JP2005152817A - 洗浄装置及び半導体装置の製造装置 - Google Patents

洗浄装置及び半導体装置の製造装置 Download PDF

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茂行 内山
Tomohiro Haba
智寛 羽場
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Abstract

【課題】 洗浄ローラに残留付着するコンタミを除去して洗浄機能を高く維持すると共に、洗浄ローラの損耗を防いで洗浄ローラの交換頻度を抑え、スループットに優れた装置の実現を可能にする洗浄装置及び半導体装置の製造装置を提供する。
【解決手段】 洗浄ローラの表面に洗浄水を供給し、吸水した前記洗浄ローラの表面をワーク表面に押圧してワーク表面を洗浄する洗浄装置において、当該洗浄ローラの表面に前記洗浄水を噴射して供給する洗浄水噴射機構を備えたことを特徴とする洗浄装置を提供する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、一般には、洗浄装置に係り、特に、高速回転するブレードによって多数の個片に切削又は切溝加工されたワークを洗浄する洗浄装置に関する。本発明は、ワークを加工テーブルに吸着して多数の半導体装置に切断又は区画するダイシング装置に好適である。
近年の電子機器の高性能化と普及に伴い、かかる電子機器に使用される高品位な半導体装置(例えば、BGA(Ball Grid Array)パッケージなど)をますます効率的、且つ、高速で製造しなければならなくなってきている。昨今の半導体装置製造プロセスの組立工程(後工程)では、ワーク(例えば、ウェハや樹脂封止基板)を一括処理により切断又は区画して、多数の半導体装置を得るダイシング加工が注目されている。
ダイシングでは、ワークをダイシングテーブルと呼ばれる台に真空吸着して位置決め及び固定した上で、ダイシングテーブルを移動させながら高速回転するブレードでワークを切断し、多数の半導体装置に個片化する。
ダイシングの際には、コンタミ(切断屑)が発生し、かかるコンタミはワークに付着するため、個片化されたワークに対して洗浄が行われる。
洗浄はワークの全面に対して行われる。まず、個片化されたワークをダイシングテーブルに真空吸着した状態のまま、ダイシングテーブル上方より洗浄水を吹き付けてワークを洗浄する。次に、前記洗浄が及ばないワークの接地面を洗浄すべく、ワークを一括吊持してダイシングテーブルから搬送し、ワークを空中に吊持した状態のまま、ワークの接地面を洗浄ローラで洗浄する。ワークの接地面は、ダイシングテーブルに吸着固定されて切断されるが、洗浄水に溶け込んだコンタミが浸透するなどして少なからず汚染されているため接地面の洗浄は必要である。
洗浄ローラは、内部から洗浄水が浸透するように構成され、水切りローラによって余分な洗浄水が除去される。また洗浄は、回転する洗浄ローラにワークを当接移動する動作によって為される(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−28583号公報
しかし、洗浄ローラが除去したコンタミは、洗浄ローラに残留付着するため、洗浄の度に洗浄ローラにコンタミが堆積し、洗浄ローラの洗浄機能が低下してしまう。従って、ある程度のコンタミが堆積すると、洗浄ローラの交換又は洗浄を行わなければならないが、かかる際には、洗浄ローラの取り外しが必要となるため、ワークを加工していない時間(ダウンタイム)を発生させてしまっていた。当然のことながら、ダウンタイムは、スループットを低下させ、半導体装置の製造の高速化を阻害してしまう。
また、洗浄ローラは、内部から放射状に洗浄水を供給しているために、水切りローラを洗浄ローラに押圧して余分な洗浄水を除去した後、ワークを洗浄するまでにも洗浄水が供給されることになる。従って、水切りローラを設けていても洗浄ローラを所望の湿り(濡れ)具合に制御することが困難であり、洗浄後のワークに水滴痕を残してしまう場合がある。
