JP2005154188A - 一酸化炭素低減装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の一酸化炭素低減装置は、COを含む処理ガスと酸化剤ガスとの混合部が嵩ばることから装置全体が大型であり、部品点数が多く、製造工程が複雑であるという課題がある。
【解決手段】
一酸化炭素を含有する処理ガスの流路に触媒を設けてなる触媒層1と、前記処理ガスとのあいだで熱交換可能な隔壁部4を介して前記触媒層に接する冷媒層3とを設ける。前記冷媒層にはその縁部に隣接するように酸化剤ガス供給部11を設け、該酸化剤ガス供給部には、酸化剤ガスを前記触媒層の外部にて処理ガス中に供給する連通部13を設けた構成とする。
【選択図】図2
【解決手段】
一酸化炭素を含有する処理ガスの流路に触媒を設けてなる触媒層1と、前記処理ガスとのあいだで熱交換可能な隔壁部4を介して前記触媒層に接する冷媒層3とを設ける。前記冷媒層にはその縁部に隣接するように酸化剤ガス供給部11を設け、該酸化剤ガス供給部には、酸化剤ガスを前記触媒層の外部にて処理ガス中に供給する連通部13を設けた構成とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、一酸化炭素を含有する処理ガスから一酸化炭素を除去する装置に関し、特に燃料電池に供給する燃料ガスから一酸化炭素を除去する用途に好適な一酸化炭素低減装置に関する。
燃料電池に供給する燃料ガスから一酸化炭素を除去する技術として、特許文献1に示したようなものが知られている。
従来の一酸化炭素低減装置は、処理ガスに含有される一酸化炭素を酸化剤ガスと反応させるための触媒層と、その触媒を熱交換により適温に維持するための冷媒層とを積層した構造になっている。酸化剤ガスとしては通常は空気が用いられる。
酸化剤ガスである空気は触媒反応前または反応中に適度に処理ガスに混合してやる必要がある。このための混合部を積層構造において一体的に設けるのは難しいことから、触媒層を途中で屈曲し、該屈曲部を覆うように設けたチャンバ部にその外部から空気を供給する構成としている。
特開2000−95502号公報
前記構成を有する従来の一酸化炭素低減装置では、空気の混合部が嵩ばることから装置全体が大型化する。また、空気の混合部が触媒層や冷媒層に対して一体構造ではないので、部品点数が多く、製造工程が複雑化する。
本発明では、一酸化炭素を含有する処理ガスの流路に触媒を設けてなる触媒層と、前記処理ガスとのあいだで熱交換可能な隔壁部を介して前記触媒層に接する冷媒層とを設ける。前記冷媒層にはその縁部に隣接するように酸化剤ガス供給部を設け、該酸化剤ガス供給部には、酸化剤ガスを前記触媒層の外部にて処理ガス中に供給する連通部を設けた構成とする。
本発明によれば、処理ガス中の一酸化炭素を除去するための触媒反応容器に酸化剤ガスとの混合部を一体化することができるので装置全体を小型化することができる。さらに、装置を一体で製造できるため、部品点数や製造工程を低減することができる。
以下、本発明を改質型燃料電池システムの一酸化炭層低減装置に適用した実施の形態につき説明する。ガソリンまたはアルコール等の炭化水素系燃料を原料として改質器により生成される水素リッチガスには通常1〜10%程度の一酸化炭素(以下「CO」と表す。)が含まれており、燃料電池の劣化を防ぐためにはこれを10〜100ppm程度またはそれ以下に低減する必要がある。以下の実施形態は、基本的に処理ガスとして前記水素リッチガスを供給し、CO除去のための酸化剤ガスとして空気を利用する構成を前提としている。
(第1の実施形態)
図1〜図3に本発明の第1の実施形態を示す。図1は構成概念、図2は内部構造、図3は積層構造をなす装置の各層の構成をそれぞれ概略で示している。
(第1の実施形態)
図1〜図3に本発明の第1の実施形態を示す。図1は構成概念、図2は内部構造、図3は積層構造をなす装置の各層の構成をそれぞれ概略で示している。
図1に示した一酸化炭素低減装置10において、COを多く含んだ水素リッチガスは、混合部Aにて空気を混合された後、触媒層Bに流入する。触媒層Bには選択酸化反応(2CO+O2→2CO2)を生じさせる触媒として、例えばAl2O3からなる担体層の表面にPt、Ru等の触媒金属を担持させた触媒が設けられており、該触媒層Bにて前記選択酸化反応によりCO含有量が所定値以下にまで低減される。
