JP2005154576A - 含窒素マクロモノマーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 グラフト共重合体の製造原料として有益な、3級アミノ基及び/又は4級アンモニウム基含有単量体単位から構成されるラジカル重合性含窒素マクロモノマーの工業的利用価値のある製造方法を提供する。
【解決手段】 片末端にカルボキシル基を有し、3級アミノ基含有ラジカル重合性単量体及び所望により共重合可能な単量体を構成単位とするプレポリマーを、必要に応じて3級アミノ基の少なくとも一部を4級アンモニウム塩とし、さらに、このプレポリマーをラジカル重合性基含有エポキシ単量体と反応させることを特徴とする含窒素マクロモノマーの製造方法。
【解決手段】 片末端にカルボキシル基を有し、3級アミノ基含有ラジカル重合性単量体及び所望により共重合可能な単量体を構成単位とするプレポリマーを、必要に応じて3級アミノ基の少なくとも一部を4級アンモニウム塩とし、さらに、このプレポリマーをラジカル重合性基含有エポキシ単量体と反応させることを特徴とする含窒素マクロモノマーの製造方法。
Description
本発明は、重合体骨格中に3級アミノ基及び/又は4級アンモニウム基含有単量体単位を有する含窒素マクロモノマーの製造方法に関する。
マクロモノマーはグラフト共重合体の製造原料として注目されており、今日多くの種類のマクロモノマーが知られている。最近では、その重合体骨格に、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはアミド基等の官能基を有するマクロモノマーも開発されるに至っている(例えば、特許文献1及び特許文献2など)。特にアミド基のようなカチオン性官能基を有するマクロモノマーは、その優れた特徴から近年注目されており、4級アンモニウム塩のような更に強力なカチオン性を示す官能基を有するマクロモノマーは、非常に興味が持たれるところである。
4級アンモニウム基を有するマクロモノマーは、対応する3級アミノ基を有するマクロモノマーを4級化することによって容易に得られると予想されるが、肝心の3級アミノ基を有するマクロモノマーの合成法に関して、報告例はごく限られている。その一つの例として、ジグライム中、3級アミン触媒存在下でグリシジルメタクリレートを末端に付加させる方法が提案されており、140℃、6時間という条件で目的のマクロモノマーが得られるとされている。しかし、生成物の純度は低く、マクロモノマーとしての収率は50%に満たないことが報告されている(非特許文献1)。
他方、マクロモノマーの製法として、メルカプトプロピオン酸等の化合物に由来するカルボキシル基を有する片末端カルボキシル型重合体と、グリシジル基を有するラジカル重合性単量体とを4級アンモニウム塩等の触媒存在下で反応させることによりマクロモノマーを得る方法は、従来から広く応用されてきた。この方法によって、これまでに様々なマクロモノマーが合成されているが、3級アミノ基含有単量体単位を有するマクロモノマーを得たという報告は無い(非特許文献2)。
特開平8−73577(特許請求の範囲)
特開平11−181021(特許請求の範囲)
Yoshiki Chujo et al. ,Polymer Journal,1985,Vol.17(1),p133−141
伊藤浩一,「マクロモノマーの合成と応用」,日本接着協会誌,1988年,第24巻,第9号,p374−384
本発明は、前記背景技術に鑑みなされたもので、3級アミノ基及び/又は4級アンモニウム基含有単量体単位を有する含窒素マクロモノマーを、高収率及び高純度で得ることができる工業的利用価値のある製造方法を提供することにある。
本発明者らは、高収率でしかも高純度な含窒素マクロモノマーが得られる製造方法を確立するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至ったのである。すなわち、本発明は、片末端にカルボキシル基を有し、3級アミノ基含有ラジカル重合性単量体及び所望により共重合可能な単量体を構成単位とするプレポリマーを、必要に応じて3級アミノ基の少なくとも一部を4級アンモニウム塩とし、ラジカル重合性基含有エポキシ単量体と反応させることを特徴とする含窒素マクロモノマーの製造方法である。
尚、本明細書において、アクリル酸又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と表し、アクリレート又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと表す。
