JP2005154130A - シート穿孔装置、シート後処理装置及び画像形成装置 - Google Patents

シート穿孔装置、シート後処理装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コンパクトで効率よくシートに穿孔処理を施すシート穿孔装置を提供する。
【解決手段】シート穿孔装置2は、シートに穿孔処理を施すパンチ250の下方に、パンチ屑を収容するゴミ箱270を有している。ゴミ箱270の上方でパンチ250の下方には、回動軸262に固着されたフラッパ261が配置されている。フラッパ261は、ゴミ箱270に収容されたパンチ屑の上部を掃拭してパンチ屑の上部を平坦化する。フラッパ261及びパンチ250には、モータ280を含む共通駆動部289から駆動力が伝達される。フラッパ261及びパンチ250が近接して配置され、フラッパ261及びパンチ250を駆動する駆動源及び駆動伝達系が共通とされる。
【選択図】図2

Description

本発明はシート穿孔装置、シート後処理装置及び画像形成装置に係り、特に、シートに穿孔処理を施すシート穿孔装置、該シート穿孔装置を備えたシート後処理装置、及び、該シート穿孔装置又は後処理装置を備えた画像形成装置に関する。
一般に、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置から排出された画像形成済みのシートは、パンチ等で穿孔処理が施され(ファイル用の穴が形成され)ファイルバインダに綴じられる。近年、この手間を省くため、画像形成装置の一部若しくは周辺装置として又は画像形成装置から独立したスタンドアローンタイプとして、画像形成済みのシートに穿孔処理を施すシート穿孔装置が市場に投入されている。この種のシート穿孔装置は、シートの穿孔処理後の穿孔屑を収容する穿孔屑収容器を備えている。穿孔屑はシートの穿孔位置に対応して穿孔屑収容器内の所定位置に集中して堆積することから、穿孔屑収容器を振動させて穿孔屑を平坦化し、穿孔屑収容器の振動用の駆動源をシート搬送用の駆動源で兼用させた技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−139674号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術では、穿孔屑収容器全体を振動させるため、エネルギの消費量が大きくなると共に、穿孔屑収容器を振動させる専用の駆動手段が必要となるので、シート穿孔装置の大型化を招く、という問題がある。特に、駆動源から互いに離間しているシート搬送手段と穿孔屑収容器とに共通の駆動源からの駆動力を伝達するため、伝達機構(駆動伝達系)が大きくなり、シート穿孔装置のコンパクト化を図ることは難しい。また、シート搬送用の駆動と穿孔屑収容器の振動とのタイミングを重複ないし同期させると、エネルギの消費量が増加し駆動源にかかる負荷が大きくなるため、搬送不良や振動不足が生じやすく、逆に、タイミングをずらすと、穿孔屑収容器の振動中はシートを搬送できないため、結果としてシート穿孔装置全体の処理効率の低下を招く。
本発明は、上記事案に鑑み、コンパクトで効率よくシートに穿孔処理を施すシート穿孔装置、該シート穿孔装置を備えたシート後処理装置、及び、該シート穿孔装置又はシート後処理装置を備えた画像形成装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、シート穿孔装置であって、シートを搬入するための搬入部と、前記搬入部に搬入されたシートに穿孔処理を施す穿孔手段と、前記穿孔手段の穿孔処理後の穿孔屑を収容する穿孔屑収容手段と、前記穿孔屑収容手段に収容された穿孔屑の上部を掃拭して前記穿孔屑の上部を平坦化する掃拭手段と、前記穿孔手段及び掃拭手段を駆動する共通の駆動手段と、を備える。
第1の態様では、穿孔手段及び掃拭手段を駆動する共通の駆動手段を備えている。シートが搬入部を介してシート穿孔装置に搬入され、穿孔手段によりシートに穿孔処理が施される。穿孔処理後の穿孔屑は穿孔屑収容手段に収容され、掃拭手段により、穿孔屑収容手段に収容された穿孔屑の上部が掃拭され穿孔屑の上部が平坦化される。従って、穿孔屑収容手段は穿孔処理後の穿孔屑を収容するために穿孔手段の近傍に配置され、掃拭手段は穿孔屑収容手段に収容された穿孔屑の上部を掃拭するために穿孔屑収容手段の近傍に配置されるので、穿孔屑収容手段を介して、穿孔手段及び払拭手段は近接配置される。第1の態様によれば、穿孔手段及び払拭手段が近接配置されるため駆動伝達系の小型化を図ることができ、かつ、駆動手段が共通とされているので、シート穿孔装置をコンパクトに構成することができると共に、掃拭手段は穿孔屑の上部を掃拭し穿孔屑収容手段に収容された穿孔屑の全てを掃拭する必要はないので、少ないエネルギで穿孔屑の上部を平坦化でき、駆動手段への負荷が低減するため、共通の駆動手段で穿孔手段及び掃拭手段を駆動しても穿孔処理に不具合を生ずることなく、穿孔処理及び穿孔屑の平坦化を効率よく行うことができる。
第1の態様において、穿孔手段と掃拭手段との動作タイミングを制御する制御手段を更に備えることが好ましい。このとき、穿孔手段と掃拭手段との動作が重複するように駆動手段を制御すれば、穿孔処理と穿孔屑の平坦化とが重複したタイミングで制御されるので、穿孔屑収容手段に収容された穿孔屑の上部の平坦性を保つことができ、また、掃拭手段の動作が穿孔手段の穿孔処理後となるように駆動手段を制御すれば、穿孔処理と平坦化とが異なるタイミングで制御されるので、駆動手段にかかる負荷を低減させることができる。後者の場合に、駆動手段が正逆両方向に回転可能なモータであり、モータが正逆いずれか一方に回転したときのみ掃拭手段に駆動手段の駆動力を伝達するクラッチを更に有するようにしてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の態様は、シート後処理装置であって、シートを搬入するための搬入部と、前記搬入部に搬入されたシートに穿孔処理を施す穿孔手段と、前記穿孔手段の穿孔処理後の穿孔屑を収容する穿孔屑収容手段と、前記穿孔屑収容手段に収容された穿孔屑の上部を掃拭して前記穿孔屑の上部を平坦化する掃拭手段と、前記穿孔手段の穿孔処理後のシートを排出する排出手段と、前記排出手段の排出後のシートを収容するシート収容手段と、前記穿孔手段及び掃拭手段を駆動する共通の駆動手段と、を備える。本態様では、第1の態様の作用・効果に加え、穿孔処理が施されたシートがシート収容手段に収容されるように排出手段で排出される。
更に、本発明の第3の態様は、画像形成装置であって、シートに画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段で画像が形成されたシートを搬送する搬送手段と、前記搬送手段で搬送されたシートに穿孔処理を施す穿孔手段と、前記穿孔手段の穿孔処理後の穿孔屑を収容する穿孔屑収容手段と、前記穿孔屑収容手段に収容された穿孔屑の上部を掃拭して前記穿孔屑の上部を平坦化する掃拭手段と、前記穿孔手段及び掃拭手段を駆動する共通の駆動手段と、を備える。
本発明によれば、穿孔手段及び払拭手段が近接配置されるため駆動伝達系の小型化を図ることができ、かつ、駆動手段が共通とされているので、装置をコンパクトに構成することができると共に、掃拭手段は穿孔屑の上部を掃拭し穿孔屑収容手段に収容された穿孔屑の全てを掃拭する必要はないので、少ないエネルギで穿孔屑の上部を平坦化でき、駆動手段への負荷が低減するため、共通の駆動手段で穿孔手段及び掃拭手段を駆動しても穿孔処理に不具合を生ずることなく、穿孔処理及び穿孔屑の平坦化を効率よく行うことができる、という効果を得ることができる。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明を複写機に適用した第1の実施の形態について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の複写機1は、シートに画像を形成するデジタル複写機本体1Aと、複写機本体1Aの側部に装着され複写機本体1Aにより搬送されたシートに穿孔処理を施すシート穿孔装置2と、シート穿孔装置2の下流側の側面に装着され複数のシートで構成されるシート束に綴じ処理や折り処理を施すシート後処理装置3とを備えている。
1.複写機本体
複写機本体1Aは、原稿Dの複写画像をシートに形成する画像形成部902、画像形成部902の上方に配設され原稿Dに光を照射する光源907を有し原稿Dからの反射光を光学系908を介してCCD931に結像させ、いわゆるスキャナとして機能する画像入力部930、並びに、これら各部の動作を制御する制御部950を有して構成されている。
