JP2005154836A - 高温耐食性高クロム鉄合金 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来材の靱性と組織安定性とを確保したうえで、高温耐食性、高温強度をさらに向上した高温耐食性合金を提案する。
【解決手段】 Cr:30〜80mass%、残部がFeおよび不可避的不純物からなる合金において、前記不純物の合計を0.02mass%以下とすることにより高温耐食性を改善すると共に、必要に応じてW:10mass%以下を含有させて高温強度の向上を図り、さらに必要に応じてNi:5mass%以下もしくはNb:1mass%以下およびTi:1mass%以下のいずれか1種または2種を含有させて靭性の向上を図る。
【選択図】 なし

Description

本発明は、発電用ボイラや廃棄物焼却プラント等の高温腐食環境下で使用される、高温耐食性、靭性および高温強度がともに優れる高温耐食性高クロム鉄合金に関するものである。
発電用ボイラのバーナーノズルやディヒューザーコーンならびに廃棄物焼却プラントの配管、火格子等に使用される部材は、化石燃料や廃棄物の燃焼ガス等、硫化物を多量に含む高温腐食雰囲気下において使用されることから、特に優れた耐食性を備えていることが求められている。
硫化物を含む高温腐食雰囲気下において、Crは、最も耐久性のある金属材料であることはよく知られている。しかし、Crは、非常に脆い材料であるために、靱性が必要な構造材料として使用することは難しい。そのため、例えばステンレス鋼のように、CrとNi,Fe等とを組合せた耐食性合金して使用するのが一般的である(例えば、特許文献1,2参照。)。
上記高温耐食性合金に添加されるCr,FeおよびNiの各元素の役割は、以下のように考えられている。
(1) Cr:Crは、高温耐食性の向上に有効な成分であり、高温耐食性を確保するためには添加量が多いほど好ましい。しかし、Crは、脆性を劣化させる元素であるため、材料の靭性を確保するには、添加量は少ないほうが好ましい。
(2) Ni:Niは、靭性の向上と組織安定性のために有効な成分である。ここで、組織安定性とは、高温に長時間保持した時に、いわゆるシグマ相と呼ばれる脆化相が生成されないことを意味する。Niは、靱性や組織安定性を確保するためには、添加量が多いほど好ましいが、一方で、環境中に含まれるSと結合してNi32等の低融点化合物を生成し、材料の耐食性を大幅に低下させる。そのため、高温耐食性の観点からは、Ni添加量は少ない方が好ましい。
(3) Fe:Feは、上記CrとNi以外の残余成分として添加する。また、Feは、最も安価な成分であることから、材料コストを低減するためには、NiよりFeの含有量が多くなることが望ましい。
現在、使用されている高温耐食性材料の各合金元素の添加量は、上記の考えをベースに決定されている。例えば、ボイラ燃焼装置のバーナーノズルには、Fe−30Ni−45Cr合金が多く使用されている。この合金は、従来材の中で、Crの含有量を極限まで高めたものであるが、靭性の向上と組織安定性とを確保するために、Niを30mass%と多量に添加する必要があった。そのため、このバーナーノズル用合金は、必然的に高温耐食性を犠牲にせざるを得なかった。
特公昭51− 46729号公報 特開昭62−260037号公報
上記Fe−30Ni−45Cr合金の高温耐食性は、従来のボイラ燃焼機器の使用環境下であれば、数年ごとに部品交換することによって、問題なく使用することができる。しかし、近年における発電所の連続運転の必要性、CO2量削減のための運転温度の上昇および使用燃料の粗悪化等の要因から、ボイラ用燃焼装置の使用環境(高温腐食)は一段と激しくなってきている。そのため、従来の高温耐食材料では、その使用寿命が短くなりつつあり、より優れた高温耐食性材料の開発が望まれている。
