JP2005153788A - 電動機駆動車両の軸支持機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電動機駆動車両の軸支持機構において、軸支持機構に備えられたアクスル部材の構造を変更することで、軸支持機構の強度を維持しながらメンテナンス性を向上させる。
【解決手段】 電動機駆動車両の軸支持機構2は、電動機3と、電動機3の駆動軸4が連結される減速装置5と、減速装置5の減速出力軸6が連結される差動装置7と、差動装置7から左右に延びる一対の差動出力軸8と、各差動出力軸8の左右に連結される一対の車輪12とを備えた車両であって、電動機3と減速装置5と差動装置7とを覆うハウジング9と、ハウジング9に対して差動出力軸8及び車輪12とを回転可能に支持するためのアクスル部材14とを備え、アクスル部材14は、差動出力軸8が同心状に貫通する中空構造を有し、ハウジング9に対して軸方向へ着脱可能に当接されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 電動機駆動車両の軸支持機構2は、電動機3と、電動機3の駆動軸4が連結される減速装置5と、減速装置5の減速出力軸6が連結される差動装置7と、差動装置7から左右に延びる一対の差動出力軸8と、各差動出力軸8の左右に連結される一対の車輪12とを備えた車両であって、電動機3と減速装置5と差動装置7とを覆うハウジング9と、ハウジング9に対して差動出力軸8及び車輪12とを回転可能に支持するためのアクスル部材14とを備え、アクスル部材14は、差動出力軸8が同心状に貫通する中空構造を有し、ハウジング9に対して軸方向へ着脱可能に当接されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電動機にて駆動する車両の軸支持機構に関する。
従来、車両の駆動装置として内燃機関を採用するのが一般的であったが、近年、環境問題がクローズアップされたことに伴い、排気ガスによる大気汚染や騒音の少ない電気自動車が注目され始めている。電気自動車は、電力により回転する電動機を動力源としているため、排気ガスの排出がなく内燃機関に比べて騒音も小さい。よって、自動車だけに限らず、フォークリフトなど従来から内燃機関と電動機の両方を駆動装置として採用している分野についても、作業環境の改善などを目的として電動機の採用される割合が年々高くなってきている。
フォークリフトなどの電動機駆動車両は、通常、電動機の回転数を減速装置にて減速し、減速された回転を減速出力軸により差動装置へ伝え、さらに差動装置を介して差動出力軸から各車輪に伝達する方式が一般的である。電動機や減速装置は、差動出力軸の軸方向側方に配置される場合、電動機や減速装置の占めるスペースが大きく、駆動装置自体が大型化すると共に重量も増大するため、駆動部と車輪とを連結する軸支持機構などにも負荷がかかる。自動車の場合は、車両の重量の一部、フォークリフトの場合は、車両の重量以外にも、荷物を運搬するための可動式フォーク部や運搬物の重量もかかってくるため、さらに負荷が大きくなる。よって、省スペース化、軽量化を目的として、減速装置に遊星歯車を採用することにより、電動機の駆動軸と減速装置の減速出力軸と差動出力軸とを同心状に配置する同軸タイプの技術が考案されている。同軸タイプでは、差動装置と車輪とを連結している差動出力軸の周辺に、同心状に電動機の駆動軸や減速装置の減速出力軸などの回転軸が存在するため、回転支持部が点在しており、電動機や減速装置を覆うハウジングにも回転支持部を設けている場合がある。
上記の同軸タイプの駆動装置において、電動機や減速装置を覆うハウジングと車輪との間を連結するアクスルチューブは、ハウジングと一体型となっていた。しかし、アクスルチューブは回転軸や車輪を回転可能に支持しているため、回転支持部であるベアリングなどのメンテナンスが重要となってくる。しかし、アクスルチューブがハウジングと一体型では、アクスルチューブ周辺のメンテナンスの作業性が悪い。また、ハウジングとアクスルチューブを分割した場合、形状によっては強度が低下し、車両や可動式フォーク部を支持できなくなる場合も考えられる。
本発明の目的は、軸支持機構に備えられたアクスルチューブの構造を変更することで、軸支持機構の強度を維持しながらメンテナンス性を向上させることにある。
請求項1に記載の電動機駆動車両の軸支持機構は、電動機と、電動機の駆動軸が連結される減速装置と、減速装置の減速出力軸が連結される差動装置と、差動装置から延びる一対の差動出力軸と、各差動出力軸の左右に連結される一対の車輪とを備えた車両であって、電動機と減速装置と差動装置とを覆うハウジングと、ハウジングに対して差動出力軸及び車輪とを回転可能に支持するためのアクスル部材とを備え、アクスル部材は、差動出力軸が同心状に貫通する中空構造を有し、ハウジングに対して軸方向へ着脱可能に当接されていることを特徴としている。