画像形成部902は、外周面に潜像が形成可能な円筒状の感光ドラム914を有している。感光ドラム914の周囲には、感光ドラム914に潜像形成用の電荷を帯電させる一次帯電器919、感光ドラム914上にハードディスクに記憶された画像データに応じて変調されたレーザビームを出力するレーザユニット922、感光ドラム914に形成された静電潜像を現像してトナー像とする現像器915、シートにトナー像を転写するために帯電させる転写用帯電器916、シートに転写用帯電器916とは逆極性に帯電させて感光ドラム914から分離するための分離帯電器917、及び、感光ドラム914を清浄するクリーナ918がそれぞれ配設されている。
レーザユニット922は、レーザビームを発生させる半導体レーザ、コリメータレンズを介して半導体レーザから出力されるレーザビームを1ライン毎のビームに変換するポリゴンミラー、ポリゴンミラーからの走査ライン毎のレーザビームを平行光に変換するfθレンズ、fθレンズからの平行光を反射して感光ドラム914に導くミラー、及び、ポリゴンミラーを回転させるモータを有して構成されている。
感光ドラム914の下流側かつ分離帯電器917の近傍には、無端搬送ベルト920が巻き掛けられたローラが配置されており、無端搬送ベルト920は、ヒートローラ等を有しシートに形成されたトナー像を加熱・定着させるための定着器904の近傍に配置されたローラとの間で張架されている。定着器904の下流側には、画像が形成されたシートを複写機本体1Aから排出するための排出ローラ対905が配設されている。無端搬送ベルト920の下部位置、かつ、排出ローラ対905と感光ドラム914の上流側との間には、片面に画像が定着されたシートの他面に画像を形成して両面印刷を行うためのデュープレックス921が配置されている。
複写機本体1Aの上部には原稿Dを載置するためのプラテンガラス906が配置されており、プラテンガラス906の上方には一側が複写機本体1Aの端部に固定され他側が回動可能にプラテンガラス906を覆うと共に、原稿Dをプラテンガラス906に自動給送可能な原稿自動給送装置(以下、ADFと略称する。)940が配置されている。また、複写機本体1Aの下部には、複写機本体1Aに所定サイズのシートを1枚ずつ給紙する給紙装置909が装着されている。給紙装置909は、着脱自在で、A5、A4、A3サイズのシートを収容する各カセットを有している。給紙装置909は、シートを画像形成部902に向けて給送するローラ対の回転駆動を制御する図示しない制御部で制御される。なお、シートのサイズの選択等の設定は、タッチパネル248から行うことができる。
制御部950は、中央演算処理装置として作動するCPU(以下、CPU1Aという。)、デジタル複写機1Aの基本制御プログラムを記憶したROM、CPU1Aのワークエリアとして働くRAM及びこれらを接続する内部バスで構成されている。制御部950には外部バスが接続されている。外部バスには、画像入力部930、画像入力部930で入力されたアナログ画像データをデジタル画像データに変換するA/D変換部、画像形成部902、タッチパネル248の表示や操作命令を制御するタッチパネル制御部、画像入力部930又はパーソナルコンピュータ等の外部装置から送出される画像データを記憶するハードディスクが接続されている。また、外部バスは、図示しないステッピングモータやソレノイドを駆動/作動させるアクチュエータ制御部にも接続されている。更に、外部バスは、周辺機器との通信を行うために、図示しないインターフェースを介して、給紙装置909及びADF940の制御部、後述するシート穿孔装置2の制御部290及びシート後処理装置3の制御部149にも接続されている。
2.シート穿孔装置
図2に示すように、シート穿孔装置2は、シートに穿孔処理を施す5個の円柱状パンチ250を有している。パンチ250は下部側に穿孔刃が形成されており、パンチ250の軸方向と直交する方向に貫通した作動ピン251を有している。パンチ250は、搬入部の一部としてのシート搬送路245(図3参照)に対して固定されたパンチガイド200に収容されている。パンチガイド200は、上側パンチガイド220と下側パンチガイド230とで構成されている。
上側パンチガイド220は、チャネル状部材で構成されており、チャネル状部材の立ち上がり部224両端に外側に向けて断面略L字状に折り曲げられたフランジ部221、222を有している。また、立ち上がり部224の一側及びフランジ部221には連通して矩形状に切り欠かれた5つのピン貫通窓221aが形成されており、立ち上がり部224の他側及びフランジ部222にもピン貫通窓221aと対向する位置にピン貫通窓221aと同様にピン貫通窓222aが形成されている。更に、上側パンチガイド220のチャネル底部223の中央には、立ち上がり部224に形成されたピン貫通窓221a、222aの位置に対応して、パンチ250の穿孔刃が下方に進出可能な5つの円形貫通孔(不図示)が形成されている。
一方、下側パンチガイド230もチャネル状部材で構成されており、中央平面部231と両側が上方に突出した突出平面部232とを有している。中央平面部231には、上側パンチガイド220のチャネル底部223に形成された円形貫通孔の位置に対応して、パンチ250の穿孔刃が進出可能な5つの円形貫通孔231aが形成されている。
上側パンチガイド220のチャネル底部223及び下側パンチガイド230の突出平面部232は、両側でネジ241によりネジ締結されている。また、上側パンチガイド220のチャネル底部223と下側パンチガイド230の中央平面部231との間には、シートを搬入乃至搬送可能な搬入部の一部としての空間(以下、搬入空間という。)が形成されている。
パンチ250の作動ピン251は、ピン貫通窓221a、222aを貫通してスライダ210、211に形成された案内溝210b、211b(図4参照)に係合している。案内溝210b、211bは、それぞれスライダ210、211の上側パンチガイド220に対向する面の長手方向に形成されており、上側水平溝部、下側水平溝部、並びに、上側水平溝部及び下側水平溝部間を繋ぐ傾斜溝部の3つの溝部を連接することで形成されている。また、スライダ210、211の長手方向には、案内溝210b、211bの上方に略水平のスライダ溝210a、211aが形成されている。このスライダ溝210a、211aには、それぞれ上側パンチガイド220のフランジ部221、222の先端が係合している。
スライダ210、211は、スライダ溝210a、211a及び案内溝210b、211bが形成された面の反対面側にそれぞれ2個の突起を有しており、これらの突起が略チャネル状のスライドホルダ201の立ち下がり部に形成された矩形窓に嵌合することで、スライドホルダ201に固定されている。スライドホルダ201の一側には係合ピン202が固着されている。係合ピン202の下端部は、シャフト287に形成されたカム溝287aに係合している。シャフト287の一端はギア286に固着されており、他端は図示を省略した支持部材に回転可能に軸支されている。
ギア286には、正逆転可能なステッピングモータ280のモータ軸に固着されたギア281、ギア281に噛合するギア282、及び、ギア283、284、285を介してモータ280の回転駆動力が伝達される。従って、シャフト287の正逆回転でカム溝287aに係合した係合ピン202により、スライドホルダ201は図2の矢印A又は矢印B方向にスライドし、スライドホルダ201はパンチ250の進出方向と直交する方向にスライダ210、211を支持している。なお、ギア286に噛合するギア285には、カム溝287aの基準位置、換言すれば、スライダ210、211に形成された案内溝210b、211bの基準位置(以下、RPと略称する。)を検出するためのRP検出片285Aが突設されている。RP検出片285A、すなわち、案内溝210b、211bのRPは検出センサ291により検出される。
下側パンチガイド230の下方には、シャフト状の回動軸262が配置されており、回動軸262の下方には、パンチ屑を収容するゴミ箱270が配置されている。回動軸262には、ゴミ箱270に収容されたパンチ屑の上部を掃拭して平坦化するフラッパ261が固着されている。回動軸262の一端はフラッパ261を回動させるための回動片275の略中央部に固着されており、他端は図示しない支持部材に回転可能に軸支されている。回動片275は、下端がフラッパ261の位置を検出するための検出片263としてL字状に屈曲しており、上端側に回動片275を回動させるための回動ピン275aが突設されている。検出片263、すなわち、フラッパ261の位置、は検出センサ292で検出される。検出センサ292は、制御部290のタイマに接続されている。
回動ピン275aは、スライダ269の一側に形成された矩形窓269a内を摺動可能なスライド片265の円形貫通孔265a(図6参照)に挿入されている。スライダ269は、図示を省略したスライド枠に摺動可能に支持されている。矩形窓269a内には、長手方向に沿って互いに反対方向にスライド片265を付勢するバネ266a、266bがスライド片265を挟持するように配設されている。スライダ269の他側には、係合ピン264の一端が固着されている。係合ピン264の他端部は、シャフト268に形成されたカム溝268aに係合している。シャフト268の一端はピニオン267に固着されており、他端は図示を省略した支持部材に回転可能に軸支されている。