また、先述したように、使用環境の過酷化による高温耐食性部材の寿命低下の問題に対しては、Cr含有量の増加が有効であるが、Cr量の増加は靱性の低下を招く。そのため、新しい高温耐食性材料には、靭性に優れた特性を有することが望まれている。さらに、より厳しい使用環境に対応するためには、高温強度に優れた特性も必要となる。
本発明の目的は、従来の高温耐食性材料と比較して、高温耐食性に優れるとともに高温強度と靭性とを向上した高温耐食性高クロム鉄合金を提案することにある。
発明者らは、上記の課題を達成するために、合金の成分組成に着目し、鋭意検討を行った。その結果、Cr含有量を30〜80mass%と高い含有量に限定するとともに不純物の含有量の合計を0.02mass%以下に限定することで、Niを含有しなくとも、高温耐食性を害することなく靱性と相安定性を確保できること、また、この合金に、10mass%以下のWを添加することで、高温強度をより向上させることができること、さらにこれらの合金に、5mass%以下のNiもしくは1mass%以下のNbおよび1mass%以下のTiのいずれか1種または2種を添加することで、より靭性を向上させることができることを見出し、本発明に想到した。
上記知見に基づき開発された本発明は、Cr:30〜80mass%、残部がFeおよび不可避的不純物からなる合金であって、前記不純物の合計が0.02mass%以下であることを特徴とする高温耐食性、靭性および高温強度がともに優れる高温耐食性高クロム鉄合金である。
また、本発明は、上記成分組成に加えて、W:10mass%以下を含有したものであることが好ましい。さらに、上記成分組成に加えてさらに、Ni:5mass%以下もしくはNb:1mass%以下およびTi:1mass%以下のいずれか1種または2種を含有したものであることが好ましい。
また、本発明における上記不純物とは、Cr,Feおよび添加元素を除く、金属、非金属ならびにガス成分である。
本発明によれば、高Cr−Fe系合金の不純物量を低減することにより、従来材と同等以上の高温耐食性と靭性とを有する高温耐食性高クロム鉄合金を得ることができる。また上記合金にWを添加することで、高温強度をより向上した高温耐食性高クロム鉄合金を得ることができる。さらに上記合金に一定量以下のNiあるいは微量のNbまたはTiを添加することで、靱性をより向上した高温耐食性高クロム鉄合金を得ることができる。さらに、本発明の合金を発電用ボイラや廃棄物焼却プラント等の構成部材に適用することにより、構造部材の使用温度の高温化や寿命延長が可能となるため、効率向上による省エネルギーや有害廃棄物の削減に大きく寄与する。
まず、本発明に係る高温耐食性、靭性および高温強度に優れる高クロム鉄合金の成分設計思想について説明する。
高温かつ硫化雰囲気中における耐食性を向上させるためには、合金へのCr添加量を増やすことが有効である。しかし、Cr量を多くし過ぎると、靱性が急激に低下することから、Cr含有量の上限は80mass%程度が限界である。また、Niは、高温耐食性を劣化させることから、少ない方が望ましい。そのため、Niを含有しない、60mass%Cr−残部Fe程度の合金が、高温硫化雰囲気中での使用には最も望ましい材料と言える。
しかしながら、上記60mass%Cr−Fe系合金は、靭性が必ずしも十分ではない。しかも組織安定性に問題があり、高温で長時間使用すると、使用中に脆化相であるシグマ相が生成する。このシグマ相が生成すると、合金は非常に脆くなり、例えば、装置の作動または停止に伴う熱応力や、室温での定期検査時に加わる衝撃力によって、簡単に破壊する恐れがある。つまり、ただ単に、従来技術の知見を延長して合金成分を調整しただけでは、実用的な高温耐食性合金の開発は困難である。
そこで、発明者らは、CrおよびFeの組成を、上記高温耐食合金として理想的な組成比のままとした上で、Ni添加に代わる新たな靱性向上策と組織安定化策について検討した。その結果、合金中に含まれるC,N,P,S,Oならびにその他の不純物の量を制限することが有効であることを見出した。