触媒層Bには熱交換可能に冷媒層Cが設けられており、冷媒層Cに冷媒を流通させることにより、触媒層Bの触媒温度を適温である150〜100℃に調節し、水素を消費する副反応が起こらないようにしている。冷媒としては例えば自動車用LLCやオイル等が用いられる。
冷媒層Cには、その縁部に酸化剤ガス供給部Dが設けられており、酸化剤としての空気はここを通って触媒層Bの外部にある混合部Aにて水素リッチガスと混合される。
前記一酸化炭素低減装置10は、より具体的には図2および図3に示した構成を有している。図において1が触媒層であり、波形断面の壁材により多数の処理ガス流路2が並列的に形成され、その通路表面には前述した選択酸化触媒が被覆されている。3は熱交換面となる隔壁部4を挟んで前記触媒層1に積層される冷媒層であり、前記処理ガス流路2と直交する方向に多数の冷媒流路5が並列的に形成されている。
触媒層1と冷媒層3の両側部には積層状態で一連の冷媒供給通路または冷媒排出通路を形成する冷媒マニホールド6,7が形成されている。前記マニホールド6,7は冷媒層3の冷媒流路5にのみ連通しており、入口側の冷媒マニホールド6から供給された冷媒は冷媒流路5を通って出口側の冷媒マニホールド7から排出され、冷媒通路5を通過する間に隔壁部4を介して触媒層1と熱交換を行う。
また、図3に示したように、触媒層1と冷媒層3の前後端部には積層状態で一連の処理ガスの供給通路または排出通路を形成する処理ガスマニホールド8,9が形成されている。前記処理ガスマニホールド8,9は触媒層1の処理ガス流路2にのみ連通しており、入口側のマニホールド8から供給された処理ガスは処理ガス流路2を通って出口側のマニホールド7から排出され、処理ガス流路2を通過する間にCOの選択酸化処理が行われる。
前記冷媒マニホールド6,7と処理ガスマニホールド8,9は各層1,3に一体形成される構成として説明してあるが、それぞれ別体に形成して触媒層1と冷媒層3からなる積層体に組み付ける態様で設けるようにしてもよい。
この一酸化炭素低減装置10は、前述のように複数の触媒層1と冷媒層3を層間に隔壁部4を介して交互に積層し、その周囲に冷媒マニホールド6,7および処理ガスマニホールド8,9を設けた構成により全体として容器状をなしている。触媒層1および冷媒層3の通路部分の断面積または積層数は、通過させる処理ガスまたは冷媒の流量、処理ガス中に含有されるCOの濃度等に応じて適宜に設定される。
この実施形態の特徴は、前記冷媒層3の前縁部(図3の下方)に、前記処理ガスの入口側に臨むように酸化剤ガス供給部11が一体的に設けられている点にある。この酸化剤ガス供給部11の一端部は、前記冷媒の入口側マニホールド6に隣接するように形成された酸化剤マニホールド12を介して酸化剤としての空気の供給を受ける。酸化剤ガス供給部11には、前記処理ガスマニホールド8内に臨むように開口する多孔状あるいはスリット状の連通部13が形成されている。
酸化剤マニホールド12は各層の酸化剤ガス供給部11にのみ連通しており、該マニホールド12から供給された空気は各層の酸化剤ガス供給部11へと分配され、それぞれの連通部13から処理ガスマニホールド8内へと供給される。酸化剤ガス供給部11からの空気は、触媒層1の入口側外部である処理ガスマニホールド8(図1の混合部26に相当)にて処理ガスである水素リッチガスと混合し、触媒層1に流れ込んでゆく。空気と共に触媒層1に流れ込んだ水素リッチガスは、出口側の処理ガスマニホールド9に達するまでの間に前述した選択酸化反応によりCOが除去される。
この実施形態の構成においては、冷媒層3に隣接しかつ触媒層1に積層する態様で酸化剤ガス供給部11を一体的に設けているので、一酸化炭素低減装置の全体を小型化することができると共に、部品点数や製造工程を低減することができる。
(第2の実施形態)
図4〜図6に本発明の第2の実施形態を示す。図4は構成概念、図5は内部構造、図6は積層構造をなす装置の各層の構成をそれぞれ概略で示している。この実施形態の一酸化炭層低減装置10は、下流側に別個に選択酸化触媒を設置する構成を前提として、当該下流側の選択酸化触媒での反応を補助するために出口部分で酸化剤である空気を混合するようにした点にある。前出の実施形態と対応する部分には同一の符号を付して示してある。
(第2の実施形態)
図4〜図6に本発明の第2の実施形態を示す。図4は構成概念、図5は内部構造、図6は積層構造をなす装置の各層の構成をそれぞれ概略で示している。この実施形態の一酸化炭層低減装置10は、下流側に別個に選択酸化触媒を設置する構成を前提として、当該下流側の選択酸化触媒での反応を補助するために出口部分で酸化剤である空気を混合するようにした点にある。前出の実施形態と対応する部分には同一の符号を付して示してある。