ピニオン267には、ラック205が噛合されている。ラック205は、スライドホルダ201の立ち下がり部の一側側面に固着された2本の支持ピン204a、204bに支持されている。ラック205には、モータ280の回転駆動力がギア281〜286を介して伝達されて正逆回転するシャフト287及び図2の矢印A又は矢印B方向に移動するスライドホルダ201を介してモータ280の回転駆動力が伝達される。従って、モータ280、ギア281〜286及びシャフト287は、上述したパンチ250を駆動する駆動源及び駆動力の伝達経路の一部(大部分)を共通とした共通駆動部289を構成している。
図3に示すように、上述した構成部材は、シート穿孔装置2のケーシングとなる装置フレーム2A内に収容されている。また、シート穿孔装置2は、シート穿孔装置2全体を制御する制御部290を有している。制御部290は、CPU(以下、CPU2という。)、CPU2が実行するプログラムやプログラムデータを予め記憶したROM、CPU2のワークエリアとして機能すると共に複写機本体1Aの制御部950から受信した設定データ等を記憶するRAM、タイマICを含むタイマ回路(以下、単に「タイマ」と略称する。)及び複写機本体1Aの制御部950との通信を行うためのインターフェース等を含んで構成されている。なお、図3において、図2に示したフラッパ261、ゴミ箱270、モータ280等は捨象している。
3.シート後処理装置
図3に示すように、シート後処理装置3は、シート後処理装置3のケーシングとなる装置フレーム3A内に、シート穿孔装置2を介して複写機本体1Aから排出されたシートを略水平方向に排出ローラ対905の反対側に搬送する搬送ユニット100、搬送ユニット100の下方に斜めに配置されシートの端部を整合可能な整合ユニット20、整合ユニット20の下流に斜めに配置され複数枚のシートからなるシート束に綴じ処理を施すステイプラユニット30、ステイプラユニット30の下流に斜めに配置されシート束の所定位置を折り位置として折り処理を施す折りユニット50、シート束や冊子(折り処理が施されたシート束)を収積するためのスタック部、及び、シート後処理装置3の各ユニットを制御する制御部149を有している。
搬送ユニット100は、シートをシート後処理装置3内に案内する搬送ガイド40、シートを更に下流に案内する搬入ガイド7、搬送ガイド40に配設されシートをニップ・搬送する搬送ローラ対5、搬入ガイド40内に搬送されたシートの先端を検出するシート検知センサ4、及び、搬入ガイド7の最下流に配設されシートをニップ・排出する排出ローラ対6を有している。
整合ユニット20は、排出ローラ対6によって排出されたシートを積載する処理トレイ8を有している。処理トレイ8は、シートの下流側への搬送を付勢するために、シート搬送方向を下側として複写機本体1Aのプラテンガラス906に対し約30°に斜設されている。処理トレイ8上には、シートの両端を案内して幅寄せ整合する整合板9が設けられている。処理トレイ8の下部位置には、図示を省略した整合モータが配設されており、整合モータのモータ軸にはラック16に噛合したピニオン15が嵌着されている。整合板9の下側からは細長矩形状の固定部材が延出されており、固定部材の先端部は、処理トレイ8の幅方向に形成された長穴を挿通してラック16に固定されている。従って、整合板9は、シートのサイズに応じて整合モータの回転で処理トレイ8の幅方向に移動可能である。
処理トレイ8の中央下部には、プーリ軸10a、11bにそれぞれプーリ10、11が嵌着されており、プーリ10、11間には無端移送ベルト12が巻き掛けられている。プーリ軸10aには搬送下ローラ18が嵌着されている。搬送下ローラ18の外周部は、処理トレイ8に形成された切り欠きを介して処理トレイ8の上面から露出している。プーリ軸10aには、正逆転可能な図示しないステッピングモータからの駆動力が伝達される。
一方、搬送下ローラ18の上方には、二点鎖線で示すように搬送下ローラ18に当接する当接位置と、実線で示すにように搬送下ローラ18から離間した離間位置との間で移動自在な搬送上ローラ19が配設されている。搬送上ローラ19の当接位置及び離間位置間の移動は図示しないカム等の動作により行われ、搬送上ローラ19の回転力はギアを介して上述した図示しないステッピングモータから付与される。
搬入ガイド7の下方かつ処理トレイ8の上方には、軸17aを中心に回転しシートをシート搬送方向に付勢するパドル17が配置されている。パドル17は、一定の弾力を持ったゴム材等の弾性部材が材質とされており、軸17aを中心として放射状に一体形成されたフィン17bを有している。パドル17は、シートが処理トレイ8上に排出乃至収積される際に容易に変形し、シート搬送方向への搬送に適切な付勢力を付与することが可能である。
無端移送ベルト12には、処理トレイ8上に収積されたシート束の一側端部に端面で当接しシート束を昇降トレイ90側に押し出す押し出し爪13が固着されている。押し出し爪13にはホームポジション(以下、HPと略称する。)が設定されており、HPは、押し出し爪13の端面がプーリ軸10aの真下に位置するところとされている。無端移送ベルト12の下側には、押し出し爪13のHPを検出するために、押し出し爪13と係合する検出アームと透過型一体センサからなるアーム検出センサとが配設されている。
また、処理トレイ8のステイプラユニット30側の上方には、斜設された処理トレイ8上を自重でシート搬送方向に落下するように付勢されかつパドル17の回転によって更に付勢されるシートの一端を規制・整合するストッパ21が配置されている。ストッパ21は、脚部と腕部とを有する断面略J字状の形状を有している。ストッパ21の腕部の一側は、不図示のソレノイドのプランジャに固定されており、腕部の他側はバネにより所定の引張力で引っ張られている。ストッパ21は、不図示のソレノイドのオン・オフにより、腕部の略中央に位置する支持軸を支点として、脚部底面(脚部の先端)が、実線で示すように処理トレイ8の上面に当接する規制位置と、二点鎖線で示すにように処理トレイ8の上面から退避した退避位置との間で移動自在とされている。
押し出し爪13は、通常時(搬送上ローラ19が離間位置にあり、かつ、ストッパ21が退避位置にあるとき)には、昇降トレイ90側に移動可能である。従って、規制位置に位置するストッパ21で一側端部が整合されたシート束を、押し出し爪13で昇降トレイ90側に搬送したり、押し出し爪13をHPに位置させた状態で、一側端部が整合されたシート束を搬送下ローラ18と当接位置に位置する搬送上ローラ19とでニップしてステイプラユニット30側に搬送することが可能である。
ステイプラユニット30は、整合ユニット20の下流に配置され、シート束を搬送するための搬送通路39を挟んで下方にステイプル針のカートリッジを有しステイプル針を打ち出すヘッドアセンブリ31と、上方にヘッドアセンブリ31から打ち出されたステイプル針の先端部を受けて折り曲げるアンビルアセンブリ32とを有している。ステイプラユニット30は、搬送下ローラ18と搬送上ローラ19とでニップ・搬送されたシート束の搬送距離に応じて、端部や中央部に綴じ処理を行う機能を有しており、ヘッドアセンブリ31及びアンビルアセンブリ32をシート搬送方向と交差する方向へ支持・案内するための円柱状の案内ロッド33、34を介して、シート束の複数箇所にステイプル針の綴じ処理を施すことが可能である。なお、ステイプラユニット30は、二点鎖線で示すユニット体として構成されており、ステイプル針の補充が可能なように、シート後処理装置3から引き出し可能に構成されている。
折りユニット50は、ステイプラユニット30の下流に二点鎖線で示されるユニット体として構成されると共に、ステイプルユニット30と同様に、シート後処理装置3から引き出可能な構造を有している。
折ユニット50の入口には、シート束をニップして下流に搬送する束搬送上ローラ51及び束搬送下ローラ52が配設されている。束搬送上ローラ51及び束搬送下ローラ52の下流には、これらのローラ対により搬送されてくるシート束を更に下流に案内するための束搬送ガイド53が配設されている。束搬送ガイド53のシート束搬送経路には、シート束の先端部を検出する透過一体型の端部検出センサ54が配置されており、制御部149は、端部検出センサ54のシート束先端検出信号に基づいて束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52とを圧接させると共に、シート束の搬送方向の折り位置の設定制御を行う。
