JP2005154736A - 粉体分散安定剤及びこれを配合した化粧料 - Google Patents
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Abstract
Description
また、印刷インキの分野においては、環境負荷の観点から有機溶媒系から水系インキへと移行しつつある。しかし、水系インキでは速乾性、耐水性が不十分であり、揮発性シリコーン油を溶媒とするインキが検討され、顔料粉体の高分散性が求められている。
このように様々な分野において、優れた粉体分散剤の開発が期待されている。
(a)
lは1〜5、mは40〜90、nは10〜40である。
なお、ポリエチレングリコール鎖部分は、ポリプロピレングリコール鎖もしくはポリエチレングリコール鎖とポリプロピレングリコール鎖の共重合体であっても構わない。
(b)
(c)
散組成物を提供するものである。
(a)
(b)
(c)
本発明の粉体分散安定剤は、ジメチルポリシロキサン鎖とポリエチレングリコール鎖(PEG)の分子量を適宜選択することにより、分散組成物中にて様々なHLBや粘度を発揮できる。
図1に粉体分散安定性の模式図を示す。本発明の粉体分散安定剤は、両末端にシリコーン鎖からなる分散サイトがあるため、粉体をPEG鎖からなる吸着サイトに保持しつつ、分散媒の溶媒中にてポリマーが広がり、極めて顕著な分散安定性効果を発揮すると考えられる。
下記構造の片末端水酸基シリコーンもしくは片末端水素シリコーンは公知の化合物である。そして、任意の重合度のABA型トリブロック共重合体が公知の方法により製造出来る。
(d)
(e)
また、例えば片末端カルボキシル基シリコーンを用い、ジシクロヘキシルカルボジイミド共存下で反応を行えば、エステル結合により結合した粉体分散安定剤が合成可能である。
また、本発明に例示の粉体分散安定剤は、化合物(e)と下記構造式(f)のポリエチレンのジアリルアルキルエーテルを用いてエーテル結合により結合させたものである。下記構造のポリエチレングリコールのジアリルアルキルエーテルは公知の化合物であり、任意の重合度の化合物が公知の方法により製造出来る。
(f)
エーテル結合によりより得られる合成スキームを図3に示す。
れる。
(a)
(b)
(c)
ポリエチレングリコール鎖の重合度のnは10〜40が好ましい。
本発明の粉体分散安定剤の機能発現には、図1に示すようにAブロックの溶媒中への溶解性とBブロック鎖の粉体表面への吸着性が重要である。すなわち、AB両ブロックの親水/親油性のバランス(HLB)が適切な範囲にあることが機能発現に必須となる。HLBは公知の方法により求めることができるが、例えばGriffinの式(HLB値=エチレンオキサイド部分子量×20/総分子量)により算出される。本発明の粉体分散安定剤においては、HLBが1〜3であることが好ましい。
また、粉体同士の凝集を防止するAブロック鎖の広がりは、高分子の分子量に依存し、Aブロック鎖は高分子量であるほど凝集防止効果は高い。一方、粉体への吸着はBブロック鎖のファンデルワールス力等の弱い力によると考えられるため、Bブロック鎖は高分子量であるほど吸着能は高い。しかしながら、Bブロック鎖が隣同士の粉体間を架橋するほどの高分子量となると、粉体の凝集促進効果を示すようになること、またAB両ブロックの分子量が高くなりすぎると、粉体分散組成物の塗り伸ばしが難くなる場合があり、また伸びの重さを感じる場合がある。以上のことから、分子量についても適切な範囲があり、本発明の粉体分散安定剤においては、分子量は3000〜20000が好ましい。
また、シリコーン系分散媒には、本発明の効果を損なわない限り、他の油性成分を配合することも可能である。例えば、流動パラフィン、固形パラフィン、ワセリン、セレシン等の炭化水素油、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油、天然油脂、パーフルオロポリエーテル、ラノリン、カルナバロウ等のワックス、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ビニルピロリド樹脂等の樹脂等が挙げられる。
本発明の粉体分散安定剤は粉体とシリコーン油とを含有する粉体分散組成物に好ましく使用される。