図4に示した一酸化炭素低減装置10において、触媒層Bにはあらかじめ空気が混合された水素リッチガスが流入する。触媒層Bには選択酸化反応を生じさせる触媒が設けられており、該触媒層Bにて前記選択酸化反応によりCO含有量が所定値以下にまで低減される。
触媒層Bには熱交換可能に冷媒層Cが設けられており、冷媒層Cに冷媒を流通させることにより、触媒層Bの触媒温度を適温に調節している。
冷媒層Cには、その縁部に酸化剤ガス供給部Dが設けられており、酸化剤としての空気はここを通って触媒層Bの外部にある混合部Aにて、触媒層Bを通過してきた水素リッチガスと混合される。
前記一酸化炭素低減装置10は、より具体的には図5および図6に示した構成を有している。この一酸化炭層低減装置10は、図示したように構造的には第1の実施形態と同一であり、ただし触媒層1に対して処理ガスである水素リッチガスと空気との混合気を流す方向が異なる。これにより、酸化剤ガス供給部9は触媒層1の出口部分にて処理ガス中に空気を混合する構成となる。触媒層1の出口部にて酸化剤ガス供給部9からの空気と混合した処理ガスは、前述したようにさらに下流側に位置する選択酸化反応器によりCO低減が行われる。
この実施形態において、触媒層1に設ける触媒として、選択酸化触媒に代えて例えばZnO担体にCuを被覆したシフト触媒を設け、シフト反応(CO+H2O→CO2+H2)によりCOを処理するようにした構成としてもよい。この場合、冷媒層3には冷媒として空気や水蒸気を供給し、触媒層1の温度を400〜200℃程度に保つようにする。
図7は図1に示した第1の実施形態の一酸化炭素低減装置10を2段階に設けた構成を、図8は図4に示した第2の実施形態の一酸化炭素低減装置10を2段に設け、その下流側に選択酸化反応器14を配置した構成を、それぞれ示している。図8において上流側の一酸化炭素低減装置10は選択酸化反応型、下流側の一酸化炭素低減装置10はシフト反応型である。最終段の選択酸化反応器14は、終段での処理では反応熱が少ないことから熱交換型ではない。このように多段階的に反応器を設けても、一酸化炭素低減装置10がそれぞれ十分に小型化であるところから、装置全体としても小型にまとめることができる。
(第3の実施形態)
図9〜図11に本発明の第3の実施形態を示す。図9は構成概念、図10は内部構造、図11は積層構造をなす装置の各層の構成をそれぞれ概略で示している。前出の実施形態と対応する部分には同一の符号を付して示してある。
(第3の実施形態)
図9〜図11に本発明の第3の実施形態を示す。図9は構成概念、図10は内部構造、図11は積層構造をなす装置の各層の構成をそれぞれ概略で示している。前出の実施形態と対応する部分には同一の符号を付して示してある。
この実施形態の一酸化炭層低減装置10は、図9に示したように、触媒層Bに処理ガスの流れが反転するガス反転部Eを設け、このガス反転部Eに酸化剤ガスである空気との混合部Aを設けた点が特徴である。
前記一酸化炭素低減装置10は、より具体的には図10および図11に示した構成を有している。この一酸化炭層低減装置10は、図示したように触媒層1および冷媒層3の基本的な構成は前出の実施形態と同一である。ただし冷媒層3を挟んで積層方向に隣接する複数の触媒層間にわたってガス反転部15が設けられており、上流側の触媒層1から流出してきた処理ガスの流れを該反転部15により反転させて下流側の触媒層1に流入するようになっている。
また、冷媒層3と一体化した酸化剤ガス供給部11は、その連通部13が前記ガス反転部15に臨んで開口するように設けられている。
各層の構成を分割して図示した図11においては、図の左側の触媒層1の端部に形成されたガス反転空間部15aが、右側の触媒層1の端部に形成された反転空間部15bに対して積層状態において一体化して相互に連通し、処理ガスを反転して流すガス反転部15を形成する構成であることを示している。
この実施形態によれば、複数の触媒層間に処理ガスを反転させるガス反転部15を一体化して設け、かつ該ガス反転部に面して空気を供給するように酸化剤ガス供給部11を設けたので、処理ガスを反転して流すように構成した選択酸化反応型の一酸化炭素低減装置を小型にまとめることができ、部品点数や製造工程を低減することができる。
