JP2005154392A - ω−メルカプトアルキルピリジン類の製造法 - Google Patents

ω−メルカプトアルキルピリジン類の製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】 着色が低減されたω−メルカプトアルキルピリジン類の製造法を提供する。
【解決手段】 下式(I)
Figure 2005154392

[式中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、nは0〜2の整数を表す。]
で表されるピリジン類と硫化水素を第三級アミンの存在下に反応させて得た下式(II)
Figure 2005154392

[式中、R、Rおよびnは前記と同じ意味を表す。]
で表されるω−メルカプトアルキルピリジン類を含む反応混合物を、疎水性有機溶媒の存在下に水洗する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ω−メルカプトアルキルピリジン類の製造法に関する。
2−(2−メルカプトエチル)ピリジンや4−(2−メルカプトエチル)ピリジン等のω−メルカプトアルキルピリジン類は、ビスフェノールAを製造する際に用いられるキレート触媒への添加剤や医農薬中間体等として有用な化合物である。
従来、ω−メルカプトアルキルピリジン類の製造法としては、例えば、2−ビニルピリジンに硫化水素を反応させて、2−(2−メルカプトエチル)ピリジンを収率23%で製造する方法が報告されている(非特許文献1及び非特許文献2)。
P.S.K.Chia et al., Aust. J. Chem., 19, 1835 (1966)
R.B.Thompson et al., Industrial and Engineering Chemistry, 44, 1659 (1952)
上記の非特許文献記載の方法では、ω−メルカプトアルキルピリジン類の製造に際し、式(I)で示されるピリジン類と硫化水素との反応において、式(III)
Figure 2005154392
[式中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、nは0〜2の整数を表す。]
で示される化合物[以下、化合物(III)という]が不純物として多量に副生し、ω−メルカプトアルキルピリジン類の収率が著しく低下するという問題があった。
この問題を解決するためには、硫化水素が存在する反応容器にピリジン類を仕込み、第三級アミンの存在下に反応させればよい。
しかしながら、硫化水素が存在する反応容器に着色したピリジン類を仕込み、第三級アミンの存在下に反応させると、反応混合物中に残存するピリジン類の着色物に起因して反応混合物が着色してしまう。そして、該着色した反応混合物を濃縮して得たω−メルカプトアルキルピリジン類をキレート触媒に添加してビスフェノールAの製造に用いると、ビスフェノールAも着色してしまうという問題があった。
本発明の目的は、着色が低減されたω−メルカプトアルキルピリジン類の製造法を提供することである。
すなわち、本発明は、下式(I)
Figure 2005154392
[式中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、nは0〜2の整数を表す。]
で表されるピリジン類と硫化水素を、上記ピリジン類とは異なる第三級アミンの存在下に反応させて得た下式(II)
Figure 2005154392
[式中、R、Rおよびnは前記と同じ意味を表す。]
で表されるω−メルカプトアルキルピリジン類を含む反応混合物を、疎水性有機溶媒の存在下に水洗することを特徴とするω−メルカプトアルキルピリジン類の製造法を提供するものである。
本発明のω−メルカプトアルキルピリジン類(II)の製造法によれば、着色したピリジン類(I)と硫化水素を第三級アミンの存在下で反応させても、生成したω−メルカプトアルキルピリジン類の着色を低減させることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のω−メルカプトアルキルピリジン類の製造法は、通常回分式で行われる。
本発明の製造法に用いられるピリジン類(I)の中でも、nが0であるピリジン類が好ましく、nが0であり且つRおよびRがいずれも水素原子であるピリジン類がより好ましく、2−ビニルピリジン又は4−ビニルピリジンが特に好ましい。
ピリジン類(I)にハイドロキノン類やカテコール類等の重合禁止剤が含まれる場合は、反応に使用する前にピリジン類(I)中の重合禁止剤を除去することが好ましい。
本発明の製造法における硫化水素の使用量は、ピリジン類(I)の1モルに対して通常は1〜30モルの範囲である。
本発明の製造法における第三級アミンの使用量は、ピリジン類(I)の1モルに対して0.005モル以上であればよい。
本発明の製造法において、好ましく用いられる第三級アミンは、下記(A)〜(C)からなる群から選ばれる一種以上のアミンである。