この場合、酸化チタン若しくは酸化亜鉛の粉体を紫外線散乱剤として配合する場合は、平均粒子径1〜50nmの微粒子が好ましい。本発明の粉体分散安定剤により、特にシリコーン油を配合した水中油型乳化組成物(O/W型乳化組成物)において本発明の効果が好ましく発揮される。本発明の粉体分散安定剤は化粧料に配合されることが好ましく、粉体を0.1〜30質量%、特に好ましくは1〜20質量%配合する化粧料に特に好ましい。そして、粉体分散組成物は、任意の化粧料成分を配合して化粧料として好ましく使用される。本発明の化粧料は任意の常法により製造される。
予備混練や分散処理には、必要に応じて加熱しながら、適当な分散機械を用いればよい。調整するスラリーの粘度に応じて、ローラーミル、高圧ホモジナイザー、ビーズミル等の分散機械を適宜選択して用いる。なお、粉体分散安定剤の配合量は、適宜決定されるが、通常、粉体分散組成物全量に対して0.1〜30質量%、さらに望ましくは1〜10重量%である。
本発明の乳化剤は、特に極性油性成分やシリコーン油を油相に含有する油中水型乳化組成物を製造するのに好ましく、特に極性油性成分のIOBが0.05〜0.80である極性油分を含有する油中水型乳化組成物を好ましく提供できる。例えば、化粧料用油分であるパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジピバリン酸トリプロピレングリコール、オクタン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタンエリスリット、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、安息香酸(炭素数12〜15)アルキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシルなどの極性油分を配合した油中水型皮膚外用組成物を好ましく製造できる。
この極性油分を外相に有する油中水型皮膚外用組成物には、希望する任意の量の常温(15℃)で固体の紫外線吸収剤を溶解して安定に配合できる利点がある。例えば、常温で固体の紫外線吸収剤として、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2'−エチルヘキシル−1'−オキシ)−1,3,5−トリアジン、及び/又は、1−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−3−(4−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオンを安定に配合できる。
乳化剤としての配合量は、適宜決定されるが、通常、油中水型乳化組成物全量に対して0.01〜10質量%、さらに望ましくは0.1〜5.0重量%であり、常法に応じて、油中水型乳化組成物並びに他の皮膚外用剤配合成分を混合して油中水型皮膚外用組成物を製造できる。配合量がこれよりも少ない場合には乳化安定性が不良となり、これよりも多い場合には、べたつきが生じ、使用感触が不良となる。
なお、上述したように、紫外線吸収剤とともに、粉体として酸化チタン若しくは酸化亜鉛などの紫外線散乱剤を配合した油中水型皮膚外用剤は、日焼け止め皮膚外用剤として好ましく利用される。
ポリエチレングリコール(Mw≒1000)30g、およびトルエン1500mlを反応容器に仕込み、ポリエチレングリコールが溶解後、沸石を投入し130℃まで上昇させ1時間程度トルエン中の水分を共沸させる。その後80℃にて還流、窒素ガス流入条件下、片末端水酸基ポリジメチルシロキサン(Mw≒5000。下記(g)の化合物、m≒70:サイラプレーン FM−0421,チッソ製)300gをモレキュラーシーブスにより脱水されたトルエンにより希釈し添加、均一を確認後、さらに、脱水トルエンで希釈されたヘキサメチレンジイソシアネート10.1gおよびジラウリン酸ジブチルすず(IV)0.47gを加え、70℃にて20時間反応させる。20時間経過後、水5mlを添加し反応を停止させる。室温に戻した後、反応溶液をエバポレーションにより濃縮し、流動性のある粘性液体の目的化合物を得る。
(g)
