JP4061124B2 - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像形成装置及び画像形成方法に係り、特に、サイズの異なる頁によって構成される小冊子の各頁上に画像を形成する画像形成装置及び該方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、特開2000−72320号公報に開示されているように、画像形成装置から排出される画像記録済の複数枚のシートに中綴じ処理を施し、この中綴じされた部分を2つ折りにして小冊子を形成する(製本する)シート後処理装置(フニッシャ)が知られている。このようなシート後処理装置では、小冊子を構成する各シートの端が揃えられた状態で中綴じ処理や折り処理が施されるため、小冊子の各頁は一律同じ面積で、体裁のよい状態となっている。
【0003】
一方、近年、身体障害者や高齢者の社会進出に伴い、各会社のオフィス或いは官庁等において、例えば半身が不自由な人達にも仕事のし易い状況を造り出す試みが盛んになってきている。しかしながら、従来のシート後処理装置によって作成された小冊子は、各シートの端が一律に揃えられているので、例えば、片手で小冊子の頁めくりをしなければならない人にとって、その体裁の良さに反して頁がめくりずらい、という不具合を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このため、本出願人は、特願平2002−69888号において、シートの一端をずらしたシート束に中綴じ処理や折り処理を施すことで、頁のめくりやすい小冊子を作成するシート後処理装置付き画像形成装置を提案している。このように各頁の一端をずらしてめくり易くした小冊子では、各頁の面積が異なって形成される(図20参照)。
【0005】
従って、従来の画像形成装置のように、各頁が一律同じ面積で構成される小冊子用の画像サイズで面積の異なる各頁に画像を形成すると、面積の小さい頁から画像がはみ出してしまう。すなわち、図21(B)に示すように、綴じ位置(折り位置)と対向する辺から所定距離mだけ離れた位置にシートの同一面上に画像を併設して形成すると、例えば、面積が最小の1頁の画像がはみ出し、図21(B)に示すように、綴じ位置(折り位置)から所定距離mだけ離れた位置にシートの同一面上に画像を併設して形成すると、面積が最小の1頁の画像がはみ出して、画像の一部が欠落してしまう、という不具合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事案に鑑み、同一サイズの複数枚の用紙の一端をそれぞれ所定間隔ずらし中綴じ処理ないし折り処理を施すことによりサイズが異なる頁によって構成される小冊子の各頁上に欠落のない画像形成が可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、同一サイズの複数枚の用紙の一端をそれぞれ所定間隔ずらし中綴じ処理ないし折り処理を施すことによりサイズの異なる頁によって構成される小冊子の各頁上に画像を形成する画像形成装置であって、前記小冊子の最小サイズの頁における画像形成が可能な領域を設定する設定手段と、前記設定手段により設定された領域内に前記小冊子の各頁に対応した原稿画像が収まるように前記原稿画像の倍率をそれぞれ共通の倍率で変更する変倍処理手段と、前記変倍処理手段により変倍された原稿画像を前記サイズの異なる各頁上に形成する画像形成手段と、を備え、前記設定手段は、前記各用紙のずらし量以上に余白をとり、その余白を除いた領域を前記画像形成が可能な領域として設定することを特徴とする。
【0008】
第1の態様では、設定手段で、同一サイズの複数枚の用紙の一端をそれぞれ所定間隔ずらし中綴じ処理ないし折り処理を施すことによりサイズの異なる頁によって構成される小冊子の最小サイズの頁における画像形成が可能な領域が設定される。その際、設定手段は、各用紙のずらし量以上に余白をとり、その余白を除いた領域を画像形成が可能な領域として設定する。変倍処理手段により設定された領域内に小冊子の各頁に対応した原稿画像が収まるように原稿画像の倍率が変更(変倍)され、画像形成手段により変倍処理手段で変倍された原稿画像がサイズの異なる各頁上に形成される。本態様によれば、最小サイズの頁上で画像形成が可能な領域内に小冊子の各頁に対応した原稿画像が収まるように変倍されて各頁上に画像が形成されるので、小冊子の各頁上に形成される画像を全ての頁からはみ出すことなく形成することができる。従って、サイズが異なる頁によって構成される小冊子の各頁上に欠落のない画像形成を行うことができる。
【0009】
第1の態様において、変倍処理手段により変倍された原稿画像をサイズの異なる各頁上の所定位置に配置するように制御する位置制御手段を備えるようにしてもよく、位置制御手段は小冊子を構成するシート上に変倍処理手段により変倍された原稿画像を並置するように制御することが好ましい。このとき、位置制御手段は、サイズの異なる各頁が綴じ処理又は折り処理される各頁に共通の一辺と対向する他辺から所定間隔隔てて変倍処理手段により変倍された原稿画像を配置するように制御しても、サイズの異なる各頁が綴じ処理又は折り処理される各頁に共通の一辺から所定間隔隔てて変倍処理手段により倍率が変更された原稿画像を配置するように制御してもよい。
【0010】
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の態様は、画像形成方法であって、同一サイズの複数枚の用紙の一端をそれぞれ所定間隔ずらし中綴じ処理ないし折り処理を施すことによりサイズの異なる頁によって構成される小冊子の最小サイズの頁における画像形成が可能な領域を設定する設定ステップと、前記設定された領域内に前記小冊子の各頁に対応した原稿画像が収まるように前記原稿画像の倍率をそれぞれ共通の倍率で変更する変倍処理ステップと、前記変倍された原稿画像を前記サイズの異なる各頁上に形成する画像形成ステップと、を含み、前記設定ステップにおいて、前記各用紙のずらし量以上に余白をとり、その余白を除いた領域を前記画像形成が可能な領域として設定することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明をデジタル複写機に適用した実施の形態について説明する。
【0012】
(構成)
図1に示すように、本実施形態のデジタル複写機1Aは、シート(用紙)に画像を形成するデジタル複写機本体1と、デジタル複写機本体1に装着可能でデジタル複写機本体1から排出されたシートに中綴じ処理や折り処理を施すシート後処理装置2とを備えている。
【0013】
1.デジタル複写機本体
デジタル複写機本体1は、原稿Dの複写画像をシートに記録する画像形成部902、画像形成部902の上方に配設され原稿Dに光を照射する光源907を有し原稿Dからの反射光を光学系908を介してCCD201に結像させ、いわゆるスキャナとして機能する画像入力部200、画像形成部902の下部位置に配置され画像形成部902にシートを1枚ずつ給紙する給紙部909、並びに、これら各部の動作を制御する制御部950を有して構成されている。
【0014】
給紙部909は、デジタル複写機本体1に着脱自在で、A5サイズのシートを収容するカセット910、A4サイズのシートを収容するカセット911、A3サイズのシートを収容するカセット913を有している。カセット910、911、913には、それぞれ、A5サイズのシートをマニュアルで選択するためのA5サイズシートカセット選択スイッチ930、A4サイズのシートをマニュアルで選択するためのA4サイズシートカセット選択スイッチ931、A3サイズのシートをマニュアルで選択するためのA3サイズシートカセット選択スイッチ930が配設されている。なお、シートのサイズの選択は、後述するようにタッチパネル248からも行うことができるが、これら各カセットに配設されたスイッチを押下することで目視確認を行ってシートのサイズを選択するようにしてもよい。
【0015】
画像形成部902は、外周面に潜像が形成可能な円筒状の感光ドラム914を有している。感光ドラム914の周囲には、感光ドラム914に潜像形成用の電荷を帯電させる一次帯電器919、感光ドラム914上に後述するハードディスク961に記憶された画像データに応じて変調されたレーザビームを出力するレーザユニット922、感光ドラム914に形成された静電潜像を現像してトナー像とする現像器915、シートにトナー像を転写するために帯電させる転写用帯電器916、シートに転写用帯電器916とは逆極性に帯電させて感光ドラム914から分離するための分離帯電器917、及び感光ドラム914を清浄するクリーナ918がそれぞれ配設されている。
【0016】
レーザユニット922は、レーザビームを発生させる半導体レーザ、コリメータレンズを介して半導体レーザから出力されるレーザビームを1ライン毎のビームに変換するポリゴンミラー、ポリゴンミラーからの走査ライン毎のレーザビームを平行光に変換するfθレンズ、fθレンズからの平行光を反射して感光ドラム914に導くミラー、及び、ポリゴンミラーを回転させるモータを有して構成されている。
【0017】
感光ドラム914の下流側かつ分離帯電器917の近傍には、無端搬送ベルト920が巻き掛けられたローラが配置されており、無端搬送ベルト920は、ヒートローラ等を有しシートに形成されたトナー像を加熱・定着させるための定着器904の近傍に配置されたローラとの間で張架されている。定着器904の下流側には、画像が形成されたシートをデジタル複写機本体1から排出するための排出ローラ対905が配設されている。無端搬送ベルト920の下部位置、かつ、排出ローラ対905と感光ドラム914の上流側との間には、片面に画像が定着されたシートの他面に画像を形成して両面印刷を行うためのデュープレックス921が配置されている。
【0018】
また、デジタル複写機本体1は、上部位置に、原稿Dを載置するためのプラテンガラス906、及び、制御部950からの情報に従ってデジタル複写機1Aの状態等を表示すると共に、オペレータによる操作で制御部950に操作命令が指示可能なタッチパネル248を有している。プラテンガラス906の上方には、一側がデジタル複写機本体1の上部に固定されており他側が回動可能にプラテンガラス906を覆うと共に、原稿Dをプラテンガラス906に自動給送可能な原稿自動給送装置(ADF)940が配置されている。
【0019】
図2に示すように、制御部950は、中央演算処理装置として作動するCPU、デジタル複写機1Aの基本制御プログラムを記憶したROM、CPUのワークエリアとして働くRAM及びこれらを接続する内部バスで構成されている。制御部950には外部バスが接続されている。外部バスには、図示を省略したインターフェースを介してパーソナルコンピュータ(以下、パソコンという。)210、画像入力部200で入力されたアナログ画像データをデジタルデータに変換するA/D変換部960、画像形成部902、画像入力部200又はパソコン210から送出される画像データを記憶するハードディスク(HD)961、タッチパネル248の表示や操作命令を制御するタッチパネル表示操作制御部250、及び、後述するシート後処理装置2の制御部149に接続されている。なお、画像入力部200はA/D変換部960に、タッチパネル表示操作制御部250はタッチパネル248に接続されている。