(A):下式(a)で表わされる第三級アミン
Figure 2005154392
[式(a)におけるR21〜R23は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基、炭素数4〜12の環状アルキル基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表す。該鎖状アルキル基、該環状アルキル基及び該芳香族炭化水素基中の水素原子は、アミノ基、炭素数1〜8のN−アルキルアミノ基、炭素数1〜8のN,N−ジアルキルアミノ基及び水酸基から選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよい。]
(B):下式(b)で表わされる脂環式第三級アミン
Figure 2005154392
[式(b)におけるR24は、炭素数1〜8の鎖状アルキル基、炭素数4〜12の環状アルキル基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、該鎖状アルキル基、該環状アルキル基及び該芳香族炭化水素基中の水素原子は、それぞれ、アミノ基、N−アルキルアミノ基(但し、該アルキルは炭素数が1〜8個である)、N,N−ジアルキルアミノ基(但し、各アルキルはそれぞれ独立に炭素数が1〜8個である)又は水酸基で置換されていてもよい。また、式(b)における複素環中の一部の−CH−は、−NH−又は−O−で置換られていてもよい。mは0〜8の整数を表す。]
(C):含窒素芳香族複素環化合物
該含窒素芳香族複素環化合物は、複素環を構成する炭素原子に炭素数1〜8のアルキル基が結合していてもよく、さらに、該アルキル基中の水素原子はアミノ基、N−アルキルアミノ基(但し、該アルキルは炭素数が1〜8である)、N,N−ジアルキルアミノ基(但し、各アルキルはそれぞれ独立に炭素数が1〜8である)又は水酸基で置換されていてもよい。
第三級アミンとしては、下式(1)、(2)、(5)及び(6)で表されるアミン群から選ばれる一種以上のアミンが好ましい。
Figure 2005154392
[式(1)におけるR〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表す。]
Figure 2005154392
[式(2)におけるR〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表し、pは1〜3の整数を表す。]
Figure 2005154392
[式(5)及び(6)におけるR13〜R15は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表す。また、φ1〜φは、それぞれ独立に芳香族炭化水素基を表す。]
上記の鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基やブチル基等の炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
上記の環状アルキル基としては、例えば、シクロペンチル基やシクロヘキシル基等の炭素数4〜12の環状アルキル基が挙げられる。
また、芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基やベンジル基等の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基が挙げられる。
アミン(A)としては、3個のアルキル基と結合した窒素原子を有する第三級アミンや、芳香族炭化水素基と結合した窒素原子を有する第三級アミン等が挙げられる。
前記3個のアルキル基と結合した窒素原子を有する第三級アミンとしては、例えば、以下の式(1)〜(6)で表されるアミン等が挙げられる。
Figure 2005154392
[式(1)におけるR〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表す。]
式(1)で表される第三級アミンの具体例としては、トリメチルアミンやトリエチルアミン等が挙げられる。
Figure 2005154392
[式(2)におけるR〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表し、pは1〜3の整数を表す。]
式(2)で表される第三級アミンの具体例としては、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノメタン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンやN,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン等が挙げられる。
Figure 2005154392
