JP2005154181A - 繊維状ヒドロキシアパタイトの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、医療材料、カラムなどの充填材料、プラスチックやゴムの補強用材料等として用いられる繊維状ヒドロキシアパタイトを従来よりも簡便な方法で、短時間に得ることを課題とする。
【解決手段】カルシウム化合物、リン酸化合物及び尿素よりリン酸八カルシウム(OCP)を製造し、続いて該OCPを塩基性化合物の存在下で加熱処理することにより、OCPの形状を承継した形で繊維状ヒドロキシアパタイトを得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、医療材料、カラムなどの充填用材料、プラスチックやゴムの補強用材料等として用いられる繊維状ヒドロキシアパタイトの製造方法に関するものである。
ヒドロキシアパタイトは人体の骨を形成する物質と同じ組成であり、生体内での親和性も高いため、人口骨や人口歯などの代替材料、補修材料として用いられている。骨の補修材料としての用途のうち、骨欠損部の充填材として用いる場合には、その形状が針状または繊維状であることが好ましいとされている。これは、充填されたヒドロキシアパタイト粒子の間隙に骨細胞が侵入するためには100μm程度の間隙が必要であるといわれているためである。また、骨生成を促したり、吸着能を高めるためには、ヒドロキシアパタイトの純度が極めて高いことも望まれている。
従来、繊維状ヒドロキシアパタイトの製造方法としては、ヒドロキシアパタイトとりん酸アンモニウムをCa/Pモル比が1.00〜1.67となるように混合し、1500℃で加熱溶融した後溶融物を細孔を有するノズルから押出して紡糸する方法(特許文献1)、アパタイトの微粒状物をバインダーを溶解している水溶液に均一に分散させ、該分散液を細孔を有する紡糸ノズルから押出して紡糸する方法(特許文献2)、カルシウム塩及びリン酸塩を含む溶液を尿素の存在下で加熱してリン酸水素カルシウム(DCPA)結晶及びリン酸八カルシウム五水和物(OCP)結晶を得、さらに加熱することによって得られたDCPA結晶及びOCP結晶を加水分解してヒドロキシアパタイトを得る方法(特許文献3)が知られている。
しかし、特許文献1及び2に記載のヒドロキシアパタイト溶融物またはヒドロキシアパタイト溶液を紡糸する方法は、高温での溶融設備や紡糸設備等を必要とする。また、特許文献2に記載されている方法では、ヒドロキシアパタイトを溶液とするためバインダーを用いており、高純度の繊維状ヒドロキシアパタイトが得られにくい。さらに、特許文献3に記載されているDCPA及びOCP結晶を加水分解してヒドロキシアパタイトを得る方法では、加水分解に17〜80時間という長い時間を必要とするため、製造コストが高くなり、工業的大量生産には不向きである。
このため、簡便な方法で、より短い時間で高純度の繊維状ヒドロキシアパタイトを得る方法が切望されていた。
特開昭57−117621号公報 第3頁 特開昭61−75817号公報 第3頁 特開平2−141500号公報 第4−5頁
従って本発明の目的は、より簡便な方法で、短時間に繊維状ヒドロキシアパタイトを得る方法を開発することにある。
本発明者らは、カルシウム化合物、リン酸化合物及び尿素よりリン酸八カルシウム(OCP)を製造し、続いて該OCPを塩基性下で加熱処理することにより、OCPの形状を承継した形で繊維状のヒドロキシアパタイトを短時間で得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、繊維状ヒドロキシアパタイトの製造方法において、リン酸八カルシウムを塩基性化合物存在下で加熱処理することを特徴とする繊維状ヒドロキシアパタイトの製造方法に関するものである。また、前記リン酸八カルシウムは、カルシウム化合物、リン酸化合物及び尿素より製造することが好ましい。
本発明の方法によれば、繊維状ヒドロキシアパタイトを簡便な方法でかつ短時間で得ることができ、得られた繊維状ヒドロキシアパタイトは医療材料、カラムなどの充填用材料、プラスチックやゴムの補強用材料等として用いることができ、特に骨欠損部の充填材として有用である。
本発明の原料として用いるカルシウム化合物は、水易溶性の無機カルシウム塩及び有機カルシウム塩を用いることができ、具体的には、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、蟻酸カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウム、フマル酸カルシウム等を挙げることができる。これらは一種類で用いてもよいし、二種類以上組み合わせて用いてもよい。
別の原料であるリン酸化合物は、水易溶性のオルトリン酸塩類、リン酸エステル類、及び有機リン化合物であり、例えば、リン酸、リン酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸トリ酢酸、DL−O−ホスホセリン、O−ホスホ−L−チロシン、等を挙げることができる。これらは一種類で用いてもよいし、二種類以上組み合わせて用いてもよい。
水に対するカルシウム化合物、リン化合物、及び尿素の添加量は、リン酸八カルシウムが析出する範囲で設定される。カルシウム化合物の添加量は、0.01〜1.0mol/L、好ましくは0.05〜0.1mol/L、リン酸化合物の添加量は0.01〜1.0mol/L、好ましくは0.05〜0.1mol/L、尿素の添加量は、0.1〜5.0mol/L、好ましくは0.25〜0.5mol/Lである。