尚、本明細書において、アクリル酸又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と表し、アクリレート又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと表す。
本発明によれば、従来法に比べて工業的に有利な方法で、高収率で高純度な3級アミノ基及び/又は4級アンモニウム基含有単量体単位を有する含窒素マクロモノマーを製造できる。
片末端にカルボキシル基を有し、3級アミノ基含有ラジカル重合性単量体及び所望により共重合可能な単量体を構成単位とするプレポリマーを、必要に応じて3級アミノ基の少なくとも一部を4級アンモニウム塩とし、さらに、このプレポリマーを、極性溶媒中、必要に応じて4級アンモニウム塩化合物及び/又は4級ホスホニウム塩化合物を触媒とし、カルボキシル基と反応するエポキシ基及びラジカル重合性基の双方を有する化合物(以下、ラジカル重合性基含有エポキシ単量体という)と反応させることで、3級アミノ基及び/又は4級アンモニウム基含有単量体単位を有する含窒素マクロモノマーを高純度に得る。
本発明における3級アミノ基及び/又は4級アンモニウム基含有単量体単位を有する含窒素マクロモノマーの出発原料となるプレポリマーは、種々の公知の方法により製造できる。例えば、カルボキシル基を有するメルカプタン化合物を連鎖移動剤として用いる方法がある。この例について概要を述べると、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプト酪酸又はチオサリチル酸などのカルボキシル基を有するメルカプタン化合物の存在下に、有機溶媒中で、3級アミノ基含有ラジカル重合性単量体及び所望により共重合可能な単量体をラジカル重合させることにより、繰返し単位による連鎖中に3級アミノ基を有し且つ片末端にカルボキシル基を有するプレポリマーを製造する。あるいは、アゾビスシアノ吉草酸等のような、カルボキシル基を有する重合開始剤を使用することによって、片末端にカルボキシル基を導入する方法もよく知られている。これらの方法によって片末端にカルボキシル基を有するプレポリマーを合成する。
プレポリマーの製造において使用する3級アミノ基含有ラジカル重合性単量体としては、3級アミノ基及びラジカル重合性基を有する単量体であれば特に種類を問わないが、好ましくは下記一般式(1)で示される単量体が挙げられる。
〔式中、R1は水素原子又はメチル基、R2、R3は直鎖状又は分枝状の炭素数1〜4のアルキル基、Xは酸素原子又はNH基、n=1〜4の整数〕
式(1)で示される単量体の具体例としては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル類やN−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、 N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド、 N−(N’,N’−ジエチルアミノエチル)アクリルアミド、 N−(N’,N’−ジエチルアミノエチル)メタクリルアミド、 N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、 N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、 N−(N’,N’−ジエチルアミノプロピル)アクリルアミド、 N−(N’,N’−ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。
上記以外にもビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、2−エチル−5−ビニルピリジン等のモノビニルピリジン類; N,N−ジメチルアミノスチレン、 N,N−ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類;2−ジメチルアミノエチルビニルエーテル等のジアルキルアミノ基を有するビニルエーテル類等が3級アミノ基含有ラジカル重合性単量体として挙げられる。これらの単量体は目的に応じて、その一部又は全てをあらかじめ4級化して使用することも可能である。
プレポリマーの製造において、上記3級アミノ基含有ラジカル重合性単量体と共に使用し得る共重合可能な単量体としては、例えば(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、スチレン、α−メチルスチレン及びアクリロニトリル等が挙げられ、目的に応じて共重合することができる。