この軸支持機構では、ハウジングに対してアクスル部材を着脱可能に当接しているため、アクスル部材周辺の回転支持部のメンテナンス時の作業性がよい。
請求項2に記載の電動機駆動車両の軸支持機構は、請求項1において、アクスル部材がハウジングに対して、電動機側から車輪側に向かって装着可能である。
この軸支持機構では、アクスル部材がハウジングに対して電動機側から車輪側に向かって装着可能としているため、車輪側への脱落を防止できる。
請求項3に記載の電動機駆動車両の軸支持機構は、請求項2において、アクスル部材が電動機側から車輪側を向きハウジングに当接する軸方向当接部を有している。
この軸支持機構では、アクスル部材が軸方向当接部を有しているため、電動機側から車輪側に移動するのを防止する。
請求項4に記載の電動機駆動車両の軸支持機構は、請求項2または3において、アクスル部材がハウジングに対して、軸心が径方向へ移動不能に当接された径方向当接部を有している。
この軸支持機構では、アクスル部材が径方向当接部を有しているため、径方向の移動を規制し、差動出力軸や車輪の回転軸が安定する。
請求項5に記載の電動機駆動車両の軸支持機構は、請求項2から4において、アクスル部材がハウジングに対して、車輪側から電動機側に向かって移動するのを防止する移動防止部材をさらに備えている。
この軸支持機構では、アクスル部材が移動防止部材を備えているため、アクスル部材が車輪側から電動機側へ移動するのを防止する。
本発明にかかる軸支持機構であれば、電動機駆動車両において、軸支持機構の強度を維持しながら、アクスル部材周辺のメンテナンス時の作業性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
(1)電動機駆動車両の駆動装置の構造
電動機駆動車両の駆動装置の構造について説明する。図1に電動機駆動車両の駆動装置の構造図を示す。本図は1軸駆動の同軸タイプの場合を示す。電動機駆動車両の駆動装置1は、電動機3と、減速装置5と、差動装置7と、軸支持機構2と、車輪12と、ハウジング9とから構成される。電動機3は、駆動軸4を電力により回転させる車両の動力源であり、電動機3から駆動軸4が左右へ延びている。駆動軸4は中空の筒状部材で、減速装置5に連結されている。減速装置5は、駆動軸4の回転数を減速するためのもので、内部は遊星歯車など(図示せず)で構成されている。減速装置5の減速出力軸6は、差動装置7に連結されており、減速装置5にて減速された回転が差動装置7に伝達される。差動装置7は、減速出力軸6の回転を左右の車輪12へ別個独立に伝達するためのもので、差動装置7からは2本の差動出力軸8が車輪12に向かって延びている。一方の差動出力軸8のみ、減速装置5と、駆動軸4とを同心状に貫通している。車輪12は、駆動装置1の両端に一対配置されており、各差動出力軸8の回転がぞれぞれ伝達されるようになっている。
(1)電動機駆動車両の駆動装置の構造
電動機駆動車両の駆動装置の構造について説明する。図1に電動機駆動車両の駆動装置の構造図を示す。本図は1軸駆動の同軸タイプの場合を示す。電動機駆動車両の駆動装置1は、電動機3と、減速装置5と、差動装置7と、軸支持機構2と、車輪12と、ハウジング9とから構成される。電動機3は、駆動軸4を電力により回転させる車両の動力源であり、電動機3から駆動軸4が左右へ延びている。駆動軸4は中空の筒状部材で、減速装置5に連結されている。減速装置5は、駆動軸4の回転数を減速するためのもので、内部は遊星歯車など(図示せず)で構成されている。減速装置5の減速出力軸6は、差動装置7に連結されており、減速装置5にて減速された回転が差動装置7に伝達される。差動装置7は、減速出力軸6の回転を左右の車輪12へ別個独立に伝達するためのもので、差動装置7からは2本の差動出力軸8が車輪12に向かって延びている。一方の差動出力軸8のみ、減速装置5と、駆動軸4とを同心状に貫通している。車輪12は、駆動装置1の両端に一対配置されており、各差動出力軸8の回転がぞれぞれ伝達されるようになっている。
電動機3、減速装置5、差動装置7は、ハウジング9により覆われており、電動機3と減速装置5はハウジング9内部に固定されている。ハウジング9は、一対のアクスルブラケット10と、ケーシング11とで構成される。アクスルブラケット10は、差動出力軸8が電動機3側から車輪12側へ向かってハウジング9を貫通する部分に配置されており、アクスル部材14が軸方向へ着脱可能に当接されている。ケーシング11は、一対のアクスルブラケット10の間に配置されており、アクスルブラケット10とそれぞれ固定されている。ハウジング9の左右には、差動出力軸8などの回転軸と車輪12とを回転可能に支持する軸支持機構2が配置されている。