ポリエチレングリコール(Mw≒600)18g、およびトルエン1500mlを反応容器に仕込み、ポリエチレングリコールが溶解後、沸石を投入し130℃まで上昇させ1時間程度トルエン中の水分を共沸させる。その後80℃にて還流、窒素ガス流入条件下、片末端水酸基ポリジメチルシロキサン(Mw≒5000。実施例1で使用したもの)300gをモレキュラーシーブスにより脱水されたトルエンにより希釈し添加、均一を確認後、さらに、脱水トルエンで希釈したヘキサメチレンジイソシアネート10.1gおよびジラウリン酸ジブチルすず(IV)0.47gを加え、70℃にて20時間反応を行う。
20時間経過後、水5mlを添加し反応を停止させる。室温に戻した後、反応溶液をエバポレーションにより濃縮し、流動性のある粘性液体の目的化合物を得る。
ポリエチレングリコール(Mw≒1500)45g、およびトルエン1500mlを反応容器に仕込み、ポリエチレングリコールが溶解後、沸石を投入し130℃まで上昇させ1時間程度トルエン中の水分を共沸させる。その後80℃にて還流、窒素ガス流入条件下、片末端水酸基ポリジメチルシロキサン(Mw≒5000。実施例1で使用したもの)300gをモレキュラーシーブスにより脱水されたトルエンにより希釈し添加、均一を確認後、さらに、脱水トルエンで希釈したヘキサメチレンジイソシアネート10.1gおよびジラウリン酸ジブチルすず(IV)0.47gを加え、70℃にて20時間反応を行う。20時間経過後、水5mlを添加し反応を停止させた。室温に戻した後、反応溶液をエバポレーションにより濃縮し、流動性のある粘性液体である目的化合物を得る。
ポリエチレングリコール(Mw≒1500)30g、およびトルエン1500mlを反応容器に仕込み、ポリエチレングリコールが溶解後、沸石を投入し130℃まで上昇させ1時間程度トルエン中の水分を共沸させる。その後80℃にて還流、窒素ガス流入条件下、片末端水酸基ポリメチルフェニルシロキサン(Mw≒8000)480gをモレキュラーシーブスにより脱水されたトルエンにより希釈し添加、均一を確認後、さらに、脱水トルエンで希釈したヘキサメチレンジイソシアネート10.1gおよびジラウリン酸ジブチルすず(IV)0.47gを加え、70℃にて20時間反応を行う。20時間経過後、水5mlを添加し反応を停止させた。室温に戻した後、反応溶液をエバポレーションにより濃縮し、流動性のある粘性液体である目的化合物を得る。
スペクトル中、800、1000、1260、2960cm-1付近のピークよりポリジメチルシロキサンに、また、1450、2870cm-1付近のピークよりポリオキシエチレンに、さらに1760cm-1付近にウレタン結合のカルボニル基、3300cm-1付近にウレタン結合のアミド基に由来する吸収が、それぞれ認められることから、合成はスキーム通りに進行し、目的化合物が得られていることが分かる。
片末端水素化ジメチルポリシロキサン(Mw≒5500。下記(h)の化合物、m≒70)100g、ポリエチレングリコール(20)ジアリルメチルエーテル9g(下記(i)の化合物、n≒20)およびイソプロピルアルコール100gを反応容器に仕込み、3%塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液0.05gを加えて80℃で5時間反応させる。続いて0.01NのHCl水溶液を1.5g添加し、60℃にて3時間加水分解を行った後、1%重曹水0.2gを添加して中和を行った。反応溶液をエバポレーションにより濃縮し、流動性のある粘性液体である目的化合物を得る。
(h)
片末端水素化ジメチルポリシロキサン(Mw≒5500。実施例5と同じもの)100gポリエチレングリコール(15)ジアリルメチルエーテル6.8g(実施例4と同じもの)、およびイソプロピルアルコール100gを反応容器に仕込み、3%塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液0.05gを加えて80℃で5時間反応させる。続いて0.01NのHCl水溶液を1.5g添加し、60℃にて3時間加水分解を行った後、1%重曹水0.2gを添加して中和を行う。反応溶液をエバポレーションにより濃縮し、流動性のある粘性液体である目的化合物を得る。