更に、水切りローラは、洗浄中以外も常に洗浄ローラを押圧するように固定されているため、洗浄ローラが乾燥した際(装置の休止時)に、弾性力(復元力)を失った洗浄ローラに窪みを生じさせてしまう。かかる窪みは、洗浄水を再度浸透させても直らず、ワーク洗浄面との間に空隙を生じさせてしまう(即ち、ワーク洗浄面と接触しない)ために、洗浄ローラの洗浄機能の低下を招く。また、洗浄ローラの使用期間(寿命)も縮めることになり、洗浄ローラの交換頻度が高くなってしまう。交換の際にも、水切りローラが固定されているため、洗浄ローラの取り外しが非常に困難である。
そこで、本発明は、洗浄ローラに残留付着するコンタミを除去して洗浄機能を高く維持すると共に、洗浄ローラの損耗を防いで洗浄ローラの交換頻度を抑え、スループットに優れた装置の実現を可能にする洗浄装置及び半導体装置の製造装置を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての洗浄装置は、洗浄ローラの表面に洗浄水を供給し、吸水した前記洗浄ローラの表面をワーク表面に押圧してワーク表面を洗浄する洗浄装置において、当該洗浄ローラの表面に前記洗浄水を噴射して供給する洗浄水噴射機構を備えたことを特徴とする。また、前記洗浄水噴射機構より噴射する前記洗浄水によって前記洗浄ローラの表面を洗浄可能に設けたことを特徴とする。かかる洗浄装置によれば、洗浄ローラに残留する付着物を吹き飛ばすことが可能となり、所望の洗浄機能を長期間維持することができる。また、洗浄ローラの交換頻度も抑えることができる。更に、吸水した前記洗浄ローラの表面を押圧する水切りローラを、前記洗浄ローラに当接離脱可能に設けたことを特徴とする。これにより、洗浄ローラの乾燥時における窪みの発生を防止することができる。
本発明の別の側面としての半導体装置の製造装置は、ワークを複数の半導体装置に切断した後、切断した前記半導体装置を洗浄ローラで洗浄する半導体装置の製造装置において、当該洗浄ローラを前記半導体装置の洗浄面に沿って当接移動可能に設けたことを特徴とする。かかる半導体装置の製造装置によれば、洗浄動作の精度と効率を向上することで洗浄ローラの損耗を防ぎ、洗浄ローラの交換頻度を抑えることができる。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例において明らかにされるであろう。
本発明によれば、洗浄ローラの交換頻度を抑えて、スループットに優れた装置の実現を可能にする洗浄装置及び半導体装置の製造装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の一側面としての洗浄装置について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。ここで、図1は、本発明の洗浄装置を有する半導体装置の製造装置の一例としてのダイシング装置1の全体を示す平面図である。
図1を参照するに、ダイシング装置1は、ウェハや樹脂封止基板などのワークWを多数の半導体装置に切断又は区画する装置であり、ワーク供給部100と、ダイシングテーブル200と、切削機構300と、ワーク洗浄部400及び500と、ワーク検査部600と、ワーク収納部700とを有する。
ワーク供給部100は、ダイシング前のワーク(多数の半導体装置に切断又は区画する前のウェハや樹脂封止基板)Wを収納すると共に、かかるワークWを後述するダイシングテーブル200に供給する。ワーク供給部100は、例示的に、供給部110と、切出部120と、図示しない搬送手段とを有する。
供給部110は、多数のワークを収納する供給マガジンを複数装備し、プッシャーなどにより切出部120にワークWを必要枚数だけ供給することができる。
図1では長尺の樹脂封止基板一枚を供給するように図示しているが、図示した半分の長さの樹脂封止基板二枚をY方向に並べて供給し、以降同様に取り扱うこともできる。切出部120に供給されたワークWは、図示しない搬送手段によってダイシングテーブル200に載置される。搬送手段には、当業界周知のいかなる技術をも適用することができるのでここでの詳細な説明は省略する。
ダイシングテーブル200は、本実施形態では、矩形形状を有し、上面に多数設けられた吸引孔によってワークWを位置決め固定する。ダイシングテーブル200の吸引孔は、図示しない吸引機構によって所定の減圧環境に維持され、ワークWを吸着可能にする。また、ダイシングテーブル200は、後述する切削機構300のブレード310と協同してワークWを個片化する機能を有する。ダイシングテーブル200は、図示しない回転機構によって回転可能に構成されると共に、図示しない並進機構によってY軸方向に並進可能に構成されている。