(2)軸支持機構の構成
図2に軸支持機構の構造図を示す。本図においては、電動機3に隣接している軸支持機構2(図1の左側の軸支持機構2)について説明する。軸支持機構2は、電動機3や減速装置5を覆っているハウジング9と、車輪12とを一体に支持するとともに、電動機3からのトルクを車輪12へ伝達するための機構である。軸支持機構2には、車両や駆動装置1などの重量の一部がかかり、フォークリフトの場合はさらに可動式フォーク部や荷物の重量もかかってくるため強度が重要となってくる。
図2に軸支持機構の構造図を示す。本図においては、電動機3に隣接している軸支持機構2(図1の左側の軸支持機構2)について説明する。軸支持機構2は、電動機3や減速装置5を覆っているハウジング9と、車輪12とを一体に支持するとともに、電動機3からのトルクを車輪12へ伝達するための機構である。軸支持機構2には、車両や駆動装置1などの重量の一部がかかり、フォークリフトの場合はさらに可動式フォーク部や荷物の重量もかかってくるため強度が重要となってくる。
軸支持機構2は、アクスル部材14と、ハブ16と、第1回転支持部17と、第2回転支持部18と、ブレーキ15と、オイルシール20とで構成される。アクスル部材14は、差動出力軸8が貫通する中空の筒状部材であり、アクスルブラケット10と車輪12とを同心状に連結するように配置されている。アクスル部材14の電動機3側外周部は、アクスルブラケット10に対して軸方向へ着脱可能なようアクスルブラケット10と当接されている。アクスルブラケット10の電動機3側内周部には、第1回転支持部17が備えられており、電動機3から延びる駆動軸4の端部がアクスルブラケット10に対して回転可能に支持されている。第1回転支持部17は、玉軸受であり、内輪17aが駆動軸4に固定され、外輪17bがアクスルブラケット10に固定され、複数の球17cがその間に配置されている。
アクスル部材14の車輪12側外周部には、環状の第2回転支持部18が備わっている。第2回転支持部18は、軸方向に並べた軸受である。各軸受は、円錐ころ軸受であり、内輪18aがアクスル部材14に固定され、外輪18bがハブ16(後述)に固定され、複数のころ18cがその間に配置されている。第2回転支持部18の外周部には、さらに環状のハブ16が配置されている。
ハブ16は、第2回転支持部18により、アクスル部材14に対して同心状に回転可能に支持されている。ハブ16の内周端と差動出力軸8の端部とが連結されており、またハブ16の外周端と車輪12のホイール13とが連結されているため、差動出力軸8の回転がハブ16、ホイール13を介して車輪12に伝達される。
ブレーキ15は、ハブ16の回転を摩擦力により抑制するもので、アクスルブラケット10とハブ16との間に環状に配置されている。また、第1回転支持部17および第2回転支持部18の周辺には潤滑油が充填されているため、オイルシール20(後述)により潤滑油の漏れを防止している。
(3)アクスル部材周辺の構造
図3を用いてアクスル部材14がアクスルブラケット10に取り付けられる部分、及びアクスル部材14と他の部品との関係について詳細に説明する。
図3を用いてアクスル部材14がアクスルブラケット10に取り付けられる部分、及びアクスル部材14と他の部品との関係について詳細に説明する。
アクスル部材14の軸方向中間部はブレーキ15及びアクスルブラケット10の内周面10eに当接する中間部外周面14dを有している。さらに、アクスル部材14は、電動機3側の端部に大径部14aを有している。大径部14aは、アクスル部材14において、中間部外周面14dより外径が大きい。以上の構造によって、大径部14aは、環状の突起部であり、軸方向面14bと、大径部外周面14cとを有している。
軸方向面14bは、アクスル部材14の外周全周にわたり形成された環状の平面である。アクスルブラケット10は、大径部14aに対応する凹部10aを有している。凹部10aは、軸方向面14bが当接する軸方向面10cを有している。また、凹部10aは、アクスル部材14の大径部外周面14cが当接する凹部内周面10bを有している。アクスルブラケット10は、内周面10eの車輪12側に中間部外周面14dと当接する内周面11eを有している。以上の構造によって、アクスル部材14は、電動機3側から車輪12側への移動は防止されているが、車輪12側から電動機3側への移動は防止されていない。
スナップリング19は、アクスルブラケット10の凹部内周面10bに設けられた溝10dにはめ込み、アクスル部材14が車輪12側から電動機3側へ移動するのを防止している。