束搬送上ローラ51は、束搬送下ローラ52と圧接する位置と、束搬送下ローラ52と離間する位置(不図示)との間で移動可能に構成されており、束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52とは、シート束の先端部が端部検出センサ54で検出される迄は離間状態をとり、シート束の先端部が端部検出センサ54で検出されると圧接状態をとる。この圧接状態にほぼ同期して、搬送上ローラ19は当接位置から離間位置へ移行し、シート束の下流側への搬送は束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52との圧接搬送に引き継がれる。
搬送ガイド53の下方には、シート束を折るために、シート束の搬送方向と交差する方向に互いに圧接するように付勢され、夫々が回転駆動される折りローラ57a、57bからなるローラ対が配設されている。また、搬送ガイド53の下流でシート束の搬送方向と交差する方向には、折りローラ57a、57bの圧接位置近傍まで先端エッジが移動し、折りローラ57a、57bの圧接位置にシート束を押し込む突き板55が配置されている。
折りユニット50は、シートが長手方向に搬送される縦送りのときに、シート束の(搬送方向)先端部から1/2(中央)の位置に折り処理を施す。折りユニット50の下流には、シート後処理装置3の底部位置に、整合ユニット20、ステイプラユニット30及び折りユニット50の配置傾斜とは反対の傾斜面を有し折りユニット50で折り処理が施されたシート束をストックする折りシート束排出スタッカ80が配置されている。折りシート束排出スタッカ80の上方には、一端が回動可能に固定され排出されるシート束を折りシート束排出スタッカ80の傾斜面による落下力と相俟ってバネ等の付勢力により押える折りシート押え81が配置されている。
また、シート穿孔装置2とは反対側の装置フレーム2Aの側面には、装置フレーム2Aに対して垂直方向に昇降可能な昇降トレイ90が配置されている。昇降トレイ90は、昇降トレイ支持部92で支持されている。
制御部149は、CPU(以下、CPU3という。)、CPU3が実行するプログラムやプログラムデータを予め記憶したROM、CPU3のワークエリアとして機能すると共に複写機本体1Aの制御部950から受信した設定データ等を記憶するRAM及びインターフェース等を含んで構成されている。
(動作)
次に、本実施形態の複写機1の動作について説明する。ADF940に原稿Dがセットされ、オペレータにより、タッチパネル248に表示された設定の変更や未設定内容の指タッチによる入力が行われた後、タッチパネル248のスタートボタンが押下されると、CPU1Aは、タッチパネル制御部250から送出されたデジタル複写機1Aの全設定情報を取り込む。以下、本発明に関連して、シートに2穴又は3穴の穿孔処理を施すモード設定がなされたものとして説明する。
CPU1Aは、画像入力部930で読み取った画像データを、A/D変換部を介して取り込み、順次ハードディスクに格納する。次いで、CPU1Aは、制御部290、149にそれぞれシート穿孔装置2、シート後処理装置3に関連する設定情報を送出し、ハードディスク内の画像データに従い画像形成部902にシートへの画像形成を実行させる。
すなわち、CPU1Aは給紙装置909に所定サイズのシートを給紙させるために給紙信号を出力する。給紙装置909の制御部は、ローラ対を回転駆動させて指示されたカセットから所定サイズのシートを給紙する。シートは、給紙装置909内のローラ対で斜行が補正され、更にタイミングが合わされて画像形成部902へ向けて搬送される。CPU1Aは1シート分の画像データを1ライン毎にレーザユニット922から感光ドラム914に照射させる。感光ドラム914は予め一次帯電器919で帯電されており、照射光により感光ドラム914に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器915により現像されトナー像が感光ドラム914上に形成される。
画像形成部902では、感光ドラム914のトナー像が、転写用帯電器916により、給紙されたシート上に転写される。トナー像が転写されたシートは、分離帯電器917により転写用電器916と逆極性に帯電されて感光ドラム914から分離される。更に、分離されたシートは、無端搬送ベルト920により定着器904に搬送され、定着器904でシートに転写画像が永久定着され、シート上に画像が形成(記録)される。両面印刷のときは、デュープレックス921を介してシートの他面に画像が形成される。
そして、画像が形成されたシートは、排出ローラ対905により複写機本体1Aからシート穿孔装置2側に排出される。排出ローラ対905の下流側には図示しないセンサが配置されており、CPU1Aは、図示しないセンサがシートの先端を検出してから所定ステップ数、排出ローラ対905を回転させたところで、シート搬送を停止させる。これにより、シートの被穿孔箇所が、シート穿孔装置2内の搬送ガイド245を介して上述した搬入空間で停止する。また、CPU1Aは、CPU2にシート搬送を停止させた旨を報知する。
CPU1Aから報知を受けたCPU2は、CPU1Aから報知された2穴又は3穴の設定に従ってモータ280を回転させる。すなわち、2穴の設定の場合には、モータ280を正転(CW)させてスライドホルダ201を図2の矢印A方向に移動させ、3穴の設定の場合には、モータ280を逆転(CCW)させてスライドホルダ201を図2の矢印B方向に移動させる。なお、CPU2は、電源投入後の初期設定時に、検出センサ291でRP検出片285Aを検出したか否かの判定を行っており、否定判定のときは検出センサ291でRP検出片285を検出するまでモータ280を作動させることで、初期設定時にスライドホルダ201を基準位置に位置させている。
ここで、図4を参照して、パンチ250と案内溝210b、211bとの関係について詳述する。上述したように、スライダ210、211は、スライドガイド201に固定されている。従って、スライドガイド201が基準位置に位置するときには、案内溝210b、211bもRPに位置する。図4の(2)はこの状態での案内溝210b(211b)を概念的に示したものである。
今、図2に示したモータ280から近い順に、5個のパンチ250を250A、250B、250C、250D、250E、その作動ピン251を251A、251B、251C、251D、251Eとすると、RPでは、パンチ250Aは図4の(2)(a)、パンチ250Bは(2)(b)、パンチ250Cは(2)(c)、パンチ250Dは(2)(d)、パンチ250Eは(2)(e)の位置に位置する。換言すると、作動ピン251AはRPに位置する案内溝210b(211b)内の(2)(a)の位置、作動ピン251Bは(2)(b)の位置、作動ピン251Cは(2)(c)の位置、作動ピン251Dは(2)(d)の位置、作動ピン251Eは(2)(e)の位置にそれぞれ係合している。ここで留意すべき点は、RPにおける作動ピン251A〜251Eの案内溝210b(211b)への係合位置が、全て上述した上側水平溝部であることである。このため、パンチ250A〜250Eの穿孔刃は上側パンチガイド220のチャネル底部223より上方の退避位置に位置し(図3の状態)、仮に穿孔処理の設定がなされない場合には、シートをシート後処理装置3側にそのまま搬送することが可能である。なお、このような場合には、CPU1Aは上述したシート搬送の停止を行わず、シート穿孔装置2を経由してシート後処理装置3にシートを搬送する。
モータ280を所定ステップ数正転させてスライドホルダ201を図2の矢印A方向に移動させると、図4の(1)に示すように、スライダ210(211)はスライドホルダ201に固定されているため、スライダ210(211)に形成された案内溝210b(211b)はRPから矢印A方向に所定距離スライドする。作動ピン251A〜251Eは、若干のアローアンスは許容されているものの、ピン貫通窓221a(222a)に規制され案内溝210b(211b)のスライドに伴って矢印A方向に移動することはできない。従って、作動ピン251Aは上側水平溝部間をスライドして(1)(a)に、作動ピン251Bは上側水平溝部から傾斜溝部を経由して下側水平溝部(1)(b)に、作動ピン251Cは上側水平溝部間をスライドして(1)(c)に、作動ピン251Dは上側水平溝部から傾斜溝部を経由して下側水平溝部(1)(d)に、作動ピン251Eは上側水平溝部間をスライドして(1)(e)にそれぞれ位置する。つまり、作動ピン251B、251Dは傾斜溝部を徐々に下側水平溝部の穿孔位置まで案内され、パンチ250B、250Dの穿孔刃はチャネル底部223に形成された円形貫通孔及び中央平面部231に形成された円形貫通孔231aを貫通する。この結果、シートには2穴の穿孔処理が施される。なお、作動ピン251A、251C、251Eは上側水平溝部間をスライドするため、パンチ250A、250C、250Eは退避位置に保持される。