図示しない回転機構は、ワークWの縦横(X軸方向及びY軸方向)を切断する際、及び、異なるワークWを切断する際に、所定角度だけダイシングテーブル200を回転させる機能を有する。図示しない並進機構は、切断時に、ダイシングテーブル200を、図1に示すY軸方向に移動させる機能を有する。なお、回転機構及び並進機構は、当業界周知のいかなる技術をも適用することができるのでここでの詳細な説明は省略する。なお、ダイシングテーブル200は、一般には、ワークWを直接載置する場合は少なく、ワークWを切断する形状及び数などに応じて交換可能に用意されるダイシング治具を介してワークWの固定及び位置決めを行っている。
研削機構300は、ダイシングテーブル200に位置決め固定されたワークWに対して切削又は切溝加工を施す機能を有し、例えば、ブレード310と、スピンドル320とから構成される。
ブレード310は、スピンドル320の先端に交換可能に取り付けられ、回転軸を中心として高速回転することで、ダイシングテーブル200に固定及び位置決めされたワークWを切断する機能を有する。ブレード310は、本実施形態では、ワークWをY軸方向に切断することが可能であり、Y軸方向に切断されたワークWを載置したダイシングテーブル200を90度回転し、再度重ねてワークWをY軸方向に切断することで、ワークWを個片の半導体装置に切断することができる。
スピンドル320は、回転運動を生成するモーターと、モーターの回転運動をブレード310の回転軸に伝達するスピンドルシャフトと、ブレード310の刃先位置を定めるスラストベアリングと、モーター、スピンドルシャフト及びスラストベアリングを収納するスピンドルハウジングとを含み、ブレード310に回転運動を付与する回転機構の機能を有する。
ワーク洗浄部は、ダイシング後のワーク(多数の半導体装置に切断又は区画されたウェハや樹脂封止基板)Wを洗浄する機能を有し、本実施形態では、第1の洗浄装置400と、第2の洗浄装置500とを有する。
第1の洗浄装置400は、ダイシング後のワークWをダイシングテーブル200に吸着したまま洗浄する。第1の洗浄装置400は、ダイシングテーブル200に吸着されたワークWの上方より水及びエアが混合した洗浄水を吹き付けることが可能なように構成される。第1の洗浄装置400は、例えば、洗浄水を吹き付けるノズルを有し、ダイシングテーブル200が通過(移動)可能なゲート状の部材で構成されるシャワー方式の洗浄装置として具現化される。これにより、ワークWの表面に付着したコンタミと、半導体装置として利用しない切断端材とを洗い流すことができる。また、第1の洗浄装置400で使用された洗浄水や洗い流されたコンタミ及び切断端材は、ダストボックス410に廃棄される。
第2の洗浄装置500は、第1の洗浄装置400によって上方からの洗浄が終了したワークWの接地面を洗浄する機能を有する。ダイシング後のワークWは、第1の洗浄装置400によって上方より洗浄されているが、接地面は洗浄されておらず、ダイシングの際に発生するコンタミや第1の洗浄で使用されたコンタミを含んだ洗浄水が接地面に回りこんで残留する場合があるので、第2の洗浄装置500によって接地面を洗浄する必要がある。
第2の洗浄装置500は、図2に示すように、洗浄ユニット510と、排水機構530と、移動機構540とを有する。ここで、図2は、図1に示す第2の洗浄装置500の構成を示す拡大図であって、図2(a)は上面図、図2(b)は正面図である。
洗浄ユニット510は、後述する移動機構540によってY軸方向に移動可能に構成され、図示しない吸着搬送手段がダイシングテーブル200から搬出して保持するワークWを下方より洗浄する。洗浄ユニット510は、図3に示すように、洗浄ローラ511と、エアブロー補器512と、ギア部514と、後述する水切りユニット520とを有する。洗浄ユニット510は、洗浄ローラ511、エアブロー補器512、ギア部514を一体に構成しており、小型化が実現され、移動に適するように設けられている。ここで、図3は、図2に示す洗浄ユニット510のAA断面における断面矢視図である。
