JP2005154851A - 無電解銅めっき液および無電解銅めっき方法 - Google Patents

無電解銅めっき液および無電解銅めっき方法 Download PDF

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Abstract

【課題】200nm以下の微細パターンをもつ半導体ウエハーのトレンチまたはビア内を欠陥なく埋め込むことが可能な無電解銅めっき液、または前処理液、およびそれを使用した無電解銅めっき方法を提供する。
【解決手段】重量平均分子量(Mw)1000以上、かつMw/Mn(Mn:数平均分子量)が1.2以下である浴可溶性ポリエーテル化合物を添加剤として含む無電解銅めっき液または無電解銅めっき用前処理剤、およびこれらを使用する無電解銅めっき方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、無電解銅めっき液およびそれを使用する無電解銅めっき方法に関するものであり、特に微細配線パターンをもつ半導体ウエハーのトレンチまたはビア内を欠陥なく埋め込むことが可能な無電解銅めっき液、およびそれを使用する無電解銅めっき方法に関するものである。
ダマシン法を用いた銅微細配線形成プロセスは、微細パターンが切られた層間絶縁膜に対し、スパッタリング法により極薄い窒化タンタル等のバリア層と銅シード層を成膜後、銅シード層を導電層とした電気銅めっきにより微細パターンを埋め込み、更にパターン部以外の余分な銅およびバリア層をCMP(Chemical Mechanical Polishing)により除外する方法が、現在一般に行われている。
しかし、配線の微細化が進むに連れ、スパッタリング法による銅シード層の微細パターン側壁への形成は困難となってきており、代替方法として無電解銅めっきによるシード層成膜、さらにはそれに続く微細パターンの埋め込みが期待されている。電気銅めっきによる微細配線パターンの埋め込みの場合、添加剤の作用によって銅の析出がトレンチまたはビアの底部から開口部に向かって起こるボトムアップ析出となり、ボイド・シームなどの欠陥のない埋め込みが可能となっている。しかし、無電解銅めっきにはめっき面の形状に依存せず均一に析出するという特徴があり、そのため微細パターン部の埋め込みまで無電解銅めっきで行おうとすると、どうしてもシームが発生してしまうという問題点があった。
本発明は、こうした状況の下に、200nm以下の微細パターンをもつ半導体ウエハーのトレンチまたビア内を欠陥なく埋め込むことが可能な無電解銅めっき液、または前処理液、およびそれを使用した無電解銅めっき方法を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、鋭意検討した結果、重量平均分子量(Mw)が大きくてかつ分子量分布が狭い範囲にある浴可溶性ポリエーテル化合物を添加剤として加えた無電解銅めっき液により無電解銅めっきを行うか、あるいは前記ポリエーテル化合物を含む溶液にあらかじめ被めっき物を浸漬した後、無電解銅めっきを行うことにより、200nm以下の微細配線パターンをもつ半導体ウエハーのトレンチまたはビア内を欠陥なく埋め込むことが可能となることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
(1)重量平均分子量(Mw)1000以上、かつMw/Mn(Mn:数平均分子量)が1.2以下である浴可溶性ポリエーテル化合物を添加剤として含む無電解銅めっき液、
(2)重量平均分子量(Mw)1000以上、かつMw/Mn(Mn:数平均分子量)が1.2以下である浴可溶性ポリエーテル化合物の溶液からなる無電解銅めっき用前処理剤、
(3)重量平均分子量(Mw)1000以上、かつMw/Mn(Mn:数平均分子量)が1.2以下である浴可溶性ポリエーテル化合物を添加剤として含む無電解銅めっき液を使用することを特徴とする無電解銅めっき方法、
(4)重量平均分子量(Mw)1000以上、かつMw/Mn(Mn:数平均分子量)が1.2以下である浴可溶性ポリエーテル化合物の溶液からなる無電解銅めっき用前処理剤に被めっき物を浸漬後、無電解銅めっきを行うことを特徴とする無電解銅めっき方法、
に関する。
本発明によれば、200nm以下の微細配線パターンをもつ半導体ウエハーのトレンチまたビア内をボイドやシーム等の欠陥を実質上発生することなく、埋め込むことができる。
本発明は、無電解銅めっき液において、重量平均分子量(Mw)1000以上、かつMw/Mn(Mn:数平均分子量)が1.2以下である浴可溶性ポリエーテル化合物を含むことが重要であり、その他のめっき液成分については特に制限されるものではない。
また、本発明において、前記特定のポリエーテル化合物を含む無電解銅めっき液を使用する代わりに、あらかじめ、前記特定のポリエーテル溶液に浸漬する前処理を行ってから、前記特定のポリエーテルが添加されていない無電解銅めっき液を使用して無電解銅めっきを行うこともできる。
本発明において、無電解銅めっき方法自体は、前記特定のポリエーテルを使用すること以外は特に制限はなく、シリコンウエハー等被めっき物表面をあらかじめ、シランカップリング剤、パラジウム化合物等による活性化処理を施す等通常の無電解銅めっき方法で行うことができる。
本発明においては、前記ポリエーテル化合物の重量平均分子量が大きく、かつ分子量分布が狭い範囲内にあることにより、これらが微細パターン内部以外の表面部のみへ優先的に吸着しやすくなり、表面部の析出が抑制され、その結果微細パターン内部の析出が相対的に速くなる。