【0020】
また、タッチパネル248は、後述するように、オフセット処理を選択するためのオフセット入力スイッチ(オフセットモード選択スイッチ)、中綴じ処理を選択するための中綴じ処理入力スイッチ、折り処理を選択するための折り処理入力スイッチ、シート束の開き方向を選択するための開き方向入力スイッチ等としても機能する。
【0021】
2.シート後処理装置
図3に示すように、シート後処理装置2は、シート後処理装置2のケーシングとなる装置フレーム2A内に、デジタル複写機本体1から排出されたシートを略水平方向に排出ローラ対905側の反対側に搬送する搬送ユニット100、搬送ユニット100の下方に斜めに配置されシートの一端をずらすことが可能なオフセットユニット20、オフセットユニット20の下流に斜めに配置され複数枚のシートからなるシート束に綴じ処理を施すステイプラユニット30、ステイプラユニット30の下流に斜めに配置されシート束の所定位置を折り位置として折り処理を施す折りユニット50、シートや冊子等を収積するためのスタック部、及びシート後処理装置2の各ユニットを制御する制御部を有している。
【0022】
<搬送ユニット>
搬送ユニット100は、デジタル複写機本体1から順次排出されるシートを受け取りシート後処理装置2内に案内する搬送ガイド3、搬送ガイド3の下流に配置されシートを更に下流に案内する搬入ガイド7、搬送ガイド3と搬入ガイド7との間に配設されシートをニップ・搬送する搬送ローラ対5、搬送ローラ対5の下流近傍に配置され搬入ガイド7内に搬送されたシートを検出すると共に搬送ユニット100内でのシートのジャム発生を検出するシート検知センサ4、及び、搬入ガイド7の最下流に配設されシートをニップして排出する排出ローラ対6を有している。
【0023】
<オフセットユニット>
図3に示すように、オフセットユニット20は、排出ローラ対6によって排出されたシートを積載するための処理トレイ8を有している。処理トレイ8は、シートの下流側への搬送を付勢するために、シート搬送方向を下側としてデジタル複写機本体1の載置面に対し約30°の角度に斜設されている。処理トレイ8上には、シートの両端を案内して幅寄せ整合する整合板9が設けられている。
【0024】
図4に示すように、処理トレイ8は、全体としてシート搬送方向(矢印B方向)と交差する幅方向に長い略矩形状の形状を有しており、シート搬送方向に搬送されるシートの左部(図4の上側)を支持する左トレイ8a、中央部を支持する中央トレイ8b及び右部(図4の下側)を支持する右トレイ8cに3分割されている。
【0025】
左トレイ8a及び右トレイ8cの下方かつ中央トレイ8b寄りの位置には、正逆転可能なステッピングモータからなる整合モータ14がそれぞれ配設されている。整合モータ14のモータ軸にはピニオン15が嵌着されており、ピニオン15は右トレイ8a、左トレイ8cの幅方向長さと略同一長さのラック16に噛合している。上述した整合板9の下側からは細長矩形状の固定部材が延出されている。この固定部材の先端部は、右トレイ8a、左トレイ8cの幅方向に形成された長穴を挿通してラック16に固定されている(図3も参照)。従って、整合板9は、整合モータ14の回転に伴い左トレイ8a、右トレイ8c上で幅方向に移動可能に構成されている。
【0026】
また、左トレイ8aの下方かつ一側(ステイプラユニット30側)には、正逆転可能なステッピングモータ70が配置されている。ステッピングモータ70のモータ軸70aにはギア71が嵌着されており、ギア71はステッピングモータ70から延出された固定アームに軸支されたギアプーリ72のギア部に噛合されている。ギヤプーリ72のプーリ部には、プーリ73との間でタイミングベルト74が捲き掛けられている。プーリ73は、処理トレイ8の幅方向と略同一長さで処理トレイ8の一側下方に回転可能に支持された第1プーリ軸10aに固着されている。一方、中央トレイ8bの下方かつ第1プーリ軸10aの対向側(中央トレイ8bの他側)の位置には、第1プーリ軸10aより短い第2プーリ軸11aが回転可能に支持されている。
【0027】
第1プーリ軸10aには、シート搬送方向へ搬送されるシートの略中央を境に左右(図4では上下)2つずつ、合計4つの搬送下ローラ18が嵌着されている。搬送下ローラ18には、中空タイヤ状の中空ローラが用いられている。搬送下ローラ18の外周部は、処理トレイ8の一側に形成された切り欠きを介して処理トレイ8の上面から露出している(図5も参照)。
【0028】
また、第1プーリ軸10aには、反時計回りの回転力のみ伝達するワンウェイクラッチ75を介して、搬送下ローラ18より小径の第1プーリ10が嵌着されている。一方、第2プーリ軸11aの両端には第1プーリ10と同径の第2プーリ11が嵌着されている。これら第1プーリ10及び第2プーリ11は、中央トレイ8bと、左トレイ8a及び右トレイ8cとの間に配設されている。第1プーリ10、第2プーリ11との間には、2本の無端移送ベルト12が張架されている。従って、ワンウェイクラッチ75により第1プーリ軸10aに伝達されたステッピングモータ70の回転駆動力は第1プーリ10が反時計回りに回転するとき、すなわち、移送ベルト12が図4の矢印A方向に搬送されるときのみ、第2プーリ11に駆動力を伝達可能で、第1プーリ軸10aが時計回りに回転するとき(移動ベルト12の搬送方向が図4の矢印B方向のとき)には駆動力が第2プーリ11には伝達されない構造とされている。
【0029】
図3に示すように、搬入ガイド7の下方かつ処理トレイ8の上方には、軸17aを中心に回転しシートをシート搬送方向に付勢するパドル17が配置されている。パドル17は、一定の弾力を持ったゴム材等の弾性部材が材質とされており、軸17aを中心として放射状に一体形成されたフィン17bを有している。パドル17は、シートが処理トレイ8上に排出乃至収積されるに従って容易に変形し、シート搬送方向への搬送に適切な付勢力を付与することが可能である。
【0030】
図5に示すように、移送ベルト12には、端面で処理トレイ8上に収積された複数枚のシートからなるシート束の一側端部に当接しシート束を矢印A方向に押し出す押し出し爪13が固着されている。押し出し爪13にはホームポジション(以下、HP位置と略称する。)が設定されており、HP位置は、押し出し爪13の端面が第1プーリ軸10aの真下に位置するところとされている。移送ベルト12の下側には、押し出し爪13のHP位置を検出するために、押し出し爪13と係合する検出アーム76と透過型一体センサからなるアーム検出センサ77とが配設されている(図4も参照)。
【0031】
一方、各搬送下ローラ18の上方には、図5の二点鎖線で示すように搬送下ローラ18に当接点(ニップ点)Qで当接する当接位置(第1の位置)と、実線で示すにように搬送下ローラ18から離間した離間位置(第2の位置)との間で移動自在な搬送上ローラ19がそれぞれ配設されている。搬送上ローラ19の当接位置及び離間位置間の移動は図示しないカム等の動作により行われ、搬送上ローラ19の回転力は図示を省略したギアを介してステッピングモータ70(図12参照)から付与される。
【0032】
また、処理トレイ8の下流かつ同一傾斜面には、シート束を処理トレイ8と協働して支持(保持)する板状の第1束ガイド27が配置されている。第1束ガイド27の上方には、斜設された処理トレイ8及び第1束ガイド27上を自重でシート搬送方向に落下するように付勢され、かつ、パドル17の回転によって更に付勢されるシート、の一端を規制・整合するストッパ21が配置されている。
【0033】
図6に示すように、ストッパ21は、脚部と腕部とを有する断面略J字状の形状を有している。ストッパ21の腕部の一側は、ソレノイド22のプランジャ22aに固定されており、腕部の他側はバネ23により所定の引張力で引っ張られている。従って、ストッパ21は、ソレノイド22のオン・オフにより、腕部の略中央に位置する支持軸21aを支点として、脚部底面(脚部の先端)が、実線で示すように第1束ガイド27の上面に当接する規制位置と、二点鎖線で示すにように第1束ガイド27の上面から退避した退避位置との間で移動自在とされている。なお、ストッパ21は、通常時(ソレノイド22のオフ状態)には実線で示す退避位置に位置している。
【0034】
また、押し出し爪13は、通常時(搬送上ローラ19が離間位置にあり、かつ、ストッパ21が退避位置にあるとき)には、図5の矢印A方向に移動可能である。押し出し爪13の端面が搬送下ローラ18と搬送上ローラ19との当接点Qに位置するときに、端面からストッパ21までの距離をL1、HP位置での押し出し爪13の端面から当該当接点Qに位置するときの端面までの距離をL2とすると、距離L1<距離L2の関係に設定されている。また、図5に示すように、排出ローラ対6の下側に延出された搬入ガイド7の下端部は、処理トレイ8上に排出されたシートの先端が搬送上ローラ19の上方に飛び出さないように押さえる固定ガイドに係合されている。
【0035】
<ステイプラユニット>
図3及び図6に示すように、ステイプラユニット30は、オフセットユニット20の下流に配置され、シート束を搬送するための搬送通路39を挟んで下方にステープル針のカートリッジを有しステープル針を打ち出すヘッドアセンブリ31と、上方にヘッドアセンブリ31から打ち出されたステイプル針の先端部を受けて折り曲げるアンビルアセンブリ32とを有している。搬送通路39には、ヘッドアセンブリ31の上方に、ヘッドアセンブリ31からステイプル針を打ち出す打ち出しヘッドの位置を避けるように、オフセットユニット20側の第1束ガイド27と同一傾斜面を有する板状の第2束ガイド28が配置されている。ステイプラユニット30は、図3の二点鎖線で示すユニット体として構成されており、ステイプル針の補充が可能なように、シート後処理装置2から図3及び図6の紙面手前側に引き出し可能に構成されている。
【0036】
図7に示すように、ステイプラユニット30は、左右のユニットフレーム40、41間に、ヘッドアセンブリ31及びアンビルアセンブリ32をシート搬送方向と交差する方向へ支持・案内するための円柱状の案内ロッド33、34、螺旋状のネジ溝が刻設されヘッドアセンブリ31及びアンビルアセンブリ32をシート搬送方向と交差する方向へスライド移動させるためのガイドスクリュー軸35、36、ヘッドアセンブリ31及びアンビルアセンブリ32にステイプル針の打ち出し動作及びステイプル針の折曲げ動作を行わせるための角状のアンビル駆動軸37、ヘッド駆動軸38が配設されている。
【0037】