また、上記合金の高温強度をさらに向上させることができれば、実用上、非常に有利である。例えば、廃棄物焼却プラント等の構造材などの場合、合金の高温強度を向上できれば、使用温度の上昇や材料の薄肉化が可能となるため、装置の運転効率の向上ならびに製造価格の低減等が期待できるからである。高温強度向上のためには、新たな元素の添加が有効と考えられるが、そのためには、添加によって靱性の低下やシグマ相の生成が起こらないことが不可欠である。発明者らは、上記観点から検討を進めた結果、添加元素としてWを用いれば、これらの要求が満たされることを見出した。
さらに、上記合金の靭性をより向上させることも有意義なことである。すなわち、靭性をより向上することができれば、それらを用いた機器の製造時における各種加工や、製造後の室温での定期検査や補修工事等での加工において、多少無理な力が加わっても、製品に亀裂が入ることを防ぐことができ、それらの亀裂に起因した使用中の破損を防止できるからである。発明者らは、上記合金を基本とし、シグマ相の生成を助長することなく靭性を向上させる添加成分を検討した結果、一定量以下のNiまたは微量のNb,Tiの添加が有効であることを見出した。
なお、ここで高温耐食性として実用的に使用可能な材料特性について説明すると、靭性値は、室温でのシャルピー吸収エネルギーが4J以上、好ましくは6J以上であることが望ましい。同じく高温耐食性は、硫化性雰囲気中で、1000℃×100時間酸化させた時の腐食減量が40mg/cm2以下、好ましくは30mg/cm2以下であることが望ましい。また、高温強度は、使用温度に近い700℃における引張強度が300MPa以上であることが望ましい。
本発明は、上記知見に基づいて完成したものであり、以下に、各成分の組成範囲を限定した理由について詳しく説明する。
Cr:30〜80mass%
Crは、高温硫化雰囲気中での耐食性を向上させる成分であるが、含有量が30mass%未満であると、必要な耐食性が得られない。一方、80mass%超えでは、不純物含有量を限定しても、靱性を確保することが難しくなる。よって、Cr含有量は30〜80mass%の範囲とする。ただし、Cr含有量は、上記範囲内でより高温耐食性を得るためには、50mass%の高Cr合金となるように調整されるのが好ましく、より好ましくは、65mass%以上とするのがよい。
W:10mass%以下
Wは、高温強度を高めるために有効な成分である。しかし、10mass%を超えて添加すると靱性の低下を招くため、Wの添加量は、10mass%以下に制限する必要がある。一方、所期した効果を得るためには0.5mass%以上の添加することが好ましい。より、好ましくは1mass%以上である。
Ni:5mass%以下
Niは、靱性を向上させる成分であり、要求に応じて添加することができる。上記効果を得るためには、1mass%以上添加することが好ましい。しかし、5mass%を超えて添加すると、先に述べたように高温での耐食性の低下を招くので、Niの添加量は5mass%以下に制限する。よって、好ましくは1〜5mass%である。
Nb:1mass%以下、Ti:1mass%以下
NbおよびTiは、Niと同様、靱性を向上させる成分であり、Niに代えて、Ti,Nbのいずれか1種または2種を添加することができる。靭性向上効果を得るためには0.01mass%以上添加することが好ましい。しかし、1mass%を超えると、金属間化合物等を生成し、却って靱性を低下させることから、それぞれ上限は1mass%以下とする。なお、NbとTiを複合して添加する場合には、合計で1.5mass%以下に制限するのが好ましい。
Fe:残余成分
Feは、Crと並んで、本発明合金の主要構成成分である。このFeは、他の添加元素であるNiと較べると、高温硫化雰囲気中での耐食性に優れ、また、はるかに低コストであることから、残余の成分として適している。
不純物元素:合計で0.02mass%以下