洗浄ローラ511は、ワークWと接触する表面511aを有し、表面511aが吸収する洗浄水を利用してワークに付着したコンタミ(付着物)を除去する機能を有する。洗浄ローラ511は、後述する回転駆動部513によって回転可能なローラ軸RSの周りに、スポンジ等の洗浄水を吸収可能な吸収部材をローラ状に形成することで構成される。洗浄水を吸収した表面511aをワークWに接触させ、洗浄ローラ511を回転することによってワークWに付着したコンタミを除去することができる。
エアブロー補器512は、洗浄ローラ511のローラ軸RSに設けられ、エアブローによって、洗浄ローラ511(ローラ軸RS)の軸受け部に洗浄水が浸入することを防ぐ機能を有する。エアブロー補器512は、ローラ軸RSの一端に設けられたエア供給口512aと、ローラ軸RSの両端に形成されたブロー孔512bとを有する。エア供給口512aは、ローラ軸RSに形成された中空部RSaを介してブロー孔512bと連通し、本実施形態においては、矢印B方向にエアブローするように構成されている。
回転駆動部513は、洗浄ローラ511(ローラ軸RS)に回転運動を付与する機能を有する。回転駆動部513は、図2及び図4に示すように、回転運動を生成するモーター513aと、回転シャフト513bとを有し、ギア部514に接続する。ここで、図4は、洗浄ユニット510及び回転駆動部513の構成を示す拡大図であって、図4(a)は上面図、図4(b)及び(d)は側面図、図4(c)は正面図である。
モーター513aは、洗浄ローラ511を回転させるための回転運動を生成する機能を有する。モーター513aは、例えば、整流子及びブラシを有するブラシ付きモーターや、磁電変換素子を有するブラシレスモーターを用いることができる。
回転シャフト513bは、円筒状部材から構成され、一端にモーター513aが、他端にギア部514が接続される。換言すれば、回転シャフト513bは、ギア部514を介してモーター513aと洗浄ローラ511とを接続し、モーター513aの回転運動を洗浄ローラ511のローラ軸RSに付与する機能を有する。
ギア部514は、回転シャフト513bの回転運動を洗浄ローラ511に伝達する機能を有し、本実施形態では、第1のギア514aと、第2のギア514bと、第3のギア514cと、第4のギア514dとを有する。第1のギア514aは、ジョイントJTを介して回転シャフト513bに連結し、第2のギア514bが第1のギア514aに歯合し、第3のギア514cは第2のギア514bと同軸に設けられ、第4のギア514dが第3のギア514cに歯合し、洗浄ローラ511のローラ軸RSは第4のギア514dと同軸に設けられている。第1のギア514a乃至第4のギア514dにより、Y軸方向に移動可能な洗浄ユニット510の小型化を図ることができる。
洗浄水噴射機構515は、洗浄ローラ511の表面511aに洗浄水を噴射する機能を有する。洗浄水噴射機構515は、図5に示すように、洗浄水を供給する供給口515aと、洗浄水を噴射する噴射口515bとを有し、洗浄ローラ511の表面511aがワークWと接触する位置(洗浄位置)とローラ軸RSを介して対向する位置に、噴射口515bを配置するように構成される。噴射口515bは、図5(b)に示すように、洗浄ローラ511の表面511aに沿って複数設けられ、1つの供給口515aに連通する。但し、噴射口515bの数は限定されず、また、それぞれ異なる角度に洗浄水を噴射するように構成してもよい。ここで、図5は、洗浄ユニット510の洗浄水噴射機構515の構成を示す図であって、図5(a)は正面図、図5(b)は図5(a)の右側断面図である。