上記カルシウム化合物と、リン酸化合物との添加割合は、溶液中のCa/Pモル比が0.5〜2.0、好ましくは1.0〜1.67となるようにするのが望ましい。これは、Ca/Pモル比が0.5未満または2.0を超えると、沈殿を形成した後の液中にカルシウムイオンもしくはリン酸イオンが過剰に残存し、効率的ではないからである。また、上記尿素の添加割合は、カルシウム化合物に対し、尿素/Caモル比で1.0〜10、好ましくは2.0〜5.0となるようにすることが好ましい。これは、尿素/Caモル比が1.0以下であると、反応の完結に必要な分のアンモニウムイオンが発生せず、また尿素の加水分解速度が遅いためである。また、上記モル比が10以上であると、繊維長が短くなる傾向にあり、また反応完結時に過剰な尿素が残存し効率的ではないためである。
水に、上記カルシウム化合物、リン酸化合物、及び尿素を添加する。添加する順はいずれが先でもよく、添加後はすべてが溶解するまで攪拌する。
反応は、溶解させた反応液を所定の温度で静置することによって進行する。反応時間は3〜12時間、好ましくは6〜8時間である。反応温度は80〜100℃であり、85〜90℃が尿素の加水分解速度が充分に早く、また水の沸点以下であることから好ましい。具体的には、反応液を85〜90℃に設定したオーブンに所定時間静置することによって行うことができる。反応終了後、析出するリン酸八カルシウム(OCP)は、リボン状の結晶である。
続いて、OCP結晶が析出した反応液に塩基性化合物を添加する。塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、水酸化アンモニウム塩、水酸化カルシウム、アミン塩類等を挙げることができる。
添加は、反応液を85〜90℃に保ったまま、低速で攪拌しながら行う。さらに85〜90℃で1〜12時間、好ましくは3〜6時間攪拌する。この過程で、OCP結晶が加水分解され、OCP結晶の形状を継承した形で、繊維状ヒドロキシアパタイトを得ることができる。この反応機構は明らかではないが、OCP結晶構造の格子編成が行われヒドロキシアパタイトが生成するものと考えられる。
上記反応によって得られたヒドロキシアパタイトをろか、洗浄、乾燥することにより、目的とする繊維状ヒドロキシアパタイトを得ることができる。ろかは、吸引ろか等、通常行われる方法を用いることができる。また、洗浄は、ろか残渣をリパルプし、再度吸引ろかする等して行うことができる。乾燥は、オーブンを用いる乾燥等一般的な乾燥方法を用いることができる。
得られた繊維状ヒドロキシアパタイトは、長さ20〜150μm、幅0.5〜5μmであり、XRD測定によりヒドロキシアパタイトの結晶構造を確認することができる。
次に実施例をあげて本発明の繊維状アパタイトの製造方法を具体的に説明するが、特にこれにより限定を行なうものではない。
(実施例1)
脱イオン水2000mlを2Lビーカーに入れ、塩化カルシウム2水和物14.7g(0.1モル)、リン酸アンモニウム11.5g(0.1モル)及び尿素30g(0.5モル)を添加し攪拌して溶解させた。この溶液を95℃のオーブン中で6時間静置しOCPウィスカーを析出させた。
続いて、反応溶液を95℃に保ちながら、3N水酸化ナトリウム水溶液100mlを添加し、低速で3時間攪拌した。生成した繊維状のヒドロキシアパタイト結晶を吸引ろ過で集め、脱イオン水中でリパルプ洗浄した後ろ過、120℃で乾燥し、繊維状ヒドロキシアパタイト結晶9.2gを得た。
(分析)
得られた繊維状ヒドロキシアパタイトと市販のヒドロキシアパタイトのXRD測定値を比較することにより、ヒドロキシアパタイトの結晶構造を確認した。純度はカルシウムの含有量をEDTAキレート滴定、リンの含有量をリンバナドモリブデン法により測定し、その合量より算出し、99.7%であった。また上記含有量より見積もったCa/Pモル比は、1.51であった。この結果より、カルシウム欠損型ヒドロキシアパタイトであることが確認された。得られた繊維状ヒドロキシアパタイトのSEM写真を図1に示す。
実施例1で得られた繊維状ヒドロキシアパタイトの電子顕微鏡写真である。

Claims (2)

  1. 繊維状ヒドロキシアパタイトの製造方法において、リン酸八カルシウムを塩基性化合物存在下で加熱処理することを特徴とする繊維状ヒドロキシアパタイトの製造方法。
  2. カルシウム化合物、リン酸化合物及び尿素よりリン酸八カルシウムを製造する、請求項1に記載の繊維状ヒドロキシアパタイトの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102616762A (zh) * 2011-02-01 2012-08-01 中国科学院上海硅酸盐研究所 硅酸钙前驱体水热制备羟基磷灰石粉体的方法
CN108191424A (zh) * 2018-01-31 2018-06-22 武汉理工大学 一种板条状磷酸八钙纤维的制备方法
CN109809809A (zh) * 2019-03-07 2019-05-28 华南理工大学 一种羟基磷灰石支架表面高度取向的六棱柱微阵列的构建方法

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