第1回転支持部17のオイルシール20aは、大径部14aの内周面と駆動軸4の端部の外周面との半径方向間に配置されている。大径部14aの内周面は、中間部の内周面より内径が大きくなっている。また、駆動軸4の端部は他の部分より外径が小さくなっている。つまり、シール部材は、両部材の半径方向に広げられた空間内に配置されている。また、第1回転支持部17はアクスル部材14の軸方向電動機3側の先端(大径部14aを含む)に近接又は当接して配置されており、具体的には、外輪17bが軸方向に当接している。このように、アクスル部材14に大径部14aを設け、その部分にオイルシール20aや第1回転支持部17を配置しているため、各部材の大型化が可能になったり、さらに各部材の取り付け作業性が向上したりする。
第2回転支持部18は、2つの回転支持部を軸方向に向かい合わせで組み合わせており、ころにテーパ形状のものを使用しているため、径方向だけでなく軸方向の荷重も受けることができる。また、アクスル部材14と第2回転支持部18との当接部は、第2回転支持部18の軸方向位置決めのための段差部21が設けられており、アクスル部材14の車輪12側端部にストッパー22を取り付けて軸方向に固定している。よって、アクスル部材14と、第2回転支持部18と、ハブ16と、車輪12とは、アクスルブラケット10に対して径方向および軸方向に固定されることとなり、確実な動力伝達と安定した回転が可能となる。また、アクスルブラケット10とアクスル部材14との接合部周辺には、車両や可動式フォーク部の荷重がかかってくるが、大径部14aによりアクスル部材14の電動機3側の径が大きくなるため、強度的により有利となる。
(4)アクスル部材の組み付け動作
アクスル部材14の組み付け動作について説明する。アクスル部材14をアクスルブラケット10に組み付ける際は、アクスル部材14を軸方向電動機3側から差し込むことになるため、アクスルブラケット10はケーシング11とは切り離した状態で行うこととなる。
アクスル部材14の組み付け動作について説明する。アクスル部材14をアクスルブラケット10に組み付ける際は、アクスル部材14を軸方向電動機3側から差し込むことになるため、アクスルブラケット10はケーシング11とは切り離した状態で行うこととなる。
1)スナップリングの取り付け
アクスルブラケット10の凹部10aに設けられた溝10dにアクスル部材14の抜け防止用のスナップリング19をはめておく。環状の部材であるスナップリング19は、完全な環状ではなく円周方向に1カ所切断されており、切断されたそれぞれの端部の間にはすき間が設けられている。よって、径が小さくなる方向へは、すき間分の変形が可能となり、径が大きくなる方向へも弾性変形が可能となっている。
アクスルブラケット10の凹部10aに設けられた溝10dにアクスル部材14の抜け防止用のスナップリング19をはめておく。環状の部材であるスナップリング19は、完全な環状ではなく円周方向に1カ所切断されており、切断されたそれぞれの端部の間にはすき間が設けられている。よって、径が小さくなる方向へは、すき間分の変形が可能となり、径が大きくなる方向へも弾性変形が可能となっている。
スナップリング19は、径が小さくなる方向へ変形させて溝10dにはめ込む。スナップリング19の外径は、溝10dの外径よりも小さいため、スナップリング19と溝10dとの間には径方向に遊びがある。よって、溝10dにはまった状態でスナップリング19の内径を弾性変形により広げることができる。
2)アクスル部材の組み付け
アクスルブラケット10の凹部10a側から、アクスル部材14の車輪12側先端部を軸方向に差し込む。スナップリング19の内径は、アクスル部材14の中間部外周面14dの外径よりも大きいため、スナップリング19と中間部外周面14dとは干渉することなく挿入できる。中間外周面14dとアクスルブラケット10の内周面10eとは、径方向にすき間がほとんどない状態に加工されているため、アクスル部材14がさらに挿入されて中間部外周面14dと内周面10eとが摺動する状態となることで、アクスル部材14とアクスルブラケット10との軸心が決まる。大径部外周面14cと凹部内周面10bとは、中間外周面14dと内周面10eと同様、径方向にすき間がほとんどない状態に加工されているため、大径部14aが凹部10aに達し挿入されると、アクスル部材14はさらに軸心が安定した状態となる。
アクスルブラケット10の凹部10a側から、アクスル部材14の車輪12側先端部を軸方向に差し込む。スナップリング19の内径は、アクスル部材14の中間部外周面14dの外径よりも大きいため、スナップリング19と中間部外周面14dとは干渉することなく挿入できる。中間外周面14dとアクスルブラケット10の内周面10eとは、径方向にすき間がほとんどない状態に加工されているため、アクスル部材14がさらに挿入されて中間部外周面14dと内周面10eとが摺動する状態となることで、アクスル部材14とアクスルブラケット10との軸心が決まる。大径部外周面14cと凹部内周面10bとは、中間外周面14dと内周面10eと同様、径方向にすき間がほとんどない状態に加工されているため、大径部14aが凹部10aに達し挿入されると、アクスル部材14はさらに軸心が安定した状態となる。