洗浄ローラ511の表面511aが吸収する洗浄水を外部から噴射することにより、ワークWを洗浄した洗浄ローラ511に残留付着するコンタミを吹き飛ばして除去することが可能となる。これにより、洗浄ローラ511の洗浄機能を長期間維持し、洗浄ローラ511の交換によるダウンタイムを抑えて、スループットの低下を防ぐことができる。即ち、噴射口515bは、吹き飛ばしたコンタミがワークWに付着したり、洗浄ローラ511に再付着したり、その他の部材(例えば、水切りユニット520)等に付着したりしないような位置、且つ、噴射する洗浄水の勢いを最大限に利用して効果的にコンタミを吹き飛ばすことができる位置に配置することが好ましい。また同時に、洗浄水の噴射角度の設定も重要である。洗浄水を洗浄ローラ511の中心軸に向けて噴射してしまうと、洗浄ローラ511の表面511aに対して垂直に噴射されることとなるため、噴射の勢いが大きく損なわれて効率的でない。洗浄水は洗浄ローラ511の表面511aに対して最適な噴射角度で噴射されるべきである。このため噴射口515bは、洗浄ローラ511の表面511aに対する噴射角度を調整可能に構成されることが好ましい。本実施形態では、洗浄水噴射機構515は、噴射角度調整器515cを備える。
噴射角度調整器515cは、噴射口515bが噴射する洗浄水の角度を調整する。換言すれば、噴射角度調整器515cは、噴射口515bの噴射面の法線角度を変更することができる。例えば、噴射口515bが設けられ、供給口515aと接続する噴射管を回転軸ACを中心に回転可能に構成することで噴射口515bの噴射面の法線角度を変更することが可能となる。噴射口515bの噴射面の法線角度を最適に調整することによって、効率的且つ確実にコンタミを吹き飛ばすことができ、洗浄ローラ511の洗浄機能の低下を防ぐことができる。なお、洗浄ローラの表面にコンタミが不規則に残留する傾向がある場合には、図示しないコンタミ検出手段を設けて、かかるコンタミ検出手段が検出した特定の箇所に向けて洗浄水を噴射するように噴射口515bの噴射角度を制御してもよい。
水切りユニット520は、洗浄ローラ511の表面511aが吸収しない余分な(即ち、表面511aに流出した)洗浄水を除去する機能を有し、図6に示すように、水切りローラ522と、押圧離脱機構524とを有する。ここで、図6は、水切りユニット520の構成を示す正面図であって、図6(a)は水切りローラ522が洗浄ローラ511を押圧した状態、図6(b)は水切りローラ522が洗浄ローラ511から離脱した状態を示している。
水切りローラ522は、洗浄ローラ511の表面511aを水切りする機能を有し、後述する排水機構530に余分な洗浄水を落下させる。水切りローラ522は、洗浄ローラ511の回転方向において、噴射口515bが洗浄水を供給する供給位置SPと洗浄ローラ511の表面511aがワークWと接触する位置(洗浄位置)CPとの間に配置される。換言すれば、水切りローラ522の位置(水切り位置)WPと洗浄位置CPとの間には、供給位置SPを配置しない。これにより、洗浄ローラ511の表面511aに洗浄水を供給した後に、水切りローラ522によって余分な洗浄水を除去することができ、且つ、余分な洗浄水を除去した後に洗浄水が供給されることを防止することができる。これは、水切り位置WPから洗浄位置CPまでは、洗浄ローラ511の表面511aに吸収されている洗浄水の量が変化しないからである。即ち、本実施形態では、洗浄水の供給位置(即ち、噴射口515bの位置)SPと洗浄位置(即ち、洗浄ローラ511の表面511aがワークWと接触する位置)CPとが十分離れているために水切り位置(即ち、水切りローラ522の位置)WP後に洗浄水が浸透する影響を低減すると共に、水切り位置WP後に洗浄ローラ511の表面511aに吸収されている洗浄水の量も変化しないため、洗浄ローラ511の表面511aを所望の湿り(濡れ)具合に制御することが可能であり、洗浄後のワークに水滴痕が残ることを防止することができる。
押圧離脱機構524は、水切りローラ522を洗浄ローラ511に押圧する及び水切りローラ522を洗浄ローラ511から離脱させる機能を有する。詳細には、押圧離脱機構524は、水切りローラ522を、ワークWの洗浄時(ダイシング装置1の稼働時)に洗浄ローラ511に押圧させ、ワークWの洗浄時以外(ダイシング装置1の休止時)に洗浄ローラ511から離脱させる。押圧脱離機構524は、本実施形態では、回転部524aと、押引部524bから構成される。