一方、モータ280を所定ステップ数逆転させてスライドホルダ201を図2の矢印B方向に移動させると、図4の(3)に示すように、スライダ210(211)に形成された案内溝210b(211b)はRPから矢印B方向に所定距離スライドする。作動ピン251A〜251Eは、上述したようにピン貫通窓221a(222a)に規制され案内溝210b(211b)のスライドに伴って矢印B方向に移動することはできない。従って、作動ピン251Aは上側水平溝部から傾斜溝部を経由して下側水平溝部(3)(a)に、作動ピン251Bは上側水平溝部間をスライドして(3)(b)に、作動ピン251Cは上側水平溝部から傾斜溝部を経由して下側水平溝部(3)(c)に、作動ピン251Dは上側水平溝部間をスライドして(3)(d)に、作動ピン251Eは上側水平溝部から傾斜溝部を経由して下側水平溝部(3)(e)にそれぞれ位置する。つまり、作動ピン251A、251C、251Eは傾斜溝部を徐々に下側水平溝部の穿孔位置まで案内され、パンチ250A、250C、250Eの穿孔刃はチャネル底部223に形成された円形貫通孔及び中央平面部231に形成された円形貫通孔231aを貫通する。この結果、シートには3穴の穿孔処理が施される。なお、作動ピン251B、251Dは上側水平溝部間をスライドするため、パンチ251B、251Dは退避位置に保持される。
従って、本実施形態では、パンチ250A〜250Eのうち隣り合うパンチ同士は異なる組合せに属している。また、スライダ210(211)に上側水平溝部、下側傾斜溝部及び傾斜溝部の3つの溝部で連接構成された案内溝210b(211b)を形成することで、パンチ250を2穴又3穴の穿孔処理を施すために選択的な組合せとしている。これら3つの溝部のうち、上側水平溝部はパンチ250を退避位置に止めておく(保持する)退避部として機能し、傾斜溝部はパンチ250を穿孔位置に進出させるための進出部として機能する。更に付言すれば、傾斜溝部は作動ピン251との係合によりパンチ250に下方向への押圧力を付与する機能を有しており、下側水平溝部は穿孔位置の最下端まで進出したパンチ250に対する節度として機能する。また、作動ピン251を案内溝210b(211b)に係合させることで、5個のパンチ250はスライダ210(211)により退避位置と穿孔位置との間で移動自在に支持されている。
上述したように、モータ280の駆動力は、共通駆動部289からスライドホルダ201に伝達され、パンチ250に伝達されると共に、スライドホルダ201の移動により支持ピン204a、204bに支持されたラック205を介してピニオン267に伝達される。ピニオン267の回転により係合ピン264を介してスライダ269が移動し、回動ピン275aを介して回動片275が回動軸262を中心として回動する。これにより、回動軸262に固着されたフラッパ261がゴミ箱270に収容されたパンチ屑の上部を掃拭して移動し、パンチ屑の上部を平坦化する。従って、パンチ250及びフラッパ261は重複して動作する。
図5(A)、(B)に示すように、フラッパ261は、ゴミ箱270の内壁面に当接する位置から対面する内壁面に当接する位置まで移動する。検出片263は検出センサ292の検出中心(図5の一点鎖線で示す位置)から外れる位置まで移動するため、検出片263が検出センサ292で検出されなくなる瞬間が存在する。図5(C)に示すように、ゴミ箱270が満杯状態に近づくと、パンチ屑がゴミ箱270の内壁面とフラッパ261とに挟まれるため、フラッパ261はゴミ箱270の内壁面に当接する位置まで移動できなくなり、フラッパ261が動作(移動)しても、検出センサ292は検出片263を連続的に(継続して)検出する。従って、検出センサ292で検出片263を検出することにより、フラッパ261の位置が検知され、ゴミ箱270の満杯状態が検出される。
検出センサ292が検出片263を検出すると、検出センサ292は検出信号(例えば、ハイレベル信号)をタイマに出力する。タイマは設定された時間(例えば、5秒)のタイムカウントを開始し、設定された時間が経過すると、CPU2にハイレベル信号を出力する。これにより、CPU2は、図5(C)に示すゴミ箱270の満杯状態を検出する。従って、図5(A)、(B)に示す状態のときは、検出片263が検出センサ292の検出中心から外れ検出されない瞬間があるため、ゴミ箱270の満杯状態は検出されず、図5(C)に示すように、検出片263が検出センサ292により連続的に設定された時間検出されたときには、ゴミ箱270の満杯状態が検出される。CPU2は、ゴミ箱270の満杯状態を検出したときは、複写機本体1AのCPU1Aに報知する。CPU1Aは、タッチパネル248にゴミ箱満杯を表示させてシート搬送を停止させると共に、CPU3に報知してシート後処理装置3の動作を停止させる。オペレータによりシート穿孔装置2の図示しない前面扉が開放された後閉鎖されると(不図示の開閉センサ(接触センサ)からの信号に従って)、CPU2は、タイマからの信号がローレベル信号であるか否かを判断し、否定判断のときはCPU1A等に満杯状態である旨を再度報知し、肯定判断のときは正常状態(満杯状態ではない状態)である旨をCPU1A等に報知する。CPU1Aは、タッチパネル248のゴミ箱満杯を非表示とし、通常動作を再開すると共に、CPU3に報知して動作を再開させる。なお、ゴミ箱270の満杯状態の検出は、シート穿孔装置2に電源が投入された初期設定処理の段階でも行われ、CPU1Aに報知されるため、オペレータは複写機1による複写を開始する前にタッチパネル248を参照することでゴミ箱270の満杯状態を把握することができる。
フラッパ261には、スライダ269の矩形窓269a内に配設されたバネ266a、266bの付勢力が付加される。図6(C)に示すように、スライダ269が移動していない(スライドホルダ201が基準位置に位置付けられている)ときは、バネ266a、266bの付勢力が均衡するため、スライド片265は矩形窓269a内の略中央部に位置付けられる。ゴミ箱270内のパンチ屑が少ないとフラッパ261が円滑に移動するため、スライド片265は矩形窓269a内の略中央部の位置に保持される。パンチ屑が増加するとパンチ屑がフラッパ261の移動の障害となる。このとき、図6(A)に示すように、スライダ269が図2の矢印D方向(スライドホルダ201が矢印B方向)に移動すると、バネ266bが収縮してスライド片265をバネ266a方向に付勢する。バネ266bの付勢力によりスライド片265が移動してフラッパ261を回動させる。バネ266bの収縮が解けると、スライド片265はバネ266a、266bの付勢力が均衡する位置、すなわち、図6(C)の位置に位置付けられる。スライダ269が図2の矢印C方向(スライドホルダ201が矢印A方向)に移動するときは、図6(B)に示すように、バネ266aの付勢力によりスライド片265が移動してフラッパ261を回動させる。
CPU2は、モータ280を正転又は逆転させてシートに2穴又は3穴の穿孔処理を施した後、モータ280を所定ステップ数逆転又は正転させ、検出センサ291がRP検出片285Aを検出したか否かを判断する。肯定判断のときはモータ280を停止させ、否定判断のときは検出センサ291がRP検出片285Aを検出するまで逆転乃至正転を行ってモータ280の回転駆動を停止させ、CPU1Aにモータ280を停止させた旨を報知する。つまり、モータ280を所定ステップ数逆転又は正転させることで、スライダ210(211)の案内溝210b(211b)はRPに位置し、穿孔位置に進出したパンチ250は退避位置に位置付けられる。これにより、シートは搬入空間に進出したパンチ250に阻まれることなく搬入空間を通過可能となる。このとき、フラッパ261は、バネ266a、266bの付勢力が均衡する位置に位置付けられる。
CPU2から報知を受けたCPU1Aは、停止中の排出ローラ対905を回転させ、排出ローラ対905の下流側の図示しないセンサがシートの後端を検出すると、排出ローラ905の回転を停止させる。これにより、シートはシート後処理装置3に搬送される。
CPU3は、CPU1Aからシート後処理装置3に関連する設定情報を受信すると、ヘッドアセンブリ31及びアンビルアセンブリ32を初期位置へ移動させ、シート穿孔装置2を介して複写機本体1Aからシートが排出されるまで待機する。以下、シート後処理装置3の動作について、設定モードに分けて説明する。
(1)非綴じ処理モード
CPU1Aから非綴じ処理モードの設定情報を受信すると、CPU3は、まず、図示しないステッピングモータを駆動して、押し出し爪13を上述したHPから処理トレイ8上でシート集積基準となり押し出し爪13の端面がプーリ軸10aの真上から所定距離だけ昇降トレイ90側寄りのプレホームポジション(PreHP)に移動させて停止させる。このとき、搬送上ローラ19は離間位置にあり、ストッパ21は退避位置にある。なお、HPからPreHPへの移動は、図示しないステッピングモータへ送出するパルス数をカウントすることで行うことができる。