片末端水素化ジメチルポリシロキサン(Mw≒5500。実施例5と同じもの)100g、ポリエチレングリコール(30)ジアリルメチルエーテル13.5g(実施例4と同じもの)、およびイソプロピルアルコール100gを反応容器に仕込み、3%塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液0.05gを加えて80℃で5時間反応させた。続いて0.01NのHCl水溶液を1.5g添加し、60℃にて3時間加水分解を行った後、1%重曹水0.2gを添加して中和を行う。反応溶液をエバポレーションにより濃縮し、流動性のある粘性液体である目的化合物を得る。
ポリエチレングリコール(Mw≒200)20g、およびトルエン1500mlを反応容器に仕込み、ポリエチレングリコールが溶解後、沸石を投入し130℃まで上昇させ1時間程度トルエン中の水分を共沸させる。その後80℃にて還流、窒素ガス流入条件下、片末端水酸基ポリジメチルシロキサン(Mw≒1000、サイラプレーン FM−0411、チッソ製)200gをモレキュラーシーブスにより脱水されたトルエンにより希釈し添加、均一を確認後、さらに、脱水トルエンで希釈されたヘキサメチレンジイソシアネート34gおよびジラウリン酸ジブチルすず(IV)1.58gを加え、70℃にて20時間反応を行った。20時間経過後、水5mlを添加し反応を停止させる。室温に戻した後、反応溶液をエバポレーションにより濃縮し、流動性のある粘性液体の目的化合物を得る。
ポリエチレングリコール(Mw≒1000)80g、およびトルエン1500mlを反応容器に仕込み、ポリエチレングリコールが溶解後、沸石を投入し130℃まで上昇させ1時間程度トルエン中の水分を共沸させる。その後80℃にて還流、窒素ガス流入条件下、片末端水酸基ポリジメチルシロキサン(Mw≒1000、サイラプレーン FM−0411、チッソ製)160gをモレキュラーシーブスにより脱水されたトルエンにより希釈し添加、均一を確認後、さらに、脱水トルエンで希釈されたヘキサメチレンジイソシアネート26.9gおよびジラウリン酸ジブチルすず(IV)1.26gを加え、70℃にて20時間反応を行った。20時間経過後、水5mlを添加し反応を停止させる。室温に戻した後、反応溶液をエバポレーションにより濃縮し、流動性のある粘性液体の目的化合物を得る。
片末端メトキシポリエチレングリコール(Mw≒600)24g、およびトルエン1500mlを反応容器に仕込み、ポリエチレングリコールが溶解後、沸石を投入し130℃まで上昇させ1時間程度トルエン中の水分を共沸させる。その後80℃にて還流、窒素ガス流入条件下、両末端水酸基ポリジメチルシロキサン(Mw≒10000、サイラプレーン FM−4425、チッソ製)200gをモレキュラーシーブスにより脱水されたトルエンにより希釈し添加、均一を確認後、さらに、脱水トルエンで希釈されたヘキサメチレンジイソシアネート6.73gおよびジラウリン酸ジブチルすず(IV)0.32gを加え、70℃にて20時間反応を行った。20時間経過後、水5mlを添加し反応を停止させる。室温に戻した後、反応溶液をエバポレーションにより濃縮し、流動性のある粘性液体の目的化合物を得る。
<分散体の作成>
微粒子粉体38g、実施例1の方法で作成した分散剤12gをシリコーン系分散媒50gに添加し、微粒子粉体との重量比が1:1になるように、ガラスビーズ(1mmΦ)を加え、ペイントシェイカーにて1時間混合してスラリー状の分散体を作成する。また、実施例1で製造した分散剤の代わりに、比較例1および比較例2の方法で製造した分散剤12gを用いた分散体も同様に作成する。分散させる粉体には、下記P1、P2、P1とP2を半量ずつの混合粉体の3種を用いる。
(1)微粒子粉体(P1):脂肪酸石鹸処理微粒子二酸化チタン
商品名:100TV(テイカ社製)
粒子径:長径約0.03μm、短径約0.005μm
ミリスチン酸アルミニウム処理量:10質量%
(2)微粒子粉体(P2):シリコーン処理シリカ被覆酸化亜鉛
商品名:SS-Activox C80(昭和電工製)
粒子径:約0.03μm
シリカ処理量:20質量%
(3)分散媒:デカメチルシクロペンタシロキサン
商品名:KF−995(信越化学工業製)
分散物のレオロジー測定を行い、各両末端シリコーン化ポリエチレングリコールの粉体の分散安定性を評価する。