なお、前記各実施形態において、酸化剤ガス供給部11は多数の触媒層1のうちの一部にのみ設けるようにしてもよいが、各触媒層毎またはガス反転部毎に酸化剤ガス供給部11を設けることにより、水素リッチガス中の酸素濃度のバラツキが小さくなり、反応効率をより高くすることができる。ただし、複数の触媒層1のうち上流側のものでは反応物が高濃度であり反応温度も比較的高くなるのに対して、下流側では反応物の濃度が低下して反応温度が比較的低下する傾向を示すことがある。このような場合には、酸化剤ガス供給部11を複数の触媒層1のうちの途中または下流部分のものにのみ設け、あるいは下流側の触媒層1ほど供給空気量が多く少なくなるように連通部13の開口面積を設定するようにしてもよく、これにより反応をより効率化することが酸化剤ガスを最小限の流量にすることができる。
1 触媒層
2 処理ガス流路
3 冷媒層
4 隔壁部
5 冷媒流路
6,7 冷媒マニホールド
8,9 処理ガスマニホールド
11 酸化剤ガス供給部
12 酸化剤マニホールド
13 連通部
15 ガス反転部
2 処理ガス流路
3 冷媒層
4 隔壁部
5 冷媒流路
6,7 冷媒マニホールド
8,9 処理ガスマニホールド
11 酸化剤ガス供給部
12 酸化剤マニホールド
13 連通部
15 ガス反転部
Claims (9)
- 一酸化炭素を含有する処理ガスと酸化剤ガスとを触媒下で反応させて前記処理ガス中の一酸化炭素を低減する一酸化炭素低減装置において、
前記処理ガスの流路に触媒を設けてなる触媒層と、
前記処理ガスと熱交換する冷媒の流路を有し、熱交換可能な隔壁部を介して前記触媒層に接する冷媒層と、
前記酸化剤ガスの流路を有し、前記冷媒層の縁部に隣接して設けられる酸化剤ガス供給部と、を備え、
前記酸化剤ガス供給部には、酸化剤ガスを前記触媒層の外部にて処理ガス中に供給する連通部を設けたことを特徴とする一酸化炭素低減装置。 - 前記酸化剤ガス供給部および連通部を、前記触媒層の処理ガス入口部近傍に設けた請求項1に記載の一酸化炭素低減装置。
- 前記酸化剤ガス供給部および連通部を、前記触媒層の処理ガス出口部付近に設けた請求項1に記載の一酸化炭素低減装置。
- 前記冷媒層の一端部に処理ガスの流れ方向を反転させるガス反転部を設けると共に、
前記酸化剤ガス供給部および連通部を、前記ガス反転部に隣接して設けた請求項1に記載の一酸化炭素低減装置。 - 前記触媒層には、触媒として選択酸化触媒を保持させた請求項1から請求項4の何れかに記載の一酸化炭素低減装置。
- 前記触媒層には、触媒としてシフト触媒を保持させた請求項3に記載の一酸化炭素低減装置。
- 前記触媒層と冷媒層とを交互に複数積層してなる請求項1から請求項6の何れかに記載の一酸化炭素低減装置。
- 前記触媒層は、燃料電池の燃料ガスとして改質により生成された水素リッチガスを処理ガスとして該処理ガス中の一酸化炭素を触媒反応により除去する請求項1に記載の一酸化炭素低減装置。
- 前記連通部は、複数の触媒層のうち下流側のものほど酸化剤ガスの供給量が大小となるように設けられている請求項1に記載の一酸化炭素低減装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003393934A JP2005154188A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | 一酸化炭素低減装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003393934A JP2005154188A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | 一酸化炭素低減装置 |
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JP2003393934A Pending JP2005154188A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | 一酸化炭素低減装置 |
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- 2003-11-25 JP JP2003393934A patent/JP2005154188A/ja active Pending
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