回転部524aは、固定軸FSを中心として回転可能であり、一端に押引部524bが接続され、他端に水切りローラ522が取り付けられている。押引部524bは、図6(a)に示すように、回転部524aに接続された一端を矢印α方向に押すことで水切りローラ522を矢印β方向に移動させて洗浄ローラ511を押圧し、図6(b)に示すように、回転部524aに接続された一端を矢印α方向に引くことで水切りローラ522を矢印β方向に移動させて洗浄ローラ511から離出させる。なお、ダイシング装置を停止したときに、少なくとも、洗浄ローラ511から水切りローラ522を離脱させるべきことを知らせる表示を行うことが望ましい。勿論、噴射口515bから洗浄水の噴射が停止した際に、洗浄ローラ511から水切りローラ522を自動的に離脱させる構成にしてもよい。
押圧離脱機構524によって、水切りローラ522は、洗浄ローラ511に対して押圧及び離脱可能となり、洗浄ローラ511が乾燥する際(ワークWの洗浄中以外)には、水切りローラ522と洗浄ローラ511とを離脱させることで、乾燥によって弾力性(復元力)を失った洗浄ローラ511が水切りローラ522に押圧されて生ずる窪みの発生を防止する。これにより、洗浄ローラ511の洗浄機能の低下及び使用期間の短縮を防止することができる。また、洗浄ローラ511の交換の際にも、図6(b)に示すように、洗浄ローラ511から水切りローラ522を離脱することが可能であるため、容易に洗浄ローラ511を取り外すことができる。
排水機構530は、洗浄ローラ511の下方に配置され、排水槽532と、排水口534と、網皿536とを有する。排水槽532は、水切りローラ522が水切り(除去)した洗浄ローラ511の表面511aの余分な洗浄水及びコンタミ等を溜める。排水口534は、排水槽532に溜まった洗浄水及びコンタミ等を廃棄する際に用いる。網皿536は底面が鋼網で構成された簡易濾過皿であり、洗浄中に半導体装置が落下した場合に拾い受ける機能を有する。
移動機構540は、図示しない吸着搬送手段が一括して吸着吊持しているワークWの洗浄面(ワークWを切断した際の接地面)に沿って、Y軸方向に洗浄ユニット510を移動させる機能を有する。移動機構540は、本実施形態では、モーター542と、ベルト544と、スライドマウント546とを有する。
移動機構540は、モーター542が回転することにより、ベルト544を巻き回し、ベルト544に連結するスライドマウント546と洗浄槽CC上面(外縁上)を転がるガイドローラGRとに支持された洗浄ユニット510及び回転駆動部513をY軸方向へ移動可能に構成されている。
ガイドローラGRは洗浄槽CC上面(外縁上)で支持されているため、洗浄ユニット510は洗浄槽CC上面(外縁上)に沿って移動し、別途図示しない吸着搬送手段によって洗浄槽CC上面(外縁上)と平行に保持されているワークWの洗浄面に正確に当接移動して洗浄するように構成されている。かかる構成により、洗浄ユニット510の洗浄ローラ511は、ワークWの洗浄面に沿って精密に当接移動することができ、ワークWの洗浄面に付着したコンタミを洗浄ローラ511に過大な負担をかけることなく除去することができる。
また、移動機構540は、スライドマウント546と回転駆動部513との連結部に図7に示す支持軸548を備えている。支持軸548はスライドマウント546と回転駆動部513とを軸芯で同軸回転可能に支持することで、スライドマウント546と回転駆動部513との連結を緩やかなものとし、洗浄ユニット510がガイドローラGRによる支持のみを忠実に反映して移動するように構成されている。
当実施例の洗浄装置では、図示しない吸着搬送手段によって一括吸着された多数のワークWを固定に保持し、広面積に並べて保持されたワークWの洗浄面に沿って精度良く当接可能な洗浄ローラを移動して洗浄するように構成されているため、従来の洗浄方法と比べ、洗浄ローラの損耗を防ぎ、洗浄ローラの交換頻度を低減して半導体装置の生産効率を向上することができる。
ワーク検査部600は、個片化されたワークWの1つ1つ(即ち、半導体装置)に対して画像処理検査及び導通検査を含む品質検査を行う機能を有し、バッファトレイ610と、反転ピックアップ機構620と、検査テーブル630とを有する。
バッファトレイ610は、ワークWを一括して取り扱う切削及び洗浄機構と、個片化されたワークWを一つずつ検査する検査テーブル630との間に配置され、処理速度の差異を吸収する機能を有する。バッファトレイ610は、第2の洗浄装置500から図示しない吸着搬送手段によって一括して搬送されてきたワークWを一時的に収容し、ワークWを一つずつ取り扱う反転ピックアップ機構620へワークWを受け渡す。