ヘッドアセンブリ31及びアンビルアセンブリ32は、それぞれガイドスクリュー軸36、35と螺合しており、ガイドスクリュー軸36、35の回転により図7の左右方向に移動可能な構造を有している。ユニットフレーム41の外側には、ギアを介してガイドスクリュー軸36を正逆転させるステイプラスライドモータ42が配置されている。ステイプラスライドモータ42の駆動は、ユニットフレーム41の外側でガイドスクリュー軸36、35に嵌着されたプーリ間に掛け渡されているタイミングベルト43によりアンビルアセンブリ32側にも同時に伝達される。また、ヘッド駆動軸38への駆動力は、ユニットフレーム41の外側に配置されたカップリング装置44を介してステッピングモータからなるステイプル/折りモータ170(図12参照)から伝達される。ステイプル/折りモータ170からの駆動力は、ユニットフレーム40の外側でヘッド駆動軸38、アンビル駆動軸37に嵌着されたプーリ間に掛け渡されているタイミングベルト45でアンビルアセンブリ32側にも同時に伝達される。このため、ヘッドアセンブリ31とアンビルアセンブリ32とは上下位置がずれることなくシート搬送方向と交差する方向に同期して移動が可能であり、ステイプラスライドモータ42を制御しヘッドアセンブリ31及びアンビルアセンブリ32を移動させることで、シートの幅に応じて任意の位置にステイプル針を打ち込むことが可能な構造を有している。
【0038】
<折りユニット>
図3に示すように、折りユニット50は、ステイプラユニット30の下流に二点鎖線で示されるユニット体として構成されると共に、ステイプルユニット30と同様に、シート後処理装置2から引き出可能な構造を有している。
【0039】
まず、この折りユニット50の概略構成について説明すると、折ユニット50の入口には、シート束をニップして下流に搬送する束搬送上ローラ51及び束搬送下ローラ52が配設されている。束搬送上ローラ51及び束搬送下ローラ52の下流には、これらのローラ対により搬送されてくるシート束を更に下流に案内するための束搬送ガイド53が配置されている。束搬送ガイド53のシート束搬送経路には、シート束の先端部を検出する透過一体型の端部検出センサ54が配置されており、後述する制御部は、端部検出センサ54のシート束先端検出信号に基づいて束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52とを圧接させると共に、シート束の搬送方向の折り位置の設定制御を行う。
【0040】
束搬送上ローラ51は、束搬送下ローラ52と圧接する実線位置と、束搬送下ローラ52と離間する位置(図9(B)の一点鎖線参照)との間で移動可能に構成されており、束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52とは、シート束の先端部が端部検出センサ54で検出される迄は離間状態をとり、シート束の先端部が端部検出センサ54で検出されると圧接状態をとる。
【0041】
搬送ガイド53の下方には、シート束を折るために、シート束の搬送方向と交差する方向に互いに圧接するように付勢され、夫々が回転駆動される折りローラ57a、57bからなるローラ対が配設されている。折りローラ57a、57bは、シート束を折るときに少なくとも1回転以上回転するローラ径とされている(例えば、φ40mm)。
【0042】
また、搬送ガイド53の下流でシート束の搬送方向と交差する方向には、折りローラ57a、57bの圧接位置近傍まで先端エッジが移動し、折りローラ57a、57bの圧接位置にシート束を押し込む突き板55が配置されている。突き板55はステンレス製で、先端エッジの板厚は0.25mm程度とされている。
【0043】
折りローラ57a、57bの上方周囲には、束搬送ガイド53のシート束のガイドを支援する断面略円弧状のバックアップガイド59a、59bが配設されている。バックアップガイド59a、59bは、後述するように、突き板55のシート束の搬送方向とは交差する方向での上下移動と連動し、突き板55の先端エッジが折りローラ57a、57bのニップ近傍まで移動したときに、折りローラ57a、57bのシート束に対する周面を開口するように移動する。
【0044】
次に、折りユニット50について詳述すると、図8に示すように、折りローラ57a、57bは、それぞれユニットフレーム49に回転可能に軸支された折りローラ駆動軸61、62に嵌着されている。折りローラ駆動軸62には、折りローラ駆動軸62が中央部を貫通するように断面略く字状(略ブーメラン状)の折りローラホルダ63が取り付けられている。折りローラホルダ63は、一側がユニットフレーム49に固定された固定軸69bを支点として回動可能に支持されており、他側がユニットフレーム49との間で約49N(5kgf)の引張力を有する引張りスプリング67で引っ張られている。ユニットフレーム49には、折りローラホルダ63の回動に伴う折りローラ駆動軸62の移動を許容するガイド穴64が形成されている。このため、折りローラ57a、57bでシート束を折る際に、引張りスプリング67により、シート束に対して一定の圧力を付与することで折り動作が確保される。
【0045】
また、突き板55は、支持ホルダ110内で移動可能に収容されたコロ66に突設されている。ユニットフレーム49には、支持ホルダ110内のコロ66を案内する突き板ガイド穴65が形成されており、突き板55は突き板ガイド穴65によってガイドされながら折りローラ57a、57bのニップ点Pに向けて移動可能な構造を有している。
【0046】
更に、ユニットフレーム49には、シート束を折りユニット50内に搬送する束搬送上ローラ51の上ローラ軸101及び束搬送下ローラ52の下ローラ軸52aが軸支されている。束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52とは、シート束を折りユニット50内に搬入するまでは離間させる必要があるため、束搬送上ローラ51を束搬送下ローラ52から離間した位置に位置させるよう次のように構成している。
【0047】
すなわち、上ローラ軸101を軸受ホルダ102に支持させると共に軸受ホルダ102の上端にカムフロワ112を立設し、更にこのカムフロワ112を折りユニットフレーム49に回転可能に取り付けられた上ローラ移動カム68に係合させている。また、軸受ホルダ102の下端と下ローラ軸52aとの間に束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52とを圧接させるための約2.9N(約300gf)の引張力を有する引張りスプリング104を張設し、この引張りスプリング104に抗しながら上ローラ移動カム68の回転に伴い軸受ホルダ102を上昇させる。従って、束搬送上ローラ51は、上述したように、束搬送下ローラ52から離間する位置と、圧接する位置との間で移動可能である。
【0048】
図9に示すように、折りユニット50は、突き板55を移動させるカム114aを有したカム板114を備えている。カム板114は、ユニットフレーム49に軸支されたカム駆動軸111に取り付けられている。カム板114のカムタイミングは、折りローラ57a、57bの搬送速度の約2倍程度で突き板55が移動するように、また突き板55が2度突き以上しても折りシート束の両端部に突き板55が接しないように設定されている。
【0049】
突き板55の移動速度を、折りローラ57a、57bの搬送速度の所定倍に設定することで、所定位置に綴じ処理が施されたシート束の綴じ位置が折りローラ57a、57bの搬送によりニップ点Pまで移動する時間と、突き板55がシート束の綴じ位置に接してから折りローラ57a、57bのニップ点Pまで移動する時間とが略同じとなり、折りローラ57a、57bと突き板55とは同期して動作が可能となる。また、2度突き以降の突き板55の移動タイミングは、折り込まれている所定サイズの折りシート束の両端部に接しないように機械的な設定が行われている。そして、このように突き板55の移動タイミングを設定すると共に、折りローラ57a、57bのローラ径を所定の値として折り込みタイミングを設定することにより、すなわち、シート束を折る際に2つのタイミングにより折り動作を行うことで、シートのサイズに拘らず突き板55が折り込まれているシートの両端部との接触を防止することができる。
【0050】
また、上ローラ移動カム68の軸113には、断面略く字状の作動アーム115の一端が回動可能に取り付けられており、作動アーム115の他端となる回動端部には支持ホルダ110が固定されている。カム板114にはカム溝114bが形成されており、このカム溝114bに作動アーム115のほぼ中央に立設されたカムフロア116が入り込んでいる。これにより、カム板114が回転すると、カム114aによりカムフロア116が押圧されて作動アーム115が昇降し、これに伴い作動アーム115に取り付けられた突き板55は、シート束を押し込む位置と、待機する位置との間で移動可能である。
【0051】
更に、折りローラ57a、57bの折りローラ駆動軸61、62には、レバー片119、120が回動自在に取り付けられている。レバー片119、120には、折りローラ57a、57bの外周面を覆うように配設されると共に、折りローラ駆動軸61、62を中心にして折りローラ外周面に対して回動可能なバックアップガイド59a、59bが取り付けられている。バックアップガイド59a、59bは、互いにスプリング121で懸引きされており、レバー片119、120の端部は支持ホルダ110から二股に分かれた作動片117、118にそれぞれ当接支持されている。
【0052】
支持ホルダ110の下側には、束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52とによりニップ搬送されるシート束の搬送方向を下部側に変更する案内ガイド56が配置されている。この案内ガイド56により、シート束の先端部は、装置フレーム2Aと折りユニット50との間に形成されたシート束通路58(図3参照)に垂れ下がるように案内される。
【0053】
図9(A)に示すように、束搬送上ローラ51及び束搬送下ローラ52が離間状態のときは、バックアップガイド59a、59bは、折りローラ57a、57bの搬送通路側の外周面を覆う位置に位置することで、束搬送ガイド53の下側と連接するように機能し束搬送ガイド53によるシート束の搬送を支援する。
【0054】
一方、図9(B)に示すように、シート束の折り動作を行うときは、支持ホルダ110が折りローラ57a、57bのニップ点Pに向けて下降し、これに伴い作動片117、118に押圧されてレバー片119、120が押し下げられ、バックアップガイド59a、59bはスプリング121に抗して折りローラ駆動軸61、62を中心に回動し、シート束に折りローラ57a、57bの外周面が当接する。
【0055】
折りユニット50の駆動伝達系は、束搬送上ローラ51及び束搬送下ローラ52を駆動(回転及び離接)させる束搬送ローラ駆動系と、折りローラ57a、57bを回転させると共に突き板55の移動させる折りローラ/突き板駆動系とに分けられている。これらの駆動伝達係は、いずれも図8に示すユニットフレーム49の奥側に配設されている。
【0056】
図10に示すように、束搬送ローラ駆動系は、正逆転可能なステッピングモータからなる搬送モータ162を駆動源としている。搬送モータ162からの駆動は、ギア127、128を介してギアプーリ129に入力される。ギアプーリ129と上ローラ移動カム68を駆動する軸113との間にはワンウェイクラッチ123が介在しており、ワンウェイクラッチ123によりギア127、128が図10の矢印方向と反対方向に回転した場合にのみ上ローラ移動カム68は回転し、束搬送上ローラ51の上下移動が行われる。