スナップリング19の内径よりも大径部14aの外径の方が大きいため、アクスル部材14をさらに挿入するためには、スナップリング19を外周側へ弾性変形させて内径を広げる必要がある。大径部14aの車輪12側外周縁は角部が面取加工されており、スナップリング19の内周側へ面取部が入り込みやすくなっている。大径部14a側からスナップリング19を開きながらアクスル部材14を車輪12側へさらに移動させると、スナップリング19が大径部14aの外周部を挟み込んだ状態となる。この状態で、アクスル部材14をさらに挿入する。
アクスル部材14の軸方向面14bがアクスルブラケット10の軸方向面10cに達すると、大径部14aの電動機3側端部がスナップリング19を軸方向に通過するため、スナップリング19が弾性的に初期の状態に戻る。これにより、アクスル部材14が軸方向電動機3側へ移動すると、スナップリング19が大径部14aの電動機3側端部に当たるため、軸方向電動機3側への移動を防止することができる。
3)第2回転支持部周辺の組み付け
アクスル部材14をアクスルブラケット10に取り付け後、アクスル部材14の中間部にブレーキ15、車輪12側に第2回転支持部18及びハブ16を取り付ける。第2回転支持部18をはめ込む前に、第2回転支持部18の潤滑油シール用のオイルシール20bをブレーキ15と第2回転支持部18との間に取り付けておく。オイルシール20bを取り付け後、第2回転支持部18をアクスル部材14の車輪12側外周部に差し込み、段差部21に当接した状態で車輪12側先端にストッパー22をはめこみ固定する。以後、差動出力軸8やホイール13や車輪12などを順次組み付けていく。
アクスル部材14をアクスルブラケット10に取り付け後、アクスル部材14の中間部にブレーキ15、車輪12側に第2回転支持部18及びハブ16を取り付ける。第2回転支持部18をはめ込む前に、第2回転支持部18の潤滑油シール用のオイルシール20bをブレーキ15と第2回転支持部18との間に取り付けておく。オイルシール20bを取り付け後、第2回転支持部18をアクスル部材14の車輪12側外周部に差し込み、段差部21に当接した状態で車輪12側先端にストッパー22をはめこみ固定する。以後、差動出力軸8やホイール13や車輪12などを順次組み付けていく。
(4)作用効果
本発明の効果を以下にまとめる。本発明の軸支持機構では、アクスル部材14がハウジング9に対して着脱可能に当接されているため、アクスル部材14周辺の回転支持部のメンテナンス時の作業性がよい。また、アクスル部材14の大径部14aの軸方向面14bがハウジング9に当接しているため、電動機3側から車輪12側へ向かって装着が可能で、かつ車輪12側への脱落を防止できる。
本発明の効果を以下にまとめる。本発明の軸支持機構では、アクスル部材14がハウジング9に対して着脱可能に当接されているため、アクスル部材14周辺の回転支持部のメンテナンス時の作業性がよい。また、アクスル部材14の大径部14aの軸方向面14bがハウジング9に当接しているため、電動機3側から車輪12側へ向かって装着が可能で、かつ車輪12側への脱落を防止できる。
スナップリング19により、アクスル部材14が車輪12側から電動機3側へ移動するのを防止することができる。ハウジングとアクスル部材14を一体としている場合と比べ、アクスル部材14を着脱可能としているため、メンテナンス時の作業性が向上する。また、車輪12側から電動機側へ向かって装着可能する場合よりも、アクスル部材14の電動機側外径が大きくなるため、強度が確保できる。
(5)その他の実施形態
本発明はかかる上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。例えば、移動防止部材はスナップリングを想定して記載したが、ボルトやピンのようなものでも構わないし、ハウジングとアクスル部材の車輪側接合部を取り外しが容易な程度に溶接して固定してもよい。
本発明はかかる上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。例えば、移動防止部材はスナップリングを想定して記載したが、ボルトやピンのようなものでも構わないし、ハウジングとアクスル部材の車輪側接合部を取り外しが容易な程度に溶接して固定してもよい。
本発明にかかる電動機駆動車両の軸支持機構であれば、電動機駆動車両において、軸支持機構の強度を維持しながら、アクスル部材周辺のメンテナンス時の作業性を向上させる効果を有し、電動機駆動車両の軸支持機構として有用である。
