を維持したままで、湿分利用サイクル用のガ
スタービンを製造することが可能である。また、タービン2を一から設計する必要がない
ため、製造コストを抑えることもできる。
。通常、圧縮機の静翼と動翼とは複数段であるが、図1では中間部の静翼と動翼とは省略
している。そして、静翼と動翼とを省略した圧縮機流路を点線で表記する。図2は、圧縮
機1を回転軸方向から見た場合の図であり、図1のX−X断面図である。圧縮機1は、タ
ービン2と同じ回転軸で回転する圧縮機ロータと、その回転する圧縮機ロータに植設され
た動翼13と、動翼13の前後間に位置し外側のケーシングに固定された静翼14とで構
成される。そしてシンプルサイクル用に設計されたガスタービンをベース機とした場合、
流体である空気5が通過する圧縮機1の流路は圧縮機ロータの外周面である内面12とケ
ーシングの内周面である外面11aとで形成される。本実施例では、圧縮機1の入口にお
ける回転軸中心から内面12までの距離は550mmであり、圧縮機1の入口における回転
中心から外面11aまでの距離は315mmである。即ち、圧縮機1の流路は内面12と外
面11aとで形成された円環形状である。そして、本実施例ではシンプルサイクル用に設
計されたベース機における圧縮機1の流路断面積を0.14m2だけ減少させている。この
ように圧縮機の回転軸方向における流路断面積を減少させるために、本実施例では圧縮機
回転中心から外面11aまでの半径距離を42mmだけ減少させて外面11bに変更する。
圧縮機1の回転中心から外面11bまでの距離は508mmである。
ビンを製造する時の減少量aについて説明する。減少量aは、外面11aの圧縮機回転中
心からの半径距離を減少させることによる流路断面積の減少分が圧縮機1を流れる作動流
量の減少分と同程度になるように設定する。図10はシンプルサイクル用に設計されたベ
ース機より高湿分利用サイクル用のガスタービンを製造したときに、圧縮機1に流れる作
動流体流量と作動圧力比との関係を表している。なお、シンプルサイクル用に設計された
圧力比20の圧縮機1に流れる作動流体流量を1とする。高湿分利用サイクルにおいて、
ベース機と同じ圧力比では圧縮機1の作動流量が減少し、圧力比を大きくすると作動流量
が増加しベース機の作動流量に近づいている。本実施例では、前述のようにシンプルサイ
クルと高湿分利用サイクル間で圧縮機1の作動圧力比はほぼ同じである必要がある。圧縮
機の作動圧力比が増加すると圧縮機1のサージマージンが減少するという問題があるため
である。そのため、シンプルサイクル用に設計されたベース機より高湿分利用サイクル用
のガスタービンを製造する場合、圧縮機の作動流量はシンプルサイクルの0.78 倍にな
る。したがって、圧縮機の流路断面積も0.78 倍に設定する。この流路断面積の減少を
圧縮機回転軸方向から見た場合、シンプルサイクル用に設計された圧縮機の流路断面積は
円環形状の断面積Aだけ減少する。この減少分は、作動流体の減少分である0.22 に相
当する。以上より、
(高湿分利用サイクルの流体流量)/(シンプルサイクルの流体流量)
=(高湿分利用サイクルの流路断面積)/(シンプルサイクルの流路断面積)
=0.78 (式1)
の関係となる。したがって、圧縮機回転中心からの半径距離を減少させる減少量aはこの
流路面積の倍率と回転中心から内面までの寸法から決定できる。なお、製造するプラント
によってはベース機からの抽気量が変化する場合がある。しかし、圧縮機の作動流量の変
化も考慮して流路断面積を変化させるように圧縮機回転中心から外面11aまでの半径距
離を減少させる減少量aを決定するとよい。また、作動流量の変化があまり大きくない場
合は、後段側では減少量aが小さくてよく、外面を変えなくてもあまり影響がない場合が
ある。このような場合は、前段側のみ圧縮機回転中心から外面11aまでの半径距離を減
少させ後段側はベース機から変えなくて良い。
折点を設けた例である。なるべく線分を多くし、作動流量変化と流路断面積変化が段によ