本発明において、プレポリマーとしては、得られるマクロモノマーの応用範囲が広い点で、上記3級アミノ基含有ラジカル重合性単量体の単独重合体又は3級アミノ基含有ラジカル重合性単量体と上記共重合可能な単量体との共重合体であることが好ましく、さらに好ましくは、一分子当り3級アミノ基を平均で少なくとも3個以上有する上記の単独重合体又は共重合体である。
本発明において、プレポリマーとしては、得られるマクロモノマーの応用範囲が広い点で、上記3級アミノ基含有ラジカル重合性単量体の単独重合体又は3級アミノ基含有ラジカル重合性単量体と上記共重合可能な単量体との共重合体であることが好ましく、さらに好ましくは、一分子当り3級アミノ基を平均で少なくとも3個以上有する上記の単独重合体又は共重合体である。
プレポリマーの製造方法としては、その方法の一つとして、例えば先述のように、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプト酪酸又はチオサリチル酸などのカルボキシル基を有するメルカプタン化合物の存在下に行なう。メルカプタン化合物は、ラジカル重合において連鎖移動剤として作用し、重合体の片末端に結合する。メルカプタン化合物の好ましい使用量は、得られるプレポリマーと等モルとなる量であり、単量体の使用量及び求めるプレポリマーの数平均分子量から容易に算出できる。プレポリマーの好ましい数平均分子量は、500〜100,000である。数平均分子量が500〜100,000のプレポリマーを得ようとする場合、メルカプタン化合物の使用量はプレポリマーの製造で使用する単量体の総量100質量部当り0.05〜20質量部程度である。
重合温度としては50℃〜140℃が好ましく、また重合溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエンまたはキシレン等が好ましく使用できるが、特に好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン化合物である。あるいは、3級アミノ基含有単量体を全て4級化して用いる場合は、溶媒として水が好適に使用できる。重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ブチルパーオキシピバレート、ブチルパーオキシオクタネート、過硫酸塩、カルバモイルアゾイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤及びパーオキサイド系開始剤が挙げられる。その好ましい使用量は、プレポリマーの製造で使用する単量体の総量100質量部当り0.05〜3質量部である。
重合時間は、3級アミノ基含有ラジカル重合性単量体及び/又は共重合可能な単量体の種類、重合開始剤の種類及び添加量、重合溶媒の量、重合温度などによって変化するが、通常30分〜10時間であり、3級アミノ基含有ラジカル重合性単量体及び/又は共重合可能な単量体が重合によって消費するまで反応を行うことが好ましい。
上記プレポリマーを構成する3級アミノ基含有単量体単位の3級アミノ基を4級化する場合は、例えばメチルクロライド等のハロゲン化アルキル(アルキル基の炭素数が1〜18、ハロゲン原子が塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)やベンジルクロライド等のハロゲン化ベンジル等のハロゲン化化合物が用いられる。4級化は、種々の公知の方法によって容易に達成される。
上記3級アミノ基を4級化するために使用するハロゲン化化合物の使用量は、通常、プレポリマーの総量に対して5〜100モル%で用いるのが好ましい。
上記3級アミノ基を4級化するために使用するハロゲン化化合物の使用量は、通常、プレポリマーの総量に対して5〜100モル%で用いるのが好ましい。
本発明における3級アミノ基及び/又は4級アンモニウム基含有単量体単位を有するマクロモノマーは、上記重合反応によって得られる分子鎖中に3級アミノ基及び/又は4級アンモニウム基含有単量体単位を有し且つ片末端にカルボキシル基を有するプレポリマーと、ラジカル重合性基含有エポキシ単量体とを反応させることにより得られる。
ラジカル重合性基含有エポキシ単量体としては、エポキシ基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどの脂環式エポキシ(メタ)アクリレート(CYCLOMER A−200、M−100等、ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。
ラジカル重合性基含有エポキシ単量体としては、エポキシ基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどの脂環式エポキシ(メタ)アクリレート(CYCLOMER A−200、M−100等、ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。