[式(3)及び(4)におけるR10〜R12は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表す。q及びrは、それぞれ独立に1〜4の整数を表す。]
式(3)で表される第三級アミンとしては、N,N−ジエチルエタノールアミン等が例示される。
また、式(4)で表される第三級アミンとしては、N−メチルジエタノールアミン等が例示される。
芳香族炭化水素基と結合した窒素原子を有する第三級アミンとしては、例えば下式(5)及び(6)で表されるアミン等が挙げられる。
Figure 2005154392
[式(5)及び(6)におけるR13〜R15は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表す。また、φ1〜φは、それぞれ独立に芳香族炭化水素基を表す。]
(B)の脂環式第三級アミンとしては、例えば、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、(ヒドロキシエチル)ピペラジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンやN−(3−アミノプロピル)モルホリン等のアミンが挙げられる。
(C)の含窒素芳香族複素環化合物としては、例えば、ピリジン、α−ピコリン、γ−ピコリン、ルチジンや4−ピペリジノピリジン等のアミンが挙げられる。
本発明の製造法における第三級アミンとしては、2種以上の第三級アミンの混合物を用いてもよい。
第三級アミンとしては、ω−メルカプトアルキルピリジン類の収率の観点からは、前記(A)及び(B)の第三級アミンが好ましく、(A)の式(1)、(2)、(5)及び(6)で表される第三級アミン並びに(B)の脂環式第三級アミンからなる群から選ばれる一種以上の第三級アミンがより好ましく、前記式(1)及び(2)で表される第三級アミンが特に好ましい。
本発明のω−メルカプトアルキルピリジン類の製造法における硫化水素としては、通常はボンベ等の容器に充填されたものがそのまま用いられる。
硫化水素を使用する際には、反応を効率よく実施するために、必要に応じて、反応容器又は反応槽を密封してもよいし、加圧してもよい。
硫化水素の使用量は、ピリジン類(I)1モルに対して、通常は1〜30モルの範囲である。反応容器として、密封容器を用いた場合は、ピリジン類(I)1モルに対して、通常は1〜10モルの範囲である。
本発明の製造法においては、ピリジン類(I)と硫化水素を第三級アミンの存在下に反応させることにより、ω−メルカプトアルキルピリジン類(II)を含む反応混合物が得られる。
具体的には、(ア)第三級アミンとピリジン類(I)と必要に応じて反応溶媒を含む混合物中に硫化水素を導入する方法;(イ)第三級アミンと反応溶媒の混合物中に又は第三級アミン中に硫化水素を導入後、ピリジン類(I)を導入する方法;(ウ)反応容器内の硫化水素中に、第三級アミンを導入し、次いでピリジン類(I)を導入する方法;(エ)反応容器内の硫化水素中に、第三級アミンとピリジン類(I)を順次又は同時に導入する方法(オ)反応容器に、第三級アミンとピリジン類(I)と硫化水素を同時に導入する方法等が挙げられる。
本発明の製造方法においては、上記の(イ)と(ウ)の方法の如く、硫化水素が予め存在する反応容器又は反応槽にピリジン類(I)を導入する方法が、後述するスルフィド体(III)等の副生成物量を抑制する傾向にあることから好ましく、(ウ)の方法が殊に好ましい。
硫化水素導入後のゲージ圧(大気圧に対する差圧)は、好ましくは0.1〜1.5MPaであり、より好ましくは0.2〜1.0MPaである。反応容器内での硫化水素の形態は気体状態でもよいし、液体状態でもよい。また、加圧の際に窒素やヘリウム等の不活性ガスを用いて圧力調整してもよい。さらに、反応終了後に残存した硫化水素は、別に設置した反応容器に移しておき、次回の反応に再使用してもよい。
本発明の製造法における反応温度は、通常は−40〜100℃の範囲であり、好ましくは−30〜60℃の範囲である。反応温度が−40℃以上であると反応速度が向上する傾向にあることから好ましく、100℃以下であると下式(III)で表されるスルフィド体等の副生成物量が抑制される点で好ましい。
Figure 2005154392
(式中、R、Rおよびnは前記と同じ意味を表す。)
本発明の製造法における反応時間は、ピリジン類(I)、第三級アミン及び硫化水素の量や、これらの原料化合物の導入方法や、反応温度等によっても異なるが、通常は0.1〜20時間の範囲である。
かくして得られた反応混合物を疎水性有機溶媒の存在下に水洗することにより、第三級アミンと共に着色成分やゲル分が除去されたω−メルカプトアルキルピリジン類(II)を得ることができる。
水洗後のω−メルカプトアルキルピリジン類(II)の疎水性有機溶媒は、そのまま、ビスフェノールA製造用のキレート触媒の添加剤等として用いてもよい。