反転ピックアップ機構620は、バッファトレイ610が収納したワークWを一つずつ天地反転する機能を有する。半導体装置の製造形態によっては、半導体装置本来の実装姿勢である端子面を下へ向けた状態でなく、半導体装置が天地反転した状態で製造される場合があるため、ワークを天地反転して半導体装置本来の実装姿勢とするために反転ピックアップ機構が配置されることがある。当実施形態は反転ピックアップ機構620を備えている。
反転ピックアップ機構620によって天地反転されたワークWは、半導体装置本来の実装姿勢である端子面を下へ向けた姿勢で図示しない搬送機構に受け渡され、検査テーブル630に搬送される。
検査テーブル630は、回転軸を中心として矢印A方向に回転可能に構成され、回転軸を中心として90度間隔で外周部の4箇所に配置された保持部632a乃至632dを有する。保持部632a乃至632dには、図示しない搬送用ピックアップ機構より搬送されたワークWが端子面を下にして載置される。検査テーブル630の保持部632a乃至632dに保持されたワークWは、検査テーブル630が90度回転することにより、順次検査位置に送られて品質検査を受ける。品質検査を受けたワークWは、検査テーブル630が更に90度回転することにより順次搬出位置に送られて、図示しない搬出用ピックアップ機構によってワーク収納部700へ搬出される。図1において、632aは反転ピックアップ機構620からワークWが載置される載置位置、632cはワークWの検査が行われる検査位置、632dはワーク収納部700へワークWを搬出する搬出位置といえる。
ワーク収納部700は、ワーク検査部600での品質検査が終了したワークWを良品と不良品とに分けて収納する機能を有し、良品のワークを収納する良品収納トレイ710と、不良品のワークを収納する不良品収納トレイ720とを有する。なお、良品収納トレイ710及び不良品収納トレイ720は、ワークWの収納スピードに応じてY軸方向(図面上から下に向かって)に移動可能に構成されている。品質検査が終了したワークWは、検査テーブル630の保持部632dの位置(搬出位置)に移動され、図示しない搬出用ピックアップ機構に吸着されてワーク収納部700に搬出され、Y軸方向に移動する良品収納トレイ710又は不良品収納トレイ720に収納される。
以下、上述のダイシング装置1の動作について説明する。まず、ワーク供給部100において、ワークWが供給部110から切出部120に供給される。切出部120に供給されたワークWは、搬送機構によってダイシングテーブル200に載置される。ダイシングテーブル200に載置されたワークWは、吸引機構等を介して、ダイシングテーブル200に吸着される。
ワークWを位置決め固定したダイシングテーブル200は、並進機構及び回転機構によって移動及び回転し、切削機構300と協同してワークWを個片化する。詳細には、回転駆動するブレード310に対して並進機構を利用してダイシングテーブル200をY軸方向に移動し、さらに往復移動してワークWを切断する。Y軸方向の切断を繰り返した後、回転機構によってダイシングテーブル200を90度回転させ、同様の作業を繰り返し、ワークWを多数の個片に切断する。
次に、個片化したワークWをワーク洗浄部400及び500で洗浄する。詳細には、並進機構を利用してダイシングテーブル200をY軸方向へ移動させると共に、ダイシングテーブル200が第1の洗浄装置400を通過する際に、洗浄液を吹き付ける。このとき、ダイシングテーブル200には個片化されたワークWが吸着されたままであるのでワークWが上方より洗浄される。
第1の洗浄装置400での洗浄が終了すると、個片化されたワークWは、吸着搬送手段によって一括吸着され、第2の洗浄装置500に搬送される。吸着搬送手段に吸着吊持されたワークWは、第2の洗浄装置500によって下方から洗浄される。具体的には、まず、回転駆動部513によって洗浄ローラ511を回転駆動し、洗浄水噴射機構515から洗浄水を洗浄ローラ511の表面511aに噴射する。このとき、噴射角度調整器515cにより洗浄水の噴射角度が最適に設定されており、以前の洗浄によって洗浄ローラ511に残留付着しているコンタミを吹き飛ばすことで、所期の洗浄機能を維持している。