かかるマクロモノマー化の反応は、極性溶媒中、あるいは3級アミノ基の大部分又は全てを4級アンモニウム塩とする場合には水と極性溶媒との混合溶媒中で、必要に応じて4級アンモニウム塩化合物及び/又は4級ホスホニウム塩化合物の如き触媒の存在下に、60〜120℃に維持することにより円滑に進行する。この際、重合禁止剤の存在下、空気を封入して反応器を密閉するか、または空気をバブリングしながら行なうのが望ましい。
マクロモノマー化に要する反応時間は、上記プレポリマー及びラジカル重合性基含有エポキシ単量体の種類及び量、触媒の種類及び添加量、極性溶媒の量、反応温度などによって変化するが、通常2時間〜10時間であり、上記プレポリマーが反応によって消費するまで反応を行うことが好ましい。
マクロモノマー化で使用する極性溶媒は、プレポリマーを得る際の重合溶媒として例示した化合物が使用できるが、好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン化合物である。3級アミノ基の大部分又は全てを4級アンモニウム塩として用いる場合、水に混合させる極性溶媒は、エポキシ基含有化合物のような水に対して難溶の化合物を水に溶解または分散することを目的として加えるものであって、この目的にはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコールや、上述のケトン類の如き親水性有機溶媒が好適に使用できる。水と極性溶媒を混合する場合は、通常、水に極性溶媒が5〜50質量%で使用するのが好ましい。
マクロモノマー化に使用する極性溶媒(上記極性溶媒あるいは水及び極性溶媒との混合溶媒)の量は、通常、プレポリマー及びラジカル重合性基含有エポキシ単量体の総量が20〜70質量%になるように用いるのが好ましい。
マクロモノマー化に使用する極性溶媒(上記極性溶媒あるいは水及び極性溶媒との混合溶媒)の量は、通常、プレポリマー及びラジカル重合性基含有エポキシ単量体の総量が20〜70質量%になるように用いるのが好ましい。
マクロモノマー化での触媒には、テトラアルキルアンモニウムブロマイド又はトリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、及びテトラアルキルホスホニウムブロマイド等が挙げられる。好ましい触媒は、得られる反応生成液に着色が発生しにくい点で、4級アンモニウム塩である。
マクロモノマー化に使用する上記触媒の添加量は、通常、プレポリマー及びラジカル重合性基含有エポキシ単量体の総モル数に対して0.3〜3倍で用いるのが好ましい。
マクロモノマー化に使用する上記触媒の添加量は、通常、プレポリマー及びラジカル重合性基含有エポキシ単量体の総モル数に対して0.3〜3倍で用いるのが好ましい。
上記の操作により、目的とする3級アミノ基及び/又は4級アンモニウム基含有単量体単位を有する含窒素マクロモノマーが得られる。マクロモノマーの数平均分子量(以下、Mnという)は600〜100,000である。Mnが上記範囲を外れた場合、マクロモノマーとしてのラジカル重合性を損なうので好ましくない。尚、Mnは2.5質量%トリエチルアミンを含有するテトラヒドロフランを溶離液としたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の値である。
本発明の含窒素マクロモノマーは、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル等との共重合に用いられ、これによって得られるグラフト共重合体は、塗料、コーティング、接着剤、粘着剤、電子材料、反応性乳化剤、分散剤、凝集剤、紙力増強剤、歩留向上剤、サイズ剤又はピッチコントロール剤等として用いられる。マクロモノマーの4級化の度合は、用途、目的に応じて変化させることが可能である。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、各例において、「部」とあるのは「質量部」である。
(プレポリマーの製造)
攪拌機、冷却管、2個の滴下ロート、ガス導入管及び温度計の付いたガラスフラスコに、N,N−ジメチルアミノエチルメタアクリレート165g(1.05モル)、メルカプトプロピオン酸24.8g(0.234モル)、メチルエチルケトン275gを仕込み、80℃に昇温した。その後、一方の滴下ロートからメチルエチルケトン96.3g に溶解したN,N−ジメチルアミノエチルメタアクリレート385g(2.45モル)を3時間かけて滴下すると共に、同時にもう一方のロートからメチルエチルケトン272gに溶解したアゾビスイソブチロニトリル2.75g(0.0168モル)を4時間かけて滴下した。その後更に80℃で3時間攪拌を続け、末端にカルボキシル基を有するプレポリマー溶液を得た。