【0057】
一方、ギアプーリ129の回転は、タイミングベルト135を介してプーリ130、131により上ローラ軸101及び下ローラ軸52aに伝達される。プーリ130、131と上ローラ軸101及び下ローラ軸52aとの間には、それぞれワンウェイクラッチ124、125が介在しており、ワンウェイクラッチ124、125によりプーリ130、131が図10の矢印方向に回転する場合にのみ上ローラ軸101及び下ローラ軸52aが回転駆動される。なお、プーリ132、133、134にも、タイミングベルト135が掛け渡されている。
【0058】
従って、図10の矢印方向にギア127、128が回転するときは、束搬送上ローラ51及び束搬送下ローラ52は折りユニット50内にシート束を搬送する方向に回転し、図10の矢印方向と反対方向に回転するときは、上述したように上ローラ移動カム68が回転し、束搬送上ローラ51が束搬送下ローラ52から離間する。なお、これらの動作は、後述する制御部149により、プーリ133の軸132に固設され図示を省略したフラグ突起をセンサで検出することで制御される。
【0059】
図11に示すように、折りローラ/突き板駆動系には、折りローラ駆動軸61に取り付けられたカップリング装置137を介して駆動源となるステイプル/折りモータ170(図12参照)の回転駆動力が入力される。ステイプル/折りモータ170は、図示を省略した駆動伝達系により、正転で図7に示したステイプラユニット30のカップリング装置44を回転駆動し、逆転でカップリング装置137を回転駆動する構成とされている。カップリング装置137からの駆動は、折りローラ駆動軸61に固着されたギア138により、折りローラ駆動軸62に固着されたギア139に伝達される。更に、ギア138の回転は軸140を中心に回転するギア142及びギア142と噛合するギア141を介して突き板55を移動する作動アーム115を作動させるカム板114のカム駆動軸111に伝達される。なお、カム板114の位置は、後述する制御部によりカム駆動軸111に固設され図示を省略したフラグ突起をセンサで検出することで把握される。
【0060】
<スタック部>
図3に示すように、折りユニット50の下流には、シート後処理装置2の底部位置に、オフセットユニット20、ステイプラユニット30及び折りユニット50の配置傾斜とは反対の傾斜面を有し折りユニット50で折り処理が施されたシート束をストックする折りシート束排出スタッカ80が配置されている。折りシート束排出スタッカ80の上方には、一端が回動可能に固定され排出されるシート束を折りシート束排出スタッカ80の傾斜面による落下力と相俟ってバネ等の付勢力により押える折りシート押え81が配置されている。
【0061】
また、デジタル複写機本体1とは反対側の装置フレーム2Aの側面には、装置フレーム2Aに対して垂直方向に昇降可能な昇降トレイ90が配置されている。昇降トレイ90は、昇降トレイ支持部92で支持されている。昇降トレイ支持部92は、正逆転可能なステッピングモータからなる昇降トレイモータ155(図12参照)により図示を省略したベルトを介して昇降する。なお、昇降トレイ90は、図3に示す実線位置と二点鎖線位置との上限、下限間で昇降可能とされている。
【0062】
昇降トレイ90は昇降トレイ90から引き出し可能に構成された補助トレイ91を有しており、補助トレイ91は大サイズシート等を収積する際に昇降トレイ90から引き出されて使用される。また、オフセットユニット20の第2プーリ11の下側には、昇降トレイ90上のシート最上面を検出する紙面センサ93が配置されている。更に、装置フレーム2Aの昇降トレイ90側の側面には、昇降トレイ90が昇降移動する際に昇降トレイ90上のシートの後端をガイドする後端ガイド94が配置されている。なお、シート束は、折りユニット50による折り処理が施されたときは折りシート束排出スタッカ80に収積され、折り処理が施されないときは昇降トレイ90に収積される。
【0063】
<制御部>
図12に示すように、制御部149は、中央演算処理装置(CPU)、CPUが実行するプログラムやプログラムデータを予め記憶したROM、CPUのワークエリアとして機能すると共にデジタル複写機本体1の制御部950(図1参照)から受信した制御データ等を記憶するRAM及びインターフェース等を含んで構成されている。制御部149により、搬送・束搬送関連系149A、パドル関連系149B、ステイプル/折り関連系149C、整合関連系149D、昇降トレイ関連系149E、シート検知関連系149F、ドア開閉装着検知関連系149G、及び、操作表示関連系149Hの制御が行われる。なお、図12において、同一部材が2つあるときに、便宜上、図3を参照して紙面手前側の部材に「手前」、紙面奥側の部材に「奥」という名称が付されている。
【0064】
搬送・束搬送関連系149Aは、制御部149に対する入力側として、シートの搬送及びシート束搬送に関するものであり、上述したように搬送ガイド3上でシートを検出するシート検知センサ4と、シート束の端部を検出する端部検出センサ54と、押し出し爪13のHP位置を検出するアーム検出センサ77と、束搬送上ローラ51が束搬送下ローラ52から離間した位置のホームポジションを検出する束搬送上ローラHPセンサ161とを有して構成されている。
【0065】
一方、制御部149に対する出力側としては、ストッパ21を規制位置、退避位置に位置させるソレノイド22、搬送ローラ対5、排出ローラ対6、束搬送上ローラ51、束搬送下ローラ52を駆動すると共に、他方回転の駆動で束搬送ローラ51を移動する上ローラ移動カム68を回転させる搬送モータ162と、搬送下ローラ18、搬送上ローラ19、移送ベルト12を移動させるステッピングモータ70とを有して構成されている。なお、搬送モータ162、ステッピングモータ70はモータドライバを介して制御され、ソレノイド22はソレノイド制御部を介して制御されるが、図12においてはこれらのモータドライバやソレノイド制御部を捨象している(以下の各関連系においても同じ。)。
【0066】
パドル関連系149Bは、パドル17の回転位置を検出するパドルHPセンサ163と、搬送上ローラ19が、搬送下ローラ18から離間した位置を検出する搬送ローラHPセンサ164を入力側とし、パドル17を駆動回転するパドルモータ165を出力側として有している。
【0067】
ステイプル/折り関連系149Cは、ヘッドアセンブリ31/アンビルアセンブリ32のステイプル針の打ち出し/受け折り曲げの準備完了を検出するステイプルHPセンサ166と、ヘッドアセンブリ31内にステイプル針がセットされていることを検出する針センサ167と、ヘッドアセンブリ31、アンビルアセンブリ32のシート搬送方向移動シフトに際して初期位置にあることを検出するステイプルスライドHPセンサ168と、突き板55のホームポジションを検知する突き板HPセンサ169と、ステイプルユニット駆動と折りユニット駆動とを正逆転で切り換えるためにステイプル/折りモータ170の回転方向を検出するクロックセンサ171と、ステイプラユニット30及び折りユニット50が作動可能状態にあることを検出する安全スイッチ172とを入力側として有している。
【0068】
出力側としては、上述したように、ヘッドアセンブリ31、アンビルアセンブリ32をシート搬送方向と交差する方向に移動するガイドスクリュー軸36に駆動伝達するステイプラスライドモータ42と、正転でステイプルユニット30のカブリング装置44を、逆転で折りユニット50のカブリング装置137を駆動するステイプル/折りモータ170を有している。
【0069】
また、整合関連系149Dは、シートの両端を処理トレイ8で整合する整合板9のホームポジションを検知する手前整合HPセンサ151及び奥整合HPセンサ152を入力側とし、整合板9を移動させるための手前側及び奥側の整合モータ14を出力側として有している。なお、整合モータ14は、シートやシート束ごとの搬送方向と交差する方向へのずらし量も自由に設定することが可能である。
【0070】
昇降トレイ関連系149Eは、昇降トレイ90を駆動する昇降トレイモータ155を出力側として有し、昇降トレイ90上のシート最上面を検出する紙面センサ93と、昇降トレイモータ155の回転量をエンコーダによって検出する昇降クロックセンサ150と、昇降トレイ90の昇降移動範囲を規制するための上限スイッチ153と、下限スイッチ154とを入力側として有している。
【0071】
シート検知関連系149Fは、昇降トレイ90、折りシート束排出スタッカ80にシート又はシート束が積載されているか否かを検知するためのものであり、昇降トレイ90上のシート束の有無を検出する昇降トレイ紙センサ156と、折りシート束排出スタッカ80上のシート束の有無を検出する折りシート束紙センサ157とを有している。なお、これらのセンサ156、157はシート後処理装置2の起動状態でシートが残留している場合や、所定時間経過後シート束が取り除かれない場合に、シートやシート束を検出してオペレータに報知するための検出センサとしても機能する。
【0072】
ドア開閉装着検知関連系149Gは、装置フレーム2Aに具設された開閉扉(ドア)の開放やデジタル複写機本体1へのシート後処理装置2の装着の適否を検知するためのものであり、前ドアセンサ158と、デジタル複写機本体1にシート後処理装置2が適正装着されているか否か検知するジョイントスイッチ159とを有している。
【0073】
そして、選択スイッチ関連系149Hは、中綴じや端綴じを問わずシート束に綴じ処理を施す選択をするためのステイプラ選択スイッチ935、端綴じシートや非綴じシートを昇降トレイ90に排出する選択をするための端綴じシート/非綴じシート排出トレイ選択スイッチ936、中綴じ及び折り処理シート(束)を折シート束排出スタッカ80に排出する選択をするための中綴じ+折り処理シート排出トレイ選択スイッチ937を入力側に有して構成されている。なお、これらの選択スイッチによる処理モードの選択は、タッチパネル248からも行うことができるが、選択スイッチを押下することで目視確認を行って処理モードを選択するようにしてもよい。
【0074】
(動作)
次に、フローチャートを参照して、本実施形態のデジタル複写機1Aの動作について説明する。
【0075】
制御部950のCPUは、タッチパネル表示操作制御部250を介してタッチパネル248に初期画面を表示させる。この時点でタッチパネル248(又はパソコン210の表示画面)には、図2に示すオフセット入力スイッチボタン、中綴じ処理入力スイッチボタン、折り処理入力スイッチボタン、開き方向入力スイッチボタン、マニュアル入力スイッチボタンの他に、シートのサイズを選択するためのシートサイズ選択スイッチボタン、シートの両面に画像形成を行う両面印刷モード及びシートの片面に画像形成を行う片面印刷モードのいずれかを選択するための印刷モード選択スイッチボタン、後述するように綴じ位置(又は折り位置)を基準に画像形成を行う綴じ(折り)位置基準画像形成モード及び綴じ位置(又は折り位置)と対向する辺を基準に画像形成を行う対向辺基準画像形成モードのいずれかを選択ための基準選択ボタン、選択されたモード等をクリアするためのクリアボタン、選択されたモード等でデジタル複写機本体1に画像形成を開始させるためのスタートボタン、後述するずらし量aや余白等の設定ボタン、並びに、デジタル複写機1Aのスタンバイ又は画像形成可能状態の別、画像形成済みシート枚数等が表示される。なお、このようなタッチパネル248による選択又は設定の一部又は全部は、パソコン210からや図1に黒丸で示したステイプラ選択スイッチ935等のマニュアルスイッチで入力するようにしてもよい。