本発明に使用する前記浴可溶性ポリエーテル化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびこれらの混合物、共重合体、あるいはポリオキシアルキレンアルコール(ポリオキシエチレンナフトール、ポリオキシプロピレンナフトール、ポリオキシプロピレングリコール等)等が挙げられる。この中でも、特にポリエチレングリコールの効果が大きい。
浴可溶性ポリエーテル化合物の重量平均分子量は1000以上、好ましくは5000以上である。また、分子量分布を表すMw/Mn(Mn:数平均分子量)の値が1.2以下、好ましくは1.1以下の範囲である。重量平均分子量が1000未満の場合、微細パターン内部にも浴可溶性ポリエーテル化合物が吸着してしまいパターン内部も析出が抑制されて効果が得られない。また、分子量分布を表すMw/Mnの値が1.2より大きい場合、様々な大きさのものが存在するため抑制効果が均一に得られにくく、特に1000未満の低分子量のものが存在するとこれらが微細パターン内部へも吸着し、効果が十分に得られない。重量平均分子量が大きく、かつ分子量分布が狭い範囲内にあることが重要である。
浴可溶性ポリエーテル化合物濃度は、0.0001〜5g/L、好ましくは0.0005〜1g/Lである。この範囲より少ないと前記の効果が得られず、多いとめっき反応が抑制されすぎて、析出自体が起こらなくなる。
実施例および比較例
スパッタリング法により膜厚15nmの窒化タンタルが成膜された。線幅200nm、アスペクト比1.5のトレンチパターン付きシリコーンウエハーに対し、下記の実施例1〜4および比較例1〜2に示すめっき処理を行い、処理後のめっき膜の劈開断面SEM観察により、トレンチ部の埋め込み性を確認した。
実施例1
前記トレンチパターン付きシリコーンウエハーを、イミダゾールとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの等モル反応生成物であるシランカップリング剤を0.16重量%含んだ水溶液に塩化パラジウム水溶液を50mg/Lになるように添加して調製しためっき前処理剤に50℃で5分間浸漬処理後、200℃で15分間熱処理し、無電解銅めっきを60℃で15分間実施した。めっき液の組成は、硫酸銅0.04モル/L、エチレンジアミン四酢酸塩0.4モル/L、グリオキシル酸0.1モル/L、2,2’−ビピリジル10mg/L、ポリエチレングリコール(Mw:10750,Mw/Mn:1.04)500mg/L、pH12.5(pH調整剤:水酸化カリウム)の水溶液である。めっき膜の劈開断面SEM観察の結果、トレンチ部はボイドやシームがなく、完全に埋め込まれていた。
実施例2
前記トレンチパターン付きシリコンウエハーを実施例1と同様の方法で前処理し、更にポリエチレングリコール(Mw:14600、Mw/Mn:1.10)500mg/Lを含む水溶液に20℃で3分間浸漬後、無電解銅めっきを60℃で15分間実施した。めっき液の組成は、硫酸銅0.04モル/L、エチレンジアミン四酢酸塩0.4モル/L、グリオキシル酸0.1モル/L、2,2’−ビピリジル10mg/L、pH12.5(pH調整剤:水酸化カリウム)の水溶液である。めっき膜の劈開断面SEM観察の結果、トレンチ部はボイドやシームがなく、完全に埋め込まれていた。
実施例3
前記トレンチパターン付きシリコンウエハーを実施例1と同様の方法で前処理後、無電解銅めっきを60℃で15分間実施した。めっき液の組成は、硫酸銅0.04モル/L、エチレンジアミン四酢酸塩0.4モル/L、グリオキシル酸0.1モル/L、2,2’−ビピリジル10mg/L、ポリエチレングリコール(Mw:5050,Mw/Mn:1.04)500mg/L、塩素イオン(イオン源:塩酸)10mg/L、pH12.5(pH調整剤:水酸化カリウム)の水溶液である。めっき膜の劈開断面SEM観察の結果、トレンチ部はボイドやシームがなく、完全に埋め込まれていた。
実施例4
前記トレンチパターン付きシリコンウエハーを実施例1と同様な方法で前処理し、更にポリエチレングリコール(Mw:1510、Mw/Mn:1.06)500mg/L、および塩素イオン(イオン源:塩酸)10mg/Lを含む水溶液に20℃で3分間浸漬後、無電解銅めっきを60℃で15分間実施した。めっき液の組成は、硫酸銅0.04モル/L、エチレンジアミン四酢酸塩0.4モル/L、グリオキシル酸0.1モル/L、2,2’−ビピリジル10mg/L、pH12.5(pH調整剤:水酸化カリウム)の水溶液である。めっき膜の劈開断面SEM観察の結果、トレンチ部断面中心上部にわずかにボイドが見られたものの、トレンチ部はほぼ完全に埋め込まれていた。
比較例1
前記トレンチパターン付きシリコンウエハーを実施例1と同様の方法で前処理後、無電解銅めっきを60℃で15分間実施した。めっき液の組成は、硫酸銅0.04モル/L、エチレンジアミン四酢酸塩0.4モル/L、グリオキシル酸0.1モル/L、2,2’−ビピリジル10mg/L、ポリエチレングリコール(Mw:15200、Mw/Mn:1.25)500mg/L、pH12.5(調整剤:水酸化カリウム)の水溶液である。めっき膜の劈開断面SEM観察の結果、トレンチ部断面中心上部から下部にかけて長いシームが見られた。
比較例2
前記トレンチパターン付きシリコンウエハーを実施例1と同様の方法で前処理し、さらにポリエチレングリコール(Mw:610、Mw/Mn:1.05)500mg/Lおよび塩素イオン(イオン源:塩酸)10mg/Lを含む水溶液に20℃で3分間浸漬後、無電解銅めっきを60℃で15分間実施した。めっき液の組成は、硫酸銅0.04モル/L、エチレンジアミン四酢酸塩0.4モル/L、グリオキシル酸0.1モル/L、2,2’−ビピリジル10mg/L、pH12.5(調整剤:水酸化カリウム)の水溶液である。めっき膜の劈開断面SEM観察の結果、トレンチ部断面中心上部から下部にかけて長いシームが見られた。