攪拌機、冷却管、2個の滴下ロート、ガス導入管及び温度計の付いたガラスフラスコに、N,N−ジメチルアミノエチルメタアクリレート165g(1.05モル)、メルカプトプロピオン酸24.8g(0.234モル)、メチルエチルケトン275gを仕込み、80℃に昇温した。その後、一方の滴下ロートからメチルエチルケトン96.3g に溶解したN,N−ジメチルアミノエチルメタアクリレート385g(2.45モル)を3時間かけて滴下すると共に、同時にもう一方のロートからメチルエチルケトン272gに溶解したアゾビスイソブチロニトリル2.75g(0.0168モル)を4時間かけて滴下した。その後更に80℃で3時間攪拌を続け、末端にカルボキシル基を有するプレポリマー溶液を得た。
(マクロモノマーの製造)
次いで、上記プレポリマー溶液にp−メトキシフェノール0.42g、テトラブチルアンモニウムブロマイド83.9g、グリシジルメタクリレート40.4g(0.285モル)を添加し、空気を吹き込みながら、75℃で4時間反応させた。その結果、滴定によって測定されるカルボキシル基の減少度から求めたメタクリロイル基の末端純度が97%、3級アミノ基の滴定によって求めた3級アミノ基残存率が100%のマクロモノマーMM−1(Mn約2,250)を得た。
次いで、上記プレポリマー溶液にp−メトキシフェノール0.42g、テトラブチルアンモニウムブロマイド83.9g、グリシジルメタクリレート40.4g(0.285モル)を添加し、空気を吹き込みながら、75℃で4時間反応させた。その結果、滴定によって測定されるカルボキシル基の減少度から求めたメタクリロイル基の末端純度が97%、3級アミノ基の滴定によって求めた3級アミノ基残存率が100%のマクロモノマーMM−1(Mn約2,250)を得た。
実施例1のプレポリマーの製造によって得られた末端にカルボキシル基を有するプレポリマー溶液20.0gを、スターラーチップを備えたガラスビンに入れ、これにアリルブロマイド0.597gを室温下、攪拌しながら添加して密閉し、その後更に10分間攪拌した。この溶液にp−メトキシフェノール0.0064g、グリシジルメタクリレート0.633g(0.00446モル)を添加し、容器を密閉して75℃で4時間反応させた。その結果、滴定によって測定されるカルボキシル基の減少度から求めたメタクリロイル基の末端純度96%の、3級アミノ基の約9%が4級化されたマクロモノマーMM−2(Mn約2,250)を得た。
実施例1のプレポリマーの製造によって得られた末端にカルボキシル基を有するプレポリマー溶液300gを、スターラーチップを備えた三角フラスコに入れ、これにメチルクロライドガスを封入し、室温で攪拌した。約1時間後に塩酸で滴定したところ、3級アミノ基の約16.4%が4級化されていた。こうして得られたプレポリマー200gを300mLフラスコに入れ、更にp−メトキシフェノール0.066g、グリシジルメタクリレート6.33g(0.0446モル)を添加し、空気を吹き込みながら75℃で4時間攪拌した。その結果、滴定によって測定されるカルボキシル基の減少度から求めたメタクリロイル基の末端純度99%の、3級アミノ基の約16.4%が4級化されたマクロモノマーMM−3(Mn約2,250)を得た。
マクロモノマーの精製は、マクロモノマーのメチルエチルケトン溶液を過剰のシクロヘキサン中に滴下し、析出させることによって行なった。このようにして得られた精製マクロモノマーをプロトン核磁気共鳴スペクトル測定に供した。
図1に一例として、マクロモノマーMM−3のプロトン核磁気共鳴スペクトルを示した。δ値0.8〜2.2ppmにプレポリマー主骨格に基づくピーク、2.2〜2.5及び3.2〜3.5ppmにN−メチル基に基づくピーク、2.5〜2.9及び3.7〜4.7ppmにN−エチレン基に基づくピーク並びに5.6〜6.3ppmに末端エチレン二重結合に基づくピークが観測される。これらから、マクロモノマーの末端にメタクリロイル基が存在していることが確認された。
図1に一例として、マクロモノマーMM−3のプロトン核磁気共鳴スペクトルを示した。δ値0.8〜2.2ppmにプレポリマー主骨格に基づくピーク、2.2〜2.5及び3.2〜3.5ppmにN−メチル基に基づくピーク、2.5〜2.9及び3.7〜4.7ppmにN−エチレン基に基づくピーク並びに5.6〜6.3ppmに末端エチレン二重結合に基づくピークが観測される。これらから、マクロモノマーの末端にメタクリロイル基が存在していることが確認された。
(共重合体プレポリマーの製造)