【0076】
ここで、オフセットモードの概念について説明する。オフセットモードでは、シート後処理装置2の処理トレイ8及び第1束ガイド27上で、パドル17、ストッパ21、搬送下ローラ18及び搬送上ローラ19の協働により、排出ローラ対6から排出されたシートの搬送方向端部が順次ずらされてシート束とされ、ステイプルユニット30及び/又は折りユニット50により、所定の綴じ位置及び/又は折り位置で、綴じ処理及び/又は折り処理が施される。
【0077】
図20に示すように、折り処理時に最も外側となる1枚目のシート、折り処理時に最も内側となる3枚目のシート、1枚目のシートと3枚目のシートとの中間となる2枚目のシート、の3枚のシートで構成されるシート束の概念に基づいて、1枚目(外側)のシートに対する2枚目のシートのずらし量をX1、2枚目のシートに対する3枚目のシートのずらし量をX2、(Y−1)枚目に対するY枚目のシートのずらし量をXY−1、最も内側となるY枚目のシートを折ったときに対向する端同士のずらし量をW、各シートの長さをL(共通サイズ)としたY枚で構成されるシート束の折り処理を想定すると、最も外側となる1枚目のシートの先端からの折り位置は、下式(1)で与えられる。また、最も外側となる1枚目のシートの先端からの綴じ位置も式(1)で与えられる。
【0078】
【数1】
【0079】
従って、オフセットモードでは、シート束の表面側又は裏面側から見て、各シートの一端部が見えるように各シートがずらされており、綴じ処理が施される場合には、シート束の各シートの一端部(図20の右側)よりも該一端部とは反対側の他端部(図20の左側)に近い位置(BL<LY)が綴じ位置とされ、折り処理が施される場合には、シート束に折り処理が施された状態において最も内側になるシートの各先行シートの一端部側の端部が折り処理後も見えるように折り処理が施される。
【0080】
オフセットモードは、(A)綴じ位置で綴じ処理が施され、かつ、折り位置で折り処理が施されるモードとしてオフセットサドルステッチモード、(B)綴じ位置で綴じ処理が施されるが折り処理は施されないモードとしてオフセットステイプルモード、(C)折り位置で折り処理が施されるが綴じ処理は施されないモードとしてオフセットサドルモードに分類される。なお、オペレータ(操作者)は、オフセットモードを選択してタッチパネル248から上述したそれぞれのずらし量X、Wを入力することができるが、説明を簡単にするために、以下、オペレータがずらし量X、Wをデフォルト値として予め設定されたずらし量a(例えば、8mm)を選択したものとして(X1=X2=・・・=XY−1=W=a=8mm)説明する。
【0081】
オペレータがタッチパネル248に表示された各選択ボタンを押下(タッチ)してスタートボタンを押下すると、シートに画像形成を行うための画像形成ルーチンが実行される。
【0082】
図13に示すように、この画像形成ルーチンでは、まず、ステップ302において、オフセット処理と折り処理又は中綴じ処理とが共に選択されたかを判断する。否定判断のときは、ステップ328で、シート後処理装置2に、シート束に綴じ処理を施すことなく昇降トレイ90に積載するノンステイプルモード、シート束の搬送方向端部に1箇所又は複数箇所の綴じ処理を施した後昇降トレイ90に積載するサイドステイプルモード、シート搬送方向のシート長さの半分の位置に1箇所又は複数箇所綴じ処理を施し、綴じ処理を施した位置でシート束を折り曲げて小冊子とし、折りシート束排出スタッカ80に収積するサドルステッチモード等を実行させるために、シートに画像形成を行う別処理が実行され、画像形成ルーチンを終了する。
【0083】
ステップ302で肯定判断のときは、次のステップ304において、画像データがハードディスク961に記憶済みか否かを判断する。すなわち、ハードディスク961には、パソコン210から既に画像データが送出され格納されていたり、以前に原稿Dを画像入力部200で読み取ることで取得した画像データが格納されている。CPUは、パソコン210から画像データが送出されたときは、その画像データを纏めて格納するフォルダにテンキー等で入力可能なIDを求め、フォルダに当該IDの名前を付与する。一方、後者の場合には、ジョブ終了時にタッチパネル表示操作制御部250を介してタッチパネル248に画像データをそのまま格納しておくか削除するかを表示してオペレータに問い合わせ、オペレータがそのまま格納しておくことを希望するときには、その画像データを纏めて格納したフォルダにテンキー等で入力可能なIDの入力を求める。従って、ステップ304では、IDがタッチパネル210から又はコンピュータ210を介して入力されているときに、入力されたIDに対応するフォルダに画像データが格納されているかを確認して、画像データが記憶済みか否かを判断する。
【0084】
ステップ304で肯定判断のときは、ステップ310へ進み、否定判断のときは、次のステップ306で原稿自動給送装置940等により原稿Dの画像の読み取りを行い、ステップ308において読み取りが終了したか否かを判断する。原稿自動給送装置940を用いて画像を読み取る場合には原稿自動給送装置940内の図示しないエンプティセンサからの信号により原稿Dの読み取り終了を判断することが可能である。原稿自動給送装置940を用いないで1枚ずつ画像を読み取る場合には、オペレータに、例えば「#」ボタン等の特定のボタンの押下を求め、そのボタンが押下されたときに、読み取りが終了したと判断する。
【0085】
次にステップ310では、各頁に画像データの割り振りを行う。すなわち、印刷モードが両面印刷モードであれば、シート1枚につき4頁が確保され、片面印刷モードであれば、シート1枚につき2頁が確保される。このため、例えば、入力された画像データのデータ数(画像の枚数)が9で、かつ、両面印刷のときには、(画像データのデータ数9)/(シート1枚の画像データ確保数4)=2.25枚のシートがあれば、全ての画像データについてシート上に画像形成が可能であるが、小数点以下は全て切り上げとして実際には3枚のシートが必要となる。
【0086】
シート枚数及び印刷モードに対応させた頁の割り振りはROMにテーブルとして記憶されている。詳述すれば、シート枚数が3枚で両面印刷モードのときは、テーブルに、1枚目のシートの表面には1頁と12頁、1枚目のシートの裏面には2頁と11頁、2枚目のシートの表面には3頁と10頁、2枚目のシートの裏面には4頁と9頁、3枚目のシートの表面には5頁と8頁、3枚目のシートの裏面には6頁と7頁、というように記憶されている(図21(A)参照)。そして、入力された画像データのデータ数(画像の枚数)及び入力順(パソコン210から入力された画像データに頁情報が含まれている場合には、その指定頁順)に応じて、各シートの頁と画像データとの対応を図る(各頁に画像データを割り振る)。上記のように、画像データのデータ数が9のときには、1枚目のシートの表面の12頁、1枚目のシートの裏面の11頁、2枚目のシートの表面の10頁は空白として画像形成を行わず、残りの各頁に対して、入力順(指定頁順)に最初の画像データを1頁に、次の画像データを2頁にという順で対応させる。
【0087】
次のステップ312では、最小サイズ頁のサイズを演算する。例えば、図20及び図21(A)に示した小冊子を、A4サイズ3枚、ずらし量a=8mmで作成する場合には、下表1に示すように、各シート毎のサイズは一定のため、A4サイズを使用する場合には、各頁の縦方向の寸法は、210mmで共通となる。
【0088】
【表1】
【0089】
図20及び図21(A)に示すように、最小サイズ頁は1頁であり、当該1頁の幅方向の寸法BLは、BL=L−LYにより演算することができる。ここで、Lはシートの横方向の長さであり、表1に示すように、A4の場合には297mmである。また、LYは、上述した式(1)にずらし量a=8mmを代入することで演算することができる。本例では、BL=297−{(297+8)/2+8×2}=128.5(mm)となる。従って、本例の場合に、ステップ312では、最小サイズ頁である1頁のサイズを、210mm×128.5mmとして算出することができる。
【0090】
次いで、ステップ314では、最小サイズ頁(1頁)のサイズから余白を除いた領域を画像形成が可能な領域としてそのサイズを演算する。図14(A)に示すように、余白は、例えば、頁端Aからの余白a=15mm、頁端Bからの余白b=10mm、頁端Cからの余白c=15mm、頁端Cからの余白d=10mmというようにデフォルト値で設定されており(図14(B)では、余白a=10mm、余白b=15mm、余白c=15mm、余白d=10mm)、オペレータがこの設定を変更したいときは、設定ボタンによる入力でデフォルト値の設定変更が可能である。従って、本例の場合に、ステップ314では、1頁の画像形成が可能な領域のサイズは、縦(210−15−10)=185(mm)、横(128.5−15−10)=103.5(mm)と算出することができる。
【0091】
続いて、ステップ316では、ステップ306で読み取った(又はハードディスク961に格納されている)原稿画像がステップ314で演算した縦185(mm)、横103.5(mm)の画像形成が可能な領域に収まるように変倍率を演算する。なお、このような変倍処理自体は、デジタル複写機では公知技術となっている。
【0092】
ステップ318では、シート後処理装置2の制御部149のCPUにシートサイズ、枚数、処理モード等を通信により報知し、次のステップ320において、綴じ(折り)位置基準画像形成モードが選択されたか否かを判断する。シート上に2つの原稿画像を並置して画像形成する場合に、図14(A)に示すように、各頁が綴じ処理(又は折り処理)される各頁に共通の一辺(綴じ位置(又は折り位置))と対向する他辺(頁端Aを構成する辺)から間隔mを隔てて(距離m離して)各頁に画像を形成するモードが対向辺基準画像形成モードであり、図14(B)に示すように、綴じ位置(又は折り位置)から間隔mを隔てて各頁に画像を形成するモードが綴じ(折り)位置基準画像形成モードである。
【0093】
ステップ320で肯定判断のときは、シートの同一面上に並置される画像を変倍して綴じ位置(又は折り位置)から間隔mを隔てて各頁に画像を形成してステップ326へ進む。すなわち、図21(A)に示した1頁及び12頁を構成する1枚目のシートの一面に、ステップ310で割り振られた原稿画像をステップ316で演算した変倍率で変倍し、図14(B)に示すように、変倍された原稿画像が1頁及び12頁に対応して綴じ位置(又は折り位置)から間隔mを隔てて配置した画像データに従って画像を形成する。なお、間隔mは、上述した余白のデフォルト値を利用して、例えば、15mmとすることができる(余白bは10mm)。