これと並行して、搬送ローラ対5、排出ローラ対6の駆動ローラを回転させて複写機本体1Aからシートが搬送されてくるまで待機する。シートが排出されると、シートを搬送ローラ対5、排出ローラ対6によって処理トレイ8に搬送する。シート検知センサ4がシートを検出すると、CPU3は、整合板9を移動する整合モータ、パドル17を回転するパドルモータの起動タイミングを計る。
シートが処理トレイ8上に排出されると、整合モータ及びパドルモータを駆動させる。この駆動により、整合板9はシート搬送方向と交差する幅方向に移動しシートの両端を整合すると共に、パドル17は予めPreHPに位置している押し出し爪13の端面にシートの端部を整列(整合)させるように回転する。この動作はシートが夫々処理トレイ8に排出される毎に繰り返される。
所定枚数のシートが押し出し爪13の端面に整列すると、搬送モータ及びパドルモータを停止させると共に、無端移送ベルト12を移動させる図示しないステッピングモータを駆動し、押し出し爪13の端面でシート束を押しながら昇降トレイ90側に移動させる。これにより、シート束は昇降トレイ90上に積載される。シート束が昇降トレイ90に積載されると、図示を省略した昇降トレイモータを回転させて昇降トレイ90を一定量下降させ、昇降トレイモータを逆転させることで、昇降トレイ90を上昇させ、次のシート束が載置されるまでこの位置で待機させる。
従って、綴じ処理が不要な非綴じ処理モードでは、シートをストッパ21の規制位置まで移送することなく、予め押し出し爪13をPreHPに位置させてシート束をスタックして昇降トレイ90側に押し出すので、シートに穿孔処理を施さない場合のように複写機本体1Aのシート排出速度が早くても、シート後処理装置3は、その排出速度に追随可能である。
(2)端綴じ処理モード
CPU1Aから端綴じ処理モードの設定情報を受信すると、CPU3は、不図示のソレノイドをオン状態としてストッパ21を規制位置に位置させる。搬送ローラ対5、排出ローラ対6の駆動ローラを回転させて複写機本体1Aから排出されたシートを処理トレイ8に排出させ、整合モータ及びパドルモータを駆動させる。シートは、幅方向両端を整合板9で整合され、シートの端部はストッパ21の脚部側面まで移送されて停止する。これを特定枚数分繰り返すことで、シート束がストッパ21に規制されて整合された状態となる。
次に、シート束がストッパ21に整合された状態で搬送上ローラ19を搬送下ローラ18側に移動させシート束を挟持(ニップ)した後、不図示のソレノイドをオフ状態としてストッパ21を退避位置に位置させ、図示しないステッピングモータを非後処理モードとは逆方向に所定ステップ数駆動する。この駆動により、搬送上ローラ19及び搬送下ローラ18は、シート束を挟持したままステイプラユニット30側に、シート束の綴じ位置が初期位置にあるヘッドアセンブリ31のヘッド位置となるまで、シート束を移送する。なお、このように図示しないステッピングモータが逆方向に回転する場合には、無端移送ベルト12を張設するプーリ10とプーリ軸10aとの間に図示しないワンウェイクラッチを介在させることにより行われ、無端移送ベルト12には図示しないステッピングモータからの駆動伝達はされず無端移送ベルト12及び押し出し爪13は停止した状態を保つ。次いで、ヘッドアセンブリ31、アンビルアセンブリ32によりシート束の端部に綴じ処理を行う。なお、シート束端部の複数位置に綴じ処理を行う場合には、ステイプラユニット30を移動した後、綴じ処理を行う。
綴じ処理が完了すると、図示しないステッピングモータにより搬送下ローラ18、搬送上ローラ19及び無端移送ベルト12を昇降トレイ90側にシート束を搬送するように駆動する。この駆動により、綴じ処理後のシート束の搬送は、搬送下ローラ18、搬送上ローラ19から押し出し爪13に引き渡される。押し出し爪13がシート束を昇降トレイ90側へ押し出すことで、シート束は昇降トレイ90に積載される。以後の昇降トレイ90の動作は上述した非後処理モードと同じなのでその説明を省略する。
(3)中綴じ及び折り処理モード
CPU1Aから中綴じ及び折り処理モードの設定情報を受信すると、端綴じ処理モードと同様に、複写機本体1Aから排出されるシートは処理トレイ8上に積載される。処理トレイ8上にシート束が整合積載された後、搬送上ローラ19を搬送下ローラ18側に下降させてシート束を挟持すると共に、不図示のソレノイドをオフ状態としてストッパ21を退避位置に位置させる。次に、図示しないステッピングモータをノンステイプルモードとは逆方向に駆動させ、搬送上ローラ19及び搬送下ローラ18にシート束を挟持させたままステイプラユニット30側に搬送する。
シート束の移送を開始した後、端部検出センサ54がシート束の搬送方向先端を検知すると、CPU3は、CPU1Aから受信した設定情報のうちシート長さの情報に基づき、シート搬送方向中央部を綴じ位置に一致するところまで搬送した後、図示しないステッピングモータの駆動を停止させて、シート束の搬送方向中央部に綴じ処理を行う。
続いて、折り処理を行うために、搬送上ローラ19を離間位置とし、シート束の挟持を解除する。搬送モータ162を駆動して束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52とを回転させ、シート束を更に下流に搬送する。この搬送時にCPU3は、端部検出センサ54からの検出信号とRAMに記憶したシート長さ情報とから、シート束の搬送方向中央部、すなわち、綴じ位置が折り位置となるように、シート束の搬送速度を減速しながら停止させる。
次に、折りローラ57a、57bをシート束をニップする方向に回転させると共に突き板55を下降させる。突き板55が下降すると、シート束は折りローラ57a、57bに巻き込まれ、この後、突き板55はシート束から離れる方向に移動し、シート束は更に折りローラ57a、57bで折り込まれて(ニップ搬送されて)いく。折りローラ57a、57bでニップ搬送されたシート束は、折シート束排出スタッカ80に排出され、ストックされる。
一方、折り動作開始後、図示を省略した突き板HPセンサにより、突き板55がシート束の搬送方向長さに応じた所定回数往復運動したことが検出されると、CPU3は、折りユニット50の各部の動作を停止させる。
(4)折り処理モード
CPU1Aから折り処理モードの設定情報を受信すると、CPU3は、上述した中綴じ及び折り処理モードと同様の処理を実行する。折り処理モードが中綴じ及び折り処理モードと異なる点は、ステイプラユニット30に綴じ処理を行わせないで折りユニット50に折り処理を実行させる点である。このためCPU3は、整合ユニット20でシート束の端部を整合した後、図示しないステッピングモータを非後処理モードとは逆方向に駆動させ、搬送上ローラ19及び搬送下ローラ18にシート束を挟持させたままステイプラユニット30側に搬送し、折り処理を行うために、搬送上ローラ19を離間位置とし、シート束の挟持を解除する。搬送モータ162を駆動して束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52とを回転させ、シート束を折りユニット50側に搬送して、上述したように折りユニット50に折り処理を実行させ、折り処理が施され綴じ処理されていないシート束を折シート束排出スタッカ80に排出させる。
(作用等)
次に、本実施形態の複写機1の作用等についてシート穿孔装置2の作用等を中心に説明する。
本実施形態のシート穿孔装置2は、ゴミ箱270がパンチ屑を収容するために下側パンチガイド230の下方に配置されており、フラッパ261はゴミ箱270に収容されたパンチ屑の上部を掃拭するためにゴミ箱270の上方で下側パンチガイド230の下方に配置されている。これにより、パンチ250及びフラッパ261は近接した配置となる。パンチ250及びフラッパ261には、駆動源のモータ280を含む共通駆動部289を共通にして、モータ280からの駆動力が伝達される。このため、従来技術のように、複写機のシート搬送用の駆動源からゴミ箱の振動用として駆動力を伝達する大きな伝達経路が不要となる。従って、フラッパ261が最も近い駆動源であるパンチ250を駆動するモータ280により駆動され、駆動力の伝達経路の一部(大部分)が共通にされるので、シート穿孔装置2をコンパクトに構成することができ、シート穿孔装置2の小型化を図ることができる。
また、本実施形態のシート穿孔装置2は、ゴミ箱270に収容されたパンチ屑の上部を掃拭してパンチ屑の上部を平坦化するフラッパ261のみを駆動の対象としている。このため、従来技術のように、パンチ屑の上部を平坦化するためにゴミ箱270全体を移動又は振動させる大きなエネルギは不要となる。従って、パンチ屑の全体を掃拭する必要がなく、エネルギ消費を抑制してパンチ屑の上部を平坦化することができると共に、モータ280にかかる負荷が低減するため、フラッパ261の駆動中もパンチ250の駆動に不具合を生ずることなく継続して穿孔処理することができる。