また、ω−メルカプトアルキルピリジン類(II)の疎水性有機溶媒を、例えば無機酸(塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等)又は有機酸(酢酸、クエン酸等)で中和後、ω−メルカプトアルキルピリジン類(II)の塩の水溶液として、ビスフェノールA製造用のキレート触媒の添加剤等として用いてもよい。
上記の疎水性有機溶媒としては、例えば、炭素数5以上の脂肪族ケトン(メチルイソブチルケトン等)、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタンやオクタン等)、脂環式炭化水素(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(キシレン、トルエン、エチルベンゼンやシメン等)が用いられる。
疎水性有機溶媒としては、上述した2種以上の溶媒の混合物を使用してもよい。
疎水性有機溶媒の使用量は、上記の反応混合物1重量部当り、通常は0.5〜5重量部の範囲であり、好ましくは1〜4重量部の範囲である。
疎水性有機溶媒の使用量が0.5重量倍未満では水洗時の分液性が悪くなり、且つω−メルカプトアルキルピリジン類の得量が低下する傾向がある。一方、疎水性有機溶媒の使用量が5重量倍を超えても、メルカプトアルキルピリジン類の得量が向上することはなく、経済的には不利となる傾向がある。
水洗時の温度は、通常は5〜90℃の範囲であり、好ましくは10〜60℃の範囲である。水洗時の温度が5℃未満ではω−メルカプトアルキルピリジン類の得量が低下する傾向があり、水洗時の温度が90℃を超えると、第三級アミンの疎水性有機溶媒への溶解度が水に対する溶解度よりも相対的に高くなり、第三級アミンの除去に必要な洗浄水量が増加する傾向があり、好ましくない。
水洗時の水量は、前記反応混合物1重量部当り、通常は0.1〜2重量部の範囲であり、好ましくは0.1〜1重量部の範囲である。
水洗時の水量が2重量倍を超えると、ω−メルカプトアルキルピリジン類の収率が低下する傾向がある。また、水洗時の水量が1重量倍未満であると、疎水性有機溶媒と水の分液性が悪化する傾向があり、操作性の観点から好ましくない。
水洗の回数は、第三級アミンの使用量等により異なるが、通常は1〜10回、好ましくは3〜5回である。
水洗しないと反応混合物中の着色物が除去できず、水洗の回数が増えるとω−メルカプトアルキルピリジン類の得量が低下する傾向がある。
以下、実施例等により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[4−(2−メルカプトエチル)ピリジンの収率の算出法]
4−(2−メルカプトエチル)ピリジンの収率は、反応終了後の溶液をアセトニトリル/水の混合液で希釈して、下記条件の液体クロマトグラフを用いて、面積百分率法によって求めた。
<面積百分率法>
カラム:L−column ODS 4.6mmφ×15cm
移動相:2.5mmol/Lの1−ペンタンスルホン酸ナトリウム塩を含有するアセトニトリル/水
検出:UV254nm
実施例1
オートクレーブ内を硫化水素で置換した後、硫化水素で内圧を0.5MPa(ゲージ圧は5kg/cm)まで加圧した。続いて4−ビニルピリジン280.5g(2.67モル)とN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(以下、TMEDAと略す)15.6g(0.13モル)の混合溶液を攪拌下に−10℃で5時間かけて滴下した。滴下と同時に硫化水素を0.5MPa(ゲージ圧は5kg/cm)を保ちながら導入した。オートクレーブ内の硫化水素の合計量は344g(10.1モル)であった。滴下終了後、−10℃で1.5時間攪拌した後、硫化水素をオートクレーブ外へ放出した。得られた反応溶液を液体クロマトグラフで分析したところ、4−(2−メルカプトエチル)ピリジンの収率は、94%であった。
上述した反応溶液の130gにトルエン450gを加えた後、水85gで洗浄し、得られた洗浄混合物を濾過して、反応溶液中の着色物を除去した。着色物を除去した後の濾液を、各回85gの水を用いて3回洗浄し、トルエン層を得た。このトルエン層に36%塩酸84gと水15gを加えて攪拌後、静置して得たトルエン層を分液により除去した。
トルエン層除去後に得られた4−(2−メルカプトエチル)ピリジン塩酸塩水溶液のガードナー色数は、5〜6であった。
比較例1
実施例1と同様に反応した。次いで、トルエンを使用しないこと以外は、実施例1と同様にして後処理後、4−(2−メルカプトエチル)ピリジン塩酸塩水溶液を得た。
得られた4−(2−メルカプトエチル)ピリジン塩酸塩水溶液のガードナー色数は、11であった。
実施例2
トルエンの代わりにメチルイソブチルケトン(疎水性有機溶媒)を用いる以外は、実施例1と同様に反応及び後処理した。
得られた4−(2−メルカプトエチル)ピリジン塩酸塩水溶液のガードナー色数は、5〜6であった。