Claims (4)

  1. 重量平均分子量(Mw)1000以上、かつMw/Mn(Mn:数平均分子量)が1.2以下である浴可溶性ポリエーテル化合物を添加剤として含む無電解銅めっき液。
  2. 重量平均分子量(Mw)1000以上、かつMw/Mn(Mn:数平均分子量)が1.2以下である浴可溶性ポリエーテル化合物の溶液からなる無電解銅めっき用前処理剤。
  3. 重量平均分子量(Mw)1000以上、かつMw/Mn(Mn:数平均分子量)が1.2以下である浴可溶性ポリエーテル化合物を添加剤として含む無電解銅めっき液を使用することを特徴とする無電解銅めっき方法。
  4. 重量平均分子量(Mw)1000以上、かつMw/Mn(Mn:数平均分子量)が1.2以下である浴可溶性ポリエーテル化合物の溶液からなる無電解銅めっき用前処理剤に被めっき物を浸漬後、無電解銅めっきを行うことを特徴とする無電解銅めっき方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007154307A (ja) * 2005-11-08 2007-06-21 Univ Waseda 無電解銅めっき浴、無電解銅めっき方法及びulsi銅配線形成方法
JP2010185113A (ja) * 2009-02-12 2010-08-26 Kansai Univ 無電解銅めっき液、無電解銅めっき方法、及び埋め込み配線の形成方法

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