(評価方法)
評価装置:TAインスツルメンツ社製 コーンプレート型粘度計 AR1000−N
測定条件:4cm4°スチール製ジオメトリー
せん断速度 0.2s-1〜500s-1 25℃
(結果)
実施例1の両末端シリコーン化ポリエチレンオキシドを用いた分散体の評価結果を図4に示す。
比較例1の方法で合成した両末端シリコーン化ポリエチレオキサイドを用いた分散体の評価結果を図5に示す。
比較例2の方法で合成した両末端シリコーン化ポリエチレオキサイドを用いた分散体の評価結果を図6に示す。
分散体中の粉体の分散安定性が良好な場合、その流動特性は分散媒であるシリコーンの流動特性を反映することになり、いかなるせん断速度でも粘度がほぼ一定であるニュートニアン的な挙動を示す。
比較例1の図5において、粉体として酸化チタン(P1)を用いた分散体は、ニュートニアン的な流動挙動を示しているが、酸化チタン(P1)と酸化亜鉛(P2)を混合した分散体は、低せん断速度領域で粘度の大幅な上昇が確認され、粉体が凝集していることが示唆された。
比較例2の図6において、粉体として酸化チタン(P1)を用いた分散体で、低せん断速度領域において著しい粘度上昇が確認され、粉体は凝集していることが示唆された。
これに対し、実施例1の図4においては、酸化チタン(P1)、酸化亜鉛(P2)、酸化チタン(P1)と酸化亜鉛(P2)混合、いずれの粉体を用いた場合でも、分散体はニュートニアン的な流動特性を示し、分散安定性が良好であることが示唆された。特に、混合した粉体(P1およびP2)を用いた際に分散体がニュートニアン的な挙動を示す分散剤はこれまで報告されておらず、本発明の分散安定剤の分散安定性向上効果が非常に高いことを示している。
上記の評価測定から、実施例1〜3の粉体分散安定剤は優れた分散安定剤を発揮する。なお、実施例4〜6の化合物も、実施例1〜3と同様の分散安定性が発揮される。
合成例1〜4、比較例1〜3と同様にして合成した両末端シリコーン化PEGおよび両末端ポリエチレングリコール化シリコーンの粉体分散特性を、上記方法と同様にレオロジー測定により評価した結果を下記に示す。各表から、本発明の粉体分散安定剤は優れた分散特性を有することが分る。
(1)ステアリン酸アルミニウム処理二酸化チタン 5
(2)ステアリン酸デキストリン処理酸化亜鉛 5
(3)実施例1の粉体分散安定剤 3
(4)デカメチルペンタシクロシロキサン 13
(5)パラメトキシ桂皮酸オクチル 5
(6)PEG−60水添ヒマシ油 2
(7)ダイナマイトグリセリン 6
(8)サクシノグリカン 0.3
(9)カルボキシメチルセルロース 0.3
(10)エタノール 5
(11)イオン交換水 残余
(製法)
(1)〜(5)を混合し、ビーズミルで分散破砕した後、(6)〜(11)を溶解した水相に対して、ホモミキサーをかけながら添加する。
(1)パルミチン酸アルミニウム処理二酸化チタン 5
(2)パルミチン酸アルミニウム処理酸化亜鉛 5
(3)金属石鹸処理タルク 3
(4)アルキル変性シリコン樹脂被覆黄酸化鉄 0.8
(5)アルキル変性シリコン樹脂被覆黒酸化鉄 0.16
(6)アルキル変性シリコン樹脂被覆ベンガラ 0.36
(7)実施例4の粉体分散安定剤 3
(8)POE変性メチルポリシロキサン 1
(9)デカメチルペンタシクロシロキサン 15
(10)パラメトキシ桂皮酸オクチル 5
(11)PEG−60水添ヒマシ油 2
(12)ダイナマイトグリセリン 6
(13)キサンタンガム 0.3
(14)カルボキシメチルセルロース 0.3
(15)エタノール 5
(16)イオン交換水 残余
(製法)
(1)〜(10)を混合し、ビーズミルで分散破砕した後、(11)〜(16)を溶解した水相に対して、ホモミキサーをかけながら添加する。
(1)ステアリン酸アルミニウム処理二酸化チタン 5
(2)ステアリン酸アルミニウム処理酸化亜鉛 5
(3)実施例2の粉体分散安定剤 3
(4)デカメチルペンタシクロシロキサン 15
(5)パラメトキシ桂皮酸オクチル 5
(6)PEG−60水添ヒマシ油 2
(7)ダイナマイトグリセリン 6
(8)サクシノグリカン 0.3
(9)カルボキシメチルセルロース 0.3
(10)エタノール 6
(11)クエン酸 適量
(12)クエン酸ナトリウム 適量