攪拌機、冷却管、ガス導入管及び温度計の付いたガラスフラスコに、N,N−ジメチルアミノエチルメタアクリレート39.25g(0.25モル)、ラウリルメタアクリレート12.7g(0.053モル)、メルカプトプロピオン酸2.65g(0.025モル)、メチルエチルケトン63.5gを仕込み、80℃に昇温した。これにメチルエチルケトン5.45gに溶解したアゾビスイソブチロニトリル0.287g(0.0018モル)を加えた後、フラスコ内の温度を80℃に維持したまま6時間攪拌を続け、末端にカルボキシル基を有する共重合体プレポリマー溶液を得た。
攪拌機、冷却管、ガス導入管及び温度計の付いたガラスフラスコに、N,N−ジメチルアミノエチルメタアクリレート39.25g(0.25モル)、ラウリルメタアクリレート12.7g(0.053モル)、メルカプトプロピオン酸2.65g(0.025モル)、メチルエチルケトン63.5gを仕込み、80℃に昇温した。これにメチルエチルケトン5.45gに溶解したアゾビスイソブチロニトリル0.287g(0.0018モル)を加えた後、フラスコ内の温度を80℃に維持したまま6時間攪拌を続け、末端にカルボキシル基を有する共重合体プレポリマー溶液を得た。
(共重合体マクロモノマーの製造)
上記プレポリマーの製造によって得られた末端にカルボキシル基を有する共重合体プレポリマー溶液100gを、攪拌機、冷却管、ガス導入管及び温度計を備えた200mLガラスフラスコに入れ、p−メトキシフェノール0.033g、テトラブチルアンモニウムブロマイド7.48g(0.023モル)、グリシジルメタクリレート3.60g(0.025モル)を添加し、空気を吹き込みながら75℃で4時間攪拌した。その結果、滴定によって測定されるカルボキシル基の減少度から求めたメタクリロイル基の末端純度99.6%の、3級アミノ基の滴定によって求めた3級アミノ基残存率が100%のマクロモノマーMM−4(Mn約2,300)を得た。
上記プレポリマーの製造によって得られた末端にカルボキシル基を有する共重合体プレポリマー溶液100gを、攪拌機、冷却管、ガス導入管及び温度計を備えた200mLガラスフラスコに入れ、p−メトキシフェノール0.033g、テトラブチルアンモニウムブロマイド7.48g(0.023モル)、グリシジルメタクリレート3.60g(0.025モル)を添加し、空気を吹き込みながら75℃で4時間攪拌した。その結果、滴定によって測定されるカルボキシル基の減少度から求めたメタクリロイル基の末端純度99.6%の、3級アミノ基の滴定によって求めた3級アミノ基残存率が100%のマクロモノマーMM−4(Mn約2,300)を得た。
本発明によれば、従来法に比べて工業的に有利な方法で且つ高純度な3級アミノ基及び/又は4級アンモニウム基含有単量体単位を有する含窒素マクロモノマーを製造でき、当該マクロモノマーは、枝に3級アミノ基及び/又は4級アンモニウム基含有単量体単位を有するグラフト共重合体の原料として有用である。さらに、かかるグラフト共重合体は、塗料、コーティング、接着剤、粘着剤、電子材料、反応性乳化剤、分散剤、凝集剤、紙力増強剤、歩留向上剤、サイズ剤及びピッチコントロール剤等として有用である。
Claims (4)
- 片末端にカルボキシル基を有し、3級アミノ基含有ラジカル重合性単量体及び所望により共重合可能な単量体を構成単位とするプレポリマーを、必要に応じて3級アミノ基の少なくとも一部を4級アンモニウム塩とし、
さらに、このプレポリマーをラジカル重合性基含有エポキシ単量体と反応させる時、極性溶媒中、必要に応じて4級アンモニウム塩化合物及び/又は4級ホスホニウム塩化合物を触媒に用いることを特徴とするマクロモノマー製造方法。 - 極性溶媒に水及び/又はアルコールを使用し、前記プレポリマーの3級アミノ基の全てを4級アンモニウム塩とする請求項1に記載のマクロモノマー製造方法。
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JP2013053225A (ja) * | 2011-09-02 | 2013-03-21 | Dainippon Printing Co Ltd | ナノ微粒子複合体の製造方法 |
JP2015212383A (ja) * | 2015-05-13 | 2015-11-26 | 大日本印刷株式会社 | 重合性分散安定化剤、重合性分散安定化剤溶液、及びナノ微粒子複合体 |
-
2003
- 2003-11-26 JP JP2003395174A patent/JP2005154576A/ja active Pending
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