洗浄ローラ511が、表面511aに洗浄水を吸収すると、押圧離脱機構524を備えた水切りローラ522が表面511aを押圧し、洗浄ローラ511を所望の湿り(濡れ)具合に制御する。そして、所望の湿り(濡れ)具合に制御された洗浄ローラ511の表面511aをワークWの洗浄面に接触させると共に、移動機構540によって洗浄ローラ511(洗浄ユニット510)をワークWの洗浄面に沿って精度良く当接移動させ、ワークWに付着したコンタミを洗浄する。このとき、洗浄ローラ511の表面511aとワークWとは、均一に接触するよう構成されており、洗浄ローラ511に負荷をかけることなく洗浄を行うことができる。また、洗浄水の過剰供給によって洗浄後のワークWに水滴痕が残ることも防止されている。なお、ワークWの洗浄を終了する場合(ダイシング装置1の休止時)には、押圧離脱機構524によって水切りローラ522を洗浄ローラ511の表面511aから離脱させる。これにより、洗浄ローラ511の乾燥時に表面511aに窪みが生じることを防止している。このように、第2の洗浄装置500は、洗浄ローラ511の洗浄機能を高く維持すると共に、洗浄ローラ511の損耗を防止することができるため、洗浄ローラの長期使用を実現し(即ち、洗浄ローラ511の交換頻度を低減し)、洗浄ローラ511の交換によるダウンタイムを抑えて、スループットの低下を防ぐことができる。
洗浄が終了したワークWは、ワーク検査部600に搬送され、個片化されたワークWについて品質検査が行われる。次に、ワーク収納部700において、良品のワークは良品収納トレイ710に、不良品のワークは不良品収納トレイ720に分けて収納する。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されずその要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
本発明の半導体装置の製造装置(ダイシング装置)の平面図である。 図1に示す第2の洗浄装置の構成を示す拡大図である。 図2に示す洗浄ユニットのAA断面における断面矢視図である。 洗浄ユニット及び回転駆動部の構成を示す拡大図である。 洗浄ユニットの洗浄水噴射機構の構成を示す図である。 水切りユニットの構成を示す正面図である。 図2に示す移動機構の構成を示す拡大図である。
符号の説明
1 ダイシング装置
100 ワーク供給部
200 ダイシングテーブル
300 切削機構
400 第1の洗浄装置
500 第2の洗浄装置
510 洗浄ユニット
511 洗浄ローラ
512 エアブロー補器
512a エア供給口
512b ブロー孔
513 回転駆動部
513a モーター
513b 回転シャフト
514 ギア部
514a乃至514d 第1のギア乃至第4のギア
515 洗浄水噴射機構
515a 供給口
515b 噴射口
515c 噴射角度調整器
520 水切りユニット
522 水切りローラ
524 押圧離脱機構
530 排水機構
540 移動機構
542 モーター
544 ベルト
546 スライドマウント
600 ワーク検査部
700 ワーク収納部
W ワーク

Claims (4)

  1. 洗浄ローラの表面に洗浄水を供給し、吸水した前記洗浄ローラの表面をワーク表面に押圧してワーク表面を洗浄する洗浄装置において、
    当該洗浄ローラの表面に前記洗浄水を噴射して供給する洗浄水噴射機構を備えたことを特徴とする洗浄装置。
  2. 前記洗浄水噴射機構より噴射する前記洗浄水によって前記洗浄ローラの表面を洗浄可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。
  3. 吸水した前記洗浄ローラの表面を押圧する水切りローラを、前記洗浄ローラに当接離脱可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。
  4. ワークを複数の半導体装置に切断した後、切断した前記半導体装置を洗浄ローラで洗浄する半導体装置の製造装置において、
    当該洗浄ローラを前記半導体装置の洗浄面に沿って当接移動可能に設けたことを特徴とする半導体装置の製造装置。
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