(13)アスコルビン酸グリコシド 2
(14)苛性カリ 適量
(15)イオン交換水 残余
(製法)
(1)〜(5)を混合し、ビーズミルで分散破砕した後、(6)〜(15)を溶解した水相に対して、ホモミキサーをかけながら添加する。
(1)セリサイト 5 質量%
(2)カオリン 4
(3)二酸化チタン 6
(4)ベンガラ 0.36
(5)黄酸化鉄 0.8
(6)黒酸化鉄 0.16
(7)ステアリン酸アルミニウム処理二酸化チタン 4
(8)デキストリン脂肪酸処理酸化亜鉛 4
(9)実施例3の粉体分散安定剤 3
(10)流動パラフィン 5
(11)デカメチルシクロペンタシロキサン 29
(12)POE変性ジメチルポリシロキサン 4
(13)イオン交換水 36
(14)1,3−ブチレングリコール 5
(15)防腐剤 0.1
(16)香料 0.08
(製法)
(7)、(8)及び(9)をビーズミルで分散破砕した後、これに(1)〜(6)、(10)及び(11)を加えて混合し、油相とした。(12)〜(15)を70℃で加熱溶解し、油相に添加して乳化した。さらに(16)を加えて混合し、容器に充填する。
(1)タルク 14.3質量%
(2)カオリン 10
(3)ベンガラ 1
(4)デキストリン脂肪酸処理黄酸化鉄 3
(5)デキストリン脂肪酸処理黒酸化鉄 0.2
(6)デキストリン脂肪酸処理二酸化チタン 5
(7)デキストリン脂肪酸処理酸化亜鉛 5
(8)流動パラフィン 20
(9)ジメチルポリシロキサン 15
(10)オクチルメトキシシンナメート 1
(11)セスキイソステアリン酸ソルビタン 2
(12)イソヘキサデシルアルコール 10
(13)セレシン 4
(14)カルナバロウ 1
(15)実施例5の粉体分散安定剤 3
(16)香料 適量
(製法)
(8)及び(10)〜(14)を90℃で加熱混合し、油相とした。別に、(6)、(7)(9)及び(15)を混合し、ビーズミルで分散破砕した後、この混練物と、(1)〜(5)とを油相に加え、ディスパーで混合した。さらに(16)を混合し、容器に充填して冷却する。
(1)タルク 6 質量%
(2)ステアリン酸アルミニウム処理微粒子二酸化チタン 6
(3)ステアリン酸アルミニウム処理微粒子酸化亜鉛 10
(4)実施例3の粉体分散安定剤 3
(5)流動パラフィン 1
(6)デカメチルシクロペンタシロキサン 30
(7)ジメチルポリシロキサン 20
(8)POE変性ジメチルポリシロキサン 2
(9)イオン交換水 15
(10)1,3−ブチレングリコール 8
(11)防腐剤 0.1
(12)香料 0.1
(製法)
(5)、(6)及び(8)を70℃で加熱混合し、油相とする。別に、(2)〜(4)及び(7)を混合し、三本ローラーで混練した。この混練物と、(1)とを油相に加え、ディスパーで混合する。これに、(9)〜(11)を70℃で加熱溶解したものを加えて乳化し、さらに(12)を混合して、容器に充填する。
(1)タルク 3 質量%
(2)カオリン 10
(3)マイカ 3
(4)パルミチン酸アルミニウム処理微粒子二酸化チタン25
(5)ジメチルポリシロキサン 20
(6)パルミチン酸イソプロピル 13.9
(7)固形パラフィン 2
(8)マイクロクリスタリンワックス 3
(9)ワセリン 10
(10)セレシン 8
(11)カルナバロウ 1
(12)実施例4の粉体分散安定剤 2
(13)香料 0.1
(製法)
(6)〜(11)を90℃で加熱混合し、油相とする。別に、(4)、(5)及び(12)を混合し、三本ローラーで混練した。この混練物と、(1)〜(3)とを油相に加え、ディスパーで混合する。さらに(13)を混合し、容器に充填して冷却する。
次に、実施例1で合成した両末端シリコーン化ポリエチレングリコールの各種油分に対する乳化剤機能の評価結果を以下に示す。「表3」に示す処方にて油中水型乳化組成物を製造し、乳化直後及び50℃2週間放置後の乳化安定性を目視により評価した。比較例4及び比較例5は、本発明の乳化剤の代わりに、他の乳化剤を配合した組成物である。
評価の判定は、目視により、分離が生じた場合は×、分離がなく安定した乳化物の場合場合は○と評価した。この結果より、両末端シリコーン化ポリエチレングリコールからなる乳化剤は、実質的に他の乳化剤を使用しなくても、化粧料油分として有用な炭化水素系極性油(実施例14)、シリコーン油(実施例15)のいずれの油分に対しても、安定にW/O乳化が可能であることが分かる。