不純物は、高Cr合金の靱性や組織安定性を低下させる主な要因である。ここで、本発明における不純物とは、Cr,Feおよび添加元素を除く、金属、非金属ならびにガス成分を言い、具体的には、C,N,P,S,O,Si,Mn,Al,Cu,Pb,Mg,Ca等の不可避的不純物を指す。Cr量が上記30〜80mass%の範囲である合金においては、不純物の合計含有量が0.02mass%を超えて含まれると、靱性や組織安定性が確保できないため、0.02mass%以下に制限する必要がある。好ましくは0.01mass%以下とするのがよい。
次に、本発明合金の製造方法について簡単に説明する。
本発明の合金は、高周波溶解、アーク溶解および電子ビーム溶解を用いて、溶製し、鋳塊とすることが好ましい。この際、不純物の混入量を、本発明の基準内に抑えるためには、溶解炉内雰囲気中の水分、酸素および窒素を低減した高真空技術を駆使することが好ましい。上記鋳塊は、1200〜1300℃に加熱後、800〜1200℃の温度範囲で熱間加工を行い、必要に応じて800〜1200℃の温度範囲の熱処理を施した後、さらに必要に応じて、酸洗後、冷間加工を行い、その後、歪取焼鈍を行い製品とすることが好ましい。
なお、本発明の合金は、冷間加工品の他、熱間加工ままでもその特性を十分に発揮するため、熱間加工品としても用いることができる。なお、上記熱間加工としては、熱間板圧延、条鋼圧延、熱間鍛造、造管加工等の加工が含まれ、また、冷間加工としては、冷間板圧延、伸線加工、引抜加工、押出加工等の加工が含まれる。
表1に示す15種類の合金(本発明合金を6種、比較合金を9種)を真空溶解によって溶製し、それぞれ約10kgの鋳塊とした。この鋳塊を1250℃に加熱し、800〜1200℃で熱間加工して、約50mm幅×30mm厚×500mm長さの板状とし、次いで1000℃で溶体化熱処理を施した。こうして得た板材を用いて、高温腐食試験、シャルピー衝撃試験および高温時効試験を下記の要領で行った。
<高温腐食試験>
溶体化処理後の供試材から20mm×20mm×3mmの板状試験片を採取し、表面を#800のエメリー紙で研磨した後、試験片表面に80mol%V25−20mol%Na2SO2の灰を片面当たり20mg/cm2塗布し、その後、1000℃の高温に保持された内容積 2000cm3の炉中に入れ、100時間保持して高温腐食させた。この時の雰囲気ガスとしては、3500ppmSO2−2%O2−10%CO2−残余N2の硫化性ガスを100ml/minの流量で流し続けた。腐食試験後、試験片表面の付着物を除去し、試験前後の重量差から腐食減量を求めた。
<シャルピー衝撃試験>
溶体化後の板材から、JIS Z2202に準拠して2mmVノッチの標準試験片(4号試験片、10×10×55mm)を加工し、室温、大気中でシャルピー試験を行い、衝撃値を求めた。
<高温時効試験>
大気中において、650℃で1000時間保持した後、供試材の断面組織観察を行い、シグマ相の生成有無を調べた。
表1に上記試験の評価結果を示す。本発明の合金No.1〜6の腐食減量およびシャルピー衝撃値は、含有するCr量によって若干の差異はあるが、いずれも良好な値を示している。また、高温時効後もシグマ相の生成は認められない。
これに対し、Cr量が本発明の請求範囲未満である比較合金No.7は、本発明合金より腐食減量が大きく、高温耐食性が劣ることがわかる。一方、Cr量が本発明の請求範囲を超える合金No.8は、シャルピー衝撃値が低く靱性が劣ることがわかる。
また、52.4mass%のCrにおいて、Niを10.7mass%加えた比較合金No.9では、シャルピー衝撃値は最も良好であるが、腐食減量が最も多い。この理由は、先に述べたように、高温硫化雰囲気中において、NiがSと結びつき、Ni32等の低融点化合物を生成したためと考えられる。
さらに、No.10〜15の比較合金はいずれも、約50mass%のCrにおいて、不純物含有量の総計が0.02%を越えたものである(No.10はAlが高く、No.11はMnが高く、No.12はSiが高く、No.13はCが高く、No.14はNが高く、またNo.15はOが高い)これらの合金はいずれも、Cr量が規定量含まれるため高温耐食性は良好であるが、時効後にシグマ相の生成が認められ、シャルピー吸収エネルギーが低い。これは、不純物含有量の合計が本発明範囲より多いため、靱性や相安定性が低下したためと考えられる。