りずれないことが望ましい。
11bとすることで、ロータなど内面側の部品を共用することが可能である。また、外面
側の部品であるケーシングはベース機と素材を共用し削り量を少なくすることで圧縮機の
作動流量を削減したガスタービンプラントに対応できる。そして、ベース機からの変更を
最小限に抑えることが可能である。また、圧縮機の内面と外面との距離を異ならしめるこ
とで圧縮機の作動空気量を変化させることができるため、高湿分利用サイクルに適した吸
込み流量を達成する圧縮機を新規に開発する必要がない。そして、圧縮機の変更を最小限
に抑えることが可能である。また、既に設計された実績ある圧縮機をベースとして利用し
て、図12のように作動範囲が狭く空力設計が困難な圧縮機の開発リスクを回避すること
が可能である。図12は、圧縮機の作動範囲が可能な領域を表した図である。横軸が流入
角を表し、縦軸が損失係数を表す。図より、損失係数が低く圧縮機を作動させることが可
能な作動範囲は非常に狭い区間であることが分かる。次に、一から開発する場合に比べ開
発コストを削減できる。さらに、ベース機の圧縮機と部品の共用を図ることが可能になる
。
は、シンプルサイクル用に設計されたベース機における圧縮機の静翼と動翼より高湿分利
用サイクル用のガスタービンを製造する場合の翼形状の変更方法である。本実施例では、
ベース機における圧縮機翼の一部を削除している。具体的には、圧縮機回転中心から外面
11aまでの半径距離を減少させて作動流量を削減する場合、図8のように動翼は外面側
の翼先端部分を削除し、静翼は外面側の翼付根部分を削除する。通常、タービンでは高温
の燃焼ガスが流通するため、タービン翼は精密鋳造で製造されている。そのため、翼形状
を変更すると、一から翼を設計しなおす必要がある。しかし、圧縮機の場合、圧縮機翼は
一つの部材を削り出して製造あるいは鍛造により製造している。そのため、翼の一部分を
削除するように製造することは比較的容易である。したがって、短時間にシンプルサイク
ル用の圧縮機翼を製造することが可能である。
ように変更することで、圧縮機の回転中心からの半径距離が等しいYにおいて、シンプル
サイクルの圧縮機翼断面と高湿分利用サイクルの圧縮機翼断面とがほぼ同じに保たれる。
圧縮機の回転中心からの半径距離が同じ位置で翼断面形状が異なるサイクル間で同じであ
れば、その断面において周速,速度三角形が同じになる。そのため、圧縮機の軸流速度が
同じになりその断面の流量が同じになる。つまり効率などの圧縮機性能はあまり変わらず
、削減・拡大した流路の分だけ流量を増減させることが可能である。
る場合の速度三角形を示す。軸流圧縮機は多段で構成され、各段は動翼と静翼で構成され
る。ある1つの翼の入口・出口において、絶対速度ベクトル15,相対速度ベクトル16
,周速ベクトル17を構成し、これら3つのベクトルで構成される三角形を速度三角形と
称する。ここでは簡単のため、吸込み温度が不変であり回転数が一定で周速も一定と仮定
して説明する。一般的に、軸流圧縮機では翼が作動する流入角の範囲は狭いため速度三角
形の形は大きく変わらない。このため、翼が同じで圧縮機回転中心からの半径距離も同じ
であれば、その断面において周速,速度三角形が同じになる。したがって、軸流速度が同
じになりその断面の流量が同じになる。実際は全段のマッチングにより各段の速度三角形
は調整され、全段がマッチングする流量で作動する。したがって、本実施例のように圧縮
機の吸込み流量をベース機から変更するためにベース機の流路を削減・拡大する方法では
、流路の大部分において翼がベース機と同じである。そのため、各断面の速度三角形がベ
ース機からずれないので、効率などの性能はあまり変わらず、削減・拡大した流路の分だ
け流量が増減させることが可能である。
ベース機の翼を調整して利用するのでもよい。例えば、翼の先端,付根付近の断面をねじ
ることにより2次流れを制御するなどである。また、本実施例では圧縮機回転中心から外