【0094】
この動作について詳述すれば、制御部950から給紙信号が出力されると、入力されたシートのサイズに従って、カセット910、911、913のいずれかからシートが給送される。シートは、給紙部909内のレジストローラ対で斜行が補正され、更にタイミングが合わされて画像形成部902へ向けて給紙される。CPUは1枚目のシートの一面に対して割り当てられた2つの原稿画像を変倍し綴じ位置(又は折り位置)から間隔mを隔てた1シート分の画像データを作成して、1シート分の画像データを1ライン毎にレーザユニット922から感光ドラム914に照射させる。感光ドラム914は予め一次帯電器919で帯電されており、照射光により感光ドラム914に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器915により現像されトナー像が感光ドラム914上に形成される。
【0095】
画像形成部902では、感光ドラム914のトナー像が、転写用帯電器916により、給紙されたシート上に転写される。トナー像が転写されたシートは、分離帯電器917により転写用電器916と逆極性に帯電されて感光ドラム914から分離される。更に、分離されたシートは、無端搬送ベルト920により定着器904に搬送され、定着器904でシートに転写画像が永久定着され、シート上に画像が形成(記録)される。本例のように両面印刷モードのときは、デュープレックス921を介して1枚目のシートの他面(図21(A)の2頁、11頁参照)に、1枚目のシートの表面と同様に綴じ位置(又は折り位置)から間隔mを隔てて画像が形成される。そして、画像が形成されたシートは、排出ローラ対905によりデジタル複写機本体1からシート後処理装置2側に排出される。このように、給紙部909から給紙されたシートには画像が形成されて、順次シート後処理装置2側に排出される。
【0096】
一方、ステップ320で否定判断のときは、シートの同一面上に並置される画像を変倍して綴じ位置(又は折り位置)と対向する辺から間隔mを隔てて各頁に画像を形成してステップ326へ進む。すなわち、図21(A)に示した1頁及び12頁を構成する1枚目のシートの一面に、ステップ310で割り振られた原稿画像をステップ316で演算した変倍率で変倍し、図14(C)に示すように、変倍された原稿画像が1頁及び12頁に対応して綴じ位置(又は折り位置)と対向する辺から間隔mを隔てて画像形成され、両面印刷モードのときはデュープレックス921を介して1枚目のシートの他面に同様に画像形成がなされて順次シート後処理装置2側に排出される。
【0097】
そして、ステップ326では、ジョブに残りが有るか否かを判断し、肯定判断のときは、残りのジョブを処理するためにステップ302へ戻り、否定判断のときは、画像形成ルーチンを終了する。
【0098】
シート後処理装置2の制御部149のCPUは、ステップ318でデジタル複写機本体1の制御部950のCPUから処理に必要な情報を取得し、各部をスタンバイ(準備)状態から稼動状態へ移行させ、デジタル複写機本体1からシートが排出されるまで待機する。以下、上述した(A)オフセットサドルステッチモード(オフセット入力スイッチ、中綴じ処理入力スイッチ及び折り処理入力スイッチの全てがオンのモード)、(B)オフセットステイプルモード(オフセット入力スイッチ及び中綴じ処理入力スイッチがオンで折り処理入力スイッチがオフのモード)、(C)オフセットサドルモード(オフセット入力スイッチ及び折り処理入力スイッチがオンで中綴じ処理入力スイッチがオフのモード)に場合分けを行ってシート後処理装置2の動作を詳述する。
【0099】
(A)オフセットサドルステッチモード
オフセットサドルステッチモードが選択されると、制御部149は、ステイプラスライドモータ42を駆動してヘッドアセンブリ31及びアンビルアセンブリ32をステイプルスライドHPセンサ168で検出される初期位置へ移動させると共に、ソレノイド22をオン状態としてストッパ21を規制位置に位置させる。このとき、搬送上ローラ19は離間位置に位置している。
【0100】
これと並行して、搬送モータ162を駆動し、搬送ローラ対5、排出ローラ対6の駆動ローラを回転させてデジタル複写機本体1の排出ローラ対905からシートが排出されるまで待機する。デジタル複写機本体1からシートが排出されてくると、シートを搬送ローラ対5、排出ローラ対6によって処理トレイ8に搬送する。シート検知センサ4が1枚目のシートを検出すると、制御部149は、整合板9を移動する整合モータ14、パドル17を回転するパドルモータ165の起動タイミングを計る。
【0101】
図15(A)に示すように、1枚目のシート(用紙)が処理トレイ8上に排出されると、整合モータ14及びパドルモータ165を駆動する。この駆動により、整合板9はシート搬送方向と交差する幅方向に移動しシートの両端を整合すると共に、パドル17は軸17aを中心に1回転することで、処理トレイ8及び第1束ガイド27の傾斜による付勢と相俟って、1枚目のシートをその先端が規制位置に位置するストッパ21の脚部側面に当接する位置まで移送する。
【0102】
次に、離間位置に位置する搬送上ローラ19を当接位置に位置させ、1枚目のシートを搬送下ローラ18及び搬送上ローラ19で上下方向から挟持する(図15(B)の状態)。続いて、ストッパ21を退避位置に位置させ、ステッピングモータ70の駆動で搬送下ローラ18及び搬送上ローラ19に挟持された1枚目のシートを、先端が当接していたストッパ21の脚部側面位置から、ずらし量aだけステイプラユニット30側に移送して、ステッピングモータ70による搬送下ローラ18及び搬送上ローラ19の回転駆動を停止する(図15(C)の状態)。
【0103】
次いで、ソレノイド22をオン状態とすることで、1枚目のシートの先端部を、第1束ガイド27を受け材としてストッパ21の脚部底面で上側から押さえた後、搬送上ローラ19を当接位置から離間位置へ移動させる。2枚目のシートが処理トレイ8上に排出されると、パドルモータ165の駆動を開始させる(図16(A)の状態)。
【0104】
2枚目のシートは、パドル17が1回転することで、規制位置に位置するストッパ21の脚部側面にその先端が当接する位置まで移送される。このとき、1枚目のシートの先端と2枚目のシートの先端とには、ずらし量a分のオフセット(位置ずれ)が生じている。次いで、離間位置に位置する搬送上ローラ19を当接位置に位置させ、1枚目及び2枚目のシートを搬送下ローラ18及び搬送上ローラ19で上下方向から挟持する(図16(B)の状態)。
【0105】
続いて、ストッパ21を退避位置に位置させ、搬送下ローラ18及び搬送上ローラ19に挟持された1枚目及び2枚目のシートを共に、2枚目のシートの先端が当接していたストッパ21の脚部側面位置から、ずらし量aだけステイプラユニット30側に移送して、搬送下ローラ18及び搬送上ローラ19の回転駆動を停止する(図16(C)の状態)。この状態で、1枚目のシートの先端及び2枚目のシートの先端の間、並びに、2枚目のシートの先端及び2枚目のシートの先端が当接していたストッパ21の脚部側面の間には、それぞれずらし量a分のオフセットが生じている。
【0106】
次いで、ソレノイド22をオン状態とすることで、1枚目及び2枚目のシートの先端部をストッパ21の脚部底面で上側から押さえた後、搬送上ローラ19を当接位置から離間位置へ移動させる。3枚目のシートが処理トレイ8上に排出されると、パドルモータ165の駆動を開始させる(図17(A)の状態)。
【0107】
3枚目のシートは、パドル17が1回転することで、規制位置に位置するストッパ21の脚部側面にその先端が当接する位置まで移送される。次いで、離間位置に位置する搬送上ローラ19を当接位置に位置させ、1枚目乃至3枚目のシートを搬送下ローラ18及び搬送上ローラ19で上下方向から挟持する(図17(B)の状態)。この状態で、1枚目のシートの先端及び2枚目のシートの先端の間、並びに、2枚目のシートの先端及び3枚目のシートの先端が当接しているストッパ21の脚部側面の間には、それぞれずらし量a分のオフセットが生じている。以下、同様にして、オペレータによりタッチパネル248から入力されたY枚目のシートまでのオフセット処理を行う。
【0108】
次に、ステッピングモータ70を駆動させ搬送上ローラ19及び搬送下ローラ18にシート束を挟持させたままステイプラユニット30側に搬送する。この駆動により、搬送上ローラ19及び搬送下ローラ18は、シート束を挟持したままシート束の綴じ位置が初期位置にあるヘッドアセンブリ31のヘッド位置となるまで、シート束を移送して停止する。本例では、1枚目のシートの先端からの綴じ位置の位置は、上述した式(1)にX1=X2=・・・=XY−1=W=aを代入した、(L+α)/2+{α×(Y−1)}となる。この位置情報は、演算後、折り位置の情報としてもRAMに記憶されている。
【0109】
次に、ヘッド駆動軸38及びアンビル駆動軸37を駆動するステイプル/折モータ170を、これらを作動する方向に回転駆動して中綴じ処理を行う。上述したように、複数箇所を綴じる場合は、ステイプラスライドモータ42を駆動し、ガイドスクリュー軸35、36の回転によってヘッドアセンブリ31、アンビルアセンブリ32をシート搬送方向と交差する方向所定位置に移動した後に中綴じ処理を行う。
【0110】
続いて、折り処理を行うために、搬送モータ162を逆転して上ローラ移動カム68を回転させて軸受ホルダ102を介して束搬送上ローラ51を束搬送下ローラ側に下降させ、シート束を引張りスプリング104でニップする状態とする。その後、処理トレイ8中の搬送上ローラ19をシート束から上昇させ、シート束の挟持を解除する。
【0111】
次いで、搬送モータ162を駆動して束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52を回転させ、シート束を更に下流に搬送する。この搬送時に、制御部149は、端部検出センサ54からの検出信号とRAMに記憶した折り位置の情報とから、折り位置が折り位置となるように、搬送モータ162を減速しながら停止させる。この状態でシート束の先端は、束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52のニップによって、シート束通路58内に垂れ下がった状態でニップ支持されている(図18(A)参照)。
【0112】
次に、ステイプル/折りモータ170を中綴じ処理とは逆の方向に駆動させることで、図18(B)に示すように、折りローラ57a、57bがシート束Saをニップする方向に回転すると共に突き板55が下降する。これに同期して、バックアップガイド59a、59bもシート束Sa側の折りローラ周面を開放するように移動する。そして、突き板55が下降すると、シート束Saは折りローラ57a、57bに巻き込まれ、この後、突き板55はシート束Saから離れる方向に移動するが、シート束Saは更に折りローラ57a、57bによって折り込まれていく。
【0113】
折りローラ57a、57bでニップ搬送されたシート束Saは、折シート束排出スタッカ80に排出され、積載される。このとき、折られたシート束Saは折シート押え81によって押えられるので、折られたシート束(冊子)は開かず次の冊子の妨げとはならない。