更に、本実施形態のシート穿孔装置2では、スライドホルダ201の移動に伴いラック205からピニオン267を介してフラッパ261へ駆動力を伝達する。このため、パンチ250がシートに2穴又は3穴の穿孔処理を施す動作と重複してフラッパ261がパンチ屑の上部を掃拭して平坦化する。従って、ゴミ箱270に収容されたパンチ屑を収容直後に平坦化することができ、パンチ屑の上部の平坦性を保持することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を複写機に適用した第2の実施の形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態で示したフラッパ261を回動軸262に固着させて駆動することに代えて、スライド軸に固着させて駆動するものである。なお、本実施形態以降の実施形態において、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明を省略し、異なる箇所のみ説明する。
図7に示すように、フラッパ261は、ゴミ箱270の上方に配置されたスライド軸274に固着されている。スライド軸274の両端部は、スライダ273a、273bのそれぞれ一側を貫通して固着されている。スライダ273a、273bのそれぞれ他側には、スライド補助ピンが固着されている。スライダ273a、273bを貫通したスライド軸274及びスライド補助ピンは、略水平に配設された図示しないスライド枠に摺動可能に支持されている。スライダ273a、273bを貫通したスライド軸274の突出部には、回動片276a、276bの下端に形成された略U字状の切欠部が係合している。回動片276a、276bのそれぞれ略中央部には、回動軸262の両端が固着されており、回動片276a、276bは、回動軸262で連結されている。回動片276aの上端側には、回動ピン275aが固着されている。
回動片276a、276bは、スライダ269の移動により回動ピン275aを介して回動軸262を中心に回動する。これに伴い、回動片276a、276bに係合しているスライド軸274が、スライダ269の移動方向とは反対方向に移動する。従って、スライド軸274に固着されたフラッパ261が移動し、ゴミ箱270に収容されたパンチ屑の上部を掃拭してパンチ屑の上部を平坦化する。
図8(A)、(B)に示すように、ゴミ箱270が満杯状態となっていないときは、フラッパ261は、ゴミ箱270の対面する内壁面の間をそれぞれに当接する位置まで移動する。スライド軸274がスライド枠内を移動するため、フラッパ261が図示しないスライド枠に沿って略水平方向に移動してパンチ屑の上部を平坦化することができる。このとき、検出片263の移動も略水平方向となる。図8(C)に示すように、ゴミ箱270が満杯に近づいても、検出片263が検出センサ292と略平行に検出中心に位置付けられる。
本実施形態のシート穿孔装置2では、スライド軸274に固着されたフラッパ261が略水平方向に移動してパンチ屑の上部を平坦化する。このため、ゴミ箱270の対面する内壁面の間でパンチ屑の上部を略均等に平坦化するので、ゴミ箱270の満杯状態までの収容スペースを確保することができると共に、検出片263が検出センサ292と略平行に移動するので、検出センサ292による検出片263の検出が確実となる。
(第3実施形態)
次に、本発明を複写機に適用した第3の実施の形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態で示したピニオン267及びシャフト268に代えて、ワンウェイクラッチを用いてフラッパ261を駆動するものである。
図9に示すように、回動ピン275aは、スライダ277の一側に形成された円形貫通孔277aに挿入されている。スライダ277は、図示を省略したスライド枠に摺動可能に支持されている。スライダ277の他側には、係合ピン279の一端が固着されている。係合ピン279の他端部は、シャフト278bに形成されたカム溝278cに係合している。シャフト278bの一端は図示を省略した支持部材に回転可能に軸支されている。シャフト278bの他端には、周面端部の3カ所に略くさび状の切欠部が形成されている。シャフト278bの他端には、中心軸を同じとして、シャフト278b側の面の3カ所に略くさび状の突起を有するギア278aが配置されている。ギア278aには、シャフト278bと反対側の面にバネ部材が配置されている。ギア278aは、バネ部材によりシャフト278b方向に付勢されている。ギア278aの突起がシャフト278bの切欠部と嵌合することで、シャフト278bは一方向にのみ回転が許容される。従って、ギア278aとシャフト278bとがワンウェイクラッチ278を構成している。ギア278aには、短ラック207が噛合されている。短ラック207は、スライドホルダ201の立ち下がり部の一側側面に固着された2本の支持ピン204a、204bに支持されている。駆動源のモータ280には、モータ280にかかる負荷を検知する図示しないトルクメータが接続されている。トルクメータはトルクメータ制御部を介して制御部290のCPU2に接続されている。なお、フラッパ261の位置を検出する検出センサ292は、配置されていない。
図10に示すように、短ラック207は長手方向の約半分がスライドホルダ201に支持されており、残部はスライドホルダ201から突出している。この突出部の下端部には、ギア278aと噛合する歯形が形成されている。ギア278aはスライドホルダ201の下方に位置しており、スライドホルダ201が基準位置のときは、短ラック207とギア278aとは噛合しない。スライドホルダ201が基準位置から矢印A方向に移動(2穴の穿孔)するときは、短ラック207とギア278aとが噛合してギア278aは矢印a方向に回転し、スライドホルダ201が基準位置に戻るときは、ギア278aは矢印b方向に回転する。スライドホルダ201が基準位置から矢印B方向に移動するときは、ギア278aは回転しないので、駆動力が伝達されない。
図11(A)に示すように、ギア278aが矢印a方向に回転するときは、ギア278aの突起とシャフト278bの切欠部との嵌合が外れるので、シャフト278bは回転せず、駆動力は伝達されない。ギア278aが矢印b方向に回転するときは、図11(B)に示す位置を経て図11(C)に示す位置となり、ギア278aの突起とシャフト278bの切欠部とが嵌合する。ギア278aが矢印b方向に更に回転するとシャフト278bが回転して駆動力が伝達される。従って、2穴の穿孔を行うときは、駆動力が伝達されないので、フラッパ261は作動しない。2穴の穿孔処理後にスライドホルダ201が基準位置に戻るときは、シャフト278bの回転によりスライダ277を介して回動片275へ駆動力が伝達されるので、フラッパ261が作動してパンチ屑を平坦化する。更にスライドホルダ201が基準位置からB方向に移動(3穴の穿孔)すると、ギア278aと単ラック207との噛合がはずれ回動片275へ駆動力が伝達されないので、フラッパ261はフリーとなり自重で基準位置へ移動する。
ゴミ箱270が満杯に近づくと、ゴミ箱270の内壁面とフラッパ261との間にパンチ屑が挟まるため、フラッパ261の移動の障害となり移動抵抗を生じる(図5参照)。また、スライダ277にバネ部材を配置していないため、パンチ屑により生じる移動抵抗が緩和されない(図2の符号266a、266b参照)。従って、移動抵抗が生じると、駆動源のモータ280に負荷がかかる。この負荷を検知することで、ゴミ箱270が満杯状態か否かを判定することができる。すなわち、モータ280に接続されたトルクメータでモータ280にかかるトルク値を検出してトルクメータ制御部にトルク値を出力する。トルクメータ制御部は、トルクメータで検出されたトルク値がフラッパ261の通常動作時の予め定められたトルク値に対して150%を超えたときに、ゴミ箱270が満杯状態と判定し、CPU2に検出信号(例えば、ハイレベル信号)を出力する。
本実施形態のシート穿孔装置2では、穿孔するときはフラッパ261に駆動力を伝達せず、パンチ250が退避位置に退避する(モータ280が正転した後逆転する)ときにのみフラッパ261に駆動力を伝達する。このため、シートの穿孔とパンチ屑の上部の平坦化とが異なる動作タイミングとなるので、モータ280への負荷を軽減することができる。また、従来技術のようにシート搬送用の駆動源及び伝達機構を共用していないため、平坦化の動作中もシート搬送を継続できるので、複写機1全体の処理効率の低下を防止することができる。
なお、上記実施形態では、シート穿孔装置2を複写機本体1Aの周辺機器として例示したが、本発明はこれに限定されず、スタンドアローンタイプ、複写機本体内に複写機本体と一体とされた一体タイプ、シート後処理装置に組み込まれたタイプ等種々の態様での適用可能である。