(A)
実施例1の化合物 3.0
安息香酸(炭素数12〜15)アルキル 10.0
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 10.0
2−オクチルドデカノール 5.0
オクチルメトキシケイ皮酸 5.0
4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 1.0
2,4−ビス−[[4−(2−エチルヘキシルオキシ) 4.0
−2−ヒドロキシ]−フェニル]−6−
(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
香料 適 量
(B)
ブチレングリコール 5.0
精製水 残 量
<製法> (A)成分を70℃に加温し、溶解した後に、(B)相を70℃に加温して、ディスパー攪拌下で、(A)相へ添加し、十分混合する。その後、30℃まで冷却して、油中水型サンスクリーンを得た。
得られた油中水型サンスクリーンは、のびが良く、乳化物の経時安定性が非常に良好なものであった。
また、本発明の乳化剤は安定した油中水型乳化組成物を製造できる。極性油分やシリコーン油を安定に乳化した油中水型皮膚外用剤として極めて有用である。
Claims (20)
- HLB値が1.0〜3.0であり、かつ分子量が3000〜20000である請求項1〜3記載の粉体分散安定剤
- 請求項1〜4記載の粉体分散安定剤と、粉体と、シリコーン油とを含有する粉体分散組成物。
- 請求項1〜4記載の粉体分散安定剤を配合することを特徴とする化粧料。
- 請求項5記載の粉体分散組成物からなる化粧料。
- HLB値が1.0〜3.0であり、かつ分子量が3000〜20000である請求項8〜10記載の乳化剤。
- 請求項8〜11記載の乳化剤を含有することを特徴とする油中水型乳化組成物。
- 請求項12記載の油中水型乳化組成物からなる油中水型皮膚外用組成物。
- 極性油性成分を含有することを特徴とする請求項13記載の油中水型皮膚外用組成物。
- 前記極性油性成分のIOBが0.05〜0.80であることを特徴とする請求項14記載の油中水型皮膚外用組成物。
- 前記極性油性成分が、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジピバリン酸トリプロピレングリコール、オクタン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタンエリスリット、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、安息香酸(炭素数12〜15)アルキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシルからなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項14記載の油中水型皮膚外用組成物。
- さらにシリコーン油を含有することを特徴とする請求項13〜16記載の油中水型皮膚外用組成物。
- さらに常温で固体の紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項13〜17記載の油中水型皮膚外用組成物。
- 前記常温で固体の紫外線吸収剤が、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2'−エチルヘキシル−1'−オキシ)−1,3,5−トリアジン、及び/又は、1−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−3−(4−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオンであることを特徴とする請求項18記載の油中水型皮膚外用剤組成物。
- さらに紫外線散乱剤を含有することを特徴とする請求項13〜19記載の油中水型皮膚外用組成物。
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