【0114】
一方、折り動作開始後、突き板HPセンサ169により、突き板55がシート束Saの搬送方向長さに応じた所定回数往復運動したことが検出されると、制御部149は、ステイプル/折りモータ170を停止させる。また、折り動作が開始されてシート束Saが折りローラ57a、57bにニップされるまでの時間が経過した後、束搬送上ローラ51は、束搬送下ローラ52から離間するように上昇して次のシート束の搬入に備える。
【0115】
オフセットサドルステッチモードにおいても、シート束Saを折り込む際、突き板55がシート束Saを折りローラ57a、57bに一度押し込んだ後、再度押し込み位置に移動したとき、折り込まれているシート束Saの両端部と接触しないように、折りローラ57a、57bのシート折り込みタイミングと突き板55の移動タイミングとは設定されているので、共通の駆動源であるステイプル/折りモータ170により突き板55及び折りローラ57a、57bを駆動しても、シート束Saに損傷を与えることを防止し、更に、シート後処理装置2の小型軽量化が可能となる。
【0116】
(B)オフセットステイプルモード
オフセットステイプルモードが選択されると、制御部149は、オフセットサドルステッチモードと同様に、オフセット処理及び中綴じ処理を行う。
【0117】
中綴じ処理が完了すると、ステッピングモータ70により搬送下ローラ18、搬送上ローラ19及び移送ベルト12を昇降トレイ90側に駆動する。これにより、中綴じ処理後のシート束の搬送は、搬送下ローラ18、搬送上ローラ19から押し出し爪13に引き渡される。押し出し爪13がシート束を昇降トレイ90側へ押し出すことで、シート束は昇降トレイ90に積載される。このとき、図5に示すように、距離L1<距離L2に設定されているので、押し出し爪13の端面は垂直状態でシート束の端部を昇降トレイ90側へ押し出すことができるため、シート束の移動に余分なストレス等は発生しない。
【0118】
シート束が昇降トレイ90に積載されると、昇降トレイモータ155を回転させて昇降トレイ90を一定量下降させ、この後昇降トレイモータ155を逆転させることで、紙面センサ93がシート最上面を検出する位置まで昇降トレイ90を上昇させ、次のシート束が載置されるまでこの位置で待機させる。
【0119】
(C)オフセットサドルモード
オフセットサドルモードが選択されると、制御部149は、オフセットサドルステッチモードと同様に、オフセット処理を行う。
【0120】
オフセット処理が完了すると、ステッピングモータ70を駆動させ搬送ローラ19及び搬送下ローラ18にシート束を挟持させたまま折りユニット50側に搬送する。これと並行して、搬送モータ162を逆転して上ローラ移動カム68を回転させて軸受ホルダ102を介して束搬送上ローラ51を束搬送下ローラ側に下降させ、シート束を引張りスプリング104でニップする状態とする。続いて、処理トレイ8中の搬送上ローラ19をシート束から上昇させ、シート束の挟持を解除する。
【0121】
次いで、搬送モータ162を駆動して束搬送上ローラ51と束搬送下ローラ52を回転させ、シート束を更に下流に搬送する。この搬送時に、制御部149は、端部検出センサ54からの検出信号とRAMに記憶した折り位置の情報とから、折り位置が折り位置となるように、搬送モータ162を減速しながら停止させる(図18(A)の状態)。
【0122】
次に、ステイプル/折りモータ170を中綴じ処理とは逆の方向に駆動させることで、図18(B)に示すように、折りローラ57a、57bがシート束Saをニップする方向に回転すると共に突き板55が下降する。これに同期して、バックアップガイド59a、59bもシート束Sa側の折りローラ周面を開口するように移動する。そして、突き板55が下降すると、シート束Saは折りローラ57a、57bに巻き込まれ、この後、突き板55はシート束Saから離れる方向に移動するが、シート束Saは更に折りローラ57a、57bによって折り込まれていく。
【0123】
折りローラ57a、57bでニップ搬送されたシート束Saは、折シート束排出スタッカ80に排出され、積載される。このとき、折られたシート束Saは折シート押え81によって押えられるので、中綴じ処理が施されないまま折られたシート束は開かず次のシート束の搬入の妨げとはならない。
【0124】
一方、折り動作開始後、突き板HPセンサ169により、突き板55がシート束Saの搬送方向長さに応じた所定回数往復運動したことが検出されると、制御部149は、ステイプル/折りモータ170を停止させる。また、折り動作が開始されてシート束Saが折りローラ57a、57bにニップされるまでの時間が経過した後、束搬送上ローラ51は、束搬送下ローラ52から離間するように上昇して次のシート束の搬入に備える。
【0125】
(作用等)
次に、本実施形態のデジタル複写機1Aの作用等について説明する。
【0126】
以上のように本実施形態のデジタル複写機1Aは、デジタル複写機本体1に搬送ユニット100、オフセットユニット20、ステイプルユニット30、折りユニット50等を有したシート後処理装置2を装着したので、種々のモードでデジタル複写機本体1から排出されたシートの後処理を行うことができる。とりわけ、オフセットサドルステッチモードでは、図20に示したように、各頁の端が全てずらされた状態となるので、容易に冊子の頁めくりを行うことが可能となる。また、オフセットステイプルモードでは、シート束に中綴じ処理が施され折られていないため、同一の画像が形成されたシートで構成されるシート束を多数作成して積載しても、厚さ方向の寸法を小さくすることができるので、持ち運び等の取り扱いが容易となり、持ち運び後に綴じ位置を手折で折り曲げることで、頁をめくり易い冊子を得ることができる。更に、オフセットサドルモードでは、シート束に折り処理が施され中綴じ処理が施されていないため、シート上に記録された画像に訂正が必要な場合でも、当該シートのみを手折りして差し替え、折り位置にマニュアルのステイプルで中綴じ処理を施すことで、頁をめくり易い冊子を得ることができる。従って、本実施形態のデジタル複写機1Aによれば、オフセット処理が可能なため、例えば、片手で頁めくりをしなければならない人や手の不自由な人、指の太い人にとっても、容易に頁めくりが可能な冊子を提供することができる。このような機能を有するデジタル複写機は、身体障害者や高齢者の社会進出を促進する観点からも、その工業的価値は大きいものと考えられる。
【0127】
また、本実施形態のデジタル複写機1Aは、最小サイズ頁(1頁)のサイズを演算し余白を除いた画像形成が可能な領域に原稿画像が収まるように変倍率を演算して(ステップ312〜316)、シート上に変倍した2つの原稿画像の画像形成を行うので、従来技術のデジタル複写機のように最小サイズ頁等の画像が欠落することもない(図21(B)、(C)参照)。しかも、本実施形態のデジタル複写機1Aは、対向辺基準画像形成モードと綴じ(折り)位置基準画像形成モードとを選択可能なため(ステップ320)、オペレータが希望する位置に画像を形成可能である。図14(A)に示すように、対向辺基準画像形成モードでは、各頁をめくる際に、頁端から間隔m隔てた位置に画像が形成されているので、読者が各頁をめくりながら内容を確認し易い小冊子を作成することができる。一方、図14(B)に示すように、綴じ(折り)位置基準画像形成モードでは、綴じ位置(又は折り位置)から間隔m隔てた一定位置に画像が形成されているため、見開き状態でコピーをとるときに、シート上に並置されたが2つの画像同士の間隔がずれることなく、同一サイズのシートにコピーすることができる。この点、対向辺基準画像形成モードでは、小冊子全てのコピーをとると、見開き頁で画像同士の間隔が異なるため、体裁の良いコピーがとれず、特定の見開き頁ではコピー画像に小冊子に形成された画像の一部が欠落するおそれがある。
【0128】
更に、本実施形態のデジタル複写機1Aは、印刷モードと画像データのデータ数(画像の枚数)とに応じて、ROMに記憶されたテーブルに従って、シート束を構成する各シートの頁に画像データを対応させた(画像データを割り振った)ので(ステップ310)、シート束全体の頁順を誤ることもない。
【0129】
また、本実施形態のオフセット処理では、図15〜図17に示したように、シート束を形成する過程でシートを1枚ずつずらしていくので、シート同士の摩擦力の違いに影響を受けず、確実かつ正確に各シートをずらずことができる。この点で、全シートの先端をストッパで規制して整合たシート束を、例えば、円柱等に沿って移動させることでシート束の端部をずらすオフセット機構も考えられるが、シート間の摩擦力の違い等によってシート同士が均等にずれないという問題があり、本実施形態のオフセットモードと比べて遜色する。
【0130】
更に、本実施形態のシート後処理装置2では、パドル17が2枚目以降のシート(後続シート)をストッパ21に向けて付勢するときに、ストッパ21に規制位置において処理トレイ8及び第1束ガイド27上の全シートを保持させるようにしたため、パドル17が後続シートをストッパ21に向けて付勢する際に、搬送上ローラ19はパドル17によるシートの付勢を許容するために離間位置にあり、かつ、処理トレイ8及び第1束ガイド27上の全シートは保持されていない状態にあるため、後続シートが付勢されると処理トレイ8及び第1束ガイド27上の全シートのオフセットの姿勢が崩れてしまうので、ストッパ21で処理トレイ8及び第1束ガイド27上の全シートを保持させることで、姿勢の崩れが防止され、姿勢ずれのないシート束や小冊子を作成することができる。
【0131】
更にまた、本実施形態のオフセット処理では、シート束をステイプラユニット30側に搬送する機能を有する搬送下ローラ18及び搬送上ローラ19に、ずらし量a分シート束を挟持してずらす機能も付与し、更に、ストッパ21に脚部側面でシートを規制する機能に加え、脚部底面でシート束を上側から押さえる機能を付与することで、オフセットユニット20の構成部材数が少なくなるので、オフセットユニット20、ひいては、シート後処理装置2の小型化を図ることができる。
【0132】
なお、本実施形態では、タッチパネル248からボタンを押下することによりモード等を入力する例を中心に説明したが、上述したように、パソコン210等の外部装置から入力してもよく、マニュアルボタンから入力するようにしてもよい。また、本実施形態では、ハードディスク961に画像データを記憶する例を示したが、制御部950のRAM等の揮発性メモリや例えばEEPROM等のハードディスク以外の不揮発性メモリに画像データを記憶するようにしてもよい。
【0133】
更に、本実施形態では、シート後処理装置2をデジタル複写機本体1に装着したデジタル複写機1Aについて例示したが、デジタル複写機本体とは別個に流通するシート後処理装置の場合でも、デジタル複写機本体の制御部からシート後処理装置の制御部にシートのサイズ情報等の制御信号を送出するためのインターフェースを設けることで、本実施形態と同様の効果を奏することは論を待たない。また、本実施形態では、オペレータがデジタル複写機本体1のタッチパネル248からずらし量等を入力する例を示したが、シート後処理装置2の入力部から入力するようにしてもよい。この場合には、例えば、シート後処理装置2の制御部149のROMにデジタル複写機本体1の制御部950と同様のプログラム及びプログラムデータを記憶させるようにしてもよいし、制御部149の電源投入後の初期処理時にインターフェースを介して制御部950から一部のプログラム及びプログラムデータを送出するようにしてもよい。