比較例2
実施例1と同様に反応した。
次いで、メチルイソブチルケトンの代わりにアセトン(親水性有機溶媒)を用いた以外は、実施例2と同様に後処理した。
後処理後においても、着色物は除去できなかった。また、得られた4−(2−メルカプトエチル)ピリジン塩酸塩水溶液のガードナー色数は、11であった。
以上の各例における水洗時の有機溶媒と、最終的に得られた4−(2−メルカプトエチル)ピリジンの塩の色数(ガードナースケールで測定)の関係を表1に示す。
Figure 2005154392

Claims (5)

  1. 下式(I)
    Figure 2005154392
    [式中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、nは0〜2の整数を表す。]
    で表されるピリジン類と硫化水素を、上記ピリジン類とは異なる第三級アミンの存在下に反応させて得た下式(II)
    Figure 2005154392
    (式中、R、Rおよびnは前記と同じ意味を表す。)
    で表されるω−メルカプトアルキルピリジン類を含む反応混合物を、疎水性有機溶媒の存在下に水洗することを特徴とするω−メルカプトアルキルピリジン類の製造法。
  2. 第三級アミンが、下記(A)〜(C)からなる群から選ばれる少なくとも一種のアミンである請求項1に記載の製造法。
    (A):下式(a)で表わされる第三級アミン
    Figure 2005154392
    [式(a)におけるR21〜R23は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基、炭素数4〜12の環状アルキル基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表す。該鎖状アルキル基、該環状アルキル基及び該芳香族炭化水素基中の水素原子は、アミノ基、炭素数1〜8のN−アルキルアミノ基、炭素数1〜8のN,N−ジアルキルアミノ基及び水酸基から選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよい。]
    (B):下式(b)で表わされる脂環式第三級アミン
    Figure 2005154392
    [式(b)における複素環中の窒素原子に結合するR24は、炭素数1〜8の鎖状アルキル基、炭素数4〜12の環状アルキル基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、該鎖状アルキル基、該環状アルキル基及び該芳香族炭化水素基中の水素原子は、それぞれ、アミノ基、N−アルキルアミノ基(但し、該アルキルは炭素数が1〜8個である)、N,N−ジアルキルアミノ基(但し、各アルキルはそれぞれ独立に炭素数が1〜8個である)又は水酸基で置換されていてもよい。また、式(b)における複素環中の一部の−CH−は、−NH−又は−O−で置換られていてもよい。mは0〜8の整数を表す。]
    (C):含窒素芳香族複素環化合物
    含窒素芳香族複素環化合物は、複素環を構成する炭素原子に炭素数1〜8のアルキル基が結合していてもよく、該アルキル基中の水素原子はアミノ基、N−アルキルアミノ基(但し、該アルキルは炭素数が1〜8である)、炭素数1〜8のN,N−ジアルキルアミノ基(但し、各アルキルはそれぞれ独立に炭素数が1〜8である)又は水酸基で置換されていてもよい。
  3. 式(I)で表されるピリジン類が、4−ビニルピリジン及び/又は2−ビニルピリジンである請求項1又は2に記載の製造法。
  4. 第三級アミンが、下式(1)、(2)、(5)及び(6)で表されるアミン群から選ばれる一種以上のアミンである請求項1〜3のいずれかに記載の製造法。
    Figure 2005154392
    [式(1)におけるR〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表す。]
    Figure 2005154392
    [式(2)におけるR〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表し、pは1〜3の整数を表す。]
    Figure 2005154392
    [式(5)及び(6)におけるR13〜R15は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表す。また、φ1〜φは、それぞれ独立に、芳香族炭化水素基を表す。]
  5. 疎水性有機溶媒が、次のa)〜d)群から選ばれる一つ以上の溶媒である請求項1〜4のいずれかに記載の製造法。
    a)脂肪族炭化水素類
    b)脂環式炭化水素類
    c)芳香族炭化水素類
    d)炭素数5以上の脂肪族ケトン
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