面11aまでの半径距離を減少させて流量を削減する場合、動翼の翼先端を削除している
。しかし、静翼は外面側の翼付根部分を削除するのではなく、翼付根からの形状を変更せ
ずに、内面側の翼先端部を減少量aだけ削除する方法も考えられる。しかしこの方法では
、動翼は圧縮機回転中心からの半径距離が等しい各断面がベース機と同じであるのに対し
て、静翼ではベース機と異なるため性能が低下する。なお、翼長が変化することで翼の固
有振動数が変化するため、共振回避設計を再度行う必要はある。
タービンを製造する場合もベース機より燃料流量が多くなる。そのため、ベース機に比べ
相対的に圧縮機流量よりタービン流量が多くなる。したがって、圧縮機の作動圧力比とガ
スタービン出力を大幅に変えないためには、タービン2の流量をベース機からあまり変え
ず、実施例1などの方法で圧縮機1の作動流体をベース機より小さくする必要が生じる。
機で昇圧し燃焼器3に入れるタイプの場合、シンプルサイクル用に設計されたガスタービ
ンをベース機とする場合、実施例1などの方法で圧縮機1の吸込み空気を減らすか、燃焼
器3へ再循環する量を減らす必要がある。燃焼器3へ再循環する量を減らす方法では、再
循環の効果が少なくなる。そのため、実施例1の方法が有効である。
の流路は点線で表記する。実施例2は実施例1と同様に任意のガスタービンサイクル用に
設計された圧縮機1,燃焼器3,タービン2を備えたベース機より異なるガスタービンサ
イクル用のガスタービンを製造する場合に、圧縮機1の作動流量を削減している。本実施
例では、圧縮機の回転中心から内面12aまでの半径距離をbだけ増加させて内面12b
とすることで圧縮機1の作動流量を削減している。この場合、圧縮機ロータなど内面側の
部品は共用できないが、ケーシングなど外面側の部品を共用することが可能である。
面までの半径距離を減少させたり、実施例2のように圧縮機の回転中心から内面までの半
径距離を増加させるのではなく、圧縮機の回転中心から外面までの半径距離を減少させる
と同時に圧縮機の回転中心から外面までの半径距離を増加させてもよい。内面又は外面の
片側のみで作動流量を削減する場合に比べ、圧縮機流路の内面,外面それぞれの変化量が
小さくなる。そのため、圧縮機流路壁による2次流れのベース機からの変化を小さくする
ことが可能である。なお、作動流量を削減させるため流路面積を削減するが、圧縮機の回
転中心から内面までの半径距離,圧縮機の回転中心から外面までの半径距離の両方を下げ
る方法もある。
の流路は点線で表記する。実施例3は実施例1と逆に任意のガスタービンサイクル用に設
計された圧縮機1,燃焼器3,タービン2を備えたベース機より異なるガスタービンサイ
クル用のガスタービンを製造する場合に、圧縮機1の作動流量を増加させている。そのた
め、本実施例では圧縮機の回転中心から外面11aまでの半径距離をcだけ増加させ、外面11bにすることで、圧縮機1の作動流量を増加させている。圧縮機流路を拡大した部分の動翼13bの周速が大きいため翼負荷が軽くなる効果があり、効率は若干上昇する。また、外面11b側の部品であるケーシングはベース機と素材を共用し削り量を多くすることで流量を増加したガスタービンに対応できる。そのため、ベース機からの変更は少ない。
せる場合が考えられる。この場合、本実施例のように圧縮機の回転中心から外面までの半
径距離を増加させることで、効率などの性能を変えずに圧縮機の作動流量を増加させるこ
とができる。
の流路は点線で表記する。実施例4は、実施例3と同様に圧縮機1の作動流量を増加する
場合の例であり、圧縮機の回転中心から内面12aまでの半径距離をdだけ減少させ内面12bにすることで圧縮機1の作動流量を増加させている。本実施例は、ケーシング11を共用する必要がありかつベース機のケーシングの厚みが少ないため実施例3の方法が採用できない場合にも、圧縮機1の作動流量を増加させることが可能である。
までの半径距離を増加させたり、実施例4のように圧縮機の回転中心から内面までの半径