【0134】
また、本実施形態では、ステップ310でテーブルを参照する例を示したが、印刷モードと画像データのデータ数(画像の枚数)とに応じて、シートの枚数を演算し、該演算されたシートの枚数により、各頁に画像データを対応させる(画像データを割り振る)ようにしてもよい。このようにすれば、テーブルを記憶する必要がないので、プログラムデータの量を軽減することが可能となる。更にまた、本実施形態では、ステップ312〜316で数式により演算する例を示したが、演算結果をテーブルに格納しておき、当該テーブルを参照するようにしてもよい。
【0135】
更に、本実施形態では、説明を簡単にするために、オペレータがタッチパネル248からデフォルト値のずらし量aを選択し、制御部149で折り位置及び/又は綴じ位置を演算して設定する例を示したが、例えば、複数のずらし量とこのような折り位置及び/又は綴じ位置とを予め計算して関係テーブルとしておき、選択されたずらし量(移動距離)に応じて折り位置及び/又は綴じ位置を関係テーブルから読み出すようにしてもよい。このような関係テーブルをROMに記憶しておくことで、簡単にずらし量の設定乃至変更を行うことが可能となる。
【0136】
更にまた、本実施形態では、ステイプラユニット30と折りユニット50との双方を有するシート後処理装置2を例示したが、シート後処理装置2がステイプラユニット30及び折りユニット50の少なくとも一方を有していれば、上述したように冊子を作成することが可能である。また、シート後処理装置2がステイプラユニット30及び折りユニット50の一方を欠く構成とすることで、シート後処理装置2の小型化、低コスト化を図ることができる。
【0137】
また、本実施形態では、処理トレイ8及び第1束ガイド27上でシートをシート搬送方向にずらした例を示したが、各シートをシート搬送方向と交差する方向にずらすようにしてもよく、更に、シート搬送方向及びシート搬送方向と交差する方向の双方向にシートをずらすようにしてもよい。このように双方向にずらずことで、一層冊子の頁をめくりやすくすることができる。
【0138】
更に、本実施形態では、第1束ガイド27を処理トレイ8とは別個の部材とした例を示したが、第1束ガイド27に相当する長さ分だけ処理トレイ8を一側(ステイプラユニット30側)に延出してもよいことは云うまでもない。
【0139】
そして、本実施形態では、図19(A)に示すように、右開き用の小冊子(主に右手を用いて見開きを行うことが可能な小冊子)を作成する場合を例示したが、図19(B)に示すように、配置される原稿画像を上下左右反転させることで(180°回転させることで)、左開き用小冊子(主に左手を用いて見開きを行うことが可能な小冊子)も作成可能である。このような選択は、上述した開き方向入力スイッチボタンで行うことができる。
【0140】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、最小サイズの頁上で画像形成が可能な領域内に小冊子の各頁に対応した原稿画像が収まるように変倍されて各頁上に画像が形成されるので、小冊子の各頁上に形成される画像を全ての頁からはみ出すことなく形成することができるため、各頁上に欠落のない小冊子を得ることができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な実施形態のデジタル複写機の側面図である。
【図2】デジタル複写機本体の制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】シート後処理装置の側面図である。
【図4】シート後処理装置の処理トレイの平面図である。
【図5】シート後処理装置の処理トレイの移送ベルト近傍の側面図である。
【図6】シート後処理装置のストッパ近傍の側面図である。
【図7】シート後処理装置のステイプラユニットを図6のVII−VII線側から見たときの正面図である。
【図8】シート後処理装置の折りユニットの概略構成を示す側面図である。
【図9】(A)は折りユニットの折り機構を示す側面図であり、(B)は折り機構の折り動作時の状態を示す側面図である。
【図10】折りユニットの搬送ローラの駆動系を示す側面図である。
【図11】折りユニットの折りローラ及び突き板の駆動系を示す側面図である。
【図12】シート後処理装置の制御部とセンサ及びアクチュエータとの関係を示すブロック図である。
【図13】デジタル複写機本体の制御部のCPUが実行する画像形成ルーチンのフローチャートである。
【図14】シート上に原稿画像を変倍して並置するときの画像形成が可能な領域、最小サイズ頁のサイズ、余白、間隔の関係を模式的に示す説明図であり、(A)は対向辺基準画像形成モードの場合、(B)は綴じ(折り)位置基準画像形成モードの場合を示す。
【図15】オフセットユニットの1枚目のシートに対する動作を示す説明図であり、(A)は動作その1、(B)は動作その2、(C)は動作その3を示す。
【図16】オフセットユニットの2枚目のシートに対する1枚目のシートからの連続動作を示す説明図であり、(A)は動作その4、(B)は動作その5、(C)は動作その6を示す。
【図17】オフセットユニットの3枚目のシートに対する2枚目のシートからの連続動作を示す説明図であり、(A)は動作その7、(B)は動作その8を示す。
【図18】折りユニットのオフセットサドルステッチモード及びオフセットサドルモードでの状態を示し、(A)はシート束折り動作前の状態を示す側面図であり、(B)はシート束折り動作中の状態を示す側面図である。
【図19】左開き用小冊子及び右開き用小冊子を模式的に示す説明図であり、(A)は右開き用の冊子を作成する場合、(B)は左開き用の冊子を作成する場合を示す。
【図20】シート束のオフセット状態並びに綴じ位置及び折り位置を模式的に示す説明図である。
【図21】(A)はサイズの異なる頁によって構成される小冊子の各シートの位置を綴じ位置又は折り位置を基準として模式的に示すと共に、両面印刷モードが選択されたときの各シートに対応する頁を模式的に示す説明図であり、(B)は従来のデジタル複写機の対向辺基準画像形成モードでシートに原稿画像を並置した場合を模式的に示す説明図であり、(B)は従来のデジタル複写機の綴じ(折り)位置基準画像形成モードでシートに原稿画像を並置した場合を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 デジタル複写機本体
1A デジタル複写機(画像形成装置)
902 画像形成部(画像形成手段)
950 制御部(設定手段、変倍処理手段、位置制御手段)
Claims (10)
- 同一サイズの複数枚の用紙の一端をそれぞれ所定間隔ずらし中綴じ処理ないし折り処理を施すことによりサイズの異なる頁によって構成される小冊子の各頁上に画像を形成する画像形成装置であって、
前記小冊子の最小サイズの頁における画像形成が可能な領域を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された領域内に前記小冊子の各頁に対応した原稿画像が収まるように前記原稿画像の倍率をそれぞれ共通の倍率で変更する変倍処理手段と、
前記変倍処理手段により変倍された原稿画像を前記サイズの異なる各頁上に形成する画像形成手段と、
を備え、前記設定手段は、前記各用紙のずらし量以上に余白をとり、その余白を除いた領域を前記画像形成が可能な領域として設定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記変倍処理手段により変倍された原稿画像を前記サイズの異なる各頁上の所定位置に配置するように制御する位置制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記位置制御手段は、前記小冊子を構成するシート上に前記変倍処理手段により変倍された原稿画像を並置するように制御することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記位置制御手段は、前記サイズの異なる各頁が綴じ処理又は折り処理される各頁に共通の一辺と対向する他辺から所定間隔隔てて前記変倍処理手段により変倍された原稿画像を配置するように制御することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記位置制御手段は、前記サイズの異なる各頁が綴じ処理又は折り処理される各頁に共通の一辺から所定間隔隔てて前記変倍処理手段により倍率が変更された原稿画像を配置するように制御することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
- 同一サイズの複数枚の用紙の一端をそれぞれ所定間隔ずらし中綴じ処理ないし折り処理を施すことによりサイズの異なる頁によって構成される小冊子の最小サイズの頁における画像形成が可能な領域を設定する設定ステップと、
前記設定された領域内に前記小冊子の各頁に対応した原稿画像が収まるように前記原稿画像の倍率をそれぞれ共通の倍率で変更する変倍処理ステップと、
前記変倍された原稿画像を前記サイズの異なる各頁上に形成する画像形成ステップと、
を含み、前記設定ステップにおいて、前記各用紙のずらし量以上に余白をとり、その余白を除いた領域を前記画像形成が可能な領域として設定することを特徴とする画像形成方法。 - 前記変倍された原稿画像を前記サイズの異なる各頁上の所定位置に配置するように制御する位置制御ステップを更に含み、前記画像形成ステップは前記位置制御ステップで制御される所定位置に前記変倍された原稿画像を形成することを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
- 前記位置制御ステップは、前記小冊子を構成するシート上に前記変倍された原稿画像を並置するように制御することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記位置制御ステップは、前記サイズの異なる各頁が綴じ処理又は折り処理される各頁に共通の一辺と対向する他辺から所定間隔隔てて前記変倍された原稿画像を配置するように制御することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の画像形成方法。
- 前記位置制御ステップは、前記サイズの異なる各頁が綴じ処理又は折り処理される各頁に共通の一辺から所定間隔隔てて前記変倍された原稿画像を配置するように制御することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の画像形成方法。
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