例えば、スタンドアローンタイプでは、上述した搬入空間が本発明の「搬入部」に対応し、「搬入部」には必ずしも上記実施形態で示したシート搬送路245を含む必要はない。また、スタンドアローンタイプでは、モータ280やギヤ281〜286を除き、手動で穿孔処理を施すようにしてもよい。このようなスタンドアローンタイプでは、上記実施形態のようにシートの搬送位置(穿孔処理を施す位置)の位置管理がなされない場合に備え、シートに対して穿孔位置の基準となる部材を別に有することが好ましい。
また、シート後処理装置に組み込まれたタイプでは、例えば、シート検出センサ4、搬送ローラ対5をより下流側に配置し、搬送ガイド40にシート穿孔装置を配置するようにしてもよい。更に、上記実施形態のシート後処理装置3は整合ユニット20を有しているので、整合ユニット20の下流側又はステイプラユニット30の下流側にシート穿孔装置を配置するようにしてもよい。このようにすれば、シート束に対して一括して穿孔処理を施すことができるので、より高速なシートの後処理が可能となる。この場合には、パンチ250の進出するストロークを長くしてシート束の厚さ分をパンチ250が貫通する必要があるが、上述したように、上記実施形態のシート穿孔装置2はスライドホルダ201がパンチ250の進出方向と直交する方向にスライダ210、211をスライド自在に支持しているので、パンチ250の移動ストロークを確保しながらパンチ250の進出方向におけるシート穿孔装置、ひいては、シート後処理装置のコンパクト化を図ることができる。
更に、シートの穿孔処理とパンチ屑の平坦化との動作タイミングを、第1実施形態のシート穿孔装置2では、ラック205及びピニオン267を用いて重複させる例を示し、第3実施形態のシート穿孔装置2では、ワンウェイクラッチ278を用いて異なるタイミングで行う例を示したが、本発明はこれらの機構に制限されるものではない。例えば、第1実施形態において、ピニオン267とシャフト278とを固着したことに代えて、電磁式クラッチを用い、制御部290で電磁式クラッチの接続を断続することにより穿孔処理と平坦化とを重複ないし同期するタイミング又は異なるタイミングとなるように制御してもよい。
また更に、上記実施形態のシート穿孔装置2では、2穴又は3穴の穿孔処理を施す例を示したが、本発明はこれに制限されず、ファイルバインダが要求する種々の穴形状、穴数に応じて適用可能であることは論を待たない。
本発明のシート穿孔装置は、コンパクトで効率よくシートに穿孔処理を施すものであるため、シート穿孔装置、ひいては、シート後処理装置、画像形成装置の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
本発明が適用可能な第1実施形態の複写機の一部破断正面図である。 第1実施形態のシート穿孔装置の分解斜視図である。 第1実施形態のシート穿孔装置及びシート後処理装置の正断面図である。 第1実施形態のシート穿孔装置のスライダに形成された案内溝とパンチとの位置関係を模式的に示す説明図である。 第1実施形態のシート穿孔装置のゴミ箱に収容されたパンチ屑に対するフラッパと検出センサとの位置関係を模式的に示す説明図である。 第1実施形態の複写機のシート穿孔装置のフラッパを回動させるためのスライダのバネとスライド片との位置関係を模式的に示す説明図である。 第2実施形態の複写機のシート穿孔装置の分解斜視図である。 第2実施形態のシート穿孔装置のゴミ箱に収容されたパンチ屑に対するフラッパと検出センサとの位置関係を模式的に示す説明図である。 第3実施形態の複写機のシート穿孔装置の分解斜視図である。 第3実施形態のシート穿孔装置のフラッパを回動させるためのラック及びピニオンを模式的に示す説明図である。 第3実施形態のシート穿孔装置のワンウェイクラッチを模式的に示す説明図である。
符号の説明
1 複写機(画像形成装置)
2 シート穿孔装置
3 シート後処理装置
6 排出ローラ対(排出手段の一部))
90 昇降トレイ(シート収容手段)
205 ラック(駆動手段の一部)
245 搬送ガイド(搬入部の一部)
250 パンチ(穿孔手段の一部)
261 フラッパ(掃拭手段の一部)
267 ピニオン(駆動手段の一部)
270 ゴミ箱(穿孔屑収容手段)
280 モータ(駆動手段の一部)
289 共通駆動部(駆動手段の一部)
290 制御部(制御手段の一部)
902 画像形成部(画像形成手段の一部)
905 排出ローラ対(搬送手段の一部)

Claims (15)

  1. シートを搬入するための搬入部と、
    前記搬入部に搬入されたシートに穿孔処理を施す穿孔手段と、
    前記穿孔手段の穿孔処理後の穿孔屑を収容する穿孔屑収容手段と、
    前記穿孔屑収容手段に収容された穿孔屑の上部を掃拭して前記穿孔屑の上部を平坦化する掃拭手段と、
    前記穿孔手段及び掃拭手段を駆動する共通の駆動手段と、
    を備えたシート穿孔装置。
  2. 前記穿孔手段と前記掃拭手段との動作タイミングを制御する制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のシート穿孔装置。
  3. 前記制御手段は、前記穿孔手段と前記掃拭手段との動作が重複するように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項2に記載のシート穿孔装置。
  4. 前記制御手段は、前記掃拭手段の動作が前記穿孔手段の穿孔処理後となるように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項2に記載のシート穿孔装置。
  5. 前記駆動手段は正逆両方向に回転可能なモータであり、前記モータが正逆いずれか一方に回転したときのみ前記掃拭手段に前記駆動手段の駆動力を伝達するクラッチを更に備えたことを特徴とする請求項4に記載のシート穿孔装置。
  6. シートを搬入するための搬入部と、
    前記搬入部に搬入されたシートに穿孔処理を施す穿孔手段と、
    前記穿孔手段の穿孔処理後の穿孔屑を収容する穿孔屑収容手段と、
    前記穿孔屑収容手段に収容された穿孔屑の上部を掃拭して前記穿孔屑の上部を平坦化する掃拭手段と、
    前記穿孔手段の穿孔処理後のシートを排出する排出手段と、
    前記排出手段の排出後のシートを収容するシート収容手段と、
    前記穿孔手段及び掃拭手段を駆動する共通の駆動手段と、
    を備えたシート後処理装置。
  7. 前記穿孔手段と前記掃拭手段との動作タイミングを制御する制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載のシート後処理装置。
  8. 前記制御手段は、前記穿孔手段と前記掃拭手段との動作が重複するように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項7に記載のシート後処理装置。
  9. 前記制御手段は、前記掃拭手段の動作が前記穿孔手段の穿孔処理後となるように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項7に記載のシート後処理装置。
  10. 前記駆動手段は正逆両方向に回転可能なモータであり、前記モータが正逆いずれか一方に回転したときのみ前記掃拭手段に前記駆動手段の駆動力を伝達するクラッチを更に備えたことを特徴とする請求項9に記載のシート後処理装置。
  11. シートに画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段で画像が形成されたシートを搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段で搬送されたシートに穿孔処理を施す穿孔手段と、
    前記穿孔手段の穿孔処理後の穿孔屑を収容する穿孔屑収容手段と、
    前記穿孔屑収容手段に収容された穿孔屑の上部を掃拭して前記穿孔屑の上部を平坦化する掃拭手段と、
    前記穿孔手段及び掃拭手段を駆動する共通の駆動手段と、
    を備えた画像形成装置。
  12. 前記穿孔手段と前記掃拭手段との動作タイミングを制御する制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記制御手段は、前記穿孔手段と前記掃拭手段との動作が重複するように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記制御手段は、前記掃拭手段の動作が前記穿孔手段の穿孔処理後となるように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  15. 前記駆動手段は正逆両方向に回転可能なモータであり、前記モータが正逆いずれか一方に回転したときのみ前記掃拭手段に前記駆動手段の駆動力を伝達するクラッチを更に備えたことを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
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