距離を減少させるのではなく、圧縮機の回転中心から外面までの半径距離を増加させると
同時に圧縮機の回転中心から外面までの半径距離を減少させてもよい。内面又は外面のみ
で作動流量を増加させる場合に比べ、圧縮機流路の内面,外面それぞれの変化量が小さく
なる。そのため、圧縮機流路壁による2次流れのベース機からの変化は小さくなる。なお
、作動流量を増加させるため流路断面積を増加させるが、圧縮機の回転中心から内面まで
の半径距離,圧縮機の回転中心から外面までの半径距離の両方を減少させる方法もある。
この場合、圧縮機回転中心から外面までの半径距離のみを増加させる場合よりも半径距離
を更に増加させる必要があるが、平均周速が上がるので翼負荷が小さくなり効率を上昇さ
せることが可能である。
12には、回転する圧縮機ロータに植設された動翼13と、動翼13の前後間に位置し、圧縮機流路の外面11であるケーシングに固定された静翼14が取り付けられている。多段軸流圧縮機の段は、回転軸に取り付けられた1対の動翼13とケーシングに取り付けられた静翼14からなり、空気(大気)を吸入し、各段により空気を圧縮して、所定の圧力まで空気を圧縮し、高圧空気を生成する。
Claims (8)
- 任意のガスタービンサイクル用に設計された、静翼を固定するケーシングの内側で流体
を圧縮する圧縮機を備えたガスタービンであるベース機より、異なるガスタービンサイク
ル用のガスタービンを製造するガスタービンの製造方法であって、
前記圧縮機の流路を通過する流体の流量を異ならしめるように前記圧縮機の流路を形成
することを特徴とするガスタービンの製造方法。 - 任意のガスタービンサイクル用に設計された、静翼を固定するケーシングの内側で流体
を圧縮する圧縮機を備えたガスタービンであるベース機より、異なるガスタービンサイク
ル用のガスタービンを製造するガスタービンの製造方法であって、
前記圧縮機の流体の流路は、内面を圧縮機ロータの外周面とし、外面をケーシングの内
周面とし、
前記ベース機と比較して前記内面と外面との距離を異ならしめることを特徴とするガス
タービンの製造方法。 - 請求項2記載のガスタービンの製造方法であって、
前記圧縮機の回転軸方向における流路断面積を異ならしめることを特徴とするガスター
ビンの製造方法。 - 請求項2記載のガスタービンの製造方法であって、
前記圧縮機の回転軸中心から外面までの半径距離を減少又は増加させること、若しくは、前記圧縮機の回転軸中心から内面までの半径距離を減少又は増加させることを特徴とするガスタービンの製造方法。 - 請求項2記載のガスタービンの製造方法であって、
前記圧縮機の回転軸中心からの半径距離が等しい翼断面における速度三角形をほぼ等し
くさせることを特徴とするガスタービンの製造方法。 - 請求項2記載のガスタービンの製造方法であって、
前記圧縮機の回転軸中心から外面までの半径距離を減少させた減少量とほぼ同じ長さの
動翼先端部又は静翼付け根部を削除することを特徴とするガスタービンの製造方法。 - 任意のガスタービンサイクル用に設計された、静翼を固定するケーシングの内側で流体
を圧縮する圧縮機を備えたガスタービンであるベース機より、異なるガスタービンサイク
ル用のガスタービンを製造する時のガスタービンであって、
前記圧縮機の流体の流路は、内面を圧縮機ロータの外周面とし、外面をケーシングの内
周面とし、
前記ベース機と比較して前記圧縮機の回転方向に対する流路断面積の減少分が圧縮機を
流れる作動流量の減少分と同程度であることを特徴とするガスタービン。 - シンプルサイクル用に設計されたガスタービンの圧縮機から抽気する高圧空気を加湿した後、再生器を介して燃焼器に導入する高湿分利用サイクル用のガスタービンの製造方法であって、
前記加湿により燃焼器へ導入する空気流量の増大した分だけ、圧縮機の吸い込み流量を減少させることを特徴とする高湿分利用サイクル用のガスタービンの製造方法。
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