1 駆動装置
2 軸支持機構
3 電動機
5 減速装置
7 差動装置
8 差動出力軸
9 ハウジング
10 アクスルブラケット
10a 凹部
10b 凹部内周面
10c 軸方向面
10d 溝
10e 内周面
14 アクスル部材
14a 大径部
14b 軸方向面
14c 大径部外周面
14d 中間部外周面
14e 車輪側外周面
17 第1回転支持部
18 第2回転支持部
19 スナップリング
2 軸支持機構
3 電動機
5 減速装置
7 差動装置
8 差動出力軸
9 ハウジング
10 アクスルブラケット
10a 凹部
10b 凹部内周面
10c 軸方向面
10d 溝
10e 内周面
14 アクスル部材
14a 大径部
14b 軸方向面
14c 大径部外周面
14d 中間部外周面
14e 車輪側外周面
17 第1回転支持部
18 第2回転支持部
19 スナップリング
Claims (5)
- 電動機と、前記電動機の駆動軸が連結される減速装置と、前記減速装置の減速出力軸が連結される差動装置と、前記差動装置から延びる一対の差動出力軸と、前記各差動出力軸の左右に連結される一対の車輪とを備えた車両において、
前記電動機と前記減速装置と前記差動装置とを覆うハウジングと、
前記ハウジングに対して前記差動出力軸及び前記車輪を回転可能に支持するためのアクスル部材とを備え、
前記アクスル部材は、前記差動出力軸が同心状に貫通する中空構造を有し、前記ハウジングに対して軸方向へ着脱可能に当接されていることを特徴とする電動機駆動車両の軸支持機構。 - 前記アクスル部材は、前記ハウジングに対して、前記電動機側から前記車輪側に向かって装着可能である、請求項1に記載の電動機駆動車両の軸支持機構。
- 前記環状突起部は、前記電動機側から前記車輪側を向き前記ハウジングに当接する軸方向当接部を有する、請求項2に記載の電動機駆動車両の軸支持機構。
- 前記アクスル部材は、前記ハウジングに対して、径方向へ移動不能に当接された径方向当接部を有する、請求項2または3に記載の電動機駆動車両の軸支持機構。
- 前記アクスル部材が、前記ハウジングに対して、前記車輪側から前記電動機側に向かって移動するのを防止する移動防止部材をさらに備えている、請求項2から4のいずれかに記載の電動機駆動車両の軸支持機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003397594A JP2005153788A (ja) | 2003-11-27 | 2003-11-27 | 電動機駆動車両の軸支持機構 |
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JP2003397594A JP2005153788A (ja) | 2003-11-27 | 2003-11-27 | 電動機駆動車両の軸支持機構 |
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JP2005153788A true JP2005153788A (ja) | 2005-06-16 |
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ID=34722710
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JP2003397594A Pending JP2005153788A (ja) | 2003-11-27 | 2003-11-27 | 電動機駆動車両の軸支持機構 |
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JP (1) | JP2005153788A (ja) |
Cited By (2)
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JP2007071248A (ja) * | 2005-09-05 | 2007-03-22 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | フォークリフトの動力伝達装置 |
CN103640434A (zh) * | 2013-11-13 | 2014-03-19 | 安徽费洛卡重工传动有限公司 | 一种电动汽车后桥驱动 |
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2003
- 2003-11-27 JP JP2003397594A patent/JP2005153788A/ja active Pending
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