Figure 2005154836
実施例2は、Crを約50mass%の本発明合金にWを添加することによって、高温強度を向上させた合金の特性を調査した結果である。具体的には、実施例1に示した本発明の合金No.3をベースとし、Wの添加量を変化させた5種類の合金(No.16〜20)を実施例1と同様にして作製し、実施例1と同じ特性以外に、さらに、700℃、大気中での引張強度の測定を行った。
表2に評価結果を示す。なお、W無添加の本発明合金No.3は、実施例1に示したものと同じである。本発明の合金No.16〜19は、含有するW量によっても異なるが、無添加の本発明合金No.3に較べて、700℃の強度は大幅に向上している。また、高温耐食性やシャルピー衝撃値に大きな変化はなく、シグマ相の生成も認められない。これから、より高強度を得るためには、Wを0.5mass%以上添加することが好ましいことがわかる。しかし、Wを、本発明の範囲を超えて含む比較合金No.20は、高温強度は最も高いが、シャルピー衝撃値が低い。これは、Wを添加しすぎたために靱性が低下したためと考えられる。
Figure 2005154836

実施例3は、本発明合金に、NiもしくはTi、Nbを添加することによって、靱性を向上させた合金についての特性を調査した結果である。具体的には、実施例1に示した本発明合金No.3をベースに、NiもしくはTi、Nbの添加量を変化させた9種類の合金(No.21〜29)を実施例1と同様にして作製し、実施例1と同じ項目について評価した。
表3に評価結果を示す。なお、Ni,Ti,Nbが無添加の本発明合金No.3は実施例1に示したものと同じである。少量のNiを含有する合金No.21〜24は、Ni含有量によっても異なるが、無添加の合金No.3に較べてシャルピー衝撃値が向上しており、その添加効果は、1mass%以上の添加で顕著に現れている。なお、高温耐食性(腐食原料が)が若干劣化しているが、問題になる程度ではない。またシグマ相の生成も認められない。しかし、Niが本発明の範囲を超えて添加された比較合金No.25は、シャルピー衝撃値は良好であるが、高温耐食性が悪化している。この原因は、Niを添加しすぎたためと考えられる。
また、上記Niに代わり、微量のNbおよび/またはTiを添加した合金No.26〜28では、無添加の合金No.3に較べてシャルピー衝撃値が向上している。ただし、高温耐食性は、発明合金No.3と同程度であり、シグマ相の生成は認められない。しかし、これらの添加量が本発明の範囲を超えた合金No.29は、シャルピー衝撃値は却って低下している。すなわち、添加しすぎたため、金属間化合物等を形成して、靱性が低下したことが分かる。
Figure 2005154836

Claims (4)

  1. Cr:30〜80mass%、残部がFeおよび不可避的不純物からなる合金であって、前記不純物の合計が0.02mass%以下であることを特徴とする高温耐食性高クロム鉄合金。
  2. 上記成分組成に加えて、W:10mass%以下を含有することを特徴とする請求項1に記載の高温耐食性高クロム鉄合金。
  3. 上記成分組成に加えてさらに、Ni:5mass%以下もしくはNb:1mass%以下およびTi:1mass%以下のうちから選ばれる1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の高温耐食性高クロム鉄合金。
  4. 上記不純物とは、Cr,Feおよび添加元素を除く、金属、非金属ならびにガス成分である請求項1〜3のいずれか1項に記載の高温耐食性高クロム鉄合金。
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